JP2015189792A - 水性常乾型塗料組成物 - Google Patents

水性常乾型塗料組成物 Download PDF

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晋也 川上
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修輔 神野
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Abstract

【課題】本発明は、酸化重合型塗料の下塗り層を有する場合に用いられる上塗り用の水性常乾型塗料を提供する。【解決手段】本発明は、下塗りに酸化重合型塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が酸化重合型を除く塗膜形成性樹脂および金属ドライヤーを含有し、該金属ドライヤーが樹脂固形分に対して0.01〜3.0質量%の金属量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物を提供する。【選択図】なし

Description

本発明は、水性常乾型塗料組成物、特に下層にさび止め塗膜が存在する上塗り用塗料として好適な水性常乾型塗料組成物に関する。
従来、建築外装、特に金属屋根材などの金属面に対する塗装には、通常、錆止め塗料を下塗り塗装後、アルキド樹脂系塗料、アクリル樹脂系塗料、ウレタン樹脂系塗料などの上塗り塗料が塗装されている。
上記下塗り塗料および上塗り塗料のいずれも、溶剤型であったが、環境保全や作業環境の観点から上記下塗りおよび上塗り塗料のいずれもが水性塗料に移行している。
特開2008−63437号公報(特許文献1)には、酸化硬化樹脂、金属ドライヤーおよび含窒素化合物を含み、全溶剤のうち50重量%以上が脂肪族炭化水素であるものが記載されている。この塗料は上塗り用の塗料ではあるが、有機溶剤を多く含む弱溶剤型と呼ばれる塗料であって、水性塗料ではない。
特開2003−286437号公報(特許文献2)には、水性アルキド樹脂を基体樹脂成分とする水性常乾型塗料が記載されている。この水性常乾型塗料は、下塗り上塗り兼用の塗料であって、金属ドライヤーが含まれている。この水性常乾型塗料は、下塗りあるいは上塗りに別の塗料による塗膜を形成しないものであって、この塗料だけで完結する一層タイプの塗料であって、2層別の塗料を塗装する2層タイプとは異なる。また、この塗料は、耐候性が悪い。
特開平11−76935号公報(特許文献3)には、基材面に、特定のアクリルモノマーを含むアクリルエマルション、(B)ヒドラジン誘導体及び(C)顔料を含有する水性常乾型塗料を、塗布する防水塗膜の形成方法が記載されている。この塗料は、耐水付着性、特に水没試験後の付着性(2次付着性)が良くない。
特開2008−63437号公報 特開2003−286437号公報 特開平11−76935号公報
本発明は、酸化重合型塗料の下塗り層を有する場合に用いられる上塗り用の水性常乾型塗料を提供する。本発明の水性常乾型塗料組成物は、下層との耐水付着性、特に2次付着性を改善し、かつ優れた耐候性を提供するものである。
即ち、本発明は、下塗りに酸化重合型塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が酸化重合型を除く塗膜形成性樹脂および金属ドライヤーを含有し、該金属ドライヤーが樹脂固形分に対して0.01〜3.0質量%の金属量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物を提供する。
前記金属ドライヤーの金属種は、好ましくはコバルト、ジルコニウム、バリウムおよびマンガンから選ばれる1種以上である。
前記金属ドライヤーは、樹脂固形分に対して0.02〜2.8質量%であるのが好ましい。
前記塗膜形成性樹脂は、好ましくはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂である
本発明によれば、上塗り用の水性常乾型塗料組成物中に金属ドライヤーが0.01〜3.0質量%の金属量で含まれる。通常、酸化重合型以外の上塗り塗料に金属ドライヤーが含まれることは無い。金属ドライヤーは、酸化重合する塗料の乾燥過程を促進するために添加する化合物である。従って、金属ドライヤーは、酸化重合型の塗料中に配合するものであり、酸化重合を必要としない上塗りに配合することは基本的に考え難い。
本発明では、酸化重合型塗料から得られる下塗り塗膜の上に形成される酸化重合型以外の上塗り塗料中に金属ドライヤーを配合するものであり、酸化重合型塗料から得られる塗膜との付着性、特に2次付着性が向上する。2次付着性は、下塗り塗膜を形成後、本発明の水性常乾型塗料を塗装した後数日間水没し、その後剥離試験を行った際の付着性を意味する。実施例に2次付着性を測定する詳細な方法を記載する。
上塗り用常乾型塗料組成物
本発明の上塗り水性常乾型塗料用組成物は、塗膜形成性樹脂および金属ドライヤーを含む。また、必要に応じて、種々の添加剤を配合しても良い。
塗膜形成性樹脂
塗膜形成性樹脂としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。塗膜形成性樹脂は好ましくはアクリル樹脂である。これらは1種又は2種以上を併用することができる。
上記アクリル樹脂としては、例えば、カルボキシル基含有ビニルモノマー(M−1)、水酸基含有ビニルモノマー(M−2)及びその他のビニルモノマー(M−3)を共重合して得られる。
上記カルボキシル基ビニルモノマー(M−1)は、1分子中に1個以上のカルボキシル基と1個の重合性不飽和結合とを有する化合物で、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、イタコン酸等が挙げられる。
上記水酸基含有ビニルモノマー(M−2)は、1分子中に水酸基と重合性不飽和結合とをそれぞれ1個有する化合物で、この水酸基は主として架橋剤と反応する官能基として作用する。このようなものとしては、アクリル酸又はメタクリル酸と炭素数2〜10個の2価アルコールとのモノエステル化物が好適であり、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等を挙げることができる。
上記その他のビニルモノマー(M−3)は、上記両モノマー以外のものであって、1分子中に1個の重合性不飽和結合を有する化合物で、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルアクリレート、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ラアリルメタクリレート等のアクリル酸又はメタクリル酸と炭素数1〜20の1価アルコールとのモノエステル化物;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族系ビニルモノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有ビニルモノマー;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノメタクリレート等の含窒素アルキル(炭素数1〜20)(メタ)クリレート;アクリル酸アミド、メタクリル酸アミド、ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルプロピルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド等の重合性不飽和結合含有アミド系化合物;塩化ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル化合物;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の重合性不飽和結合含有ニトリル系化合物;ブタジエン、イソプレン等のジエン系化合物等を挙げることができる。上記その他のビニルモノマー(M−3)は1種又は2種以上を使用することができる。
上記ビニルモノマーの共重合反応は公知の方法で行うことができる。得られるアクリル樹脂は、モノアミンで中和することによって水溶性アクリル樹脂となし、本発明に使用することができる。
また上記アクリル樹脂は、界面活性剤のような分散安定剤の存在下で乳化重合することにより、平均粒子径0.05〜5.0μmの微粒子状水分散性アクリル樹脂として、本発明の水性常乾型塗料組成物に使用することができる。上記乳化重合せしめるビニルモノマーは、上記モノマー(M−1)、モノマー(M−2)、モノマー(M−3)から選ばれたものが好ましい。さらに必要に応じて重合性不飽和結合を1分子中に2個以上有する多ビニル化合物(M−4)を少量併用すると粒子内架橋した水分散性アクリル樹脂が得られ、塗膜性能がさらに向上するので好ましい。
上記多ビニル化合物(M−4)としては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリアクリレート等を挙げることができる。
また、上記水分散性アクリル樹脂をモノアミンで中和したものも本発明に使用することができる。
また、上記水分散性アクリル樹脂としてコア/シェルタイプといわれる多層構造エマルションも有用である。上記エマルションは、水中に分散しているアクリル樹脂微粒子が安定剤ポリマーによって安定化されている水分散体であり、これは、上記アクリル樹脂微粒子をコア部、安定剤ポリマーをシェル部とするコア/シェルタイプのエマルションである。具体的には、最初にカルボキシル基含有ビニルモノマー(M−1)を全く又は殆ど含有しないビニルモノマー成分を乳化重合し、その後、カルボキシル基含有ビニルモノマー(M−1)を多量に含んだビニルモノマー成分を加えて乳化重合することによって得られる、このものはモノアミンを用いて中和することによって増粘するので塗装作業性の面からも好ましい。
本発明で使用されるポリエステル樹脂は、多塩基酸と多価アルコールとの重縮合反応で得ることができる。このような多塩基酸としては特に限定されず、例えば、シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の直鎖2塩基酸;フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族脂肪酸;マレイン酸、無水マレイン酸、フマール酸、イタコン酸等の不飽和2塩基酸等を挙げることができる。
またこのような多価アルコールとしては特に限定されず、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、トリエチレングリコール等のグリコール類;水素化ビスフェノールA、ビスフェノールジヒドロキシプロピルエーテル、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等を挙げることができる。
上記ポリエステル樹脂は、上記多塩基酸及び上記多価アルコールに加えて、常法により分子量調節の目的で1塩基酸又は1価アルコールを適宜使用することができる。
ポリエステル樹脂は、酸価を残して、アミンなどの塩基で中和し、水溶性ポリエステル樹脂にすることにより、本発明で使用することができる。また、界面活性剤を用いて、転相乳化などの一般的な分散方法により、ポリエステル樹脂水分散体を得て、本発明に使用しても良い。
本発明におけるウレタン樹脂は、ポリオール化合物と、分子内に活性水素基と親水基を有する化合物と、有機ポリイソシアネート、場合により鎖伸長剤及び重合停止剤からなるポリマーであり、これを水中に溶解または分散することにより得られるものである。
上記ポリオール化合物としては、水酸基を2つ以上含有しているものであれば特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、等のポリエーテルポリオール、アジピン酸、セバシン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸とエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のグリコールから得られるポリエステルポリオール類、ポリカプロラクトンポリオール、ポリブタジエンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリチオエーテルポリオール等が挙げられる。上記ポリオール化合物は単独または2種類以上併用してもよい。
上記分子内に活性水素基と親水基を有する化合物としては、活性水素とアニオン基{アニオン基またはアニオン形成性基(塩基と反応してアニオン基を形成するものであり、この場合にはウレタン化反応前、途中または後に塩基で中和することによってアニオン基に変える)}を含有する化合物として公知のもの(例えば、特公昭42−24192号公報明細書および特公昭55−41607号公報明細書に記載のもの、具体例としてはα,α−ジメチロールプロピオン酸、α,α−ジメチロール酪酸など)、分子内に活性水素とカチオン基を有する化合物として公知のもの(例えば、特公昭43−9076号公報明細書に記載のもの)および分子内に活性水素とノニオン性の親水基を有する化合物として公知のもの(例えば、特公昭48−41718号公報に記載のもの、具体的には、ポリエチレングリコール、アルキルアルコールアルキレンオキシド付加物など)が挙げられる。
上記有機ポリイソシアネートとしては、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものであれば特に限定されないが、例えば、1,4−テトラメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,4−ジイソシアネート、メチルシクロヘキシル−2,6−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネート)メチルシクロヘキサン、テトラメチルキシリレンジイソシアネート、トランスシクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート類、2,4−トルイレンジイソシアネート、2,6−トルイレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、1,5’−ナフテンジイソシアネート、トリジンジイソシアネート、ジフェニルメチルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート類、リジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、1,8−ジイソシアネート−4,4−イソシアネートメチルオクタン、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート、ビシクロヘプタントリイソシアネート等のトリイソシアネート類等が挙げられる。また、これらのポリイソシアネート化合物のダイマー、トリマー( イソシアヌレート結合) で用いられてもよく、また、アミンと反応させてビウレットとして用いてもよい。更に、これらのポリイソシアネート化合物と、ポリオールを反応させたウレタン結合を有するポリイソシアネートも用いることができる。
鎖伸長剤としては、活性水素基を2つ以上含有していれば特に限定されないが、例えば、低分子ポリオール、ポリアミン、水があげられる。
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、3−メチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオールおよびトリメチロールプロパンなどが挙げられる。
ポリアミンとしては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、ヒドラジン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられる。
重合停止剤としては、分子内に活性水素を1個有する化合物、またはモノイソシアネート化合物が挙げられる。
分子内に活性水素を1個有する化合物としては、例えば、モノアルコール(例えば、メタノール、ブタノール、オクタノールなどのアルキルアルコール、アルキルアルコールアルキレンオキサイド付加物など)または、モノアミン(例えば、ブチルアミン、ジブチルアミンなどのアルキルアミンなど)が挙げられる。
モノイソシアネート化合物としては、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ラウリルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、トリレンイソシアネートなどが挙げられる。
ウレタン樹脂を製造する際の反応方法は、各成分を一度に反応させるワンショット法または段階的に反応させる多段法{活性水素含有化合物の一部(たとえば高分子ポリオール)とポリイソシアネートを反応させてNCO末端プレポリマーを形成したのち活性水素含有化合物の残部を反応させて製造する方法}のいずれの方法でもよい。合成反応は通常40〜140℃、好ましくは60〜120℃で行われる。反応を促進させるため通常のウレタン化反応に用いられるジブチルスズラウレ−ト、オクチル酸スズ等のスズ系あるいはトリエチレンジアミン等アミン系の触媒を使用してもよい。また上記反応は、イソシアネートに不活性な有機溶剤(たとえばアセトン、トルエン、ジメチルホルムアミドなど)の中で行ってもよく、反応の途中または反応後に該溶剤を加えてもよい。
本発明におけるウレタン樹脂は、公知の方法(アニオン形成性基の場合は塩基で中和してアニオン基を形成する方法、カチオン形成性基の場合は4級化剤でカチオン基を形成する方法や酸で中和してカチオン基を形成する方法)で処理した後、水中に溶解することによりウレタン樹脂が得られるものである。
上記の水中に溶解する工程は特に限定されず、上記反応後でも多段法の途中の段階でも良い。例えば、NCO末端プレポリマーの段階で水中に溶解するときは水および/またはポリアミンで鎖伸長しながら水中に溶解することにより水性ウレタンポリマー(C)が得られる。また、イソシアネートに不活性な有機溶剤を使用した場合、水中に溶解した後に脱溶剤を行っても良い。
金属ドライヤー
本発明の水性常乾型塗料組成物は、金属ドライヤーを含んでいる。この金属ドライヤーは不飽和結合を架橋させるための働きをするものである。上記金属ドライヤーとしては、通常、塗料用として慣用されているものであればいずれでもよいが、そのうちでも特に代表的なものとしてはコバルト、バリウム、バナジウム、マンガン、セリウム、鉛、鉄、カルシウム、亜鉛、ジルコニウム、セリウム、ニッケルもしくは錫などのナフテン酸塩、オクチル酸塩などを挙げることができる。
金属ドライヤーは、水性塗料組成物の樹脂固形分対して、0.01〜3.0質量%の範囲の金属量に設定することができる。金属ドライヤーの金属量が0.01質量%より少ないと、下層の酸化重合型塗膜との付着性が悪くなる。逆に、金属ドライヤーの金属量が3.0質量%より多いと、塗装肌などの基本性能が損なわれる。金属ドライヤーは、樹脂固形分に対して、好ましくは0.01〜2.9質量%、より好ましくは0.02〜2.8質量%の金属量で配合される。
本発明の水性常乾型塗料組成物は、先に述べたように、必要に応じて、種々の添加剤を含んでいても良い。
その他の成分
本発明における水性塗料組成物は、上記成分に加えて、必要に応じた他の成分を含んでもよい。他の成分として、例えば、顔料、意匠材料(砂、硅砂、カラーサンド、ビーズ、カラーチップ、鉱物チップ、ガラスチップ、木質チップおよびカラービーズなど)、他の水性樹脂、造膜助剤、表面調整剤、防腐剤、防かび剤、消泡剤、光安定剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、pH調整剤などが挙げられる。
顔料としては、特に限定されず、例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、モノアゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ系顔料、チオインジゴ系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、ナフトール系顔料、ピラゾロン系顔料、アントラキノン系顔料、アンソラピリミジン系顔料、金属錯体顔料などの有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、酸化クロム、モリブデートオレンジ、ベンガラ、チタンイエロー、亜鉛華、カーボンブラック、二酸化チタン、コバルトグリーン、フタロシアニングリーン、群青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、コバルトバイオレットなどの無機系着色顔料;マイカ顔料(二酸化チタン被覆マイカ、着色マイカ、金属メッキマイカ);グラファイト顔料、アルミナフレーク顔料、金属チタンフレーク、ステンレスフレーク、板状酸化鉄、フタロシアニンフレーク、金属メッキガラスフレーク、その他の着色、有色偏平顔料;酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、珪酸マグネシウム、クレー、タルク、シリカ、焼成カオリンの体質顔料などを挙げることができる。
水性塗料組成物が顔料を含む場合は、水性塗料組成物の固形分に対する顔料質量濃度(PWC)が5〜70質量%の範囲内であることが好ましい。上記PWCが5質量%未満であると、下地隠蔽性が劣り、上記PWCが70質量%を超えると、耐侯性が低下するおそれがある。顔料質量濃度(PWC)は20〜45質量%であることがより好ましい。
本発明の水性常温型塗料組成物は、その塗装方法および乾燥条件については特に限定されず、一般によく知られたものをそれぞれ適用することが可能である。また、本発明の塗料組成物は種々の用途に利用可能であるが、特に常温乾燥から強制乾燥条件で優れた性能を発揮する。なお、強制乾燥とは、通常80℃程度の加熱を意味するものであるが、例えば、150℃程度までの加熱であってもよい。
下塗り用酸化重合型塗料
下塗り用酸化重合型塗料は、アルキド系塗料組成物からなり、このアルキド系塗料組成物は不飽和脂肪酸に由来する樹脂を有している。アルキド系塗料組成物は、上記成分以外に通常、顔料成分および金属ドライヤーを含有する。
上記顔料成分として、例えば、二酸化チタン、カーボンブラック、弁柄、フタロシアニンブルー等の着色顔料、炭酸カルシウム、タルク、マイカ、クレー等の体質顔料、さらに防錆顔料等が挙げられる。
上記金属ドライヤーは、上塗り水性常乾型塗料用組成物で説明したものを用いることができる。
また、アルキド系塗料組成物は、さらに、塗料用添加剤を含有していてもよい。上記塗料添加剤として、石油樹脂ワニス、有機溶剤、紫外線吸収剤、光安定剤、粘性調整剤、表面調整剤、酸化防止剤、塗料皮貼り防止剤、防かび剤、防藻剤、可塑剤、消泡剤等を挙げることができる。上記塗料用添加剤は、塗料組成物中、通常0.1〜10質量%の量で使用される。
被塗物
本発明の水性常乾型塗料組成物を適用する被塗物としては、酸化重合型塗料が塗布されていれば、特に限定されず、例えば、鉄、ステンレス等及びその表面処理物等の金属基材、石膏類等のセメント基材、ポリエステル類、アクリル類等のプラスチック系基材等を挙げることが出来る。また、これらの基材からなる建材、構造物等の建築用各種被塗物、自動車車体、部品等の自動車工業用各種被塗物、電化製品、電子部品等の工業用分野の各種被塗物を挙げることが出来る。また、本発明の水性塗料組成物は上記の各被塗物の改装時にも塗布することができる。
本発明を実施例により更に詳細に説明する。本発明は、これら実施例に限定されるものと解してはならない。実施例中、%または部は特に指示しない限り、質量に基づく。
塗料製造例1
顔料分散剤としてDISPER BYK−190(ビックケミー社製から市販)3.00部、白色塗料用の顔料として酸化チタン(商品名:TIPAQUE CR−95、石原産業社製)20.00部、脱イオン水4.00部からなる分散ペーストに、アクリル樹脂エマルション(中央理科工業株式会社から市販のES−85、不揮発分(NV)50%)を52.00部、造膜助剤としてトクソルを3.10部、防腐剤としてバイオカット AF−40(日本曹達社製)を0.05部、防汚剤としてベストサイド201を0.03部 pH調整剤として25%アンモニア水を0.10部、増粘剤としてプライマル ASE−60(ローム・アンド・ハース社製)を2.00部、金属ドライヤーとしてCo−NAPHTHENATE 6%(DIC社製)を0.20部、消泡剤としてBYK−024(ビックケミー社製)を0.20部混合して水性塗料組成物を得た。
塗料製造例2〜14
水性塗料組成物を下記表1に記載の配合成分を用いて、上記塗料製造例1と同様に作成した。
Figure 2015189792
表1中で使用したメイン樹脂およびドライヤーは以下を使用した。
アクリル樹脂エマルション
HS−510:中央理科工業株式会社製アクリル樹脂エマルション、不揮発分(NV)50%。
ハイドランWLS−210:DIC社製アクリル樹脂エマルション、NV35%。
SIFCLEAR F102:JSR株式会社製アクリル樹脂エマルション、NV47%。
ドライヤー
Co−NAPHTHENATE6%:DIC社製ドライヤー。
DICNATE1000:DIC社製ドライヤー。
DICNATE1000W:DIC社製ドライヤー。
12%Zr−OCTOATE:DIC社製ドライヤー。
Ba−OCTOATE15%:DIC社製ドライヤー。
Mn−NAPHTHENATE6%:DIC社製ドライヤー。
実施例1
基材として磨き鋼板を用い、その上に下塗り酸化重合型塗料として1液ハイポンファインデクロ(日本ペイント社製)をエアスプレーで乾燥膜厚50μmに塗装し、1日乾燥した。
(耐酸化重合さび止め塗膜に対する二次付着性方法)
次いで、上塗り塗料として上記で作成した製造例1の水性塗料を乾燥膜厚60μmになるように刷毛塗り塗装した。塗装後、23℃で湿度50%の条件の恒温恒湿部屋で7日間養生した。その後、23℃の条件下に、で没水試験を開始した。没水から7日後に水から引き上げ、5分後に碁盤目テープ剥離試験を実施した。カット幅や合格基準はJIS規定の付着試験と同様に行った(JIS K5600−5−6)。試験の結果、分類0および1を良と判定し、分類2〜5を不良と判定した。
実施例2〜33および比較例1〜9
下塗り塗料と上塗り塗料の組み合わせを表2に記載するように変更すること以外は実施例1と同様に塗装し、その後実施例1と同様に付着性(耐酸化重合さび止め塗膜に対する2次付着性)試験を行った。
上記付着試験の結果を表2〜4に示す。
Figure 2015189792
Figure 2015189792
Figure 2015189792
上塗り塗料は、製造例の番号を記載した。
下塗り塗料は、使用塗料は以下の通りである。
塗料A:日本ペイント株式会社製1液ハイポンファインデクロ
塗料B:日本ペイント株式会社製速乾PZヘルゴン
塗料C:関西ペイント株式会社製アクアマックスEX
上記実施例および比較例の結果から明らかなように、金属ドライヤーを所定量配合した水性常乾型塗料は、下地の酸化重合型塗料の塗膜との付着性(2次付着性)が優れている。しかし、塗料製造例14の塗料は、金属ドライヤーの配合量が多く、塗膜の肌が不良であったので没水試験を実施していない。塗料製造例13の塗料は金属ドライヤーの配合量が少なく、また塗料製造例12の塗料は金属ドライヤーを含んでいないので、下地塗料との耐酸化重合さび止め塗膜に対する二次付着性が悪くなっている。
本発明の水性常乾型塗料組成物は、下地に酸化重合型塗料による塗膜を有する場合に、水没後の付着性(2次付着性)が大きく向上する。本発明の水性常乾型塗料組成物は、酸化重合型塗料による塗膜を下地とする場合の上塗り塗料として有用である。

Claims (4)

  1. 下塗りに酸化重合型塗料を塗装し、上塗りに水性常乾型塗料を塗装する塗装方法に使用する上塗り用水性常乾型塗料組成物であって、該上塗り用水性常乾型塗料が酸化重合型を除く塗膜形成性樹脂および金属ドライヤーを含有し、該金属ドライヤーが樹脂固形分に対して0.01〜3.0質量%の金属量で配合されることを特徴とする上塗り用水性常乾型塗料組成物。
  2. 前記金属ドライヤーの金属種がコバルト、ジルコニウム、バリウムおよびマンガンから選ばれる1種以上からなる請求項1記載の上塗り用水性常乾型塗料組成物。
  3. 前記金属ドライヤーが、樹脂固形分に対して0.02〜2.8質量%である請求項1または2記載の上塗り用水性常乾型塗料組成物。
  4. 前記塗膜形成性樹脂が、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂である、請求項1〜3のいずれかに記載の上塗り用水性常乾型塗料組成物。
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