JP2015192098A - ソレノイド - Google Patents
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Abstract
Description
従来より、自動変速機の油圧制御装置には、オイルを貯留するオイルパンと、複数の油路を有するバルブボディと、このバルブボディの油路と共に油圧回路を構成するソレノイドバルブ(電磁弁)とが設けられている。
電磁弁は、バルブボディと共にオイルパンのオイル中に浸漬されており、スプールバルブやボールバルブ等の弁体と、この弁体を駆動するソレノイドアクチュエータ(以下ソレノイド)とを備えている(例えば、特許文献1参照)。
ソレノイドは、コイルの発生磁力によってプランジャをステータコアの磁気吸引部に引き寄せることで、弁体を軸線方向へ駆動するように構成されている。
ところで、ソレノイドの作動時において、プランジャを往復摺動可能に収容するプランジャ収容室の容積変化(呼吸作用)によるへばり付きを防止するために、ソレノイド外部からプランジャ収容室にオイル供給経路を確保するという目的で、特許文献1の電磁弁には、ソレノイド外部と連通する外部連通口からプランジャ収容室と連通する内部連通口に至るまでの呼吸通路が設けられている。
また、特許文献1に記載のソレノイドは、第2容積変化室の容積変動に伴い呼吸通路を通って第2容積変化室に出入りされる作動油中の異物が呼吸通路内を往復移動している間に、呼吸通路中の重力方向の下方側に沈降することによって、大部分の異物が除去され、直ちに先端液室内に入ることはない。
ところで、電磁弁がバルブボディと共に浸漬されているオイル中には、自動変速機の変速機構の摩耗等により発生した金属摩耗粉(鉄系の磁性異物、コンタミ)等の異物が混入している。そして、このような異物はオイルと一緒に呼吸通路を介して、プランシャ収容室の内部に流入した場合、特にプランジャとステータコアとの間の摺動クリアランスに異物が噛み込んだ場合には、ステータコアに対するプランジャの円滑な移動が阻害されるため、プランジャの作動不良(動作不良)を引き起こす可能性がある。
そして、第2容積変化室内に微少な異物が侵入した場合には、プランジャの外周面とステータコアのガイド孔の孔壁面との間の摺動部(摺動クリアランス)に微少な異物が噛み込む可能性がある。
そして、摺動クリアランスに微少な異物が噛み込むと、ステータコアのガイド孔に対するプランジャの軸線方向への円滑な(スムーズな)往復運動が妨げられて、プランジャおよびシャフトの動作不能(バルブロック)または動作不良が発生する可能性がある。
これによって、磁気印加領域に入った異物(例えば鉄系の磁性異物)は、磁気回路から漏洩する漏れ磁束により吸着されるため、ソレノイド外部から呼吸通路を通って容積変化室へ異物が侵入し難くなる。
したがって、プランジャとプランジャガイドとの間の摺動クリアランスへの異物の侵入を抑制できるので、異物噛み込みによるプランジャの動作不能(バルブロック)または動作不能の発生を防止することができる。
図1ないし図3は、本発明を適用したソレノイドを備えたソレノイドバルブ(実施例1)を示したものである。
油圧制御装置は、例えば自動車等の車両に搭載される自動変速機の変速制御に使用されるものである。この油圧制御装置は、オイルパン1のオイル貯留室内に貯留されたオイルを吸入して圧送するオイルポンプ(図示せず)と、オイルパン1のオイル貯留室内に設置されて、複数の油路を有するバルブボディ2と、このバルブボディ2に組み込まれて、バルブボディ2の油路と共に油圧回路を構成する複数のソレノイドバルブと、ドライバー等から要求された変速状態を実現するように複数のソレノイドバルブを通電制御する制御ユニット(電子制御装置:TCU)とを備えている。
自動変速機ケースの内部には、ポンプ、タービンおよびステータ等により構成されるトルクコンバータと、このトルクコンバータのタービンに接続される多段歯車式の変速機構とが収容されている。変速機構は、油圧制御装置から供給される油圧(オイルプッシャー)に応じて係合または解放される複数の摩擦係合要素(クラッチまたはブレーキ)を備えている。
そして、自動変速機は、各摩擦係合要素の係合または解放の組み合わせに従ってシフトレンジが切り替わる。これにより、自動変速機の変速制御が実行される。
複数のソレノイドバルブのうちの少なくとも1つのソレノイドバルブは、圧力流体である作動油(オイル)の油圧を調圧して出力する油圧制御バルブユニット(以下油圧制御バルブV)と、この油圧制御バルブVの第1、第2弁体(ボールバルブ4、ブリードバルブ5)および共通の弁軸(バルブシャフト6)をその軸線方向の一方側(先端側)に駆動する電磁アクチュエータ(以下ソレノイドS)とによって構成されている。
なお、ソレノイドSの詳細は、後述する。
ハウジング3は、その軸線方向の基端側にステータコア11の機能を有し、コイル9が通電されると励磁(磁化)される磁性金属(例えば鉄等の強磁性材料)によって円筒形状に形成されている。このハウジング3の内部には、軸線方向に真っ直ぐに延びる軸方向孔が形成されている。この軸方向孔のうちで内径の大きいシャフトガイド孔(以下ガイド孔16)は、バルブシャフト6が直接摺動する摺動孔である。
すなわち、ハウジング3の内部(内周)には、バルブシャフト6の外周面(摺動面)が直接摺動する断面円形状のガイド孔16が形成されている。
外周壁17は、バルブボディ2のバルブ挿入溝内に嵌挿される大径周壁であって、外周壁18よりも外径が大きい。また、外周壁18は、バルブボディ2の外部、つまりバルブボディ2の外面からオイルパン1のオイル貯留室内のオイル中に突出するように設けられた小径周壁であって、外周壁17よりも外径が小さい。また、外周壁17、18間には、リングコア13の位置決めを行うための円環状の段差(面)19が形成されている。
複数のオイル給排ポートは、1つの入力ポート21、複数(2〜4、2つ以上)の出力ポート22、および複数(2〜4、2つ以上)のドレイン(排出)ポート23を備えている。
入力ポート21は、オイルポンプから油路L1を経てオイルの入力圧を軸方向孔の内部(入力室24)へ入力するINポート(オイル供給ポート)である。この入力ポート21は、油路L1と入力室24とを、軸方向孔の軸線方向と同一方向に連通している。
ドレインポート23は、入力ポート21または出力ポート22から軸方向孔の内部(第2弁孔26、排出(ドレイン)室27)に流入したオイルを、ドレイン室27の内部からオイルパン1のオイル貯留室内へ直接排出するDRAINポートである。
また、第2弁孔26の周縁部を形成する円環状の仕切り壁33の中央部には、コイル9への通電(ON)時、特にフルリフト時にブリードバルブ5が着座する円環状の第2弁座(以下バルブシート34)が一体的に設けられている。
ここで、油圧制御バルブVは、コイル9への通電量に基づいて、ボールバルブ4のリフト量、つまり第1弁孔25の開口面積(バルブ開度)を調節することで、圧力流体である作動油(オイル)の油圧を調圧してクラッチ(またはブレーキ)の油圧サーボへ出力する。
ブリードバルブ5は、ボールバルブ4と一緒に、コイル9への通電(ON)時に、ストッパ呼吸通路側に対して反対側の軸線方向の先端側へ向けて駆動される。
バルブシャフト6は、ボールバルブ4およびブリードバルブ5と一緒に、コイル9への通電(ON)時に、ストッパ呼吸通路側に対して反対側の軸線方向の先端側へ向けて駆動される。
なお、バルブシャフト6の大径軸部39の外周面(摺動面)とハウジング3のガイド孔16の孔壁面(内周面)との間には、バルブシャフト6の円滑な往復移動のためのシャフト摺動部(摺動クリアランス)が設けられている。また、ハウジング3のガイド孔16は、バルブシャフト6の外周面が直接摺動するシャフト摺動孔を構成している。
バルブシャフト6の鍔状フランジ部であるブリードバルブ5と大径軸部39との間には、ブリードバルブ5と大径軸部39とを連結する中径軸部38が設けられている。中径軸部38と大径軸部39との間には、中径軸部38と大径軸部39とを繋ぐ円錐台形状の縮径部と円環状のスプリング内径保持部とが設けられている。
このリターンスプリング7は、ガイド孔16の先端側のドレイン室27(スプリング収容室を兼ねる)内において、仕切り壁33の周縁部壁面(スプリング座)とバルブシャフト6の大径軸部39の壁面(スプリング座)との間で軸線方向に圧縮された状態で配置されている。
ソレノイドSは、非磁性体製のバルブシャフト6を介して、油圧制御バルブVのボールバルブ4およびブリードバルブ5をその軸線(往復移動)方向の一端側(先端側)へ駆動するソレノイドアクチュエータである。
プランジャ8は、コイル9の磁力によりソレノイド軸方向の一方側へ向かって磁気吸引される可動コア(ムービングコア)である。このプランジャ8は、バルブシャフト6に伝わるリターンスプリング7の付勢力によってボールバルブ4、ブリードバルブ5、バルブシャフト6と共に、ストッパプレート14の内面(プランジャ規制部)へ付勢される。
ところで、プランジャガイド41の内部(内周)には、プランジャ8の外周面(摺動面)が直接摺動する断面円形状のプランジャガイド孔(以下ガイド孔)が形成されている。なお、プランジャ8の外周面(摺動面)とヨーク12のプランジャガイド41のガイド孔の孔壁面(内周面)との間には、プランジャ8の円滑な往復移動のためのプランジャ摺動部(摺動クリアランス)が設けられている。また、プランジャガイド41のガイド孔は、プランジャ8の外周面が直接摺動するプランジャ摺動孔を構成している。
また、ソレノイドSのステータコア11の内周面(ガイド孔16の孔壁面)には、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる軸方向凹溝45が形成されている。この軸方向凹溝45は、ステータコア11の内周面から半径方向外側へ向かって所定の溝深さ分だけ凹む(切り欠く、掘り下げる、窪む)ように形成(凹設)されている。
軸方向凹溝45は、コア呼吸通路であって、ステータコア11の内周方向の一部に設けられている。なお、ステータコア11の内周方向に所定の間隔(例えば等間隔)で放射状に軸方向凹溝45を形成しても良い。
また、ドレインポート23は、ソレノイドSの内部(プランジャ収容室42の第1容積変化室43)とソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)とを軸方向凹溝45を介して連通している。これにより、プランジャガイド41のガイド孔内でのプランジャ8の変位に伴う、第1容積変化室43内のオイルの流動を確保することが可能となる。
第2オイル呼吸経路は、ストッパプレート14に形成された第2呼吸通路(ストッパ呼吸通路:後述する)のみにより構成されるオイル供給経路である。
また、ストッパ呼吸通路は、ソレノイドSの内部(プランジャ収容室42の第2容積変化室44)とソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)とを直接連通している。これにより、プランジャガイド41のガイド孔内でのプランジャ8の変位に伴う、第2容積変化室44内のオイルの流動を確保することが可能となる。
プランジャ8の軸線方向の他端面(基端面)には、コイル9への通電が停止(OFF)している時、リターンスプリング7の付勢力によってストッパプレート14の内面に押し付けられる円環状の第2端面が形成されている。
ここで、プランジャ収容室42は、ソレノイドSの作動時に容積が変動する第1、第2容積変化室(43、44)を備えている。
第1容積変化室43は、ステータコア11の磁気吸引部(基端側端面)50とプランジャ8の第1端面との間に形成されている。
第2容積変化室44は、プランジャ8の第2端面とストッパプレート14の内面との間に形成されている。
また、コイル9への通電が停止(OFF)されると、リターンスプリング7の付勢力によってボールバルブ4、ブリードバルブ5、バルブシャフト6およびプランジャ8がデフォルト位置へ戻される。
そして、本実施例のソレノイドSにおいては、コイル9が通電されると、プランジャ8、ステータコア11、ヨーク12およびリングコア13を磁束が集中して通過する磁気回路が形成される。
一対のコイルリード線は、ボビン47、つまり一対の鍔状部間および円筒部の外周に巻装されるコイル9を形成する導体(導電体)であって、外部接続用コネクタ15の各ターミナル48を介して、外部回路と電気接続されている。
ヨーク12のプランジャガイド41は、ステータコア11に隣接するように設けられて、プランジャ8の周囲と磁気の受け渡しを行う円筒状の円筒内周ヨークである。このプランジャガイド41の内周側には、プランジャ8を往復摺動可能に支持する断面円形状のガイド孔が形成されている。また、プランジャガイド41の内周面には、プランジャ8の外周面が直接摺動する摺動面が形成されている。
ヨーク12の円筒外周ヨーク51は、ソレノイドSの外周側の外壁を形成し、コイル9の外周側を円筒状に覆っている。この円筒外周ヨーク51の先端側には、リングコア13の外周部分を係止する円環状の段差(面)53、およびハウジング3の段差19とボビン47の鍔状部との間にリングコア13の内周部分、円環板状のワッシャ54および非磁性体製のカラー55を挟み込んだ状態で、リングコア13の外周部分にカシメ固定される爪部56が設けられている。
また、リングコア13とブラケット57とを別体部品で構成しても良い。この場合には、リングコア13を磁性金属で形成し、ブラケット57を非磁性金属で形成する。
平板隔壁61の内面は、コイル9への通電停止時における、プランジャ8の軸線方向の他端側(基端側)への移動量を規制する規制面である。
ストッパ呼吸通路63は、ソレノイドSの中心軸線を中心にした同一円周上に所定の間隔(例えば等間隔:90°間隔)で設けられる複数のストッパ呼吸孔66、および平板隔壁61の外面と鍔状部65の内面との間に形成されて、複数のストッパ呼吸孔66に連通する円環状のオイル導流部67を備えている。
これらのストッパ呼吸孔66は、ストッパプレート14の平板隔壁61の内面で開口する第1開口部(以下呼吸孔内側出入り口)、ストッパプレート14の平板隔壁61の外面で開口する第2開口部(以下呼吸孔外側出入り口)、および呼吸孔内側出入り口と呼吸孔外側出入り口とを連通し、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる呼吸孔流路を有している。
次に、本実施例のソレノイドバルブに使用される油圧制御バルブVを駆動するソレノイドSの作用を図1ないし図3に基づいて簡単に説明する。
このとき、バルブシャフト6の大径軸部39の外周と、ステータコア11の内周の軸方向凹溝45の溝底面との間に形成される第1呼吸通路およびドレインポート23を介して、ソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)と第1容積変化室43との間でオイルが流出入することはなく、また、ストッパプレート14に形成されたストッパ呼吸通路63を介して、ソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)と第2容積変化室44との間でオイルが流出入することはない。
このとき、第1容積変化室43の容積が減少傾向にあるので、バルブシャフト6の外周と軸方向凹溝45の溝底面との間に形成される第1呼吸通路およびドレインポート23を介して、第1容積変化室43からソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)へオイルが吐き出される(流出する)。また、第2容積変化室44の容積が増加傾向にあるので、ストッパプレート14のストッパ呼吸通路63を介して、ソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)から第2容積変化室44へオイルが吸い込まれていく(流入していく)。
このとき、プランジャ収容室42の中で第2容積変化室44の容積(呼吸量)は、図3(b)に示したように、ストッパプレート14に形成されストッパ呼吸通路63の通路容積よりも明らかに少ないことが分かる。
このとき、第1容積変化室43の容積が増加傾向にあるので、バルブシャフト6の外周と軸方向凹溝45の溝底面との間に形成される第1呼吸通路およびドレインポート23を介して、ソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)から第1容積変化室43へオイルが吸い込まれていく(流入していく)。また、第2容積変化室44の容積が減少傾向にあるので、ストッパプレート14のストッパ呼吸通路63を介して、第2容積変化室44からソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)へオイルが吐き出される(流出する)。
なお、コイル9への通電を停止(OFF)して磁気回路からソレノイド外部(オイルパン1のオイル貯留室)へ漏洩する漏れ磁束が消磁した場合には、磁気印加領域69に補集(捕捉)されていた鉄系の磁性異物は、磁気印加領域69から離れてオイルパン1の内の重力方向下方に沈殿していく。
以上のように、本実施例のソレノイドバルブに使用されるソレノイドSのストッパプレート14は、プランジャ収容室42の第2容積変化室44の内部とソレノイドSの外部(オイルパン1のオイル貯留室)とを区画する平板隔壁61および突条隔壁62、および平板隔壁61および突条隔壁62を貫通して第2容積変化室44の内部とソレノイドSの外部とを連通するストッパ呼吸通路63を備えている。また、ストッパ呼吸通路63は、平板隔壁61を貫通する複数のストッパ呼吸孔66、および平板隔壁61の外面と鍔状部65の内面との間に形成されて、複数のストッパ呼吸孔66の各呼吸孔外側出入り口から流出または流入するオイルの流れ方向を、磁気印加領域69へ向けるオイル導流部67を備えている。
これによって、例えば鉄系の磁性異物等の異物が、ソレノイドSのコイル9へのON時に磁気回路からソレノイド外部へ漏洩する漏れ磁束により吸着(捕捉、補集)される。このとき、ストッパプレート14の平板隔壁61の外面の、オイル導流部67の付近に吸着(捕捉、補集)されるため、ソレノイドSの外部からストッパ呼吸通路63を通ってプランジャ収容室42の第2容積変化室44へ異物が侵入し難くなる。
これにより、変速制御による燃費向上と、異物混入による作動不良防止に伴う信頼性向上との両立を図ることが可能となる。
したがって、プランジャ収容室42内への異物侵入(混入)を防止できるので、ソレノイドSおよび油圧制御バルブVの動作不能(バルブロック)または動作不良を防止することができる。これにより、適正な油圧制御を行うことができる。
図4および図5は、本発明を適用したソレノイドバルブ(実施例2)を示したものである。ここで、実施例1と同じ符号は、同一の構成または機能を示すものであって、説明を省略する。
具体的には、ソレノイドSは、プランジャ8、コイル9、ステータコア11、ヨーク12、リングコア13、ストッパプレート14および外部接続用コネクタ15等を備えている。
平板隔壁71および突条隔壁72は、プランジャ収容室42の第2容積変化室44の内部とソレノイドSの外部とを区画する区画部である。
突条隔壁72は、平板隔壁71の外面に対して所定距離(軸方向距離)を隔てて対向する円板状の天板部74が一体的に設けられている。この天板部74には、その外周から半径方向外側へ向かって突出する円環状の鍔状部75が一体的に設けられている。
ストッパ呼吸通路73は、ソレノイドSの中心軸線上に設けられるストッパ呼吸孔76、および平板隔壁71の外面と鍔状部75の内面との間に形成されて、複数のストッパ呼吸孔76に連通する複数のオイル導流部77を備えている。
これらのストッパ呼吸孔76は、ストッパプレート14の平板隔壁71の内面で開口する第1開口部(以下呼吸孔内側出入り口)、ストッパプレート14の平板隔壁71の外面で開口する第2開口部(以下呼吸孔外側出入り口)、および呼吸孔内側出入り口と呼吸孔外側出入り口とを連通し、ソレノイド軸方向と平行な方向に真っ直ぐに延びる呼吸孔流路を有している。
以上のように、本実施例のソレノイドバルブに使用されるソレノイドSにおいては、実施例1と同様な効果を奏する。
本実施例では、本発明のソレノイドを、自動車の自動変速機の油圧制御を行う油圧制御装置に組み込まれる油圧制御バルブVの第1、第2弁体(4、5)を駆動するソレノイド(アクチュエータ)Sに適用しているが、本発明のソレノイドを、電磁スイッチ、電磁クラッチや電磁ブレーキ等の可動部材(プランジャと別体部品でも一体部品でも構わない)を駆動するソレノイドに適用しても良い。
すなわち、本発明のソレノイドを、電磁(流体)圧力制御弁、電磁(流体)流量制御、電磁流路切替制御弁等の電磁制御弁の弁体を駆動するソレノイド(アクチュエータ)に適用しても良い。
また、ボールバルブ4、ブリードバルブ5の代わりに、スプールバルブ、ポペットバルブ等の他の形状のバルブ(弁体)を駆動するソレノイド(アクチュエータ)に本発明を適用しても良い。
また、シャフトとプランジャとが一体構造の可動コアに本発明の構造を適用しても良い。また、シャフトを磁性体で構成しても良い。
また、プランジャ8の第1端面(磁極面)または凸曲面に、プランジャ8のフルリフト時にコイル9への通電を停止(OFF)した時の残留磁気による磁気吸引部50からのプランジャ8の離脱の遅れ(プランジャ8の動作不良)を防ぐという目的で、ステータコア11の磁気吸引部50との間の接触面積を小さくするための複数のスリット(例えば十字状の凹溝)を形成しても良い。
なお、プランジャ8の第1端面(磁極面)およびステータコア11の端面(磁極面)が平坦面であっても構わない。
9 コイル
11 ステータコア
14 ストッパプレート
42 プランジャ収容室
44 第2容積変化室
63 ストッパ呼吸通路
66 ストッパ呼吸孔
67 オイル導流部
69 磁気印加領域
Claims (8)
- (a)軸線方向に往復移動可能なプランジャ(8)と、
(b)このプランジャ(8)との間に所定距離を隔てて軸線方向に対向配置されるコア(11、50)、このコア(11、50)に隣接するように設けられて、前記プランジャ(8)を往復摺動可能に支持する筒状のプランジャガイド(41)、およびこのプランジャガイド(41)の内周側に設けられて、前記プランジャ(8)を往復摺動可能に収容するプランジャ収容室(42〜44)を有する固定子(11〜13)と、
(c)通電されると前記プランジャ(8)および前記固定子(11〜13)を通過する磁束を発生するコイル(9)と、
(d)前記コア(11、50)との間に前記プランジャ収容室(42〜44)を隔てて軸線方向に対向配置されて、前記プランジャ(8)の軸線方向の片側への移動を規制するストッパ(14)と
を備え、
前記コイル(9)を通電することで前記プランジャ(8)および前記固定子(11〜13)を含む磁気回路を形成し、前記プランジャ(8)を前記コア(11、50)側に磁気吸引するソレノイド(S)において、
前記プランジャ収容室(42〜44)は、前記プランジャ(8)と前記ストッパ(14)との間に形成される容積変化室(44)を有し、
前記ストッパ(14)は、前記容積変化室(44)の内部と外部とを区画する隔壁(61、62、65、71、72、74、75)、およびこの隔壁(61、62、65、71、72、74、75)を貫通して前記容積変化室(44)の内部と外部とを連通する呼吸通路(63、66、67、73、76、77)を有し、前記呼吸通路(63、66、67、73、76、77)の近傍、あるいは一部または全部が、前記磁気回路から漏洩する漏れ磁束が通過する磁気印加領域(69、79)に形成されていることを特徴とするソレノイド。 - 請求項1に記載のソレノイド(S)において、
前記磁気印加領域(69、79)は、少なくとも前記ストッパ(14)と共に流体中に浸漬されていることを特徴とするソレノイド。 - 請求項1または請求項2に記載のソレノイド(S)において、
前記ストッパ(14)は、前記プランジャ(8)の移動に伴う前記容積変化室(44)の容積の拡大時に、前記呼吸通路(63、66、67、73、76、77)を介して前記容積変化室(44)に流体を導入可能な流体導流部(67、77)を有し、
前記流体導流部(67、77)は、前記ソレノイド(S)の外部から前記呼吸通路(63、66、67、73、76、77)へ流入する流体の流れ方向を、前記磁気印加領域(69、79)へ向けるように、しかも前記呼吸通路(63、66、67、73、76、77)から前記ソレノイド(S)の外部へ流出する流体の流れ方向を、前記磁気印加領域(69、79)へ向けるように設けられていることを特徴とするソレノイド。 - 請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載のソレノイド(S)において、
前記呼吸通路(63、66、67、73、76、77)は、前記ソレノイドの中心軸線を中心にした同一円周上に所定の間隔で設けられる複数の呼吸孔(66、76)により構成されていることを特徴とするソレノイド。 - 請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載のソレノイド(S)において、
自動変速機に使用されるオイルを貯留するオイルパン(1)と、
このオイルパン(1)の内部に設置されて、複数の流路(L1、L2)を有するバルブボディ(2)と、
このバルブボディ(2)の流路(L1、L2)と共に油圧回路を構成する複数のソレノイドバルブ(V)と
を備えたことを特徴とするソレノイド。 - 請求項5に記載のソレノイド(S)において、
前記複数のソレノイドバルブ(V)のうちの少なくとも1つのソレノイドバルブ(V)は、前記バルブボディ(2)と共にオイル中に浸漬されていることを特徴とするソレノイド。 - 請求項5または請求項6に記載のソレノイド(S)において、
前記複数のソレノイドバルブ(V)のうちの少なくとも1つのソレノイドバルブ(V)は、
前記バルブボディ(2)に組み込まれて、オイルが流出入する複数のオイル給排ポート(21〜23)を有するハウジング(3)と、
前記プランジャ(8)と同一軸線上に設置されて、前記ハウジング(3)に往復摺動可能に支持されるシャフト(6)と、
このシャフト(6)と一体移動可能に連結した弁体(4、5)と
を備えたことを特徴とするソレノイド。 - 請求項7に記載のソレノイド(S)において、
前記ソレノイド(S)は、前記シャフト(6)を介して、前記弁体(4、5)を駆動するソレノイドアクチュエータを構成し、
前記弁体(4、5)は、前記コイル(9)への通電時に、前記呼吸通路(63、66、67、73、76、77)側に対して反対側の一端側へ向けて駆動されることを特徴とするソレノイド。
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