JP2015197110A - 断熱物品 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、複数の真空断熱材を配置する際に、上記真空断熱材同士が近接または接触する箇所の破損を防ぎ、配置の際に上記箇所に生じる隙間からの熱漏れを抑制することが可能な断熱物品を提供することを主目的とする。
【解決手段】本発明は、複数の真空断熱材を有し、複数の上記真空断熱材は、その端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である断熱材角部を形成しており、上記断熱材角部の少なくとも一部に、角部保護部材が配置されていることを特徴とする断熱物品を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明は、複数の真空断熱材を有し、複数の上記真空断熱材は、その端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である断熱材角部を形成しており、上記断熱材角部の少なくとも一部に、角部保護部材が配置されていることを特徴とする断熱物品を提供することにより、上記目的を達成する。
【選択図】図1
Description
本発明は、真空断熱材が配置された断熱物品に関する。
近年、地球温暖化防止のため温室効果ガスの削減が推進されており、容器、乗り物、建物、設備機器、および電気製品等の様々な物品に対して省エネルギー化が求められている。
物品への省エネルギー対策の一つとして、断熱材を用いて物品の消費電力の低減を図る方法が採用されている。
物品への省エネルギー対策の一つとして、断熱材を用いて物品の消費電力の低減を図る方法が採用されている。
例えば、冷蔵庫、コンテナ等の保温機能が求められる物品では、物品の内外間での熱伝導により物品内部の温度変化が生じやすく、保温のために多くの電力が消費される。そこで、物品内部に断熱材を配置して熱伝導を抑えることで、保温に要する消費電力の低減を図っている。中でも真空断熱材は、発泡断熱材等の従来の断熱材と比較して、板厚が薄くても高い断熱性能を発揮することから、省エネルギー化のみならず、物品の省スペース且つ大容量化の要請に対しても有効であるとされる。
ここで、真空断熱材とは、発泡樹脂や繊維材等の芯材が外包材に覆われてなるものであり、内部が真空状態に保持されるため、熱拡散が遮断されて高い断熱性能を発揮することができる。
このような真空断熱材を保温等の必要な物品等に配置する場合、例えば、特許文献1で開示されるように、真空断熱材の全面を硬質発泡ポリウレタン等の発泡断熱材で被覆した複合材としたものを、冷蔵庫等の外箱および内箱からなる空間に配置する方法が用いられる。
しかしながら、このような複合材の場合、発泡断熱材により全面が覆われることから、真空断熱材の破損状態を確認することができない。真空断熱材は上述したように、内部が真空状態であることで断熱性能が発揮されるものであるが、僅かでも破損が生じると破損部分から気体が浸入して内部の真空状態が維持できなくなり、断熱性能が低下してしまう。このため、真空断熱材を物品に配置していても、真空断熱材の破損により断熱効果が得られていない場合がある。
しかしながら、このような複合材の場合、発泡断熱材により全面が覆われることから、真空断熱材の破損状態を確認することができない。真空断熱材は上述したように、内部が真空状態であることで断熱性能が発揮されるものであるが、僅かでも破損が生じると破損部分から気体が浸入して内部の真空状態が維持できなくなり、断熱性能が低下してしまう。このため、真空断熱材を物品に配置していても、真空断熱材の破損により断熱効果が得られていない場合がある。
真空断熱材の破損状態の確認を可能とする配置方法としては、例えば、真空断熱材を露出させて、目視可能な状態で配置する方法が想定される。
しかしながら、この場合、真空断熱材は、露出しているため外部からの衝撃等により破損し易く、特に端辺および端辺が交差して成る角は、平坦な面よりも僅かな衝撃により破損が生じやすいことから、破損による真空断熱材の断熱性能の低下が起こり易いという問題がある。
また、複数の真空断熱材を露出して配置させる場合、隣接する真空断熱材の端辺または角が接触するため、上記端辺および角がさらに破損しやすくなるという問題がある。
さらに、高い断熱効果を得るためには、複数の真空断熱材を隙間無く配置して、上記隙間からの熱漏れを防ぐことが好ましいとされる。しかし、真空断熱材を露出させて配置する場合、真空断熱材を隙間無く配置しても、隣接する真空断熱材の接触箇所において隙間が生じてしまい、上記隙間からの熱漏れにより断熱効果が低下するという問題がある。
しかしながら、この場合、真空断熱材は、露出しているため外部からの衝撃等により破損し易く、特に端辺および端辺が交差して成る角は、平坦な面よりも僅かな衝撃により破損が生じやすいことから、破損による真空断熱材の断熱性能の低下が起こり易いという問題がある。
また、複数の真空断熱材を露出して配置させる場合、隣接する真空断熱材の端辺または角が接触するため、上記端辺および角がさらに破損しやすくなるという問題がある。
さらに、高い断熱効果を得るためには、複数の真空断熱材を隙間無く配置して、上記隙間からの熱漏れを防ぐことが好ましいとされる。しかし、真空断熱材を露出させて配置する場合、真空断熱材を隙間無く配置しても、隣接する真空断熱材の接触箇所において隙間が生じてしまい、上記隙間からの熱漏れにより断熱効果が低下するという問題がある。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、複数の真空断熱材を配置する際に、上記真空断熱材同士が近接または接触する箇所の破損を防ぎ、配置の際に上記箇所に生じる隙間からの熱漏れを抑制することが可能な断熱物品を提供することを主目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、複数の真空断熱材を有し、複数の上記真空断熱材は、その端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である断熱材角部を形成しており、上記断熱材角部の少なくとも一部に、角部保護部材が配置されていることを特徴とする断熱物品を提供する。
本発明によれば、複数の真空断熱材の端辺の近接または接触箇所である断熱材角部の少なくとも一部に角部保護部材が配置されることで、上記端辺の破損を防ぐことができ、また、上記角部保護部材により上記断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを抑制することができる。これにより、真空断熱材による断熱効果を向上させることができる。
上記発明においては、上記角部保護部材が、複数の上記断熱材角部の端部が集合してなる断熱材頂部に配置されていることが好ましい。上記断熱材角部のうち、中でも断熱材頂部は特に破損が生じやすく、且つ隙間が生じやすい箇所であることから、角部保護部材を配置することによる本発明の効果がより発揮されるからである。
上記発明においては、上記角部保護部材が、上記断熱材角部の全てに配置されていることが好ましい。角部保護部材が断熱材角部の全てに配置されることで、真空断熱材の破損を十分に防ぐことができ、また、上記断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを効果的に抑制可能であることから、真空断熱材による断熱効果をより向上させることができるからである。
また、上記角部保護部材は、その材質によっては断熱物品の骨格としての機能をすることが可能であり、自己支持性を有する断熱物品とすることができるからである。
また、上記角部保護部材は、その材質によっては断熱物品の骨格としての機能をすることが可能であり、自己支持性を有する断熱物品とすることができるからである。
本発明の断熱物品は、複数の真空断熱材を配置する際に形成される断熱材角部に角部保護部材を配置することで、上記断熱材角部における真空断熱材の破損を防ぎ、また、断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを抑制することができるという作用効果を奏する。
以下、本発明の断熱物品について説明する。本発明の断熱物品は、複数の真空断熱材を有し、複数の上記真空断熱材は、その端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である断熱材角部を形成しており、上記断熱材角部の少なくとも一部に、角部保護部材が配置されていることを特徴とするものである。
本発明の断熱物品について、図を例示して説明する。図1は、本発明の断熱物品の一例を示す概略斜視図である。本発明の断熱物品10は、複数の真空断熱材2を有するものであり、複数の真空断熱材2の端辺は、所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である断熱材角部Cを形成している。断熱材角部Cの少なくとも一部には角部保護部材1が配置されている。
なお、図1における真空断熱材は概略図であり、その構成については図6で詳細に説明する。
なお、図1における真空断熱材は概略図であり、その構成については図6で詳細に説明する。
本発明によれば、複数の真空断熱材の端辺の近接または接触箇所である断熱材角部の少なくとも一部に角部保護部材が配置されることで、上記端辺の破損を防ぐことができ、また、上記角部保護部材により上記断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを抑制することができる。これにより、真空断熱材による断熱効果を向上させることができる。
なお、本発明においては、真空断熱材の表面のうち、断熱材角部を形成する端辺を有する表面の少なくとも一面が露出して配置されるものであるが、上記端辺を有する表面が全て露出されていてもよく、上記端辺を有さない他の表面が露出されていてもよく、真空断熱材の表面全てが露出していてもよい。
以下、本発明の断熱物品について、構成ごとに説明する。
1.断熱材角部
本発明における断熱材角部は、複数の上記真空断熱材により形成され、複数の上記真空断熱材の端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である。
なお、真空断熱材については、後述する「3.真空断熱材」で詳細に説明する。
本発明における断熱材角部は、複数の上記真空断熱材により形成され、複数の上記真空断熱材の端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である。
なお、真空断熱材については、後述する「3.真空断熱材」で詳細に説明する。
上記断熱材角部について、図を参照して説明する。図2は、断熱材角部を説明する説明図である。なお、図2(a)、(b)では、説明の簡略化のため一方の真空断熱材については透視図で示すものとする。断熱材角部とは、図2(a)で示すように、一方の真空断熱材2Aの端辺L1および他方の真空断熱材2Bの端辺L2が所定の角度θを有して接触することにより形成される部位C、もしくは、図2(b)で示すように、一方の真空断熱材2Aの端辺L1および他方の真空断熱材2Bの端辺L2が所定の角度θを有して近接することにより形成される部位Cである。
なお、断熱材角部が、複数の真空断熱材の端辺が近接して形成される場合、一方の真空断熱材の端辺を有する平面の延長上と他方の真空断熱材の端辺を有する平面の延長上との交点において、仮想の断熱材角部が形成される。
なお、断熱材角部が、複数の真空断熱材の端辺が近接して形成される場合、一方の真空断熱材の端辺を有する平面の延長上と他方の真空断熱材の端辺を有する平面の延長上との交点において、仮想の断熱材角部が形成される。
断熱材角部が、複数の真空断熱材の端辺が近接して形成される場合、断熱材角部を形成する一方の真空断熱材の端辺と断熱材角部との間隔(図2(b)中のWで示す部分)としては、断熱材角部に角部保護部材を配置する場合の上記間隔が50mm以下であることが好ましく、中でも10mm以下であることが好ましい。また、断熱材角部に角部保護部材が配置されない場合の上記間隔としては、10mm以下であることが好ましく、中でも5mm以下であることが好ましい。上記間隔がこの範囲よりも大きい場合、真空断熱材の配置に因る断熱効果を得られない場合があるからである。
また、複数の真空断熱材により断熱材角部が形成される場合、図2(c)で示すように、複数の断熱材角部Cの端部が集合してなる箇所が断熱材頂部Pとなる。すなわち、断熱材頂部は、断熱材角部の一部である。
複数の真空断熱材の端辺が近接もしくは接触する角度としては、特に限定されず、本発明の断熱物品の形状等に応じて適宜設定することができる。
上記断熱材角部の角度としては、直角でもよく、鈍角でもよく、鋭角でもよい。なお、複数の真空断熱材を積み重ねることで端辺が近接もしくは接触する場合、上記角度は0°となる。ただし、上記角度が180°の場合は保護すべき断熱材角部が生じないので、通常は設定されない。そのため、上記角度は、0°以上180°未満であることが通常である。特に、120°以下の場合に断熱材角部を保護する必要性が高い。
上記断熱材角部の角度としては、直角でもよく、鈍角でもよく、鋭角でもよい。なお、複数の真空断熱材を積み重ねることで端辺が近接もしくは接触する場合、上記角度は0°となる。ただし、上記角度が180°の場合は保護すべき断熱材角部が生じないので、通常は設定されない。そのため、上記角度は、0°以上180°未満であることが通常である。特に、120°以下の場合に断熱材角部を保護する必要性が高い。
2.角部保護部材
本発明における角部保護部材は、断熱材角部の少なくとも一部に配置されるものである。
本発明における角部保護部材は、断熱材角部の少なくとも一部に配置されるものである。
(1)材料
角部保護部材の材料としては、断熱材角部の保護が可能な材料であればよいが、中でも断熱性を示す材料であることが好ましい。断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを抑制することができるからである。
断熱性を示す材料としては、例えば中実(非発泡)樹脂、発泡樹脂が挙げられる。
角部保護部材の材料としては、断熱材角部の保護が可能な材料であればよいが、中でも断熱性を示す材料であることが好ましい。断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを抑制することができるからである。
断熱性を示す材料としては、例えば中実(非発泡)樹脂、発泡樹脂が挙げられる。
角部保護部材の材料として発泡樹脂を用いる場合、断熱材角部の保護効果および隙間からの熱漏れ防止効果に加え、角部保護部材の断熱性能が発揮されるため、本発明の断熱物品の断熱効果をさらに向上させることが可能となる。
発泡樹脂としては、例えば、発泡ウレタン、ポリスチレンフォーム、高発泡ポリエチレン、ポリオレフィン発泡体等、一般に発泡断熱材の材料として使用される材料が挙げられる。
発泡樹脂としては、例えば、発泡ウレタン、ポリスチレンフォーム、高発泡ポリエチレン、ポリオレフィン発泡体等、一般に発泡断熱材の材料として使用される材料が挙げられる。
また、角部保護部材の材料として中実(非発泡)樹脂を用いる場合、断熱材角部の保護および隙間からの熱漏れの防止の効果に加え、上記角部保護部材が示す自己支持性により断熱物品の骨格としての機能を有することができ、本発明の断熱物品を断熱容器等として単独で使用することが可能となる。中実(非発泡)樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂等、電離線硬化性樹脂が挙げられる。なお、電離線硬化性樹脂とは、紫外線、可視光線、ガンマー線、X線、電子線等の照射により硬化する樹脂である。
これらの中実(非発泡)樹脂は、本発明の断熱物品に求められる機能に応じて適宜選択することができる。
本発明の断熱物品の内側または外側が高温に保持される場合、耐熱性の高い中実(非発泡)樹脂を用いることが好ましい。例えば、本発明の断熱物品の内側に高温となる収納物が配置される場合に、真空断熱材と上記収納物との間に生じる空間に滞留した熱により角部保護部材が劣化することを防止するためである。
このような中実(非発泡)樹脂としては、融点が130℃以上を示すものが好ましく、具体的には、ポリプロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、(4・6フッ化)テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
なお、角部保護部材に使用される中実(非発泡)樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により測定された値である。
本発明の断熱物品の内側または外側が高温に保持される場合、耐熱性の高い中実(非発泡)樹脂を用いることが好ましい。例えば、本発明の断熱物品の内側に高温となる収納物が配置される場合に、真空断熱材と上記収納物との間に生じる空間に滞留した熱により角部保護部材が劣化することを防止するためである。
このような中実(非発泡)樹脂としては、融点が130℃以上を示すものが好ましく、具体的には、ポリプロピレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、(4・6フッ化)テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)等が挙げられる。
なお、角部保護部材に使用される中実(非発泡)樹脂の融点は、示差走査熱量測定(DSC)により測定された値である。
一方、本発明の断熱物品の内側または外側が低温に保持される場合、耐寒性の高い中実(非発泡)樹脂を用いることが好ましい。角部保護部材の低温劣化による破損を防止するためである。このような中実(非発泡)樹脂としては、例えば、ポリエチレン、(3フッ化)ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)等が挙げられる。
(2)形状および配置態様
上記角部保護部材は、図3(a)で示すように、中実(非発泡)樹脂を所望の形状に成型した成型体であってもよく、図3(b)で示すように、発泡樹脂を断熱材角部の表面に直接を吹き付けて硬化させたものであってもよい。中でも角部保護部材が成型体であることが好ましい。発泡樹脂を吹き付けて形成される角部保護部材は、通常、接着性を有することから、真空断熱材の交換が必要な場合において角部保護部材を取外すことが難しい。一方、中実(非発泡)樹脂から成る成型体の角部保護部材であれば、後述する取り付け方法により角部保護部材の着脱が可能となるため、真空断熱材の交換が必要な場合に容易に交換作業を行うことができるという利点を有する。
なお、図3は角部保護部材が配置された断熱材角部を説明するための説明図であり、角部保護部材の断面(図1におけるX方向)から見た図に相当する。図3中の符号は図1と同様とする。
上記角部保護部材は、図3(a)で示すように、中実(非発泡)樹脂を所望の形状に成型した成型体であってもよく、図3(b)で示すように、発泡樹脂を断熱材角部の表面に直接を吹き付けて硬化させたものであってもよい。中でも角部保護部材が成型体であることが好ましい。発泡樹脂を吹き付けて形成される角部保護部材は、通常、接着性を有することから、真空断熱材の交換が必要な場合において角部保護部材を取外すことが難しい。一方、中実(非発泡)樹脂から成る成型体の角部保護部材であれば、後述する取り付け方法により角部保護部材の着脱が可能となるため、真空断熱材の交換が必要な場合に容易に交換作業を行うことができるという利点を有する。
なお、図3は角部保護部材が配置された断熱材角部を説明するための説明図であり、角部保護部材の断面(図1におけるX方向)から見た図に相当する。図3中の符号は図1と同様とする。
上記角部保護部材の形状としては、断熱材角部を保護することが可能な形状であれば特に限定されず、複数の真空断熱材の端辺が近接もしくは接触する角度に応じ適宜設定されるが、通常、断面がL字型、コの字型等となる。
また、角部保護部材の平面視上の形状としては、角部保護部材が配置される場所および配置される範囲に応じて適宜設計することができる。
また、角部保護部材の平面視上の形状としては、角部保護部材が配置される場所および配置される範囲に応じて適宜設計することができる。
上記角部保護部材の厚さとしては、断熱材角部における真空断熱材の端辺を保護することができ、断熱材角部からの熱漏れを抑制することが可能な大きさであればよく、角部保護部材の材質、配置範囲等に応じて適宜設計することができる。
なお、角部保護部材の厚さとは、真空断熱材側表面から外側表面までの長さをいい、図3(a)においてTで示す部分である。
なお、角部保護部材の厚さとは、真空断熱材側表面から外側表面までの長さをいい、図3(a)においてTで示す部分である。
また、角部保護部材の幅としては、断熱材角部を保護することが可能な大きさであれば特に限定されず、真空断熱材の厚さ等に応じて適宜設計することができるが、上記幅は断熱材角部を形成する真空断熱材の表面の全てを覆わない大きさとすることが好ましい。
中でも、角部保護部材が断熱材角部の外側に配置される場合、上記断熱材角部を構成する真空断熱材の少なくとも一方は、端辺を有する真空断熱材の側面が露出されて配置されることから、上記側面を覆うことが可能な幅とすることが好ましい。
なお、外側角部保護部材の幅とは、図3(a)においてDで示す部分である。また、断熱材角部の外側については、後述する。
中でも、角部保護部材が断熱材角部の外側に配置される場合、上記断熱材角部を構成する真空断熱材の少なくとも一方は、端辺を有する真空断熱材の側面が露出されて配置されることから、上記側面を覆うことが可能な幅とすることが好ましい。
なお、外側角部保護部材の幅とは、図3(a)においてDで示す部分である。また、断熱材角部の外側については、後述する。
上記角部保護部材は、断熱材角部の外側および内側の少なくとも一方に配置されるものであるが、中でも断熱材角部の外側および内側の両方に配置されることが好ましい。両方に配置されることで、断熱性能および断熱材角部における自己支持性が向上するからである。
なお、断熱材角部の外側とは、断熱材角部において、少なくとも一つの真空断熱材の側面が露出している側または上記側面の露出が確認できる側をいい、後述する図4(b)においてC1で示す側である。一方、断熱材角部の内側とは、断熱材角部において真空断熱材の側面が露出していない側または上記側面の露出が確認できない側をいい、後述する図4(b)においてC2で示す側である。なお、図4については後で詳細に説明する。
また、断熱材角部の外側に配置される角部保護部材を外側角部保護部材、断熱材角部の内側に配置される角部保護部材を内側角部保護部材と称する場合がある。
なお、断熱材角部の外側とは、断熱材角部において、少なくとも一つの真空断熱材の側面が露出している側または上記側面の露出が確認できる側をいい、後述する図4(b)においてC1で示す側である。一方、断熱材角部の内側とは、断熱材角部において真空断熱材の側面が露出していない側または上記側面の露出が確認できない側をいい、後述する図4(b)においてC2で示す側である。なお、図4については後で詳細に説明する。
また、断熱材角部の外側に配置される角部保護部材を外側角部保護部材、断熱材角部の内側に配置される角部保護部材を内側角部保護部材と称する場合がある。
上記角部保護部材は、接着層等を用いて貼り付けてもよく、外側角部保護部材と内側角部保護部材とで挟み固定する嵌め込み型であってもよい。中でも、角部保護部材が、外側角部保護部材と内側角部保護部材とで挟み固定する嵌め込み型であることが好ましい。角部保護部材の着脱が可能となり、真空断熱材が破損した際に容易に交換することができるからである。
なお、図4(a)は、嵌め込み型の角部保護部材が配置された断熱材角部の例を示す説明図であり、図4(b)は図4(a)をX方向から見た図である。図4における角部保護部材1は、断熱材角部の外側(図4中のC1側)に配置される外側角部保護部材1A、断熱材角部の内側(図4中のC2側)に配置される内側角部保護部材1B、および外側角部保護部材1Aと内側角部保護部材1Bとを連結させる面3を有する嵌め込み型のものある。
なお、図4(a)は、嵌め込み型の角部保護部材が配置された断熱材角部の例を示す説明図であり、図4(b)は図4(a)をX方向から見た図である。図4における角部保護部材1は、断熱材角部の外側(図4中のC1側)に配置される外側角部保護部材1A、断熱材角部の内側(図4中のC2側)に配置される内側角部保護部材1B、および外側角部保護部材1Aと内側角部保護部材1Bとを連結させる面3を有する嵌め込み型のものある。
上記角部保護部材は、断熱材角部の少なくとも一部に配置されるものであるが、中でも図5(a)で示すように、角部保護部材1が、複数の断熱材角部Cの端部が集合してなる断熱材頂部Pに配置されていることが好ましい。断熱材角部の中でも断熱材頂部は特に破損が生じやすく、且つ隙間が生じやすい箇所であることから、角部保護部材を配置することによる本発明の効果がより発揮されるからである。
また、図5(b)で示すように、角部保護部材1が、断熱材角部Cの全てに配置されていることが好ましい。角部保護部材が断熱材角部の全てに配置されることで、真空断熱材の破損を十分に防ぐことができ、また、上記断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを効果的に抑制可能であることから、真空断熱材による断熱効果をより向上させることができるからである。さらに上記角部保護部材は、その材質によっては断熱物品の骨格としての機能をすることが可能であることから、自己支持性を有する断熱物品とすることができるからである。
また、図5(b)で示すように、角部保護部材1が、断熱材角部Cの全てに配置されていることが好ましい。角部保護部材が断熱材角部の全てに配置されることで、真空断熱材の破損を十分に防ぐことができ、また、上記断熱材角部に生じる隙間からの熱漏れを効果的に抑制可能であることから、真空断熱材による断熱効果をより向上させることができるからである。さらに上記角部保護部材は、その材質によっては断熱物品の骨格としての機能をすることが可能であることから、自己支持性を有する断熱物品とすることができるからである。
(3)その他
上記角部保護部材の強度としては、断熱材角部を固定および保護することでき、外部からの衝撃に耐え得る強度であれば特に限定されないが、中でも自己支持性を示すことが可能な強度を有することが好ましい。角部保護部材を断熱物品の骨格として用いることができ、真空断熱材を上記角部保護部材で固定することにより上記断熱物品を断熱容器等として単独で用いることができるからである。
上記角部保護部材の強度としては、断熱材角部を固定および保護することでき、外部からの衝撃に耐え得る強度であれば特に限定されないが、中でも自己支持性を示すことが可能な強度を有することが好ましい。角部保護部材を断熱物品の骨格として用いることができ、真空断熱材を上記角部保護部材で固定することにより上記断熱物品を断熱容器等として単独で用いることができるからである。
3.真空断熱材
本発明における真空断熱材は、芯材および上記芯材を覆う外包材を有し、内部が減圧されたものである。
本発明における真空断熱材は、芯材および上記芯材を覆う外包材を有し、内部が減圧されたものである。
図6(a)は、本発明における真空断熱材の一例を示す概略斜視図であり、図6(b)は、図6(a)のX−X線断面図である。図6で例示されるように、真空断熱材2は、対向する2枚の外包材11の周縁を合せて接着させ、封止して袋状とし、芯材12を収納して密閉したものであり、内部が減圧されて真空状態となっている。外包材11は、通常、芯材12側から、熱溶着層21、ガスバリア層22、および保護層23がこの順で積層されて成るものであり、対向する外包材11の周縁部分は熱溶着層21同士が接着されて真空断熱材2の熱溶着部13となる。なお、真空断熱材2の表面のうち、熱溶着部13の接着面と平行に位置する表面を真空断熱材2の平面、熱溶着部13の接着面と交差する方向に位置する表面を真空断熱材2の側面とする場合がある。
また、上記真空断熱材は、通常、熱溶着部が真空断熱材の側面および平面に沿って折り曲げられた状態で角部保護部材に配置される。
(1)芯材
真空断熱材における芯材としては、一般に断熱材の芯材として使用される材料を用いることができる。例えばシリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体が挙げられる。なお、上記多孔質体は空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材とすることができるからである。
真空断熱材における芯材としては、一般に断熱材の芯材として使用される材料を用いることができる。例えばシリカ等の粉体、ウレタンポリマー等の発泡体、グラスウール等の繊維体等の多孔質体が挙げられる。なお、上記多孔質体は空隙率が50%以上、中でも90%以上であることが好ましい。熱伝導率の低い芯材とすることができるからである。
上記芯材は、外部から浸入する微量の水分やガス等を吸着するためのゲッター剤を含んでいても良い。ゲッター剤としては、例えばシリカ、アルミナ、ゼオライト、活性炭等の真空断熱材に使用される一般的な材料が挙げられる。
上記芯材の厚さとしては、所望の断熱効果を発揮できる厚さであれば特に限定されず、例えば、減圧後の状態で1mm〜30mmの範囲内であることが好ましい。
(2)外包材
真空断熱材における外包材は、可とう性のフィルムまたはシートであり、芯材を覆うことができ、ガスバリア性を有するものである。このような外包材としては、通常、保護層、ガスバリア層および熱溶着層が少なくともこの順で積層されたものが好適である。
真空断熱材における外包材は、可とう性のフィルムまたはシートであり、芯材を覆うことができ、ガスバリア性を有するものである。このような外包材としては、通常、保護層、ガスバリア層および熱溶着層が少なくともこの順で積層されたものが好適である。
(a)保護層
上記保護層は、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護する機能を有する。そのため、上記保護層は十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
上記保護層は、熱溶着層およびガスバリア層を保護し、併せて真空断熱材の内部を保護する機能を有する。そのため、上記保護層は十分な強度を有し、耐熱性、防湿性、耐ピンホ−ル性、耐突き刺し性等に優れたものであることが好ましい。
上記保護層の材料としては、熱溶着層よりも高融点の樹脂であればよく、例えば、ナイロン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、アクリル樹脂、セルロース樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合体等が挙げられる。
上記保護層はシート状でもよく、一軸延伸または二軸延伸されたフィルム状でもよい。また上記保護層は、単層であってもよく同一材料からなる層または異なる材料からなる層を積層させて多層としてもよい。
また、上記保護層は他の層との密着性の向上を図るために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
また、上記保護層は他の層との密着性の向上を図るために、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記保護層の厚さとしては、熱溶着層およびガスバリア層を保護することが可能な厚さであれば特に限定されず、例えば5μm〜80μm程度である。
(b)ガスバリア層
上記ガスバリア層は、熱溶着層と保護層との間に形成される層であり、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。
上記ガスバリア層は、熱溶着層と保護層との間に形成される層であり、外部からの水、酸素、窒素等のガスの浸入を遮断する機能を有する。
上記ガスバリア層としては、例えばアルミニウム、ニッケル、ステンレス、鉄、銅、チタニウム等の金属箔等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等の樹脂フィルムを基材として、片面に金属、金属酸化物、酸化珪素等の蒸着層を積層した蒸着フィルム等を用いることができる。
さらに、上述の蒸着フィルムにポリビニルアルコール系樹脂およびエチレンビニルアルコール共重合体の少なくともいずれかを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたもの等を用いることもできる。
また、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリアミド樹脂(PA)、エチレンビニルアルコール共重合体樹脂(EVOH)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)等の樹脂フィルムを基材として、片面に金属、金属酸化物、酸化珪素等の蒸着層を積層した蒸着フィルム等を用いることができる。
さらに、上述の蒸着フィルムにポリビニルアルコール系樹脂およびエチレンビニルアルコール共重合体の少なくともいずれかを含有するガスバリア性組成物によるガスバリア性塗布膜を設けたもの等を用いることもできる。
上記ガスバリア層は、単層であってもよく、同一材料からなる層または異なる材料からなる層を積層させた多層状であってもよい。
ガスバリア層の厚さとしては、ガスバリア性を発揮可能な厚さであれば特に限定されず、例えば9μm〜100μm程度である。
ガスバリア層の厚さとしては、ガスバリア性を発揮可能な厚さであれば特に限定されず、例えば9μm〜100μm程度である。
上記ガスバリア層は、ガスバリア性や他の層との密着性の向上のため、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理、オゾン処理等の表面処理が施されていてもよい。
上記ガスバリア層のガスバリア性としては、酸素透過度が0.5cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。また、水蒸気透過度が0.2cc・m−2・day−1以下、中でも0.1cc・m−2・day−1以下であることが好ましい。酸素および水蒸気透過度を上記範囲内とすることにより、外部から浸入した水分、ガス等を真空断熱材の内部へ浸入することを防ぐことができる。
なお、酸素透過度は、JIS−K−7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。 また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
なお、酸素透過度は、JIS−K−7126Bに基づき、温度23℃、湿度90%RHの条件下において酸素透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、オクストラン(OXTRAN))を用いて測定した値である。 また、水蒸気透過度は、温度40℃、湿度90%RHの条件で、水蒸気透過度測定装置(米国モコン(MOCON)社製、パ−マトラン(PERMATRAN))を用いて測定した値である。
(c)熱溶着層
上記熱溶着層は、芯材と接する層である。また、芯材を介して対向する外包材の周縁を接着して封止する層である。
上記熱溶着層は、芯材と接する層である。また、芯材を介して対向する外包材の周縁を接着して封止する層である。
上記熱溶着層の材料としては、例えばポリエチレンや未延伸ポリプロピレン(CPP)等のポリオレフィン系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ(メタ)アクリル系樹脂、ウレタン樹脂等、一般に熱溶着層として使用される樹脂材料が挙げられる。
上記熱溶着層は、上記樹脂の他にアンチブロッキング剤、滑剤、難燃化剤、有機充填剤等の他の材料を含むものであってもよい。
上記熱溶着層の融点としては、使用環境下において真空断熱材の熱溶着部が剥離しない程度の接着力を有する温度であることが好ましい。上記融点としては、例えば80℃〜300℃の範囲内、中でも100℃〜250℃の範囲内であることが好ましい。
(d)その他
上記外包材は、保護層またはガスバリア層を複数有していてもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、熱溶着層およびガスバリア層の上に、保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
さらに、上記外包材は、熱溶着層と保護層との間にアンカーコート層や耐ピンホール層等の任意の層を有していてもよい。
上記外包材は、保護層またはガスバリア層を複数有していてもよい。例えば、熱溶着層と保護層との間にガスバリア層を2層以上設けてもよく、熱溶着層およびガスバリア層の上に、保護層を2層以上設けてもよい。また、熱溶着層とガスバリア層との間に別の保護層が設けられてもよい。
さらに、上記外包材は、熱溶着層と保護層との間にアンカーコート層や耐ピンホール層等の任意の層を有していてもよい。
上記外包材を構成する各層は、直に積層されていてもよく、層間接着剤を介して積層されていてもよい。
(3)物性
本発明における真空断熱材の内部の真空度は、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の気体の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
本発明における真空断熱材の内部の真空度は、5Pa以下であることが好ましい。真空断熱材内部の気体の対流を遮断し、断熱性能を向上させることができるからである。
また、上記真空断熱材の熱伝導率(初期熱伝導率)としては、例えば25℃環境下で15mW・m−1・K−1以下、中でも10mW・m−1・K−1以下、特に5mW・m−1・K−1以下であることが好ましい。真空断熱材による外部へ熱伝導を抑えることができ、高い断熱効果を奏することができるからである。なお、上記熱伝導率はJIS−A−1412−3に従い熱伝導率測定装置オートラムダ(英弘精機製 HC−074)を用いた熱流計法により測定された値である。
上記真空断熱材は、ガスバリア性が高いことが好ましい。外部からの水分や酸素等の浸入による真空度の低下を防止できるからである。真空断熱材のガスバリア性については、上述のガスバリア層のガスバリア性と同様とすることができる。
4.その他
本発明において、真空断熱材が自己支持性を有する場合、真空断熱材単体で角部保護部材により固定されてもよい。真空断熱材単体で壁面等の部材とすることができ、本発明の断熱物品を断熱容器等として使用することが可能となる。
本発明において、真空断熱材が自己支持性を有する場合、真空断熱材単体で角部保護部材により固定されてもよい。真空断熱材単体で壁面等の部材とすることができ、本発明の断熱物品を断熱容器等として使用することが可能となる。
このとき真空断熱材は、表面を保護するための保護層等、任意部材を有していてもよい。保護層は透明性を有していてもよく、有さなくてもよい。透明性を有する場合は、目視による真空断熱材の不良判断を行うことが可能であり、一方、不透明な場合は、保護層の形状変化の確認や、保護層を介して真空断熱材を触診することにより、不良判断を行うことが可能となる。
保護層の例としては、薄膜の発泡断熱材、繊維系断熱材、塩ビシート、ナイロンフィルム等が挙げられる。なお、保護材は、剥離性を有する粘着剤等を用いて真空断熱材の平面に配置される。
保護層の例としては、薄膜の発泡断熱材、繊維系断熱材、塩ビシート、ナイロンフィルム等が挙げられる。なお、保護材は、剥離性を有する粘着剤等を用いて真空断熱材の平面に配置される。
また、真空断熱材が自己支持性を有さない場合、真空断熱材の一方の平面に任意の支持部材を配置した複合材とし、上記複合材が角部保護部材により固定されても良い。真空断熱材の一方の平面に補強のための支持部材を備えることで、真空断熱材および支持部材から成る複合材を壁面等の部材として用いることができ、本発明の断熱物品を断熱容器等として使用することが可能となる。
なお、上記支持部材は、通常、真空断熱材の両方の平面には配置されないものとする。
上記支持部材としては、真空断熱材の補強が可能な強度、剛性等を有するものであれば特に限定されず、透明であってもよく、不透明であってもよい。上記支持部材としては、例えば、金属板、石膏ボード、プラスチック板、繊維板、パルプセメント板、パーチクルボード、化粧合板、木材、ビニルボード等、一般に断熱材の補強に使用される板材が挙げられる。
また、板状の発泡断熱材、板状のセラミックス系断熱材、これらを複数組み合わせた複合板、金属板等の表面に発泡断熱材を塗布して表面をコーティングしたもの等、支持部材自体が断熱性を有するものであっても良い。
なお、支持基材は、剥離性を有する粘着剤等を用いて真空断熱材の平面に配置される。
なお、上記支持部材は、通常、真空断熱材の両方の平面には配置されないものとする。
上記支持部材としては、真空断熱材の補強が可能な強度、剛性等を有するものであれば特に限定されず、透明であってもよく、不透明であってもよい。上記支持部材としては、例えば、金属板、石膏ボード、プラスチック板、繊維板、パルプセメント板、パーチクルボード、化粧合板、木材、ビニルボード等、一般に断熱材の補強に使用される板材が挙げられる。
また、板状の発泡断熱材、板状のセラミックス系断熱材、これらを複数組み合わせた複合板、金属板等の表面に発泡断熱材を塗布して表面をコーティングしたもの等、支持部材自体が断熱性を有するものであっても良い。
なお、支持基材は、剥離性を有する粘着剤等を用いて真空断熱材の平面に配置される。
本発明の断熱物品は、断熱材角部を少なくとも一カ所有するものであるが、複数有していても良く、その数は配置される真空断熱材の数による。また、断熱材角部を複数有する場合、断熱材頂部も複数有することなる。
断熱材角部を複数有する場合、それぞれの断熱材角部において、少なくとも一部に角部保護部材が配置されていることが好ましく、中でも、複数の断熱材頂部に断熱材角部が配置されていることが好ましい。また、それぞれの断熱材角部の全てに角部保護部材が配置されていることが好ましい。これらの理由については、「2.角部保護部材」の項で説明した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
断熱材角部を複数有する場合、それぞれの断熱材角部において、少なくとも一部に角部保護部材が配置されていることが好ましく、中でも、複数の断熱材頂部に断熱材角部が配置されていることが好ましい。また、それぞれの断熱材角部の全てに角部保護部材が配置されていることが好ましい。これらの理由については、「2.角部保護部材」の項で説明した理由と同様であるため、ここでの説明は省略する。
本発明の断熱物品の形状としては、少なくとも一カ所に断熱材角部を有する形状であれば特に限定されず、用途に応じて適宜設計することができる。例えば、図7で示す直方体、立方体等の箱型、円柱型等の形状としてもよく、電化機器等の内部に取り付ける部品として使用する場合の、取り付け箇所の形状に合わせた形状としてもよい。なお、図7は、本発明の断熱物品が断熱容器である例を示すものである。
5.用途
本発明の断熱物品は、給湯機、冷蔵庫、OA機器等の電化機器の内部の凹凸形状に、本発明の断熱物品が当たるようにして配置して用いる部品とすることができる。
また、本発明の断熱物品は、貯蔵庫、クーラーボックス等の保温箱、ホットメルトタンク等の加温タンク等の表面を覆うカバー材として使用することができる。
さらに、角部保護部材および真空断熱材が自己支持性を有することで、本発明の断熱物品を、例えば輸送ボックス、ショーケース、かご車等の断熱容器として、単体で用いることができる。
本発明の断熱物品は、給湯機、冷蔵庫、OA機器等の電化機器の内部の凹凸形状に、本発明の断熱物品が当たるようにして配置して用いる部品とすることができる。
また、本発明の断熱物品は、貯蔵庫、クーラーボックス等の保温箱、ホットメルトタンク等の加温タンク等の表面を覆うカバー材として使用することができる。
さらに、角部保護部材および真空断熱材が自己支持性を有することで、本発明の断熱物品を、例えば輸送ボックス、ショーケース、かご車等の断熱容器として、単体で用いることができる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
以下に実施例および比較例を示して、本発明をさらに具体的に説明する。
一般断熱材(ネオマフォーム)の表面に、ラバーヒータ(型式:MRHSF、株式会社ミスミ)を配置し、ラバーヒータに温調コントローラ(型式:MTCD、株式会社ミスミ製)を接続し、100℃にて一定時間保持したときのラバーヒータの消費電力量を、クランプオンパワーロガー(製品名:PW3360−10、日置電機株式会社)およびクランプオンセンサ(製品名:9694、日置電機株式会社)を用いて実測した。このときの消費電力量を基準とした。
[実施例1]
ラバーヒータが配置された一般断熱材の表面に、以下の断熱物品Aを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
(断熱物品A)
2枚の真空断熱材を、端辺同士が1cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、上記断熱材角部にポリオレフィン発泡体から成る角部保護部材を配置して断熱物品Aとした。
ラバーヒータが配置された一般断熱材の表面に、以下の断熱物品Aを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
(断熱物品A)
2枚の真空断熱材を、端辺同士が1cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、上記断熱材角部にポリオレフィン発泡体から成る角部保護部材を配置して断熱物品Aとした。
[実施例2]
ラバーヒータの表面に、以下の断熱物品Bを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
(断熱物品B)
2枚の真空断熱材を、端辺同士が3cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、上記断熱材角部にポリオレフィン発泡体から成る角部保護部材を配置して断熱物品Bとした。
ラバーヒータの表面に、以下の断熱物品Bを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
(断熱物品B)
2枚の真空断熱材を、端辺同士が3cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、上記断熱材角部にポリオレフィン発泡体から成る角部保護部材を配置して断熱物品Bとした。
[実施例3]
ラバーヒータの表面に、以下の断熱物品Cを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
(断熱物品C)
2枚の真空断熱材を、端辺同士が5cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、上記断熱材角部にポリオレフィン発泡体から成る角部保護部材を配置して断熱物品Cとした。
ラバーヒータの表面に、以下の断熱物品Cを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
(断熱物品C)
2枚の真空断熱材を、端辺同士が5cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、上記断熱材角部にポリオレフィン発泡体から成る角部保護部材を配置して断熱物品Cとした。
[比較例1]
ラバーヒータの表面に、板厚25mmのロックウールを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
ラバーヒータの表面に、板厚25mmのロックウールを配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。
[比較例2]
ラバーヒータの表面に、2枚の真空断熱材を、端辺同士が間隔0cmで接触角度が120°を成すように接触させ、上記接触部分が断熱材角部となるように配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。このとき、断熱材角部には角部保護部材を配置しなかった。
ラバーヒータの表面に、2枚の真空断熱材を、端辺同士が間隔0cmで接触角度が120°を成すように接触させ、上記接触部分が断熱材角部となるように配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。このとき、断熱材角部には角部保護部材を配置しなかった。
[比較例3]
ラバーヒータの表面に、2枚の真空断熱材を、端辺同士が1cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。このとき、断熱材角部には角部保護部材を配置しなかった。
ラバーヒータの表面に、2枚の真空断熱材を、端辺同士が1cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。このとき、断熱材角部には角部保護部材を配置しなかった。
[比較例4]
ラバーヒータの表面に、2枚の真空断熱材を、端辺同士が3cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。このとき、断熱材角部には角部保護部材を配置しなかった。
ラバーヒータの表面に、2枚の真空断熱材を、端辺同士が3cmの間隔で120°を成すように近接させて成る断熱材角部を有するように配置し、基準と同様の条件および方法で消費電力量を実測した。このとき、断熱材角部には角部保護部材を配置しなかった。
[評価]
実施例1〜3、比較例1〜4、および基準の消費電力量を表1に示す。
実施例1〜3、比較例1〜4、および基準の消費電力量を表1に示す。
比較例2〜4より、断熱材角部において隙間が大きいほど消費電力が高くなり、熱漏れが生じていることが示唆された。これに対し、実施例1〜3で示すように、断熱材角部に角部保護部材を配置することにより、消費電力の低減が確認された。
1、1A、1B … 角部保護部材
2、2A、2B … 真空断熱材
10 … 断熱物品
C、C1、C2 … 断熱材角部
P … 断熱材頂部
2、2A、2B … 真空断熱材
10 … 断熱物品
C、C1、C2 … 断熱材角部
P … 断熱材頂部
Claims (3)
- 複数の真空断熱材を有し、
複数の上記真空断熱材は、その端辺が所定の角度を有して近接もしくは接触した部位である断熱材角部を形成しており、
上記断熱材角部の少なくとも一部に、角部保護部材が配置されていることを特徴とする断熱物品。 - 上記角部保護部材が、複数の上記断熱材角部の端部が集合してなる断熱材頂部に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱物品。
- 上記角部保護部材が、上記断熱材角部の全てに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の断熱物品。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP3728970A4 (en) * | 2017-12-18 | 2021-12-08 | Whirlpool Corporation | PROCESS FOR MANUFACTURING A VACUUM INSULATED CABINET FOR A REFRIGERATOR |
-
2014
- 2014-03-31 JP JP2014073672A patent/JP2015197110A/ja active Pending
Cited By (2)
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EP3728970A4 (en) * | 2017-12-18 | 2021-12-08 | Whirlpool Corporation | PROCESS FOR MANUFACTURING A VACUUM INSULATED CABINET FOR A REFRIGERATOR |
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