JP2015205316A - アルミニウム合金製鋳物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来の鋳造機を用いた製造方法では、薄肉のアルミニウム合金製鋳物を製造しようとする場合、鋳物の良好な離型性が確保できなくなる可能性があった。
【解決手段】低圧鋳造法によりアルミニウム合金製鋳物SMを製造するに際し、型開き時に鋳物SMを付着状態に保持する上型9Uと、保持炉5に連通する湯口15Aを有する下型9Lと、湯口15Aからキャビティ9Cに至るゲートGを備えた金型9を用い、溶湯Mをキャビティ9Cに供給し、キャビティ9C内の温度を測定すると共に、温度測定値が第1閾値T1以下になった時点で溶湯Mの供給を停止させ、温度測定値が第1閾値T1よりも低い第2閾値T2以下になった時点で金型9の型開きを行う製造方法とし、薄肉のアルミニウム合金製鋳物SMを製造する場合でも、強力な押し出し機構を必要とせずに鋳物SMの良好な離型性が得られるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、低圧鋳造法に基づいてアルミニウム合金製の鋳物を製造するのに利用されるアルミニウム合金製鋳物の製造方法に関するものである。
この種の鋳物の製造方法としては、例えば、鋳造機の名称で特許文献1に記載されているものがある。特許文献1に記載の鋳造機は、低圧鋳造法に基づいて鋳造を行うものであって、下金型におけるキャビティよりも溶湯が遅く凝固する部位として、ランナー部に温度センサを設けている。そして、鋳造機では、湯口及びランナーからキャビティに溶湯を加圧供給し、ランナー部の測定温度に基づいて、溶湯の加圧を停止したり、金型を型開きしたりするようにしており、これにより、鋳造のサイクルタイムを必要最小限に短縮するものである。
また、一般的に、低圧鋳造法では、引け巣と呼ばれる空隙状の欠陥を防止するために、湯口から遠い部位から溶湯を凝固させ、湯口を最終凝固部位とするような金型温度の選択、あるいは湯口の形状や配置の選択を行っている。また、低圧鋳造法では、金型の下側に保持炉が配置してあり、下型側に鋳物の押し出し機構を配置することができないので、上型側に押し出し機構を配置し、型開き時に鋳物を上型に付着させた状態にして、その後、鋳物を離型させるようにしている。
特開2005−205435号公報
しかしながら、上記したような従来の鋳造機を用いた製造方法では、薄肉のアルミニウム合金製鋳物を製造しようとする場合、鋳物の良好な離型性が確保できなくなる可能性があった。
つまり、薄肉のアルミニウム合金製鋳物の製造では溶湯の温度が低下し易く、これに対して、従来の鋳造機では型開きの時期をランナー部の温度で決定しているので、型開きの時点で鋳物の温度が下がり過ぎ、鋳物が収縮して上型への食い付き力が増大しているおそれがある。その結果、鋳物の良好な離型性が損なわれ、これに対処するために強力な押し出し機構が必要になるなどの問題点があることから、これらの問題点を解決することが課題であった。
本発明は、上記従来の課題に着目して成されたもので、薄肉のアルミニウム合金製鋳物を製造する場合でも、強力な押し出し機構を必要とせずに鋳物の良好な離型性を得ることができ、鋳造のサイクルタイムの短縮化を図ることができるアルミニウム合金製鋳物の製造方法を提供することを目的としている
本発明に係わるアルミニウム合金製鋳物の製造方法は、低圧鋳造法に基づいてアルミニウム合金製の鋳物を製造するに際し、型開き時に鋳物を付着させた状態にして保持する上型と、保持炉に連通する湯口を有し且つ上型との間でキャビティを形成する下型と、湯口からキャビティに至るゲートを備えた金型を用いる。そして、製造方法は、保持炉の溶湯を湯口及びゲートを通してキャビティに供給し、キャビティ内の温度を測定すると共に、温度測定値が第1閾値以下になった時点で溶湯の供給を停止させ、温度測定値が第1閾値よりも低い第2閾値以下になった時点で金型の型開きを行う構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。
本発明に係わるアルミニウム合金製鋳物の製造方法は、キャビティ内の温度すなわち溶湯の温度を直接測定し、第1及び第2の閾値に基づいて、溶湯の供給を停止する時期や、金型の型開きの時期を決定するので、キャビティ内の溶湯が凝固し、鋳物が所定の温度を維持している状態で型開きを行うことが可能である。これにより、上記のアルミニウム合金製鋳物の製造方法によれば、薄肉のアルミニウム合金製鋳物を製造する場合でも、強力な押し出し機構を必要とせずに鋳物の良好な離型性を得ることができ、鋳造のサイクルタイムの短縮化を図ることができる。
本発明のアルミニウム合金製鋳物の製造方法が適用可能な低圧鋳造装置を説明する断面図である。 図1中の湯口及びゲートの部分を拡大して示す断面図(A)、要部の平面図(B)、及び鋳物の一部の断面図(C)である。 アルミニウム合金製鋳物の一例である自動車用フロントサスペンションメンバを示す平面図(A)及び湯口の配置を兼ねた底面図である。 時間経過に伴う各部の溶湯の温度変化を示すグラフである。
図1は、本発明に係わるアルミニウム合金製鋳物の製造方法が適用可能な低圧鋳造装置1を示す図である。
すなわち、低圧鋳造装置1は、ベース2と、ベース2上に立設した複数のガイドポスト3と、ガイドポスト3の中間に固定された固定盤4と、固定盤4とベース2の間に配置した保持炉5を備えている。また、鋳造装置1は、ガイドポスト3に沿って昇降駆動される可動盤6と、ガイドポスト3の上端部に架設したフレーム7を備え、フレーム7には、可動盤6を昇降駆動する油圧シリンダ8が設けてある。さらに、低圧鋳造装置1は、可動盤6と固定盤4との間に金型9を備えている。
保持炉5は、溶湯Mを収容すると共に、固定盤4の下側に組み合わされる蓋体5Aや、図示しない加熱手段(保温手段)などを備えており、蓋体5Aには、金型9のキャビティ9Cに溶湯Mを供給するためのストーク10が設けてある。ストーク10は、上端部を後記する湯口部材15に連通させると共に、下端部を溶湯Mに浸漬状態にしている。
金型9は、可動盤6に配置した上型9Uと、固定盤4に配置した下型9Lとを備え、双方の間に鋳造空間であるキャビティ9Cを形成する。上型9Uは、可動盤6に固定する型ホルダ11と、キャビティ9Cを形成する型本体(9U)との間に、押し出しプレート12を昇降可能に備えている。この押し出しプレート12は、型本体(9U)との間に複数のスプリング13が介装してあると共に、型本体(9U)を貫通する複数の押し出しピン14を備えている。
押し出しプレート12は、図1に示すように金型9を閉じた状態では、スプリング13により型本体(9U)との間に隙間を形成し、各押し出しピン14の先端が型本体(9U)の底面に対して没入している。また、押し出しプレート12は、油圧シリンダ8の収縮駆動による可動盤6の上昇過程において、その途中でストッパ(図示せず)により上昇が阻止され、その後、可動盤6がスプリング13を圧縮しつつ上昇限に達する間に、各押し出しピン14の先端が形本体(9U)の底面から突出して鋳物を離型させる。
また、金型9の下型9Lには、低圧鋳造において保持炉5の溶湯をキャビティ9Cに充填するための湯口部材15と、キャビティ9C内の温度を測定するための温度センサ20が設けてある。さらに、低圧鋳造装置1は、保持炉5の内部を気体により加圧するための加圧手段16と、金型9のキャビティ9C内を吸引排気して減圧させるための減圧手段17と、これらを制御する制御手段18を備えている。
湯口部材15は、図2に示すように、上型9Uと下型9Lとの間に設けてあって、湯口部15Aと、ゲート部15Bとを有し、断熱材料で形成してある。図示例の湯口部材15は、上型9U及び下型9Lの空洞部の内壁に、断熱材料を所定の厚さに塗布し、これを硬化させた塗型により形成されている。
湯口部15Aは、上端部を閉塞し且つ下端部を開放させた空間を形成しており、下端部が保持炉5のストーク10に連通している。図示例の湯口部15Aは、全体として、下方向に向けて開口面積が増大する概略円錐台形状を成している。
ゲート部15Bは、湯口部15Aの側部において、キャビティ9Cよりも低い位置に形成されると共に、キャビティ9Cに連通している。このゲート部15Bは、金型9の合わせ面(上型9Uと下型9Lとの合わせ面)に形成してあって、その合わせ面の部分に形成された金型側ゲート部9Gを通してキャビティ9Cに連通している。
そして、湯口部材15のゲート部15Bと金型側ゲート部9Gは、互いに連通し、キャビティ9C側に上がり勾配を有する傾斜ゲートGを形成している。さらに、湯口部15Aは、その側部となる金型9の合わせ面にゲート部15Bを設けたことで、ゲート部15Bよりも上側の部分が上型2Uに形成されており、この上部が、溶湯表面の酸化被膜を収容するトラップ空間15Cになっている。
温度センサ20は、下型9Lにおいて、傾斜ゲートGの近傍に設けてある。図示例では、下型9Lのキャビティ9Cの内壁に凹部21を形成し、この凹部21内に温度検知部が配置されるように設けてある。
加圧手段16は、不活性ガス等の加圧用ガスを貯留したタンクや、タンクから保持炉5に連通する供給管16Aを備え、供給管16Aの途中には流路を開閉する調整弁16Bが設けてある。この加圧手段16は、保持炉5内に気体を加圧供給し、溶湯Mの表面に圧力を付与し、これにより、ストーク10及び湯口部材15を通して溶湯Mをキャビティ9Cに供給する。
減圧手段17は、入口側に吸気管17Aを有し且つ出口側に排気管17Bを有する真空タンク17Cと、真空タング17Cの排気管17Bに接続した真空ポンプ17Dと、吸気管17Aの途中を開閉する開閉弁17E及びフィルタ17Fを備えている。この減圧手段17は、予め真空ポンプ17Dにより真空タンク17C内を吸引排気しておき、キャビティ9Cに溶湯Mを供給する際に、開閉弁17Eを開放することで、キャビティ9C内を急激に吸引排気し、加圧手段16の動作と相俟って溶湯Mのキャビティ9Cへの充填を促進させる。
制御手段18は、加圧手段16,減圧手段17のほか、可動盤6を昇降駆動する油圧シリンダ8などの動作を制御し、この際、温度センサ20の測定値に基づいてこれらの動作を制御することができる。
図3は、アルミニウム合金製鋳物の一例として、自動車用フロントサスペンションメンバSMを示す図である。サスペンションメンバSMは、自動車のボディとアクスルを連結すると同時にエンジンを積載するための骨格部材であって、図示例のものは、フロントクロスメンバ部M1と、ボディ側となるリヤクロスメンバ部M2と、左右のサイドメンバ部M3,M3を一体的に有している。
また、サスペンションメンバSMは、両クロスメンバ部M1,M2、及びサイドメンバ部M3における両クロスメンバ部M1,M2の間の部分が、中空状(閉断面構造)になっている。この中空部の形成には、キャビティ9C内に配置される中子を使用する。このようなサスペンションメンバSMは、強度向上や軽量化を実現したものであって、鋳物としては全体的に均等な肉厚を有する薄肉鋳物であり、且つ比較的大型のものである。
さらに、サスペンションメンバSMは、とくに図3(B)に示す底面に、強度を確保するための多数のリブRを有しており、この底面が上向きになる姿勢で鋳造される。つまり、低圧鋳造装置1では、リブRを有する底面を上向きとすることで、下型9LとサスペンションメンバSMとの接触面積よりも、上型9UとサスペンションメンバSMとの接触面積の方が大きくなるようにする。これにより、低圧鋳造装置1は、金型9を開いた際に、サスペンションメンバSMが上昇する上型9Uに付着して保持されるようにし、その後のサスペンションメンバSMの取り出し作業を容易にする。
さらに、低圧鋳造装置1は、鋳物が上記のサスペンションメンバSMである場合には、図3(B)に示すように、複数箇所の湯口部材15を配置する。なお、図3(A)及び(B)は、サスペンションメンバSMの平面図及び底面図であるが、金型9のキャビティ9Cも同様の形状であるから、図3(B)に湯口部材15の配置を例示している。
上記の低圧鋳造装置1を構成する金型9は、型開き時に鋳物(SM)を付着させた状態にして保持する上型9Uと、保持炉5に連通する湯口(湯口部15A)を有し且つ上型9Uとの間でキャビティ9Cを形成する下型9Lと、湯口(湯口部15A)からキャビティ9Cに至るゲート(傾斜ゲートG)を備えたものになっている。
本発明に係わるアルミニウム合金製鋳物の製造方法は、上記の金型9を用い、加圧手段16により、保持炉5の溶湯Mを湯口部15A及び傾斜ゲートGを通してキャビティ9Cに供給すると共に、減圧手段17によりキャビティ9C内を吸引排気して溶湯Mの供給を促進させ、温度センサ20でキャビティ9C内の温度を測定する。
このとき、温度センサ20は、キャビティ9C内の傾斜ゲートGの近傍に設けた凹部21に設けてあるので、キャビティ9C内の温度、すなわちキャビティ9Cに供給された溶湯Mの温度を測定する。より正確には、温度センサ20は、凹部21に流入した溶湯Mの温度を測定し、また、溶湯Mが凝固しても測定を継続する。
そして、アルミニウム合金製鋳物の製造方法は、温度センサ20による温度測定値が第1閾値T1以下になった時点で溶湯Mの供給を停止させる。そして、温度センサ20による温度測定値が第1閾値T1よりも低い第2閾T2値以下になった時点で金型9の型開きを行う。
上記の第1及び第2の閾値T1,T2は、予め試験的に求めることが可能であり、プログラムとして制御手段18に記憶させておくことができる。低圧鋳造装置1では、図4に示すように、各部における溶湯Mの温度(アルミ温度)が異なる。すなわち、低圧鋳造装置1では、湯口部材15の湯口部15A内の溶湯温度に対して、湯口部材15のゲート部15Bの溶湯温度が若干低くなり、これに対して、キャビティ9Cにおける傾斜ゲートGの近傍部分では、溶湯温度が大幅に低くなる。温度センサ20は、キャビティ9Cのゲート近傍部分の温度を測定している。
そこで、アルミニウム合金製鋳物の製造方法では、図4中に示すように、キャビティ9C内の溶湯Mが凝固状態で且つ湯口(15A)内の溶湯Mが未凝固状態を示す温度を第1閾値T1とし、第1閾値T2よりも低い温度を第2閾値T2としている。この第2閾値T2は、溶湯Mが凝固して鋳物(SM)となった状態において所定値以上の温度であり、若しくは、離型性に影響が生じる過剰冷却に至らない温度である。
アルミニウム合金製鋳物の製造方法では、温度センサ20による温度測定値が第1閾値T1以下になった時点で、加圧手段16による保持炉5への気体の供給を停止させ、キャビティ9Cへの溶湯Mの加圧供給を停止させる。このとき、湯口部15A内の溶湯Mは、未凝固状態であるから、加圧力の解放とともに保持炉5内に落下する。また、キャビティ9C内の溶湯Mは、凝固して鋳物(SM)となる。
その後、アルミニウム合金製鋳物の製造方法では、温度センサ20による温度測定値が第2閾値T2以下になった時点で、油圧シリンダ8を収縮駆動させ、可動盤6とともに上型9Uを上昇させて、金型9の型開きを行う。このとき、鋳物(SM)は、完全に冷却されることなく、所定温度を維持しており、上型9Uに付着した状態で保持される。
次に、アルミニウム合金製鋳物の製造方法では、図4に示すように、鋳物(SM)の押し出しを行う。この押し出しは、先に低圧鋳造装置1の構成を説明したように、可動盤6の上昇過程において、押し出しプレート12の上昇を規制することにより、上型9Uから押し出しピン14を突出させて行われる。つまり、押し出しは、金型9の型開きに連続して機械的に行われる。このとき、鋳物(SM)は、所定温度を維持しているので、押し出しピン14の押圧力により上型9Uから容易に離型させることができる。
この実施形態のように、アルミニウム合金製の鋳物が、全体的に均等な肉厚を有する薄肉鋳物であって、具体的には、中空部を有するサスペンションメンバSMのように薄肉で且つ比較的大型である場合、キャビティ9Cに充填した溶湯Mの温度が低下し易い。そして、鋳物(SM)の温度が下がり過ぎると、収縮して上型9Uに強く食い付くおそれがある。これに対して、アルミニウム合金製鋳物の製造方法では、鋳物(SM)が所定の温度を維持しているとき、すなわち鋳物(SM)の温度が下がり過ぎる前に、金型9の型開きを行うので、その後の鋳物(SM)の離型を容易に行うことができる。
このように、アルミニウム合金製鋳物の製造方法は、キャビティ9C内の温度すなわち溶湯Mの温度を直接測定し、第1及び第2の閾値T1,T2に基づいて、溶湯Mの供給を停止する時期や、金型9の型開きの時期を決定するので、薄肉のアルミニウム合金製の鋳物(SM)を製造する場合でも、強力な押し出し機構を必要とせずに鋳物(SM)の良好な離型性を得ることができ、鋳造のサイクルタイムの短縮化や生産効率の向上などを図ることができる。また、鋳物(SM)の離型性が良いので、押し出し機構の小型化や簡略化を図ることも可能である。
さらに、アルミニウム合金製鋳物の製造方法は、キャビティ9C内の傾斜ゲートGの近傍位置、すなわちキャビティ9C内に充填した溶湯Mが最後に凝固する位置で温度の測定を行うので、キャビティ9Cに充填した溶湯Mが全て凝固したことを容易に判断することができ、第1及び第2の閾値の決定に貢献し得る。
さらに、アルミニウム合金製鋳物の製造方法は、第1閾値が、キャビティ9C内の溶湯Mが凝固状態で且つ湯口部15A内の溶湯Mが未凝固状態を示す温度であるから、この第1閾値以下になった時点でキャビティ9Cへの溶湯Mの供給を停止することで、未凝固状態の溶湯Mを保持炉5に戻して、材料の歩留まりを向上させることができる。また、湯口部15A内の溶湯Mが未凝固状態であるから、下型9Lへの湯口かじりや湯口残りといった不良がなくなる。
さらに、アルミニウム合金製鋳物の製造方法により製造した鋳物(SM)は、図2(C)に示すように、凹部21及び温度センサ20の跡である小さな突起22が形成され、この突起22が、溶湯Mの温度を直接測定して製造した鋳物(SM)の印にもなる。また、この実施形態のように、薄肉で且つ比較的大型の鋳物(サスペンションメンバSM)を製造する場合であっても、凹部21及び温度センサ20の跡が突起22になるので、肉厚や強度を損なうことがない。
さらに、上記実施形態で説明した低圧鋳造装置1は、断熱材料から成る湯口部材15を備えているので、キャビティ9Cの内壁の断熱性に対して、湯口部15Aの断熱性が圧倒的に高くなる。つまり、湯口部15Aの保温性も高くなる。これにより、低圧鋳造装置1は、キャビティ9C内の溶湯Mが凝固し且つ湯口部15A内の溶湯Mが未凝固である状態を形成し易くなるので、本発明のアルミニウム合金製鋳物の製造方法が適用可能な装置として極めて有用なものとなる。
また、湯口部材15は、下方向に向けて開口面積が増大する形状の湯口部15Aとしたので、未凝固の溶湯Mが保持炉5に落下し易くなり、湯切れが良好である。さらに、湯口部材15は、保持炉5内の溶湯Mをキャビティ9Cに充填する際に、溶湯Mの表面に生じた酸化被膜をトラップ空間15Cに入り込ませて、酸化被膜がキャビティ9Cに流入するのを防止し、酸化被膜の混入による鋳造不良の発生を未然に阻止することができる。
なお、本発明のアルミニウム合金製鋳物の製造方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成の細部を適宜変更することができる。さらに、上記の製造方法は、アルミニウム合金以外の鋳物の製造にも適用可能ではあるが、溶湯の温度を直接測定して溶湯の供給停止や金型を型開きの時期を決定することから、キャビティへの充填後に溶湯の温度が低下し易いものとして、薄肉のアルミニウム合金製鋳物の製造に非常に好適である。
1 低圧鋳造装置
9 金型
9C キャビティ
9L 下型
9U 上型
15A 湯口部(湯口)
20 温度センサ
G 傾斜ゲート(ゲート)
SM サスペンションメンバ(アルミニウム合金製の鋳物)

Claims (3)

  1. 低圧鋳造法に基づいてアルミニウム合金製の鋳物を製造するに際し、
    型開き時に鋳物を付着させた状態にして保持する上型と、保持炉に連通する湯口を有し且つ上型との間でキャビティを形成する下型と、湯口からキャビティに至るゲートを備えた金型を用い、
    保持炉の溶湯を湯口及びゲートを通してキャビティに供給し、
    キャビティ内の温度を測定すると共に、温度測定値が第1閾値以下になった時点で溶湯の供給を停止させ、温度測定値が第1閾値よりも低い第2閾値以下になった時点で金型の型開きを行うことを特徴とするアルミニウム合金製鋳物の製造方法。
  2. キャビティ内のゲート近傍の温度を測定することを特徴とする請求項1に記載のアルミニウム合金製鋳物の製造方法。
  3. 第1閾値が、キャビティ内の溶湯が凝固状態で且つ湯口内の溶湯が未凝固状態を示す温度であることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルミニウム合金製鋳物の製造方法。
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