JP2016123987A - 鋳造装置及び鋳造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】分割鋳型と中子とを用いて形成するような複雑な形状を有する成形品の製造においても金属溶湯の充填性を向上し得る鋳造装置及び鋳造方法を提供する。
【解決手段】鋳造装置は、保持炉の内部の加圧により保持炉に保持された金属溶湯を少なくとも湯口まで供給する加圧装置と、チャンバーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介して少なくともチャンバーの内部を減圧するチャンバー用吸引装置と、キャビティーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介してキャビティーを減圧し、少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給するキャビティー用吸引装置とを備える。キャビティーを形成する鋳型は、キャビティーと、チャンバーの内部で、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、鋳造装置及び鋳造方法に関する。更に詳細には、本発明は、キャビティーに金属溶湯を充填する際に、所定のタイミングで加圧及び吸引を実行する鋳造装置及び鋳造方法に関する。
従来、薄肉部品の鋳造を可能としたまま、更に、金属溶湯の加熱度及び鋳型温度も低く抑えて鋳造する吸引差圧鋳造方法が提案されている(特許文献1参照。)。
この吸引差圧鋳造方法は、加圧可能な密閉型の保持炉の下部に保持された金属溶湯にストークの下部を浸漬させ、該ストークの上方に連通されたストークの上に左右に開閉可能な金型を上下移動可能に設置し、該金型を覆う密閉室を画成し、次に該密閉室に連通された連通管を通して吸引開閉弁を開くことにより真空タンクを介して真空ポンプにより密閉室内の圧力を1秒以下の時間で100Torrまで減圧し、その直後加圧装置で圧縮空気を加圧開閉弁を開いて保持炉内に送り、金属溶湯の湯面を1秒以下の時間で0.4乃至1Kg/cmに加圧した後、その圧力で保持し、鋳物が凝固した時点で減圧および加圧保持を解除することを特徴とする。
特許第2933255号
しかしながら、特許文献1に記載された吸引差圧鋳造方法にあっては、キャビティーの空気を、その外側の減圧によって間接的に吸引しているため、キャビティーの減圧度ないし減圧速度が、金型分割面のクリアランスやキャビティーの空間体積、キャビティーの外側における密閉室体積に依存している。
そのため、例えば、分割鋳型と中子とを用いて形成するような複雑な形状を有する成形品の製造において、キャビティーの空気をその外側の減圧により間接的に吸引するだけでは、キャビティーにおける減圧度ないし減圧速度を適切な範囲に安定させることができず、金属溶湯の充填性が低下することがあるという問題点があった。
また、特許文献1に記載された吸引差圧鋳造方法にあっては、分割鋳型とともに中子を用いて形成するような複雑な形状を有する成形品の製造ついて何ら検討がなされていない。
そのため、分割鋳型とともに中子を用いて形成するような複雑な形状を有する成形品の製造において、溶湯が中子に接触した際に中子に含まれる粘着剤等が燃焼して発生する中子ガスによってガス欠陥が生じ、これによっても金属溶湯の充填性が低下することがあるという問題点があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明は、例えば、分割鋳型と中子とを用いて形成するような複雑な形状を有する成形品の製造においても金属溶湯の充填性を向上し得る鋳造装置及び鋳造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた。その結果、キャビティーに金属溶湯を充填する際に、所定のタイミングで加圧及び吸引を実行する構成とすることにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の鋳造装置は、チャンバーの内部に配設され、分割鋳型で形成された鋳型のキャビティーに、鋳型の下部に配設された保持炉に保持された金属溶湯を、上端部が鋳型の湯口に接続され、かつ、下端部が保持炉に保持された金属溶湯に浸漬されたストークを介して充填して成形品を製造するものである。そして、この鋳造装置は、保持炉の内部の加圧により保持炉に保持された金属溶湯を少なくとも湯口まで供給する加圧装置と、チャンバーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介して少なくともチャンバーの内部を減圧するチャンバー用吸引装置と、キャビティーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介してキャビティーを減圧し、少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給するキャビティー用吸引装置と、を備える。また、鋳型が、キャビティーと、チャンバーの内部で、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する。
また、本発明の鋳造方法は、チャンバーの内部に配設され、分割鋳型で形成された鋳型のキャビティーに、鋳型の下部に配設された保持炉に保持された金属溶湯を、上端部が鋳型の湯口に接続され、かつ、下端部が保持炉に保持された金属溶湯に浸漬されたストークを介して充填して成形品を製造する方法である。そして、この鋳造方法は、成形品を製造するに際して、キャビティーと、チャンバーの内部で、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する鋳型を形成し、加圧装置による保持炉の内部の加圧によって、保持炉に保持された金属溶湯を少なくとも湯口まで供給し、チャンバー用吸引装置により、チャンバーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介してチャンバーの内部を少なくとも減圧し、キャビティー用吸引装置によるキャビティーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧によって、少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給する。
本発明によれば、キャビティーと、チャンバーの内部で、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する鋳型を形成し、加圧装置による保持炉の内部の加圧によって、保持炉に保持された金属溶湯を少なくとも湯口まで供給し、チャンバー用吸引装置により、チャンバーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介してチャンバーの内部を少なくとも減圧し、キャビティー用吸引装置によるキャビティーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧によって、少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給する構成とした。そのため、例えば、分割鋳型と中子とを用いて形成するような複雑な形状を有する成形品の製造においても金属溶湯の充填性を向上し得る鋳造装置及び鋳造方法を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を模式的に示す説明図である。 図2は、図1に示すチャンバー用配管及びチャンバー用吸引装置を模式的に示す説明図である。 図3は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を使用した鋳造方法の一例を模式的に示す説明図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を使用した鋳造方法の他の一例により得られた成形品を模式的に示す斜視図である。 図5は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置における中子を含む鋳型の他の一例を模式的に示す断面図である。 図6は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置における鋳型の更に他の一例を模式的に示す断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る鋳造装置及び鋳造方法について詳細に説明する。なお、以下で引用する図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
まず、本発明の一実施形態に係る鋳造装置について図面を参照しながら詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を模式的に示す説明図である。また、図2は、図1に示すチャンバー用配管及びチャンバー用吸引装置を模式的に示す説明図である。
図1に示すように、本実施形態の鋳造装置1は、チャンバー10と、保持炉20と、ストーク30と、加圧装置40と、チャンバー用吸引装置50と、キャビティー用吸引装置60と、センサー70と、制御装置80とを備える。そして、鋳造装置1は、キャビティーBに、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属溶湯Cを充填して図示しないシリンダーヘッドなどの成形品を製造するものである。
また、分割鋳型で形成された鋳型Aは、キャビティーBが形成された状態で、チャンバー10の内部に配設されている。そして、分割鋳型で形成された鋳型Aは、キャビティーBと、チャンバー10の内部であって、かつ、鋳型Aの外部である空間10aとを連通する連通経路Aaを有する。また、分割鋳型で形成された鋳型Aは、巾木Eが付加された中子Dを含み、下鋳型A1、下鋳型A1上で水平方向にスライドする中鋳型A2、及び上鋳型A3を有する。更に、鋳型Aは、例えば、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属溶湯Cに対して適用可能な従来公知の金型で構成されており、中子Dや巾木Eについても、アルミニウムやアルミニウム合金などの金属溶湯Cに対して適用可能な従来公知の中子や巾木により構成されている。そして、連通経路Aaは、中鋳型A2と上鋳型A3との間に形成されている。
そして、保持炉20は、チャンバー10の外部であって、かつ、キャビティーBが形成された状態の鋳型Aの下部に配設されている。また、保持炉20は、金属溶湯Cを保持している。
更に、ストーク30は、キャビティーBに充填される金属溶湯Cの流路であり、上端部30aが鋳型Aの湯口Abに接続され、かつ、下端部30bが保持炉20に保持された金属溶湯Cに浸漬されている。なお、図示しないが、湯口には従来公知の多孔質体が配設されている。
また、鋳造装置1は、成形品を製造するに際して、加圧装置40による保持炉20に接続された配管42を介した保持炉20の内部の加圧によって、保持炉20に保持された金属溶湯Cを少なくとも湯口Abまで供給する。
更に、鋳造装置1は、成形品を製造するに際して、チャンバー用吸引装置50により、チャンバー10に接続され、かつ、チャンバー10の外部に引き出されたチャンバー用配管52を介してチャンバー10の内部を減圧する。そして、図2に示すように、チャンバー用吸引装置50は、例えば、真空ないしその近傍まで吸引するためのポンプ50Aを備えている。また、図2に示すように、チャンバー用配管のうち、チャンバー用吸引装置50が設けられている主配管52aには、チャンバー10の内部の圧力を検出する圧力センサー51、主配管52aの吸引流量を調整する絞りバルブ53、主配管52aの吸引を制御する開閉バルブ55、チャンバー用吸引装置50の吸引圧力を検出する圧力センサー57、吸引の際に吸引される異物等を除去するためのタンク59が配設されている。更に、図2に示すように、主配管52aから分岐した副配管52bには、大気開放する際に、副配管52bによる吸引流量を調整する絞りバルブ54、副配管52bによる吸引を制御する開閉バルブ56が配設されている。
そして、鋳造装置1は、成形品を製造するに際して、キャビティー用吸引装置60によるキャビティーBに接続され、かつ、チャンバー10の外部に引き出されたキャビティー用配管62を介したキャビティーBの減圧によって、少なくとも湯口Abまで供給された金属溶湯CをキャビティーB全体に供給する。なお、図示しないが、キャビティー用配管及びキャビティー用吸引装置についても、上述したチャンバー用配管及びチャンバー用吸引装置と同様の構成を有している。また、図示しないが、キャビティー用配管のキャビティー接続部には金属溶湯の侵入を抑制する多孔質体が配設されている。
また、センサー70としては、例えば、型閉じを検知するための型閉じセンサー71を有するものを挙げることができるが、これに限定されるものではない。すなわち、図示しないが、これに加えて、湯口への金属溶湯の到達を検知するための金属溶湯湯口到達センサーやキャビティーにおける金属溶湯の充填を検知するためのキャビティー金属溶湯充填センサー、キャビティーにおける金属溶湯の凝固を検知するためのキャビティー金属溶湯凝固センサーを有するものを適用することもできる。
上記型閉じセンサー71としては、例えば、従来公知の位置決めセンサーを適用した型閉じセンサーを挙げることができる。
そして、上記金属溶湯湯口到達センサーとしては、例えば、湯口近傍に配設される温度センサー、更には、保持炉内に配設される湯面高さセンサーや圧力センサーなどを適用することができる。
また、上記キャビティー金属溶湯充填センサーとしては、例えば、キャビティー近傍のキャビティー用配管に配設される温度センサーや圧力センサー、更には、保持炉内に配設される湯面高さセンサーや圧力センサーなどを適用することができる。
更に、上記キャビティー金属溶湯凝固センサーとしては、例えば、キャビティー近傍のキャビティー用配管に配設される温度センサーなどを適用することができる。
そして、制御装置80としては、例えば、型閉じセンサー71からの入力に応じて、加圧装置40を制御し、型閉じセンサー71及び加圧装置40のうちの少なくとも1つからの入力に応じて、チャンバー用吸引装置50を制御し、型閉じセンサー71及び加圧装置40のうちの少なくとも1つからの入力に応じて、キャビティー用吸引装置60を制御する一体又は別体の制御装置を適用することができる。
このような制御装置を適用する場合には、例えば、予備実験によって予め取得した、位置や、圧力、温度、型閉じからの経過時間等によって、加圧及び吸引を制御する制御データを制御装置に格納しておけばよい。
しかしながら、制御装置は、上述のものに限定されるものではない。すなわち、図示しないが、制御装置としては、例えば、型閉じセンサーと、加圧装置、金属溶湯湯口到達センサー、キャビティー金属溶湯充填センサー及びキャビティー金属溶湯凝固センサーのうちの少なくとも1つとからの入力に応じて、加圧装置を制御し、型閉じセンサー、加圧装置、金属溶湯湯口到達センサー、キャビティー金属溶湯充填センサー及びキャビティー金属溶湯凝固センサーのうちの少なくとも1つからの入力に応じて、チャンバー用吸引装置を制御し、型閉じセンサー、加圧装置、金属溶湯湯口到達センサー、キャビティー金属溶湯充填センサー及びキャビティー金属溶湯凝固センサーのうちの少なくとも1つからの入力に応じて、キャビティー用吸引装置を制御する一体又は別体の制御装置を適用することもできる。
このような制御装置を適用する場合には、例えば、型閉じからの経過時間を考慮しないで、実際の位置や、温度、圧力等によって、加圧及び吸引を制御すればよい。もちろん、予備実験によって予め取得した圧力や温度によって、加圧及び吸引を制御する制御データを制御装置に格納してもよい。なお、上述した各制御データは、上述した型閉じセンサー、金属溶湯湯口到達センサー、キャビティー金属溶湯充填センサー、キャビティー金属溶湯凝固センサーなどの各種センサーを用いた予備実験により適宜設定することができる。
上述のように、キャビティーと、チャンバーの内部であって、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する鋳型を用い、加圧装置を利用して保持炉の内部を加圧することにより金属溶湯を少なくとも湯口まで供給し、更に、チャンバー用吸引装置を利用して、チャンバーの内部を減圧し、更に、キャビティー用吸引装置を利用してキャビティーを直接減圧することにより少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給することによって、金属溶湯の充填性を向上させることができる。
つまり、加圧装置を利用して、保持炉の内部を加圧することにより、金属溶湯を少なくとも湯口まで供給することによって、保持炉に保持された金属溶湯を、分割鋳型と中子とを用いて形成するような複雑な形状を有するキャビティーを介して湯口まで吸引により供給する必要がない。そのため、充填性向上の阻害要因となる複雑な形状を有するキャビティーにおける吸引抵抗を考慮する必要がない。これにより、キャビティー用吸引装置のみを利用してキャビティー全体に金属溶湯を供給する場合と比較して、製造する際に使用するエネルギーロスを低減して金属溶湯の充填性を向上させることができる。
そして、キャビティー用吸引装置を利用して、キャビティーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介してキャビティーを直接減圧することにより、減圧度や減圧速度が、鋳型分割面のクリアランスやキャビティーの空間体積、キャビティーの外側におけるチャンバー体積に依存することがない。そのため、少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給する際に、減圧度や減圧速度を適切な範囲に安定させることができる。これにより、鋳込み速度を速くすることが可能となるなど金属溶湯の充填性を向上させることができる。
また、チャンバー用吸引装置を利用して、チャンバーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介してチャンバーの内部を減圧することにより、キャビティー用吸引装置のみを利用してキャビティーを直接減圧した場合に起こり得る鋳型分割面などからの空気の流入が抑制ないし防止される。これにより、空気巻き込みによる欠陥を低減することが可能となるなど金属溶湯の充填性を向上させることができる。
更に、キャビティーと、チャンバーの内部であって、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する鋳型を用いているため、溶湯が中子に接触した際に中子に含まれる粘着剤が燃焼等して発生する中子ガスを連通経路を通じて逃がすことが可能となり、キャビティーの圧力上昇を低減させることが可能となる。これにより、たとえ、キャビティー用配管から中子ガス等を排出することができない場合であっても、連通経路を通じて中子ガス等を排出することができるため、ガス欠陥を低減することが可能となるなど金属溶湯の充填性を向上させることができる。
ここで、連通経路としては、例えば、キャビティー用配管と比較して極細とした、通過抵抗が大きいものを挙げることができる。これにより、チャンバーの内部の減圧直後に連動して減圧されることはない。その一方で、これにより、キャビティー用配管を通じてキャビティーから中子ガス等を直接排出することができず、キャビティーの圧力が上昇した場合に中子ガス等を連通経路を通じて排出することができる。
また、本実施形態の鋳造装置においては、型閉じセンサーと、型閉じセンサーや加圧装置等からの信号に応じて、加圧装置やチャンバー吸引装置、キャビティー吸引装置を制御する制御装置とを備えることが好適である。
このように、加圧装置による所定の加圧をするに際して、チャンバー用吸引装置による所定の吸引(減圧)をすると共に、キャビティー用吸引装置による所定の吸引(減圧)をすることにより、製造する際に使用するエネルギーロスの更なる低減化、鋳込み速度の適切な範囲での更なる安定化、空気巻き込みによる欠陥の低減化などが可能になる。これにより、金属溶湯の充填性を更に向上させることができる。
次に、本発明の一実施形態に係る鋳造方法、具体的には、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を使用した鋳造方法について詳細に説明する。なお、本発明の鋳造方法は、必ずしも本発明の鋳造装置を使用する必要はないが、本発明の鋳造装置を使用することが好ましい。
本実施形態の鋳造方法は、チャンバーの内部に配設され、分割鋳型で形成された鋳型のキャビティーに、チャンバーの外部であって、かつ、鋳型の下部に配設された保持炉に保持された金属溶湯を、上端部がキャビティーが形成された状態の鋳型の湯口に接続され、かつ、下端部が保持炉に保持された金属溶湯に浸漬されたストークを介して充填して成形品を製造する方法である。そして、この鋳造方法は、成形品を製造するに際して、キャビティーと、チャンバーの内部であって、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する鋳型を形成し、加圧装置による保持炉の内部の加圧によって、保持炉に保持された金属溶湯を少なくとも湯口まで供給し、チャンバー用吸引装置により、チャンバーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介してチャンバーの内部を少なくとも減圧し、キャビティー用吸引装置によるキャビティーに接続され、かつ、チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧によって、少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給する。
このように、キャビティーと、チャンバーの内部であって、かつ、鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する鋳型を形成し、加圧装置を利用して保持炉の内部を加圧することにより金属溶湯を少なくとも湯口まで供給し、更に、チャンバー用吸引装置を利用して、チャンバーの内部を減圧し、更に、キャビティー用吸引装置を利用してキャビティーを直接減圧することにより少なくとも湯口まで供給された金属溶湯をキャビティー全体に供給することによって、金属溶湯の充填性を向上させることが可能となる。
そして、本実施形態の鋳造方法においては、加圧装置による所定の加圧をするに際して、チャンバー用吸引装置による所定の吸引(減圧)をすると共に、キャビティー用吸引装置による所定の吸引(減圧)をすることが好適である。
ここで、加圧装置による所定の加圧とは、加圧装置による保持炉の内部の加圧を開始し、次いで、湯口に金属溶湯が到達するまで、加圧装置による保持炉の内部の加圧を継続し、更に、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるまで、加圧装置による保持炉の内部の加圧を継続又は保持し、更に、キャビティー全体の金属溶湯が凝固するまで、加圧装置による保持炉の内部の加圧を継続又は保持し、しかる後、加圧装置による保持炉の内部の加圧を終了することをいう。
また、チャンバー用吸引装置による所定の吸引(減圧)とは、加圧装置による保持炉の内部の加圧の開始から湯口に金属溶湯が到達するまでの間に、チャンバー用吸引装置によるチャンバーに接続されたチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を開始し、次いで、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるまで、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を継続又は保持し、更に、キャビティー全体の金属溶湯が凝固するまで、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を継続又は保持し、しかる後、加圧装置による保持炉の内部の加圧を終了する際に、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を終了することをいう。
更に、キャビティー用吸引装置による所定の吸引(減圧)とは、湯口に金属溶湯が到達したときに、キャビティー用吸引装置によるキャビティーに接続されたキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧を開始し、次いで、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるまで、キャビティー用吸引装置によるキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧を継続し、しかる後、キャビティー全体に金属溶湯が供給されてからチャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を終了するまでの間に、キャビティー用吸引装置によるキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧を終了することをいう。
このように、加圧装置による所定の加圧をするに際して、チャンバー用吸引装置による所定の吸引(減圧)をすると共に、キャビティー用吸引装置による所定の吸引(減圧)をすることにより、製造する際に使用するエネルギーロスの更なる低減化、鋳込み速度の適切な範囲での更なる安定化、空気巻き込みによる欠陥の低減化などが可能になる。これにより、金属溶湯の充填性を更に向上させることができる。
また、本実施形態の鋳造方法においては、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるまで、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を継続若しくは保持する際、又はキャビティー全体の金属溶湯が凝固するまで、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を継続若しくは保持する際に、チャンバー用吸引装置による連通経路及びチャンバー用配管を介したキャビティーの減圧を開始し、しかる後、加圧装置による保持炉の内部の加圧を終了する際に、チャンバー用吸引装置による連通経路及びチャンバー用配管を介したキャビティーの減圧を終了することが好適である。
このように、連通経路を有する鋳型を用いることにより、溶湯が中子に接触した際に中子に含まれる粘着剤等が燃焼して発生する中子ガスを連通経路及びチャンバー用配管を通じて逃がすことができる。これにより、ガス欠陥を低減することが可能となるなど金属溶湯の充填性を更に向上させることができる。
ここで、連通経路としては、例えば、キャビティー用配管と比較して極細とした、通過抵抗が大きいものを挙げることができる。これにより、チャンバーの内部の減圧直後に連動して減圧されることはない。その一方で、これにより、キャビティー用配管を通じてキャビティーから中子ガス等を直接排出することができず、キャビティーの圧力が上昇した場合に中子ガス等を連通経路を通じて排出することができる。
以下、本実施形態の鋳造方法について図面を参照しながら詳細に説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を使用した鋳造方法の一例を模式的に示す説明図である。図3に示すように、本例の鋳造方法は、工程(5)の鋳造工程の前工程として、従来公知の金型内部清掃工程(工程(1))、中子セット準備作業工程(工程(2))、中子エアブロー工程(工程(3))及び型閉じ工程(工程(4))を有し、鋳造工程の後工程として、従来公知の冷却工程(工程(6))及び型開き工程(工程(7))を有する。
ここで、L1は、保持炉の内部の圧力を示し、例えば、配管に配設される圧力センサーにより検知される値を適用することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、加圧装置による加圧力の値を適用することもできる。また、L2は、チャンバーの内部の圧力を示し、例えば、チャンバー用配管に配設される圧力センサーにより検知される値を適用することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、チャンバー用吸引装置による減圧力の値を適用することもできる。更に、L3は、キャビティーの圧力を示し、例えば、キャビティー用配管に配設される圧力センサーにより検知される値を適用することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば、キャビティー吸引装置による減圧力の値を適用することもできる。
まず、L1で示すように、型閉じされたときを示すT1において、加圧装置による保持炉の内部の加圧を開始する。次いで、湯口に金属溶湯が到達するときを示すT2まで、加圧装置による保持炉の内部の加圧を継続する。更に、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるときを示すT3まで、加圧装置による保持炉の内部の加圧を継続又は保持する。更に、キャビティー全体の金属溶湯が凝固するときを示すT4まで、加圧装置による保持炉の内部の加圧を継続又は保持し、しかる後、加圧装置による保持炉の内部の加圧を終了する。なお、T5は、加圧装置による加圧(及び後述するチャンバー用吸引装置による減圧)が解除されたときを示し、T6は、離型可能な強度まで成形品の温度が低下したときを示す。
また、L2で示すように、加圧装置による保持炉の内部の加圧の開始のときを示すT1から湯口に金属溶湯が到達するときを示すT2までの間に、チャンバー用吸引装置によるチャンバーに接続されたチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を開始する。次いで、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるときを示すT3まで、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を継続し、更に、キャビティー全体の金属溶湯が凝固するときを示すT4まで、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を継続する。しかる後、加圧装置による保持炉の内部の加圧を終了するときを示すT5の際に、チャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を終了する。
更に、L3で示すように、湯口に金属溶湯が到達したときを示すT2において、キャビティー用吸引装置によるキャビティーに接続されたキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧を開始する。次いで、キャビティー全体に金属溶湯が供給されるときを示すT3まで、キャビティー用吸引装置によるキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧を継続する。しかる後、キャビティー全体に金属溶湯が供給されたときを示すT3からチャンバー用吸引装置によるチャンバー用配管を介したチャンバーの内部の減圧を終了するまでの間に、キャビティー用吸引装置によるキャビティー用配管を介したキャビティーの減圧を終了する。
次に、鋳造により得られる成形品について図面を参照しながら詳細に説明する。図4は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置を使用した鋳造方法の他の一例により得られた成形品を模式的に示す斜視図である。
図4に示すように、成形品Fは、アルミニウム合金製のシリンダーヘッドであり、鋳型のキャビティーの形状に相当する形状を有している。なお、図中のFaは連通経路又はキャビティー用配管に由来するバリを示す。
次に、鋳造装置や鋳造方法において用いられる鋳型の他の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。図5は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置における中子を含む鋳型の他の一例を模式的に示す断面図である。なお、この断面は、鋳型の短手方向に沿うものである。また、この断面においては、湯口は現れていない。更に、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図5に示すように、この鋳型Aにおいて、連通経路Aaは、中鋳型A2と上鋳型A3とに形成されている。また、連通経路Aaの吸引口Acに対して、中子D及び中子Dに付加された巾木Eが配設されている。なお、A2’及びA3’は、極細である連通経路Aaを形成するために用いた鋳型A2,A3と同様の鋼材を示す。また、この鋳型Aによる成形品は、シリンダーヘッドである。
このように、連通経路の吸引口に対して、中子や巾木を配設することによって、溶湯が中子に接触した際に中子に含まれる粘着剤等が燃焼して発生する中子ガスを連通経路及びチャンバー用配管を通じて効率良く逃がすことができる。また、鋳込み速度の適切な範囲での更なる安定化、空気巻き込みによる欠陥の低減化などが可能になる。これにより、ガス欠陥をより低減することが可能となるなど金属溶湯の充填性を更に向上させることができる。また、中鋳型と上鋳型との間のみならず、中鋳型自体や上鋳型自体に連通経路を形成することもでき、これによっても、金属溶湯の充填性を向上させることができる。
また、図6は、本発明の一実施形態に係る鋳造装置における鋳型の更に他の一例を模式的に示す断面図である。なお、図6(A)における断面は、鋳型の長手方向に沿うものであり、図6(B)における断面は、図6(A)に示す鋳型のB−B線における鋳型の短手方向に沿うものである。また、これらの断面においても、湯口は現れていない。更に、上記の形態において説明したものと同等のものについては、それらと同一の符号を付して説明を省略する。
図6に示すように、この鋳型Aにおいて、連通経路Aaは、上鋳型A3に形成されている。
このように、連通経路の上鋳型に形成することによって、溶湯が中子に接触した際に中子に含まれる粘着剤等が燃焼して発生する中子ガスを連通経路及びチャンバー用配管を通じて効率良く逃がすことができる。また、鋳込み速度の適切な範囲での更なる安定化、空気巻き込みによる欠陥の低減化などが可能になる。これにより、ガス欠陥をより低減することが可能となるなど金属溶湯の充填性を更に向上させることができる。また、中鋳型と上鋳型との間のみならず、上鋳型自体に連通経路を形成することもでき、これによっても、金属溶湯の充填性を向上させることができる。
以上、本発明を若干の実施形態によって説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
例えば、上記実施形態においては、金属溶湯として、アルミニウムやアルミニウム合金を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、鉄や銅、真鍮についても適用することができる。
また、例えば、上記実施形態においては、分割鋳型と中子とを用いて形成するような複雑な形状を有する成形品として、シリンダヘッドを例示したが、これに限定されるものではなく、シリンダブロックについても適用することができる。
更に、例えば、上述した実施形態においては、分割鋳型として、下鋳型、下鋳型上で水平方向にスライドする中鋳型、及び上鋳型を有するものを図示して説明したが、これに限定されるものではなく、従来公知の分割鋳型を適用することができる。
また、例えば、上述した実施形態においては、金属溶湯を湯口まで供給する際に、保持炉の内部を加圧する加圧装置を利用する場合を例示したが、これに限定されるものではなく、これに代えて、電磁ポンプを利用して少なくとも湯口まで金属溶湯を供給してもよい。
1 鋳造装置
10 チャンバー
10a 空間
20 保持炉
30 ストーク
30a 上端部
30b 下端部
40 加圧装置
42 配管
50 チャンバー用吸引装置
50A ポンプ
51,57 圧力センサー
52 チャンバー用配管
52a 主配管
52b 副配管
53,54 絞りバルブ
55,56 開閉バルブ
59 タンク
60 キャビティー用吸引装置
62 キャビティー用配管
70 センサー
71 型閉じセンサー
80 制御装置
A 鋳型
A1 下鋳型
A2,A2’ 中鋳型
A3,A3’ 上鋳型
Aa 連通経路
Ab 湯口
Ac 吸引口
B キャビティー
C 金属溶湯
D 中子
E 巾木
F 成形品
Fa バリ

Claims (9)

  1. チャンバーの内部に配設され、分割鋳型で形成された鋳型のキャビティーに、前記鋳型の下部に配設された保持炉に保持された金属溶湯を、上端部が前記鋳型の湯口に接続され、かつ、下端部が前記保持炉に保持された前記金属溶湯に浸漬されたストークを介して充填して成形品を製造する鋳造装置であって、
    前記保持炉の内部の加圧により前記保持炉に保持された前記金属溶湯を少なくとも前記湯口まで供給する加圧装置と、
    前記チャンバーに接続され、かつ、前記チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介して少なくとも前記チャンバーの内部を減圧するチャンバー用吸引装置と、
    前記キャビティーに接続され、かつ、前記チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介して前記キャビティーを減圧し、少なくとも前記湯口まで供給された前記金属溶湯を前記キャビティー全体に供給するキャビティー用吸引装置と、を備え、
    前記鋳型が、前記キャビティーと、前記チャンバーの内部で、かつ、前記鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する
    ことを特徴とする鋳造装置。
  2. 前記連通経路の吸引口に対して、中子又は中子に付加された巾木が配設されていることを特徴とする請求項1に記載の鋳造装置。
  3. 前記分割鋳型が、下鋳型、前記下鋳型上で水平方向にスライドする中鋳型、及び上鋳型を有し、
    前記連通経路が、前記中鋳型、前記上鋳型、及び前記中鋳型と前記上鋳型との間のうちの少なくとも1つに形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の鋳造装置。
  4. 型閉じを検知するための型閉じセンサーと、
    前記型閉じセンサーからの信号に応じて、前記加圧装置を制御し、前記型閉じセンサー及び前記加圧装置のうちの少なくとも1つからの信号に応じて、前記チャンバー用吸引装置を制御し、前記型閉じセンサー及び前記加圧装置のうちの少なくとも1つからの信号に応じて、前記キャビティー用吸引装置を制御する一体又は別体の制御装置と、を備えた
    ことを特徴とする請求項1に記載の鋳造装置。
  5. チャンバーの内部に配設され、分割鋳型で形成された鋳型のキャビティーに、前記鋳型の下部に配設された保持炉に保持された金属溶湯を、上端部が前記鋳型の湯口に接続され、かつ、下端部が前記保持炉に保持された前記金属溶湯に浸漬されたストークを介して充填して成形品を製造するに際して、
    前記キャビティーと、前記チャンバーの内部で、かつ、前記鋳型の外部である空間とを連通する連通経路を有する前記鋳型を形成し、
    加圧装置による前記保持炉の内部の加圧によって、前記保持炉に保持された前記金属溶湯を少なくとも前記湯口まで供給し、
    チャンバー用吸引装置により、前記チャンバーに接続され、かつ、前記チャンバーの外部に引き出されたチャンバー用配管を介して前記チャンバーの内部を少なくとも減圧し、
    キャビティー用吸引装置による前記キャビティーに接続され、かつ、前記チャンバーの外部に引き出されたキャビティー用配管を介した前記キャビティーの減圧によって、少なくとも前記湯口まで供給された前記金属溶湯を前記キャビティー全体に供給する
    ことを特徴とする鋳造方法。
  6. 前記連通経路の吸引口に対して、中子又は中子に付加された巾木を配設することを特徴とする請求項5に記載の鋳造方法。
  7. 前記分割鋳型が、下鋳型、前記下鋳型上で水平方向にスライドする中鋳型、及び上鋳型を有し、
    前記連通経路を前記中鋳型、前記上鋳型、及び前記中鋳型と前記上鋳型との間のうちの少なくとも1つに形成する
    ことを特徴とする請求項5又は6に記載の鋳造方法。
  8. 前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を開始し、次いで、前記湯口に前記金属溶湯が到達するまで、前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を継続し、更に、前記キャビティー全体に前記金属溶湯が供給されるまで、前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を継続又は保持し、更に、前記キャビティー全体の前記金属溶湯が凝固するまで、前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を継続又は保持し、しかる後、前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を終了するに際して、
    前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧の開始から前記湯口に前記金属溶湯が到達するまでの間に、前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバーに接続された前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を開始し、次いで、前記キャビティー全体に前記金属溶湯が供給されるまで、前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を継続又は保持し、更に、前記キャビティー全体の前記金属溶湯が凝固するまで、前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を継続又は保持し、しかる後、前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を終了する際に、前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を終了すると共に、
    前記湯口に前記金属溶湯が到達したときに、前記キャビティー用吸引装置による前記キャビティーに接続された前記キャビティー用配管を介した前記キャビティーの減圧を開始し、次いで、前記キャビティー全体に前記金属溶湯が供給されるまで、前記キャビティー用吸引装置による前記キャビティー用配管を介した前記キャビティーの減圧を継続し、しかる後、前記キャビティー全体に前記金属溶湯が供給されてから前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を終了するまでの間に、前記キャビティー用吸引装置による前記キャビティー用配管を介した前記キャビティーの減圧を終了する
    ことを特徴とする請求項5に記載の鋳造方法。
  9. 前記キャビティー全体に前記金属溶湯が供給されるまで、前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を継続若しくは保持する際、又は前記キャビティー全体の前記金属溶湯が凝固するまで、前記チャンバー用吸引装置による前記チャンバー用配管を介した前記チャンバーの内部の減圧を継続若しくは保持する際に、前記チャンバー用吸引装置による前記連通経路及び前記チャンバー用配管を介した前記キャビティーの減圧を開始し、しかる後、前記加圧装置による前記保持炉の内部の加圧を終了する際に、前記チャンバー用吸引装置による前記連通経路及び前記チャンバー用配管を介した前記キャビティーの減圧を終了する
    ことを特徴とする請求項8に記載の鋳造方法。
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