JP2015196161A - 鋳造金型装置 - Google Patents

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徹也 上原
Tetsuya Uehara
徹也 上原
文博 佐久間
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文博 佐久間
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Abstract

【課題】鋳造金型装置を構成するプランジャスリーブ内の溶湯に対し、振動を付与する。
【解決手段】鋳造金型装置としての真空ダイカスト装置10は、キャビティ24に対して離型剤を供給するための粉体供給通路82を開放又は閉塞する粉体制御弁66を有する。例えば、粉体制御弁66の一端部に、振動伝達部材62が連結される。この振動伝達部材62には、振動装置50の振動子52から振動が付与される。振動は、振動伝達部材62及び粉体制御弁66を介して、プランジャスリーブ28に導入された溶湯に伝播する。この溶湯を、プランジャチップ34で押圧してキャビティ24に供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、キャビティに導入される前の溶湯に対して振動を付与する鋳造金型装置に関する。
高圧鋳造(ダイカスト鋳造)は、例えば、アルミニウム合金製の鋳造製品を得る一手法として周知である。高圧鋳造には、寸法精度が良好な鋳造製品が得られる、大量生産が可能である等の利点があることから、広汎に採用されている。
高圧鋳造においては、プランジャスリーブ内に注湯された溶湯をプランジャチップで押し出し、キャビティに導入するようにしている。すなわち、射出が営まれる。本出願人は、特許文献1において、射出に先んじて離型剤をキャビティに導入し得るダイカスト鋳造装置を提案している。
この種の高圧鋳造において、鋳造製品に異常な金属組織が生成ないし成長することを抑制するべく、プランジャスリーブ内に貯留された溶湯に対して超音波振動を付与することが提案されている。特許文献2記載のダイカスト鋳造装置では、これを実現するべく、プランジャスリーブの側周壁、一端部がプランジャスリーブに収容されたプランジャチップの他端部、及び、可動金型に形成されてプランジャスリーブに対向する分流子の開口端の3箇所に超音波振動子を配設するようにしている。
特開平9−277007号公報 特開2006−346708号公報
高圧鋳造では、プランジャスリーブ内で溶湯を高圧にする関係上、プランジャスリーブやプランジャチップを厚肉にして耐圧仕様とする必要がある。このため、プランジャスリーブやプランジャチップに超音波振動を付与しても、プランジャスリーブ内の溶湯にまで超音波振動が伝播することは容易ではない。また、超音波振動子を配設するためのみに可動金型に分流子を設けることは、可動金型の製作コスト、ひいては設備投資の高騰を招く。
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、既存の設備を用いることが可能であるために設備投資が高騰することを回避し得、しかも、プランジャスリーブ内の溶湯に振動を付与することが容易な鋳造金型装置を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するために、本発明に係る鋳造金型装置は、位置決め固定された固定金型と、
前記固定金型に対して接近又は離間する可動金型と、
前記固定金型と前記可動金型で形成されるキャビティに導入される溶湯を貯留するためのプランジャスリーブと、
前記プランジャスリーブに収容されて前記溶湯を押し出すプランジャチップと、
前記プランジャスリーブに連なるガイド孔内でロッドが変位することで、前記キャビティに連なる粉体供給通路を開放又は閉止する粉体制御弁と、
前記粉体制御弁を変位させる変位駆動源と、
前記変位駆動源に支持されて振動を発生する振動発生手段と、
前記振動発生手段で発生した振動を、前記粉体制御弁を介して前記プランジャスリーブに貯留された前記溶湯に伝達するための振動伝達部材と、
を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明においては、粉体制御弁に対して振動を付与することで、プランジャスリーブに導入されて粉体制御弁とプランジャチップとの間に介在した溶湯に振動を付与するようにしている。この場合、耐圧仕様となっているプランジャチップに対して振動を付与する場合に比して振動が伝播し易い。
また、この鋳造金型装置は、既存の設備に対して振動装置を設けることによって構成することが可能である。このため、設備投資が高騰することを回避することができる。
そして、溶湯に振動が付与されるため、該溶湯内で針状結晶や破断チルの初晶が生成したり、成長したりすることが抑制される。その結果、金属組織が微細化するので、鋳造不良が少ない鋳造製品を得ることができる。
なお、振動伝達部材は、粉体制御弁それ自体であってもよい。すなわち、粉体制御弁と振動伝達部材を同一部材とすることも可能である。この場合、部品点数が低減して構成が一層簡素となるという利点がある。
例えば、振動伝達部材と粉体制御弁とを別部材とするときには、変位駆動源を中空体として構成することが好ましい。この場合、振動伝達部材を変位駆動源の中空内部に通すことにより、振動伝達部材を介しての粉体制御弁への振動付与が容易となる。
さらに、この種の変位駆動源の好適な例としては、中空体からなる2個の変位用ロッドを有する両ロッド型シリンダを挙げることができる。
振動発生手段としては、例えば、振動数が100〜数百Hzの機械的振動を発生する微細振動機(エアバイブレータ等)を採用することができる。又は、超音波振動を発生する超音波振動機であってもよい。
また、キャビティへの注湯を行うに際しては、溶湯に圧力を付加することが好ましい。すなわち、鋳造金型装置は高圧鋳造金型装置であり、鋳造方法は高圧鋳造(HPDC)であると好適である。
本発明によれば、粉体制御弁に対して振動を付与することで、プランジャスリーブに導入されて粉体制御弁とプランジャチップとの間に介在した溶湯に振動を付与するようにしている。この場合、耐圧仕様となっているプランジャチップに対して振動を付与する場合に比して振動が伝播し易い。従って、金属組織が微細化されて鋳造不良が少ない鋳造製品を得ることが容易となる。
しかも、本発明においては、既存の設備に振動装置を設けることによって溶湯に振動を付与することが可能となる。このため、設備投資が高騰することを回避することができる。
本発明の実施の形態に係る鋳造金型装置としての真空ダイカスト装置の概略側面断面図である。 図1とは別の位置に振動装置を設けた鋳造金型装置の要部概略側面断面図である。
以下、本発明に係る鋳造金型装置につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明中の「下」、「上」、「左」及び「右」は、図面における下方、上方、左方及び右方を指すものとする。
図1は、本実施の形態に係る真空ダイカスト装置10(鋳造金型装置)の概略側面断面図である。この真空ダイカスト装置10は、位置決め固定された固定盤12と、可動盤14とを有する。固定盤12には固定入子16を含む固定金型18が設けられ、一方、可動盤14には可動入子20を含む可動金型22が設けられている。可動金型22は、固定金型18に対して接近又は離間することが可能である。図1においては、可動金型22を固定金型18に接近させて型閉じし、固定金型18と可動金型22によってキャビティ24が形成された状態を示している。
固定盤12につき先ず説明すると、該固定盤12及び固定金型18の下方には第1嵌合孔26が形成されている。この第1嵌合孔26には、溶湯を貯留するためのプランジャスリーブ28が嵌合される。プランジャスリーブ28には、溶湯を導入するための注湯口30が形成される。
プランジャスリーブ28内には、図示しない射出シリンダの射出ロッド32に連結されたプランジャチップ34が摺動自在に収容される。プランジャスリーブ28内に導入された溶湯は、このプランジャチップ34が左方に変位することによって押圧される。
第1嵌合孔26には、前記プランジャスリーブ28の他、スプールブッシュ36も嵌合される。スプールブッシュ36は可動金型22を臨む左方に配置され、その左端は固定金型18の左端と面一である。また、該スプールブッシュ36の右端は、プランジャスリーブ28の左端に当接している。さらに、スプールブッシュ36の左端近傍には、その外周壁から内周壁に至るまで連通口38が貫通形成される。この連通口38を介して、スプールブッシュ36の内部と、キャビティ24に連なるランナ40とが連通する。
一方の可動盤14には、図示しない可動金型駆動機構が設けられる。可動金型22は、この可動金型駆動機構の作用下に、固定盤12に対して接近又は離間する方向に変位する。この際、可動金型22はガイドバー42に案内される。このような構成は公知であり、従って、その詳細な説明は省略する。
可動盤14には、その厚み方向に沿って挿通孔44が貫通形成される。この挿通孔44の右方開口には、可動盤14に支持された両ロッド型シリンダ54が配置される。この両ロッド型シリンダ54は、シリンダ本体56の他、該シリンダ本体56に対して露呈又は埋没するように協働して進退動作する第1ロッド58及び第2ロッド60(変位用ロッド)を有する。シリンダ本体56、第1ロッド58及び第2ロッド60は全て、中空体からなる。
両ロッド型シリンダ54のシリンダ本体56は、前記挿通孔44の右方開口を閉塞するように配設される。このため、第1ロッド58は、前記挿通孔44を通って可動盤14の外方に突出する。一方、第2ロッド60は、可動金型22に臨む。
第1ロッド58の左端先端には、該第1ロッド58の左端開口を閉塞するように振動装置50(振動発生手段)が支持される。振動装置50は、例えば、エアバイブレータ等の微細振動機からなる。また、該振動装置50の振動子52は、第1ロッド58の内部に臨む。
さらに、両ロッド型シリンダ54の中空内部(すなわち、第1ロッド58から第2ロッド60に延在する内孔)には、棒形状の振動伝達部材62が通される。振動伝達部材62の左端は、第1ロッド58内で振動装置50の振動子52に対向する。一方、振動伝達部材62の右端には小径のネジ部64が突出形成され、該ネジ部64が、粉体制御弁66の左端部に陥没形成されたネジ孔67に螺合される。
振動子52が停止している状態では、該振動子52の右端面は、前記振動伝達部材62の左端面に対して所定間隔で離間する。一方、振動装置50が付勢されると、振動子52は、予め設定された所定の周期で上下動する。振動子52のストロークは、該振動子52と振動伝達部材62との離間距離よりも若干大きく、このため、振動子52は、右方に向かって前進した際に振動伝達部材62に当接する。勿論、振動子52は、左方に向かって後退するときに振動伝達部材62から離間する。このようにして振動子52の当接ないし離間が繰り返されることにより、振動伝達部材62に、所定の周波数の振動が付与される。
振動子52と振動伝達部材62が所定間隔で離間していることから、振動子52が振動伝達部材62に当接する際には衝突エネルギが発生する。振動伝達部材62には、この衝突エネルギが付加された所定の周波数の振動が付与されていると推察される。
可動金型22には、第2嵌合孔68が形成される。該第2嵌合孔68には、ガイドブッシュ70が嵌合される。前記粉体制御弁66は、このガイドブッシュ70の内孔(ガイド孔)に摺動自在に挿入されている。
粉体制御弁66は、両ロッド型シリンダ54の第2ロッド60の右端が当接する長尺なロッド部72と、側周壁がガイド孔の内壁に摺接するガイド部74と、ガイド部74に比して小径な小径部76と、側周壁がガイド孔の内壁に摺接する弁部78とを左方から右方に向かってこの順序で有する。すなわち、粉体制御弁66は、いわゆるスプール弁である。前記両ロッド型シリンダ54は、このように構成される粉体制御弁66を左右方向に変位させるための変位駆動源として機能する。換言すれば、粉体制御弁66の位置制御は、両ロッド型シリンダ54によって行われる。
ガイドブッシュ70の右端は、型閉じがなされた際にスプールブッシュ36の左端に当接する。これに伴い、ガイドブッシュ70とスプールブッシュ36が直線状に連なる。
ここで、ガイドブッシュ70の右端近傍には、その外周壁から内周壁に至る供給口80が貫通形成されている。一方、可動金型22には粉体供給通路82が形成されており、この粉体供給通路82は、前記供給口80を介してガイドブッシュ70内(ガイド孔)に連通する。
粉体供給通路82には、切換弁84が設けられた切換通路86が接続される。該切換弁84の下流側には、粉体貯留槽88に連なる粉体吐出通路90と、第1真空ポンプ92に連なる排気通路94とが設けられる。切換弁84は、切換通路86、ひいては粉体供給通路82の連通先を、粉体吐出通路90又は排気通路94のいずれか一方に選択的に切り換えるためのものである。すなわち、切換通路86が粉体吐出通路90に連通するときには、切換通路86と排気通路94との連通が遮断される。一方、切換通路86と粉体吐出通路90との連通が遮断されたとき、切換通路86が排気通路94に連通する。
粉体貯留槽88には、公知の離型剤、例えば、ワックス、タルク、黒鉛等が貯留される。なお、粉体貯留槽88には圧縮エア等が供給されており、このため、離型剤は粉体貯留槽88内で浮遊流動状態となっている。
可動金型22には、さらに、右端がキャビティ24内に開口するとともに、弁体駆動用シリンダ96の進退ロッド98が挿入された摺動孔100が形成される。進退ロッド98の先端には、摺動孔100の内壁に摺動する弁体102が設けられる。
摺動孔100には、粉体吸引通路104が直交する。すなわち、該粉体吸引通路104の下端は摺動孔100内で開口し、上端は可動金型22の上端面で開口する。この開口には、図示しない管継手を介して第2真空ポンプ106が接続される。
進退ロッド98が最大に前進したとき、弁体102は、粉体吸引通路104と摺動孔100の交点に位置する。このため、摺動孔100を介しての粉体吸引通路104とキャビティ24内との連通が遮断される。一方、進退ロッド98が後退すると、粉体吸引通路104と摺動孔100が連通する。上記したように摺動孔100の右端がキャビティ24内で開口しているので、粉体吸引通路104とキャビティ24内が摺動孔100を介して連通する。
本実施の形態に係る真空ダイカスト装置10は、基本的には以上のように構成されるものであり、次に、その作用効果について説明する。
はじめに、前記可動金型駆動機構が付勢されて可動金型22が固定金型18側に変位する。これにより型閉じが行われる。これに伴い、固定入子16を含む固定金型18と、可動入子20を含む可動金型22とでキャビティ24が形成される。
このとき、射出ロッド32及びプランジャチップ34は後退しており、注湯口30よりも右方に位置する。また、両ロッド型シリンダ54は、第2ロッド60を右方に向かって前進させており、このため、粉体制御弁66が第2ロッド60に押圧されて前進端に位置している。すなわち、粉体制御弁66の弁部78がスプールブッシュ36に進入している。従って、ランナ40とプランジャスリーブ28内との連通が弁部78によって遮断される。その一方で、ランナ40は、スプールブッシュ36の連通口38と、スプールブッシュ36の内壁と小径部76の間の環状間隙とを介して、ガイドブッシュ70の供給口80に連通する。
この状態で切換弁84が作動し、切換通路86と排気通路94が遮断される一方、切換通路86と粉体吐出通路90が連通する。これにより、粉体貯留槽88からキャビティ24に至るまで、粉体吐出通路90、切換通路86、粉体供給通路82、供給口80、スプールブッシュ36の内壁と小径部76の間の環状間隙、連通口38、及びランナ40による通路が形成される。
この通路形成と同時に、又は通路形成の前後に、弁体駆動用シリンダ96を付勢して進退ロッド98を後退させる。すなわち、キャビティ24内と粉体吸引通路104を、摺動孔100を介して連通させる。
この状態で、第2真空ポンプ106を付勢する。その結果、キャビティ24内のガス(大気)が第2真空ポンプ106の作用下に粉体吸引通路104を介して排出される。すなわち、キャビティ24内が負圧となる。
この際には、ランナ40、連通口38、スプールブッシュ36の内壁と小径部76の間の環状間隙、供給口80、粉体供給通路82、切換通路86及び粉体吐出通路90内のガスも順次吸引される。これらがキャビティ24を介して粉体吸引通路104に連通しているからである。そして、この吸引に伴い、粉体貯留槽88内で浮遊流動状態にある離型剤が吸引される。吸引された離型剤は、粉体吐出通路90、切換通路86、粉体供給通路82、供給口80、スプールブッシュ36の内壁と小径部76の間の環状間隙、連通口38、及びランナ40を経由してキャビティ24内に到達する。
これにより離型剤がキャビティ24内に充満するとともに、離型剤が固定入子16及び可動入子20の表面に付着する。換言すれば、固定入子16及び可動入子20に離型剤が塗布される。なお、キャビティ24内に残存する過剰の離型剤は、粉体吸引通路104を介して第2真空ポンプ106側に吸引されて排出される。
離型剤がキャビティ24内に供給され始めてから所定の時間が経過した後(すなわち、所定の塗布時間に到達した後)、弁体駆動用シリンダ96が再付勢される。これにより弁体102が左方に向かって前進し、摺動孔100と粉体吸引通路104の交点に到達してこれら摺動孔100と粉体吸引通路104の連通を遮断する。これに伴い、粉体吐出通路90からキャビティ24内への離型剤の供給が停止される。
以上のようにして離型剤の塗布が終了した後、キャビティ24内が真空引きされる。具体的には、摺動孔100と粉体吸引通路104の連通が弁体102によって遮断され、且つプランジャチップ34が右方に後退した位置を保った状態で、切換弁84が作動する。この作動に伴い、切換通路86と粉体吐出通路90との連通が遮断されるとともに、切換通路86と排気通路94が連通される。
従って、第1真空ポンプ92が付勢されると、キャビティ24内が、ランナ40、連通口38、スプールブッシュ36の内壁と小径部76の間の環状間隙、供給口80、粉体供給通路82、切換通路86及び排気通路94を介して真空引きされる。すなわち、キャビティ24内が減圧状態に保持される。
以上の工程を行っている間、プランジャスリーブ28の注湯口30からプランジャスリーブ28内に、例えば、アルミニウム合金の溶湯を導入する。すなわち、注湯を行う。離型剤の塗布、及びキャビティ24内の真空引きを行っている最中に注湯を行うことができるので、鋳造作業のサイクルタイムを短縮することができる。
この注湯に先んじ、振動装置50を予め付勢して振動子52を繰り返し進退動作させる。振動子52は、上記したように前進する際に振動伝達部材62に当接し、後退する際に振動伝達部材62から離間する。このため、振動伝達部材62に、所定の周波数の振動が付与される。振動は、例えば、機械的振動であり、その周波数は100〜数百Hzである。
振動伝達部材62が粉体制御弁66に連結されているので、振動は粉体制御弁66に伝播し、さらに、該粉体制御弁66を介してプランジャスリーブ28内の溶湯に伝播する。この伝播により、プランジャスリーブ28内の溶湯に振動が付与される。粉体制御弁66はスプール弁であり、小径部76(薄肉部)が存在する等の理由から、振動が比較的容易に伝播する。
振動が付与された溶湯には、撹拌が生じるとともに発熱が起こる。このため、針状結晶や破断チルの初晶が生成したり、成長したりすることが抑制される。また、これら針状結晶や破断チルの初晶がたとえ生成したとしても、振動付与に伴うキャビテーション効果によって微細球状化される。
この状態で射出シリンダを付勢し、射出ロッド32及びプランジャチップ34を左方に向かって前進させると、溶湯がプランジャチップ34と粉体制御弁66とで押圧されて圧力が上昇する。プランジャチップ34を左方に向かってさらに前進させるようにして溶湯にさらなる押圧力を付与すると、溶湯の圧力が、両ロッド型シリンダ54の第2ロッド60による粉体制御弁66の押圧力を上回る。
その結果、粉体制御弁66、第2ロッド60及び第1ロッド58が左方に変位する。第1ロッド58は、シリンダ本体56から一層露呈するとともに、挿通孔44からさらに突出する。振動装置50は、上記したように第1ロッド58に支持されているので、該第1ロッド58と一体的に変位する。一方の第2ロッド60は、シリンダ本体56内に埋没するとともに、その右端が粉体制御弁66から離間する。
粉体制御弁66の弁部78は、図1中に仮想線で示す位置まで変位する。この変位に伴い、ガイドブッシュ70に形成された供給口80が弁部78で閉塞される。すなわち、粉体供給通路82が遮断される。この遮断に伴って、キャビティ24内の真空引きが終了する。供給口80が閉塞されることにより、キャビティ24内と排気通路94との連通が遮断されるからである。
また、弁部78が連通口38よりも左方に変位するので、連通口38がプランジャスリーブ28内と連通する。これにより、プランジャスリーブ28内が連通口38及びランナ40を介してキャビティ24に連通する。
従って、溶湯がプランジャスリーブ28から押し出され、供給口80及びランナ40を通過してキャビティ24に導入される。すなわち、溶湯が流動してキャビティ24に供給される。このように、本実施の形態では、プランジャスリーブ28内の溶湯に対して圧力を付加し、これにより該溶湯をキャビティ24に導入する高圧鋳造(ダイカスト鋳造)が行われる。
上記したように、この溶湯では針状結晶が生成すること等が抑制されているので、溶湯が比較的容易に流動する。このため、キャビティ24に溶湯を供給することが容易となる。
キャビティ24内の溶湯は、その後、凝固する。これにより、キャビティ24の形状に対応する形状の鋳造製品が得られる。そして、可動金型22が固定金型18から離間する方向に変位して型開きがなされることにより、鋳造製品が露呈する。
上記したように、キャビティ24に導入された溶湯には振動が付与されている。このために金属組織が微細化するので、鋳巣や湯皺等の鋳造不良が少ない鋳造製品を得ることができる。
しかも、本実施の形態に係る真空ダイカスト装置10は、両ロッド型シリンダ54の中空内部に振動伝達部材62を通し、且つ該振動伝達部材62に対して振動を付与する振動装置50を設けることによって構成することが可能である。すなわち、振動装置50及び振動伝達部材62以外は既存の設備を用いることができる。このため、設備投資の低廉化を図ることもできる。
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、この実施の形態では、両ロッド型シリンダ54の中空内部に振動伝達部材62を通すとともに、該振動伝達部材62に対して振動装置50から振動を付与するようにしているが、これに代替し、図2に示すように、粉体制御弁66に対して振動装置50が対向するようにしてもよい。この場合、粉体制御弁66それ自体が振動伝達部材62となる。すなわち、粉体制御弁66は、振動伝達部材62を兼ねる(同一部材である)。また、振動装置50は、粉体制御弁66と一体的に変位する。
いずれの場合においても、周波数が100〜数百Hz程度である機械的振動を付与することに代替し、超音波振動を付与するようにしてもよい。この場合、振動装置50として超音波振動機を採用すればよい。そして、超音波振動機の振動子52の先端と、振動伝達部材62(又は粉体制御弁66)とが離間せずに当接した状態で振動を付与すればよい。
10…真空ダイカスト装置 12…固定盤
14…可動盤 16…固定入子
18…固定金型 20…可動入子
22…可動金型 24…キャビティ
28…プランジャスリーブ 34…プランジャチップ
36…スプールブッシュ 38…連通口
40…ランナ 44…挿通孔
50…振動装置 52…振動子
54…両ロッド型シリンダ 58…第1ロッド
60…第2ロッド 62…振動伝達部材
66…粉体制御弁 70…ガイドブッシュ
78…弁部 80…供給口
82…粉体供給通路 84…切換弁
86…切換通路 88…粉体貯留槽
90…粉体吐出通路 94…排気通路
96…弁体駆動用シリンダ 100…摺動孔
102…弁体 104…粉体吸引通路

Claims (5)

  1. 位置決め固定された固定金型と、
    前記固定金型に対して接近又は離間する可動金型と、
    前記固定金型と前記可動金型で形成されるキャビティに導入される溶湯を貯留するためのプランジャスリーブと、
    前記プランジャスリーブに収容されて前記溶湯を押し出すプランジャチップと、
    前記プランジャスリーブに連なるガイド孔内でロッドが変位することで、前記キャビティに連なる粉体供給通路を開放又は閉止する粉体制御弁と、
    前記粉体制御弁を変位させる変位駆動源と、
    前記変位駆動源に支持されて振動を発生する振動発生手段と、
    前記振動発生手段で発生した振動を、前記粉体制御弁を介して前記プランジャスリーブに貯留された前記溶湯に伝達するための振動伝達部材と、
    を備えることを特徴とする鋳造金型装置。
  2. 請求項1記載の鋳造金型装置において、前記変位駆動源が中空体からなり、前記振動伝達部材は、前記変位駆動源の中空内部に通されていることを特徴とする鋳造金型装置。
  3. 請求項2記載の鋳造金型装置において、前記変位駆動源が、中空体からなる2個の変位用ロッドを有する両ロッド型シリンダであることを特徴とする鋳造金型装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造金型装置において、前記振動発生手段が機械的振動を発生するものであることを特徴とする鋳造金型装置。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋳造金型装置において、前記振動発生手段が超音波振動を発生するものであることを特徴とする鋳造金型装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110756779A (zh) * 2019-11-28 2020-02-07 马鞍山楚锐科技信息咨询有限公司 可震荡铸造模具
CN112008071A (zh) * 2020-07-31 2020-12-01 南京视莱尔汽车电子有限公司 一种具有重力增压功能的汽车轮毂铸造设备及铸造方法

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