JP2015189793A - 上塗り用水性常乾型塗料組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、防錆顔料を含有する下塗り層を有する場合に用いられる上塗り用の水性常乾型塗料を提供する。
【解決手段】
本発明は、下塗りに防錆顔料を含む塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が塗膜形成性樹脂および防錆顔料を含有し、該防錆顔料が樹脂固形分に対して0.1〜20.0質量%の量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物を提供する。
【選択図】なし
本発明は、防錆顔料を含有する下塗り層を有する場合に用いられる上塗り用の水性常乾型塗料を提供する。
【解決手段】
本発明は、下塗りに防錆顔料を含む塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が塗膜形成性樹脂および防錆顔料を含有し、該防錆顔料が樹脂固形分に対して0.1〜20.0質量%の量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物を提供する。
【選択図】なし
Description
本発明は、上塗り用水性常乾型塗料組成物、特に下層に防錆顔料を含有するさび止め塗膜が存在する上塗り用塗料として好適な水性常乾型塗料組成物に関する。
従来、建築外装、特に金属屋根材などの金属面に対する塗装には、通常、錆止め塗料を下塗り塗装後、アルキド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料などの上塗り塗料が塗装されている。
上記下塗り塗料および上塗り塗料のいずれも、溶剤型であったが、環境保全や作業環境の観点から上記下塗りおよび上塗り塗料のいずれもが水性塗料に移行している。
特開2003−286437号公報(特許文献1)には、水性アルキド樹脂を基体樹脂成分とする常乾型水性塗料が記載されている。この常乾型水性塗料は、下塗り上塗り兼用の塗料であって、防錆顔料が含まれている。この常乾型水性塗料は、下塗りあるいは上塗りに別の塗料による塗膜を形成しないものであって、この塗料だけで完結する一層タイプの塗料であって、2層別の塗料を塗装する2層タイプとは異なる。また、この塗料は、耐候性が悪く、また耐水付着性も悪い。
特開平11−76935号公報(特許文献2)には、基材面に、特定のアクリルモノマーを含むアクリルエマルション、(B)ヒドラジン誘導体及び(C)顔料を含有する水性常乾型塗料を、塗布する防水塗膜の形成方法が記載されている。この塗料は、耐水付着性、特に水没試験後の付着性(2次付着性)が良くない。
本発明は、防錆顔料を含む下塗り層を有する場合に用いられる上塗り用の水性常乾型塗料を提供する。本発明の水性常乾型塗料組成物は、下層との付着性、特に2次付着性を改善するものである。
即ち、本発明は、下塗りに防錆顔料を含む塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が塗膜形成性樹脂および防錆顔料を含有し、該防錆顔料が樹脂固形分に対して0.1〜20.0質量%の量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物を提供する。
前記防錆顔料は、好ましくはリン酸亜鉛系、モリブデン酸塩系、リンモリブデン酸系およびリン酸塩系から選ばれる1種以上である。
前記塗膜形成性樹脂は、好ましくはアクリル樹脂である。
本発明によれば、常乾型水性塗料組成物中に防錆顔料が0.1〜20.0質量%の量で含まれる。通常、上塗り塗料に防錆顔料が含まれることは無い。防錆顔料は、金属基材の錆を防ぐ目的で添加するものであって、金属基材の近傍に存在しなければ、その効果を発揮しないと考えられている。従って、防錆顔料は、下塗り塗料中に配合するものであり、上塗りに配合することは基本的に考え難い。
本発明では、防錆顔料を含む下塗り塗膜の上に形成される上塗り塗料中に防錆顔料を配合するものであり、下塗り塗膜との付着性、特に2次付着性が向上することが解った。2次付着性は、さび止め塗膜を形成後、水性塗料を塗装した後数日間水没し、その後剥離試験を行った際の付着性を意味する。実施例に2次付着性の詳細方法を記載する。
上塗り用常乾型塗料組成物
本発明の上塗り常乾型水性塗料用組成物は、塗膜形成性樹脂および防錆顔料を含む。また、必要に応じて、種々の添加剤を配合しても良い。
本発明の上塗り常乾型水性塗料用組成物は、塗膜形成性樹脂および防錆顔料を含む。また、必要に応じて、種々の添加剤を配合しても良い。
塗膜形成性樹脂
塗膜形成性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
塗膜形成性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマー(M−1)、水酸基含有ビニルモノマー(M−2)及びその他のビニルモノマー(M−3)を共重合して得られる。
上記カルボキシル基ビニルモノマー(M−1)は、1分子中に1個以上のカルボキシル基と1個の重合性不飽和結合とを有する化合物で、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記水酸基含有ビニルモノマー(M−2)は、1分子中に水酸基と重合性不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、この水酸基は主として架橋剤と反応する官能基として作用する。このようなものとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10個の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記その他のビニルモノマー(M−3)は、上記両モノマー以外のものであって、1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する化合物で、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラアリルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニルモノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有ビニルモノマー;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノメタクリレート等の含窒素アルキル(炭素数1〜20)(メタ)クリレート;アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の重合性不飽和結合含有アミド系化合物;塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性不飽和結合含有ニトリル系化合物;ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物等を挙げることができる。上記その他のビニルモノマー(M−3)は1種又は2種以上を使用することができる。
上記ビニルモノマーの共重合反応は公知の方法で行うことができる。得られるアクリル樹脂は、モノアミンで中和することによって水溶性アクリル樹脂となし、本発明に使用することができる。
また上記アクリル樹脂は、界面活性剤のような分散安定剤の存在下で乳化重合することにより、平均粒子径0.05〜5.0μmの微粒子状水分散性アクリル樹脂として、本発明の水性常乾型塗料組成物に使用することができる。上記乳化重合せしめるビニルモノマーは、上記モノマー(M−1)、モノマー(M−2)、モノマー(M−3)から選ばれたものが好ましい。さらに必要に応じて重合性不飽和結合を1分子中に2個以上有する多ビニル化合物(M−4)を少量併用すると粒子内架橋した水分散性アクリル樹脂が得られ、塗膜性能がさらに向上するので好ましい。
上記多ビニル化合物(M−4)としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができる。
また、上記水分散性アクリル樹脂をモノアミンで中和したものも本発明に使用することができる。
また、上記水分散性アクリル樹脂としてコア/シェルタイプといわれる多層構造エマルションも有用である。上記エマルションは、水中に分散しているアクリル樹脂微粒子が安定剤ポリマーによって安定化されている水分散体であり、これは、上記アクリル樹脂微粒子をコア部、安定剤ポリマーをシェル部とするコア/シェルタイプのエマルションである。具体的には、最初にカルボキシル基含有ビニルモノマー(M−1)を全く又は殆ど含有しないビニルモノマー成分を乳化重合し、その後、カルボキシル基含有ビニルモノマー(M−1)を多量に含んだビニルモノマー成分を加えて乳化重合することによって得られる、このものはモノアミンを用いて中和することによって増粘するので塗装作業性の面からも好ましい。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応で得ることができる。このような多塩基酸としては特に限定されず、例えば、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖2塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族脂肪酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和2塩基酸等を挙げることができる。
またこのような多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
上記ポリエステル樹脂は、上記多塩基酸及び上記多価アルコールに加えて、常法により分子量調節の目的で1塩基酸又は1価アルコールを適宜使用することができる。
ポリエステル樹脂は、酸価を残して、アミンなどの塩基で中和し、水溶性ポリエステル樹脂にすることにより、本発明で使用することができる。また、界面活性剤を用いて、転相乳化などの一般的な分散方法により、ポリエステル樹脂水分散体を得て、本発明に使用しても良い。
本発明におけるウレタン樹脂は、ポリオール化合物と、分子内に活性水素基と親水基を有する化合物と、有機ポリイソシアネート、場合により鎖伸長剤及び重合停止剤からなるポリマーであり、これを水中に溶解または分散することにより得られるものである。
上記ポリオール化合物としては、水酸基を2つ以上含有しているものであれば特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、等のポリエーテルポリオール、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールから得られるポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール等が挙げられる。上記ポリオール化合物は単独または2種類以上併用してもよい。
上記分子内に活性水素基と親水基を有する化合物としては、活性水素とアニオン基{アニオン基またはアニオン形成性基(塩基と反応してアニオン基を形成するものであり、この場合にはウレタン化反応前、途中または後に塩基で中和することによってアニオン基に変える)}を含有する化合物として公知のもの(例えば、特公昭42−24192号公報明細書および特公昭55−41607号公報明細書に記載のもの、具体例としてはα,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸など)、分子内に活性水素とカチオン基を有する化合物として公知のもの(例えば、特公昭43−9076号公報明細書に記載のもの)および分子内に活性水素とノニオン性の親水基を有する化合物として公知のもの(例えば、特公昭48−41718号公報に記載のもの、具体的には、ポリエチレングリコール、アルキルアルコールアルキレンオキシド付加物など)が挙げられる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5’−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート類等が挙げられる。また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー( イソシアヌレート結合) で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。更に、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。
鎖伸長剤としては、活性水素基を2つ以上含有していれば特に限定されないが、例えば、低分子ポリオール、ポリアミン、水があげられる。
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールおよびトリメチロールプロパンなどが挙げられる。
ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
重合停止剤としては、分子内に活性水素を1個有する化合物、またはモノイソシアネート化合物が挙げられる。
分子内に活性水素を1個有する化合物としては、例えば、モノアルコール(例えば、メタノール、ブタノール、オクタノールなどのアルキルアルコール、アルキルアルコールアルキレンオキサイド付加物など)または、モノアミン(例えば、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのアルキルアミンなど)が挙げられる。
モノイソシアネート化合物としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリレンイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタン樹脂を製造する際の反応方法は、各成分を一度に反応させるワンショット法または段階的に反応させる多段法{活性水素含有化合物の一部(たとえば高分子ポリオール)とポリイソシアネートを反応させてNCO末端プレポリマーを形成したのち活性水素含有化合物の残部を反応させて製造する方法}のいずれの方法でもよい。合成反応は通常40〜140℃、好ましくは60〜120℃で行われる。反応を促進させるため通常のウレタン化反応に用いられるジブチルスズラウレ−ト、オクチル酸スズ等のスズ系あるいはトリエチレンジアミン等アミン系の触媒を使用してもよい。また上記反応は、イソシアネートに不活性な有機溶剤(たとえばアセトン、トルエン、ジメチルホルムアミドなど)の中で行ってもよく、反応の途中または反応後に該溶剤を加えてもよい。
本発明におけるウレタン樹脂は、公知の方法(アニオン形成性基の場合は塩基で中和してアニオン基を形成する方法、カチオン形成性基の場合は4級化剤でカチオン基を形成する方法や酸で中和してカチオン基を形成する方法)で処理した後、水中に溶解することによりウレタン樹脂が得られるものである。
上記の水中に溶解する工程は特に限定されず、上記反応後でも多段法の途中の段階でも良い。例えば、NCO末端プレポリマーの段階で水中に溶解するときは水および/またはポリアミンで鎖伸長しながら水中に溶解することにより水性ウレタンポリマーが得られる。また、イソシアネートに不活性な有機溶剤を使用した場合、水中に溶解した後に脱溶剤を行っても良い。
本発明で使用されるアルキド樹脂は、上記ポリエステルを乾性油、脂肪酸等によりエステル変性して得ることができる。上記乾性油、脂肪酸としては、例えば、アマニ油、キリ油、オイチシカ油、脱水ヒマシ油、ヤシ油、水添ヤシ油、米糖脂肪酸、トール油脂肪酸、大豆油、オクチル酸等を挙げることができる。上記アルキド樹脂は、エポキシ変性、ロジン変性、フェノール樹脂変性のものであってもよい。これらは、公知の方法により製造することができる。アルキド樹脂は、酸価を残して、アミンなどの塩基で中和することにより、水溶性樹脂にすることにより、本発明で使用することができる。また、アルキド樹脂は界面活性剤を用いることにより、転相乳化などの一般的な分散方法により、アルキド樹脂水分散体を得て、本発明に使用しても良い。
本発明の水性常乾型塗料組成物は、先に述べたように、必要に応じて、種々の添加剤を含んでいても良い。
その他の成分
本発明における水性塗料組成物は、上記成分に加えて、必要に応じた他の成分を含んでもよい。他の成分として、例えば、顔料、意匠材料(砂、硅砂、カラーサンド、ビーズ、カラーチップ、鉱物チップ、ガラスチップ、木質チップおよびカラービーズなど)、他の水性樹脂、造膜助剤、表面調整剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。
本発明における水性塗料組成物は、上記成分に加えて、必要に応じた他の成分を含んでもよい。他の成分として、例えば、顔料、意匠材料(砂、硅砂、カラーサンド、ビーズ、カラーチップ、鉱物チップ、ガラスチップ、木質チップおよびカラービーズなど)、他の水性樹脂、造膜助剤、表面調整剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。
顔料としては、特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ナフトール系顔料、ピラゾロン系顔料、アントラキノン系顔料、アンソラピリミジン系顔料、金属錯体顔料などの有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、酸化クロム、モリブデートオレンジ、ベンガラ、チタンイエロー、亜鉛華、カーボンブラック、二酸化チタン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、コバルトバイオレットなどの無機系着色顔料;マイカ顔料(二酸化チタン被覆マイカ、着色マイカ、金属メッキマイカ);グラファイト顔料、アルミナフレーク顔料、金属チタンフレーク、ステンレスフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク、金属メッキガラスフレーク、その他の着色、有色偏平顔料;酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、クレー、タルク、シリカ、焼成カオリンの体質顔料などを挙げることができる。
水性塗料組成物が顔料を含む場合は、水性塗料組成物の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)が5〜70質量%の範囲内であることが好ましい。上記PWCが5質量%未満であると、下地隠蔽性が劣り、上記PWCが70質量%を超えると、耐侯性が低下するおそれがある。顔料質量濃度(PWC)は20〜45質量%であることがより好ましい。
本発明の水性常温硬化型塗料組成物は、その塗装方法および乾燥条件については特に限定されず、一般によく知られたものをそれぞれ適用することが可能である。また、本発明の塗料組成物は種々の用途に利用可能であるが、特に常温乾燥から強制乾燥条件で優れた性能を発揮する。なお、強制乾燥とは、通常80℃程度の加熱を意味するものであるが、例えば、150℃程度までの加熱であってもよい。
本発明の水性塗料組成物には、防錆顔料を塗料の樹脂固形分に対して0.1〜20.0質量%の量で含む。防錆顔料は、通常塗料で使用されているものであり、リン酸亜鉛系(オルトリン酸亜鉛、ポリリン酸亜鉛など)、モリブデン酸塩系(モリブデン酸亜鉛、モリブデン酸カルシウムなど)、リンモリブデン酸系(リンモリブデン酸アルミニウム亜鉛、リンモリブデン酸亜鉛、リンモリブデン酸カルシウム、など)、その他リン酸塩(リン酸カルシウム亜鉛、リン酸マグネシウム亜鉛、亜リン酸亜鉛など)などがあげられる。防錆顔料の添加量は、好ましくは樹脂固形分に対して、0.1〜15.0質量%、より好ましくは0.2〜10.0質量%である。防錆顔料が0.1質量%より少ないと、本発明の効果、特に2次付着性が発揮されない。また、防錆顔料が20.0質量%より多いと、塗装肌などの基本性能が損なわれる。
水性塗料組成物の調製法としては特に限定されず、上述した各成分を、攪拌機などにより攪拌することによって調製することができる。水性ベース塗料組成物中に顔料または意匠材料が含まれる場合は、分散性のよいものは攪拌機により混合することができ、他の方法として、水、界面活性剤または分散剤などを含むビヒクルにサンドグラインドミルなどを用いて予め分散させたものを加えることもできる。
本発明の水性常乾型塗料組成物は、その塗装方法および乾燥条件については特に限定されず、一般によく知られたものをそれぞれ適用することが可能である。また、本発明の塗料組成物は種々の用途に利用可能であるが、特に常温乾燥から強制乾燥条件で優れた性能を発揮する。なお、強制乾燥とは、通常80℃程度の加熱を意味するものであるが、例えば、150℃程度までの加熱であってもよい。
さび止め塗料
下塗り用さび止め塗料としては、通常さび止め塗料として用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、脂肪酸変性エポキシを含有する酸化重合型の1液タイプの塗料や、エポキシ/アミン硬化系を用いた2液タイプの塗料が挙げられる。またどちらのタイプのさび止め塗料も防錆顔料を含んでいる。防錆顔料は、本発明の上塗り用水性常乾型塗料組成物に配合されるものが使用できる。
下塗り用さび止め塗料としては、通常さび止め塗料として用いられるものであれば特に限定されないが、例えば、脂肪酸変性エポキシを含有する酸化重合型の1液タイプの塗料や、エポキシ/アミン硬化系を用いた2液タイプの塗料が挙げられる。またどちらのタイプのさび止め塗料も防錆顔料を含んでいる。防錆顔料は、本発明の上塗り用水性常乾型塗料組成物に配合されるものが使用できる。
さび止め塗料は、市販されている。その具体例としては、1液タイプさび止め塗料では、1液ハイポンファインデクロ、エスパーワンエース、速乾PZヘルゴンエコ(ともに日本ペイント社製)、2液タイプさび止め塗料では、ハイポンファインプライマーII、ハイポン20ファイン、ハイポン20デクロ、ハイポン20PHB(ともに日本ペイント社製)が挙げられる。
被塗物
本発明の常乾型塗料組成物を適用する被塗物としては、さび止め塗料が塗布されていれば、特に限定されず、例えば、鉄、ステンレス等及びその表面処理物等の金属基材、石膏類等のセメント基材、ポリエステル類、アクリル類等のプラスチック系基材等を挙げることが出来る。また、これらの基材からなる建材、構造物等の建築用各種被塗物、自動車車体、部品等の自動車工業用各種被塗物、電化製品、電子部品等の工業用分野の各種被塗物を挙げることが出来る。また、本発明の水性塗料組成物は上記の各被塗物の改装時にも塗布することができる。本発明の水性常乾型塗料組成物は、特に、みがき鋼板に代表される各種鉄板(基材)、例えば黒皮鋼板、ボンデ鋼板、ガルバリウム鋼板、ZAM鋼板、ブリキ、アルミ等に対する密着性が優れる。
本発明の常乾型塗料組成物を適用する被塗物としては、さび止め塗料が塗布されていれば、特に限定されず、例えば、鉄、ステンレス等及びその表面処理物等の金属基材、石膏類等のセメント基材、ポリエステル類、アクリル類等のプラスチック系基材等を挙げることが出来る。また、これらの基材からなる建材、構造物等の建築用各種被塗物、自動車車体、部品等の自動車工業用各種被塗物、電化製品、電子部品等の工業用分野の各種被塗物を挙げることが出来る。また、本発明の水性塗料組成物は上記の各被塗物の改装時にも塗布することができる。本発明の水性常乾型塗料組成物は、特に、みがき鋼板に代表される各種鉄板(基材)、例えば黒皮鋼板、ボンデ鋼板、ガルバリウム鋼板、ZAM鋼板、ブリキ、アルミ等に対する密着性が優れる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものと解してはならない。実施例中、%または部は特に指示しない限り、質量に基づく。
製造例1
顔料分散剤としてDISPER BYK−190(ビックケミー社製から市販)3.00部、防錆顔料としてZP−DL(キクチカラー社製リン酸亜鉛系防錆顔料)0.03部、白色塗料用の顔料として酸化チタン(商品名:TIPAQUE CR−95、石原産業社製)20.00部、脱イオン水4.00部からなる分散ペーストに、アクリル樹脂エマルション(商品名:ES−85、中央理化社製、不揮発分(NV)50%)を52.00部、造膜助剤としてトクソルを3.10部、防腐剤としてバイオカット AF−40(日本曹達社製)を0.05部、防汚剤としてベストサイド201を0.03部 pH調整剤として25%アンモニア水を0.10部、増粘剤としてプライマル ASE−60(ローム・アンド・ハース社製)を2.00部、消泡剤としてBYK−024(ビックケミー社製)を0.20部混合して水性塗料組成物を得た。
顔料分散剤としてDISPER BYK−190(ビックケミー社製から市販)3.00部、防錆顔料としてZP−DL(キクチカラー社製リン酸亜鉛系防錆顔料)0.03部、白色塗料用の顔料として酸化チタン(商品名:TIPAQUE CR−95、石原産業社製)20.00部、脱イオン水4.00部からなる分散ペーストに、アクリル樹脂エマルション(商品名:ES−85、中央理化社製、不揮発分(NV)50%)を52.00部、造膜助剤としてトクソルを3.10部、防腐剤としてバイオカット AF−40(日本曹達社製)を0.05部、防汚剤としてベストサイド201を0.03部 pH調整剤として25%アンモニア水を0.10部、増粘剤としてプライマル ASE−60(ローム・アンド・ハース社製)を2.00部、消泡剤としてBYK−024(ビックケミー社製)を0.20部混合して水性塗料組成物を得た。
製造例2〜15
水性塗料組成物を下記表1に記載の配合成分を用いて、上記塗料製造例1と同様に作成した。
水性塗料組成物を下記表1に記載の配合成分を用いて、上記塗料製造例1と同様に作成した。
表1中、防錆顔料は以下のものを用いる。
ZP−DL:キクチカラー株式会社製リン酸亜鉛系防錆顔料。
ZP−SB:キクチカラー株式会社製リン酸亜鉛系防錆顔料。
CP−Z :キクチカラー株式会社製リン酸カルシウム亜鉛系防錆顔料。
M−PSN:キクチカラー株式会社製モリブデン酸亜鉛系防錆顔料。
Kホワイト105:テイカ株式会社製ポリリン酸系防錆顔料。
アクリル樹脂エマルションは以下のものを用いる。
HS−510:中央理科工業株式会社製アクリル樹脂エマルション、不揮発分(NV)50%。
ハイドランWSL−210:DIC社製アクリル樹脂エマルション、NV35%。
SIFCLEAR F102:JSR社製アクリル樹脂エマルション、NV47%。
ZP−DL:キクチカラー株式会社製リン酸亜鉛系防錆顔料。
ZP−SB:キクチカラー株式会社製リン酸亜鉛系防錆顔料。
CP−Z :キクチカラー株式会社製リン酸カルシウム亜鉛系防錆顔料。
M−PSN:キクチカラー株式会社製モリブデン酸亜鉛系防錆顔料。
Kホワイト105:テイカ株式会社製ポリリン酸系防錆顔料。
アクリル樹脂エマルションは以下のものを用いる。
HS−510:中央理科工業株式会社製アクリル樹脂エマルション、不揮発分(NV)50%。
ハイドランWSL−210:DIC社製アクリル樹脂エマルション、NV35%。
SIFCLEAR F102:JSR社製アクリル樹脂エマルション、NV47%。
実施例1
基材として磨き鋼板を用い、その上に錆止め塗料として水性ハイポン20(日本ペイント社製)をエアスプレーで乾燥膜厚50μmに塗装し、1日乾燥した。
基材として磨き鋼板を用い、その上に錆止め塗料として水性ハイポン20(日本ペイント社製)をエアスプレーで乾燥膜厚50μmに塗装し、1日乾燥した。
(耐酸化重合さび止め塗膜に対する二次付着性方法)
次いで、上記で作成した製造例1の水性塗料を乾燥膜厚60μmになるように刷毛塗り塗装した。塗装後、23℃で湿度50%の条件の恒温恒湿部屋で7日間養生した。その後、23℃の条件下に没水試験を開始した。没水から7日後に水から引き上げ、5分後に碁盤目テープ剥離試験を実施した。カット幅や合格基準はJIS規定の付着試験と同様に行った(JIS K5600−5−6)。試験の結果、分類0および1を良と判定し、分類2〜5を不良と判定した。
次いで、上記で作成した製造例1の水性塗料を乾燥膜厚60μmになるように刷毛塗り塗装した。塗装後、23℃で湿度50%の条件の恒温恒湿部屋で7日間養生した。その後、23℃の条件下に没水試験を開始した。没水から7日後に水から引き上げ、5分後に碁盤目テープ剥離試験を実施した。カット幅や合格基準はJIS規定の付着試験と同様に行った(JIS K5600−5−6)。試験の結果、分類0および1を良と判定し、分類2〜5を不良と判定した。
実施例2〜33および比較例1〜9
下塗り塗料と上塗り塗料の組み合わせを表2に記載するように変更すること以外は実施例1と同様に塗装し、その後実施例1と同様に付着性(さび止め塗膜に対する2次付着性)試験を行った。
上記付着試験の結果を表2〜4に示す。
下塗り塗料と上塗り塗料の組み合わせを表2に記載するように変更すること以外は実施例1と同様に塗装し、その後実施例1と同様に付着性(さび止め塗膜に対する2次付着性)試験を行った。
上記付着試験の結果を表2〜4に示す。
上塗り塗料は、製造例の番号を記載した。
下塗り塗料は、使用塗料は以下の通りである。
塗料A:日本ペイント株式会社製1液ハイポン20
塗料B:日本ペイント株式会社製1液ハイポンファインデクロ
塗料C:日本ペイント株式会社製株式会社製ハイポンファインプライマーII
下塗り塗料は、使用塗料は以下の通りである。
塗料A:日本ペイント株式会社製1液ハイポン20
塗料B:日本ペイント株式会社製1液ハイポンファインデクロ
塗料C:日本ペイント株式会社製株式会社製ハイポンファインプライマーII
上記実施例および比較例の結果から明らかなように、防錆顔料を所定量配合した水性常乾型塗料は、下地のさび止め塗料の塗膜との付着性(2次付着性)が優れている。しかし、塗料製造例14の塗料は、防錆顔料の配合量が多く、塗膜の肌が不良であったので没水試験を実施していない。塗料製造例13の塗料は防錆顔料の配合量が少なく、また塗料製造例12の塗料は防錆顔料を含んでいないので、下地塗料との耐酸化重合さび止め塗膜に対する二次付着性が悪くなっている。
本発明の水性常乾型塗料組成物が防錆顔料を含有する下地塗膜上に塗装すると、水没後の付着性(2次付着性)が大きく向上する。本発明の水性常乾型塗料組成物は、防錆顔料を含有する塗膜を下地とする場合の上塗り塗料として有用である。
Claims (3)
- 下塗りに防錆顔料を含む塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が塗膜形成性樹脂および防錆顔料を含有し、該防錆顔料が樹脂固形分に対して0.1〜20.0質量%の量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物。
- 前記防錆顔料がリン酸亜鉛系、モリブデン酸塩系、リンモリブデン酸系およびリン酸塩系から選ばれる1種以上からなる請求項1記載の上塗り用水性常乾型塗料組成物。
- 前記塗膜形成性樹脂が、アクリル樹脂である、請求項1または2に記載の上塗り用水性常乾型塗料組成物。
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---|---|---|---|
JP2014066304A JP2015189793A (ja) | 2014-03-27 | 2014-03-27 | 上塗り用水性常乾型塗料組成物 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017013474A (ja) * | 2015-07-07 | 2017-01-19 | アサヒボンド工業株式会社 | 水性防食塗装及び、水性防食塗装方法 |
JP2021521315A (ja) * | 2018-05-08 | 2021-08-26 | エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド | 水溶性コーティング材及びそのコーティング法 |
-
2014
- 2014-03-27 JP JP2014066304A patent/JP2015189793A/ja active Pending
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