以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
先ず、図1等を参照し、本発明の第1実施形態に係るインクジェットプリンタ1の全体構成について説明する。
プリンタ1は、図1に示すように、筐体1a、記録モジュール50a〜50d、搬送部20、収容部3、受容部4、及び制御部100を含む。記録モジュール50a〜50d、搬送部20、収容部3、受容部4、及び制御部100は、筐体1a内に配置されている。
プリンタ1は、さらに、図2に示すように、装着部70及び4つの副タンク61a〜61dを含む。装着部70は、筐体1a内に設けられた、カートリッジ式の主タンク71が着脱可能な部分である。主タンク71は、インクを貯留するための主空間72を有する。4つの副タンク61a〜61dは、筐体1a内において、装着部70の下方に配置されており、主空間72から供給されたインクを貯留するための副空間62a〜62dをそれぞれ有する。
記録モジュール50a〜50dは、互いに同じ構成であり、それぞれヘッド51a〜51dを含む。ヘッド51a〜51dは、それぞれ、管85〜88及びポンプ59a〜59d(図2参照)を介して、副タンク61a〜61dと接続されている。制御部100の制御によってポンプ59a〜59dが駆動されることで、副空間62a〜62dに貯留されたインクが管85〜88を介してヘッド51a〜51dのそれぞれに供給される。
搬送部20は、上流搬送部21及び下流搬送部31を含む。上流搬送部21は、収容部3から記録モジュール50a〜50dの各モジュール内経路Ra〜Rdに向かって用紙Pが搬送される経路R1x〜R4xを形成している。下流搬送部31は、各モジュール内経路Ra〜Rdの下流端部から受容部4に向かって用紙Pが搬送される経路R1y〜R4yを形成している。
経路R1x,R2xは、収容部3から分岐位置A1まで互いに共通の部分を有し、分岐位置A1において分岐して、それぞれ互いに異なるモジュール内経路Ra,Rbに向かう。経路R2x,R3xは、収容部3から分岐位置A2まで互いに共通の部分を有し、分岐位置A2において分岐して、それぞれ互いに異なるモジュール内経路Rb,Rcに向かう。経路R3x,R4xは、収容部3から分岐位置A3まで互いに共通の部分を有し、分岐位置A3において分岐して、それぞれ互いに異なるモジュール内経路Rc,Rdに向かう。経路R1y,R2yは、それぞれ互いに異なるモジュール内経路Ra,Rbの下流端部から延在し、合流位置B1において合流して、合流位置B1から受容部4まで互いに共通の部分を有する。経路R2y,R3yは、それぞれ互いに異なるモジュール内経路Rb,Rcの下流端部から延在し、合流位置B2において合流して、合流位置B2から受容部4まで互いに共通の部分を有する。経路R3y,R4yは、それぞれ互いに異なるモジュール内経路Rc,Rdの下流端部から延在し、合流位置B3において合流して、合流位置B3から受容部4まで互いに共通の部分を有する。
上流搬送部21は、給紙ローラ22、ローラ対26a〜26d、ガイド23,25a〜25d、及び切換部28a〜28cを含む。下流搬送部31は、ローラ対36a〜36e及びガイド33,35a〜35dを含む。
給紙ローラ22は、収容部3内で最も上方にある用紙Pと接触する位置に配置されている。給紙ローラ22は、制御部100の制御によって給紙モータ22M(図4参照)が駆動されることで回転する。これにより、収容部3内で最も上方にある用紙Pが収容部3から送り出される。
各ローラ対26a〜26d,36a〜36eは、互いに接触する2つのローラを含み、用紙Pを当該2つのローラで挟持しつつ搬送するように構成されている。各ローラ対26a〜26dを構成する2つのローラの一方は、駆動ローラであり、制御部100の制御によって上流搬送モータ26M(図4参照)が駆動されることで回転する。各ローラ対36a〜36eを構成する2つのローラの一方は、駆動ローラであり、制御部100の制御によって下流搬送モータ36M(図4参照)が駆動されることで回転する。各ローラ対26a〜26d,36a〜36eを構成する2つのローラの他方は、従動ローラであり、駆動ローラの回転に伴い、駆動ローラと接触しながら駆動ローラと逆の方向に回転する。ローラ対26a〜26dの回転により、給紙ローラ22によって収容部3から送り出された用紙Pがモジュール内経路Ra〜Rdのいずれかに向けて搬送される。ローラ対36a〜36eの回転により、モジュール内経路Ra〜Rdから送り出された用紙Pが受容部4に向けて搬送される。
ガイド23,25a〜25d,33,35a〜35dは、それぞれ、経路R1x〜R4x,R1y〜R4yを画定するように構成されており、互いに間隙を介して離隔配置された一対の板を含む。
切換部28a〜28cは、それぞれ、揺動部材28a1〜28c1及び切換モータ28aM〜28cM(図4参照)を含む。揺動部材28a1〜28c1は、それぞれ、分岐位置A1〜A3に配置されており、筐体1aに形成されたピン1a4を中心として揺動可能であり、制御部100の制御により切換モータ28aM〜28cMが駆動されることで、図1に実線で示す第1位置と、図1に破線で示す第2位置とを取り得る。
揺動部材28a1が第1位置にあるとき、分岐位置A1において、経路R1xは開放され、経路R2xは閉塞される。したがって、収容部3から分岐位置A1まで搬送された用紙Pは、経路R1xに沿ってモジュール内経路Raに向けて搬送される。揺動部材28a1が第2位置にあるとき、分岐位置A1において、経路R1xは閉塞され、経路R2xは開放される。したがって、収容部3から分岐位置A1まで搬送された用紙Pは、経路R2xに沿ってモジュール内経路Rbに向けて搬送される。
揺動部材28b1が第1位置にあるとき、分岐位置A2において、経路R1x,R2xは開放され、経路R3xは閉塞される。したがって、収容部3から分岐位置A2まで搬送された用紙Pは、経路R1x,R2xの共通部分に沿って分岐位置A1に向けて搬送される。揺動部材28b1が第2位置にあるとき、分岐位置A2において、経路R1x,R2xは閉塞され、経路R3xは開放される。したがって、収容部3から分岐位置A2まで搬送された用紙Pは、経路R3xに沿ってモジュール内経路Rcに向けて搬送される。
揺動部材28c1が第1位置にあるとき、分岐位置A3において、経路R1x〜R3xは開放され、経路R4xは閉塞される。したがって、収容部3から分岐位置A3まで搬送された用紙Pは、経路R1x〜R3xの共通部分に沿って分岐位置A2に向けて搬送される。揺動部材28c1が第2位置にあるとき、分岐位置A3において、経路R1x〜R3xは閉塞され、経路R4xは開放される。したがって、収容部3から分岐位置A3まで搬送された用紙Pは、経路R4xに沿ってモジュール内経路Rdに向けて搬送される。
収容部3及び受容部4は、上面が開口したトレイからなり、筐体1aに対して副走査方向に着脱可能である。収容部3及び受容部4は、複数の用紙Pをそれぞれ収容及び受容可能であると共に、複数種類のサイズの用紙Pをそれぞれ収容及び受容である。
副走査方向は、水平面に平行で、かつ、経路R1x〜R4xの下流部分、モジュール内経路Ra〜Rd、及び経路R1y〜R4yの上流部分と平行な方向である。主走査方向は、水平面に平行で、かつ、副走査方向と直交する方向である。鉛直方向は、副走査方向及び主走査方向と直交する方向である。
制御部100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)100a、ROM(Read Only Memory)100b、RAM(Random Access Memory:不揮発性RAMを含む)100c、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、I/F(Interface)、I/O(Input/Output Port)等を含む。ROM100bは、CPU100aが実行するプログラム、各種固定データ等を記憶している。RAM100cは、プログラム実行時に必要なデータを一時的に記憶する。ASICは、画像データの書き換えや並び替え(例えば、信号処理や画像処理)を行う。I/Fは、外部装置(例えば、プリンタ1に接続されたPC)とのデータ送受信を行う。I/Oは、各種センサの検出信号の入力/出力を行う。
次いで、図3を参照し、記録モジュール50a〜50dについてより詳細に説明する。
各記録モジュール50a〜50dは、ヘッド51a〜51d、キャリッジ52、及び、個別搬送部53を含む。
各ヘッド51a〜51dは、シリアル型であり、略直方体形状を有し、キャリッジ52を介して筐体1aに支持されている。各ヘッド51a〜51dの上面は、キャリッジ52に固定されている。各ヘッド51a〜51dの下面は、複数の吐出口51xが開口した吐出面である。なお、図3では、説明のため、点線で描くべき吐出口51xを実線で描いている。
キャリッジ52は、キャリッジ移動部52xによって主走査方向に往復移動可能に構成されている。キャリッジ移動部52xは、ガイド52g1,52g2、プーリ52p1,52p2、ベルト52b、及び、キャリッジモータ52Mを含む。ガイド52g1,52g2は、鉛直方向から見て矩形の形状を有し、副走査方向に互いに離隔している。ガイド52g1,52g2は、対応するヘッド51a〜51dの上部を挟むと共に、キャリッジ52の副走査方向両端を主走査方向にスライド可能に支持している。プーリ52p1,52p2は、ガイド52g2の主走査方向一端及び他端にそれぞれ回転可能に支持されている。プーリ52p1,52p2は、直径が互いに同じであり、副走査方向に関して互いに同じ位置に配置されている。ベルト52bは、プーリ52p1,52p2に架け渡されたエンドレスベルトであり、プーリ52p1,52p2の回転に伴って走行する。キャリッジ52は、ベルト52bに固定されている。キャリッジモータ52Mは、鉛直方向に長尺な円柱形状を有し、ガイド52g2の下面に固定されている。キャリッジモータ52Mの回転軸は、プーリ52p1に取り付けられており、鉛直方向に延在している。プーリ52p1は、駆動プーリであり、制御部100の制御によってキャリッジモータ52Mが駆動されることで正逆回転する。これに伴い、ベルト52bが走行する。プーリ52p2は、従動プーリであり、ベルト52bの走行に伴って回転する。
このようなキャリッジ移動部52xの各部の動作に伴い、キャリッジ52が対応するヘッド51a〜51dを支持しつつ主走査方向に往復移動する。このとき、制御部100がヘッド51a〜51dを制御し、吐出口51xから所望タイミングでインクを吐出させることで、用紙Pに画像が記録される。
個別搬送部53は、用紙Pをモジュール内経路Ra〜Rdに沿って方向Dに間欠的に搬送するように構成されており、ローラ対53a,53b及び個別搬送モータ53M(図4参照)を含む。ローラ対53a,53bは、制御部100の制御によって個別搬送モータ53Mが駆動されることで回転する。これにより、用紙Pが方向Dに搬送される。方向Dは、副走査方向に平行で、かつ、モジュール内経路Ra〜Rdの上流から下流に向かう方向である。ローラ対53a,53bは、主走査方向に延在すると共に、副走査方向に関してヘッド51を挟んでいる。ローラ対53a,53bの間であって、吐出面と対向する位置に、プラテン54が配置されている。プラテン54の上面54aは、用紙Pを下方から支持する。吐出面と上面54aとの間には、記録に適した間隙が形成されている。ローラ対53a,53b及びプラテン54は、一対のフランジ56によって支持されている。一対のフランジ56は、副走査方向に延在すると共に、主走査方向に互いに離隔している。
制御部100は、個別搬送部53によって用紙Pを方向Dに間欠的に搬送させる間欠的搬送動作と、当該間欠的搬送動作の間の用紙Pの搬送停止期間にキャリッジ52を副走査方向に往復移動させつつ吐出口51xからインクを吐出させる走査動作とを行うように、記録モジュール50a〜50dのそれぞれを制御する。
次いで、図2を参照し、装着部70、主タンク71、及び副タンク61a〜61dについてより詳細に説明する。
装着部70に装着された主タンク71、及び、4つの副タンク61a〜61dは、鉛直方向から見て重複している。
装着部70は、主タンク71が配置される空間を画定する壁70aを有する。壁70aの底面及び上面から、それぞれ、管81,95の一端近傍が突出している。管81の一端(上端)の開口が主出口75に相当する。管95は、大気連通管である。主タンク71が装着部70に装着されるとき、各管81,95の一端近傍が主タンク71における主空間72を画定する壁を貫通する。これにより、主出口75が主空間72と連通し、かつ、主空間72が管95を介して大気と連通する。
装着部70には、センサ7が設けられている。センサ7は、主空間72内のインクの液面高さを示す信号を出力するように構成されており、主空間72内のインクの量が「0」(即ち、空)のときにON信号を出力し、それ以外のときにOFF信号を出力する。
4つの副タンク61a〜61dのうち、副タンク61aが最も上方に位置し、副タンク61bが上から2番目、副タンク61cが上から3番目、副タンク61dが最も下方に位置する。また、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給方向に関して、4つの副タンク61a〜61dのうち、副タンク61aが最も上流側に位置し、副タンク61bが2番目に上流側に位置し、副タンク61cが3番目に上流側に位置し、副タンク61dが最も下流側に位置する。以下、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給方向に関して「上流側」「下流側」を、それぞれ単に「上流側」「下流側」という。
副タンク61a〜61dは、管81〜84の配置態様を除き、略同じ構成である。
副タンク61a〜61dにおける副空間62a〜62dを画定する上壁には、それぞれ、当該副空間62a〜62dと大気とを連通させるための大気連通口63a〜63dが設けられている。
管81〜84は、鉛直方向に延在し、それぞれインク流路81x〜84xを画定している。管81は主タンク71と副タンク61aとを接続し、管82は副タンク61aと副タンク61bとを接続し、管83は副タンク61bと副タンク61cとを接続し、管84は副タンク61cと副タンク61dとを接続している。管81〜84の下端の開口が入口64a〜64d、管82〜84の上端の開口が出口65a〜65cに相当する。入口64a〜64dはそれぞれ副空間62a〜62dと連通し、出口65a〜65cはそれぞれ副空間62a〜62cと連通している。
インク流路81xは、主出口75から入口64aまで延在し、主空間72から副空間62aにインクが供給されるように構成されている。インク流路82xは、出口65aから入口64bまで延在し、副空間62aから副空間62bにインクが供給されるように構成されている。インク流路83xは、出口65bから入口64cまで延在し、副空間62bから副空間62cにインクが供給されるように構成されている。インク流路84xは、出口65cから入口64dまで延在し、副空間62cから副空間62dにインクが供給されるように構成されている。
インク流路81xには、バルブ90が設けられている。バルブ90は、開状態(主空間72と副空間62aとの連通を許可して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を実行させる供給状態)と、閉状態(上記連通を遮断して上記供給を停止させる停止状態)とを取り得るように構成されており、本発明の供給部に相当する。
副タンク61a〜61dにおける副空間62a〜62dを画定する下壁には、それぞれ、管85〜88の一端の開口である供給口67a〜67dが設けられている。管85〜88の他端の開口は、ヘッド51a〜51dにそれぞれ設けられている。管85〜88の途中部に、ポンプ59a〜59dがそれぞれ設けられている。管85〜88を介して、副空間62a〜62dと対応するヘッド51a〜51dの吐出口51xとが連通している。
供給口67aは、出口65aよりも下方に位置する。供給口67bは、出口65bよりも下方に位置する。供給口67cは、出口65cよりも下方に位置する。供給口67dは、開口66dよりも下方に位置する。出口65a〜65c及び開口66a〜66dは、それぞれ対応するヘッドとの水頭差が所定範囲内となる位置に配置されている。当該所定範囲は、ヘッドの吐出性能が適正に保たれる範囲である。
各副タンク61a〜61dに対して、センサ6a〜6dが設けられている。センサ6a〜6dは、それぞれ、副空間62a〜62d内のインクの液面高さを示す信号を出力するように構成されている。センサ6a〜6cの検知位置の高さは、それぞれ、出口65a〜65cの高さ(即ち、最大水位)と同じである。センサ6dの副タンク61dに対する検知位置の高さは、各センサ6a〜6cの各副タンク61a〜61dに対する検知位置の高さと同様である。換言すると、副空間62a〜62dの底部からセンサ6a〜6dの検知位置までの鉛直方向の距離は、互いに同じである。本実施形態では、センサ6dの検知位置の高さを、副タンク61dの最大水位とする。センサ6a〜6dは、それぞれ、副空間62a〜62d内のインクの液面高さが、検知位置の高さよりも下方(即ち、最大水位未満)のときにOFF信号、検知位置の高さ(即ち、最大水位)のときにON信号を出力する。
次いで、初期導入時の状況、及び、プリンタ使用中における主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給状況について、説明する。初期導入とは、空の状態にある副タンク61a〜61dに対する主タンク71からのインク供給をいう。
本実施形態では、副タンク61a〜61dが空の状態にあるときに主タンク71が装着部70に装着されると、初期導入が開始される。初期導入の開始時は、副空間62a〜62d内のインクの量は「0」であり、バルブ90は閉状態にある。後述のように、制御部100が、S4でセンサ6dからON信号が出力されていないと判断し(S4:NO)、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S5)と、主空間72に貯留されたインクがインク流路81xを介して副空間62aに流入する。そして、副空間62a内のインクの液面が出口65aの高さに達する。その後さらに副空間62aにインクが流入すると、副空間62a内のインクは、出口65aから流出し、インク流路82xを介して副空間62bに流入する。そして、副空間62b内のインクの液面が出口65bの高さに達する。その後さらに副空間62bにインクが流入すると、副空間62b内のインクは、出口65bから流出し、インク流路83xを介して副空間62cに流入する。そして、副空間62c内のインクの液面が出口65cの高さに達する。その後さらに副空間62cにインクが流入すると、副空間62c内のインクは、出口65cから流出し、インク流路84xを介して副空間62dに流入する。そして、副空間62d内のインクの液面が最大水位(センサ6dの検知位置)に達すると、後述のように制御部100がバルブ90を開状態から閉状態に切り換える(S10)ことで、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給が停止される。これにより、初期導入が完了する。
初期導入の完了時は、図2に示すように、副タンク61a〜61dが最大水位にある。副タンク61a〜61cの最大水位はそれぞれ出口65a〜65cの高さと同じであり、副タンク61dの最大水位はセンサ6dの検知位置の高さと同じである。
初期導入の後、プリンタ1が使用され、用紙Pへの記録に伴って副空間62a〜62d内のインクが消費されると、副空間62a〜62d内のインクの液面高さがそれぞれ最大水位未満になる場合がある。副空間62a〜62dの少なくともいずれかでインクの液面高さが最大水位未満になった場合、後述のように、制御部100が、対応するセンサ6a〜6dからON信号が出力されないことに伴い(S4,S13〜S15の少なくともいずれかでNOの場合)、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S5)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる。そして、後述のように、制御部100が、全ての副タンク61a〜61dが最大水位にあると判断した場合(S6〜S9の全てでYESの場合)に、バルブ90を開状態から閉状態に切り換える(S10)ことで、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給が停止される。
次いで、図5を参照し、制御部100が実行する制御内容について説明する。制御部100は、プリンタ1の電源がONの間、図5に示すルーチンを繰り返し実行する。当該ルーチンの開始時点において、バルブ90は閉状態にある。
制御部100は、先ず、主タンク71が装着部70に存在するか否かを判断する(S1)。S1の判断は、例えば、装着部70における主タンク71の有無を示す信号を出力するセンサからの信号に基づいて、行われてよい。或いは、S1の判断は、その他の任意の方法で(例えば、壁70aに設けられた電極と主タンク71の外面に設けられた電極とが接触することによる電気的導通に基づいて)行われてよい。
主タンク71が装着部70に存在しない場合(S1:NO)、制御部100は、S1の処理を繰り返す。主タンク71が装着部70に存在する場合(S1:YES)、制御部100は、センサ7からON信号が出力された(即ち、主タンク71が空)か否かを判断する(S2)。
センサ7からON信号が出力された場合(S2:YES)、即ち、主タンク71が空の場合、制御部100は、プリンタ1の出力手段(ディスプレイ、スピーカ等)により、主タンクの交換を示す報知を行う(S3)。S3の後、制御部100は、処理をS1に戻す。
センサ7からON信号が出力されていない場合(S2:NO)、即ち、主タンク71が空でない場合、制御部100は、センサ6dからON信号が出力された(即ち、副タンク61dが最大水位である)か否かを判断する(S4)。
センサ6dからON信号が出力されていない場合(S4:NO)、即ち、副タンク61dが最大水位未満の場合、制御部100は、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S5)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる。
S5の後、制御部100は、センサ6dからON信号が出力されたか否かを判断する(S6)。センサ6dからON信号が出力された場合(S6:YES)、制御部100は、センサ6aからON信号が出力された(即ち、副タンク61aが最大水位である)か否かを判断する(S7)。センサ6aからON信号が出力された場合(S7:YES)、制御部100は、センサ6bからON信号が出力された(即ち、副タンク61bが最大水位である)か否かを判断する(S8)。センサ6bからON信号が出力された場合(S8:YES)、制御部100は、センサ6cからON信号が出力された(即ち、副タンク61cが最大水位である)か否かを判断する(S9)。
センサ6cからON信号が出力された場合(S9:YES)、即ち、全ての副タンク61a〜61dが最大水位である場合、制御部100は、バルブ90を開状態から閉状態に切り換える(S10)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が停止される。S10の後、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
センサ6a〜6dの少なくともいずれかからON信号が出力されていない場合(S6〜S9の少なくともいずれかでNOの場合)、即ち、副タンク61a〜61dの少なくともいずれかが最大水位未満の場合、制御部100は、センサ7からON信号が出力されたか否かを判断する(S11)。
センサ7からON信号が出力された場合(S11:YES)、即ち、主タンク71が空の場合、制御部100は、プリンタ1の出力手段(ディスプレイ、スピーカ等)により、主タンクの交換を示す報知を行う(S3)。
センサ7からON信号が出力されていない場合(S11:NO)、即ち、主タンク71が空でない場合、制御部100は、処理をS6に戻す。
センサ6dからON信号が出力された場合(S4:YES)、即ち、副タンク61dが最大水位である場合、制御部100は、初期導入を行うか否かを判断する(S12)。例えば、制御部100は、プリンタ1において初めてS1で当該主タンク71が存在すると判断した後の最初のS12では、初期導入を行う(S12:YES)と判断し、S1で当該主タンク71が存在すると判断した後の2回目以降のS12では、初期導入を行わない(S12:NO)と判断する。或いは、制御部100は、その他の手段(例えば、主タンク71に設けられたメモリの記憶内容等)に基づいて、S12の判断を行ってもよい。
初期導入を行う場合(S12:YES)、制御部100は、ポンプ59a〜59dを制御して、パージを行う(S19)。パージは、ポンプ59a〜59dの駆動により、4つのヘッド51a〜51dに対してインクを強制的に圧送し、4つのヘッド51a〜51dの全ての吐出口51xから強制的にインクを排出させる動作をいう。これにより、各ヘッド51a〜51dの各吐出口14aにインクが導入される。S19の後、制御部100は、当該ルーチンを終了する。これは、初期導入時においては、上流側の副タンクから順に(即ち、副タンク61a〜61dの順に)インクが供給されるため、副タンク61dが最大水位であることが確認できれば(S4:YES)、副タンク61a〜61c内の水位を確認する処理(S13〜S15)を行わなくとも、全ての副タンク61a〜61dが最大水位であると判断できるからである。
初期導入を行わない場合(S12:NO)、制御部100は、センサ6aからON信号が出力されたか否かを判断する(S13)。センサ6aからON信号が出力された場合(S13:YES)、制御部100は、センサ6bからON信号が出力されたか否かを判断する(S14)。センサ6bからON信号が出力された場合(S14:YES)、制御部100は、センサ6cからON信号が出力されたか否かを判断する(S15)。
本実施形態において、記録モジュール50a〜50dは上から順に使用される。当該使用順序に基づいて、上流側の副タンクほどインク消費量が多い(即ち、副タンク61dよりも副タンク61cの方がインク消費量が多く、副タンク61cよりも副タンク61bの方がインク消費量が多く、副タンク61bよりも副タンク61aの方がインク消費量が多い)という情報が、ROM100bに記憶されている。制御部100は、ROM100bに記憶された当該情報に基づいて、S13〜S15のように副タンク61a〜61cについての判断を順次行う。
センサ6cからON信号が出力された場合(S15:YES)、即ち、全ての副タンク61a〜61dが最大水位である場合、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
センサ6a〜6cの少なくともいずれかからON信号が出力されていない場合(S13〜S15の少なくともいずれかでNOの場合)、即ち、副タンク61a〜61cの少なくともいずれかが最大水位未満の場合、制御部100は、処理をS5に移し、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S5)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる。
なお、本実施形態の構成要素と本発明で定義されている構成要素との対応関係は、以下のとおりである。即ち、ヘッド51aが本発明の第1ヘッドに相当し、ヘッド51dが本発明の第2ヘッドに相当し、ヘッド51b,51cが本発明の第3ヘッドに相当する。副タンク61aが本発明の上流副タンクに相当し、副タンク61dが本発明の下流副タンクに相当し、副タンク61b,61cが本発明の中間副タンクに相当する。副空間62aが本発明の上流副空間に相当し、副空間62dが本発明の下流副空間に相当し、副空間62b,62cが本発明の中間副空間に相当する。大気連通口63aが本発明の上流大気連通口に相当し、大気連通口63b,63cが本発明の中間大気連通口に相当し、大気連通口63dが本発明の下流大気連通口に相当する。インク流路81xが本発明の第1液体流路に相当し、インク流路82x〜84xが本発明の第2液体流路に相当する。入口64aが本発明の上流入口に相当し、入口64dが本発明の下流入口に相当し、入口64b,64cが本発明の中間入口に相当する。出口65aが本発明の上流出口に相当し、出口65b,65cが本発明の中間出口に相当する。センサ6aが本発明の上流センサに相当し、センサ6dが本発明の下流センサに相当し、センサ6b,6cが本発明の中間センサに相当する。バルブ90は、本発明の供給部に相当する。
以上に述べたように、本実施形態によると、初期導入時において、先ず、主空間72に貯留されたインクがインク流路81xを介して副空間62aに流入する。そして、副空間62a内のインクの液面が出口65aの高さに達する。その後さらに副空間62aにインクが流入すると、副空間62a内のインクは、出口65aから流出し、インク流路82xを介して副空間62bに流入する。そして、副空間62b内のインクの液面が出口65bの高さに達する。その後さらに副空間62bにインクが流入すると、副空間62b内のインクは、出口65bから流出し、インク流路83xを介して副空間62cに流入する。そして、副空間62c内のインクの液面が出口65cの高さに達する。その後さらに副空間62cにインクが流入すると、副空間62c内のインクは、出口65cから流出し、インク流路84xを介して副空間62dに流入する。そして、制御部100が、センサ6dから出力された信号に基づいて、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する第1判断処理(S6)を行い、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S6:YES)と判断した場合に、バルブ90を閉状態(主空間72と副空間62aとの連通を遮断して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を停止させる停止状態)とする停止処理(S10)を行うことにより、主タンク71からのインク供給が停止される。このように、本実施形態によれば、主タンク71と副タンク61a〜61dとの間でインクを循環させる構成ではなく、主タンク71から副タンク61a〜61dに順次インクを供給すると共にバルブ90を制御してインク供給を停止させる構成を採用している。これにより、インク流路81x〜84xを比較的短くすることができ、インク吐出性能の低下を抑制可能である。
また、初期導入時においては、上流側の副タンクから順に(即ち、副タンク61a〜61dの順に)インクが供給されるため、副タンク61dの液面高さを確認すれば、副タンク61a〜61cの液面高さを確認しなくとも、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給の完了の有無を判断できる(S4:YES→S12:YES→END)。本実施形態によれば、副タンク61dの液面高さを優先的に確認することで、不要な判断処理(副タンク61a〜61cの液面高さを確認する処理)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でない(S4:NO)と判断した場合に、バルブ90を開状態(主空間72と副空間62aとの連通を許可して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を実行させる供給状態)とする供給処理(S5)を行う。当該構成によれば、副タンク61dの液面高さを確認してから供給処理を行うことで、各副タンク61a〜61dへのインクの供給を精確に行うことができる。また、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S4:YES)場合には、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える処理(S5)を行わずに、当該ルーチンを終了することができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S4:YES)と判断した場合に、副空間62a内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する第2判断処理(S13)を行い、副空間62a内のインクの液面高さが最大水位でない(S13:NO)と判断した場合に、供給処理(S5)を行う。初期導入が行われた後の、プリンタ1使用中においては、対応するヘッドの駆動履歴によって各副タンク61a〜61dのインク消費量が異なり得るため、副タンク61dが最大水位であっても、副タンク61aが最大水位未満の場合があり得る。このような場合でも、上記構成によれば、副タンク61aにインクを補給することができる。
制御部100は、センサ6aから出力された信号に基づいて、第2判断処理(S13)を行う。当該構成によれば、センサ6aを用いることで、第2判断処理を精確に行うことができる。
プリンタ1は、ヘッド51b,51c及び副タンク61b,61cを有する。第2液体流路(副空間62aから副空間62dにインクが供給されるように構成された流路)は、上流流路及び下流流路(入口64bを中間入口と想定した場合は、インク流路82xが上流流路に相当し、インク流路83x,84xが下流流路に相当する。入口64cを中間入口と想定した場合は、インク流路82x,83xが上流流路に相当し、インク流路84xが下流流路に相当する。)を含む。当該構成によれば、3以上のヘッドを有する場合にも、主タンク71と副タンク61a〜61dとの間でインクを循環させる構成ではなく、主タンク71から副タンク61a〜61dに順次インクを供給すると共にバルブ90を制御してインク供給を停止させる構成を採用したことにより、インク流路81x〜84xを比較的短くすることができ、インク吐出性能の低下を抑制可能である。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S4:YES)と判断した場合に、副空間62b,62c内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する第3判断処理(S14,S15)を行い、副空間62b,62c内のインクの液面高さが最大水位でない(S14:NO,S15:NO)と判断した場合に、供給処理(S5)を行う。初期導入が行われた後の、プリンタ1使用中においては、対応するヘッドの駆動履歴によって各副タンク61a〜61dのインク消費量が異なり得るため、副タンク61dが最大水位であっても、副タンク61b,61cが最大水位未満の場合があり得る。このような場合でも、上記構成によれば、副タンク61b,61cにインクを補給することができる。
制御部100は、ROM100bに記憶された副タンク61a〜61cのインク消費量を示す情報に基づいて、第2判断処理(S13)及び第3判断処理(S14,S15)のうちインク消費量が多い方の副タンクに対応する処理を先に行う。具体的には、副タンク61b,61cよりもインク消費量が多いと推定される副タンク61aに対応する処理(S13)を先に行い、その後、副タンク61cよりもインク消費量が多いと推定される副タンク61bに対応する処理(S14)を行い、その後、副タンク61cに対応する処理(S15)を行う。当該構成によれば、インク消費量が多い(即ち、先に所定水位未満になり易い)副タンクの液面高さを優先的に確認することで、不要な判断処理(インク消費量が少ない方の副タンクの液面高さを確認する処理)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
制御部100は、センサ6b,6cから出力された信号に基づいて、第3判断処理(S14,S15)を行う。当該構成によれば、センサ6b,6cを用いることで、第3判断処理を精確に行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S4:YES)と判断した場合に、第2判断処理(S13)の前に、初期導入を行うか否かを判断する初期導入判断処理(S12)を行い、初期導入を行わない(S12:NO)と判断した場合に第2判断処理(S13)を行い、初期導入を行う(S12:YES)と判断した場合に第2判断処理(S13)を行わない。初期導入時においては、上流側の副タンクから順に(即ち、副タンク61a〜61dの順に)インクが供給されるため、副タンク61dの液面高さを確認すれば、副タンク61a〜61cの液面高さを確認しなくとも、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給の完了の有無を判断できる。上記構成によれば、初期導入を行う場合は、不要な判断処理(第2判断処理:S13)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
インク流路81xに設けられたバルブ90を、本発明の供給部として用いている。当該構成によれば、供給部の制御が容易である。つまり、バルブ90の開閉を切り換えるだけで、供給処理(S5)及び停止処理(S10)を実現可能である。
続いて、図6を参照し、本発明の第2実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。
第2実施形態に係るプリンタは、センサ6a〜6cを省略した点及び制御部100による制御内容を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同様の構成を有する。第2実施形態において、制御部100は、プリンタ1の電源がONの間、図6に示すルーチンを繰り返し実行する。当該ルーチンの開始時点において、バルブ90は閉状態にある。
制御部100は、先ず、S1〜S4のそれぞれと同じ処理S21〜S24を行う。センサ6dからON信号が出力されていない場合(S24:NO)、即ち、副タンク61dが最大水位未満の場合、制御部100は、S24:NOの判断をした後所定時間が経過したか否かを判断する(S25)。所定時間が経過した場合(S25:YES)、制御部100は、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S26)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる。
S26の後、制御部100は、センサ6dからON信号が出力されたか否かを判断する(S27)。
センサ6dからON信号が出力された場合(S27:YES)、即ち、副タンク61dが最大水位の場合、制御部100は、バルブ90を開状態から閉状態に切り換える(S28)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が停止される。S28の後、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
センサ6dからON信号が出力されていない場合(S27:NO)、即ち、副タンク61dが最大水位未満の場合、制御部100は、センサ7からON信号が出力された(即ち、主タンク71が空)か否かを判断する(S29)。
センサ7からON信号が出力された場合(S29:YES)、即ち、主タンク71が空の場合、制御部100は、プリンタ1の出力手段(ディスプレイ、スピーカ等)により、主タンクの交換を示す報知を行う(S23)。
センサ7からON信号が出力されていない場合(S29:NO)、即ち、主タンク71が空でない場合、制御部100は、処理をS27に戻す。
センサ6dからON信号が出力された場合(S24:YES)、即ち、副タンク61dが最大水位の場合、制御部100は、S12と同様に、初期導入を行うか否かを判断する(S30)。初期導入を行う場合(S30:YES)、制御部100は、S19と同様のパージに係る制御(S39)を行った後、当該ルーチンを終了する。
初期導入を行わない場合(S30:NO)、又は、S24:NOの判断をした後所定時間が経過していない場合(S25:NO)、制御部100は、副タンク61aについて、インクの「消費量」が「最大量」未満か否かを判断する(S31)。「消費量」は、直近のS28でバルブ90が開状態から閉状態に切り換えられた時点からカウントされた、ヘッド51aの駆動履歴を示す情報(ヘッド51aの吐出口14aから吐出されたインクの量に関する情報、又は、ヘッド51aによって記録が行われた用紙Pの数に関する情報)に基づいて算出される。当該情報は、RAM100cに記憶されている。「最大量」は、当該副タンクに貯留可能なインクの最大量であり、当該値はROM100bに記憶されている。
副タンク61aについて、インクの「消費量」が「最大量」未満の場合(S31:YES)、制御部100は、副タンク61bについて、インクの「消費量」が「最大量」未満か否かを判断する(S32)。副タンク61bについて、インクの「消費量」が「最大量」未満の場合(S32:YES)、制御部100は、副タンク61cについて、インクの「消費量」が「最大量」未満か否かを判断する(S33)。
本実施形態においても、記録モジュール50a〜50dは上から順に使用される。当該使用順序に基づいて、上流側の副タンクほどインク消費量が多い(即ち、副タンク61dよりも副タンク61cの方がインク消費量が多く、副タンク61cよりも副タンク61bの方がインク消費量が多く、副タンク61bよりも副タンク61aの方がインク消費量が多い)という情報が、ROM100bに記憶されている。制御部100は、ROM100bに記憶された当該情報に基づいて、S31〜S33のように副タンク61a〜61cについての判断を順次行う。
副タンク61cについて、インクの「消費量」が「最大量」未満の場合(S33:YES)、即ち、いずれの副タンク61a〜61cも空でない場合、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
副タンク61a〜61cの少なくともいずれかについて、インクの「消費量」が「最大量」未満でない場合(S31〜S33の少なくともいずれかでNOの場合)、即ち、副タンク61a〜61cの少なくともいずれかが空の場合、制御部100は、センサ6dからON信号が出力された(即ち、副タンク61dが最大水位である)か否かを判断する(S34)。
センサ6dからON信号が出力されていない場合(S34:NO)、即ち、副タンク61dが最大水位未満の場合、制御部100は、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S26)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる。
センサ6dからON信号が出力された場合(S34:YES)、制御部100は、「供給量」(主空間72から副空間62a〜62dに供給すべきインクの量)を算出する(S35)。S35において、制御部100は、例えば、直近のS31〜S33の少なくともいずれかで算出された「消費量」の平均値(S31:NOでS34に移った場合は、S31で算出された「消費量」)に4(副タンク61a〜61dの数)を乗じた値を、「供給量」として算出してよい。
S35の後、制御部100は、S35で算出した「供給量」に基づいて、バルブ90を開状態に維持すべき時間を決定する(S36)。
S36の後、制御部100は、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S37)。S37の後、制御部100は、S37でバルブ90を閉状態から開状態に切り換えてから、S36で決定した時間が経過したか否かを判断する(S38)。所定時間が経過していない場合(S38:NO)、制御部100は、S38の処理を繰り返す。所定時間が経過した場合(S38:YES)、制御部100は、バルブ90を開状態から閉状態に切り換える(S28)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が停止される。
以上に述べたように、本実施形態によると、制御部100が、センサ6dから出力された信号に基づいて、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する第1判断処理(S27)を行い、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S27:YES)と判断した場合に、バルブ90を閉状態(主空間72と副空間62aとの連通を遮断して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を停止させる停止状態)とする停止処理(S28)を行うことにより、主タンク71からのインク供給が停止される。このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、主タンク71と副タンク61a〜61dとの間でインクを循環させる構成ではなく、主タンク71から副タンク61a〜61dに順次インクを供給すると共にバルブ90を制御してインク供給を停止させる構成を採用している。これにより、インク流路81x〜84xを比較的短くすることができ、インク吐出性能の低下を抑制可能である。
また、初期導入時においては、上流側の副タンクから順に(即ち、副タンク61a〜61dの順に)インクが供給されるため、副タンク61dの液面高さを確認すれば、副タンク61a〜61cの液面高さを確認しなくとも、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給の完了の有無を判断できる(S24:YES→S30:YES→END)。本実施形態によれば、副タンク61dの液面高さを優先的に確認することで、不要な判断処理(副タンク61a〜61cの液面高さを確認する処理)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でない(S24:NO)と判断した場合に、バルブ90を開状態(主空間72と副空間62aとの連通を許可して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を実行させる供給状態)とする供給処理(S26)を行う。当該構成によれば、副タンク61dの液面高さを確認してから供給処理を行うことで、各副タンク61a〜61dへのインクの供給を精確に行うことができる。また、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S24:YES)場合には、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える処理(S26)を行わずに、当該ルーチンを終了することができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でない(S24:NO)と判断した後、所定時間経過後に(S25:YES)、供給処理(S26)を行う。当該構成によれば、副タンク61dが最大水位でない(S24:NO)と判断した後直ぐに供給処理(S26)を行う場合に比べ、バルブ90の状態の切り換え処理の頻度を少なくできるので、バルブ90の劣化を抑制することができる。
なお、制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でない(S24:NO)と判断した後、S25において、「S24:NOの判断をした後、所定時間が経過したか否か」を判断する代わりに、「S24:NOの判断をした後、ヘッド51a〜51cの駆動履歴が所定値に達したか否か(例えば、ヘッド51a〜51cの吐出口14aから吐出されたインクの量が所定量に達したか否か、ヘッド51a〜51cによって記録が行われた用紙Pの数が所定数に達したか否か、等)」を判断し、ヘッド51a〜51cの駆動履歴が所定値に達した後に(S25:YES)、供給処理(S26)を行ってよい。この場合でも、上記と同様、バルブ90の劣化を抑制するという効果が得られる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S24:YES)と判断した場合に、副空間62a内のインクの液面高さが最小水位以上か否か(即ち、副タンク61aが空か否か)を判断する第2判断処理(S31)を行い、副空間62a内のインクの液面高さが最小水位以上でない(即ち、副タンク61aが空)(S31:NO)と判断した場合に、バルブ90を開状態(主空間72と副空間62aとの連通を許可して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を実行させる供給状態)とする供給処理(S37)を行う。初期導入が行われた後の、プリンタ1使用中においては、対応するヘッドの駆動履歴によって各副タンク61a〜61dのインク消費量が異なり得るため、副タンク61dが最大水位であっても、副タンク61aが所定水位未満の場合があり得る。このような場合でも、上記構成によれば、副タンク61aにインクを補給することができる。
制御部100は、ヘッド51aの駆動履歴を示す情報に基づいて、第2判断処理(S31)を行う。当該構成によれば、第2判断処理において上流センサが不要であることから、上流センサを省略可能である。
上記駆動履歴を示す情報が、ヘッド51aの吐出口14aから吐出されたインクの量に関する情報を含む場合や、ヘッド51aによって記録が行われた用紙Pの数に関する情報を含む場合、第2判断処理(S31)を精確に行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でない(S24:NO)と判断した後、所定時間経過前に(S25:NO)、第2判断処理(S31)を行う。当該構成によれば、副タンク61aが空の場合に当副タンク61aに速やかにインクを補給することができる。
制御部100は、副空間62a内のインクの液面高さが最小水位以上でない(即ち、副タンク61aが空)(S31:NO)と判断した場合に、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する第1判断処理(S34)を行う。当該構成によれば、副タンク61dが最大水位未満(S24:NO)と判断された後副タンク61aが所定水位未満(S31:NO)と判断された場合に、再び第1判断処理(S34)を行う(副空間62d内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する)。そして、第1判断処理において、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位未満の場合、センサ6dからの出力に基づいて、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位以上となるまで、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる(S26→S27:YES→S28)。このように、センサ6dからの出力に基づいてインクの供給を行うことで、算出された供給量に基づいてインクの供給を行う場合と比較して、確実なインク供給を実現することができる。
制御部100は、副空間62a内のインクの液面高さが最小水位以上でない(即ち、副タンク61aが空)(S31:NO)と判断した場合に、供給処理(S37)の前に、主空間72から副空間62a〜62dに供給すべきインクの量を算出する算出処理(S35)を行い、S35の後、S35において算出された量に基づいて、供給処理(S37)を行う。当該構成によれば、供給処理(S37)を精確に行うことができる。
制御部100は、算出処理(S35)の後、供給処理(S37)の前に、S35において算出された量に基づいて、バルブ90を開状態に維持すべき時間を決定する時間決定処理(S36)を行い、S36の後、S36において決定された時間に基づいて(S38参照)、供給処理(S37)を行う。当該構成によれば、供給処理(S37)を精確に行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S24:YES)と判断した場合に、副空間62b,62c内のインクの液面高さが最小水位以上か否か(即ち、副タンク61b,61cが空か否か)を判断する第3判断処理(S32,S33)を行い、副空間62b,62c内のインクの液面高さが最小水位以上でない(即ち、副タンク61b,61cが空)(S32:NO,S33:NO)と判断した場合に、供給処理(S37)を行う。初期導入が行われた後の、プリンタ1使用中においては、対応するヘッドの駆動履歴によって各副タンク61a〜61dのインク消費量が異なり得るため、副タンク61dが最大水位であっても、副タンク61b,61cが所定水位未満の場合があり得る。このような場合でも、上記構成によれば、副タンク61b,61cにインクを補給することができる。
制御部100は、ROM100bに記憶された副タンク61a〜61cのインク消費量を示す情報に基づいて、第2判断処理(S31)及び第3判断処理(S32,S33)のうちインク消費量が多い方の副タンクに対応する処理を先に行う。具体的には、副タンク61b,61cよりもインク消費量が多いと推定される副タンク61aに対応する処理(S31)を先に行い、その後、副タンク61cよりもインク消費量が多いと推定される副タンク61bに対応する処理(S32)を行い、その後、副タンク61cに対応する処理(S33)を行う。当該構成によれば、インク消費量が多い(即ち、先に所定水位未満になり易い)副タンクの液面高さを優先的に確認することで、不要な判断処理(インク消費量が少ない方の副タンクの液面高さを確認する処理)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S24:YES)と判断した場合に、第2判断処理(S31)の前に、初期導入を行うか否かを判断する初期導入判断処理(S30)を行い、初期導入を行わない(S30:NO)と判断した場合に第2判断処理(S31)を行い、初期導入を行う(S30:YES)と判断した場合に第2判断処理(S31)を行わない。初期導入時においては、上流側の副タンクから順に(即ち、副タンク61a〜61dの順に)インクが供給されるため、副タンク61dの液面高さを確認すれば、副タンク61a〜61cの液面高さを確認しなくとも、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給の完了の有無を判断できる。上記構成によれば、初期導入を行う場合は、不要な判断処理(第2判断処理:S31)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
その他、第2実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
続いて、図7を参照し、本発明の第3実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。
第3実施形態に係るプリンタは、センサ6a〜6cを省略した点及び制御部100による制御内容を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同様の構成を有する。第3実施形態において、制御部100は、プリンタ1の電源がONの間、図7に示すルーチンを繰り返し実行する。当該ルーチンの開始時点において、バルブ90は閉状態にある。
制御部100は、先ず、S1〜S4のそれぞれと同じ処理S41〜S44を行う。
センサ6dからON信号が出力された場合(S44:YES)、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
センサ6dからON信号が出力されていない場合(S44:NO)、即ち、副タンク61dが最大水位未満の場合、制御部100は、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える(S45)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が行われる。
S45の後、制御部100は、センサ6dからON信号が出力されたか否かを判断する(S46)。
センサ6dからON信号が出力された場合(S46:YES)、即ち、副タンク61dが最大水位の場合、制御部100は、バルブ90を開状態から閉状態に切り換える(S47)。これにより、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給が停止される。S47の後、制御部100は、当該ルーチンを終了する。
センサ6dからON信号が出力されていない場合(S46:NO)、即ち、副タンク61dが最大水位未満の場合、制御部100は、センサ7からON信号が出力された(即ち、主タンク71が空)か否かを判断する(S48)。
センサ7からON信号が出力された場合(S48:YES)、即ち、主タンク71が空の場合、制御部100は、プリンタ1の出力手段(ディスプレイ、スピーカ等)により、主タンクの交換を示す報知を行う(S43)。
センサ7からON信号が出力されていない場合(S48:NO)、即ち、主タンク71が空でない場合、制御部100は、処理をS46に戻す。
以上に述べたように、本実施形態によると、制御部100が、センサ6dから出力された信号に基づいて、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位か否かを判断する第1判断処理(S46)を行い、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S46:YES)と判断した場合に、バルブ90を閉状態(主空間72と副空間62aとの連通を遮断して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を停止させる停止状態)とする停止処理(S47)を行うことにより、主タンク71からのインク供給が停止される。このように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、主タンク71と副タンク61a〜61dとの間でインクを循環させる構成ではなく、主タンク71から副タンク61a〜61dに順次インクを供給すると共にバルブ90を制御してインク供給を停止させる構成を採用している。これにより、インク流路81x〜84xを比較的短くすることができ、インク吐出性能の低下を抑制可能である。
また、初期導入時においては、上流側の副タンクから順に(即ち、副タンク61a〜61dの順に)インクが供給されるため、副タンク61dの液面高さを確認すれば、副タンク61a〜61cの液面高さを確認しなくとも、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインク供給の完了の有無を判断できる(S44:YES→END)。本実施形態によれば、副タンク61dの液面高さを優先的に確認することで、不要な判断処理(副タンク61a〜61cの液面高さを確認する処理)を省略し、速やかにインク供給を行うことができる。
制御部100は、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でない(S44:NO)と判断した場合に、バルブ90を開状態(主空間72と副空間62aとの連通を許可して、主タンク71から副タンク61a〜61dへのインクの供給を実行させる供給状態)とする供給処理(S45)を行う。当該構成によれば、副タンク61dの液面高さを確認してから供給処理を行うことで、各副タンク61a〜61dへのインクの供給を精確に行うことができる。また、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位である(S44:YES)場合には、バルブ90を閉状態から開状態に切り換える処理(S45)を行わずに、当該ルーチンを終了することができる。また、本実施形態において、記録モジュール50a〜50dは上から順に使用される。このため、記録モジュール50a〜50cが使用されて、記録モジュール50dだけが全く使用されない状況が、副空間62a〜62c内のインクが空になるまで続くとは想定し難い。つまり、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位でなく、副空間62dにインクを供給すべき時には、副空間62a〜62c内のインクの液面高さも最大水位でなく、副空間62a〜62cにもインクを供給すべきと想定することができる。また、副空間62d内のインクの液面高さが最大水位以上であり、副空間62dにインクを供給する必要がない時には、副空間62a〜62c内のインクの液面高さも最大水位以上であり、副空間62a〜62cにもインクを供給する必要がないと想定することができる。このため、副タンク61dの液面高さを確認してから供給処理を行うことで、副タンク61a〜61cの液面高さを確認する処理を省略することができる。
その他、第3実施形態によれば、第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
続いて、図8を参照し、本発明の第4実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。
第4実施形態に係るプリンタは、装着部及び副タンク等の構成を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同様の構成を有する。図8では、第1実施形態と同じ構成要素に同一の符号を付している。
第4実施形態では、装着部70に装着された主タンク71と4つの副タンク61a〜61dとが、鉛直方向に関して重複する位置にあり、水平方向に並んで配置されている。副タンク61a〜61dは、互いに分離しておらず、一体に形成されている。各管81〜84は、鉛直方向ではなく水平方向に延在している。管81〜84は、鉛直方向に関して互いに異なる位置にあり、下流にあるものほど下方に位置している。鉛直方向に関して、主出口75及び入口64aが互いに同じ位置にあり、出口65a及び入口64bが互いに同じ位置にあり、出口65b及び入口64cが互いに同じ位置にあり、出口65c及び入口64dが互いに同じ位置にある。
第4実施形態においても、第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
続いて、図9及び図10を参照し、本発明の第5実施形態に係るインクジェットプリンタ501について説明する。
第5実施形態に係るプリンタ501は、記録モジュールの数、経路の構成、及び副タンクの数を除き、第1実施形態に係るプリンタ1と同様の構成を有する。図9及び図10では、第1実施形態と同じ構成要素に同一の符号を付している。
プリンタ501は、2つの記録モジュール50a,50dを含む。これに伴い、本実施形態では、筐体1a内に、4つの副タンク61a〜61dではなく、2つの副タンク61a,61dが設けられている。つまり、本実施形態では、第1実施形態の4つの記録モジュール50a〜50dのうち鉛直方向の中央に位置する2つの記録モジュール50b,50cが省略され、第1実施形態の4つの副タンク61a〜61dのうち鉛直方向の中央に位置する2つの副タンク61b,61c(中間副タンク)が省略されている。上流搬送部21は、収容部3から記録モジュール50a,50dの各モジュール内経路Ra,Rdに向かって用紙Pが搬送される、2つの経路R1x,R4xを形成している。下流搬送部31は、各モジュール内経路Ra,Rdの下流端部から受容部4に向かって用紙Pが搬送される、2つの経路R1y,R4yを形成している。また、副タンク61b,61cが省略されたことに伴い、管82,83が省略され、かつ、管84の代わりに管584が設けられている。管584は、第2液体流路に相当するインク流路584xを画定している。
第5実施形態においても、第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
続いて、図11を参照し、本発明の第6実施形態に係るインクジェットプリンタについて説明する。
第6実施形態に係るプリンタは、主タンク71が、装着部70に対して着脱可能ではなく(即ち、カートリッジ式ではなく)、副タンク61a〜61dと同様に、筐体1a内に備え付けられている点を除き、第1実施形態に係るプリンタと同様の構成を有する。図11では、第1実施形態と同じ構成要素に同一の符号を付している。
第1実施形態では、副タンク61a〜61dが空の状態にあるときに、主タンク71が装着部70に装着されると、初期導入が開始される。一方、第6実施形態では、副タンク61a〜61dが空の状態にあるときに、空の主タンク71に対してインクが補充されると、初期導入が開始される。主タンク71に対するインクの補充は、主タンク71に設けられたインク補充孔からユーザがインクを注入すること、筐体1aに対して着脱可能に装着されたインクカートリッジから制御部100の制御によって主タンク71にインクを供給すること、等によって実現されてよい。
第6実施形態においても、第1実施形態と同様の構成により、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な変更が可能なものである。
・本発明の第1観点に係る液体吐出装置は、装着部に主タンクが装着されていない状態であってもよい。また、本発明の第1観点及び第2観点に係る液体吐出装置は、主空間及び/又は副空間に液体が存在しない状態であってもよい。
・液体は、インクに限定されず、インク中の成分を凝集又は析出させる処理液等、任意の液体であってよい。
・本発明は、シリアル方式に限定されず、ライン方式にも適用可能である。
・本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリやコピー機等にも適用可能である。
・ヘッドの数は、複数である限り、任意である。
・副タンクの数は、複数である限り、任意である。
・複数の副タンクは、互いに分離していることに限定されず、一体に形成されてもよい。
・複数の副タンクは、鉛直方向から見て完全に重複する位置に配置されることに限定されず、鉛直方向から見て、部分的に重複する位置、互いに隣接する位置、互いに離隔した位置、等に配置されてもよい。
・主タンク及び複数の副タンクの鉛直方向の位置関係は、任意である。例えば、主タンクと複数の副タンクのうちのいずれか又は全てとが鉛直方向に関して重複してもよいし、複数の副タンクが鉛直方向に関して重複してもよいし、主タンクが複数の副タンクのうちのいずれか又は全てよりも下方にあってもよい。液体の自重による供給形態が実現されない場合は、ポンプ等の駆動源を設ければよい。
・主出口は、任意の位置に設けられてよいが、主空間に貯留された液体を使い切る観点においては、第1〜第5実施形態では装着部における主タンクが配置される空間を画定する壁の底面に設けられることが好ましく、第6実施形態では主タンクの底面に設けられることが好ましい。
・管81,95の一端近傍は、壁70aから突出した突出位置に固定されていてもよいし、壁70a内に退避した退避位置に固定されていてもよい。管81,95の一端近傍が退避位置に固定されている場合には、主タンク71における各管81,95と連結される連結部分が、主タンク71の外壁から突出していてもよい。或いは、管81,95の一端近傍は、突出位置と壁70a内に退避した退避位置とを取り得るように構成されており、主タンク71が装着部70に装着されたことを制御部100が検知した後に、制御部100の制御により退避位置から突出位置に移動してもよい。また、管81,95の一端近傍の全てが、壁70aの底面、側面、及び上面のうちのいずれか1つの面に取り付けられていてもよい。
・供給部は、上述の各実施形態では第1液体流路に設けられたバルブを含むが、これに限定されない。例えば、供給部は、第1液体流路に設けられたポンプ、主空間と大気とを連通させる流路(例えば、管95内の流路)に設けられたバルブ、主空間に圧力を印加するポンプ等を含んでもよい。
・下流センサは、上述の各実施形態において、液面高さが最大水位に達したことを検知するように構成されているが、これに限定されず、例えば、液面高さが最大水位よりも下方の水位に達したことを検知するように構成されてもよい。この場合、制御部は、当該検知の後直ぐに、又は、当該検知の後所定時間が経過したとき(液面高さが最大水位に達したと推測されるとき)に、停止処理を行ってよい。
・上流センサ及び中間センサは、第1実施形態において、液面高さが最大水位に達したことを検知するように構成されているが、これに限定されず、例えば、液面高さが最大水位よりも下方の水位に達したことを検知するように構成されてもよい。
・上流センサ及び中間センサのいずれか又は両方を省略してもよい。
・第1所定水位は、最大水位に限定されず、最大水位よりも下方の水位であってもよい。
・第2所定水位及び第3所定水位は、最大水位に限定されず、最大水位よりも下方の水位であってもよい。
・制御部は、第1実施形態において、S4とS5の間に、S4:NOの判断をした後所定時間が経過したか否かを判断する処理(S25と同様の処理)を行い、S4:NOの判断をした後所定時間経過前に、第2判断処理(S13)を行ってもよい。
・制御部は、第1実施形態において、S13〜S15のいずれかでNOの後、S5の前に、算出処理を行い、算出処理において算出された量に基づいて、供給処理(S5)を行ってもよい。
・制御部は、第1実施形態において、S13〜S15のいずれかでNOの後、S5の前に、算出処理を行い、さらに、時間決定処理を行ってもよい。
・算出処理は、ヘッドの駆動履歴に基づいて行われることに限定されず、例えば各副タンクに設けられた残量センサからの信号に基づいて行われてもよい。また、算出処理において算出される「供給量」は、「消費量」の平均値でなくてもよい。例えば、各副タンク61a〜61dにおいて算出された「消費量」の総和としてもよい。
・制御部は、第1及び第2実施形態において、上流側の副タンクほど液体消費量が多いという情報に基づいて、第2判断処理及び第3判断処理のいずれを先に行うかを決定する(上流側の副タンクの液面高さを優先的に確認する)が、これに限定されない。例えば、制御部は、下流側の副タンクほど液体消費量が多いという情報に基づいて、下流側の副タンクの液面高さを優先的に確認してもよい。或いは、制御部は、ヘッドの駆動履歴又は各副タンクに設けられた残量センサに基づいて液体消費量を算出し、当該算出結果に基づいて、第2判断処理及び第3判断処理のいずれを先に行うかを決定してもよい。
・制御部は、上記ルーチンの開始時点において供給部が供給状態(バルブ90が開状態)であり、第1判断処理の前に、供給処理を行ってもよい。