JP2002254668A - 液体計量分配装置及び方法 - Google Patents

液体計量分配装置及び方法

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JP2002254668A
JP2002254668A JP2001055556A JP2001055556A JP2002254668A JP 2002254668 A JP2002254668 A JP 2002254668A JP 2001055556 A JP2001055556 A JP 2001055556A JP 2001055556 A JP2001055556 A JP 2001055556A JP 2002254668 A JP2002254668 A JP 2002254668A
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Katsushi Kato
勝志 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃淡インク数を増やし、幅広い階調領域で滑
らかで正確な濃度表現の画像出力が可能であるインクジ
ェット記録装置のための液体(インク)計量分配装置を
提供する。 【解決手段】 本発明の液体計量分配装置は、液体を貯
留する主貯留槽と、貯留空間の水平断面積が一定で、液
体貯留量を可変とする可変手段を有する液体計量貯留容
器と、前記主貯留槽から前記液体計量貯留容器に液体を
供給する液体供給管と、大気に連通し前記液体計量貯留
容器に空気を供給する空気導入管と、前記液体計量貯留
容器に供給される流体を選択する供給選択手段と、前記
液体計量貯留容器から液体を排出する排出管と、前記排
出管に連結される吸引ポンプとを備えている。さらに、
前記排出管は、分配先選択手段を介して複数の分配供給
管に接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体計量分配装置
及び方法に関する。より詳細には、本発明は、複数種類
のインクを吐出する複数のヘッドを用いて記録媒体にイ
ンクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置にお
いて、使用するインクを調合する際のインク原液の計量
を行うインク計量分配装置及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置において、プリ
ント速度の向上等のために、複数のインク吐出口を集積
配列した記録ヘッドを用いるもの、また、カラー対応と
してそのような記録ヘッドを複数個備えたものが多くあ
る。
【0003】このようなインクジェット記録装置におい
ては、印字面への記録方式がインク吐出の有無による二
値表現であり、例えば、階調性に富んだ濃淡画像を表現
する場合には、疑似中間調方式を利用した種々の手法が
採られている。画像表現画素単位を1画素から複数画素
にその比率を変えて描画表現する面積階調法や、濃度閾
値マトリックスに対する画素データの大小比較によるデ
ィザ方式、その誤差を周辺データに散りばめる誤差拡散
方式等が代表的な例として挙げられる。
【0004】ところで、この疑似中間調処理を用いる場
合においても、さらに高画質画像を出力するために、記
録媒体の同一位置にインクを多重打ちして階調を表現す
るいわゆるマルチドロップ方式や、同系色で濃度の異な
るインクを用いて階調を表現する多階調インク方式等が
提案されている。
【0005】この多階調インク方式を採用する場合、同
系色毎に濃度の異なるインクを用意する必要がある。例
えば、カラー画像記録においては、シアン、マゼンダ、
イエロー、ブラックの4色を原色として描画するのであ
るが、よりきめ細かい濃淡を表現する写真調の高画質を
得るためには、少なくともシアンとマゼンダの2色は濃
淡2種類のインクを用意するのがよい。よって、最低で
も6種類、場合によってはそれ以上の種類のインクを用
意することになる。
【0006】このような傾向は、単純X線撮影、コンピ
ュータ断層撮影(CT)、血管造影法(Angiograph
y)、ディジタル消去血管造影法(DSA)、超音波断
層法、磁気共鳴像(MRI)、陽電子放射断層撮影法
(PET)等の医療用画像をプリント出力する場合にも
同様である。
【0007】診断の基礎となる医療用画像は、モノクロ
濃淡画像であり、透過フィルムに描画される診断画像
は、CT、MRI画像の読影作業に必要とされる透過光
学濃度3.0程度までの濃淡域を、濃度階調数256階
調程度に階調分割して描画することが要求されている。
単純X線撮影画像診断では、さらに精細な階調表現が必
要とされ、4096階調程度の高階調表現が望まれてい
る。
【0008】このように、医療用画像の場合、幅広い濃
度域で高階調記録を行うことが必要であり、この場合
に、上記の多階調インク方式では、各濃淡インクの濃度
差が大きいとインクの切り換わり部分で階調の再現が線
形にならず、濃度段差(疑似輪郭)が生じたり、階調性
を維持するために解像度を犠牲にせざるを得なかった
り、記録された画像の粒状感が悪くなり画質がざらつい
てしまったりすることがある。
【0009】それらの解決のためには、濃淡インクの種
類を増やして記録を行うことが必要とされるが、医療用
画像等の高階調画像記録装置の場合では、多数の濃度の
インクが必要であり、そのインクの種類の数だけインク
を貯留するインク貯留手段を装備しなくてはならず、装
置自体の大型化は避けられなくなる。また、インクの補
充交換も複雑になって、ユーザの負担が大きくなり誤装
填を引き起こす可能性もあった。
【0010】そこで、上記問題を解決する方法として以
下のような提案がなされている。
【0011】すなわち、濃度の比較的高いインクである
第1の原液を貯留するための貯留槽と、第1の原液を希
釈するための希釈液又は濃度の比較的低いインクである
第2の原液を貯留するための貯留槽との少なくとも2つ
の貯留槽を備え、ヘッドにインクを供給するよりも前の
段階において、第1の原液及び第2の原液とを所望の比
率にて混合する。この際、インク混合槽へ供給される第
1の原液及び第2の原液の供給比率を所望のインク混合
比となるよう割り振る必要がある。混合槽への原液の供
給量を制御する方式としては、原液槽と混合槽との間の
供給路途上に供給原液のための液量制御開閉弁等を介在
させ、各混合槽へ所望分量だけ原液を供給する。これに
より、各混合槽において、所望の中間濃度のインクが生
成可能であり、多種類の濃度のインクを用意することが
できる。
【0012】しかしながら、流量制御開閉弁による供給
制御では、管路での流速が一定しない等の原因により流
量にバラツキが生じ、正確な混合比が得られないことが
ままあった。特に、粘性の高いインクを用いる場合に顕
著であり、流路抵抗を減らすために貯留槽と混合槽との
位置関係等に制限が生じたりして、装置の全体構成に大
きく影響を与える。さらに、仮に制御系にトラブルが起
きた場合には、インクが混合槽から溢れる恐れもある。
【0013】そのために、図8に示される混合生成機構
が提案されている。
【0014】図において、101Dは、濃度の比較的高
いインクである第1の原液を貯留するための主貯留槽で
あり、101Lは、第1の原液を希釈するための希釈液
又は濃度の比較的低いインクである第2の原液を貯留す
るための主貯留槽である。
【0015】103は、インク混成手段であり、少なく
とも1つは用意されている。該インク混成手段103
は、原液同士を混合し、所定の濃度を有する少なくとも
1種類のインクを生成し、得られたインクをヘッド1に
送出する。
【0016】102D及び102Lは、前記主貯留槽1
01D、101Lと前記インク混成手段103との間に
配置されている計量分配手段である。該計量分配手段1
02D及び102Lは、前記主貯留槽101D及び10
1Lからの原液をそれぞれ所定の容量だけ貯留する少な
くとも1つの計量貯留部と、分配の際に生じる余剰液を
排出する排出系とを備え、前記計量貯留部に分配貯留さ
れた第1の原液あるいは第2の原液を前記インク混成手
段103へ送出する。
【0017】上記主貯留槽101D、101L、計量分
配手段102D、102L、インク混成手段103及び
ヘッド1は、前記原液及び混合液を送出する複数の送出
路105、106、107を備えている。
【0018】なお、104は、第1の原液であるインク
と同一濃度で記録する場合に設けられたインク一時貯留
手段である。第2の原液がインクであり、そのまま同一
の濃度で記録する場合に、同様に、第2の原液に対応し
たインク一時貯留手段を設けてもよい。ただ、該インク
一時貯留手段は、インク主貯留手段101Dから直接ヘ
ッド1に送出し得るので、必ずしも必要なものではな
い。また、108は、計量分配手段102D、102L
の余剰液を排出する排出系をそれぞれ主貯留槽101
D、101Lに還流させるようにした還流路である。
【0019】上記構成を有する混合生成機構において、
主貯留槽からの原液を一定の液体貯留容積を持つ複数の
計量貯留部に一旦前記原液が分配貯留され、前記容積が
一定している前記計量貯留部に完全に満たされ、その
後、該計量貯留部の一定容量の原液が前記インク混成手
段に送出される。そして、各計量貯留部から集められた
第1の原液及び第2の原液は、インク混成手段において
混合され、所望の濃度のインクに生成される。
【0020】ここで、前記計量分配手段につき図9を用
いて詳細に説明する。
【0021】計量分配手段102は、計量分配容器15
1及び第1の原液用主貯留槽101Dもしくは第2の原
液用主貯留槽101Lから原液が供給されてくる供給管
152、空気を排出して計量分配容器151内部の気圧
を下げ供給管152からの液体の呼び込みを推進するた
めのポンプ200と連通する排気管153、計量分配容
器151からインク混成手段103へ液体を送り出すた
めの送出管154乃至158、そして、供給管152及
び送出管154乃至158に通じる送出路を開閉制御す
る開閉弁159及び160乃至164から構成されてい
る。
【0022】計量分配容器151は、その内部を複数の
高さの異なる仕切り壁171乃至174により仕切られ
て、複数の計量貯留槽に分割されている。この例におい
ては、計量貯留槽151a、151b、151c、15
1d及び余剰液槽151eというように5槽に分割され
ている。
【0023】計量貯留槽151a、151b、151
c、151dは、第1の原液又は第2の原液である液体
が供給され、液体が仕切り壁171乃至174を越えて
溢れた時点で最大の液体貯留量となる。計量貯留槽15
1a、151b、151c、151dの全てに最大量の
液体貯留が行われた後、余剰液槽151eに液体が到達
し、且つ余剰液槽151eを完全に満たすよりも早い時
点で供給管152よりの液体の供給が停止される。この
ために、液体レベルセンサ165等の検知手段及び供給
管の開閉手段である開閉弁159が設けられている。
【0024】この段階で、計量貯留槽151a、151
b、151c、151dの所望の容量に分配された原液
は、次の工程として送出管154乃至157を通って対
応するインク混成手段103に送り出される。所望の容
積比でインク混成手段103に供給された原液同士は、
所望の濃度のインクへと混合生成され、結果として多種
類の濃度のインクが用意される。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、計量貯
留部に原液を貯留する工程において、各計量貯留部を満
たした後溢れた液体は仕切り壁を乗り越えるのである
が、液体と壁面と空気との間において、界面張力が働く
ため、仕切り壁の表面状態によっては貯留される液体の
量の再現性が不十分なこともままあった。そのために、
容積比率が所望の値に一定せず、混合生成されたインク
の濃度が所望の濃度値にならなくなり、出力画像にエラ
ーが生じてしまう。
【0026】また、計量分配容器設計時に決められた容
積比は、容器が一度形成されてしまうと変更ができず、
インク濃度の微調整が不可能である。
【0027】さらに、複数の計量貯留部を備えた計量分
配容器は、所望濃度のインクの種類が増えるにつれて全
体の容積が大きくなり、装置全体のコンパクト化を妨げ
る。
【0028】本発明は、上記いくつかの問題点に鑑みて
なされたものであって、該問題点を解決し、濃淡インク
数を増やし、幅広い階調領域で滑らかで正確な濃度表現
の画像出力が可能であるインクジェット記録装置のため
の液体(インク)計量分配装置を提供することを目的と
する。
【0029】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の液体計量分配装置は、液体を貯留する主貯
留槽と、貯留空間の水平断面積が一定で、液体貯留量を
可変とする可変手段を有する液体計量貯留容器と、前記
主貯留槽から前記液体計量貯留容器に液体を供給する液
体供給管と、大気に連通し前記液体計量貯留容器に空気
を供給する空気導入管と、前記液体計量貯留容器に供給
される流体を選択する供給選択手段と、前記液体計量貯
留容器から液体を排出する排出管と、前記排出管に連結
される吸引ポンプとを備えることを特徴とする。
【0030】また、本発明の液体混合生成装置は、前記
液体計量分配装置を複数備え、さらに、液体混成手段を
複数備えることにより所望の比率の混合液体を複数生成
することを特徴とする。
【0031】また、本発明のインクジェット記録装置
は、前記液体混合生成装置を備えることを特徴とする。
【0032】さらに、本発明の液体計量分配方法は、液
体を貯留している主貯留槽から供給管を通って液体貯留
量を可変とする液体計量貯留容器に該液体計量貯留容器
に排出管を介して連結される吸引ポンプにより液体を供
給し、前記液体計量貯留容器に充填される前記液体が第
1の所定量を越えると、前記排出管に設けられている管
内フローセンサが前記液体の流れを検出して検出信号を
発信し、前記検出信号により前記供給管を前記主貯留槽
連通から大気連通とし、前記排出管を空気が流れること
により前記管内フローセンサが液体の流れを検出しなく
なったことを契機として、前記主貯留槽に連通していた
排出管を他の分配供給管との連通に切り換えるととも
に、前記液体計量貯留容器の液体貯留量を前記第1の所
定量より小さい第2の所定量に変更し、前記第1の所定
量と第2の所定量の差分を前記他の分配供給管に配送す
るようにしてなることを特徴とする。
【0033】
【発明の実施の形態】最初に、本発明のインク計量分配
装置が採用されるインクジェット記録装置に関して簡単
に説明する。
【0034】図1に本実施例のインクジェット記録装置
の構成が模式的に示されている。図1に示されるよう
に、キャリッジ2上には、各色インクに対応して、記録
ヘッドとして複数のインク吐出口を備えたマルチノズル
ヘッド(以下、単に「ヘッド」という。)1が装填され
ている。本実施例では、ヘッド1をさらに4個装備し、
それぞれブラック(K)のインクについて濃度の低いイ
ンクから順に、第1の濃度インク(D1)、第2の濃度
インク(D2)、第3の濃度インク(D3)、第4の濃
度インク(D4)をそれぞれ吐出させる。これらのヘッ
ド1−D1、1−D2、1−D3、1−D4には、それ
ぞれ多数の導線を配したケーブル4を介して駆動信号が
供給される。
【0035】キャリッジ2は、2本のガイドレール5と
摺動可能に結合され、また、ベルト6を介してキャリッ
ジ駆動モータ8の駆動力が伝達されることにより、図中
X方向に往復動して一連の主走査を行うことができる。
さらに、不図示の紙送りモータにより図中Y方向矢印の
向きに記録用紙等の記録媒体7を搬送して副走査が行わ
れる。前記主走査及び副走査は交互に行われ、該主走査
中に各ヘッド1から吐出される各インクにより記録媒体
7に順次画像が記録される。
【0036】ヘッド1−D1、1−D2、1−D3、1
−D4に対しては、キャリッジ2とは別の箇所に装着さ
れた後述するインク容器群から各インク供給管3−D
1、3−D2、3−D3、3−D4を介してD1イン
ク、D2インク、D3インク及びD4インクが供給され
る。
【0037】キャリッジ2の移動範囲である一方の端部
には、ヘッドクリーニング機構9が設けられており、待
機時にヘッド1の各インク吐出口に対してキャッピング
をするとともに、このキャッピング状態でインク吸引を
行ない、あるいはヘッド表面をブレードで洗浄するワイ
ピング等を行う。
【0038】次に、本発明に係るインクジェット記録装
置のインク供給系、特にインク計量分配装置を含むイン
ク供給系について説明する。該インク供給系の基本的な
構成は、図8に示す従来例と同じであり、したがって、
ここでは、図8におけるインク計量分配手段102D、
102Lを中心に詳細に説明する。また、計量分配手段
102D、102Lはともに、供給された原液をある決
まった量毎に一時的に貯留し、複数の分配先にそれぞれ
適量の原液を分配供給するという共通の働きをする。よ
って、ここからの説明においては、記号のうち液体種類
を識別するD、Lを省略して説明する。
【0039】以下、本発明の実施の形態を、複数の実施
例に基づき、図面を参照して詳細に説明する。
【0040】(実施例1)計量分配手段としての計量分
配装置102の一つの例を、図2を用いて説明する。
【0041】液体を計量し、一時的に貯留するための液
体計量貯留容器51(以下単に「計量容器51」とい
う。)は、シリンダ容器52とプランジャ53とで形成
されている。該シリンダ容器52とプランジャ53と
は、前記計量容器51内の前記液体の貯留量を変えるこ
とができる可変手段として機能する。
【0042】シリンダ容器52は、水平断面が一定形
状、例えば円形状、であり、該シリンダ容器52内に
は、インク原液又は空気を計量容器51内部に導く供給
管54及びインク原液又は空気を計量容器51から排出
する排出管55が接続されている。
【0043】プランジャ53は、シリンダ容器52の下
方に配置され、該シリンダ容器52内を垂直(上下)方
向に摺動可能に形成されている。プランジャ53の摺動
部分は、計量容器51を密閉状態に保つことができるよ
うに、ゴム等の材質からなっている。
【0044】プランジャ53には、垂直方向に歯を並べ
たラック59が取付けられており、該ラック59は、ピ
ニオンギア60と噛み合っている。不図示の動力源(例
えば、モータ)によりピニオンギア60が回転すると、
プランジャ53は、垂直方向に位置を移動させることが
できる。このプランジャ53への動力伝達手段として
は、本実施例のラックアンドピニオン機構に限られるも
のではなく、別の回転運動を直線運動に変換する機構に
よってもよいし、リニアモータ等のような直接直線運動
をする機構によってもよい。
【0045】供給管54には、供給選択手段としての供
給選択弁56が設けられている。57は、原液供給管
で、主貯留槽101からのインク原液を導く。58は、
空気導入管で、大気に連通されている。供給選択弁56
は、供給管54の連通先を、原液供給管57と空気導入
管58のどちらかに選択制御し、結果として供給管54
を通って計量容器51に供給される流体(インク原液又
は空気)を選択できるようになっている。
【0046】なお、供給管54は、本実施例ではシリン
ダ容器52の天面52aに接続されているが、シリンダ
容器52の側壁52bに接続されてもよい。ただし、供
給管54がシリンダ容器52の側壁52bに接続される
場合は、その接続位置は、プランジャ53の移動範囲よ
り上でなければならない。また、該接続位置は、少なく
ともシリンダ52の側壁52bの外周方向において、排
出管55の接続位置と離れていることが好ましい。
【0047】61は、排出管55途上に設けられている
管内フローセンサであり、排出管55内をインク原液が
流れているか否かを検知する。
【0048】62は、吸引ポンプであり、計量容器51
内の空気もしくはインク原液を引き込み、下流側へこれ
を送り出す。該吸引ポンプは、チューブポンプであるこ
とが好ましいが、同様の作用をするポンプであれば、別
方式のポンプでもよい。
【0049】排出管55は、本実施例においては、シリ
ンダ容器52の側壁52bに接続されているが、図2又
は図3b等に示されるように、インク原液貯留中該イン
ク原液の液面とシリンダ容器52との間に必ず空間部5
2cが形成されるように排出管55がシリンダ容器52
に接続開口していればよい。
【0050】排出管55には、さらに分配先選択手段と
しての分配先選択弁63が設けられ、該分配先選択弁6
3は、吸引ポンプ62によって引き込まれたインク原液
の分配先を選択制御できるようになっている。64−
0、64−1、64−2、64−3は、インク原液の各
分配先へ連結される複数の分配供給管である。該分配供
給管は、分配先の数に応じて用意され、この実施例では
4つの接続先が存在することを示している。分配供給管
64−1〜3は、それぞれ第1〜3の分配先に接続され
ており、それらは例えば、インク混成手段103やイン
ク一時貯留手段104である。分配供給管64−0の接
続先は、インク原液を貯留する主貯留槽101であり、
容量不定の余剰原液を還流する。すなわち、余剰液を廃
液とせず、再度原液供給管57から供給されるためのイ
ンク原液とすることにより、廃液のための容器を用意し
たり、その設置場所を要したり、廃液処理のための機能
等を設ける必要がない。
【0051】第1〜第3の分配先であるインク混成手段
103やインク一時貯留手段104に分配供給されたイ
ンク原液は、別の種類のインク原液と混合させられた
り、あるいはそのままで一時貯留された後、ヘッド1へ
送出される。
【0052】次に、本実施例のインク計量分配装置にお
ける計量分配の手順を、図3により順を追って説明す
る。
【0053】プランジャ53を移動させて、図3(a)
に示される第1の位置である基準位置H0に該プランジ
ャ53を配置する。そして、供給選択弁56は、原液供
給管57への連通を、分配先選択弁63は、分配供給管
64−0への連通を、それぞれ選択し、吸引ポンプ62
が作動する。
【0054】すると、原液供給管57より供給管54を
通ってインク原液が計量容器51に供給される。計量容
器51内のインク原液液面が徐々に上昇し、排出管55
開口部高さH1に達すると、インク原液は、排出管55
内へと進入する。したがって、液面の高さは、図3
(b)に示されるように、空間部52cを残してこれ以
上上昇することはない。
【0055】インク原液は、そのまま排出管55を流
れ、分配供給管64−0へ導かれる。このとき、管内フ
ローセンサ61が、インク原液の流れを検出し、電気信
号を発信する。分配供給管64−0の接続先は、前述し
たように、インク原液の主貯留槽101であり、導かれ
たインク原液は、廃棄されるわけではなく、したがっ
て、管内フローセンサ61の応答性が多少悪くとも無駄
なインク消費にはつながらない。
【0056】管内フローセンサ61の検出信号をトリガ
として、供給選択弁56が切り替えられ、供給管54
は、空気導入管58側に連通される。吸引ポンプ62が
停止されていなければ、供給管54からインク原液に換
わって、空気が計量容器51内に引き込まれる。すなわ
ち、供給管54内のインク原液が完全に吸引されきって
しまったときに空気が吸引される。
【0057】この空気吸引状態になると、管内フローセ
ンサ61は、インク原液の流れを検出できなくなり、検
出信号が途切れる。このとき、計量容器51内に貯留さ
れたインク原液は、一定の貯留量になっており、その量
をV0とする。ここまでの一連の工程を計量容器充填工
程と呼び、以後同様の動作はこの名称をもって代用す
る。
【0058】検出信号が途絶えたことをトリガとして、
分配先選択弁を切り替えて分配供給管64−1への連通
を選択し、プランジャ53を上向きに所定の距離L1だ
け上昇させる。この時、計量容器51中のインク原液の
液面も、排出管55開口部高さH1を越えて上昇する
(図3(c)参照)。吸引ポンプ62は、依然として作
動中であるから、上昇したインク原液は、排出管55内
に再び進入し、分配供給管64−1を通って第1の分配
先に導かれる。図3(d)に示されるように、インク原
液の液面高さが、排出管55開口部高さH1に戻った
時、排出管55へのインク原液の流れはなくなる。そし
て、この間に排出されたインク原液は、全て第1の分配
先に供給されたことになる。また、この間の一時的な流
れを管内フローセンサ61が検出しており、検出信号が
再び途切れると第1の分配先へのインク原液の供給が終
了したものとみなしてよい。
【0059】ここで、第1の分配先へ配送されたインク
原液の分量V1は、図3(b)に示されるように、プラ
ンジャ53が基準位置H0にある時、計量容器51内の
インク原液の貯留量がV0であり、図3(d)に示され
るように、プランジャ53が基準位置H0から所定の距
離L1上昇した位置にある時、計量容器51内のインク
原液の残量がVr1であるとすると、V1=V0−Vr
1となる。
【0060】引き続いて、前述の計量容器充填工程が再
度実行される。プランジャ53は基準位置H0に戻さ
れ、図3(b)に示されるように排出管55開口部高さ
H1まで計量容器51内へ再びインク原液が貯留される
と、分配先選択弁63は切り替えられて分配供給管64
−2へ連通される。そして、プランジャ53を上向きに
所定の距離L2だけ上昇させる。すると、第1の分配先
へのインク原液の配送と同様に、第2の分配先へインク
原液が配送され、結果として第2の分配先へ供給された
分量V2は、V2=V0−Vr2となる。さらに同様
に、計量容器充填工程を実行し、インク原液がV0まで
貯留されると、分配先選択弁63を切り替えて分配供給
管64−3への連通を選択する。その後、プランジャ5
3を上向きに所定の距離L3だけ移動させれば、第3の
分配先へのインク原液の配送が可能となり、該第3の分
配先へ分量V3(=V0−Vr3)だけインク原液が供
給されたことになる。以上で第1〜3の分配先へのイン
ク原液の分配が完了する。
【0061】なお、例えば、排出管55開口部高さH1
とプランジャ53の基準位置H0との差(H1−H0)
が(H1−H0)>(L1+L2)であるような場合に
は、上記したような第2の分配先への分配に先立ち行な
われる計量容器充填工程を省略して、第1の分配先への
分配終了後、直ちに分配先選択弁63を切り替えて分配
供給管64−2に連通させ、第2の分配先へ分配しても
よい。
【0062】図4に示されるように、第nの分配先へ配
送されるインク原液の分量Vnは、プランジャ53が移
動する所定距離をLnとすると、図のハッチングで示さ
れる部分である。界面張力によって生じる容器壁面での
液面の歪みに関しては、図3(b)における歪みも図3
(d)における歪みもほぼ同じである。また、プランジ
ャ53のインク原液と接触する部分の形状が不変であれ
ば、排出されたインク原液の体積は、シリンダ52の水
平方向の断面積Sとインク原液の液面のプランジャ53
からの高さの変動のみによると考えてよい。ここでは、
該高さの変動は、プランジャ53の移動距離Lnであ
り、したがって、分量Vnは、Vn=S×Lnとなり、
シリンダ52の断面積Sは一定であるから、該分量Vn
は移動距離のみによって決定され得る。
【0063】なお、シリンダ52の水平方向の断面は、
円形状であることが好ましい。このようにシリンダ52
の断面が円形状であると、容器側面にインク原液のたま
り易い角隅部がなくなり、排出される液体の分量の再現
性が高められるとともに、インク原液と接する容器壁面
が一定の曲率のみで構成されることになるから、界面張
力の不安定さを生じる部分との接触が少ない。したがっ
て、インク原液は、第1〜3の分配先へより正確な比率
L1:L2:L3で分配され、正確な混合比による正確
な濃度の混合インクの生成が可能となる。
【0064】計量分配手段としての計量分配装置を本実
施例のように構成することにより、ピニオンギア60を
駆動するモータをコントロールしてプランジャ53の移
動距離L1、L2、L3の値を調整するだけで、分配さ
れるインク原液の分量を自在に制御できる。また、誤差
補正のための微調整、もしくは環境やユーザの希望等で
インク濃度の設定を変更したい時等にも容易に対応でき
る。
【0065】本実施例では、第1〜3の分配先、すなわ
ち3つの分配先、としたが、この数に限られることはな
く、設計上許されるのであれば、それ以上の箇所に分配
することは可能であり、より多彩なインクの混合パター
ンが実現できる。そして、分配先が多くなっても、それ
により計量分配装置における容器や貯留部の数が増える
こともなく、コンパクトで低コストの装置が実現可能で
ある。
【0066】このように、本実施例のインク計量分配装
置は、濃淡インク数を増やし、幅広い階調領域で、滑ら
かで正確な濃淡表現の画像出力が可能なインクジェット
記録装置に大変有用である。
【0067】(実施例2)次に、計量分配手段としての
計量分配装置102の別の例を、図5を用いて説明す
る。
【0068】液体を計量し、一時的に貯留するための液
体計量貯留容器81(以下単に「計量容器81」とい
う。)は、水平断面が一定形状である密閉可能な容器で
あり、該計量容器81内にインク原液または空気を供給
する供給管84、インク原液又は空気を排出する排出管
85を介して他の容器等と連通可能に形成されている。
【0069】前記供給管84には、供給選択手段として
の供給選択弁86が設けられている。87は、インク原
液供給管で、主貯留槽101からのインク原液を導く。
88は、空気導入管で、大気に連通されている。前記供
給選択弁86は、供給管84の連通先を原液供給管87
と空気導入管88のどちらかを選択制御し、結果として
供給管54を通って計量容器51に供給される流体(イ
ンク原液又は空気)を選択できるようになっている。
【0070】なお、供給管84は、本実施例では計量容
器81の天面81aに接続されているが、計量容器81
の側壁に接続されてもよい。また、供給管84の前記計
量容器81への開口部も、図に示されるように計量容器
81上方の天面81a近傍にあってもよいし、下方の底
面81b近傍にあってもよい。
【0071】前記計量容器81と前記排出管85との間
には、前記計量容器81の貯留量を可変とする可変手段
として、該計量容器81に対して垂直方向に進退可能な
可動パイプ83が、計量容器81の天面81aに設けら
れている。該可動パイプ83は、管路83a、ラック8
3b、フランジ83c及び連結部83dとを備えてい
る。
【0072】管路83aは、計量容器81内に開口し、
前記計量容器81から連結部83dを介して前記排出管
85へ続くインク原液又は空気の排出路の一部を構成す
る。
【0073】ラック83bは、ピニオンギア90と噛み
合っており、該ピニオンギア90の回転により、前記可
動パイプ83は、垂直方向に往復動し得る(すなわち、
前記計量容器81に対して進退可能である)。該可動パ
イプ83への動力伝達機構は、前述の実施例1と同様
に、本実施例のラックアンドピニオン機構に限られるこ
とはなく、可動パイプ83に直線運動を伝達できるもの
であればどのような機構を用いてもよい。
【0074】フランジ83cは、可動パイプ83が計量
容器81に対して垂直方向に進退するために該計量容器
81に形成された開口部81cを完全に密封する密封部
材として、及び可動パイプ83が計量容器81の天面8
1aから抜け出さないためのストッパ部材として機能す
る。また、該フランジ83cの配置位置は、後述するよ
うに、計量容器81上部に空間部81dを残して計量容
器81内へ導かれるインク原液の液面の最大高さを定め
る機能を有する(図6(b)参照)。
【0075】82は、Oリング等のシール部材で、計量
容器81の前記開口部81cに設けられている。該シー
ル部材82と可動パイプ83下端近傍に設けられた前記
フランジ83cが接することにより、前記計量容器81
内は完全に密閉される。図5に示されるように、可動パ
イプ83が移動している時、すなわち、前記フランジ8
3cとシール部材82とが接触していない時は、該シー
ル部材82と該可動パイプ83との間のシールは完全で
なくてもよいし、可動パイプ83の摺動によるシール部
材82の磨耗を考慮すると、むしろ隙間があったほうが
好ましい。
【0076】前記可動パイプ83は、本実施例では、図
5に示されるように、計量容器81の天面81aに組み
込まれているが、可動パイプ83の管路83aが上向き
に開口するように、前記計量容器81の底面81bに組
み込まれてもよい。ただし、可動パイプ83が前記計量
容器81の底面81bに組み込まれる場合は、可動パイ
プ83が進退するために底面に設けられる開口部と該可
動パイプ83との間のシールは完全でなければならな
い。なお、この場合フランジ83cは、ストッパとして
のみ機能することになり、したがって該フランジ83c
は、設けなくともよい。さらに、この場合計量容器81
上部に空間部81dを残して計量容器81内へ導かれる
インク原液の液面の最大高さを定める機能を備えるべ
く、可動パイプ83の管路83a先端にスペーサ又はこ
れに類似のものを設けるとよい。
【0077】排出管85の可動パイプ83の連結部83
dと接続される部分は、柔軟性を有する素材で作られた
可撓性チューブ85aとして形成されている。このよう
に構成することにより、排出管85は、可動パイプ83
が移動しても追従が可能となる。
【0078】91は、排出管85途上に設けられている
管内フローセンサであり、排出管85内をインク原液が
流れているか否かを検出する。92は、吸引ポンプで、
計量容器51内の空気もしくはインク原液を引き込み、
下流側へこれを送り出す。該吸引ポンプは、チューブポ
ンプであることが好ましいが、同様の作用をするポンプ
であれば、別方式のポンプでもよい。
【0079】排出管85には、さらに分配先選択手段と
しての分配先選択弁93が設けられ、該分配先選択弁9
3は、吸引ポンプ92によって引き込まれたインク原液
の分配先を選択制御できるようになっている。94−
0、94−1、94−2、94−3は、インク原液の各
分配先へ連結される複数の分配供給管である。該分配供
給管は、分配先の数に応じて用意され、この実施例では
4つの接続先が存在することを示している。分配供給管
94−1〜3は、それぞれ第1〜3の分配先に接続され
ており、それらは例えば、インク混成手段103やイン
ク一時貯留手段104である。分配供給管94−0の接
続先は、インク原液を貯留する主貯留槽101であり、
容量不定の余剰原液を還流する。すなわち、余剰液を廃
液とせず、再度原液供給管87から供給されるためのイ
ンク原液とすることにより、廃液のための容器を用意し
たり、その設置場所を要したり、廃液処理のための機能
等を設ける必要がない。
【0080】第1〜第3の分配先であるインク混成手段
103やインク一時貯留手段104に分配供給されたイ
ンク原液は、別の種類のインク原液と混合させられた
り、あるいはそのままで一時貯留された後、ヘッド1へ
送出される。
【0081】次に、本実施例のインク計量分配装置にお
ける計量分配の手順を、図6により順を追って説明す
る。
【0082】図6(a)において、可動パイプ83を上
向きに移動させると、該可動パイプ83は、フランジ8
3cがシール部材82に当接する位置で止まる。この
時、可動パイプ83とシール部材82との間の隙間が無
くなり、計量容器81は完全密閉状態となる。そして、
供給選択弁86は原液供給管87との連通を、分配先選
択弁93は分配供給管94−0との連通をそれぞれ選択
し、吸引ポンプ92を作動させる。
【0083】すると、原液供給管87より供給管84を
通ってインク原液が計量容器81に供給される。計量容
器81内のインク原液液面は、徐々に上昇し、可動パイ
プ83の先端開口部に接すると、インク原液は管路83
aへと進入する(図6(b)参照)。管路83a内に進
入したインク原液は、そのまま排出管85を経て分配供
給管94−0へ導かれ、さらに主貯留槽101へと戻さ
れる。
【0084】したがって、計量容器81内のインク原液
の液面は、図3(b)に示されるように、最大高さHH
maxの位置にあり、これ以上上昇することはない。ま
た、インク原液が排出管85内を流れると、管内フロー
センサ91がこのインク原液の流れを検出し、電気信号
を発信する。インク原液は、上記したように主貯留槽1
01に戻されるので、管内フローセンサ91のレスポン
スが多少悪くとも無駄なインク消費にはつながることは
ない。
【0085】管内フローセンサ91の検出信号をトリガ
として、供給選択弁86が切り替えられ、供給管84
は、空気導入管88側に連通される。吸引ポンプ92が
停止されていなければ、供給管84からインク原液に換
わって、空気が計量容器81内に引き込まれる。すなわ
ち、供給管84内のインク原液が完全に吸引されきって
しまった時、計量容器81内に空気が吸引される。
【0086】この空気吸引状態になると、管内フローセ
ンサ91は、インク原液の流れを検出できなくなり、検
出信号が途切れる。このとき、計量容器81内に貯留さ
れたインク原液は、一定の貯留量になっており、その量
をVVmaxとする。ここまでの一連の工程を、前記実
施例1と同様、計量容器充填工程と称する。
【0087】検出信号が途絶えたことをトリガとして、
分配先選択弁93を切り替えて分配供給管94−1への
連通を選択し、可動パイプ83を下向きに所定の距離L
L1だけ下降させる(図6(c)参照)。吸引ポンプ9
2は、依然として作動中であるから、インク原液は、下
降した可動パイプ83の管路83a内に再び進入し、排
出管85、分配供給管94−1を通って第1の分配先に
導かれる。図6(d)に示されるように、インク原液の
液面高さが、可動パイプ83先端の位置HH1に達した
時、排出管85へのインク原液の流れはなくなる。そし
て、この間に排出されたインク原液は、全て第1の分配
先に供給されたことになる。また、この間の一時的な流
れを管内フローセンサ91が検出しており、検出信号が
再び途切れると第1の分配先へのインク原液の供給が終
了したものとみなしてよい。
【0088】ここで、第1の分配先へ配送されたインク
原液の分量VV1は、図6(b)に示されるように、イ
ンク原液の液面が最大高さHHmaxにある時、計量容
器81内のインク原液の貯留量がVVmaxであり、図
6(d)に示されるように、インク原液の液面が最大高
さHHmaxから所定の距離LL1下降した位置HH1
にある時、計量容器81内のインク原液の残量がVVr
1であるとすると、VV1=VVmax−VVr1とな
る。
【0089】引き続いて、前述の計量容器充填工程が再
度実行される。可動パイプ83は、最初の位置(可動パ
イプ83のフランジ83cが、計量容器83のシール部
材82に接する位置)に戻され、図6(b)に示される
ように最大高さHHmaxまで計量容器81内へ再びイ
ンク原液が貯留されると、分配先選択弁963は切り替
えられて分配供給管94−2へ連通される。そして、可
動パイプ83を下向きに所定の距離LL2だけ下降させ
る。すると、第1の分配先へのインク原液の配送と同様
に、第2の分配先へインク原液が配送され、結果として
第2の分配先へ供給された分量VV2は、VV2=VV
max−VVr2となる。さらに同様に、計量容器充填
工程を実行し、インク原液がVVmaxまで貯留される
と、分配先選択弁93を切り替えて分配供給管94−3
への連通を選択する。その後、可動パイプ83を下向き
に所定の距離LL3だけ移動させれば、第3の分配先へ
のインク原液の配送が可能となり、該第3の分配先へ分
量VV3(=VVmax−VVr3)だけインク原液が
供給されたことになる。以上で第1〜3の分配先へのイ
ンク原液の分配が完了する。
【0090】なお、例えば、第1の分配先への分配後に
残っているインク原液の高さHH1がHH1>L2であ
るような場合には、上記したような第2の分配先への分
配に先立ち行なわれる計量容器充填工程を省略して、第
1の分配先への分配終了後、直ちに分配先選択弁93を
切り替えて分配供給管94−2に連通させ、第2の分配
先へ分配してもよい。
【0091】図7に示されるように、第nの分配先へ配
送されるインク原液の分量VVnは、可動パイプ83が
移動する所定距離をLLnとすると、図のハッチングで
示される部分である。界面張力によって生じる容器壁面
での液面の歪みに関しては、図6(b)における歪みも
図6(d)における歪みもほぼ同じであるから、排出さ
れたインク原液の体積は、計量容器81の水平方向の断
面積Sとインク原液の液面の高さの変動のみによると考
えてよい。ここでは、該高さの変動は、可動パイプ83
の移動距離LLnであり、したがって、分量VVnは、
Vn=S×LLnとなり、計量容器81の断面積Sは一
定であるから、本実施例においても、該分量VVnは可
動パイプ83の移動距離のみによって決定され得る。
【0092】なお、計量容器81の水平方向の断面は、
円であることが好ましい。このように計量容器81の断
面が円であると、容器側面にインク原液のたまり易い角
隅部がなくなり、排出される液体の分量の再現性が高め
られるとともに、インク原液と接する容器壁面が一定の
曲率のみで構成されることになるから、界面張力の不安
定さを生じる部分との接触が少ない。したがって、イン
ク原液は、第1〜3の分配先へより正確な比率で分配さ
れ、正確な混合比による正確な濃度の混合インクの生成
が可能となる。
【0093】計量分配手段としての計量分配装置を本実
施例のように構成することにより、ピニオンギア90を
駆動するモータをコントロールして可動パイプ83の移
動距離LL1、LL2、LL3の値を調整するだけで、
分配されるインク原液の分量を自在に制御できる。ま
た、誤差補正のための微調整、もしくは環境やユーザの
希望等でインク濃度の設定を変更したい時等にも容易に
対応できる。
【0094】本実施例においても、第1〜3の分配先、
すなわち3つの分配先、としたが、この数に限られるこ
とはなく、設計上許されるのであれば、それ以上の箇所
に分配することは可能であり、より多彩なインクの混合
パターンが実現できる。そして、分配先が多くなって
も、それにより計量分配装置における容器や貯留部の数
が増えることもなく、コンパクトで低コストの装置が実
現可能である。
【0095】また、計量容器としてのシリンダとプラン
ジャが常に接触し、プランジャ移動時には該プランジャ
がシリンダ内を摺動する実施例1に比べて、本実施例2
の装置は、摺動部が無く、長く使用した際に磨耗により
そこから流体が漏れ出てくることを気にしなくてもよ
い。さらに、少なくとも一部にゴム等の弾性部材が用い
られた場合、プランジャが移動前後で変形し、排出液量
にバラツキが出る恐れもあるが、本実施例2の装置は、
その心配も無く、より高い精度の計量が可能となる。
【0096】このように、本実施例2のインク計量分配
装置も、濃淡インク数を増やし、幅広い階調領域で、滑
らかで正確な濃淡表現の画像出力が可能なインクジェッ
ト記録装置に大変有用である。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
ある一定量の濃度の高いインクと希釈液から複数種の濃
度のインクを混合生成するに際し、所望の液分配が可能
で濃度再現精度の高い複数種の濃度のインクを生成で
き、濃度階調表現の正確な、画質の優れたインクジェッ
ト記録装置が実現できる。
【0098】計量貯留容器の水平断面を円形状にすれ
ば、容器側面に液のたまり易い角隅部が無くなり、排出
される液体の分量の再現性を高められる。断面積が一定
である円形状であることで、製作が容易であり、容積の
誤差も少なくなる。
【0099】また、排出管部材の接続先の少なくとも一
つが主なる貯留槽であることにより、計量の際に余剰液
となったインク原液も再利用されるため、廃液を生成せ
ず無駄が少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のインク計量分配装置が適用されるイン
クジェット記録装置の概略模式図である。
【図2】本発明のインク計量分配装置の1つの実施例を
示す図である。
【図3】図2に示される実施例におけるインク計量分配
の手順を示す図で、(a)は、計量容器充填工程開始時
を、(b)は、計量容器充填工程終了時を、(c)は、
第1の分配先へのインク原液の分配開始時を、(d)
は、第1の分配先へのインク原液の分配終了時をそれぞ
れ示す図である。
【図4】図2に示される実施例における第nの分配先へ
供給されるインク原液の量を説明する図である。
【図5】本発明のインク分配装置の別の実施例を示す図
である。
【図6】図5に示される実施例におけるインク計量分配
の手順を示す図で、(a)は、計量容器充填工程開始時
を、(b)は、計量容器充填工程終了時を、(c)は、
第1の分配先へのインク原液の分配開始時を、(d)
は、第1の分配先へのインク原液の分配終了時をそれぞ
れ示す図である。
【図7】図5に示される実施例における第nの分配先へ
供給されるインク原液の量を説明する図である。
【図8】従来例におけるインク供給形を示す概略構成図
である。
【図9】従来例におけるインク計量分配手段を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 記録ヘッド 2 キャリッジ 3 インク供給管 4 ケーブル 5 ガイドレール 6 ベルト 7 記録媒体 8 キャリッジ駆動モータ 9 ヘッドクリーニング機構 51、81 計量容器 52 シリンダ容器 52a 天面 52b 側壁 52c 空間部 53 プランジャ 54,84 供給管 55、85 排出管 56、86 供給選択弁 57、87 原液供給管 58、88 空気導入管 59、83b ラック 60、90 ピニオンギア 61、91 管内フローセンサ 62、92 吸引ポンプ 63、93 分配選択弁 64、94 分配供給管 81a 天面 81b 底面 81c 開口部 81d 空間部 82 シール部材 83 可動パイプ 83a 管路 83c フランジ 83d 連結部 101 主貯留槽 102 計量分配手段 103 インク混成手段 104 インク一時貯留手段 105 送出路 106 送出路 107 送出路 108 還流路 151 計量分配容器 151a 計量貯留槽 151b 計量貯留槽 151c 計量貯留槽 151d 計量貯留槽 151e 余剰液槽 152 供給管 153 排気管 154 送出管 159 開閉弁 160 開閉弁 165 液体レベルセンサ 171 仕切り壁 200 ポンプ

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を貯留する主貯留槽と、 貯留空間の水平断面積が一定で、液体貯留量を可変とす
    る可変手段を有する液体計量貯留容器と、 前記主貯留槽から前記液体計量貯留容器に液体を供給す
    る液体供給管と、 大気に連通し、前記液体計量貯留容器に空気を供給する
    空気導入管と、 前記液体計量貯留容器に供給される流体を選択する供給
    選択手段と、 前記液体計量貯留容器から液体を排出する排出管と、 前記排出管に連結される吸引ポンプと、 を備えることを特徴とする液体計量分配装置。
  2. 【請求項2】 前記可変手段は、前記液体計量貯留容器
    を構成するシリンダ容器と、該シリンダ容器内を垂直方
    向に移動可能であるプランジャとから形成されることを
    特徴とする請求項1に記載の液体計量分配装置。
  3. 【請求項3】 前記プランジャは、ラックアンドピニオ
    ン機構を介して移動可能であることを特徴とする請求項
    2に記載の液体計量分配装置。
  4. 【請求項4】 前記可変手段は、前記液体計量貯留容器
    内を垂直方向に移動可能な可動パイプから形成されるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の液体計量分配装置。
  5. 【請求項5】 前記可動パイプは、前記液体計量貯留容
    器天面に組み込まれていることを特徴とする請求項4に
    記載の液体計量分配装置。
  6. 【請求項6】 前記可動パイプは、前記液体計量貯留容
    器を密閉するためのフランジと、前記排出管の一部を構
    成する柔軟なチューブに連結される管路及び該管路と前
    記チューブとを連結するための連結部を含んでいること
    を特徴とする請求項4又は5に記載の液体計量分配装
    置。
  7. 【請求項7】 前記可動パイプは、さらに、ラックアン
    ドピニオン機構を介して移動可能であることを特徴とす
    る請求項4乃至6のいずれかに記載の液体計量分配装
    置。
  8. 【請求項8】 前記液体計量貯留容器の水平断面は、円
    形状であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか
    に記載の液体計量分配装置。
  9. 【請求項9】 前記排出管は、分配先選択手段を介して
    複数の分配供給管に接続されていることを特徴とする請
    求項1乃至8のいずれかに記載の液体計量分配装置。
  10. 【請求項10】 前記排出管は、さらに、排出管内の液
    体の流れを検出する管内フローセンサを含んでいること
    を特徴とする請求項9に記載の液体計量分配装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の分配供給管のうち少なくと
    も1つは、前記主貯留槽に接続されていることを特徴と
    する請求項9又は10に記載の液体計量分配装置。
  12. 【請求項12】 前記1乃至11のいずれかに記載され
    る液体計量分配装置を複数備え、さらに、液体混成手段
    を複数備えることにより所望の比率の混合液体を複数生
    成することを特徴とする液体混合生成装置。
  13. 【請求項13】 前記複数の液体計量分配装置の少なく
    とも1つは、インクを計量分配することを特徴とする請
    求項12に記載の液体混合生成装置。
  14. 【請求項14】 前記複数の液体計量分配装置の少なく
    とも1つは、前記インクを希釈する希釈液を計量分配す
    ることを特徴とする請求項12又は13に記載の液体混
    合生成装置。
  15. 【請求項15】 前記請求項12乃至14のいずれかに
    記載の液体混合生成装置を備えることを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  16. 【請求項16】 液体を貯留している主貯留槽から供給
    管を通って液体貯留量を可変とする液体計量貯留容器に
    該液体計量貯留容器に排出管を介して連結される吸引ポ
    ンプにより液体を供給し、 前記液体計量貯留容器に充填される前記液体が第1の所
    定量を越えると、前記排出管に設けられている管内フロ
    ーセンサが前記液体の流れを検出して検出信号を発信
    し、 前記検出信号により前記供給管を前記主貯留槽連通から
    大気連通とし、 前記排出管を空気が流れることにより前記管内フローセ
    ンサが液体の流れを検出しなくなったことを契機とし
    て、前記主貯留槽に連通していた排出管を他の分配供給
    管との連通に切り換えるとともに、前記液体計量貯留容
    器の液体貯留量を前記第1の所定量より小さい第2の所
    定量に変更し、 前記第1の所定量と第2の所定量の差分を前記他の分配
    供給管に配送するようにしてなることを特徴とする液体
    計量分配方法。
  17. 【請求項17】 前記液体は、インクであることを特徴
    とする請求項16に記載の液体計量分配方法。
  18. 【請求項18】 前記液体は、前記インクを希釈する希
    釈液であることを特徴とする請求項16に記載の液体計
    量分配方法。
  19. 【請求項19】 請求項17に記載の液体計量分配方法
    により計量分配されたインクと、請求項18に記載の液
    体計量分配方法により計量分配された希釈液とを混合
    し、所定濃度のインクを生成する方法。
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