JPH10315254A - 成形用金型 - Google Patents

成形用金型

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JPH10315254A
JPH10315254A JP15030697A JP15030697A JPH10315254A JP H10315254 A JPH10315254 A JP H10315254A JP 15030697 A JP15030697 A JP 15030697A JP 15030697 A JP15030697 A JP 15030697A JP H10315254 A JPH10315254 A JP H10315254A
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JP
Japan
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pressing
mold
rod
cavity
pressure
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JP15030697A
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English (en)
Inventor
Mitsuo Ogura
光雄 小倉
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Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂射出成形装置20は、押圧面52aのP
L面圧力PPLを適切に調節することができ、各種の樹脂
成形品に対してバリの発生を防止することができる。 【解決手段】 樹脂射出成形装置20は、可動型42と
固定型71とを備え、可動型42には受圧部に対して独
立して摺動する押圧部52を有するPL面押圧機構50
が設けられている。PL面押圧機構50は、押圧面52
aを有する押圧部52と、ロッド51とを備え、ロッド
51内にヒータ装置54のヒータ54aが収納されてい
る。射出成形時にはヒータ54aに通電されてロッド5
1が伸長した状態で型締めがされて押圧部52の押圧面
52aはPL面71bに対して押圧状態にある。そし
て、キャビティCT内に溶融樹脂が射出されたときに受
圧部が移動しても押圧部52は独立しているから、これ
と一体に移動せず、押圧面52aはPL面71bに対し
て押圧した状態を維持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、樹脂、ゴム
などの溶融材料を射出または注入して成形品を製造する
ために用いる成形用金型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、射出成形装置において、キャビテ
ィからはみ出た樹脂により形成されるバリを防止するた
めの技術が数多く知られている(例えば、実開昭58−
50920号公報)。図10は従来の技術にかかる樹脂
成形型100の要部を示す断面図である。図10におい
て、樹脂成形型100は、固定型102と、可動型10
4とを備え、この可動型104の凹所と固定型102と
により囲まれてキャビティ106が形成されている。可
動型104には、貫通孔108が形成されており、貫通
孔108にコアピン110が貫装されている。コアピン
110は、上端部でキャビティ106の上方から固定型
102側へ突出し、下端部でフランジ部112に固定さ
れている。フランジ部112は、弾性部材114を介し
て可動型104に固定された支持板116に支持されて
いる。
【0003】上記樹脂成形型100では、型締め状態に
てキャビティ106内に溶融材料が射出されると、固定
型102と可動型104とがわずかに開くように変形す
るためにキャビティ106の外周部にバリを生じるよう
な間隙を生じる。こうした間隙を埋めるように、可動型
104を固定型102へ型締めしたときに、コアピン1
10を弾性部材114の弾性力に抗して押し込めること
により弾性部材114の弾性力でコアピン110を固定
型102に常時密着させるとともに、弾性部材114に
より調節されたPL面圧により、バリの発生を減らすよ
うに改善されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の樹脂成
形型100では、ばねなどの弾性部材114を用いてい
るために、コアピン110を押しつける力を調節するこ
とが難しく、また、弾性部材114の弾性力を大きく設
定することができないために射出圧の大きい成形に適用
できないという問題があった。
【0005】また、他の従来の技術として、特開平1−
93306号公報に記載されているように成形面よりわ
ずかに突出した突部をキャビティの周囲に沿って形成
し、この突部を変形させることによりPL面圧を設定す
る技術が知られている。しかし、この技術では、突部の
突出量の調節が面倒であり、また特殊な合金を必要とし
成形が面倒であるという問題もあった。
【0006】本発明は、上記従来の技術の問題点を解決
するものであり、各種の成形品に対して接合面を適切な
面圧に設定することが容易な成形用金型を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題を解決するためになされた本発明は、型締めされ
ることにより互いに密着する第1接合面及び第2接合面
をそれぞれ有し、該両接合面が密着することによりキャ
ビティを構成するとともに、該キャビティ内に溶融材料
を注入した場合において、注入された溶融材料の圧力に
よって発生する型開き方向の力を受ける受圧部を有する
第1型部及び第2型部を備え、上記第1型部は、第1接
合面の少なくとも一部を構成しかつ上記キャビティ内の
溶融材料が該キャビティからはみ出ることを防止するよ
うに上記第2接合面に対して押圧する押圧面を備え、上
記受圧部に対して独立して移動する押圧部と、上記押圧
部の一端部を支持する支持部材と、上記押圧面が上記第
2接合面の方向に移動するように上記支持部材を熱膨張
させるように加熱する加熱手段と、を備えたことを特徴
とする。
【0008】本発明にかかる成形用金型では、型締めに
より第1型部と第2型部とが第1接合面と第2接合面で
互いに密着して形成されたキャビティに、溶融材料を供
給すると、第1及び第2型部の受圧部で溶融材料の圧力
を受け、そして、キャビティ内の溶融材料が冷却固化し
たときにキャビティの形状に倣った製品が形成される。
【0009】また、本発明は、第1型部の第1接合面の
一部を構成する押圧部を備えている。押圧部は、第2型
部の第2接合面を押圧してキャビティ内から溶融材料が
はみ出るのを防止するものであり、受圧部に対して独立
して摺動するように支持されるとともに、加熱手段を装
着した支持部材に一端部で固定されている。いま、支持
部材を加熱手段により加熱すると、支持部材が伸長して
押圧部の押圧面が第2接合面の方へ突出する。押圧部
は、このような突出した状態にて、第1型部と第2型部
とが型締めされると、第2押圧面に押されて支持部材が
圧縮され、その反力により押圧面に対して押圧した状態
で密着する。そして、キャビティに溶融材料が射出され
ると、受圧部はその圧力により変形するが、押圧部は、
受圧部に対して独立して摺動するように構成されている
ので、高い押圧力を維持する。したがって、キャビティ
が広がるように受圧部が変形しても、押圧部は第2接合
面で密着した状態を維持するから、バリの発生を防止す
ることができる。このような押圧部による押圧力は、金
属の熱膨張による力を利用しているから、従来の技術で
説明したような、ばね等の弾性部材を利用したものと比
べて大きな力を得ることができ、大きな射出圧の成形品
にも対応することができる。
【0010】また、押圧部の押圧面が突出する量は、加
熱手段への通電量を制御して支持部材の伸長量を変更す
ることにより調節することができることから、押圧部に
よる面圧の調節も容易である。
【0011】
【発明の実施の形態】以上説明した本発明の構成・作用
を一層明らかにするために、以下本発明の好適な実施例
について説明する。
【0012】図1は本発明の一実施の形態にかかる樹脂
射出成形装置20を示す概略構成図である。図1におい
て、樹脂射出成形装置20は、機枠30と、昇降装置3
8と、成形用金型40と、樹脂射出機90とを備えてい
る。
【0013】上記機枠30は、ベースプレート32と、
支柱部材34と、可動ダイプレート35と、固定ダイプ
レート36とを備えており、上記可動ダイプレート35
が上記支柱部材34に支持されて昇降装置38の駆動力
により昇降可能に設けられている。
【0014】上記成形用金型40は、上記可動ダイプレ
ート35とともに昇降する可動型42(第1型部)を有
する可動ユニット41と、可動型42と型締めされる固
定型71(第2型部)を有する固定ユニット70とを備
えており、可動型42と固定型71が型締めされるとキ
ャビティCT(図3参照)が形成される。また、成形用
金型40には、PL面押圧機構50及びエジェクタ機構
60が設けられている。PL面押圧機構50は、固定型
71に対してそのPL面を押圧することによりキャビテ
ィCTから溶融樹脂材料が流れ出るのを防止するための
機構であり、エジェクタ機構60はキャビティCTで成
形された成形品を可動型42から取り出すための機構で
ある。さらに、上記樹脂射出機90は、溶融樹脂をキャ
ビティCTに射出するための射出用シリンダ91を備え
ている。
【0015】次に、上記樹脂射出成形装置20による射
出成形工程について概説する。図1の型開き状態におい
て、昇降装置38の昇降用シリンダ39の駆動により可
動ダイプレート35が上昇すると、可動型42が固定型
71に合わされて両型が閉じられ型締めされる。この状
態にて固定型71と可動型42とによりその内部にキャ
ビティCTが形成される。この状態にて、樹脂射出機9
0からキャビティCT内に溶融樹脂が射出される。そし
て、溶融樹脂がキャビティCT内で冷却固化した後に、
型開きを行ない、さらにエジェクタ機構60により成形
品が型から取り出される。
【0016】次に、上記成形用金型40及びその周辺の
機構について詳細に説明する。図2は成形用金型40の
付近を示す断面図である。上述したように、成形用金型
40は、可動ユニット41と、固定ユニット70とを備
えている。可動ユニット41は、可動型42と、可動ダ
イプレート35上に固定された可動取付板43と、この
可動取付板43上に固定されかつ上記可動型42を固定
するスペーサブロック44と、を備えている。
【0017】上記可動型42は、受圧部42Aを備え、
この受圧部42Aの上面は、キャビティCTを形成する
ための成形面42aとなっており、その内部に該可動型
42を冷却するための冷却水を通す冷却通路42b(図
3)が形成されている。この冷却通路42bへの通水に
より可動型42は、射出成形工程時においてその温度が
40〜60℃に維持されるようになっている。
【0018】また、図3はPL面押圧機構50の付近を
示す断面図である。図3に示すように、PL面押圧機構
50は、上記受圧部42Aに対して独立して摺動する押
圧部52と、押圧部52を支持するロッド51と、ロッ
ド51内に収納したヒータ装置54とを備えている。図
4は押圧部52の配置を示す平面図である。上記押圧部
52は、キャビティCTの周縁に沿って形成されてお
り、その上面にパーティングライン(PL面)を形成す
る押圧面52aを備えている。この押圧面52aは、固
定型71側の成形面71aの一部を形成するPL面71
bに接触するように構成されている。
【0019】この押圧部52の下端は、ロッド51の上
端部に固定されている。すなわち、ロッド51の上端部
は、ロッド突出部51aとなっており、このロッド突出
部51aが押圧部52の嵌合凹所52bに嵌合すること
により押圧部52がロッド51に固定されている。ま
た、ロッド51の下端部は、ロッド固定端51bを介し
て可動取付板43に固定されるとともに、可動ダイプレ
ート35に支持されている。上記ロッド51は、可動型
42に形成されたロッド貫通孔42c及び後述するエジ
ェクタ下プレート62及びエジェクタ上プレート63に
形成された貫通孔62a,63aを摺動自在に貫通して
いる。なお、ロッド51の外周は、ロッド貫通孔42c
との間でロッド外空隙51dを形成しており、このロッ
ド外空隙51dはロッド51の熱が可動型42側へ伝わ
り難くする作用を有している。
【0020】ロッド51は、銅やその合金などの熱伝導
率が高くかつ機械的強度の大きい金属材料から形成され
ており、そのロッド51内には、ヒータ装置54を収納
するためのヒータ収納室51eが軸方向に沿って形成さ
れている。
【0021】ヒータ装置54は、ケース54b内に収納
されたヒータ54aを備え、ヒータ収納室51eに着脱
可能なカートリッジタイプであり、ヒータ54aに外部
から通電されることにより発生した熱をロッド51に伝
熱してロッド51を伸長するように収納されている。こ
こで、ロッド51の伸長量△Lは、式(1)により表わ
されるが、本実施の形態におけるヒータ装置54は、伸
長量△Lを0.2〜0.3mmとするためにロッド51
を200〜300℃に加熱するように制御する。 △L=L×l×△T …(1) L: ロッド51の長さ l:線膨張係数 △T:ロッド51と受圧部42Aとの温度差
【0022】図2に戻り、エジェクタ機構60は、可動
型42から成形品を離すための機構であり、エジェクタ
下プレート62と、エジェクタ上プレート63とを備え
ている。エジェクタ下プレート62は、可動型42、可
動取付板43及びスペーサブロック44の間に形成され
たスペースSP1において、可動取付板43上に載置さ
れており、また、エジェクタ上プレート63は、エジェ
クタ下プレート62上に載置されている。エジェクタ上
プレート63の下部には、凹所63aが形成されてお
り、この凹所63aにエジェクタピン64の一端部が支
持されている。上記エジェクタピン64は、可動型42
のピン貫通孔42dを貫通して、そのピン先端部64a
が可動型42の成形面42aに達している。
【0023】また、エジェクタ下プレート62の下面に
は、矢印方向aへ移動することによりエジェクタ下プレ
ート62及びエジェクタ上プレート63と一体にエジェ
クタピン64を移動させるためのエジェクタロッド65
が配置されている。このエジェクタロッド65は、可動
取付板43のロッド貫通孔43b及び可動ダイプレート
35のロッド貫通孔35aを貫通して昇降装置38に設
けたエジェクタピン用シリンダ66により昇降駆動され
る。
【0024】一方、上記固定ユニット70は、上記可動
型42とともにキャビティCTを形成する固定型71を
備えている。この固定型71は、固定ダイプレート36
に固定されており、その上部には、樹脂射出機90(図
1)から射出される溶融樹脂を導くためのノズルやラン
ナなどの樹脂通路72が形成されている。この固定型7
1の下面は、キャビティCTを形成する成形面71aが
形成されており、この成形面71aの一部が上記押圧面
52aにより密着してキャビティCTを区画するPL面
71bとなっている。
【0025】次に、樹脂射出成形装置20による射出成
形工程について説明する。図1及び図2の型開き状態に
おいて、図5に示すように、ヒータ装置54のヒータ5
4aに外部から給電してロッド51を200〜300℃
に加熱する。これにより、ロッド51は、熱膨張により
伸長して、押圧部52の押圧面52aが可動型42の成
形面42aからわずかに突出した状態、例えば、0.2
〜0.3mm(△L)だけ突出した状態になる。この状
態から、昇降装置38の昇降用シリンダ39に油圧を供
給して可動ダイプレート35を上昇させると、可動取付
板43、スペーサブロック44及び可動型42が一体的
に上昇する。これと同時に、可動取付板43に固定され
たPL面押圧機構50のロッド51も可動型42と一体
的に上昇する。これにより、押圧部52の押圧面52a
が固定型71のPL面71bにより押圧し、昇降用シリ
ンダ39の型締め力が所定値になったときに、その型締
め状態を維持する。このとき、押圧部52を介してロッ
ド51が圧縮されて、押圧面52aは、可動型42の成
形面42aとほぼ同じ平面かわずかに突出した位置にな
る。このような型締めにより、図3に示すように、可動
型42と固定型71とによりキャビティCTが形成され
る。
【0026】続いて、樹脂射出機90からキャビティC
T内に溶融樹脂が射出されると、そのキャビティCT内
の樹脂圧は、可動型42及び固定型71の成形面42
a,71aに加わって、図6に示すように、キャビティ
CTの幅を広げるように可動型42及び固定型71が変
形する。この場合において、押圧部52は、可動型42
の受圧部42Aに対して独立して摺動するように設けら
れているから、キャビティCT内の圧力は、主として可
動型42の受圧部42Aの成形面42a及び固定型71
の成形面71aに加わって、可動型42の受圧部42A
及び固定型71を変形させ、受圧部42Aと一体に押圧
部52を移動させない。つまり、押圧面52aは、樹脂
圧により押されても、ロッド51の圧縮力がすべて解放
されないから、PL面71bに密着した状態を維持す
る。そして、キャビティCT内の溶融樹脂が冷却固化し
た後に、昇降用シリンダ39の昇降用シリンダ39を駆
動して、可動ユニット41を下降させる型開きをする。
その後に、エジェクタピン用シリンダ66を駆動してエ
ジェクタピン64を上昇させて樹脂成形品を離型するこ
とにより一連の射出成形工程が終了する。
【0027】上述した射出成形工程における圧力の履歴
について説明する。図7は射出成形工程時におけるPL
面圧力PPL(図示実線)及びキャビティ内圧力PCT(図
示破線)を示すタイミングチャートである。ここで、P
L面圧力PPLは、押圧面52aに加わっている圧力をい
い、キャビティ内圧力PCTはキャビティCT内の圧力を
いう。いま、押圧面52aの面積がA1の場合に、この
押圧面52aに加える型締め力をFとし、その初期値を
Faとするとともに、樹脂成形品の成形面を所望の品質
とするためにキャビティ内圧力PCTが成形圧力Pmin
以上になるように射出圧を設定する。
【0028】この場合において、破線で示すキャビティ
内圧力PCTは、射出開始の0の値から上昇して、成形圧
力Pminを越えた後に冷却固化することにより低下す
る。一方、実線で示すPL面圧力PPLは、射出成形工程
の進行にしたがって一時的に低下する。すなわち、射出
開始時点にて、PL面圧力PPLは、初期値Fa/A1か
ら、樹脂射出に伴ってキャビティCT内のキャビティ内
圧力PCTが上昇するにつれて、その圧力を受けて下降す
る。
【0029】ここで、キャビティ内圧力PCTがPL面圧
力PPLを上回ると、バリを生じることから、PL面圧力
PPLの初期値Fa/A1は、キャビティ内圧力PCTの最
大圧力Paと、PL面圧力PPLが低下する圧力Pbとを
合計した値以上の値になるように型締め力Fの初期値F
aを設定する。こうしたPL面圧力PPLは、上述したよ
うにヒータ54aの加熱によって伸長しているロッド5
1を圧縮することにより発生させているから、PL面圧
力PPLの初期値Fa/A1がキャビティ内圧力PCTを常
時上回る値に設定することにより、押圧面52aは、射
出成形の全行程にわたってロッド51による圧縮力を残
留してPL面71bに密着した状態を維持する。したが
って、押圧面52aは、PL面71bとの間でバリを生
じるような間隙を生じない。
【0030】なお、可動型42の受圧部42Aは、冷却
通路42bを通る冷却水により冷却され、受圧部42A
とロッド51との温度差を確保するから、ロッド51の
伸長量△Lを所定値に設定することが容易である。
【0031】また、押圧部52によるPL面71bに対
するPL面圧力PPLの調節は、ヒータ54aへの通電量
を制御してロッド51の伸長量を変更することにより行
なうことができるから、大きさや形状の異なる各種の樹
脂成形品に対応して、最適なPL面圧に設定することが
でき、しかもその機械的構成も変更することがないこと
から、その構成も簡単である。しかも、押圧部52によ
るPL面圧力PPLは、金属製のロッド51の熱膨張に伴
なって発生しているから、従来の技術で説明したばねな
どの弾性部材で付勢しているものと比べて、その力を大
きくすることが簡単であり、よって、大型の射出成形装
置にも適用することができる。
【0032】さらに、従来の技術で説明したような、キ
ャビティCTの周縁部に沿って特殊な金属を用いた突出
部を形成する必要がなく、その突出量の面倒な調節も不
要である。
【0033】なお、上記射出成形工程において、溶融樹
脂を射出する前に、ヒータ装置54への通電によりロッ
ド51が加熱されて、その押圧部52が固定型71側へ
伸長しているので、押圧部52の伸び時期が溶融樹脂の
射出時に遅れることもない。
【0034】なお、この発明は上記実施例に限られるも
のではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の
態様において実施することが可能であり、例えば次のよ
うな変形も可能である。
【0035】(1) 上記実施の形態では、図3に示す
ようにPL面押圧機構50として、押圧部52と一体の
ロッド51の下端部を可動取付板43に固定したが、ロ
ッド51を固定する手段としては、図8に示すように押
圧部が受圧部に対して摺動自在となる構成であれば他の
構成であってもよい。すなわち、図8は他の実施の形態
にかかる成形用金型40Bを示す断面図である。図8に
おいて、成形用金型40Bは、PL面押圧機構50B
1、PL面押圧機構50B2及びPL面押圧機構50B
3を備えている。PL面押圧機構50B1は、上記実施
の形態と同様に、可動取付板43に取り付けられている
が、PL面押圧機構50B2は、可動型42の受圧部4
2Cの下端部に固定されており、また、PL面押圧機構
50B3はエジェクタ下プレート62に固定されてい
る。このような構成のうち、PL面押圧機構50B3の
ようにエジェクタ下プレート62に固定した場合には、
射出時における受圧部42Bの変形が直接、エジェクタ
下プレート62に伝わらないから、受圧部42Bの変形
量を考慮する必要がなく、PL面押圧機構50B3の調
節が容易になる。
【0036】(2) 図9はさらに他の実施の形態に係
るPL面押圧機構50Cの要部を説明する斜視図であ
る。図9において、PL面押圧機構50Cは、複数のロ
ッド51C1〜51C3にまたがった面状のヒータ54
Caをロッド51C1〜51C3の側面に装着してい
る。すなわち、図3などで説明した実施の形態では、ヒ
ータ装置54として、ロッド51内にカートリッジタイ
プのヒータ54aを着脱自在に収納する構成としたが、
ロッド51を伸長できる構成であれば、その構成及び配
置などは特に限定されない。
【0037】(3) 上記実施の形態では、ロッド51
と可動型42との間に温度差を生じさせるために可動型
42だけに冷却通路42bを設けたが、その効果を一層
増大するために、押圧部52にも設けてもよい。
【0038】(4) 上記実施の形態では、受圧部42
Aからロッド51への断熱性を高めるために、ロッド外
空隙51dを形成したが、これに限らず、他の断熱部材
を介在させたり、その間に冷却水を供給してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態にかかる樹脂射出成形装
置20を示す概略構成図である。
【図2】成形用金型40の付近を示す断面図である。
【図3】PL面押圧機構50の付近を示す断面図であ
る。
【図4】押圧部52の配置を示す平面図である。
【図5】押圧部52の作用を説明する説明図である。
【図6】射出成形工程を説明する説明図である。
【図7】射出成形工程時におけるPL面圧力PPL及びキ
ャビティ内圧力PCTを示すタイミングチャートである。
【図8】他の実施の形態にかかる成形用金型40Bを示
す断面図である。
【図9】さらに他の実施の形態に係るPL面押圧機構5
0Cの要部を説明する斜視図である。
【図10】従来の技術にかかる樹脂成形型100の要部
を示す断面図である。
【符号の説明】
20…樹脂射出成形装置 30…機枠 32…ベースプレート 34…支柱部材 35…可動ダイプレート 35a…ロッド貫通孔 36…固定ダイプレート 38…昇降装置 39…昇降用シリンダ 40…成形用金型 40B…成形用金型 41…可動ユニット 42…可動型 42A…受圧部 42a…成形面 42b…冷却通路 42c…ロッド貫通孔 42d…ピン貫通孔 42a,71a…成形面 42B…受圧部 42C…受圧部 43…可動取付板 43b…ロッド貫通孔 44…スペーサブロック 51…ロッド 51a…ロッド突出部 51b…ロッド固定端 51d…ロッド外空隙 51e…ヒータ収納室 51C1〜51C3…ロッド 52…押圧部 52a…押圧面 52b…嵌合凹所 54…ヒータ装置 54a…ヒータ 54b…ケース 54Ca…ヒータ 60…エジェクタ機構 62…エジェクタ下プレート 62a,63a…貫通孔 63…エジェクタ上プレート 63a…凹所 64…エジェクタピン 64a…ピン先端部 65…エジェクタロッド 66…エジェクタピン用シリンダ 70…固定ユニット 71…固定型 71a…成形面 72…樹脂通路 90…樹脂射出機 91…射出用シリンダ CT…キャビティ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 型締めされることにより互いに密着する
    第1接合面及び第2接合面をそれぞれ有し、該両接合面
    が密着することによりキャビティを構成するとともに、
    該キャビティ内に溶融材料を注入した場合において、注
    入された溶融材料の圧力によって発生する型開き方向の
    力を受ける受圧部を有する第1型部及び第2型部を備
    え、 上記第1型部は、 第1接合面の少なくとも一部を構成しかつ上記キャビテ
    ィ内の溶融材料が該キャビティからはみ出ることを防止
    するように上記第2接合面に対して押圧する押圧面を備
    え、上記受圧部に対して独立して移動する押圧部と、 上記押圧部の一端部を支持する支持部材と、 上記押圧面が上記第2接合面の方向に移動するように上
    記支持部材を熱膨張させるように加熱する加熱手段と、 を備えたことを特徴とする成形用金型。
  2. 【請求項2】 請求項1において、上記支持部材と受圧
    部との間に熱伝導を小さくするためのスペースを設けた
    成型用金型。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009119627A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Honda Motor Co Ltd 射出成形装置
WO2012057102A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 コニカミノルタオプト株式会社 成形型、その成形型を用いて製造されるマイクロチップ、及びそのマイクロチップを製造する製造装置
US20220305705A1 (en) * 2021-03-26 2022-09-29 Honda Motor Co., Ltd. Injection molding die

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WO2012057102A1 (ja) 2010-10-29 2012-05-03 コニカミノルタオプト株式会社 成形型、その成形型を用いて製造されるマイクロチップ、及びそのマイクロチップを製造する製造装置
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