JP2015195653A - 電池システム、充放電制御プログラム、充放電制御方法 - Google Patents

電池システム、充放電制御プログラム、充放電制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複数の二次電池が並列に接続された電池システムにおいて、各二次電池の電池容量を正確に特定できるようにする
【解決手段】本発明の電池システム10は、並列に接続された電池パック111〜11nと、電池パック111〜11nの充電回路12及び放電回路13と、充電回路12及び放電回路13を制御する制御装置16と、を備え、制御装置16は、電池パック111〜11nのいずれか一を優先電池に設定し、優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、優先電池のみ放電を許可し、優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下した後、優先電池以外の放電を許可し、優先電池の充電状態が満充電になるまで優先電池を充電し、満充電になるまでの充電電力、又は学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、優先電池の電池容量を推測して記憶し、優先電池を順次変更する。
【選択図】図1

Description

本発明は、複数の二次電池が並列に接続された電池システム、該電池システムの充放電制御プログラム、充放電制御方法に関する。
充放電可能な二次電池を用いた電源システムにおいては、充放電の繰り返しによって電池が劣化して電池容量が徐々に低下していくため、劣化して交換が必要な電池を的確に判定する必要がある。例えば複数の二次電池を並列に接続した電池システムにおいて、平均放電電流又は平均放電電力が所定の診断条件に適合するときに電池の劣化状態と判定する技術が公知である(例えば特許文献1を参照)。また複数の二次電池を並列に接続した電池システムにおいて、特定の電池だけ充放電が繰り返されて劣化することを回避するために、各電池の放電量を個々に制御する技術が公知である(例えば特許文献2を参照)。
複数の二次電池を並列に接続した電池システムにおいては、各電池の充電状態を正確に把握する上で、充放電の繰り返しによる劣化で電池容量が低下していくことが問題となる。このような問題を解決することを目的とした従来技術の一例として、予め二次電池の電池容量を記憶しておくとともに、二次電池の総放電量又は総充電量の積算値が一定の値に達する度に、その記憶している電池容量を一定の割合で減少させて更新する電池容量判定装置が公知である(例えば特許文献3を参照)。また他の従来技術の一例としては、予め二次電池の電池容量を記憶しておくとともに、充電状態が満充電状態から10〜30%程度まで低下する間の放電電気量の積算値に基づいて、二次電池の最新の電池容量を更新する容量残量表示装置が公知である(例えば特許文献4を参照)。
特開2013−210348号公報 特開2013−102572号公報 特開2007−322353号公報 特開平06−176797号公報
しかしながら二次電池の総放電量又は総充電量の積算値が一定の値に達する度に、その記憶している電池容量を一定の割合で減少させて更新する上記の従来技術は、総放電量又は総充電量に応じて二次電池が一定の割合で劣化していくことを前提とするものである。そのため例えば何らかの異常によって二次電池が急激に劣化したような場合には、その二次電池の電池容量を正確に特定できない虞が生ずる。
また例えば停電時におけるバックアップ用の電源システムでは、放電機会が停電時に限られることから、電池電圧が放電終止電圧の近傍に至るまで充電状態が低下する機会は非常に少ないのが通常である。そのためバックアップ用の電源システムにおいては、充電状態が満充電状態から10〜30%程度まで低下する間の放電電気量の積算値に基づいて二次電池の電池容量を算出する上記の従来技術では、二次電池の電池容量の更新頻度が大幅に少なくなってしまうことになり、二次電池の電池容量を正確に特定できない虞が生ずる。この場合、例えば定期的にリフレッシュ放電を行うようにすれば、二次電池の電池容量を更新する機会を定期的に得ることができる。しかし定期的にリフレッシュ放電を行うようにすると、そのリフレッシュ放電時に電力需要が生じたときに、その電力需要に対応できない虞が生ずる。
このような状況に鑑み本発明はなされたものであり、その目的は、複数の二次電池が並列に接続された電池システムにおいて、各二次電池の電池容量を正確に特定できるようにすることにある。
<本発明の第1の態様>
本発明の第1の態様は、並列に接続された複数の二次電池と、前記複数の二次電池の充放電回路と、前記充放電回路を制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、前記優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、前記優先電池のみ放電を許可し、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池以外の二次電池の放電を許可し、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電し、電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した前記優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶し、前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、電池システムである。
複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、放電時には優先電池の放電を優先することによって、二次電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下する機会を増やすことができる。それによって電圧が学習ポイント電圧まで低下した二次電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の二次電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、その二次電池の電池容量を推測して記憶する機会、つまり二次電池の電池容量を学習する機会を増やすことができる。したがって例えば長期間にわたって二次電池の電池容量を学習する機会が得られず、記憶している電池容量が実際の電池容量と大きく異なる状態になってしまう虞を低減することができるので、二次電池の電池容量を正確に特定することができる。そして優先電池に設定する二次電池を順次変更することによって、複数の二次電池の全てについて電池容量を学習する機会を増やすことができるので、複数の二次電池の全てについて電池容量を正確に特定することができる。
これにより本発明の第1の態様によれば、複数の二次電池が並列に接続された電池システムにおいて、各二次電池の電池容量を正確に特定できるという作用効果が得られる。
<本発明の第2の態様>
本発明の第2の態様は、前述した本発明の第1の態様において、前記制御装置は、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶する度に、前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、電池システムである。
本発明の第2の態様によれば、優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶する度に、優先電池に設定する二次電池を順次変更することによって、複数の二次電池の全てについて電池容量を学習する機会を確実に与えることができる。それによって複数の二次電池の全てについて電池容量をより正確に特定することができる。
<本発明の第3の態様>
本発明の第3の態様は、前述した本発明の第1の態様又は第2の態様において、前記制御装置は、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池のみ充電した後、前記優先電池以外の二次電池を充電する、電池システムである。
優先電池の充電状態が満充電になるまで優先電池のみ充電するので、少なくともその間、充放電回路を通じて供給される電力は、全て優先電池の充電電力ということになる。つまり優先電池の充電状態が満充電になるまでの間、充放電回路を通じて供給される電力の積算値は、そのまま優先電池の充電電力の積算値ということになる。したがって本発明の第3の態様によれば、複数の二次電池のそれぞれについて充電電力を測定する回路等を設ける必要がないので、電池システムのコストを低減することができる。
<本発明の第4の態様>
本発明の第4の態様は、前述した本発明の第1〜第3の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池の放電を禁止する、電池システムである。
本発明の第4の態様によれば、優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下した後、優先電池の放電を禁止することによって、優先電池に設定した二次電池の過放電を防止することができる。
<本発明の第5の態様>
本発明の第5の態様は、前述した本発明の第1〜第4の態様のいずれかにおいて、前記制御装置は、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電した後、前記優先電池の充電を停止する、電池システムである。
本発明の第5の態様によれば、優先電池の充電状態が満充電になるまで優先電池を充電した後、優先電池の充電を停止することによって、優先電池に設定した二次電池の過充電を防止することができる。
<本発明の第6の態様>
本発明の第6の態様は、並列に接続された複数の二次電池と前記複数の二次電池の充放電回路とを備える電池システムの充放電制御をコンピュータに実行させる充放電制御プログラムであって、前記複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、前記優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、前記優先電池のみ放電を許可し、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池以外の二次電池の放電を許可し、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電し、電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した前記優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶し、前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、制御を前記コンピュータに実行させる、充放電制御プログラムである。
本発明の第6の態様によれば、この充放電制御プログラムを実行可能なコンピュータにより制御される電池システムにおいて、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。この充放電制御プログラムが記憶されたコンピュータが読み出し可能な有形の非一時的な記憶媒体もまた本発明の対象となり得る。
<本発明の第7の態様>
本発明の第7の態様は、並列に接続された複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、前記優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、前記優先電池のみ放電を許可し、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池以外の二次電池の放電を許可し、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電し、電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した前記優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶し、前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、充放電制御方法である。
本発明の第7の態様によれば、前述した本発明の第1の態様と同様の作用効果を得ることができる。
本発明によれば、複数の二次電池が並列に接続された電池システムにおいて、各二次電池の電池容量を正確に特定できる。
本発明に係る電池システムの構成を図示したブロック図。 電池ユニットの充放電制御の手順を図示したフローチャート。 電池ユニットの充放電制御の手順を図示したフローチャート。 優先電池の電池パックを放電している状態を模式的に図示した回路図。 優先電池以外の電池パックを放電している状態を模式的に図示した回路図。 全ての電池パックの放電を停止した状態を模式的に図示した回路図。 優先電池の電池パックを充電している状態を模式的に図示した回路図。 優先電池以外の電池パックを充電している状態を模式的に図示した回路図。 全ての電池パックの充電が終了した状態を模式的に図示した回路図。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
尚、本発明は、以下説明する実施例に特に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変形が可能であることは言うまでもない。
<電池システムの構成>
本発明に係る電池システムの構成について、図1を参照しながら説明する。
図1は、電池システム10の構成を図示したブロック図である。
電池システム10は、電池ユニット11、充電回路12、放電回路13、電圧測定回路14、電流測定回路15及び制御装置16を備える電源装置である。
電池ユニット11は、「複数の二次電池」としてのn個の電池パック111〜11n、「充放電回路」を構成するn個のスイッチSW1〜SWnを含む。電池パック111〜11nは、並列に接続されている。電池パック111〜11nは、いずれも例えば直列又は並列に接続された複数のニッケル水素二次電池等のアルカリ二次電池で構成されている。スイッチSW1〜SWnは、電池パック111〜11nに個々に対応する開閉器である。例えばスイッチSW1は、電池パック111の充放電をON/OFFする。同様にスイッチSW2〜SWnは、電池パック112〜11nの充放電を個々にON/OFFする。
「充放電回路」を構成する充電回路12は、電池ユニット11の充電を制御する回路である。充電回路12の入力側は、外部電源(図示せず)が接続される充電端子17に接続されている。充電回路12の出力側は、ダイオードD1を通じて電池ユニット11に接続されている。「充放電回路」を構成する放電回路13は、電池ユニット11の放電を制御する回路である。放電回路13の入力側は、ダイオードD2を通じて電池ユニット11に接続されている。放電回路13の出力側は、負荷装置(図示せず)が接続される放電端子18に接続されている。
電圧測定回路14は、電池ユニット11の電圧を測定する回路である。電流測定回路15は、電池ユニット11の充放電時の電流を測定する回路である。
制御装置16は、公知のマイコン制御装置であり、コンピュータとしてのCPU(Central Processing Unit)161及び記憶媒体としてのROM(Read Only Memory)162を含む。ROM162は、コンピュータが読み出し可能な有形の非一時的な記憶媒体の一例であり、CPU161が読み出して実行可能な制御プログラムが格納されている。制御装置16は、電圧測定回路14及び電流測定回路15の出力信号に基づいて、充電回路12及び放電回路13を制御する。また制御装置16は、電池ユニット11のスイッチSW1〜SWnのON/OFFを個々に制御する。
<電池ユニットの充放電制御>
制御装置16による電池ユニット11の充放電制御について、図2A、図2B、図3A〜図3C、図4A〜図4Cを参照しながら説明する。
図2A、図2Bは、制御装置16による電池ユニット11の充放電制御の手順を図示したフローチャートである。図3A〜図3Cは、放電制御時における電池パック111〜11nの充電状態及びスイッチSW1〜SWnのON/OFF状態を模式的に図示した回路図である。図4A〜図4Cは、充電制御時における電池パック111〜11nの充電状態及びスイッチSW1〜SWnのON/OFF状態を模式的に図示した回路図である。
1.優先電池の設定
まず電池パック111〜11nのいずれか一を優先電池に設定する(図2AのステップS1)。また電池パック111〜11nに対して設定する優先電池を順次変更することによって、電池パック111〜11nの全てに電池容量を学習する機会を与えることができる。
電池パック111〜11nに対して設定する優先電池を順次変更する上では、どのような条件で優先電池を選択してもよいが、例えば優先電池の電池容量を推測して記憶する度に優先電池を順次変更するのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって電池パック111〜11nの全てについて電池容量を学習する機会を確実に与えることができる。それによって電池パック111〜11nの全てについて電池容量をより正確に特定することができる。以下、一例として、まず電池パック111を優先電池に設定し、電池容量を推測して記憶する度に、電池パック112〜11nを順次選択して優先電池を変更していくこととする。
2.放電制御
優先電池に設定した電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、電池パック111のみ放電を許可し、電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下した後、電池パック112〜11n(優先電池以外の二次電池)の放電を許可する。ここで「学習ポイント電圧」は、放電終止電圧、あるいは電圧から充電状態を推定可能な放電終止電圧近傍の電圧領域内に設定される電圧である。電圧から充電状態を推定可能な電圧領域は、例えばニッケル水素二次電池等のアルカリ二次電池においては、充電状態が0〜10%程度となる電圧領域である。また例えばニッケル水素二次電池等のアルカリ二次電池においては、電池寿命の観点からすれば、完全に放電する前に放電を停止するのが好ましい。したがって例えば充電状態が5%となる電圧を放電終止電圧に設定し、この電圧を「学習ポイント電圧」としてもよい。
以下、放電制御について、より具体的に説明する。
まず優先電池に設定した電池パック111のみ放電を許可する(図2AのステップS2)。例えば図3Aに図示されているように、電池ユニット11のスイッチSW1のみONし、それ以外のスイッチSW2〜SWnをOFFする。それによって電池パック111のみ放電が行われることになる。また電池パック111だけが電圧測定回路14に接続された状態になるので、電圧測定回路14が検出する電圧が電池パック111の電圧ということになる。
つづいて負荷装置への放電が開始されたか否かを判定する(図2AのステップS3)。負荷装置への放電が開始された場合には(図2AのステップS3でYes)、放電によって電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下したか否かを判定する(図2AのステップS4)。電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下していない場合には(図2AのステップS4でNo)、放電が終了したか否かを判定する(図2AのステップS5)。放電が終了していない場合には(図2AのステップS5でNo)、ステップS4に戻り、放電が終了している場合には(図2AのステップS5でYes)、後述する充電制御の手順へ進む。
電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下した場合には(図2AのステップS4でYes)、電池パック111の学習OKフラグをセットする(図2AのステップS6)。この学習OKフラグは、優先電池に設定した電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下したことによって、電池パック111を満充電まで充電することで電池パック111の電池容量を学習すること(推測して記憶すること)が可能な状態になったことを意味するフラグである。そして電池パック111以外の電池パック112〜11nの放電を許可する(図2AのステップS7)。例えば図3Bに図示されているように、電池ユニット11のスイッチSW2〜SWnをONすることによって、電池パック112〜11nから放電が行われることになる。
より好ましい態様としては、優先電池に設定した電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下した後、さらに優先電池に設定した電池パック111の放電を禁止する(図2AのステップS8)。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって優先電池に設定した電池パック111の過放電を防止することができる。例えば図3Cに図示されているように、電池ユニット11のスイッチSW2〜SWnをONするとともに、スイッチSW1をOFFすることによって、電池パック112〜11nから放電が行われ、電池パック111からの放電は行われないことになる。そして放電が終了したか否かを判定し(図2AのステップS9)、放電が終了している場合には(図2AのステップS9でYes)、後述する充電制御の手順へ進む。
3.充電制御
充電制御においては、優先電池に設定した電池パック111の充電状態が満充電になるまで電池パック111を充電する。このとき優先電池に設定した電池パック111の充電と他の電池パック112〜11nの充電を同時に開始してもよいが、優先電池に設定した電池パック111の充電状態が満充電になるまで電池パック111のみ充電した後、電池パック112〜11n(優先電池以外の二次電池)を充電するのが好ましい。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって少なくとも電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下した状態から電池パック111の充電状態が満充電になるまでの間、充電回路12を通じて電池ユニット11へ供給される電力は、全て電池パック111の充電電力ということになる。つまり電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下した状態から電池パック111の充電状態が満充電になるまでの間、充電回路12を通じて電池ユニット11へ供給される電力の積算値は、そのまま電池パック111の充電電力の積算値ということになる。したがって電池パック111〜11nのそれぞれについて充電電力を測定する回路(例えば電圧測定回路14、電流測定回路15)を設ける必要がないので、電池システム10のコストを低減することができる。以下、具体的に説明する。
まず優先電池に設定した電池パック111のみ充電を開始する(図2BのステップS10)。例えば図4Aに図示されているように、電池ユニット11のスイッチSW1をONし、スイッチSW2〜SWnを全てOFFすることによって、電池パック111にのみ充電することができる。また電池パック111だけが電圧測定回路14に接続された状態になるので、電圧測定回路14が検出する電圧が電池パック111の電圧ということになる。
つづいて電池パック111が満充電まで充電されたか否かを判定する(図2BのステップS11)。電池パック111の充電状態が満充電になったか否かは、例えば電池パック111の電圧から判定することもできるが、電池の劣化やメモリ効果によって満充電時の電池の電圧は変動し得るため、例えば温度センサ(図示せず)で検出した電池パック111の温度変化に基づいて判定するのがより正確で好ましい。電池パック111が満充電まで充電されていない場合には(図2BのステップS11でNo)、負荷装置への放電が開始されたか否かを判定する(図2BのステップS12)。負荷装置への放電が開始された場合には(図2BのステップS12でYes)、ステップS1へ戻り、負荷装置への放電が開始されていない場合には(図2BのステップS12でNo)、ステップS11へ戻る。
電池パック111が満充電まで充電された場合には(図2BのステップS11でYes)、その後もそのまま充電し続けることもできるが、例えば図4Bに図示されているように、その時点で電池ユニット11のスイッチSW1をOFFして電池パック111の充電を終了するのが好ましい(図2BのステップS13)。これは本発明に必須の構成要素ではないが、それによって優先電池に設定した電池パック111の過充電を防止することができる。
つづいて電池パック111の学習OKフラグがセットされているか否かを判定する(図2BのステップS14)。電池パック111の学習OKフラグがセットされていない場合には(図2BのステップS14でNo)、電池パック111の充電開始時に、電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまで電池パック111が放電されていない状態だったことになる。この場合は、そのまま電池パック112〜11nの充電手順(図2BのステップS17以降の手順)へ移行する。
他方、電池パック111の学習OKフラグがセットされている場合には(図2BのステップS14でYes)、電池パック111の充電開始時に、電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまで電池パック111が放電されている状態だったことになる。したがってこの場合は、電池パック111の学習値(電池容量)を更新する(図2BのステップS15)。より具体的には、電池パック111の電圧が学習ポイント電圧まで低下した状態から電池パック111の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値に基づいて、電池パック111の電池容量の値を推測して更新(記憶)する。そして電池パック111の学習値(電池容量)を更新した後、電池パック111の学習OKフラグをクリアし(図2BのステップS16)、電池パック112〜11nの充電手順(図2BのステップS17以降の手順)へ移行する。またこの場合には、電池パック111の学習値(電池容量)が更新されているので、次に優先電池の設定手順(図2AのステップS1)に戻ったときには、例えば電池パック112が優先電池に設定されることになる。
電池パック112〜11nの充電手順として、まず電池パック112〜11nのいずれかについて充電要求があるか否かを判定する(図2BのステップS17)。この充電要求があるか否かの判定は、例えば電池パック112〜11nの電圧を電圧測定回路14で個々に測定して、その電圧に基づいて判定することができる。例えば電池ユニット11のスイッチSW2だけをONし、それ以外のスイッチをOFFした状態とすれば、電圧測定回路14の検出電圧は、電池パック112の電圧ということになる。あるいは例えば温度センサ(図示せず)で検出した電池パック112〜11nの温度変化に基づいて、電池パック112〜11nの充電状態が満充電か否かを判定し、それによって充電要求があるか否かを判定するのがより正確で好ましい。
電池パック112〜11nのいずれについても充電要求がない場合には(図2BのステップS17でNo)、ステップS1へ戻る。他方、電池パック112〜11nのいずれかについて充電要求がある場合には(図2BのステップS17でYes)、その充電要求に応じて充電を行う(図2BのステップS18)。例えば電池パック112について充電要求がある場合には、図4Bに図示されているように、電池ユニット11のスイッチSW2だけをONし、それ以外のスイッチをOFFした状態とすることによって、電池パック112を充電することができる。
つづいて充電要求がある電池パック112が満充電まで充電されたか否かを判定し(図2BのステップS19)、満充電まで充電された場合には(図2BのステップS19でYes)、電池パック112の充電を終了する(図2BのステップS20)。つづいて負荷装置への放電が開始されたか否かを判定し(図2BのステップS21)、負荷装置への放電が開始された場合には(図2BのステップS21でYes)、ステップS1へ戻る。他方、負荷装置への放電が開始されていない場合には(図2BのステップS21でNo)、ステップS17へ戻り、電池パック112〜11nのいずれかに充電要求があるか否かを判定する。そして例えば図4Cに図示されているように、最終的に電池パック111〜11nが全て満充電状態となった時点で(図2BのステップS17でNo)、ステップS1戻り、充電制御の手順を終了する。
尚、上記説明した実施例では、電圧が学習ポイント電圧の優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値から優先電池の電池容量の値を推測して更新(記憶)する手順を例に説明したが、充電状態が満充電の優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値から優先電池の電池容量の値を推測して更新(記憶)しても良い。
4.作用効果
以上説明したように、電池パック111〜11nのいずれか一を優先電池に設定し、放電時には優先電池の放電を優先することによって、電池パック111〜11nの電圧が学習ポイント電圧まで低下する機会を増やすことができる。それによって電池パック111〜11nの電池容量を学習する機会を増やすことができる。したがって例えば長期間にわたって電池パック111〜11nの電池容量を学習する機会が得られず、記憶している電池容量が実際の電池容量と大きく異なる状態になってしまう虞を低減することができるので、電池パック111〜11nの電池容量を正確に特定することができる。そして電池パック111〜11nに対する優先電池の設定を順次変更することによって、電池パック111〜11nの全てについて電池容量を学習する機会を増やすことができるので、電池パック111〜11nの全てについて電池容量を正確に特定することができる。
このようにして本発明によれば、電池パック111〜11nが並列に接続された電池システム10において、電池パック111〜11nの電池容量を正確に特定することができる。
10 電池システム
11 電池ユニット
12 充電回路
13 放電回路
14 電圧測定回路
15 電流測定回路
16 制御装置
111〜11n 電池パック
SW1〜SWn スイッチ

Claims (7)

  1. 並列に接続された複数の二次電池と、
    前記複数の二次電池の充放電回路と、
    前記充放電回路を制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、
    前記優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、前記優先電池のみ放電を許可し、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池以外の二次電池の放電を許可し、
    前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電し、
    電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した前記優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶し、
    前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、電池システム。
  2. 請求項1に記載の電池システムにおいて、前記制御装置は、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶する度に、前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、電池システム。
  3. 請求項1又は2に記載の電池システムにおいて、前記制御装置は、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池のみ充電した後、前記優先電池以外の二次電池を充電する、電池システム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、前記制御装置は、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池の放電を禁止する、電池システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池システムにおいて、前記制御装置は、前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電した後、前記優先電池の充電を停止する、電池システム。
  6. 並列に接続された複数の二次電池と前記複数の二次電池の充放電回路とを備える電池システムの充放電制御をコンピュータに実行させる充放電制御プログラムであって、
    前記複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、
    前記優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、前記優先電池のみ放電を許可し、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池以外の二次電池の放電を許可し、
    前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電し、
    電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した前記優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶し、
    前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、制御を前記コンピュータに実行させる、充放電制御プログラム。
  7. 並列に接続された複数の二次電池のいずれか一を優先電池に設定し、
    前記優先電池の電圧が学習ポイント電圧まで低下するまでは、前記優先電池のみ放電を許可し、前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した後、前記優先電池以外の二次電池の放電を許可し、
    前記優先電池の充電状態が満充電になるまで前記優先電池を充電し、
    電圧が前記学習ポイント電圧まで低下した前記優先電池の充電状態が満充電になるまでの充電電力の積算値、又は充電状態が満充電の前記優先電池の電圧が前記学習ポイント電圧まで低下するまでの放電電力の積算値に基づいて、前記優先電池に設定した二次電池の電池容量を推測して記憶し、
    前記優先電池に設定する二次電池を順次変更する、充放電制御方法。
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