JPH08182963A - 自動車車体の塗装方法 - Google Patents

自動車車体の塗装方法

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JPH08182963A
JPH08182963A JP34046994A JP34046994A JPH08182963A JP H08182963 A JPH08182963 A JP H08182963A JP 34046994 A JP34046994 A JP 34046994A JP 34046994 A JP34046994 A JP 34046994A JP H08182963 A JPH08182963 A JP H08182963A
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JP
Japan
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coating
chipping
parts
coating composition
epoxy resin
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Application number
JP34046994A
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English (en)
Inventor
Masahiko Ishii
正彦 石井
Yoshiko Natsume
佳子 夏目
Yasuo Sumitomo
靖夫 住友
Fumitaka Nakayama
文孝 中山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shinto Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Shinto Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】自動車車体外鋼板及び下回り部に良好な耐チッ
ピング性を有する塗装方法を提供する。 【構成】(A) 水酸基を有するエポキシ樹脂と環状エ
ステルおよび/又は環状エステルの開環重合物を反応さ
せて得られる、水酸基を含有し、数平均分子量500〜
5000のエポキシ樹脂、(B) 水酸基を含有し、数
平均分子量400〜1000のポリエステルポリオール
樹脂、(C) イソシアネート基がブロックされている
ポリイソシアネート化合物、(D) 粒子径0.2〜
1.5μのマイクロゲルとからなる塗料組成物を使用
し、塗装後、該耐チッピング塗料の塗膜ゲル分率が70
〜100%の範囲となる様乾燥させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車車体の塗装方法
に関する。さらに詳しくは本発明は低膜厚での車体外鋼
板用層間耐チッピング塗料型塗装工程および膜厚300
μ以上の車体下回り用耐チッピング塗料の塗装が、1種
の塗料を用いて良好なる耐チッピング性能を有して可能
となる自動車車体の塗装方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車車体の外板、たとえば車体外板下
部や下回り部、足回り部は、走行中常に飛び石が強く衝
突するために、いわゆる「チッピングはがれ」が発生
し、美観を低下させるとともに、はがれ部の車体鋼板が
露出して発錆し、腐蝕が進行する。このため、従来より
「チッピングはがれ」に対する対策には重大なる関心が
払われており、耐チッピング性能にすぐれた塗料の研究
開発が行われており、たとえば、車体外板下部のチッピ
ングはがれ対策としての自動車用プライマーまたは中塗
組成物として、特定顔料を使用して傷がついても素地ま
で達しない塗料組成物(特開昭53−45813号公
報)、イソシアネート化合物を利用した塗料組成物(特
開昭54−73836号公報、特開昭57−68176
号公報)などが提案されている。
【0003】しかしながら、粒子径が10〜20μのタ
ルク20〜50重量%を含む組成物を使用する方法(特
開昭53−45813号公報)は、チッピングによる傷
は素地の鋼板面まで達しにくいので、車両の外鋼板自体
の発錆は減少するが、上塗の剥離面積が大きくなり、美
観を損ねるという欠点がある。
【0004】また、イソシアネートを使用した方法(特
開昭54−73836号公報)は、耐チッピング性能が
十分でない欠点があり、また、水酸基をもったポリブタ
ジエンとイソシアネート基とを反応させた化合物を用い
た方法(特開昭57−68176号公報)の場合、耐チ
ッピング性能は良好となるが、上塗塗装後の仕上り外観
が劣るという欠点がある。
【0005】また、車体下回りの防錆を目的とする、い
わゆる、床裏用耐チッピング塗料組成物が種々提案され
ており、たとえば、ポリオール、イソシアネートおよび
アミノ樹脂を使用する組成物(特開平1−174570
号公報)が知られているが、この組成物を用いた耐チッ
ピング塗料を使用する方法においては、良好なる耐チッ
ピング性能を得んとすれば、膜厚を300μ以上塗装す
る必要があり、膜厚が300μ以下になると、耐チッピ
ング性能が急激に低下する欠点がある。さらに塗膜外観
が劣り、車体外鋼板としての使用に耐えないものであ
る。
【0006】一方、車体外鋼板に、下塗である電着塗料
と中塗塗料との間に耐チッピング性能を向上させる目的
にて、いわゆる「層間耐チッピング塗料」を塗装する方
法が提案されている。たとえば、軟質ポリエステル樹脂
とメラミン樹脂からなる塗料組成物を塗装する方法、ポ
リヒドロキシ化合物とブロックイソシアネート化合物か
らなる塗料組成物を塗装する方法、マレイン酸をグラフ
トしたポリオレフィン樹脂からなる塗料組成物を塗装す
る方法などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
層間耐チッピング塗料を使用する方法は、前述の自動車
用中塗あるいはプライマー組成物を用いる場合と比較
し、耐チッピング性能は上回ることが可能であるもの
の、車体外鋼板における軽度なるチッピングはがれを防
止することが可能であるに過ぎず、車体下回り、あるい
は足回りにおいて発生しうる重度なチッピングはがれに
対しては対応できない。また、1種の塗料を車体外鋼板
においては25〜150μの低膜厚で塗装し、下回り部
においては300〜500μの厚膜にて塗装する事によ
り対応する方法が提案されているが、最小25μから、
最大500μまでたれ、わきなど外観上の欠陥無しに塗
装できる材料はいまだ見いだされていない。
【0008】従って、車体の塗装においては、下回り用
耐チッピング塗料、車体外鋼板用層間耐チッピング塗料
を別個に塗装しているのが現状である。かかる塗装法に
おいては、2種の塗料を塗装することによる工程数増加
のみならず、2種の塗料の塗り重ね部における層間付着
性低下等、問題を生ずるケースが見受けられる。
【0009】かかる現状から、車体外鋼板および下回り
部を1種の塗料にて塗装し、両部位共に良好なる耐チッ
ピング性を保持させることが可能な塗装方法を開発する
ことが待ち望まれていた。
【0010】
【課題を解決するための手段】かかる状況に鑑み、本発
明者らは上述の問題点を改良するため鋭意研究を重ね、
車体外鋼板および下回り部を1種の塗料にて塗装し、良
好なる耐チッピング性能を発揮する塗装方法を見出し、
遂に本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち本発明は、自動車車体に耐チッピ
ング塗料を塗装する塗装方法において、該耐チッピング
塗料が、(A) 水酸基を有するエポキシ樹脂の樹脂固
形分100重量部に対して、10〜70重量部の環状エ
ステルおよび/又は環状エステルの開環重合物を反応さ
せて得られる、水酸基を含有し、数平均分子量500〜
5000のエポキシ樹脂、(B) 水酸基を含有し、数
平均分子量400〜1000のポリエステルポリオール
樹脂、(C) イソシアネート基がブロックされている
ポリイソシアネート化合物、および(D) 粒子径0.
2〜1.5μのマイクロゲルとを、(C)成分のイソシ
アネート基が(A)成分および(B)成分の水酸基1当
量に対し0.5〜2.0当量、また(D)成分が
(A)、(B)、(C)成分の合計100重量部に対
し、1〜60重量部となる割合で配合した塗料組成物で
あって、該組成物の硬化塗膜のガラス転移温度が−20
℃〜0℃であって、伸び率が温度20℃において10〜
100%、温度−20℃において1〜50%であり、抗
張力が温度20℃において400〜700Kgf/cm
2 である塗料組成物であり、該耐チッピング塗料を塗装
後、該耐チッピング塗料の塗膜ゲル分率が70〜100
%の範囲となる様乾燥させ、次いで中塗塗料を塗装する
ことを特徴とする塗装方法である。
【0012】本発明において用いられる耐チッピング塗
料組成物について説明する。
【0013】本発明にて使用する塗料組成物に含まれ
る、水酸基を有するエポキシ樹脂の樹脂固形分100重
量部に対して、10〜70重量部の環状エステルを反応
させて得られる、水酸基を含有し、数平均分子量500
〜5000のエポキシ樹脂(A)とは、ビスフェノール
A系、ビスフェノールF系等のエポキシ樹脂と、環状エ
ステル類および/または環状エステルの開環重合物類な
どとを反応して生成する数平均分子量500〜5000
の水酸基含有エポキシ樹脂の1種または2種以上の混合
物である。
【0014】かかる樹脂を用いる根拠を以下に述べる。
発明者等の研究によれば、車体外鋼板に塗装する場合、
塗膜外観を良好とするため25〜150μの低膜厚で塗
装することになるが、かかる膜厚域にて良好なる耐チッ
ピング性を得んとすれば、硬化塗膜のガラス転移温度が
−20℃〜0℃であって、伸び率が温度20℃において
10〜100%、温度−20℃において1〜50%であ
り、抗張力が温度20℃において400〜700Kgf
/cm2 の範囲である必要が有る。
【0015】400〜700Kgf/cm2 の範囲の抗
張力は、石はねによる塗膜の傷つき、破れの防止に効果
があり、膜厚を300〜500μとする事により下回り
部における重度なチッピングに対しても十分なる耐チッ
ピング性を発揮する。
【0016】また、温度20℃において10〜100
%、温度−20℃において1〜50%の伸び率を有する
ことにより、耐チッピング塗料の素地上への十分なる付
着性が25〜500μの広範囲な膜厚域で均等に維持で
き、チッピングはがれを防止できる。
【0017】また、自動車車体は、その使用される環境
が概ね−20℃〜40℃であり、かかる環境下で一定の
物性を維持するためにはガラス転移点を−20℃〜0℃
の範囲とする必要が有る。かかる硬化塗膜の物性を実現
するためには、ウレタン系樹脂を使用することが好まし
く、たとえばポリエステルポリオールとブロックイソシ
アネートを組み合わせることにより、硬化塗膜のガラス
転移温度が−20℃〜0℃であって、伸び率が温度20
℃において10〜100%、温度−20℃において1〜
50%の範囲の物性を実現することが可能であるもの
の、この場合の抗張力は、たかだか300Kgf/cm
2 であり、本発明の目的とする組成物は得られない。そ
こでポリエステルポリオールとブロックイソシアネート
の組み合わせにビスフェノールA系エポキシ樹脂たとえ
ばエピコート1004(油化シェルエポキシ株式会社
製)を更に併用することにより、抗張力は400Kgf
/cm2 〜700Kgf/cm2 に向上するが、逆に温
度20℃における伸び率が1〜5%にまで低下し、目的
とする物性は得られない。
【0018】一方、エポキシ樹脂に環状エステルを反応
させて得られる、水酸基含有エポキシ樹脂をポリエステ
ルポリオールとブロックイソシアネートの組み合わせに
併用して用いると、前記硬化塗膜物性を得ることが可能
であることを発明者等は見出し、本発明の耐チッピング
塗料組成物に使用するものである。
【0019】エポキシ樹脂に環状エステルを反応させて
得られる、水酸基含有エポキシ樹脂を用いることによ
り、目的とする硬化塗膜物性が得られる理由は、環状エ
ステルを反応して得る直鎖状分子構造に起因する柔構造
と、エポキシ樹脂主鎖が本来有するビスフェノール骨格
に由来する剛構造の双方を同時に含有するためと考えら
れる。
【0020】かかる樹脂の例として、たとえば、エポキ
シ当量450グラム/1当量のビスフェノールA系エポ
キシ樹脂100重量部と、ε−カプロタクトン25部の
反応物生成物、エポキシ当量700グラム/1当量のビ
スフェノールF系エポキシ樹脂100重量部とε−カプ
ロラクトン16部の反応物生成物、エポキシ当量450
グラム/1当量のビスフェノールA系エポキシ樹脂10
0重量部と、γ−バレロラクトン40部との反応生成物
などが知られている。
【0021】エポキシ樹脂100重量部に対する上述の
環状エステルの重量比が10重量部より少ないと、仕上
り外観が低下し、また、70重量部より多いと耐チッピ
ング性が低下するため、好ましくない。環状エステルを
反応して得られたエポキシ樹脂の数平均分子量は、50
0〜5000、好ましくは1000〜4000である。
分子量が500より低いと、耐チッピング性能が低下
し、また、5000を越えると塗装作業性が低下し、仕
上り外観を損なうため、好ましくない。
【0022】また、水酸基を含有し、数平均分子量40
0〜1000のポリエステルポリオール樹脂(B)と
は、多価アルコールと化学量論的量より少ない量の多価
カルボン酸および/またはそれらの無水物との反応生成
物の1種または2種以上の混合物である。数平均分子量
が400より低いと、耐チッピング性能が低下し、ま
た、1000を越える場合も同様に耐チッピング性能、
特に高温、高湿度環境などの劣化環境にさらされた後の
耐チッピング性能が低下し、好ましくない。
【0023】多価アルコールの例として例えばエチレン
グリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロ
パンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、異性体ペンタンジオール類、異性体ヘキサ
ンジオール類またはオクタンジオール類例えば2−エチ
ル−1,3−ヘキサンジオール、1,2−、1,3−お
よび1,4−ビス(ヒドロキシメチル)−シクロヘキサ
ノン、トリメチロールプロパン、グリセリンなどをあげ
ることができる。
【0024】多価カルボン酸および多価カルボン酸無水
物の例として、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、セバ
シン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマ
ル酸、マレイン酸、イタコン酸などの二価カルボン酸、
トリメリット酸などの三価カルボン酸、無水フタル酸、
テトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水トリ
メリット酸などの多価カルボン酸無水物、二量体又は三
量体の脂肪酸たとえばひまし油脂肪酸の三量体をあげる
ことができる。
【0025】本発明に用いる塗料組成物においては、上
述のエポキシ樹脂およびポリエステルポリオール樹脂の
混合物を用いる。エポキシ樹脂(A)とポリエステルポ
リオール樹脂(B)の混合比は特に限定するものではな
いが、エポキシ樹脂100重量部に対しポリエステルポ
リオール樹脂50〜90重量部が好ましい。
【0026】次に本発明にて使用する塗料組成物に含ま
れる、イソシアネート基がブロックされているポリイソ
シアネート化合物(C)とは、ポリイソシアネート化合
物のイソシアネート基を、通常用いるブロック剤にてブ
ロックした化合物の1種または2種以上の混合物であ
り、ポリイソシアネート化合物の例としては、2,4−
および/または2,6−ジイソシアナートトルエン、
2,4−ジイソシアナート−ジシクロヘキシルメタン、
4,4−ジイソシアナート−ジシクロヘキシルメタン、
ヘキサメチレンジイソシアネート、1−イソシアナート
−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナートメチル
シクロヘキサンなどのジイソシアネート、これらジイソ
シアネートと、当量未満の多価アルコールたとえばエチ
レングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−
プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−
ブタンジオール、トリメチロールプロパン、グリセリン
などとの反応によって生成したアダクト体、あるいは上
記ジイソシアネートのビウレット三量体、上記ジイソシ
アネートのイソシアヌレート三量体などがあげられ、こ
れらポリイソシアネート化合物に当量乃至当量以上のブ
ロック化剤を反応させたものである。かかるブロック化
剤の例としてはフェノール、p−置換フェノール、アル
コール類、ε−カプロラクタム、ケトオキシム類、アセ
トンオキシム類などが知られており、種々選択が可能で
ある。
【0027】上述のエポキシ樹脂(A)、ポリエステル
ポリオール(B)の混合物と、ブロックイソシアネート
化合物(C)の配合比率は、エポキシ樹脂、ポリエステ
ルポリオールの混合物成分の水酸基1当量に対し、ブロ
ックイソシアネート化合物のイソシアネート基が0.5
〜2.0当量となる割合で両成分を配合したものであ
り、イソシアネート基が0.5当量より少なくても、ま
た、2.0当量より多くても、耐チッピング性能が低下
する。
【0028】本発明に用いる粒子径0.2〜1.5μの
マイクロゲルは、以下の目的にて使用するものである。
すなわち、粒子径0.2〜1.5μのマイクロゲルを含
有することにより、塗料にチクソトロピック性を付与し
て、300μ以上の厚膜塗装でもたれを生じることなく
塗装できる材料を得ることにある。通常、たれ限界を向
上させるためには、微粒子炭酸カルシウム、微粒子状無
水シリカ等を添加する方法が採られるが、これらの手段
では耐チッピング性能が低下する場合が多く、好ましく
ない。一方、マイクロゲルを使用した場合は、かかる不
具合が生ずることなく、たれ性をはじめとする塗装作業
性と、耐チッピング性能のバランスの良好なる塗料を得
ることができる。かかる目的に対しては、マイクロゲル
の粒子径は0.2〜1.5μ、好ましくは0.4〜1.
0μの範囲が適当である。粒径が0.2μ未満あるいは
1.5μを越えるといずれも、塗料のチクソトロピック
性が厚膜塗装に適さないため、300μ以上の厚膜での
塗装性が低下し、たれ、わき、われ、はがれ等の欠陥を
生じやすく、その結果耐チッピング性が低下することが
ある。
【0029】かかる目的にて、塗料組成物に含有する粒
径0.2〜1.5μのマイクロゲルとは分子中にエチレ
ン性不飽和二重結合1個を有するアクリルまたはビニル
単量体の1種または2種以上と、分子中にエチレン性不
飽和二重結合2個以上を有する架橋性単量体の1種また
は2種以上とを懸濁重合させた後、生成したゲル粒子の
うち粒径0.2〜1.5μの成分を分取したものであ
る。
【0030】使用する分子中にエチレン性不飽和二重結
合1個を有するアクリルまたはビニル単量体の例として
は、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプ
ロピルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチル
ヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチル
メタクリレート、イソプロピルメタクリレート、ブチル
メタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、
スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル、アシル変性ア
クリレート、アシル変性メタクリレート等があげられ
る。
【0031】また、分子中にエチレン性不飽和二重結合
2個以上を有する架橋性単量体の例としては、エチレン
グリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジア
クリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、
トリメチロールプロパントリアクリレート、ネオペンチ
ルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラアクリレート、エチレングリコールジメタクリレー
ト、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチ
レングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロ
パントリメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメ
タクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレ
ート、等があげられる。
【0032】アクリルまたはビニル単量体と架橋性単量
体の比率は、99対1〜1対99、好ましくは、95対
5〜70対30である。架橋性単量体が1以下であると
マイクロゲルが塗料中で溶解するため、好ましくない。
【0033】本発明に用いる塗料組成物は、上述のエポ
キシ樹脂、ポリエステルポリオール樹脂およびブロック
イソシアネートおよびマイクロゲルからなる樹脂成分の
他に、所望により、着色剤たとえばカーボンブラック、
二酸化チタンなどの顔料類、三級アミン、有機錫化合物
などの硬化触媒、流動性調整剤、消泡剤など各種添加剤
およびトルエン、キシレン、ソルベントナフサなどの炭
化水素類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどの
エステル類、メチルエチルケトン、メチルブチルケト
ン、ホロン、イソホロンなどのケトン類などの有機溶剤
を含有することができる。これら、顔料、添加剤、溶剤
等の含有量は、特に限定するものではないが、顔料類に
ついては、前述の硬化塗膜物性を得るため、樹脂成分総
計量に対し、150重量%以下とすることが望ましい。
150重量%を越えると、20℃および−20℃におけ
る伸び率が共に低下することがある。
【0034】本発明においては、上述の塗料組成物を通
常の塗装方法、たとえば、エアースプレー、エアレスス
プレー、静電塗装、浸漬塗装などの手段により車体外鋼
板ならびに下回り部、足回り部に塗装するが、塗装膜厚
は車体外鋼板で25〜150μ、好ましくは25〜75
μである。25〜150μの範囲で車体外鋼板部におけ
る良好なる耐チッピング性能が得られるが、25μより
薄いと耐チッピング性能が低下する。また150μより
厚いと耐チッピング性能はさらに向上するが、膜厚増大
と共に車体重量が増加し、省エネルギー、コストの観点
からも好ましくない。一方、車体下回り部および足回り
部に対しては、膜厚範囲は300〜500μである。3
00μより薄いと、車体下回り部あるいは足回り部に適
用される重度なチッピングに対し、耐性不足であり、5
00μを越えると、われ、はがれ、たれ、わき等の塗装
欠陥が生ずることがあり、好ましくない。
【0035】塗料組成物は、上述の手段にて塗布後、加
熱乾燥する。加熱乾燥の条件は、塗料組成物の塗膜ゲル
分率が、70〜100%好ましくは、75〜99%の範
囲となる条件である。70%未満であると、ピンホー
ル、わき、または仕上り光沢低下など塗装作業性上の欠
陥が生じるのみならず硬化塗膜物性の諸項目の中で、抗
張力が低下することがあり好ましくない。特に車体外鋼
板において層間耐チッピング塗料として塗装する場合
は、耐チッピング塗料に引き続き塗装される中塗に含有
される溶剤によって、耐チッピング塗膜層が溶解し、硬
化が不完全になるため、抗張力が低下する可能性が特に
高い、と考えられる。
【0036】このような塗膜のゲル分率を得る乾燥条件
の一例としては、100〜140℃にて3分ないし30
分である。車体外鋼板においては本発明により使用する
塗料を塗装、乾燥後通常使用されている中塗、続いて上
塗りを塗装する。車体下回り、足回りにおいては、通常
は本発明により使用する塗料を塗装、乾燥後さらに他の
塗料を塗り重ねることは行われないが、所望により他の
塗料を塗り重ねても差し支えない。
【0037】本発明の塗装方法においては、耐チッピン
グ塗料に用いる組成物を除く、電着塗料、中塗塗料、上
塗塗料に関しては、特に制限はなく、従来使用されてい
る市販品を用いることができる。
【0038】以下、実施例をもって本発明をさらに詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。なお、説明中、部及び%と表記したものは、特に断
わりのない限り重量である。
【0039】
【実施例】
耐チッピング塗料組成物1の製造 エポキシ樹脂として、プラクセルG−702(エポキシ
当量1700グラム/1当量のビスフェノールA型エポ
キシ樹脂100部と、ε−カプロラクトン25部の反応
生成物、数平均分子量4000、ダイセル化学工業株式
会社製)のキシレン溶液(樹脂固形分含有量60%)1
2.5部、ポリエステルポリオール樹脂として、ディス
モフェン670(数平均分子量900、水酸基価140
mgKOH当量、固形分100%、住友バイエルウレタ
ン株式会社製)7.5部、ブロックイソシアネートとし
て、バーノックDB−980K(理論イソシアネート含
有量10.5%、固形分75%、大日本インキ化学工業
株式会社製)18.1部、マイクロゲルとして、グラン
ドールPP−2000S(アクリルスチレン系マイクロ
ゲル粉末、粒子径0.3〜0.4μ、大日本インキ化学
工業株式会社製)1.4部、キシレン35.3部、二酸
化チタン25部、カーボンブラック0.2部をサンドミ
ルを用いて混練し、耐チッピング塗料を製造した。
【0040】耐チッピング塗料2、3、4、5の製造 表1に示す配合にて耐チッピング塗料組成物1と同様に
して耐チッピング塗料2、3、4、5を製造した
【0041】実施例 1 化成処理を施し、カチオン電着塗装を行った車体外鋼板
に、耐チッピング塗料1を乾燥膜厚30μになるようス
プレー塗装し、100℃×5分乾燥した。次いで、ポリ
エステル・メラミン樹脂系中塗塗料を乾燥膜厚30μに
なるようスプレー塗装し、140℃×20分焼付けた。
さらに、ポリエステル・メラミン樹脂系上塗塗料を乾燥
膜厚30μになるようスプレー塗装で塗重ね、140℃
×20分焼付けた。次にカチオン電着塗装を行った別の
車体外鋼板に、耐チッピング塗料1を、乾燥膜厚400
μとなるよう塗装し、140℃×20分焼付けた。
【0042】得られた試験板を、各種塗膜性能試験に供
したところ、表2に記載する如く結果は良好であり、車
体外鋼板用層間耐チッピング塗料としても、車体下回り
用耐チッピング塗料としても良好なる耐チッピング性を
有する塗装方法であることが確認された。
【0043】実施例 2〜6 実施例1と同様に試験板を作成し、塗膜性能試験を実施
した。結果は表2に記載する如く、夫々耐チッピング塗
料1、2、3、4、5のいずれもが車体外鋼板用に層間
耐チッピング塗料として用いても、また、車体下回り塗
装用として用いても良好であった。
【0044】比較例 1 比較例として、ポリエステルポリオール、ブロックイソ
シアネートおよびアミノ樹脂からなる組成物を用い、耐
チッピング塗料6を製造した。耐チッピング塗料6を実
施例1と同様に塗装して試験板を作成し、耐チッピング
性試験を実施したが、実用に耐えないものであった。
【0045】なお、耐チッピング塗料6の製造は、次の
とおり実施した。アジピン酸633部、トリメチロール
プロパン109部、ネオペンチルグリコール206部、
ジエチレングリコール210部、ジブチルチンオキサイ
ド0.5部を180℃〜240℃の反応温度で脱水反応
を行い、酸価が1.5に達した時点で反応を停止し、キ
シレン125部、セロソルブアセテート125部にて希
釈し、ポリエステルポリオールを得た。次にこのポリエ
ステルポリオール100部に、オレスターP49−75
S(トリメチロールプロパンとトルエンジイソシアネー
トが反応したプレポリマー、不揮発分75%、三井東圧
化学株式会社製)1000部にメチルエチルケトオキシ
ム260部を滴下して製造したブロックイソシアネート
(樹脂固形分60%、有効NCO%11.9%)83.
9部、ユーバン2020(ブチル化メラミン樹脂、不揮
発分80%、三井東圧化学株式会社製)24.5部、炭
酸カルシウム222部、カーボンブラック2部を配合し
た。
【0046】比較例 2〜4 表3の比較例2〜4は、本発明の範囲外の塗装方法によ
り、試験板を作成したものである。いずれも、耐チッピ
ング性能に問題があり、実用に耐えないものであった。
【0047】比較例 5〜8 表4の比較例5〜8は、本発明の範囲外の塗料組成物を
用い試験板を作成した例である。耐チッピング塗料の組
成は、表−1に7、8、9及び10で示した。いずれ
も、耐チッピング性能に問題があり、実用に耐えないも
のであった。
【0048】なお、各種試験は次に記載する試験条件に
基づき実施した。
【0049】(1)外観 上塗後の塗膜を目視にて観察し、タレ、わき、ピンホー
ル、光沢むらなどの欠陥の有無をチェックする。
【0050】(2)耐チッピング性 車体外鋼板におけるチッピングを再現させる試験条件と
して耐チッピング性の試験を下記の通り実施した。飛
石試験機(スガ試験機株式会社、JA−400型)を使
用し、同試験機の資料ホルダーに塗装試験板を水平から
角度20°になるよう斜めに取り付け、500gの玄武
岩7号砕石を同試験機の圧力で4Kg/cm2 の空気圧
で噴射し、衝突させる。その後、試験板は水洗・乾燥さ
せ、チッピングによって浮き上がった塗膜を粘着テープ
で除去してから、はがれ傷の程度を5段階評価(良好◎
〜最も劣る×)した。
【0051】(3)耐チッピング性 車体下回り部におけるチッピングを再現させる試験条件
として耐チッピング性の試験を下記の通り実施した。
飛石試験機(スガ試験機株式会社、JA−400型)を
使用し、同試験機の資料ホルダーに塗装試験板を角度9
0°になるよう斜めに取り付け、500gの玄武岩7号
砕石を同試験機の圧力で4Kg/cm2の空気圧で噴射
し、衝突させる。その後、試験板は水洗・乾燥させ、チ
ッピングによって浮き上がった塗膜を粘着テープで除去
してから、はがれ傷の程度を5段階評価(良好◎〜最も
劣る×)した。
【0052】(4)耐水性 試験板を40℃の温イオン交換水に240時間浸漬し、
取り出し後、直ちに水滴をぬぐい取り、外観の異常有無
を確認し、さらにカッターナイフで幅2mmのクロスハ
ッチを100個切り込み、粘着テープを用いて剥離試験
を実施する。剥離が無く、100個の碁盤目が全て残留
している場合を合格とする。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、従来困難であった、2
5μ〜150μの低膜厚での車体外鋼板用層間耐チッピ
ング塗料型塗装工程および膜厚300〜500μの車体
下回り用耐チッピング塗料の塗装が、1種の塗料を用い
て可能となり、良好なる耐チッピング性能を有する車体
の塗装が達成される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 住友 靖夫 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内 (72)発明者 中山 文孝 兵庫県尼崎市南塚口町6丁目10番73号 神 東塗料株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自動車車体に耐チッピング塗料を塗装す
    る塗装方法において、該耐チッピング塗料が、 (A) 水酸基を有するエポキシ樹脂の樹脂固形分10
    0重量部に対して、10〜70重量部の環状エステルお
    よび/又は環状エステルの開環重合物を反応させて得ら
    れる、水酸基を含有し、数平均分子量500〜5000
    のエポキシ樹脂、 (B) 水酸基を含有し、数平均分子量400〜100
    0のポリエステルポリオール樹脂、 (C) イソシアネート基がブロックされているポリイ
    ソシアネート化合物、および (D) 粒子径0.2〜1.5μのマイクロゲルとを、
    (C)成分のイソシアネート基が(A)成分および
    (B)成分の水酸基1当量に対し0.5〜2.0当量、
    また(D)成分が(A)、(B)、(C)成分の合計1
    00重量部に対し、1〜60重量部となる割合で配合し
    た塗料組成物であって、該組成物の硬化塗膜のガラス転
    移温度が−20℃〜0℃であって、伸び率が温度20℃
    において10〜100%、温度−20℃において1〜5
    0%であり、抗張力が温度20℃において400〜70
    0Kgf/cm2 である塗料組成物であり、該耐チッピ
    ング塗料を塗装後、該耐チッピング塗料の塗膜ゲル分率
    が70〜100%の範囲となる様乾燥させることを特徴
    とする塗装方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7323521B2 (en) 2004-03-19 2008-01-29 Pp6 Industries Ohio, Inc. Epoxy polymer additives for powder coatings

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