JP2922830B2 - 低圧鋳造装置及び低圧鋳造方法 - Google Patents

低圧鋳造装置及び低圧鋳造方法

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JP2922830B2 JP27625495A JP27625495A JP2922830B2 JP 2922830 B2 JP2922830 B2 JP 2922830B2 JP 27625495 A JP27625495 A JP 27625495A JP 27625495 A JP27625495 A JP 27625495A JP 2922830 B2 JP2922830 B2 JP 2922830B2
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  • Casting Support Devices, Ladles, And Melt Control Thereby (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶湯保持炉内の所定温
度の溶湯をストークを介して金型に注入した後、この金
型内で溶湯を凝固させる低圧鋳造装置及びその低圧鋳造
方法に関し、特に、鋳造溶湯の湯漏れ等のトラブルの発
生を防止できると共に、生産性が優れた低圧鋳造装置及
びその低圧鋳造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、溶湯と鋳物形状のキャビティ
との間の圧力差を利用して、キャビティ内に溶湯を注入
して鋳造する方法に、低圧鋳造法、差圧鋳造法及び減圧
鋳造法等がある。これらのうち、例えば低圧鋳造法は、
容器内の溶解金属の湯面に不活性ガス、工場エアー及び
CO2等により比較的低い正の圧力を印加し、この圧力
で容器内の溶融金属をストークを介して上方に押し上
げ、容器上方に配置された鋳型に注入することにより、
鋳物を製造する方法である。この低圧鋳造法は、車輌の
部材等に使用されるアルミニウム合金等の鋳物製品を製
造することに広く利用されている。
【0003】図2は、従来の低圧鋳造法で使用される低
圧鋳造機を示す断面図である。溶湯保持炉13は密閉さ
れており、その側壁上部には、不活性ガス、工場エアー
及びCO2等の供給源に接続された通気管19が挿入さ
れている。この通気管19の溶湯(保持)炉の外部の部
分には、圧力調整バルブ20が介装されている。溶湯保
持炉13の内部には、その内壁に沿って電気ヒータ21
が配設されており、溶湯保持炉13の中央部には溶湯7
を貯留した溶湯保持坩堝16が配置されるようになって
いる。溶湯保持坩堝16の中央部には溶湯保持炉13の
蓋に取付けられたストーク22が配置されており、この
ストーク22はその下部が溶湯保持坩堝16内の溶湯7
内に浸漬されている。
【0004】溶湯保持炉13の上方に配置されたダイプ
レート(固定プラテン)11上には、下金型12b及び
上金型12aが配置されており、固定プラテン11上に
は支持フレーム14aが立設されている。この支持フレ
ーム14aの上端には、水平方向に延びる上部フレーム
14bが固定されている。また、支持フレーム14aに
は、可動プラテン17aが昇降自在に配置されている。
上部フレーム14bには、締付けシリンダ15がそのロ
ッドを下方に向けて固定されている。この締付けシリン
ダ15のロッドは可動プラテン17aに固定されてお
り、シリンダ15の作動により可動プラテン17aが昇
降駆動される。可動プラテン17aと上金型12aとの
間には連結棒17bが固定されている。従って、シリン
ダ15の作動により、可動プラテン17aが昇降する
と、上金型12aが昇降移動する。なお、上金型12a
には、その上部から押出板18が挿入されている。下金
型12bと上金型12aとの合わせ面には、凹部が形成
されており、この下金型12bと上金型12aとを重ね
合わせたときに、前記凹部により鋳物形状のキャビティ
12cが形成される。このキャビティ12c内で凝固し
た鋳物は押出板18を上金型12a間に押し込むことに
より上金型12aから離脱される。下金型12bの中央
部には溶湯注入口12dが設けられており、この下金型
12bの下面には溶湯注入口12dに整合する位置に中
間ストーク23が固定されている。この中間ストーク2
3は固定プラテン11に設けられた孔11bを挿通して
固定プラテン11の下方に露出している。そして、この
中間ストーク23と溶湯保持炉13に固定されたストー
ク22とが位置合わせをして連結されている。
【0005】このように構成された溶湯保持炉において
は、溶湯7を貯留した溶湯保持坩堝16を溶湯保持炉1
3内に挿入し、調整バルブ20で圧力を調整された不活
性ガスを通気管19を介して溶湯保持炉13内に導入す
る。このガス圧力により、溶湯保持坩堝16内の溶湯7
の湯面が加圧されて、溶湯が押し上げられ、ストーク2
2及び中間ストーク23を介して、下金型12b及び上
金型12aにより形成されたキャビティ12c内に注入
される。この場合に、溶湯7が中間ストーク23内で凝
固することを防止するために、中間ストーク23は加熱
ヒータ24で加熱されている。キャビティ12c内で溶
湯7が冷却されて凝固した後、シリンダ15を作動させ
て可動プラテン17a及び上金型12aを上昇させ、更
に押出板18を押して上金型12aから鋳物を取り出
す。このようにして、キャビティに倣った鋳物を製造す
ることができる。
【0006】このように従来技術では、溶湯保持炉内に
配置されたストーク22と下金型12bとを連通する中
間ストーク23が使用されている。このため、中間スト
ーク23内で溶湯7が冷却されて凝固することを防止す
るために、この中間ストークを加熱する必要があり、上
述のように加熱ヒータ24を中間ストーク23の周囲に
取り付けて加熱する方法(実開平3−120958号公
報)及びガスバーナーで中間ストーク23を加熱する方
法等が提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来技術には、以下に示す問題点がある。即ち、上述し
たようなガスバーナーで中間ストークを加熱する方法で
は、温度管理の精度が低く、中間ストーク内部の温度分
布を均一にすることが困難であるため、溶湯と製品との
湯切れが悪く、鋳物の中心部に軸巣といわれる巣等の欠
陥が発生して、製品の歩留りが低くなるという問題点が
ある。また、ガスバーナーで中間ストークを加熱する場
合は、固定プラテンの温度が上昇するため、金型の冷却
効率が低下し、軸巣が発生しやすくなると共に、鋳造機
の周囲が高温となるため、作業環境が劣悪になるという
欠点がある。
【0008】また、実開平3−120958号公報に記
載された電気ヒータを内蔵したストークでは、中間スト
ークと溶湯保持炉内に配置されたストークとの接続箇所
及び中間ストークと金型との接続箇所の2つの接続箇所
があるため、中間ストークのセット時に、中間ストーク
とストークとの軸及び中間ストークと金型との軸がずれ
やすく、このずれにより中間ストークが変形し、湯漏れ
が生じて、鋳造作業が続行できなくなるという難点があ
る。また、この湯漏れはヒータ自体及び配線を損傷させ
るため、これらを交換する必要が生じ、この交換は極め
て煩雑であるという問題点がある。更に、ヒータが故障
した場合は、ヒータのみを交換することはできず、スト
ーク自体を交換する必要があるという問題点がある。
【0009】更に、湯漏れが生じない場合であっても、
接続部にアルミニウム等の溶湯が付着しやすく、付着物
が鋳造する度に増大し、やがてストーク内が詰まって、
鋳造作業の停止を余儀なくされていた。
【0010】上述の理由により、従来の中間ストークを
使用した低圧鋳造装置において、生産性を向上させるこ
とは極めて困難である。
【0011】本発明はかかる問題点に鑑みてなされたも
のであって、鋳造溶湯の湯漏れを防止できると共に、生
産性を大幅に向上させることができる低圧鋳造装置及び
低圧鋳造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る低圧鋳造装
置は、鋳物形状のキャビティを有する金型と、この金型
の下方に配置された溶湯保持炉と、下端部が前記溶湯保
持炉内に挿入され上端部が前記金型の溶湯注入口に連結
されるストークと、前記溶湯保持炉の上に配置され前記
ストークを外嵌する筒状をなす支持体と、前記支持体と
前記ストークの上端部との間に設けられ前記ストークを
前記金型の溶湯注入口に弾性的に押圧する弾性体と、
記支持体の内面に設けられ金型と溶湯保持炉との間の前
記ストークの少なくとも一部を加熱するヒータと、を有
することを特徴とする。
【0013】本発明に係る他の低圧鋳造装置は、鋳物形
状のキャビティを有する金型と、この金型の下方に配置
された溶湯保持炉と、下端部が前記溶湯保持炉内に挿入
され上端部が前記金型の溶湯注入口に連結されるストー
クと、このストークの上端部に固定され前記ストークを
外嵌する筒状をなす支持体と、前記支持体と前記溶湯保
持炉との間に設けられ前記支持体を介して前記ストーク
を前記金型の溶湯注入口に弾性的に押圧する弾性体と、
前記支持体の内面に設けられ金型と溶湯保持炉との間の
前記ストークの少なくとも一部を加熱するヒータと、を
有することを特徴とする。
【0014】
【0015】前記弾性体は前記ストークを外嵌する筒状
をなすものであってもよい。
【0016】前記ストークはセラミックからなることが
好ましい。
【0017】本発明に係る低圧鋳造方法は、請求項1乃
のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置を使用し、前
記ストークと前記弾性体との間の雰囲気温度に応じて、
前記ヒータの出力を制御することを特徴とする。
【0018】本発明に係る他の低圧鋳造方法は、請求項
1乃至のいずれか1項に記載の低圧鋳造装置を使用
し、前記ストーク上部の温度に応じて、前記ヒータの出
力を制御することを特徴とする。
【0019】
【作用】本発明の請求項1に係る低圧鋳造装置において
は、溶接保持炉の上に支持体が配置され、この支持体上
に設けられた弾性体によりストークを支持し、この状態
で例えば、金型を所定位置まで下降させ、金型の溶接注
入口とストーク上端とを連結する。これにより、前記弾
性体が前記ストークを金型の溶湯注入口に弾性的に押圧
し、溶接保持炉内の坩堝等に貯留された溶湯を金型内に
注入できるようになる。本発明においては、ストークが
弾性体により金型に押圧されるので、鋳造中のストーク
の加熱及び溶湯の加熱によって、ストークに伸び及び変
形が生じた場合でも、弾性体が伸び及び変形を吸収する
ことができる。このため、ストークと金型の溶湯注入口
との接合部から溶湯が漏洩することが防止されると共
に、ガスシール性が生じるので、鋳造時に加圧ガスが装
置外に漏洩することを防止できる。また、このようにス
トークが金型の溶湯注入口に直接取り付けられているた
め、ストーク同士の継ぎ目が存在せず、溶湯が継ぎ目か
ら漏洩することがない。また、取り替えが容易であるた
め、段取り替えも極めて簡単である。このため、段取り
替えに要する時間を大幅に短縮することができる。
【0020】また、ストークの上部と支持体との間には
ヒータが取り付けられている。即ち、ヒータとストーク
とは分離されている。このため、溶湯が万一漏洩した場
合であっても、ヒータの焼損を防止することができるこ
とに加え、ヒータの寿命が長くなる。
【0021】本発明の請求項2に係る低圧鋳造装置にお
いては、溶湯保持炉と支持体との間に弾性体が設けら
れ、この弾性体は支持体を介してストークを支持し、こ
の状態で例えば、金型を所定位置まで下降させ、金型の
溶湯注入口とストーク上端とを連結する。これにより、
前記弾性体が前記ストークを前記支持体を介して金型の
溶湯注入口に弾性的に押圧し、溶湯保持炉内の坩堝等に
貯留された溶湯を金型内に注入できるようになる。この
ため、請求項2に係る低圧鋳造装置においても、ストー
クが支持体を介して弾性体により金型に押圧されるの
で、鋳造中のストークの加熱及び溶湯の加熱によって、
ストークに伸び及び変形が生じた場合でも、弾性体が伸
び及び変形を吸収することができる。従って、請求項1
に係る低圧鋳造装置と同様に、ストークと金型の溶湯注
入口との接合部から溶湯が漏洩することが防止されると
共に、ガスシール性が生じるので、鋳造時に加圧ガスが
装置外に漏洩することを防止できる。また、請求項1に
係る低圧鋳造装置と同様に、ストークが金型の溶湯注入
口に直接取り付けられているため、ストーク同士の継ぎ
目がない。このため、この継ぎ目から溶湯が漏洩するこ
とがない。また、段取り替えも極めて容易であるため、
短時間で段取り替えを実施できる。
【0022】また、請求項1に係る低圧鋳造装置と同様
に、ストークの上部と支持体との間にはヒータが取り付
けられており、ヒータとストークとは分離されているの
で、溶湯が万一漏洩した場合であっても、ヒータの焼損
を防止することができる。
【0023】上述のいずれの低圧鋳造装置においても、
ストークはセラミック製であることが好ましい。ストー
クは、溶湯の温度が低下することを防止するために、保
温性がある材質であることが好ましく、ストークをセラ
ミック製とすることにより、高い保温性を保持できる。
【0024】本発明に係る低圧鋳造方法においては、上
述の低圧鋳造装置のストークと支持体との間の雰囲気温
度に応じて、ヒータの出力を制御する。また、本発明に
係る他の低圧鋳造方法においては、ストーク上部の温度
に応じて、ヒータの出力を制御する。何れの方法におい
ても、そうすることにより、溶湯の温度を精度良く制御
することができるので、溶湯の過冷却等によるストーク
の目詰まりを防止することができる。
【0025】なお、本発明の低圧鋳造装置及び低圧鋳造
方法は、差圧鋳造装置及び減圧鋳造装置にも適用可能で
ある。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について、添付の図面
を参照して具体的に説明する。図1は本発明の実施例に
係る低圧鋳造装置の溶湯保持炉の上部から金型部までを
示す断面図である。
【0027】金型1は上金型12aと下金型12bとか
ら形成される。下金型12bが固定プラテン11に載置
され、この下金型12bと上金型12aとが組み合わさ
れて、鋳物形状のキャビティ12cが形成される。下金
型12b中央部の溶湯注入口38の下側に、セラミック
製のストーク6が下金型12bに垂直に配置され、この
ストーク6は、固定プラテン11及び固定プラテン11
の下方の炉蓋5を挿通して溶湯保持炉13内の溶湯坩堝
16に達する。こうして、ストーク6は溶湯7をキャビ
ティ12cに導くために、溶湯流路を形成する。炉蓋5
の中央部に支持体(スペーサ)4が載置されており、こ
の支持体4上に、下板39aを介して筒状の弾性体であ
るベローズ2がストーク6を外嵌して配置されている。
ベローズ2は、支持体4の中央部を挿通するストーク6
を下金型12bの溶湯注入口38に、上板39bを介し
て、押圧する。ベローズ(弾性体)2の外側には、スト
ーク6が極端に沈み込むことを防止するために、ストッ
パー34が設けられている。支持体4の内壁には、スト
ーク6内の溶湯が凝固することを防止するために、筒状
のストーク加熱用ヒータ3が、ストーク6を外嵌して設
けられている。ストーク加熱用ヒータ3は絶縁されてい
ると共に、熱が支持体4に直接伝わることを防止するた
めに、セラミック板36を介して支持体4内壁に取り付
けられている。また、ストーク加熱用ヒータ3は、その
表面に溶湯が付着することを防止するために、パンチン
グメタル35を介して炉蓋5に取り付けられている。ス
トーク加熱用ヒータ3とストーク6との間には、溶湯保
持炉13内の雰囲気温度を測定するために熱電対37a
が設置されており、またストーク6の上端には、ストー
ク6内の溶湯温度を測定するために、熱電対37bが設
置されている。これらの熱電対は制御器(図示せず)に
接続され、この制御器によりストーク加熱用ヒータ3の
電圧が制御される。
【0028】一方、鋳造装置の下部では、溶湯保持炉1
3が、炉蓋5及び溶湯保持部30で密閉されて形成され
ている。空気又は不活性ガス等の気体を溶湯保持炉13
内に導入するために、通気管19の一端が炉蓋5と溶湯
保持部30と間から溶湯保持炉13内部に入り込んでお
り、この通気管19の他端は圧力調整バルブ20に接続
されている。溶湯保持部30は、鋼皮31と断熱材32
とから形成されている。断熱材32は、この鋼皮31内
壁に接触し、溶湯保持炉13の内部に向かって凹凸が繰
り返された形状となっている。断熱材32の凹部33に
は、電気ヒータ21が配設されている。断熱材32の内
側には溶湯保持坩堝16が配置されており、この溶湯保
持坩堝16の中央部に前述のストーク6が炉蓋5を挿通
し、その下半部が溶湯保持坩堝16内の溶湯7に達して
いる。
【0029】次に、上述の如く構成された鋳造装置の動
作について説明する。先ず下金型12b上に上金型12
aを重ね、キャビティ12cを形成すると共に、ストー
ク6の下半部を溶湯保持坩堝16内の溶湯7に浸漬させ
る。次に、調整バルブ20で圧力を調整しつつ、通気管
19から空気又は不活性ガス等を流入させて溶湯7の湯
面を均一に加圧する。そうすると、溶湯7はストーク6
内を上昇し、キャビティ12cに注入される。この場合
に、ベローズ2が弾性体であるため、鋳造時のストーク
6の加熱及び溶湯の加熱によるストーク6の伸び及び変
形が生じた場合であっても、ベローズ2が伸び及び変形
を吸収し一定の力でストーク6を溶湯注入口38に押圧
するので、溶湯7が溶湯注入口38とストーク6との隙
間から漏洩することを防止できる。また、ベローズ2が
弾性体であるため、ガスをシールドすることができるの
で、鋳造時に溶湯注入口38とストーク6との隙間から
加圧ガスが漏洩することを防止できる。更に、ストーク
6は、1本のストークで構成されており、継ぎ目が存在
しないので、溶湯7がストーク6から漏洩することはな
い。
【0030】また、ストーク加熱用ヒータ3は、ベロー
ズ6の下側で支持体4の内側に設けられているので、ス
トーク加熱用ヒータ3とストーク6とは分離されてい
る。このため、万一、溶湯が溶湯注入口38とストーク
6との隙間から漏洩することがあっても、ストーク加熱
用ヒータ3が焼損する虞れがない。
【0031】なお、上述の実施例では、支持体4上に、
下板39aを介して、ベローズ2を配置したが、支持体
4とベローズ2との位置を反対にして、炉蓋5上にベロ
ーズ2を配値し、ベローズ2の上に支持体4を載置して
もよい。
【0032】また、本実施例におけるストーク6の材質
は、溶湯の温度低下を防止するために、保温性が高いセ
ラミック製である。セラミック製ストークを従来技術の
鋳造装置に設置した場合は、セラミックの靱性が低いた
め、熱歪みによりストークが損傷する虞れがある。本実
施例に係る鋳造装置では、上述のように、ベローズ2が
ストーク6を溶湯注入口38に押圧する構造にしてある
ので、熱歪みを容易に吸収することができ、ストーク6
が、セラミック製であっても、損傷する虞れがない。
【0033】更に、取り替えも容易であるため、ストー
クの段取り替えも極めて簡単に実施することができ、段
取り替え時間を大幅に短縮することができる。
【0034】次に、本実施例における低圧鋳造方法につ
いて説明する。本実施例における低圧鋳造方法では、熱
電対37aによりストーク上部の温度を検出し、また熱
電対37bによりストーク6と支持体4との間の雰囲気
温度を検出し、これらの検出温度に基づいて、ストーク
加熱用ヒータ3の出力を制御する。これにより、溶湯の
温度を精度よく制御できる。例えば、600乃至700
℃の溶湯温度を±10℃以内で制御することができるの
で、溶湯の過冷却等によるストーク6の目詰まりを防止
することができる。
【0035】次に、本実施例に係る低温鋳造装置を使用
して、実際に鋳造した結果について説明する。上述のよ
うに、上金型12aと下金型12bとでキャビティ12
cを形成した後に、通気管19から加圧された空気を溶
湯保持炉13内に送り込み、アルミニウム溶湯7の湯面
を押し下げ、アルミニウム溶湯7をストーク6を介して
鋳物形状のキャビティ12cに充填させることにより、
鋳造製品を鋳造した。鋳造中、熱電対37aによりスト
ーク6と支持体4との間の雰囲気温度及び熱電対37b
によりストーク6の上端の温度を測定し、得られた温度
に基づいてストーク加熱用ヒータ3の電圧を制御した。
なお、使用したストーク加熱用ヒータ3は3.5kWの
発熱体タイプのものである。
【0036】その結果、ストークの継ぎ目からの湯漏れ
が皆無であったため、湯漏れによるトラブルは全く生じ
なかった。また、溶湯の過冷却等によるストーク6の目
詰まりは発生しなかった。更に、加熱用ヒータ3の寿命
が平均2か月であったものが、平均4か月と倍増した。
【0037】なお、本実施例は、低圧鋳造装置に対する
ものであるが、差圧鋳造装置及び減圧鋳造装置に対して
も適用可能である。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る低圧
鋳造装置は、弾性体がストークを金型の溶湯注入口に押
圧するので、溶湯の湯漏れを防止でき、ヒータの寿命を
長くすることができる。また、本発明によれば、ストー
クの上部と支持体との間にヒータが取り付けられている
ので、溶湯の過冷却等により、ストークが目詰まりする
ことを防止することができる。
【0039】本発明に係る低圧鋳造方法は、ストークと
支持体との間の雰囲気温度及び/又はストークの上部の
温度に応じて、ヒータの出力を制御するため、溶湯の温
度制御が容易であり、溶湯の目詰まりを防止できるの
で、高い生産性で鋳造製品を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る低圧鋳造装置の溶湯保持
炉の上部から金型部までを示す断面図である。
【図2】一般的に低圧鋳造法で使用される低圧鋳造機を
示す断面図である。
【符号の説明】
1;金型部 2;ベローズ 3;ストーク加熱用ヒータ 4;支持体 5;炉蓋 6,22;ストーク 7;溶湯 11;固定プラテン 11b;孔 12a;上金型 12b;下金型 12c;キャビティ 12d;溶湯注入口 13;溶湯保持炉 14a;支持フレーム 14b;上部フレーム 15;締付けシリンダ 17a;可動プラテン 17b;連結棒 16;溶湯保持坩堝 19;通気管 20;調整バルブ 21;電気ヒータ 23;中間ストーク 24;中間ストーク加熱ヒータ 30;溶湯保持部 31;鋼皮 32;断熱材 33;凹部 34;ストッパー 35;パンチングメタル 36;セラミック板 37a,37b;熱電対 38;溶湯注入口 39a;下板 39b;上板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−104233(JP,A) 実開 昭62−3256(JP,U) 実開 平6−66860(JP,U) 実開 平3−109146(JP,U) 実開 平1−114148(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B22D 18/04 B22D 18/08 501

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋳物形状のキャビティを有する金型と、
    この金型の下方に配置された溶湯保持炉と、下端部が前
    記溶湯保持炉内に挿入され上端部が前記金型の溶湯注入
    口に連結されるストークと、前記溶湯保持炉の上に配置
    され前記ストークを外嵌する筒状をなす支持体と、前記
    支持体と前記ストークの上端部との間に設けられ前記ス
    トークを前記金型の溶湯注入口に弾性的に押圧する弾性
    体と、前記支持体の内面に設けられ金型と溶湯保持炉と
    の間の前記ストークの少なくとも一部を加熱するヒータ
    と、を有することを特徴とする低圧鋳造装置。
  2. 【請求項2】 鋳物形状のキャビティを有する金型と、
    この金型の下方に配置された溶湯保持炉と、下端部が前
    記溶湯保持炉内に挿入され上端部が前記金型の溶湯注入
    口に連結されるストークと、このストークの上端部に固
    定され前記ストークを外嵌する筒状をなす支持体と、前
    記支持体と前記溶湯保持炉との間に設けられ前記支持体
    を介して前記ストークを前記金型の溶湯注入口に弾性的
    に押圧する弾性体と、前記支持体の内面に設けられ金型
    と溶湯保持炉との間の前記ストークの少なくとも一部を
    加熱するヒータと、を有することを特徴とする低圧鋳造
    装置。
  3. 【請求項3】 前記弾性体は前記ストークを外嵌する筒
    状をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載の低圧
    鋳造装置。
  4. 【請求項4】 前記ストークはセラミックからなること
    を特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の低
    圧鋳造装置。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    低圧鋳造装置を使用し、前記ストークと前記弾性体との
    間の雰囲気温度に応じて、前記ヒータの出力を制御する
    ことを特徴とする低圧鋳造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の
    低圧鋳造装置を使用し、前記ストーク上部の温度に応じ
    て、前記ヒータの出力を制御することを特徴とする低圧
    鋳造方法。
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