JP2007284480A - 2液型水性塗料 - Google Patents
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Abstract
【課題】 ポットライフ(可使時間)が長く、硬度、仕上り性、光沢、耐水性及び防食性優れた塗膜を形成できる2液型水性塗料を提供すること。
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する塗料であって、ポリエステル樹脂(A)が、多価アルコール(a1)と多塩基酸(a2)及び下記式(1)で表される単量体(a3)の合計100質量部に対して、多価アルコール(a1)20〜75質量部と多塩基酸(a2)20〜60質量部と下記式(1)で表される単量体(a3)5〜20質量部を反応してなる樹脂で、かつポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)の固形分合計に対して、ポリエステル樹脂(A)/アクリル樹脂(B)=5/95〜70/30(質量比率)にて配合してなる2液型水性塗料。
【選択図】 なし
【解決手段】 ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する塗料であって、ポリエステル樹脂(A)が、多価アルコール(a1)と多塩基酸(a2)及び下記式(1)で表される単量体(a3)の合計100質量部に対して、多価アルコール(a1)20〜75質量部と多塩基酸(a2)20〜60質量部と下記式(1)で表される単量体(a3)5〜20質量部を反応してなる樹脂で、かつポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)の固形分合計に対して、ポリエステル樹脂(A)/アクリル樹脂(B)=5/95〜70/30(質量比率)にて配合してなる2液型水性塗料。
【選択図】 なし
Description
本発明は、ポットライフ(可使時間)が長く、硬度、仕上り性、光沢、耐水性及び防食性に優れた塗膜を形成できる2液型水性塗料に関する。
2液型水性塗料は、自動車部品や産業用機械部品を始め幅広い用途に使用されており、例えば、ブルトーザー、油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械は、「熱容量が大きく乾燥炉の熱が十分に伝達しない」、「プラスチックやゴムが組み込まれていて加熱することができない」、「塗装後の塗膜を乾燥するに際しても、重量のある建設機械は自走によって乾燥炉へ投入されることがある為、燃料に引火の危険があることから高い温度にて塗膜を乾燥できない」等の課題があり、低温又は常温の乾燥にて塗膜硬化することが求められていた。
従来、イソシアネート硬化型の2液型水性塗料が開示されている。かかる水性塗料では耐溶剤性、硬度に優れる塗膜が得られるが、ポットライフ(可使時間)を長く確保することができず、その上、塗膜の光沢、防食性及び耐水性が不十分であった(特許文献1)。 また、カルシウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子を使用し、水酸基含有ポリエステル樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びアミノ樹脂及びブロック化ポリイソシアネート化合物から選ばれる硬化剤を含有する塗料が開示されている(特許文献2)。
しかし、引用文献2は、焼付け硬化型の塗料に関するものである。そこで、低温又は常温の乾燥にて、塗膜硬化させることを目的として未ブロックのポリイソシアネート化合物を用いた場合、塗料のポットライフ(可使時間)の確保や、塗膜の防食性及び耐水性は不十分であった。
解決しようとする課題は、ポットライフ(可使時間)が長く、硬度、仕上り性、光沢、耐水性及び防食性に優れた塗膜を形成できる2液型水性塗料を提供することである。
本発明者らは、上記問題を解決すべく鋭意検討した結果、多塩基酸と多価アルコールと特定の単量体からなるポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する2液型水性塗料によって、ポットライフが長く、硬度、仕上り性、光沢、耐水性及び防食性に優れた塗膜を形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の2液型水性塗料によって、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)に、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)を混合して塗料として使用する場合に、ポットライフ(可使時間)が長いため使用可能時間が延長できた。水性塗料であることから、揮発性有機化合物(VOC)対策にも有利である。
本塗料は、常温乾燥にて、硬度、仕上り性、光沢、耐水性及び防食性に優れた塗膜が得られることから、熱容量が大きい部材の塗装や、プラスチックやゴムが組み込まれている部材の塗装に有利である。さらに塗装後に、重量のある建設機械を自走によって乾燥炉へ投入して塗膜乾燥が可能となる、等の効果が得られた。
本発明の2液型水性塗料に適する被塗物としては、例えば、アルミニウム、鉄、亜鉛、錫、銅、チタン、ステンレス、ブリキ、トタン等からなる金属板、表面に亜鉛、銅、クロム等をメッキした金属、表面をクロム酸、リン酸亜鉛等で処理した金属基材が挙げられ、
具体的には、自動車部品や産業用機械部品、電気製品、建材等、及び熱容量が大きく加熱しても昇温し難い被塗物や、プラスチックやゴムが組み込まれており加熱できない部品等も挙げられる。
具体的には、自動車部品や産業用機械部品、電気製品、建材等、及び熱容量が大きく加熱しても昇温し難い被塗物や、プラスチックやゴムが組み込まれており加熱できない部品等も挙げられる。
2液型水性塗料
ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する2液型水性塗料である。
ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する2液型水性塗料である。
ポリエステル樹脂(A):
ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコール(a1)と多塩基酸(a2)及び下記式(1)で表される単量体(a3)の合計100質量部に対して、多価アルコール(a1)20〜75質量部と多塩基酸(a2)20〜60質量部と下記式(1)で表される単量体(a3)5〜20質量部を反応することにより調製できる。
ポリエステル樹脂(A)は、多価アルコール(a1)と多塩基酸(a2)及び下記式(1)で表される単量体(a3)の合計100質量部に対して、多価アルコール(a1)20〜75質量部と多塩基酸(a2)20〜60質量部と下記式(1)で表される単量体(a3)5〜20質量部を反応することにより調製できる。
式(1)
(式中、R1とR2とR3はアルキル基を表し、R1とR2とR3の炭素原子の合計が3〜15である)
具体的には、カージュラE10P(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)が挙げられる。
(式中、R1とR2とR3はアルキル基を表し、R1とR2とR3の炭素原子の合計が3〜15である)
具体的には、カージュラE10P(ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)が挙げられる。
式(1)で表される単量体(a3)が、5質量部未満では、硬度、防食性、耐湿性等の塗膜性能の向上が十分でなく、20質量部を越えるとポットライフの延長に効果がないばかりか、仕上り性を低下させることがあるので好ましくない。
多価アルコール(a1)は、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、3−メチル−1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,3−ジメチルトリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、3−メチル−4,3−ペンタンジオール、3−メチル−4,5−ペンタンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールエステルなどの2価アルコール;これらの2価アルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加したポリラクトンジオール;ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレートなどのエステルジオール類;ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコールなどのポリエーテルジオール類;プロピレンオキサイド及びブチレンオキサイドなどのα−オレフィンエポキシド;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニットなどの3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールにε−カプロラクトンなどのラクトン類を付加させたポリラクトンポリオール類;1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールF、水添ビスフェノールA及び水添ビスフェノールFなど脂環族多価アルコールなどが挙げられる。
多塩基酸(a2)は、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸及びその無水物;ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸などの脂環族ジカルボン酸及びその無水物;アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、アゼライン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸などの脂肪族ジカルボン酸及びその無水物;これらのジカルボン酸のメチルエステル、エチルエステルなどの低級アルキルエステル;トリメリット酸、無水トリメリット酸、ピロメリット酸、無水ピロメット酸、トリメシン酸、メチルシクロヘキセントリカルボン酸、テトラクロロヘキセントリカルボン酸及びその無水物などの3価以上の多塩基酸などが挙げられる。
上記の多価アルコール(a1)と多塩基酸(a2)及び単量体(a3)の反応は、特に制限されるものではないが、通常、多価アルコール(a1)と多塩基酸(a2)及び単量体(a3)を混合、攪拌下にて、約160℃〜約270℃程度の温度で2時間〜10時間程度反応させることによってポリエステル樹脂(A)を製造することができる。
得られたポリエステル樹脂(A)の数平均分子量(注1)は、1,000〜10,000、好ましくは1,500〜3,000、水酸基価は30〜200mgKOH/g、好ましくは50〜180mgKOH/g、酸価は10〜100mgKOH/g、好ましくは20〜60mgKOH/gが適している。
(注1)数平均分子量:JIS K 0124−83に準じて行ない、分離カラムにTS
K GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東ソー株式会社製)を用いて40℃で流速1.0ml/分、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
K GEL4000HXL+G3000HXL+G2500HXL+G2000HXL(東ソー株式会社製)を用いて40℃で流速1.0ml/分、溶離液にGPC用テトラヒドロフランを用いて、RI屈折計で得られたクロマトグラムとポリスチレンの検量線から計算により求めた。
アクリル樹脂(B):
アクリル樹脂(B)は、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体を含有するラジカル重合性不飽和単量体の混合物を通常の条件で、ラジカル重合反応によって製造することができる。
アクリル樹脂(B)は、水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体を含有するラジカル重合性不飽和単量体の混合物を通常の条件で、ラジカル重合反応によって製造することができる。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体は、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であり、例えばヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどの炭素数2〜20のグリコールと(メタ)アクリル酸とのモノエステル化物などが挙げられる。
水酸基含有ラジカル重合性不飽和単量体以外のラジカル重合性不飽和単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸と炭素数1〜22の1価アルコールとのモノエステル化物があり、具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
さらに、メトキシブチル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシアルキルエステル;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレートなどのアミノアクリル系モノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−ブチルアクリルアミド、N−ブチルメタクリルアミド、N−ジメチルアクリルアミド、N−ジメチルメタクリルアミドなどのアクリルアミド系モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレートなどのグリシジル基含有ラジカル重合性不飽和単量体;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、メサコン酸、及びこれらの無水物やハーフエステル化物などのカルボキシル基含有不飽和単量体;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、「べオバ9」、「べオバ10」(商品名、いずれもジャパンエポキシレジン(株)製)、塩化ビニルなどが挙げられる。
上記ラジカル重合性不飽和単量体を用いたラジカル重合反応は、適当な溶媒中で、約90〜約170℃、好ましくは約100〜約150℃の温度で1〜5時間程度、好ましくは2〜4時間程度行ってアクリル樹脂(B)を得ることができる。
上記のアクリル樹脂(B)の数平均分子量(注1参照)は、1,000〜50,000、特に2,000〜20,000、水酸基価は20〜200mgKOH/g、特に50〜150mgKOH/g、酸価は3〜100mgKOH/g、特に20〜70mgKOH/gが好ましい。
水分散性ポリイソシアネート化合物(C):
水分散性ポリイソシアネート化合物(C)としては、イソシアネート化合物が水に分散された状態、又は有機溶剤で希釈された状態であることが好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルキルアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール等のエチレングリコール類;酢酸エチル等のエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール等のエーテルアルコール類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の1種又は2種以上を用いることができる。
水分散性ポリイソシアネート化合物(C)としては、イソシアネート化合物が水に分散された状態、又は有機溶剤で希釈された状態であることが好ましい。上記有機溶剤としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等のアルキルアルコール類;エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコール等のエチレングリコール類;酢酸エチル等のエステル類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール等のエーテルアルコール類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエーテルエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、n−ヘプタン等の芳香族又は脂肪族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類等の1種又は2種以上を用いることができる。
このような水分散性ポリイソシアネート化合物(C)を架橋剤として用いることにより、2液型水性塗料として充分なポットライフを有することができるとともに、成膜した塗膜は、硬度、光沢、仕上り性、耐水性及び防食性等に優れた特性を発揮する。
即ち、イソシアネート化合物を水分散化することによって、塗料中での分散安定性が向上するとともに、樹脂中の水酸基との反応が抑制されて、充分なポットライフ(可使時間)を有することができ、かつ塗膜性能も向上する。
上記水分散性ポリイソシアネート化合物(C)としては、例えば、ポリイソシアネートを水中で自己乳化させたものや、攪拌器等により強制分散させたもの、アニオン性又はノニオン性界面活性剤を用いて分散させたものが挙げられる。
上記ポリイソシアネート化合物としては、例えば、エチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2−イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2−イソシアナトエチル)カーボネート、2−イソシアナトエチル−2,6−ジイソシアナトヘキサノエートなどの脂肪族ポリイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート(IPDI)、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート(水添MDI)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート(水添TDI)、ビス(2−イソシアナトエチル)−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボキシレート、2,5−および/または2,6−ノルボルナンジイソシアネートなどの脂環式ポリイソシアネート化合物;m−および/またはp−キシリレンジイソシアネート(XDI)、α,α,α’,α’−テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)などの芳香脂肪族ポリイソシアネート化合物;1,3−および/または1,4−フェニレンジイソシアネート、2,4−および/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、粗製TDI、2,4’−および/または4,4’−ビフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、4,4'−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトビフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、粗製MDI、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート、m−およびp−イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネート化合物;変性MDI(ウレタン変性MDI、カルボジイミド変性MDI、トリヒドロカルビルホスフェート変性MDIなど)、ウレタン変性TDI、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDIなどのポリイソシアネートの変性物;およびこれらの2種以上の混合物[例えば、変性MDIとウレタン変性TDI(イソシアネート基含有プレポリマー)との併用]が包含される。
水分散性ポリイソシアネート化合物(C)の市販品としては、アクアネート100、アクアネート110、アクアネート200及びアクアネート210(いずれも商品名、日本ポリウレタン工業社製);バイヒジュールTPLS−2032、SUB−イソシアネートL801、バイヒジュールVPLS−2319、バイヒジュール3100、VPLS−2336及びVPLS−2150/1(いずれも商品名、住化バイエルウレタン社製);タケネートWD−720、タケネートWD−725及びタケネートWD−220(いずれも商品名、三井武田ケミカル社製);レザミンD−56(商品名、大日精化工業社製)等が挙げられ、これらは1種で又は2種以上を組合せて用いることができる。
さらに、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)に加えて、水に分散しない疎水性ポリイソシアネート化合物を併用することも可能であり、この併用は耐湿性などの塗膜性能の向上の為に好ましい。疎水性ポリイソシアネート化合物としては、通常溶剤系において使用されるものが好ましく、例えば、デスモジュールN3400、デスモジュールN3600、デスモジュールVPLS2294(いずれも商品名、住化バイエルウレタン社製)、タケネートD−170HN(商品名、三井武田ケミカル社製)等の1種又は2種以上を用いることができる。
ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)に対する、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)の使用割合は厳密に制限されるものではないが、一般的には、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)の水酸基の合計(am+bm)に対して、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)のイソシアネート基(cm)の官能基比[cm/(am+bm)]が0.8〜1.2の範囲内、好ましくは0.9〜1.1の範囲内にあることが、ポットライフ(可使時間)が長く、硬度、耐水性及び防食性に優れた塗膜を形成できる面からも好ましい。
本発明の2液型水性塗料の配合組成は、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)に対する、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)の配合割合は、特に制限されないが、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)と水分散性ポリイソシアネート化合物(C)の固形分重量に基づいて、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)は50〜90質量%、特に60〜80質量%、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)は10〜50質量%、特に20〜40質量%が好ましい。
さらに、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)の固形分合計に対して、ポリエステル樹脂(A)/アクリル樹脂(B)=5/95〜70/30(質量比率)、好ましくは30/70〜55/45(質量比率)にて配合してなることが、ポットライフ(可使時間)が長く、硬度、耐水性及び防食性に優れた塗膜を形成する面から好ましい。
イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D):
本発明の2液型水性塗料は、イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する。イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)は、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンが導入されたシリカ微粒子である。上記アルカリ土塁金属イオンとしては、なかでもカルシウムイオンが好適である。
本発明の2液型水性塗料は、イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する。イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)は、微細な多孔質のシリカ担体にイオン交換によってカルシウムイオン、マグネシウムイオンなどのアルカリ土類金属イオンが導入されたシリカ微粒子である。上記アルカリ土塁金属イオンとしては、なかでもカルシウムイオンが好適である。
塗膜中に配合されたイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)は、塗膜を透過してきた水素イオンや酸素イオンとイオン交換され、カルシウムイオン(Ca2+)又はマグネシウムイオン(Mg2+)などのアルカリ土類金属イオンが放出されて金属表面を保護するものと考えられる。カルシウムイオン交換シリカの市販品としては、例えば、SHIELDEX(シールデックス、登録商標)C303、SHIELDEX AC−3、SHIELDEX AC−5(以上、いずれもW.R.Grace & Co.社製)などを挙げることができる。
本発明において、イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)の配合量は、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)と水分散性ポリイソシアネート化合物(C)の合計固形分100質量部に対して、1〜15質量部、好ましくは3〜12質量部、さらに好ましくは5〜10質量部の範囲内である。
本発明の2液型水性塗料は、ポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)と水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)から実質的になることができるが、通常、有機溶剤が配合される。
さらに必要に応じて、前記疎水性ポリイソシアネート化合物;例えば、酸化チタン、カーボンブラック、ベンガラ等の着色顔料;クレー、タルク、マイカ、バリタ、炭酸カルシウム、シリカなどの体質顔料;リンモリブデン酸アルミニウム、トリポリリン酸ニ水素アルミニウム等の防錆顔料、オクチル酸亜鉛やギ酸亜鉛などの硬化触媒、水酸化ビスマス、塩基性炭酸ビスマス、硝酸ビスマス、ケイ酸ビスマスなどの防錆顔料;顔料分散剤、表面調整剤、界面活性剤、硬化触媒、消泡剤、増粘剤、防腐剤、凍結防止剤などの塗料用添加剤が配合され、ボールミル分散やサンドミル分散などによって分散して得られる。
このうち硬化触媒としては、特に制限なく従来公知のものが使用でき、例えばトリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミン触媒;ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫オキサイド、オクチル酸錫、ナフテン酸鉛、ナフテン酸コバルトなどが使用でき、また消泡剤としては、例えばポリエーテル系、ポリシロキサンとポリエーテルの共重合系、ポリシロキサンとケイ酸の縮合物系、金属石鹸系などが使用できる。
本発明の2液型水性塗料の塗装方法、及び塗膜の硬化方法としては、用いられる用途により適宜設定すればよいが、塗装方法としては、例えば、浸漬塗り、刷毛塗り、ロール刷毛塗り、スプレーコート、ロールコート、スピンコート、ディップコート、バーコート、フローコート、静電塗装、ダイコート等による塗装法等が好適である。
上記硬化方法としては、常温硬化(例えば、50℃を越えて100℃以下の温度で5〜40分間強制乾燥を行った後、50℃以下で24時間〜10日間、好ましくは3日間〜7日間で塗膜を硬化させる。)加熱硬化(例えば、100〜200℃で10〜120分間、好ましくは120〜180℃で20〜90分間で塗膜を硬化させる。)により行うことができ、用いられる用途により硬化条件等を適宜設定すればよい。被塗物が、熱容量が大きく塗膜を十分に加熱できない部品や、プラスチックやゴムなどを組み込んだ部品である場合には、常温硬化が好適である。
塗膜の膜厚は、10μm〜100μm、好ましくは20μm〜80μmである。上記2液型水性塗料の保存容器としては特に限定されないが、例えば、1L〜200Lのものを用いることができ、具体的には、ドラム缶、石油缶等が使用可能である。これらの容器は、オートクレーブや紫外線、ガンマ線などで滅菌処理してもよいし、カビの発生や容器内の物質の腐敗を防ぐために、容器の内側をコーティングしてもよい。
なお、本発明の2液型水性塗料は、ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する主剤と、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)とを別々の容器に保存して、使用直前に、両者を混合して水性塗料とすることが好適である。
なお、本発明の2液型水性塗料は、ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する主剤と、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)とを別々の容器に保存して、使用直前に、両者を混合して水性塗料とすることが好適である。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれによって限定されるものではない。尚、「部」及び「%」は「質量部」及び「質量%」を示す。
製造例1 ポリエステル樹脂溶液No.1
攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管、精留塔、水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン17部、1,6−ヘキサンジオール21部、アジピン酸15部、無水フタル酸29部、及びカージュラE10P(注2参照)12部を、230℃でトルエン還流下で縮合反応し、樹脂酸価を1.0mgKOH/g以下とした後、減圧下にてトルエンを脱溶剤して反応生成物を得た。反応温度を170℃に保ち、この反応生成物に、無水トリメリット酸6部を加え、170℃で30分間反応付加せしめた後、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて85℃に冷却し、ジメチルエタノールアミンで中和してから、水に混合して水分散液とし、固形分60重量%のポリエステル樹脂溶液No.1を得た。ポリエステル樹脂溶液No.1の水酸基価は、122mgKOH/g、酸価は36mgKOH/g、数平均分子量(注1参照)は2,000であった。
攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管、精留塔、水分離器を備えた反応容器に、トリメチロールプロパン17部、1,6−ヘキサンジオール21部、アジピン酸15部、無水フタル酸29部、及びカージュラE10P(注2参照)12部を、230℃でトルエン還流下で縮合反応し、樹脂酸価を1.0mgKOH/g以下とした後、減圧下にてトルエンを脱溶剤して反応生成物を得た。反応温度を170℃に保ち、この反応生成物に、無水トリメリット酸6部を加え、170℃で30分間反応付加せしめた後、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて85℃に冷却し、ジメチルエタノールアミンで中和してから、水に混合して水分散液とし、固形分60重量%のポリエステル樹脂溶液No.1を得た。ポリエステル樹脂溶液No.1の水酸基価は、122mgKOH/g、酸価は36mgKOH/g、数平均分子量(注1参照)は2,000であった。
製造例2〜3 ポリエステル樹脂溶液No.2、No.3の製造例
表1の内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.2、No.3を得た。
表1の内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.2、No.3を得た。
比較製造例1 ポリエステル樹脂溶液No.4の製造例
表1の内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.4を得た。
表1の内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.4を得た。
比較製造例2 ポリエステル樹脂溶液No.5の製造例
表1の内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.5を得た。
表1の内容とする以外は、製造例1と同様にして、ポリエステル樹脂溶液No.5を得た。
(注2)カージュラE10P:ジャパンエポキシレジン社製、商品名、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル。
製造例4 アクリル樹脂溶液の製造例
攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管を備えた容量2リットルの4つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル368.6部を加え、窒素置換後攪拌しながら85℃に保った。この中に、スチレン130 部 、メチルメタクリレート144部、n−ブチルメタクリレート150部 、i−ブチルメタクリレート210 部、n−ブチルアクリレート140 部 、2−ヒドロキシエチルメタクリレート426 部 、アクリル酸 300部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 19.5部を滴下終了時から1時間85℃に保持した後、エチレングリコールモノブチルエーテル 65 部 、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 6.5部を1時間かけて滴下した。
滴下終了時から1時間に亘って85℃に保持した後、40℃に降温した。アンモニア水及び脱イオン水を加えて固形分を調整して固形分60%のアクリル樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、樹脂水酸基価123mgKOH/g、樹脂酸価156mgKOH/g、数平均分子量40,000であった。
攪拌機、温度計、還流管、窒素導入管を備えた容量2リットルの4つ口フラスコにエチレングリコールモノブチルエーテル368.6部を加え、窒素置換後攪拌しながら85℃に保った。この中に、スチレン130 部 、メチルメタクリレート144部、n−ブチルメタクリレート150部 、i−ブチルメタクリレート210 部、n−ブチルアクリレート140 部 、2−ヒドロキシエチルメタクリレート426 部 、アクリル酸 300部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 19.5部を滴下終了時から1時間85℃に保持した後、エチレングリコールモノブチルエーテル 65 部 、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 6.5部を1時間かけて滴下した。
滴下終了時から1時間に亘って85℃に保持した後、40℃に降温した。アンモニア水及び脱イオン水を加えて固形分を調整して固形分60%のアクリル樹脂溶液を得た。得られた樹脂は、樹脂水酸基価123mgKOH/g、樹脂酸価156mgKOH/g、数平均分子量40,000であった。
製造例5 顔料分散ペーストNo.1の製造例
製造例4で得たアクリル樹脂溶液25部(固形分15部)、チタン白5部、カーボンブラック3部、炭酸カルシウム100部、SHIELDEX AC−5(注3)10部、脱イオン水を123部を加え、そのものをボールミルに仕込み20時間攪拌することによって、固形分50%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
製造例4で得たアクリル樹脂溶液25部(固形分15部)、チタン白5部、カーボンブラック3部、炭酸カルシウム100部、SHIELDEX AC−5(注3)10部、脱イオン水を123部を加え、そのものをボールミルに仕込み20時間攪拌することによって、固形分50%の顔料分散ペーストNo.1を得た。
(注3)SHIELDEX AC−5:W.R.Grace & Co.社製、商品名、カルシウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子。
比較製造例3 顔料分散ペーストNo.2の製造例
製造例4で得たアクリル樹脂溶液25部(固形分15部)、チタン白5部、カーボンブラック3部、炭酸カルシウム100部、脱イオン水を113部を加え、そのものをボールミルに仕込み20時間攪拌することによって、固形分50%の顔料分散ペーストNo.2を得た。
製造例4で得たアクリル樹脂溶液25部(固形分15部)、チタン白5部、カーボンブラック3部、炭酸カルシウム100部、脱イオン水を113部を加え、そのものをボールミルに仕込み20時間攪拌することによって、固形分50%の顔料分散ペーストNo.2を得た。
実施例1 水性塗料No.1の製造例
製造例1で作成した固形分60%のポリエステル樹脂溶液66.7部(固形分40部)、固形分60%のアクリル樹脂溶液66.7部(固形分40部)、バイヒジュールVPLS−2319(注4)を20部(固形分20部)、50%の顔料分散ペースト266部(固形分133部)、エチレングリコールモノブチルエーテル20部、脱イオン水 337.6部をディスパーで攪拌しながら混合し、固形分30%の水性塗料No.1を得た。
(注4)バイヒジュールVPLS−2319:住化バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリイソシアネート化合物。
製造例1で作成した固形分60%のポリエステル樹脂溶液66.7部(固形分40部)、固形分60%のアクリル樹脂溶液66.7部(固形分40部)、バイヒジュールVPLS−2319(注4)を20部(固形分20部)、50%の顔料分散ペースト266部(固形分133部)、エチレングリコールモノブチルエーテル20部、脱イオン水 337.6部をディスパーで攪拌しながら混合し、固形分30%の水性塗料No.1を得た。
(注4)バイヒジュールVPLS−2319:住化バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート系水分散性ポリイソシアネート化合物。
実施例2〜9
表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、水性塗料No.2〜No.9を得た。下記の試験方法に従って試験した結果を表2に示す。
表2の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、水性塗料No.2〜No.9を得た。下記の試験方法に従って試験した結果を表2に示す。
(注5):バイヒジュール3100:住化バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物。
(注6):デスモジュールN3400:住化バイエルウレタン社製、商品名、ヘキサメチレンジイソシアネート系ポリイソシアネート化合物、疎水性ポリイソシアネート化合物。
比較例1〜8
表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、水性塗料No.10〜No.17を得た。下記の試験方法に従って試験した結果を示す。
表3の配合内容とする以外は、実施例1と同様にして、水性塗料No.10〜No.17を得た。下記の試験方法に従って試験した結果を示す。
試験板の作成
上記の実施例1〜9、比較例1〜8にて得た水性塗料No.1〜No.17を用いて、リン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装した。
次に、電気熱風乾燥機を用いて80℃で20分間強制乾燥し、次いで室温(20℃)で7日間乾燥を行った。
上記の実施例1〜9、比較例1〜8にて得た水性塗料No.1〜No.17を用いて、リン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装した。
次に、電気熱風乾燥機を用いて80℃で20分間強制乾燥し、次いで室温(20℃)で7日間乾燥を行った。
(注7)ポットライフ性:水性塗料No.1〜No.17の製造において、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)を混合して5時間後の「塗料状態(注8)」を観察した。上記混合5時間後の塗料を用いてリン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装し、次に、電気熱風乾燥機を用いて80℃で20分間強制乾燥し、次いで室温(20℃)で7日間乾燥を行った塗装板について、「鉛筆硬度(注9)」、「光沢(注10)」、「仕上り性(注11)」をチェックした。
(注8)塗料状態:
○は、塗料のゲル化及び相分離のいずれも認められず
△は、やや塗料のゲル化及び相分離の少なくとも一つが少しがみられる
×は、著しい塗料のゲル化及び相分離の少なくとも一つが著しくみられる。
○は、塗料のゲル化及び相分離のいずれも認められず
△は、やや塗料のゲル化及び相分離の少なくとも一つが少しがみられる
×は、著しい塗料のゲル化及び相分離の少なくとも一つが著しくみられる。
(注9)鉛筆硬度:JIS K 5600−5−4に準じて、試験塗板面に対し約45度の角度に鉛筆の芯を当て、芯が折れない程度に強く試験塗板面に押し付けながら前方に均一な速さで約10mm動かした。塗膜が破れなかったもっとも硬い鉛筆の硬度記号を鉛筆硬度とした。
(注10)光沢:塗膜の光沢の程度を、JIS K−5400 7.6(1990)の60度鏡面光沢度に従い、入射角と受光角とがそれぞれ60度のときの反射率を測定して、鏡面光沢度の基準面の光沢度を100としたときの百分率で表した。
(注11)仕上り性:
各試験板の塗面外観を目視で評価した。
○は、平滑性が良好で問題なし
△は、うねり、ツヤビケ、チリ肌などの仕上がり性の低下がやや見られる、
×は、うねり、ツヤビケ、チリ肌などの仕上がり性の低下が大きい。
各試験板の塗面外観を目視で評価した。
○は、平滑性が良好で問題なし
△は、うねり、ツヤビケ、チリ肌などの仕上がり性の低下がやや見られる、
×は、うねり、ツヤビケ、チリ肌などの仕上がり性の低下が大きい。
(注12)塗膜の非粘着性:水性塗料No.1〜No.14を製造直後、リン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装し、次に、電気熱風乾燥機を用いて80℃で20分間強制乾燥し、次いで室温(20℃)で7日間乾燥を行い、塗面の粘着性を指触で評価した。
◎は、粘着性はなく、キズ(爪あと)もつかない
〇は、粘着性はなく、キズ(爪あと)はつくが製品としては問題ない
△は、粘着性はあるが、指紋の跡は付かない
×は、粘着性があり、指紋の跡がつく。
◎は、粘着性はなく、キズ(爪あと)もつかない
〇は、粘着性はなく、キズ(爪あと)はつくが製品としては問題ない
△は、粘着性はあるが、指紋の跡は付かない
×は、粘着性があり、指紋の跡がつく。
(注13)耐湿性:水性塗料No.1〜No.17を製造直後、リン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装し、次に、電気熱風乾燥機を用いて80℃で20分間強制乾燥し、次いで室温(20℃)で7日間乾燥を行った各試験板を、50℃で相対湿度95%のブリスターボックスに240時間放置し、塗面を評価した。
◎は、ツヤビケもなく良好で問題ない
○は、ややツヤビケが見られるが製品として問題ないレベル
△は、フクレ、色落ちが見られる、
×は、フクレ、色落ちが大きい。
◎は、ツヤビケもなく良好で問題ない
○は、ややツヤビケが見られるが製品として問題ないレベル
△は、フクレ、色落ちが見られる、
×は、フクレ、色落ちが大きい。
(注14)耐ソルトスプレー性:水性塗料No.1〜No.17を製造直後、リン酸亜鉛処理を施した冷延鋼板に乾燥膜厚が35μmとなるようにスプレー塗装し、次に、電気熱風乾燥機を用いて80℃で20分間強制乾燥し、次いで室温(20℃)で7日間乾燥を行った各試験板の塗膜にナイフでクロスカット傷を入れ、これをJIS Z−2371に準じて500時間耐塩水噴霧試験を行い、ナイフ傷からの錆、フクレ幅によって以下の基準で評価した。
◎は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm未満(片側)、
○は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm以上でかつ3mm未満(片側)、
△は、錆、フクレの最大幅が、カット部から3mm以上でかつ4mm未満(片側)、
×は、錆、フクレの最大幅が、カット部から4mm以上(片側)。
◎は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm未満(片側)、
○は、錆、フクレの最大幅が、カット部から2mm以上でかつ3mm未満(片側)、
△は、錆、フクレの最大幅が、カット部から3mm以上でかつ4mm未満(片側)、
×は、錆、フクレの最大幅が、カット部から4mm以上(片側)。
熱容量が大きく乾燥炉の熱が十分に伝達しない被塗物や、プラスチックやゴムが組み込まれていて加熱することができない被塗物の塗装に有効である。
Claims (4)
- ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)、水分散性ポリイソシアネート化合物(C)及びイオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を含有する塗料であって、ポリエステル樹脂(A)が、多価アルコール(a1)、多塩基酸(a2)及び下記式(1)で表される単量体(a3)の合計100質量部に対して、多価アルコール(a1)20〜75質量部と多塩基酸(a2)20〜60質量部と下記式(1)で表される単量体(a3)5〜20質量部を反応してなる樹脂で、かつポリエステル樹脂(A)とアクリル樹脂(B)の固形分合計に対して、ポリエステル樹脂(A)/アクリル樹脂(B)=5/95〜70/30(質量比率)にて配合してなる2液型水性塗料。
(式中、R1とR2とR3はアルキル基を表し、R1とR2とR3の炭素原子の合計が3〜15である) - ポリエステル樹脂(A)、アクリル樹脂(B)及び水分散性ポリイソシアネート化合物(C)の固形分合計100質量部に対して、イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)を1〜15質量部を含有する請求項1に記載の2液型水性塗料。
- イオン交換された非晶質シリカ微粒子(D)が、カルシウムイオン交換された非晶質シリカ微粒子である請求項1又は2に記載の2液型水性塗料。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の水性塗料を用い、塗装して得られた塗装物品。
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2006
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