JPH0693227A - 耐チッピング性塗料組成物及び耐チッピング性塗膜の形成方法 - Google Patents

耐チッピング性塗料組成物及び耐チッピング性塗膜の形成方法

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JPH0693227A
JPH0693227A JP29761292A JP29761292A JPH0693227A JP H0693227 A JPH0693227 A JP H0693227A JP 29761292 A JP29761292 A JP 29761292A JP 29761292 A JP29761292 A JP 29761292A JP H0693227 A JPH0693227 A JP H0693227A
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coating
diisocyanate
coating film
chipping
chipping resistance
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JP29761292A
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Hiroshi Mashima
博 間嶋
Makoto Ozaki
誠 尾崎
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 (a) 特定のジオールと、ジイソシアネートの
多量体(又はそれとジイソシアネートとの混合物)とが
付加反応してなる、残留イソシアネート基を末端に有す
るポリイソシアネート化合物と、(b) 特定のジオール
と、ジイソシアネートの多量体とが付加反応してなる、
残留水酸基を末端に有するポリオールとを主成分とした
耐チッピング性塗料組成物である。この塗料組成物は、
電着塗装−上塗り塗装系のみならず、電着塗装−中塗り
塗装−上塗り塗装系に適用することができる。 【効果】 柔軟性を発揮するジオール成分とウレタン結
合の組み合わせにより、可撓性に富んだ塗膜が得られ、
もって耐チッピング性に良好な塗膜が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は耐チッピング性の塗膜を
与える塗料組成物、及び耐チッピング性塗膜の形成方法
に関し、更に詳しくは、飛び石による塗膜損傷及びそれ
に起因する発錆を防止できる自動車外板塗装用の耐チッ
ピング性塗料組成物、及び塗膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】自動車
が高速走行すると、自動車の車体外板(の塗装面)に小
石等が衝突することは避けられないが、これにより、塗
膜に亀裂が生じたり塗膜が被塗部材(外板等)から剥離
する現象(いわゆるチッピング)が起きる場合がある。
塗膜にチッピングが生じると、この部分から水等が進入
し、被塗部材(外板)素地面を発錆させる。
【0003】特に北米、カナダ、北欧等の諸外国では、
冬季に融雪のために多量の岩塩及び砂を路面に散布する
が、そのような地域では、特に自動車外板の塗膜におけ
る耐チッピング性は重要であり、小石が衝突しても塗膜
が破損(剥離)せず、素地(車体外板)が錆びないよう
な塗膜が望まれている。
【0004】一般に、自動車車体外板の塗装において
は、リン酸鉄/亜鉛系の化成処理を施した鋼板上に、電
着塗料(下塗り塗料)、中塗り塗料及び上塗り塗料を順
次塗装するが、耐チッピング性、及び防錆性を向上する
ために、これまで電着塗料(下塗り塗料)、中塗り塗
料、上塗り塗料の各塗料、及びそれらの塗装方法につい
て種々の提案がなされてきた。
【0005】たとえば、特公昭61−36995 号は、下塗り
塗膜の上に、所定のイソシアネート基含有量のブロック
イソシアネート化合物と、所定の水酸基含有量のポリヒ
ドロキシ化合物とを主成分とする溶剤型の一液組成物を
塗装して、軟質のウレタン樹脂皮膜を形成する方法を開
示している。
【0006】特公昭61−36995 号には、用いることがで
きるポリヒドロキシ化合物のひとつとして、ポリヒドロ
キシ化合物と多価イソシアネート化合物から得られる末
端ヒドロキシル基を有するポリオールが挙げられている
が、具体的にどのような種類のポリオール(どのような
物性を有するポリオール)を用いればよいかの記載はな
い。本発明者等の研究によれば、無作為にポリオールを
選んで特公昭61−36995 号に記載の方法に従っても、塗
膜の耐チッピング性を十分に向上させることができな
い。また、いわゆるウェット−オン−ウェット方式で塗
膜を形成した場合、必ずしも塗膜外観が良好とならな
い。
【0007】一方、特開昭63−43967 号は、(a) ジイソ
シアネート化合物と1分子あたり平均2〜3個の水酸基
を有するポリオールとの付加物であって、数平均分子量
が1万〜10万の有機溶剤可溶性のウレタンポリマー
と、(b) 特定の数平均分子量を有する水酸基含有樹脂
と、(c) ブロックポリイソシアネート化合物とを主成分
とする耐チッピング性塗料を開示している。
【0008】しかしながら、本発明者等の研究による
と、この塗料は比較的良好な耐チッピング性を有する塗
膜を与えるが、塗料中に比較的高分子量の樹脂成分を含
んでいる(成分(a) は数平均分子量が1万〜10万であ
る)ため、スプレーで塗装する場合には、多量の溶剤を
用いなければならない。溶剤を多く用いることは環境問
題や経済性等に難点がある。
【0009】さらに、変性ポリオレフィン系のチッピン
グプライマーもあるが、この種の既存型のチッピングプ
ライマーにおいても一般に高分子量のポリマーを含んで
いるため、スプレー塗装が可能となるように(または塗
装作業性を向上させるために)多量の溶剤を用いなけれ
ばならず、やはり環境問題や経済性等に難点がある。ま
た、この種の塗料は、塗装ライン中の配管や塗装機等の
洗浄性、塗膜除去性に劣り、貯蔵安定性にも難点があ
る。さらに、中塗り塗膜とのなじみの防止が確実に達成
できない。
【0010】したがって、本発明の目的は、良好な耐チ
ッピング性を有する塗膜を形成することができる塗料組
成物を提供することである。
【0011】また、本発明のもう一つの目的は、良好な
耐チッピング性を有する塗膜を形成することができる塗
装方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者は、(a) 特定のジオールと、ジイソシ
アネートの多量体を含有するポリイソシアネートとが付
加反応してなる、残留イソシアネート基を末端に有する
ポリイソシアネート化合物と、(b) 特定のジオールと、
ジイソシアネートの多量体を含有するポリイソシアネー
トとが付加反応してなる、残留水酸基を末端に有するポ
リオールとを主成分とした塗料組成物は、耐チッピング
性に優れた塗膜を与えることを発見した。また、この塗
料組成物は、電着塗装−中塗り塗装−上塗り塗装系に適
用することができ、中塗り塗膜とのなじみを防止して良
好な塗膜を与えることを発見した。さらに電着塗装−上
塗り塗装系にも適用することができることを発見した。
本発明は以上の知見によるものである。
【0013】すなわち、本発明の耐チッピング性塗料組
成物は、 (a) (イ)ポリカプロラクトンジオール及び/又は炭素数
が2〜8の鎖式炭化水素のジオールと、(ロ)ジイソシア
ネートの多量体、又はジイソシアネートの多量体とジイ
ソシアネートとの混合物とが付加反応してなり、末端に
イソシアネート基を有し、1分子当たりのイソシアネー
ト基の数が2.1 〜5個であるポリイソシアネート化合物
と、 (b) (ハ)ポリカプロラクトンジオール及び/又は炭素数
が2〜8の鎖式炭化水素のジオールと、(ニ)ジイソシア
ネートの多量体、又はジイソシアネートの多量体とジイ
ソシアネートとの混合物とが付加反応してなり、末端に
水酸基を有し、1分子当たりの水酸基の数が2.1 〜5個
であるポリオールとを主成分とすることを特徴とする。
【0014】また、上述した塗料組成物を用い、耐チッ
ピング性の塗膜を形成する本発明の方法は、(1) 電着塗
装−中塗り塗装−上塗り塗装系における 電着塗膜と中塗り塗膜との層間、又は、 中塗り塗膜と上塗り塗膜との層間、もしくは、 (2) 電着塗装−上塗り塗装系における 電着塗膜と上塗り塗膜との層間 に塗装することを特徴とする。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。(a) ポリイソシアネート化合物 本発明におけるポリイソシアネート化合物(a) は、(イ)
ポリカプロラクトンジオール及び/又は炭素数が2〜8
の鎖式炭化水素のジオールと、(ロ)ジイソシアネートの
多量体、又はジイソシアネートの多量体とジイソシアネ
ートとの混合物との付加反応物であり、末端にイソシア
ネート基を有する。すなわち、ポリイソシアネート化合
物(a) は、(ロ)ジイソシアネートの多量体(又はそれに
ジイソシアネートを加えたもの)を、(イ)ポリカプロラ
クトンジオール及び/又は炭素数が2〜8の鎖式炭化水
素のジオールにより変性したものであると言うことがで
きる。
【0016】(イ)ポリカプロラクトンジオール及び鎖式
炭化水素のジオール ポリカプロラクトンジオールは低分子量のジオールにε
−カプロラクトン等のカプロラクトンが開環重合し、両
末端に水酸基を有するものである。ポリカプロラクトン
ジオールの好ましい数平均分子量は200〜1000で
ある。
【0017】ポリカプロラクトンジオールと併用、又は
その代わりに使用するジオールは、炭素数が2〜8の鎖
式炭化水素に、2つの水酸基が結合したものである。具
体的には、1,5 ペンタンジオール、1,6 ヘキサンジオー
ル、2エチル1,3 ヘキサンジオール、ネオペンチルグリ
コール等が挙げられる。特に1,5 ペンタンジオールを用
いるのが好ましい。
【0018】(ロ)ジイソシアネート及びその多量体 ジイソシアネートとしては、エチレンジイソシアネー
ト、プロピレンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下HDI
と呼ぶ) 、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、トリフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられ
るが、脂肪族系のジイソシアネートを用いるのが好まし
い。特に好ましくは、HDIを用いる。
【0019】ジイソシアネートの多量体としては、多価
アルコール等の付加物型(アダクツ型)、ビューレット
型、ヌレート型等が挙げられるが、これらのうちのいず
れの型であってもよい。しかしながら、ビューレット
型、又はヌレート型のものを用いるのが好ましく、さら
に好ましくは、ビューレット型のポリイソシアネート
(ジイソシアネートの多量体)を用いる。ビューレット
型のポリイソシアネートとしては、具体的にはHDIの
三量体を用いるのが好ましい。
【0020】脂肪族系のジイソシアネートからなるビュ
ーレット型ポリイソシアネートを用いると、ポリイソシ
アネート自体に環構造がなく、かつこれに結合する物質
(上述のポリカプロラクトンジオールに由来する部分又
はジオールに由来する部分)が基本的に直鎖構造を有す
ることになるので、成分(a) は可撓性の大きい化合物と
なる。このような化合物(ポリイソシアネート化合物
(a) )を用いて、後述するポリオール(成分(b) )を架
橋硬化させるので、得られる塗膜は良好な耐チッピング
性を有することになる。
【0021】なお、ヌレート型のポリイソシアネートで
は、その骨格内に環状構造が存在するので、ポリイソシ
アネート自体は塗膜の耐チッピング性の向上には寄与し
ない。しかしながら、本発明では、ポリイソシアネート
をポリカプロラクトンジオール又は鎖式炭化水素のジオ
ールで変性するので、分子鎖内にポリカプロラクトン骨
格又はジオール由来の直鎖状骨格が導入され、ヌレート
型のポリイソシアネート化合物でも、可撓性のある塗膜
を与えることが可能となる。
【0022】ポリイソシアネート化合物(a) は、上述の
成分(イ)と成分(ロ)とを、成分(ロ)を過剰の条件で反応
することにより製造することができる。具体的には、成
分(イ)中の水酸基と、成分(ロ)中のイソシアネート基と
のモル比(−OH/−NCO)が2/2.5 〜2/4とな
るように両者を混合して付加反応させるのが好ましい。
【0023】ポリイソシアネート化合物(a) の1分子当
たりのイソシアネート基の数は2.1〜5個である。ポリ
イソシアネート化合物1分子中のイソシアネート基の数
が2.1 未満であると反応性が劣り、一方、イソシアネー
ト基の数が5を超えると製造時ゲル化しやすい。
【0024】ポリイソシアネート化合物(a) の数平均分
子量は1000〜2500程度であるのが好ましい。
【0025】なお、本発明では、このポリイソシアネー
ト化合物(a) 中のイソシアネート基を、オキシム、ε−
カプロラクタム等のラクタム、フェノール、キシレノー
ル等のフェノール類、アルコール等によりブロックして
用いる。上記のブロック剤の中では、特にオキシムを用
いるのが好ましい。オキシムとしては、MEKオキシ
ム、アセトアルドキシム等が挙げられる。
【0026】(b) ポリオール 本発明におけるポリオール(b) は、(ハ)ポリカプロラク
トンジオール及び/又は炭素数が2〜8の鎖式炭化水素
のジオールと、(ニ)ジイソシアネートの多量体、又はジ
イソシアネートの多量体とジイソシアネートとの混合物
との付加反応物であり、末端に水酸基を有するものであ
る。
【0027】(ハ)ポリカプロラクトンジオール及び炭素
数が2〜8のジオール この成分(ハ)におけるポリカプロラクトン及び炭素数が
2〜8のジオールとしては、上述したポリイソシアネー
ト化合物(a) の製造に用いた成分(イ)と同一のものを使
用することができる。
【0028】(ニ)ジイソシアネートの多量体、又はジイ
ソシアネートの多量体とジイソシアネートとの混合物 多量体を形成するジイソシアネートとしては、上述の成
分(ロ)の項に記述のジイソシアネートが挙げられる。そ
の中では、特にHDIが好ましい。
【0029】ジイソシアネートの多量体としては、アダ
クツ型、ビューレット型、ヌレート型のいずれの型を用
いることができるが、特に、ビューレット型、ヌレート
型の多量体が好ましい。さらに好ましくはビューレット
型の多量体を用いる。ビューレット型の多量体として
は、特にHDIの三量体が好ましい。
【0030】なお、本発明では、上述したようなジイソ
シアネートの多量体と、上述の成分(ロ)の項に記述のジ
イソシアネートとを併用することができる。この場合、
ジイソシアネートの多量体と、ジイソシアネートとの配
合比率は、重量比で1:99〜40:60とするのが好
ましい。
【0031】ポリオール(b) は、上述の成分(ハ)と成分
(ニ)とを、成分(ハ)が過剰の条件で反応させることによ
り製造することができる。具体的には、成分(ハ)中の水
酸基と、成分(ニ)中のイソシアネート基とのモル比(−
OH/−NCO)が2/1〜4/3となるように両反応
物を混合して付加反応させるのが好ましい。
【0032】ポリオール(b) の数平均分子量は500 〜60
00とするのが好ましい。数平均分子量が500 未満である
と、塗膜中の架橋が十分に形成されず、良好な塗膜とな
らない。一方、数平均分子量が6000を超すとチッピング
性に優れた塗膜が得られない。また、ハイソリッド化塗
料とするのが難しくなる。好ましい数平均分子量は1000
〜4500である。
【0033】ポリオール(b) の水酸基価は50〜150
であるのが好ましい。水酸基価が50未満であると、チ
ッピング性が低下する。一方、150を超えると、塗膜
の柔軟性が十分でなくなり、チッピング性が低下する。
【0034】また、ポリオール1分子が有する水酸基の
数は2.1 〜5とする。水酸基の数が2.1 未満であると、
反応性が劣り、一方、水酸基の数が5を超えると、製造
時ゲル化しやすい。
【0035】上述した成分(a) :ポリイソシアネート化
合物と、成分(b) :ポリオールの配合量は、固形分換算
で、(a) が20〜80重量部、(b) が80〜20重量部
とするのが好ましい。(a) 成分が20重量部未満では耐
チッピング性が不良となる。また、(b) 成分が20重量
部未満でも耐チッピング性が不良となる。より好ましく
は(a) が40〜60重量部、(b) が60〜40重量部で
ある。
【0036】なお、成分(a) 中のイソシアネート基(−
NCO)と、成分(b) 中の水酸基(−OH)とのモル比
(−NCO/−OH)が2/3〜3/2の範囲内に入る
ように両成分を調整することにより、良好な硬化膜が得
られる。
【0037】上述の通り、本発明ではポリイソシアネー
ト(a) 、ポリオール(b) の製造にジイソシアネートの多
量体を含むポリイソシアネートを用いる。これにより耐
チッピング性に優れた塗膜を形成することができる。本
発明では、1分子当たりの官能基数を2.1以上とし
て、塗膜中の架橋濃度を高めており、これにより良好な
耐チッピング性が得られるものと思われる。
【0038】本発明の耐チッピング性塗料組成物には、
上述した必須成分の他に、以下に示す架橋重合体微粒
子、顔料、アミノ樹脂、各種添加剤等を加えることがで
きる。
【0039】架橋重合体微粒子の添加は塗膜の外観を改
善し、また、耐チッピング性塗膜とその上層に配置され
た塗膜とのなじみを防止する。
【0040】従来、架橋重合体微粒子(微小樹脂粒子)
の製法には種々の方法が提案されているが、その方法の
一つに、エチレン性不飽和単量体を架橋性の共重合単量
体と水性媒体中でサスペンション重合又は乳化重合させ
て微小樹脂粒子分散液を作製し、溶媒置換、共沸、遠心
分離乾燥等により水を除去して微小樹脂粒子を得る方法
がある。別の方法としては、脂肪族炭化水素等の低SP
有機溶媒、あるいはエステル、ケトン、アルコール等の
高SP有機溶媒ようにモノマーは溶解するが重合体は溶
解しない非水性有機溶媒中で、エチレン性不飽和単量体
と架橋性共重合体とを共重合させ、得られた微小樹脂粒
子(共重合体)を分散させる方法がある。この方法はN
AD法又は沈殿析出法と称される。
【0041】架橋重合体微粒子(微小樹脂粒子)は、上
記のいずれの方法で製造してもよい。また特開昭58−12
9066号に記載された両イオン性基を有する水溶性樹脂を
使用する方法を採用してもよい。
【0042】本発明では、平均粒径が0.01〜10μmの架
橋重合体微粒子(微小樹脂粒子)を用いるのが好まし
い。
【0043】架橋重合体微粒子(微小樹脂粒子)を製造
するためのエチレン性不飽和単量体としては、 (メタ)
アクリル酸メチル、 (メタ) アクリル酸エチル、 (メ
タ) アクリル酸n−ブチル、 (メタ) アクリル酸イソブ
チル、 (メタ) アクリル酸2−エチルヘキシル等のアク
リル酸又はメタクリル酸のアルキルエステルや、これと
共重合することができるエチレン性不飽和結合を有する
他の単量体、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビ
ニルトルエン、t−ブチルスチレン、エチレン、プロピ
レン、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メタクリロニト
リル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチルなどが
ある。これら単量体は二種類以上を混合して用いてもよ
い。
【0044】なお、ここで、架橋性の共重合単量体は、
分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽
和結合を有する単量体及び/又は相互に反応することが
できる基を有するエチレン性不飽和基含有単量体を含
む。
【0045】分子内に2個以上のラジカル重合可能なエ
チレン性不飽和結合基を有する単量体としては、多価ア
ルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩
基酸の重合性不飽和アルコールエステル、及び2個以上
のビニル基を有する芳香族化合物などがある。
【0046】水性媒体又は非水性有機媒体中で製造した
微小樹脂粒子はそのままで使用することができるが、濾
過、スプレー乾燥、凍結乾燥などの方法で微小樹脂粒子
を単離し、そのまま、もしくはミルなどを用いて適当な
粒径に粉砕して用いることもできる。
【0047】微小樹脂粒子としては、たとえば日本ペイ
ント(株)製AZS797、AZS597等が挙げられ
る。
【0048】顔料としては、有機顔料や、カーボンブラ
ック、二酸化チタン、酸化鉄等の無機顔料、硫酸バリウ
ム、タルク等の体質顔料、さらには、黒鉛等の鱗片状物
等を用いることができる。
【0049】また、ダストなじみ性の改善を目的とし
て、アクリル系やポリオキシエチレン系の表面調整剤
(たとえばリポノックスNC−60:ライオン油脂(株)
製)を添加することができる。
【0050】本発明では、硬化反応促進剤として有機ス
ズ化合物等の触媒を塗料組成物中に加えることが望まし
い。スズ化合物としては、ジメチルスズジラウレート、
ジブチルスズジラウレート、ジメチルスズクロリド、ジ
ブチルスズクロリド、ジn −オクチルスズジラウレート
等がある。なお、第三アミン系の触媒を併用してもよ
い。
【0051】また、沈降防止剤としてポリエチレン系、
ポリアマイド系等の公知の沈降防止剤を添加することが
できる。
【0052】以上に記した各種添加剤の配合量は、上述
した必須成分(a) と(b) との合計(固形分換算)を10
0重量部として、架橋重合体微粒子が5〜15重量部、
顔料が5〜30重量部、触媒が0.5 〜3重量部、沈降防
止剤が1重量部以下とするのが好ましい。
【0053】また、本発明の塗料組成物において、これ
を有機溶剤型塗料とする場合、トルエン、キシレン等の
芳香族炭化水素、ミネラルスピリット等の脂肪族炭化水
素、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、及びメチ
ルエチルケトン等のケトン類の溶剤を、単独で又は混合
して(適宜選択して)用いることができる。また、本発
明の塗料組成物は、有機溶剤型塗料として用いるばかり
でなく、水分散型の水性塗料としても用いることができ
る。この場合、溶剤としては、水、各種の親水性有機溶
剤等を用いることができる。
【0054】本発明の塗料組成物は、 (1) 電着塗装−中塗り塗装−上塗り塗装系における 電着塗膜と中塗り塗膜との層間、又は、 中塗り塗膜と上塗り塗膜との層間、もしくは、 (2) 電着塗装−上塗り塗装系における 電着塗膜と上塗り塗膜との層間 に用いることができる。
【0055】上記(1) のにおいては、本発明の塗料組
成物による塗料を塗装した上に、いわゆるウェット−オ
ン−ウェット方式、又はプレヒートを併用する方式で中
塗り塗料を塗装することができる。また、(1) のにお
いては、中塗り塗膜の上に、本発明の塗料組成物による
塗料を塗装し、その上に、ウェット−オン−ウェット方
式、又はプレヒートを併用する方式で上塗り塗装を施す
ことができる。一方、上記(2) のにおいては、本発明
の塗料組成物による塗料を電着塗膜上に塗装した後、ウ
ェット−オン−ウェット方式、又はプレヒートを併用す
る方式で上塗り塗装を施すことができる。
【0056】電着塗料としてはアニオン型樹脂系、カチ
オン型樹脂系の従来のものがいずれも使用できる。
【0057】電着塗料の主成分となる樹脂をその構造か
らみると、(1) 乾性油又はポリブタジエンなどの液状ゴ
ム系、場合によりエポキシ化した樹脂を骨格とするも
の、たとえばマレイン化油樹脂やマレイン化ポリブタジ
エン樹脂及びアミンエポキシ化ポリブタジエン樹脂な
ど、(2) 樹脂状ポリオールの脂肪酸エステルを主骨格と
するもの、及びその変性誘導体、たとえばエポキシ樹
脂、エステル化樹脂など、(3) アルキド樹脂を主骨格と
するもの、(4) アクリル樹脂を主骨格とする樹脂などが
ある。
【0058】上記した電着塗料用樹脂が酸性樹脂の場合
は、アンモニア、アミン、無機アルカリ等の塩基で中和
してこれを水に溶解または分散させる。また、塩基性樹
脂の場合は、酢酸、乳酸、ほう酸、リン酸等の酸で中和
して水に溶解または分散させるのが好ましい。
【0059】電着塗料中には、さらに、メラミン樹脂、
ブロックイソシアネート等の架橋剤、顔料、溶剤等の常
用の添加剤を適宜配合することができる。
【0060】電着塗膜は、通常、焼き付け後の膜厚が10
〜40μmになるように設けるのが好ましい。電着塗装に
おけるその他の条件は、従来の電着塗装における条件に
準じてよい。
【0061】なお、この電着塗装の前には、通常の化成
処理を行うのが好ましい。
【0062】中塗り工程を含む場合、中塗りの前又は後
に、本発明の耐チッピング性塗料組成物を用いて塗装を
行う。また、中塗り工程を含まない場合には、上述の通
り、電着塗装の後に本発明による耐チッピング性塗料組
成物を用いて塗装を行う。
【0063】中塗り塗料としては、アルキド樹脂、ポリ
エステル樹脂、アクリル樹脂系の塗料を用いることがで
きる。塗装は、通常の方法、たとえば静電塗装によって
行うことができる。焼き付けも常法により行うことがで
きる。中塗り塗膜の膜厚は、乾燥膜厚で20〜60μmとす
るのが好ましい。
【0064】中塗り塗料として、上塗り塗料との組み合
わせで意匠性を発揮するために、着色顔料を含む「カラ
ー中塗り塗料」を用いることもできる。
【0065】本発明の耐チッピング性塗料組成物を適宜
溶剤に溶解して塗料とするためには、各成分を良好に分
散、混合する必要があるが、それには、通常塗料の製造
に用いられているペイントシェーカー、ディゾルバー、
ボールミル、サンドグラインドミル、ニーダー等の装置
を用いることができる。
【0066】本発明の耐チッピング性塗料組成物は、適
正粘度になるよう溶剤を用いて希釈し、噴霧、塗布等の
方法により塗装する。塗装時の塗料(組成物)の粘度
は、フォードカップを用いて調整することができる。
【0067】塗装機としては、霧化式塗装機を用いるの
が好ましく、たとえば、エアースプレー塗装機、エアレ
ススプレー塗装機、及びエアー霧化式もしくは回転式静
電塗装機などが挙げられる。
【0068】本発明による耐チッピング性塗膜の厚さ
は、乾燥膜厚で2〜60μmとするのが好ましい。耐チ
ッピング性塗膜の厚さが2μm未満では耐チッピング性
が劣る。また、60μmを超す厚さとすると、ウェット
−オン−ウェット塗装時、上下塗膜の混合により外観不
良となる。より好ましい耐チッピング性塗膜の厚さは5
〜40μmである。
【0069】上塗り塗料としては、アクリル樹脂系塗
料、ポリエステル樹脂系塗料、フッ素樹脂系塗料等の塗
料を用いることができる。これらの樹脂において、その
樹脂系は、有機溶剤型、水系、粉体型のいずれであって
もよい。
【0070】上塗り塗装の条件は、従来の自動車の上塗
り塗装の仕様と同様としてよい。
【0071】
【実施例】本発明を以下の具体的実施例によりさらに詳
細に説明する。
【0072】合成例1 成分(a) の調製 以下の3種類のポリイソシアネート化合物(a-1〜a-
3)を調製した。 a-1:HDIの三量体(ビューレット型) 1モル 1,5 ペンタンジオール 3モル HDI 3モル よりなる付加反応物で、遊離のイソシアネート基はすべ
てMEKオキシムでブロックしたものであり、数平均分
子量が1600である。このポリイソシアネート化合物の再
生イソシアネート基含有率は8.1 %であった。なお、1
分子当たりの平均官能基数は3.1 であった。(これをト
ルエンに溶解し、75重量%溶液とした。)
【0073】a-2:ポリカプロラクトンジオール変性H
DI(ビューレット型)であり、遊離のイソシアネート
基をMEKオキシムでブロックしたものである。数平均
分子量は1500であり、再生イソシアネート基含有率は7.
2 %であった。なお、1分子当たりの平均官能基数は3.
4 であった。(このポリイソシアネート化合物はトルエ
ンに溶解し、75重量%溶液とした。)
【0074】a-3:ポリカプロラクトンジオール変性H
DI(ヌレート型)であり、遊離のイソシアネート基を
MEKオキシムでブロックしたものである。数平均分子
量は1300であり、再生イソシアネート基含有率は6.
4 %であった。なお、1分子当たりの平均官能基数は約
2.7 であった。(このポリイソシアネート化合物はトル
エンに溶解し、75重量%溶液とした。)
【0075】合成例2 成分(b) の調製 以下の7種類のポリオール(b-1〜b-7)を調製した。 b-1:HDIの三量体(ビューレット型) 1モル 1,5 ペンタンジオール 6モル HDI 3モル よりなる付加反応物で、水酸基価108 、数平均分子量が
1600である。なお、1分子当たりの平均官能基数は3で
あった。これをトルエンに溶解し、75重量%溶液とし
て用いた。
【0076】 b-2:HDIの三量体(ビューレット型) 1モル 1,5 ペンタンジオール 3モル ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)
製、プラクセル205 、数平均分子量530 )3モル HDI 3モル よりなる付加反応物で、水酸基価56、数平均分子量が30
00である。なお、1分子当たりの平均官能基数は3であ
った。これをトルエンに溶解し、70重量%溶液として
用いた。
【0077】 b-3:HDIの三量体(ビューレット型) 1モル 1,5 ペンタンジオール 2モル ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)
製、プラクセル205 、数平均分子量530 )2モル HDI 1モル よりなる付加反応物で、水酸基価87、数平均分子量が19
00である。なお、1分子当たりの平均官能基数は3であ
った。これをトルエンに溶解し、75重量%溶液として
用いた。
【0078】 b-4:HDIの三量体(ビューレット型) 2モル 1,5 ペンタンジオール 8モル イソホロンジイソシアネート 3モル よりなる付加反応物で、水酸基価53、数平均分子量が42
00である。なお、1分子当たりの平均官能基数は4であ
った。これをトルエンに溶解し、60重量%溶液として
用いた。
【0079】 b-5:HDIの三量体(ヌレート型) 1モル 1,5 ペンタンジオール 2モル ポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学工業(株)
製、プラクセル205 、数平均分子量530 )2モル HDI 1.25モル よりなる付加反応物で、水酸基価93、数平均分子量が15
00である。なお1分子当たりの平均官能基数は2.5 であ
る。これをトルエンに溶解して75重量%溶液として用
いた。
【0080】b-6:2エチル1,3 ヘキサンジオール(チ
ッソ(株)製EHD、水酸基価763 、数平均分子量146
)をそのまま(NV100 %)で使用した。なお1分子
当たりの平均官能基数は2である。
【0081】b-7:ポリカプロラクトンジオール(ダイ
セル化学工業(株)製、プラクセル205 、数平均分子量
530 ) 3モル HDI 2モル よりなる付加反応物で、水酸基価58、数平均分子量が19
00である。なお1分子当たりの平均官能基数は2であ
る。これをトルエンに溶解して75重量%溶液として用
いた。
【0082】実施例1〜7、及び比較例1〜3 リン酸亜鉛処理を施した7cm×15cm×0.8mm のダル鋼板
に、カチオン電着塗料〔日本ペイント(株)製、パワー
トップU−226E〕を乾燥塗膜の厚さが約20μmとなるよ
うに電着塗装し、焼き付けた。焼き付け条件は165 ℃で
30分とした。
【0083】次に、表1に示すように、成分(a) 及び成
分(b) として上記したものの中から選択し、下記組成と
なるように他の物質を添加して混合し、耐チッピング性
塗料組成物を調製した。なお塗料組成物は、溶剤とし
て、トルエンと酢酸ブチルとの混合物(トルエン/酢酸
ブチル≒1/1(重量比))を用い、フォードカップ#
4で11秒となるように粘度調整した。
【0084】耐チッピング性塗料組成物は、下記の配合
とした。 (a) 成分及び(b) 成分 :合計で100重量部(固形
分) 二酸化チタン : 5重量部 カーボンブラック : 0.5 重量部 リポノックスNC-60 (1) : 1重量部 微小樹脂粒子(2) : 5重量部 ジブチル錫ジラウレート: 1.5 重量部 溶剤(3) : 210重量部 注(1) :表面調整剤である。 (2) :AZS793(日本ペイント(株)製)である。 (3) :トルエン/酢酸ブチル≒1/1(重量比)の混合
溶剤である。
【0085】この塗料組成物を用い、エアスプレー塗装
により乾燥膜厚が約10μmとなるように塗装した。ただ
し、比較例1の試験片については耐チッピング性塗料組
成物による塗装を行わなかった。
【0086】上記の塗装後、約2分間セッティングし、
次に、(ウェット−オン−ウェット方式で)中塗り塗料
〔日本ペイント(株)製「オルガP−61−1 グレ
ー」、ポリエステル/メラミン樹脂塗料〕を乾燥塗膜の
厚さが約35μmとなるようにエアースプレー塗装し、14
0 ℃で25分間焼付けた。
【0087】その後、アクリル樹脂系上塗りベースコー
ト塗料〔日本ペイント(株)製、スーパーラックM−80
メタリックベース〕を乾燥膜厚が約15μmとなるように
塗装し、3分間セッティングを行った。ついで、クリヤ
ー塗料〔日本ペイント(株)製、スーパーラックO−13
0 クリヤー〕を乾燥膜厚が約30μmとなるように塗装
し、約10分間セッティング後、140 ℃で25分間焼付け
て試験片を得た。
【0088】得られた試験片について、以下の方法によ
り、耐チッピング性、塗膜外観性をを評価した。結果を
表1に示す。
【0089】(1) 耐チッピング性 グラベロ試験機(スガ試験機(株)製)を用いて、以下
の条件で試験を行った。 石の大きさ 7号砕石 石の量 50g 距離 35cm エアー圧 4.0 kg/cm2 角度 45° 試験温度 −20℃
【0090】耐チッピング性試験の結果は、チッピング
プライマーを使用しない試験片(比較例4)を「×」の
評価として、目視により以下のように5段階に分けて評
価した。 ◎ 優秀(はがれが全くない)。 ○ 良好(わずかにはがれが認められる)。 △ 普通(1mmφ以下のはがれが散見される)。 ▲ やや劣る(はがれが目立つ)。 × 劣る。
【0091】(2) 塗膜外観性 上塗り塗装まで行った試験片の表面のちぢみ、ぼけ感、
灰かぶり性を目視により5段階に分けて評価した。 ◎ 優秀(ちぢみ、ぼけ感、灰かぶりが全くない)。 ○ 良好(ちぢみ、ぼけ感、灰かぶりが殆どみられな
い)。 △ 普通(ちぢみ、ぼけ感、灰かぶりが若干みられ
る)。 ▲ やや劣る(ちぢみ、ぼけ感、灰かぶりが目立
つ)。 × 劣る(ちぢみ、ぼけ感、灰かぶりが著しく目立
つ)。
【0092】 表1 例No. (a) /(b) (1) 塗膜外観 耐チッピング性 実施例1 a-1/b-1 ◎ ◎ 実施例2 a-1/b-2 ◎ ◎ 実施例3 a-1/b-3 ◎ ◎ 実施例4 a-1/b-4 ◎ ◎ 実施例5 a-1/b-5 ◎ ◎ 実施例6 a-2/b-1 ◎ ◎ 実施例7 a-3/b-1 ◎ ◎ 比較例1 チッピングプライマー塗装せず ◎ × 比較例2 a-1/b-6 ○ ▲ 比較例3 a-1/b-7 ◎ ▲
【0093】表1注(1) :成分(a) と成分(b) との組み
合わせを示す。成分(a) 及び成分(b) の混合比は、NCO/
OH(モル比)が50/50となるようにした。
【0094】実施例8〜14 実施例1で用いたダル鋼板と同一のものに、やはり実施
例1と同様にして電着塗装、焼き付けを行い、さらにそ
の上に実施例1で用いた中塗り塗料を用いて中塗り塗装
を行い、焼き付けした。
【0095】得られた試験片に対して、実施例1と同様
にして、表2に示す組み合わせの耐チッピング性塗料組
成物を調製した。この塗料組成物を用い、中塗り塗膜の
上に耐チッピング性塗膜を形成した。耐チッピング性塗
膜の膜厚は(乾燥膜厚で)10μmとなるようにした。2
分間セッティングを行ったのち、実施例1と同様にして
上塗り塗料を塗装した。得られた試験片について、実施
例1と同様にして耐チッピング性を評価した。結果を表
2に示す。
【0096】表2例No. (a) /(b) (1) 耐チッピング性 実施例8 a-1/b-1 ◎ 実施例9 a-1/b-2 ◎ 実施例10 a-1/b-3 ◎ 実施例11 a-1/b-4 ◎ 実施例12 a-1/b-5 ◎ 実施例13 a-2/b-1 ◎ 実施例14 a-3/b-1 ◎
【0097】表2注(1) :成分(a) と成分(b) との組み
合わせを示す。成分(a) 及び成分(b) の混合比は、NCO/
OH(モル比)が50/50となるようにした。
【0098】実施例15〜21 実施例1で用いたダル鋼板と同一のものに、やはり実施
例1と同様にして電着塗装、焼き付けを行った。その上
に、表3に示す組み合わせの耐チッピング性塗料組成物
を調製し、実施例1の方法に準じて耐チッピング性塗膜
を形成した。耐チッピング性塗膜の膜厚は(乾燥膜厚
で)10μmとした。2分間セッティングを行ったのち、
実施例1と同様にして上塗り塗料を塗装した。得られた
試験片について、実施例1と同様にして耐チッピング性
を評価した。結果を表3に示す。
【0099】表3例No. (a) /(b) (1) 耐チッピング性 実施例15 a-1/b-1 ○ 実施例16 a-1/b-2 ○ 実施例17 a-1/b-3 ○ 実施例18 a-1/b-4 ○ 実施例19 a-1/b-5 ○ 実施例20 a-2/b-1 ○ 実施例21 a-3/b-1 ○
【0100】表3注(1) :成分(a) と成分(b) との組み
合わせを示す。成分(a) 及び成分(b) の混合比は、NCO/
OH(モル比)が50/50となるようにした。
【0101】実施例22〜35 上塗り塗装として、以下の塗料(イ)を用いた以外はそれ
ぞれ実施例1〜7と同様の塗装仕様により試験片を作製
した(実施例22〜28)。なお、上塗り塗料(イ)は、ベー
ス塗料(下層側の塗膜を形成する)と、クリアー塗料
(上層側の塗膜を形成する)との2つの塗料からなる。
【0102】上塗り塗料(イ):アクリル/メラミン樹脂
型水性塗料 (1) 「オルガTO-H900 メタリックベース」(水性)日本
ペイント(株)製 (2) 「オルガTO-561クリアー」(溶剤型)日本ペイント
(株)製
【0103】同様に、上塗り塗装として、以下の塗料
(ロ)を用いた以外はそれぞれ実施例1〜7と同様の塗装
仕様により試験片を作製した(実施例29〜35)。なお、
この場合も、上塗り塗料(ロ)は、ベース塗料(下層側の
塗膜を形成する)と、クリアー塗料(上層側の塗膜を形
成する)との2つの塗料からなる。 上塗り塗料(ロ):酸性雨対策型塗料 (1) 「オルガTO-H500 メタリックベース」(溶剤型)日
本ペイント(株)製 (2) 「オルガTO-H580 クリアー」(溶剤型)日本ペイン
ト(株)製
【0104】得られた試験片について、実施例1と同様
にして塗膜外観、及び耐チッピング性を評価したとこ
ろ、全ての試験片の塗膜外観及び耐チッピング性は◎で
あった。
【0105】実施例36 実施例1と同一の鋼板を複数枚用い、また、(a) 成分と
してa-1を、(b) 成分としてb-1を選択し、(a) 成分と
(b) 成分との配合比(−OH/−NCOのモル比で表
す)を表4に示すように変化させ、他は実施例1と同様
にして塗装を行い、複数の試験片を得た。
【0106】各試験片について、実施例1と同様の方法
により、塗膜外観及び耐チッピング性について評価し
た。結果を表4に示す。
【0107】 表4 −OH/−NCO 塗膜外観 耐チッピング性 80/20 ◎ ▲ 60/40 ◎ ◎ 50/50 ◎ ◎ 40/60 ◎ ◎ 20/80 ◎ ▲
【0108】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の塗料組成
物は、ポリカプロラクトンジオール及び/又は炭素数が
2〜8の鎖式炭化水素系ジオールにより変性したブロッ
クポリイソシアネートを含んでいるので、得られる塗膜
は可撓性に富み、良好な耐チッピング性を有するように
なる。また、塗膜外観も良好で、自動車外板の塗装に好
適である。
【0109】さらに、本発明の塗料組成物は特定の分子
量を有するポリオールを用いているので、既存型のチッ
ピングプライマーとは違って低溶剤型とすることがで
き、VOCの規制を簡単にクリアできる。また、塗装作
業、塗装ラインのメインテナンスも容易となる。さらに
また、貯蔵安定性にも優れる。
【0110】本発明による耐チッピング性塗料組成物と
水性塗料とを組み合わせることで、溶剤の低減化を達成
することができる。また他の酸性雨対策型塗料と組み合
わせることで、良好な耐久性のある塗膜を形成すること
ができる。
【0111】本発明による耐チッピング性塗料組成物を
用いれば、比較的薄い塗膜(例えば4〜10μm)でも良
好な耐チッピング性を得ることができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) (イ)ポリカプロラクトンジオール及
    び/又は炭素数が2〜8の鎖式炭化水素のジオールと、
    (ロ)ジイソシアネートの多量体、又はジイソシアネート
    の多量体とジイソシアネートとの混合物とが付加反応し
    てなり、末端にイソシアネート基を有し、1分子当たり
    のイソシアネート基の数が2.1 〜5個であるポリイソシ
    アネート化合物と、 (b) (ハ)ポリカプロラクトンジオール及び/又は炭素数
    が2〜8の鎖式炭化水素のジオールと、(ニ)ジイソシア
    ネートの多量体、又はジイソシアネートの多量体とジイ
    ソシアネートとの混合物とが付加反応してなり、末端に
    水酸基を有し、1分子当たりの水酸基の数が2.1 〜5個
    であるポリオールとを主成分とすることを特徴とする耐
    チッピング性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の耐チッピング性塗料組
    成物を、 (1) 電着塗装−中塗り塗装−上塗り塗装系における 電着塗膜と中塗り塗膜との層間、又は、 中塗り塗膜と上塗り塗膜との層間、もしくは、 (2) 電着塗装−上塗り塗装系における 電着塗膜と上塗り塗膜との層間 に塗装することを特徴とする耐チッピング性塗膜の形成
    方法。
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