JP2005205435A - 鋳造機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】温度センサ26を下金型12におけるキャビティ14,18より溶湯5が遅く凝固する部位(ランナー21)に設ける。この温度センサ26の温度検出部28aを溶湯5に直接接触させた。
【選択図】 図3
Description
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
本発明において、キャビティとは、金型内の溶湯が流入する部位のうち、湯口やランナーなどを除く部位であって、鋳造物の製品部分を成型するための凹部のことを意味する。
請求項3に記載した発明に係る鋳造機は、請求項1または請求項2に記載した発明に係る金型および温度センサを用いた低圧鋳造用鋳造機であって、温度センサの温度検出部を、下金型内の湯口とランナーとの境界部分近傍に臨ませたものである。
このため、温度検出部が型開き時や鋳造物の離型時に破損することを防ぎながら、溶湯の温度を精度良く検出することができる。
請求項3記載の発明によれば、下金型内の湯口とランナーとの境界部分の近傍の部位は、鋳造物の製品部分の外に位置し、その部位を満たす溶湯は、前記製品部分の溶湯と温度が略等しくなり、製品部分より僅かに遅れるだけで略同様に凝固する。このため、温度センサによって鋳造物の製品部分の外側で製品部分と同等の温度を検出することができるから、溶湯の温度を温度センサによって直接検出しているにもかかわらず、前記製品部分に温度センサの痕跡が形成されることを防ぐことができ、品質の高い鋳造物を鋳造することができる。
したがって、溶湯の加圧時間と凝固時間とが不必要に長くなったり不足することがなく、前記加圧時間と凝固時間とを良品が得られる必要最小限の範囲で短縮することができるから、より一層生産性が高くなる低圧鋳造用鋳造機を提供することができる。
したがって、溶湯の凝固時間が不必要に長くなったり不足することがなく、凝固時間を鋳造物が良品となる必要最小限の範囲で短縮することができるから、より一層生産性が高くなる重力鋳造用鋳造機を提供することができる。
以下、本発明に係る鋳造機の一実施の形態を図1ないし図6によって詳細に説明する。
図1は低圧鋳造用鋳造機の構成を示す正面図、図2は金型部分を拡大して示す図で、同図(a)は縦断面図、同図(b)は(a)図におけるB−B線断面図である。図3は要部を拡大して示す断面図、図4は温度センサの断面図、図5は鋳造機の動作を説明するためのフローチャート、図6はランナー内の溶湯の温度変化を示すグラフである。
前記金型3は、図2に示すように、上金型11と下金型12とから構成され、駆動装置13(図1参照)に支持されている。前記上金型11は、下方に向けて開口するキャビティ14が形成され、駆動装置13のプラテン15に取付けられている。前記キャビティ14とは、鋳造物の製品部分を成型するための凹部のことをいう。前記プラテン15は、駆動装置13の基台16にタイバー17を介して昇降可能に支持され、昇降用モータ15aによって上下方向に移動させられる。この昇降用モータ15aは、後述する制御装置4によって回転が制御される。
前記下金型12の内側底部には、図2および図3に示すように、キャビティ18の一側部から他側部にわたって延びるようにランナー21が形成されるとともに、このランナー21の底から下方に延びるように湯口22が形成されている。
また、前記保護金具28は、前記取付孔30に支持部26bとともに嵌合された状態で先端側の温度検出部28aがランナー21内に突出する長さに形成されている。前記温度検出部28aは、図4に示すように、先端に向かうにしたがって漸次外径が小さくなるように形成されている。すなわち、この温度検出部28aは、抜き勾配を構成するテーパが形成されている。
前記2本の導線29a,29bは、前記保護部26a内から支持部26bを貫通して下金型12の外側に導出され、前記支持部26bに溶接されたステンレス製の導管31の内部を通されて後述する制御装置4に接続されている。この実施の形態による温度センサ26は、前記貫通孔27内であって前記熱電対29の導線29a,29bの周囲に耐熱性絶縁粉末32が充填されている。この耐熱性絶縁粉末32としては、例えばディーゼルエンジン用グロープラグに用いられているマグネシア(MgO)を挙げることができる。
前記溶湯温度調節計33は、るつぼ8内の溶湯5が設定温度に加熱されるように前記炉体2のヒータの温度を制御する。前記溶湯5の設定温度は、後述する鋳造条件設定器36によって使用する金型毎に設定される。
前記金型温度調節計34は、金型3が設定温度に加熱されるように金型3内のヒータと冷却装置の温度を制御する。前記金型3の設定温度は、後述する鋳造条件設定器36によって使用するもの毎に設定される。
前記加圧圧力制御器35は、加圧装置10の作動・停止を切換えるとともに、るつぼ8から金型3内に供給される溶湯5の速度が設定速度になるように加圧装置10のガス供給量を制御する。前記設定速度は、後述する鋳造条件設定器36によって使用する金型毎に設定される。
前記ステップS7で溶湯5の供給が停止されることにより、金型内の溶湯5のうち凝固していない溶湯5は、湯口22から湯口カップ24とストーク9とを通ってるつぼ8内に落下して戻され、金型3内に残存している溶湯5(流動性が失われた溶湯)は、熱の供給が絶たれたために、硬さが増大するようさらに凝固が進行する(ステップS9)。また、溶湯5の加圧が終了されたときには、図示していないタイマーが計時を開始する。
その後、鋳造条件設定器36は、前記タイマーによって計時された時間が前記凝固時間に達した後、駆動装置13に型開き信号を送出する。駆動装置13に型開き信号が送られることにより、駆動装置13によって上金型11が上昇し、金型が開く(ステップ10→ステップ11)。
温度センサは、図7に示すように湯口に設けることができる。図7は低圧鋳造用鋳造機の湯口に温度センサを設ける他の例を示す断面図で、同図において、前記図1〜図6によって説明したものと同一もしくは同等の部材については、同一符号を付し詳細な説明を適宜省略する。
図7に示す温度センサ26は、温度検出部28aが湯口22内に側方から突出する状態で下金型12に取付けられている。また、前記下金型12には、湯口22内を上昇する溶湯5によって前記温度検出部28aが押圧されることを防ぐために、湯口22に凸部41が形成されている。
このように湯口22内に温度センサ26の温度検出部28aを臨ませることにより、湯口22内の溶湯5の温度を温度センサ26によって直接検出することができる。このため、この構成を採ることによっても、前記第1の実施の形態を採る場合と同等の効果を奏する。
重力鋳造用鋳造機に本発明を適用する場合の実施の形態を図8ないし図11によって詳細に説明する。
図8および図9は重力鋳造用鋳造機に使用する金型を示す図で、これらの図において(a)図は横断面平面図、(b)図は縦断面図である。図10は鋳造時の動作を説明するためのフローチャート、図11は溶湯の温度変化を示すグラフである。
図8および図9に示す重力鋳造用金型51は、型開き方向が水平方向となるように形成された第1の金型52と第2の金型53とから構成され、キャビティ54,55の上に押し湯部56,57が形成されている。前記第1の金型52と第2の金型53は、図示していない金型用駆動装置に装着され、この駆動装置によって型締め・型開きが実施される。
この温度センサ26は、前記第1の実施の形態で用いたものと同等のもので、温度検出部28aが押し湯部56の内壁面から型開き方向に沿って突出する状態で第1の金型52に取付けられている。すなわち、この場合もキャビティ54,55より溶湯5が遅れて凝固する部位に温度センサ26が設けられている。なお、図9に示す金型51のように湯口58と湯道59とを用いてキャビティ54,55の底部に溶湯5を供給する場合は、同図中に二点鎖線で示すように、湯口58に温度センサ26を設けることができる。
上述したように溶湯5を金型51内に供給した後、制御装置は、ステップP4に示すように、温度センサ26によって押し湯部分56,57内または湯口58内の溶湯5の温度を検出する。温度センサ26が検出する温度は、図11に示すように、鋳造開始(注湯開始)後に急上昇し、一定期間だけ変化しない状態を経た後に徐々に低下する。その後、制御装置4は、ステップP5において、温度センサ26によって検出された温度の最高値が所定の温度範囲内にある場合に温度センサ26が正常であると判定し、前記最高値が前記温度範囲の外にあるときには温度センサ26が正常に機能していない(異常である)と判定する。
前記ステップP5の判定結果がYESの場合、すなわち温度センサ26が正常に機能している場合は、制御装置は、ステップP8で温度センサ26によって溶湯5の温度を検出する。この温度センサ26によって検出される温度は、図11に示すように変化し、最高温度に達した後に溶湯5の凝固が進むにしたがって低下する。この温度センサ26によって検出された温度が予め定めた温度T3まで低下したとき(ステップP9)に、制御装置は金型用駆動装置によって型開きを行う(ステップP7)。前記温度T3は、金型を開いても鋳造物の形状・寸法が変わることがない硬さまで溶湯5が凝固する最大の温度に設定されている。このように金型が開くことによって1回分の鋳造作業が終了する。鋳造後に鋳造物を第1の金型から離型させるときには、温度センサ26の温度検出部28aに抜き勾配を構成するテーパが形成されているために、この温度検出部28aを鋳造物から容易に外すことができる。
このため、溶湯5の凝固時間が不必要に長くなったり不足することがなく、凝固時間を鋳造物が良品となる必要最小限の範囲で短縮することができるから、より一層生産性を向上させることができる。
Claims (5)
- 温度センサによって検出された温度に基づいて溶湯の供給停止時期または型開き時期が制御される鋳造機において、前記温度センサを金型におけるキャビティより溶湯が遅く凝固する部位に温度センサの温度検出部が溶湯に直接接触するように設けたことを特徴とする鋳造機。
- 請求項1記載の鋳造機において、温度センサの温度検出部に抜き勾配を構成するテーパを形成し、この温度検出部を金型の内壁面から型開き方向に沿って金型内に突出させてなる鋳造機。
- 請求項1または請求項2記載の金型および温度センサを用いた低圧鋳造用鋳造機であって、温度センサの温度検出部を、下金型内の湯口とランナーとの境界部分近傍に臨ませてなる鋳造機。
- 温度センサによって検出された温度に基づいて溶湯の加圧終了時期と金型の型開き時期とが制御される低圧鋳造用鋳造機であって、前記温度センサを、下金型内における湯口とランナーとの境界部分の近傍の溶湯の温度を直接検出する構成とし、この温度センサによって検出した溶湯の温度が予め定めた加圧終了温度に達したときに溶湯の加圧を終了させ、前記温度センサによって検出した溶湯の温度が予め定めた型開き温度に達したときに金型を型開きさせる制御装置を備えたことを特徴とする鋳造機。
- 温度センサによって検出された温度に基づいて金型の型開き時期が制御される重力鋳造用鋳造機であって、前記温度センサを、金型における押し湯部分または湯口の溶湯の温度を直接検出する構成とし、この温度センサによって検出した溶湯の温度が予め定めた型開き温度に達したときに金型を型開きさせる制御装置を備えたことを特徴とする鋳造機。
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