JP3002012B2 - 鋳造装置及び鋳造方法 - Google Patents

鋳造装置及び鋳造方法

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JP3002012B2
JP3002012B2 JP3125445A JP12544591A JP3002012B2 JP 3002012 B2 JP3002012 B2 JP 3002012B2 JP 3125445 A JP3125445 A JP 3125445A JP 12544591 A JP12544591 A JP 12544591A JP 3002012 B2 JP3002012 B2 JP 3002012B2
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俊生 小林
潤一 長沢
紀忠 平間
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トキコ株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、重力鋳造法による鋳造
装置に係わり、特に溶湯を適正に冷却して良好な指向性
凝固を進行させることが容易な鋳造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、重力鋳造法は、例えばアルミニ
ウム合金の鋳造等に広く使用されているが、溶湯の凝固
が金型の下方から上方の押し湯部に向かって進行するこ
と(すなわち、上方に向かって指向性凝固すること)が
重要であり、この凝固の指向性が適正でないと引け巣等
ができてしまい高品質な鋳物が得られないという問題が
有る。
【0003】そこで、従来、積極的に金型下方の冷却速
度を速め適正な指向性凝固を実現することを目的とし
て、下記〜に示すような鋳造方法あるいは鋳造装置
が提案されている。金型の内面に塗布する離型剤の熱
伝導率を、下方から上方に向かって異ならせるもの。
金型を構成する部材の下方位置に冷媒通路を設けるも
の。金型キャビティの下方に冷媒用管路を配設するも
の。(前記管路を構成する管材は最終的に鋳ぐるむように
する。)低圧鋳造法において利用されるものである
が、熱伝導率の異なる材料の組み合わせで金型を構成す
るもの。
【0004】以下、図6によって、上記のうち従来技術
について説明する。図6は前記鋳造方法を実施する
ための鋳造装置の側断面図である。この鋳造装置は、上
面が開口するキャビティ3が形成された金型1と、この
金型1の外側面に接合した状態で金型1を装置の架台7
a,7bに取り付ける取付板4a,4bとを備えるもの
である。金型1は可動型1aと固定型1bとよりなる割
型で、キャビティ3の下部が成形部3a、上部は湯口兼
押し湯部3bとなっている。もちろん、湯口と押し湯部
は別々に形成されていてもよい。
【0005】可動型1aは、シリンダ6,移動フレーム又
はプレート5及び取付板4aを介して架台7aに取り付
けられて、水平方向に進退するようになっている。ま
た、固定型1bは、取付板4bを介して架台7aに対向
配置された架台7bに固定状態に取り付けられるように
なっている。なお、金型1,取付板4a,4bは、例え
ば構造用炭素鋼鋼材等の鋼材から形成されている。この
金型1の固定型1bの側壁にはガス抜き孔1dが形成さ
れ、このガス抜き孔1dと取付板4bの内面の凹部9b
とを介してキャビティ3内は外部に連通するようになっ
ている。
【0006】取付板4a,4bは、金型1と同様な形態
で寸法形状が異なる各種の金型を可動フレーム5あるい
は架台7bに取り付けるための部材で、装置の汎用性及
び部品の共用性を確保するためのものであり、内面には
それぞれ凹部9a,9bが形成されている。また、架台
7aには架台7bに向かって伸びるピン8が突設され、
このピン8は、取付板4a及び可動型1aの側壁を貫い
て、その先端がキャビティ3内に望むようになってい
る。
【0007】今、この装置によって前記鋳造方法を実
施する場合には、まず、例えばキャビティ3内に下方と
上方で異なる離型剤を塗布することにより、金型1の内
面における熱伝達率が下方から上方に向かって異なった
状態にする。その後、キャビティ3の上方の湯口兼押し
湯部3bから素材の溶湯を流し込めば、キャビティ3内
に溶湯が冷却されながらゆきわたって所望形状の鋳物が
得られる。
【0008】すなわち、この際、発生するガスはガス抜
き孔1dから放出され、また溶湯の凝固収縮分に相当す
る溶湯は重力によって湯口兼押し湯部3bから補給され
るので、キャビティ3の成形部3a内に溶湯がゆきわた
って成形部3aに相当する外形形状を有する鋳物が得ら
れる。また、この際の冷却速度は前記熱伝達率の違いに
応じて下方側が速くなるので、前記指向性凝固が行われ
高品質な鋳物が得られる。なお、凝固完了後の鋳物の取
り出しは、シリンダ6による型開きと、ピン8による成
形部3aの押し出しにより従来公知の方法で行われる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】このように上記従来技
術は積極的に上向きの指向性凝固を進行させようとする
ものであるが、それぞれ以下のような改善すべき点があ
った。
【0010】すなわち、前記従来技術は、離型剤の塗
布作業が非常に複雑になるため、作業に熟練度を要する
とともに作業性が悪かった。また、冷却が大気解放によ
るものであるため、一度昇温した金型が降温して初期温
度に戻るまでに時間がかかり生産性が悪い。
【0011】従来技術は、冷媒通路を設ける位置がキ
ャビティの形状によって制約を受けるため、適度な冷却
速度の違いを生じさせ難く適正な指向性凝固が進行させ
難い。特に、金型が小さなものである場合には、冷媒通
路による冷却が過度になり易く、この場合鋳物の表面か
ら内部に向かう凝固の指向性が強くなり、かえって引け
巣等が発生し易くなる。また、従来技術は、大きな温
度変化を伴って繰り返し使用される金型自体に冷媒通路
を設けるものであるため、長期の使用により金型に発生
する亀裂等によりキャビティと冷媒通路が連通して溶湯
と冷媒が接触する恐れが有り、信頼性に欠けるものであ
る。
【0012】従来技術は、鋳造の度に冷媒用管材をセ
ットしなければならず生産性が悪いとともに、冷媒用管
材は鋳物(製品)に付帯することになるので、材料コス
トが高くなる。また、従来技術は、金型を構成する材
料の熱膨張差によるストレスで金型寿命が短くなり、ま
た、成形品の寸法精度も悪化し易い。
【0013】本発明は上記従来の事情に鑑みなされたも
ので、重力鋳造法による鋳造装置であって、溶湯を適正
に冷却して良好な指向性凝固を進行させることが容易な
鋳造装置及び鋳造方法を提供することを目的としてい
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の鋳造装置
は、上部が開口するキヤビティを有する金型と、該金型の
外側面に接合した状態で前記金型を装置の架台に取り付
ける取付板とを備え、溶湯を重力により前記キヤビティ
内に流し込む鋳造装置であって、前記取付板には、冷媒
を流すための冷媒通路が形成され、前記冷媒通路は前記
キャビティの下部に対応する位置に形成されているとと
もに、前記取付板において前記キャビティの上部に対応
する位置には加熱手段が配設され、前記金型の温度に基
づいて前記冷媒通路への冷媒の供給あるいは前記加熱手
段の動作を制御する制御装置が設けられていることを
徴としている。
【0015】
【0016】
【0017】
【0018】請求項記載の鋳造方法は、上部が開口す
るキヤビティを有する金型と、該金型の外側面に接合し
た状態で前記金型を装置の架台に取り付ける取付板とを
備える鋳造装置を使用した鋳造方法であって、前記取付
板において前記キャビティの下部に対応する位置に冷媒
通路を形成するとともに、前記取付板において前記キャ
ビティの上部に対応する位置には加熱手段を配設し、前
記冷媒通路に冷媒を流すことによる冷却と前記加熱手段
による加熱により前記金型の温度が上部から下部にかけ
て漸次低下するような温度勾配を形成し、この状態で前
記キャビティ内に重力により溶湯を流し込み凝固させて
鋳物を製造することを特徴としている。
【0019】
【作用】本発明の鋳造装置によれば、金型の取付板に形
成された冷媒通路により金型の下部を適度に冷却するこ
とにより、金型の下方から上方に向かう良好な指向性凝
固を進行させることが容易にできる。すなわち、冷媒通
路を取付板に設けこの取付板を介して金型を強制冷却す
る構成であるため、キャビティの形状(製品形状)に制
約を受けることなく適正な位置に冷媒通路を配置して、
金型を強制冷却する箇所を十分下方に設定することがで
きる。そして、金型が小型なものであってもキャビティ
と冷媒通路とが極端に接近することが避けられるので、
この強制冷却を適度なものとして鋳物の表面から内部へ
の指向性凝固を抑制し、下方から上方への指向性凝固を
進行させることができる。
【0020】また、取付板の下部に設けた冷媒通路によ
る冷却と、取付板の上部に配設した加熱手段の加熱によ
り、きわめて適性な金型の温度勾配を設定することが可
能となり、さらに適性な指向性凝固を進行させることが
できる。すなわち、単に冷媒通路を設けるだけでは、全
体として金型の温度勾配の大きさを全く自由に設定する
ことはできないが、この発明によると、加熱手段の出力
と冷媒通路に流す冷媒の量を制御することにより、温度
勾配の大きさも含めて金型の温度を全く自由に設定でき
るので、金型の形状あるいは鋳物の材料等に応じて最も
適した金型の温度分布を設定することができるのであ
る。
【0021】また、トラブル等により鋳造を休止した場
合あるいは、金型から製品を取り出して次の鋳造のため
に溶湯を流し込むまでの間においても、その状態におけ
る最も適した金型の温度を維持することができ、運転の
再開までの時間あるいは次の鋳造の開始までの時間を最
小限に低減できる。すなわち、単に冷媒通路を設ける構
成では、鋳造が休止している際あるいは製品の取り出し
等が行われている間に金型の温度が必要以上に低下する
ことが必ずしも防止できないが、この発明であると、加
熱手段により積極的に加熱することもできるので、材料
を凝固させる際以外の時においてもきわめて適性な金型
の温度を容易に維持できるのである。
【0022】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1〜図5により説
明する。なお、図6に示す従来の鋳造装置と同様な構成
要素には同符号を付しその説明は省略する。
【0023】図1は、本発明の第一の実施例である鋳造
装置を示す側断面図である。この鋳造装置において特徴
的なことは、金型1を取り付ける取付板11a,11b
が、内面全体で金型1の外側面に接触しているものとさ
れ、それぞれに冷媒通路13a,13bが形成されてい
る点である。この冷媒通路13aは、金型1の下部を強
制冷却するもので、冷媒(例えば、水等)の供給源に接
続されるようになっている。また、この場合、取付板1
1a,11bの外側の面には、外気に通ずる凹部12
a,12bと、ガス抜き孔1dに連通する貫通孔11d
とが形成され、これらによりキャビティ3内が外気に連
通し鋳造時の発生ガスが放出されるようになっている。
【0024】ここで、金型1には、キャビティ3が第1
図の紙面と直交する方向に複数個形成され、取付板11
a,11bはこの方向の金型1の長さよりも若干この方
向の長さが長く形成されており、金型1より突出する両
側で可動フレーム5及び架台7bにボルト等により脱着
自在に固定されている。また、金型1と取付板11a,
11bとは、取付板11a,11b側から金型1に向け
て螺合したボルト等によって脱着自在に固定されてい
る。
【0025】金型1と取付板11a,11bの固定方法
は脱着が可能であれば公知のどのような方法でもよい
が、金型1の交換のために、金型毎に、共通の取付板1
1a,11bに適正に取り付けられるよう設計上配慮し
なければならない。取付板11a,11bを共通化しな
いことも可能であり、この場合には、金型1の交換に際
して、取付板11a,11bも交換することになる。金型
1と取付板11a,11bの大きさは概略等しければよ
いが、少なくともキャビティ3を取付板11a,11b
側に投影させた時、これと略等しい大きさが必要でる。
【0026】この図1の鋳造装置によれば、金型1の取
付板11a,11bに形成された冷媒通路13a,13
bによって金型1の下部を適度に冷却することにより、
金型1の下方から上方に向かう良好な指向性凝固を進行
させることが容易にできる。すなわち、取付板11a,
11bを介して金型1を強制冷却する構成であるため、
キャビティ3の形状(製品形状)に制約を受けることな
く適正な位置に冷媒通路13a,13bを配置して、金
型1を強制冷却する箇所を十分下方に設定することがで
きる。
【0027】そして、金型1が小型なものであってもキ
ャビティ3と冷媒通路13a,13bとが極端に接近す
ることが避けられるので、この強制冷却を適度なものと
して鋳物の表面から内部への指向性凝固を抑制し、下方
から上方への指向性凝固を進行させることが容易にな
る。つまり、この図1の鋳造装置によると、取付板11
a,11bを介した強制冷却により良好な指向性凝固を
進行させることができるので、金型1内あるいはキヤビ
ティ3内に冷媒を流す必要も、また離型剤を塗り分ける
必要もなくなる。
【0028】このため、取付板11a,11bが共用で
きる限り金型1の種類毎に冷媒用の配管作業を行う必要
がなくなり、また離型剤の塗布に熟練度が不要となるの
で、生産性が格段に向上するという効果がある。また、
金型1に冷却通路を設けたり鋳物に管材を鋳ぐるむ必要
もなく、特殊な離型剤も不要であるので、装置及び素材
のコストが低減されるという効果がある。また、この装
置の場合、図6に示す従来の装置に比べ、強制冷却の分
だけ全体として凝固及び金型の降温時間が短くて済むの
で生産性が高いという特長を有する。
【0029】また、寸法及び形状が若干異なる製品を鋳
造する場合には、取付板11a,11bから金型1を取
り外して異なる金型1を取り付け、鋳造作業を行うので
あるが、金型の冷却は取付板11a,11bを介して間
接的になされるので、金型1の上下方向の温度変化は金
型1内のキャビティ3の形状寸法が変化しても金型毎に
それほど変化がなく、ほぼ一定の指向性凝固を得ること
が可能であるという特徴も有する。
【0030】つぎに、図2は本発明の第二の実施例を示
している。この鋳造装置は、多数のピース(すなわち、
可動型2a,固定型2b,下型2c)よりなる金型2を
使用し、複雑な形状の鋳物が製作できるようにしたもの
である。この装置も、各型2a,2b,2cに対応する
取付板11a,11b,11cを、それぞれ外面に凹部
12a,12b,12cが形成され内面は金型2に接触
するものとし、また各取付板に冷媒通路13a,13
b,13cを設けることにより金型2の下部を強制冷却
するようにしたものであり、図1の装置と同様な効果を
奏する。
【0031】なお、図2において符号7cで示すものは
架台7a,7bに対して上下に移動する移動架台又は可
動フレームであり、下型2cは取付板11cを介してこ
の移動架台7cに取り付けられ鋳物を取り出すときには
下方に退避させられるようになっている。
【0032】つぎに、図3は本発明の第三の実施例を示
している。この装置は、冷媒通路16a,16bが形成
されているとともに従来どおり内面側に凹部15a,1
5bが形成されている取付板14a,14bを用いたも
のであり、この場合も上記図1,図2に示す実施例に準
じた効果がある。このように、本発明の鋳造装置は、か
ならずしも取付板の内面全体が金型の外面に接触してい
なくてもよいが、凹部15a,15bの面積が大きすぎ
ると冷却能が低下するので、凹部15a,15bは数条
の溝として、実質的に取付板を金型に接触させることが
好ましい。
【0033】つぎに、図4は本発明の第四の実施例を示
している。この鋳造装置は、取付板21a,21bの下
部に冷媒通路23a,23bを形成するとともに、取付
板21a,21bの上部にヒータ24a,24b(加熱
手段)を配設したものである。また、この鋳造装置は、
図5に示すように、金型1の温度に基づいて冷媒通路2
3a,23bへの冷媒の供給あるいは前記加熱用ヒータ
24a,24bの動作を制御する制御装置25を備えて
いる。
【0034】すなわち、制御装置25は、前記ヒータ2
4a,24bに通電すべくこれに接続され、金型1内に
埋め込まれた温度センサ26の検出信号を受取るべくこ
れに、また、冷媒通路23a,23bに接続された配管
27,28のバルブ29,30を制御すべくこれらに電
気的に接続されたものである。ここで、温度センサ26
は、金型1の上下方向の温度分布が正確に検知できるよ
うに、上下方向に複数配設されている。配管27は、各
冷媒通路23a,23bを流量計31を介して水(冷媒)
の供給源に接続するもので、バルブ29はこの流量計3
1よりも下流に設けられている。また、配管28は、配
管27の途上であってバルブ29よりも下流の位置に接
続されたもので、エアコンプレッサー等の空気源32の
吐出口をバルブ30を介して各冷媒通路23a,23b
に接続するものである。
【0035】この図4,図5に示す第四の実施例の装置
によると、冷媒通路23a,23bに冷却水を流すこと
による冷却と、ヒータ24a,24bの加熱により、き
わめて適性な金型1の温度勾配を設定することが可能と
なり、さらに適性な指向性凝固を進行させることができ
る。すなわち、単に冷媒通路を設けるだけでは、上下に
形成した温度勾配の大きさを全く自由に設定することは
できないが、この装置によると、ヒータ24a,24b
の出力と冷媒通路23a,23bに冷却水を流すタイミ
ングあるいはその量を制御することにより、温度勾配の
大きさも含めて金型の温度を全く自由に設定できるの
で、金型1の形状あるいは鋳物の材料等に応じて最も適
した金型の温度分布を設定することができるのである。
【0036】また、この鋳造装置であると、トラブル等
により鋳造を休止した場合あるいは、金型1から製品を
取り出して次の鋳造のために溶湯を流し込むまでの間に
おいても、その状態における最も適した金型1の温度を
維持することができ、運転の再開までの時間あるいは次
の鋳造の開始までの時間を最小限に低減できる。すなわ
ち、単に冷媒通路を設ける構成では、鋳造が休止してい
る際あるいは製品の取り出し等が行われている間に金型
の温度が必要以上に低下することを必ずしも防止できな
いが、この装置であるとヒータ24a,24bにより積
極的に加熱することもできるので、金型温度の大きな変
動を避けることができるのである。
【0037】また、この装置は、ヒータ24a,24b
を冷媒通路同様に取付板に設けているので、小さな金型
でも適用でき、加熱部と溶湯が接触する恐れもなく、間
接的に加熱するので金型の温度が過度に上昇する恐れも
ないという特長も有する。
【0038】以下、この図4,図5に示す装置により鋳
造を行う場合の手順の一例を説明する。まず、運転開始
時には、必要に応じて双方のバルブ29,30を閉じて
冷却水および加圧空気の供給を停止している状態で、制
御装置25によるタイマ制御もしくは手動操作により2
から3回の捨て打ちを行うか、ヒータ24a,24bの
加熱により金型温度を昇温させる。
【0039】つぎに、金型1の代表点温度(例えば、金
型1の上下方向中央の温度センサ26により検出される
温度)が所定の注湯開始温度(A℃程度)となったら、
キャビティ3に注湯を行うと同時に、バルブ29を開い
て冷媒通路23a,23bへの給水を開始する。この
際、例えば、予め指定された金型1の温度分布(各温度
センサ26が配置された部分の温度)を目標値とし、各
温度センサ26の検出信号をフィードバック信号とし、
各ヒータ24a,24bの出力あるいは冷媒通路23
a,23bに流す冷却水量を操作量とするフィードバッ
ク制御を、制御装置25によって行うことにより、きわ
めて適性な金型1の温度分布を自動的に維持し、きわめ
て良好な指向性凝固を進行させることができる。
【0040】そして、前記代表点温度が例えばA℃+5
0℃程度となり成形部3aにおける溶湯の凝固が完了し
た時点で、バルブ29を閉じて冷却水の供給を停止し、
同時にバルブ30を開いて加圧空気を供給して冷媒通路
23a,23b内の残留冷却水を強制的に排出する。な
お、このタイミングはかならずしも溶湯の凝固完了時点
と同時である必要はない。このように加圧空気を送り込
むことによって、冷媒通路23a,23bに冷却水が残
留することによる不具合(例えば、残留した冷却水が沸
騰して噴出する等の不具合)が防止される。
【0041】つぎに、押湯部3bにおいて溶湯が凝固し
てゆき、前記代表点の温度がA℃+30℃程度になった
ら型開きを行って製品を取り出し、キャビティ内をエア
ブローして異物を除去した後に型閉じを行えば、一連の
鋳造が完了するとともに、また同様の手順で次の鋳造を
開始し連続的に鋳造を繰返すことができる。
【0042】そして、この一連の鋳造の終了時点から次
の鋳造に移行する際においても、制御装置25によっ
て、積極的に金型1の温度分布をきわめて適性な状態に
制御することができる。例えば、凝固した製品を取り出
してエアブローを行っている間に、全体として金型1の
温度が所定温度以下に低下した場合には、制御装置25
により金型上部をヒータ24a,24bにより加熱して
それ以上の温度低下を抑制することができる。
【0043】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、取付板を介した強制冷却により良好な指向性
凝固を進行させることができるので、金型内に冷媒を流
す必要も、また離型剤を位置により塗り分ける必要もな
くなる。このため、取付板が共用できる限り金型の種類
毎に冷媒用の配管作業を行う必要がなくなり、また離型
剤の塗布に熟練度が不要となるので、生産性が格段に向
上するという効果がある。また、金型に冷却通路を設け
たり鋳物に管材を鋳ぐるむ必要もなく、特殊な離型剤も
不要であるので、装置及び素材のコストが低減されると
いう効果がある。
【0044】また、積極的に金型の上部を加熱しかつ下
部を冷却することができるので、金型に、従来よりも大
きく適性な温度勾配を正確に設定することが可能とな
り、上記効果に加え、さらに鋳物品質を向上できるとい
う効果がある。また、トラブル発生等により鋳造を停止
した場合でも、良好な金型の温度を維持して復帰時には
短時間で運転が再開できるとともに、連続的に鋳造する
場合にも、一連の鋳造から次の鋳造に移行する際の金型
の温度を適性に維持して、鋳造サイクルを最小限に短縮
することができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一の実施例である鋳造装置の側断面
図である。
【図2】本発明の第二の実施例である鋳造装置の側断面
図である。
【図3】本発明の第三の実施例である鋳造装置の側断面
図である。
【図4】本発明の第四の実施例である鋳造装置の側断面
図である。
【図5】本発明の第四の実施例である鋳造装置の全体構
成を示すブロック図である。
【図6】従来の鋳造装置を示す側断面図である。
【符号の説明】
1,2 金型、 1a,2a,2c 可動型 1b,2b 固定型 3 キヤビティ、 7a,7b,7c 架台 11a,11b,14a,14b,21a,21b 取付板 13a,13b,13c,16a,16b,23a,23b 冷
媒通路 24a,24b 加熱手段 25 制御装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平間 紀忠 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番 3号 トキコ株式会社内 (72)発明者 林 裕二 神奈川県川崎市川崎区富士見1丁目6番 3号 トキコ株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−228660(JP,A) 特開 昭54−11958(JP,A) 特開 昭50−148227(JP,A) 特開 平4−127950(JP,A) 実開 平2−22242(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 27/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上部が開口するキヤビティを有する金型
    と、該金型の外側面に接合した状態で前記金型を装置の
    架台に取り付ける取付板とを備え、溶湯を重力により前
    記キヤビティ内に流し込む鋳造装置であって、前記取付
    板には、冷媒を流すための冷媒通路が形成され、 前記冷媒通路は前記キャビティの下部に対応する位置に
    形成されているとともに、前記取付板において前記キャ
    ビティの上部に対応する位置には加熱手段が配設され、
    前記金型の温度に基づいて前記冷媒通路への冷媒の供給
    あるいは前記加熱手段の動作を制御する制御装置が設け
    られていることを特徴とする 鋳造装置。
  2. 【請求項2】 上部が開口するキヤビティを有する金型
    と、該金型の外側面に接合した状態で前記金型を装置の
    架台に取り付ける取付板とを備える鋳造装置を使用した
    鋳造方法であって、前記取付板において前記キャビティ
    の下部に対応する位置に冷媒通路を形成するとともに、
    前記取付板において前記キャビティの上部に対応する位
    置には加熱手段を配設し、前記冷媒通路に冷媒を流すこ
    とによる冷却と前記加熱手段による加熱により前記金型
    の温度が上部から下部にかけて漸次低下するような温度
    勾配を形成し、この状態で前記キャビティ内に重力によ
    り溶湯を流し込み凝固させて鋳物を製造することを特徴
    とする鋳造方法。
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