JP2001111289A - 電波吸収体及びその製造方法 - Google Patents

電波吸収体及びその製造方法

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裕子 反田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】成形体表面の電気抵抗率の低下による電波反射
量の増大を防止し、寸法精度に優れた、均質な特性をも
つ電波吸収体及びその製造方法を得る。 【解決手段】熱硬化性樹脂に、鉄族の金属又はその化合
物の少なくとも一種以上を含む粒状の軟磁性金属材料を
50〜99重量%分散含有した複合材を湿式法で造粒
し、粉末加圧成型法を用いて成形し、離型後、所定の温
度で加熱硬化した所定形状の電波発生源を包囲する電波
吸収体を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電波発生源を包囲
するようなケース形状、円筒形状、あるいはキャップ形
状の電波吸収体であって、各種物品から発生する電波、
電磁波を外部へ放射させない電波吸収体及びその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、電波、電磁波に関してEMC(電
磁波環境対応性)及びEMI(電磁波障害)と呼ばれる
問題が存在し、科学技術の発展と共に無数の電気・電子
機器から放射される有用・無用の電磁波が充満するよう
になり、ICやLSIが多用されているコンピュータ、
コントローラ等の電子機器は産業用、民生用を問わず、
これら外来電磁波、ノイズによる障害が重大な問題とな
っている。この為、電波発生源あるいはその周辺の電波
の不要な反射、散乱、干渉が生じる箇所には、例えば鉄
板、銅箔、アルミ板などの外界からの電波を反射する金
属材料を貼付したり、フレキシブルシートといわれるい
わゆるゴム材や熱可塑性樹脂に磁性材料を所定の比率で
配合した電波吸収シートを該当個所に貼付することで、
種々のトラブルを抑制していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常こ
れらのシート状の電波吸収体ではアスペクト比が大きい
磁性材料を充填材として使用する為、磁性材料の配向配
列が避けられず電波の入射方向に対する電磁波の吸収特
性にバラツキが発生していた。
【0004】また、このように、表面に貼付して使用す
る場合、電波発生源を完全に包囲することが出来ず、E
MCと呼ばれる電気・電子機器等の電磁波漏洩、放射に
関するTEMPESTと称される特別な規格を完全に満
足するものではなかった。さらに、電波吸収体は電波を
熱に変換することで吸収特性を得る為、熱伝導率が小さ
い合成ゴムのような材料をマトリックスとして選定する
と、吸収した電磁波を変換した熱が蓄熱することにより
ゴムが変質してしまったり、熱変形が起こり信頼性が低
下する上、ケース形状等の複雑な形状の成形が難しい等
の問題があった。
【0005】また、ケース状あるいはキャップ状の電波
吸収体の製造方法として、電波吸収体を金属にディッピ
ング法や吹き付け法で表面を被覆する方法や、特開平5
−269860号公報の様に成形型に電波吸収特性を持
つフィラーを混合した樹脂を注入硬化後、脱型して所定
の形状に成型する方法が提案されている。
【0006】さらに、特許第2857960号の様に薄
板状のフェライトシート原料を半乾燥し、所定の型に対
応した形状に成型、焼成して硬質のフェライトシートで
製造する製造方法が提案されている。
【0007】ところが、電波吸収特性は、電波吸収部分
の厚みや形状に依存する為、上記のような厚みムラや形
状不良が生じやすい製造方法では、均質な特性をもつ製
品を製造しにくいといった問題があった。
【0008】さらに、通常、樹脂複合体の成型方法とし
て一般的なインジェクション成形、トランスファー成
形、熱間プレス法、鋳込み成型法等においては、所定の
金型内で、樹脂の流動方向への充填材の配向や、金型面
の転写等が発生し、機械的強度、磁気特性に異方性が発
生する。特に、造粒法として一般的な熱ロール法、圧延
法等の成型法等の製法を用いると、軟磁性金属磁性材料
を混合した樹脂を加熱溶融した状態でせん断力をかけて
成形するため、延性材料である軟磁性金属がロール成型
時にせん断力がかかり、成形体表面に存在する軟磁性金
属材料が著しく変形し扁平状となる。つまり、軟磁性金
属磁性材料の比表面積の増大に伴って、その接触面積が
増加することから、成形体表面の電気抵抗率の低下によ
る電波反射量の増大があるといった問題があった。
【0009】加えて、鉄族の金属又はその化合物からな
る、粒状の軟磁性金属材料を充填材として用いる場合、
成形体の電気抵抗率の低下による電波反射量の増大を防
止する為に、充填材同志の絶縁性を確保する為、表面の
酸化処理或いはカップリング剤で予め絶縁処理するか、
電波吸収材の加熱硬化中に、金属の腐食を促進させる酸
性、又はアルカリ性のガスを発生するような合成樹脂を
用いて磁性材料の表面に絶縁層を形成する必要があり、
製造上非常に手間がかかっていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者は、上記
課題を解消するために鋭意研究を繰り返したところ、熱
硬化性樹脂に、鉄族の金属又はその化合物の少なくとも
1種以上を含む粒状の軟磁性金属材料を50〜99重量
%分散含有した複合材を湿式法で造粒し、粉末加圧成型
法を用いて成形し、離型後、所定の温度で加熱硬化する
ことで、磁気特性、機械的強度の異方性を低減し、成型
圧力やせん断力による軟磁性金属の変形を押さえること
で、ケース状、キャップ状、チューブ状等の複雑形状を
含む成形体表面の電気抵抗率の低下による電波反射量を
増大させない電波発生源を包囲する優れた電波吸収体を
寸法精度良く得られることがわかった。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
【0012】本発明の電波吸収体は、例えば、液状のレ
ゾール型フェノール樹脂をアセトン等の溶媒に溶解さ
せ、パーマロイ等の軟磁性金属磁性材料を50〜99重
量%分散混合し、所定の温度で乾燥し粒状の軟磁性金属
磁性材料を樹脂で被覆、溶媒を蒸発させると共に、樹脂
の重合度を上げて造粒体を作製し、この造粒体を金型へ
充填し成形、離型後所定の温度で一定時間加熱して成形
する粉末加圧成型法で作製する。
【0013】この製法によれば、磁性材料が特定方向に
配向することがない上、軟磁性金属は樹脂に被覆される
ことで絶縁されており、乾燥により熱がかかる為、樹脂
の重合度が高くなり、顆粒の弾性が上がる為、成型時に
加えられた圧力により粒状の軟磁性金属磁性材料が圧延
されて扁平形状に変形することが起こらない。従って、
互いに接触しないため、成形体の表面抵抗率が低下せず
絶縁状態を維持できる。つまり、電波を吸収する主面と
内部の軟磁性金属の形状が同等に維持でき、電波発生源
を包囲する優れた電波吸収体を作製できる。
【0014】ここで、主面と内部の軟磁性金属の形状が
同等とは、主面に存在する軟磁性金属材料と成形体内部
に存在する軟磁性金属材料の平均アスペクト比、平均粒
径、が同等であるということであり、具体的には平均ア
スペクト比及び平均粒径のそれぞれの値が主面と内部で
2倍以下であるものと定義する。
【0015】これらの値は、例えば、成形体の任意の断
面または表面を走査型電子顕微鏡にて画像撮影し、その
画像から、画像解析にて粒子の長辺、短辺の寸法を測定
しその長辺/短辺を算出することでアスペクト比が得ら
れる。平均粒径は、各粒子の左右、上下の寸法を各々測
定しその平均値を算出することで得られる。
【0016】ここで、軟磁性金属磁性材料の平均粒径は
1μm以上300μm以下、好ましくは3μm以上20
μm以下が好適に使用できる。また、そのアスペクト比
は1〜10の範囲であると、少量の樹脂で造粒ができる
為、良好な電波吸収特性が得られる。
【0017】ところで、電波吸収体前面が空気と接して
いる場合、その表面において電波を無反射にするには、
電波吸収体が接している空気との間での反射を小さくす
ることが重要である。ここで、境界面で生ずる反射係数
は、材料の特性インピーダンスの値で決まり、一般的な
材料の特性インピーダンスZc は、次式で表される。
【0018】 Zc=η√(μr /εr ) ・・・(1) ここで、 η:空気の特性インピーダンス μr :複素比透磁率 εr :複素比誘電率 以上を満足する材料が得られれば、境界面における反射
係数を小さくすることが出来る。
【0019】ここで、合成樹脂に混合する磁性材料は、
電波吸収体の複素比透磁率、複素比誘電率を調整するた
めに含有するもので、その含有量を増やすことで電波吸
収体の複素比透磁率、複素比誘電率を高めることができ
る。
【0020】また、無機充填材、炭素系充填材を、複素
比誘電率の調整、熱伝導率の調整、強度補強、軽量化を
目的として一定量配合しても構わない。
【0021】尚、軟磁性金属磁性材料を50〜99重量
%としたのは、50重量%未満では、上記のような製造
方法では、残部である樹脂の配合比が大きくなりすぎ
て、湿式法で造粒する場合、乾燥工程で溶媒が樹脂に残
留し易く、加熱硬化後に、成形体の変形、膨れが発生し
形状不良が発生する為である。
【0022】例えば、上記以外の一般に知られている樹
脂の成型法、すなわちインジェクション成形、トランス
ファー成形、熱ロール成形、圧延法、熱間プレス法、鋳
込み成型法等の所定の金型内あるいはロールで、樹脂を
溶融した状態で成形すると、上記のようなダレ、膨れ等
の成形体の変形といった不具合は避けられるが、一方、
樹脂の流動方向へのフィラーの配向や、金型面の転写等
が発生し、磁気特性の異方性、機械的強度の異方性等が
発生したり、軟磁性金属磁性粉末にせん断がかかり扁平
形状に変形することで表面抵抗率が低下し電波反射量の
増大が発生するため適切な方法でない。逆に磁性材料、
無機充填材、炭素系充填材の配合量が99重量%より多
くなると、磁性材料を分散するマトリックスである残部
の樹脂が少なくなりすぎて、成形体の強度が著しく低下
する。
【0023】このような電波吸収体を構成する熱硬化性
樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、不飽和ポリエステル樹
脂、ポリイミド樹脂が使用出来、これらの中でも耐熱
性、寸法安定性、強度、コスト等の点からフェノール樹
脂が特に好適である。
【0024】一方、軟磁性金属材料としては例えば、ア
モルファス磁性金属合金類であれば、Fe−B−Si
系、Fe−B−Si−C系、Fe−B−Si−Cr系、
Fe−Co−B−Si系、Fe−Ni−Mo−B系、C
o−Fe−Ni−Mo−B−Si系、Co−Fe−Ni
−B−Si系等、Ni−Fe系合金類であれば、36−
パーマロイ、45−パーマロイ、μ−メタル、78−パ
ーマロイ、Cr−パーマロイ、Mo−パーマロイ、スー
パーマロイ等、純鉄、軟鋼、Fe−Si合金類、Fe−
Al合金類、Fe−Si−Al合金類、Co−Fe系合
金類、カーボニル鉄が好適し使用される。本発明におい
てはこれらの軟磁性金属材料のうち少なくとも一種類以
上混合して用いることが出来るが、特にアモルファス磁
性金属合金類、Ni−Fe系合金類は好結果が得られ
る。
【0025】また、他の磁性材料として、フェライトを
同時に配合しても良く、例えばMn−Zn系フェライ
ト、Ni−Zn系フェライト、Cu−Zn系フェライ
ト、Cu−Zn−Mgフェライト、Mn−Mg−Alフ
ェライト、Y型六方晶フェライト、Z型六方晶フェライ
ト、M型六方晶フェライト等が好適に用いられる。
【0026】尚、いずれの材料も非常に比重が大きく、
成形体を常圧で熱硬化する際、その温度条件を制御する
ことで、樹脂中に含まれる揮発成分の気化や硬化反応に
伴う生成ガスによって、成形体内部に微細な気孔が発生
するが、熱硬化時の温度をコントロールすることで、気
孔を成形体内部に残留させることができ、相対密度を制
御し軽量化を図ることもできる。ここで、複合体の強度
を維持する観点から電波吸収体の相対密度は理論密度の
95% 以上、好ましくは97%以上の範囲とする。こ
こで、相対密度が95%未満になると、電波吸収体の厚
みを薄くすると、強度が著しく低下するため、実用的で
ない。
【0027】また、軽量化を目的として、種々の比重の
軽い無機充填材を混合しても良く、シリカ、酸化カルシ
ウム、ガラス繊維、ガラスフレーク、ケイ酸カルシウ
ム、タルク、クレー、マイカ、モンモリロナイト、ベン
トナイト、活性白土、セピオライト、イモゴライト、セ
リサリト、ガラス繊維、ガラスビーズ、中空体のガラス
バルーン、シリカバルーン、シラスバルーン等を要求特
性に応じて使用できる。
【0028】また、抵抗値の調整及び軽量化を目的とし
て、炭素系充填材を混合しても良く、PAN系炭素繊
維、ピッチ系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維、フェノー
ル系炭素繊維、黒鉛ウィスカー、鱗片状天然黒鉛、鱗状
天然黒鉛、土状天然黒鉛、人造黒鉛等が好適に使用でき
る。
【0029】また、上記磁性材料の形状は電波吸収体の
磁気損失等に重要な影響を及ぼすことが知られており、
磁性材料が鱗片状、片状、フレーク状、針状、繊維状で
あると磁気特性に異方性が出たり、機械的強度が小さく
なったり、表面の電気抵抗が大きくなり、電波吸収体と
しては不適当である。これに対し、本発明の電波吸収体
は粒状を含有することで図2に示す様に磁性材料が配向
せず、ランダムに分散することで磁気特性に異方性がな
く、機械的強度を大きくできる様にした。
【0030】さらに、本発明の電波吸収体によれば、磁
性材料、無機充填材、炭素系充填材が特定方向に配向し
ていないことが好ましい。通常、インジェクション成
形、トランスファー成形、熱ロール成形、圧延法、熱間
プレス法、鋳込み成型法等は、所定の金型内あるいはロ
ールでは、特に、図3に示すように、樹脂の流動方向へ
の充填材の配向や、金型面の転写、軟磁性金属磁性材料
の扁平形状への変形等が発生する。充填材の配向は、特
にアスペクト比が大きいフレーク状、針状、繊維状の充
填材で顕著に現れ、特定の面からの電波吸収特性は良好
であるが、それ以外の面では、電波吸収特性の低下、機
械的強度の低下、表面抵抗率の低下による電波反射量の
増大があるといった問題があった。これに対し、本発明
では粒状の軟磁性金属磁性体を湿式法で表面に樹脂をコ
ーティングするように造粒し乾燥することで樹脂の重合
度を制御できる為、プレス成形によって配向をなくすだ
けでなく、プレス成型時の加圧による成形体表面の軟磁
性金属の扁平形状への変形も防止できる為、これらの問
題を解決できる。
【0031】また、電気抵抗率の大きさは複素比透磁率
の高周波特性、インピーダンス特性に影響を及ぼし、表
面抵抗値が104Ω/□未満であると電気抵抗率が低く
なりすぎて、渦電流損失が大きくなる為、高周波におい
て優れた電波吸収特性が得られないといった問題があ
る。
【0032】尚、熱硬化性樹脂の代わりに合成ゴム材料
を用いて鋳込み法にて、ケース形状、キャップ形状等の
製造を行うと、厚みバラツキが大きく、寸法精度の良い
成形体は得られなかった。また、このような材料は、原
料の弾性回復力が大きすぎて、常温での粉末加圧成型は
出来なかった。
【0033】本発明の電波吸収体の使用形態としては、
例えば、回路基板を覆う筐体としたり、図1(a)に示
す様に段部を設けた基板でケース形状を作り、ICパッ
ケージ全体を覆ったり、図1(b)の様に、円筒形の中
心部に貫通孔を設けたチューブ形状としてその中にケー
ブルを通したり、この貫通孔の片側を塞いだキャップ形
状として、デジタル情報機器等の回路あるいは素子等を
覆うように実装し、電波発生源を包囲するものであり、
電波発生源及びその周囲の表面、あるいは筐体に貼付す
る使用形態に比べ、明らかに電波の反射減衰量が大きい
ものである。
【0034】
【実施例】実施例1 磁性材料の配合量が異なる電波吸収体を作製し、0.1
GHz〜100GHzの電波に対する吸収特性を調べる
実験を行った。
【0035】本実験にあたり、複合材を形成する合成樹
脂にはレゾール型フェノール樹脂、軟磁性金属磁性材料
にはパーマロイを用いた。これらを配合し、常温で成形
圧0.5ton/cm2〜8ton/cm2で加圧成形・
離型後、80〜250℃で加熱硬化し、ケース形状の試
験片を作製し、成形体の変形、形状不良及び強度を確認
した。尚、試験片の肉厚は、1mmとした。また、強度
については主面に荷重をかけ、その破壊強度を測定し
た。
【0036】次に、得られた試験片を用いて、0.1G
Hz〜100GHzにおける反射減衰量を測定した。結
果を表1に示す。
【0037】表1で分かる様に、パーマロイの含有量が
50重量%未満であると成形体の変形が起こったり、反
射減衰量が小さいといった不具合が発生する為、電波吸
収体として使用できないことがわかる。また、パーマロ
イの含有量が99重量%より多い場合は、強度が10M
Pa以下と小さくなりすぎて不適である。
【0038】
【表1】
【0039】実施例2 軟磁性金属として粒状のパーマロイ(平均粒径11μ
m、アスペクト比8)を90重量%、レゾール型フェノ
ール樹脂10重量%をアセトンを溶媒にして撹拌し均一
混合した後、50℃で3時間撹拌しながら乾燥して造粒
し、これを成型圧2ton/cm2として常温で加圧成
型し、80〜250℃で加熱硬化し、試験辺を作製し、
表面抵抗率を測定し、他の成型法と比較した。また、成
形体の断面と表面を金属顕微鏡で観察し、軟磁性金属磁
性粉末である粒状のパーマロイの変形を確認し、扁平状
に変形していたものを×、変形していないものを○とし
た。尚、ここでは、パーマロイの変形は、アスペクト比
及び、平均粒径で比較しそれぞれ配合時の2倍以上にな
ったものを変形と定義する。また、この際、パーマロイ
の特定方向への配向配列も確認し、特定方向へ配向配列
しているものを加×、配向性が認められないものを○と
した。
【0040】表2で分かるように本発明以外の熱ロール
法、圧延法では成型体表面でのパーマロイの変形及び配
向配列が確認される上、射出成型法で成型したものはパ
ーマロイの配向配列が成形体主面で確認された。さら
に、本発明以外の成型法では、いずれも成形体の表面抵
抗値が104Ω/□以下と低くなってしまった。
【0041】
【表2】
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、熱硬化性樹脂に鉄族の
金属又はその化合物からなる、粒状の軟磁性金属材料を
少なくとも1種以上を含む磁性材料を50〜99重量%
分散含有した複合材を湿式法で造粒し、粉末加圧成型法
を用いて成形し、離型後、所定の温度で加熱硬化するこ
とで電波発生源を包囲する均質な電波吸収体を寸法精度
良く提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明の電波吸収体を示す図で
ある。
【図2】本発明の電波吸収体における断面の模式図であ
る。
【図3】従来の電波吸収体における断面の模式図であ
る。
【符号の説明】
1:主面 2:熱硬化性樹脂 3:軟磁性磁性材料

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱硬化性樹脂に、鉄族の金属又はその化合
    物の少なくとも一種以上を含む粒状の軟磁性金属を50
    〜99重量%分散含有した複合材からなり、主面と内部
    における軟磁性金属の形状が同等であることを特徴とす
    る電波吸収体。
  2. 【請求項2】上記主面と内部における軟磁性金属の平均
    アスペクト比と平均粒径の比が、それぞれ2以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の電波吸収体。
  3. 【請求項3】上記電波吸収体の表面抵抗値が104Ω/
    □以上であることを特徴とする請求項1または2記載の
    電波吸収体。
  4. 【請求項4】上記複合材を、段部を有するケース形状、
    円筒形状、またはキャップ形状としたことを特徴とする
    請求項1または2記載の電波吸収体。
  5. 【請求項5】熱硬化性樹脂に、鉄族の金属又はその化合
    物の少なくとも一種以上を含む粒状の軟磁性金属を50
    〜99重量%分散含有した複合材料を湿式法で所定粒度
    に造粒し、粉末加圧成型法を用いて成形し、離型後、所
    定の温度で加熱硬化することを特徴とする電波吸収体の
    製造方法。
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