JP2015189479A - 液状物封入包装体 - Google Patents

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尚志 山村
Takashi Yamamura
尚志 山村
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Abstract

【課題】
液体物を軟包材に封入した液状物封入包装体において、より簡単に液状物を効率よく搾り出すことができるようにする。
【解決手段】
シート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折りされることにより液体物が封入された略偏平状の袋体において、当該包装体の外表面において、所定の方向に折目線を設ける。
【選択図】図1

Description

本発明は液状物が軟包材を素材とし、液状物を充填した液状物封入包装体に関するものである。
カップ麺や袋めんのような即席めん等の即席食品においては、液体が包装された液体パックスープ(液状物封入包装体)が添付されていることが多い。消費者は、喫食時にこれらの即席食品の液体パックスープより、内容物である液状物を容器等に押し出して使用する。これらの液体パックスープは利便性の高いものであり、食品業界で汎用されている。通常、消費者は液状物を押し出す際に液状物を手や指を使って包装体外部から圧力を加えることで押し出そうとするが、内容物の粘度が高い場合や量が多い場合に、多少手間取ることもあった。このような液状物封入包装体から液状物の搾り出しに関して効率的に搾り出すことを求めるニーズは大きい。また、効率的に搾り出すことができれば、包装体内部に残存する内容物量の低減に大きく貢献し、また加工食品の調理時間も短縮化に繋げることができる。このような液体スープパック(液状物封入包装体)の形態に関連する先行技術として例えば、特許文献1が挙げられる。
実開昭61−137568上述の先行技術では、当該開口部付近を特殊なシール状態としている。しかし、通常のシールよりも複雑なシール処理が必要となる。
そこで、本発明者らは液状物封入包装体において、より簡単に概ねの液状物を効率よく搾り出すことができる包装体を開発することを目的とした。
本発明者らの様々な試験と鋭意研究の結果、驚くべきことに、従来までの液状物封入包装体形態を用いながら、当該液状物封入包装体の表面において所定の方向に点線又は矢印線等の折目線を設け、消費者が当該液体スープを包装体より押し出す際に、当該折目線で折り曲げた状態で押し出す手段を採用することで短時間に効率的に内容物を押し出すことができることを見出した。
すなわち、本願第一の発明は、
「シート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折り返されることにより略偏平状の袋体を形成し、当該袋体に液状物を充填後にシールして製造する、液状物が封入された包装体であって、該包装体の外表面において、所定の方向に折目線を設けたことを特徴とする液状物封入包装体。」、である。
また、前記折目線は、前記封入包装体の開口部に向けて設けられていることが好ましい。
すなわち、本願第二の発明は、
「前記折目線が前記封入包装体の開口部に向けて設けられている請求項1に記載の液状物封入包装体。」、である。
次に、前記折目線は方形の前記袋体の外表面の対角線上に設けられていることが好ましい。
すなわち、本願第三の発明は、
「前記折目線が前記封入包装体の外表面の対角線上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状物封入包装体。」、である。
次に、本出願人は、前記液状物封入包装体を含む加工食品自体も意図している。
すなわち、本願第四の発明は、
「請求項1〜3のいずれかの液状物封入包装体を含む加工食品。」、である。
さらに、本発明者らは、
前記包装体において、液状物を封入する前の包装袋自体についても意図している。
すなわち、本願第五の発明は、
「シート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折り返すことにより略偏平状の袋体を形成し、当該袋体に液状物を充填後にシールして製造する、液状物を封入用の包装袋であって、該包装袋の外表面において、所定の方向に折目線を設けたことを特徴とする液状物封入用の包装袋。」
本発明の液状物封入包装体を用いることで、液状物の残存を少なくし、内容物を効率的に搾り出すことができる。
本発明の液状物封入包装体のシール方法の例を示した斜視図である。 本発明の液状物封入包装体の折目線の本数の設定例を示した斜視図である。 本発明の液状物封入包装体の折目線の方向の設定例を示した斜視図である。 本発明の液状物封入包装体の開封時の開口方法の例を示した斜視図である。 本発明の液状物封入包装体の開封時のシール部の開口方法の例を示した斜視図である。 本発明の液状物封入包装体の製造方法の例について示した模式図である。 本発明の液状物封入包装体から液状物を搾り出す手順について示した模式図である。 試験例で用いた液状物封入包装体の折り曲げ方向について示した斜視図である。
1 液状物封入包装体
2 横シール
3 縦シール
5 折目線
7 開封方向(開口部)
9 ノッチ部
11 マジックカット
51 原料タンク
53 ポンプ
55 弁
57 縦シール機
58 ノズル
59 横シール機
61 カッター
63 フィルム原反
65 送りローラ
以下に本発明の実施形態について説明する。本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<封入包装体>
本発明にいう液状物封入包装体1はシート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折り返すことに略偏平状の袋体を形成する。使用できる材質はポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン、アルミニウム等の種々の素材を用いることができるが、一般的には、液漏れ等を回避するために、ポリエステル、ポリエチレン、延伸ナイロンなどで構成に含む素材を使用することが好ましい。通常、バリアー性、ヒートシール性を考慮して複数の層からなる構成を採用する。例えば、具体的な構成としてONY/LDPE、KONY/LDPE、PET/Al/LDPE、PET/HDPE/Al/CPP、PET/Al/CPP、PET/VMPET/PE等の種々の構成が挙げられる。
本発明においては、アルミニウム層(Al)又はアルミ蒸着(VM)フィルムを材質構成に加えることが好ましい。アルミニウム層又はアルミ蒸着フィルムは効果的に光や酸素をブロックすることができる。本発明の液体包装体においてアルミニウムを利用した層を用いることで効率的にバリアー性を向上することができる。
しかしながら、アルミニウム包装は上記のように優れた保存性能を持つ一方、内容物が確認できないという難点を持つ。特に液体スープのようなある程度の粘性液体の場合、内容物の残存具合を視覚的に把握することは困難である。本発明においてはアルミ包材のもつ潜在的な難点を克服すると言う点において極めて有用なものである。
尚、本発明にいう封入包装体は、略扁平状であり、形状としては長方形、正方形等の方形が想定される。また、方形のサイズについて概ね、12cm×12cm以下のサイズの液状物封入包装体を想定している。
<シール形態>
本発明の液状物封入包装体1は、シート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折り返すことで略偏平状の袋体を形成する。種々の形態が可能であるが、最終的には端部がシールされ密閉されて包装体が完成する。シールの形態は特に限定されないが、例えば、図1(a)に示すような三方シール体がある。当該三方シール体は一枚の帯状のフィルムを円筒状に形成して縦方向をシールした後に、下部の横方向をシールして、袋体を形成し、内容物を充填して横方向をシールすることによって封入状態を完成させ、カットして製造するのが一般的な製造方法として知られている。
次に、図1(b)に示すような四方シール体がある。当該四方シール体は2枚のフィルムの3辺をシールして袋体を形成させて、内容物を充填してから最後の辺をシールして封入するのが一般的な製造方法として知られている。尚、本願明細書における四方シールにおいては、便宜上、紙面に対して横方向のシールを横シール、縦方向のシールを縦シールとして記載する。
<液状物>
本発明にいう液状物とは種々のタイプを用いることができる。例えば、醤油、ソースタイプの液状物はもちろんのこと味噌やエキス等の粘度の高いタイプでも可能である。また、これらに油分や増粘剤が加わっている場合や種々の混合物であってもよい。さらに、前記液状物に肉や魚、タンパク等の粒子が存在していてもよい。本発明においては、このような搾り出しにくい液状物に粒子が存在している場合にも好適に利用できる。また、特に粘度に関わらず適用することができる。
<折目線>
本発明においては、前記封入包装体の外表面に折目線5を設ける。本発明における折目線とは、液状物封入包装体1を折り曲げる動作を誘導するための線となる。
折目線5は種々の形態が可能である。すなわち、直線であってもよいし、実際の包装体の厚み形状等を考慮して曲線であってもよい。また、折目線5の線種は点線、一点鎖線、二点鎖線等の種々の線種を用いることができる。また、矢印を付加してもよいことはもちろんである。
当該折目線5には、点線のみとして折目線であることを明示しない方法や、包装体1を折り曲げるための線であることを積極的に明示してもよい。例えば、「本折目線で本パックを折り曲げて内容物を搾り出して下さい。」等の注釈を設けてもよい。また「折目線」、「FOLDING LINE」等の注釈を設けてもよいし、記号等で示してもよい。さらに、液体包装体1自体には記載せずに、調理方法等の説明の欄に当該包装体1を搾り出す再に折り曲げて搾り出す点を記載してもよいことはもちろんである。
次に、折目線5は一本であってもよいし、複数であっても構わない。尚、折目線5が複数の場合、当該折目線5のいずれか一箇所で折り曲げるのか(図2(a))、複数個所で折り曲げるのか(図2(b))、を前述のように消費者が分かるように包装体1に明示することが好ましい。
折目線5の向きは種々選択することができる。この点は、後述する開口部7との関係を考慮する必要があるが、当該開口部7に折目線5の一端が向けられた線となっているタイプが好適である。
例えば、開口部7を三方シールの縦シール部と横シール部の交差する角部に設ける場合には、まず、図3(a)に示すように包装体表面の対角線上にある場合が挙げられる。さらに、これに限定されず(b)に示すように縦シールに並行に設けることもできる。また、(c)に示すように横シールと並行に設けてもよい。
これらのいずれのタイプでも後述するように内容物の液状物を効率よく搾り出すことができる。
具体的な折目線5の設定の方法については、種々の方法が可能である。まず、外側の表面プラスチック層に直接折目線5を設けることができる。次に、表面のプラスチック層の内面に印刷等をしてもよい。さらに、例えば、一般的な、外側:プラスチック層(PET又はナイロン等)/アルミニウム層/プラスチック層(ポリエチレン等):内側、の構成のタイプであれば、表面のプラスチック層に折目線を印刷する方法の他、表面のプラスチック層に着色したフィルムを用いて、折目線の部分のみ着色をせず、透明とすることによって外部から視認した場合に、内部のアルミニウム層を透過させるようにして折目線とするような態様でも可能である。
このようにいずれの方法によるかを問わず、外部から折目線5を視認できるようにすればよい。また、折目線5はあらかじめ数回折る等して、折り目のくせを付与しておいてもよい。
また、印刷するタイプのみならず、外側のプラスチック層にレーザ加工、圧熱加工等の表面処理を施すことにより、パーフレーションやハーフカットを入れて消費者が視認できるとともに、触覚により折目線を認識できる態様でも可能である。このように構成することで、消費者が包装体1を折り曲げる際に視覚のみならず触覚により折目線5の存在を認識できるので、これが手掛りとなり、包装体1を折り曲げ易くなるという効果もあり。
包装体1の折り目の数についても種々の態様を採ることができる。例えば、一本のみの折目線5を設けて、折り曲げる態様でも可能であり、複数の折目線5を設けて、山折、谷折を交互に設けるように行ってもよい。この場合、各折目線に対して山折、谷折等の注釈を付すことも可能である。
<開口部>
本発明の液体封入袋においては、液体スープを開封してから、当該開口部7から液状物を搾り出す。開口部については、図4(a)に示すような一部開口するタイプ、図4(b)に示すような全開するタイプのいずれでも構わない。
尚、開口部7はシール部に設けられる場合が多い。例えば、図5に示す三方シールの場合、縦シールの部分にノッチ9を設けたり(a)、縦シールの部分をマジックカット11(b)としてもよい。その他端部をギザギザ状の端部として開口を行い易くする方法等がある。
<封入包装体の製造方法>
本発明の液状物封入包装体1は種々の方法で製造することができる。特に製造方法は限定されない。以下に一例として、三方シールのタイプについて説明する。三方シールにおいては、図6に示すように、送りローラ65等の送出手段によってフィルム原反63から連続移送される長尺状のフィルムを二つ折りして重ね合わせ、その重なりあった端部を縦シール機57によってシールして縦シール部を形成するとともに、重ね合わせたフィルムを横シール機59によって横シールして底部となる横シール部を形成し、前記フィルムの移送方向に対して前記横シールを行った後、上方より袋体の中にノズル58を挿入し、下側の境界部がシールされ上側の境界部が外に開放されている開口状態の袋体に液体を供給することによって袋体への液体の充填を行うことができる。内容物を所定量充填した後、一定間隔にて再び横シールして横シール部形成することを繰り返すことにより、液状物封入包装体を形成し、カッター61等を有する切断手段によってフィルムに形成された横シール部(連結部)の略中央箇所を切断することによって包装体を連続的に製造することができる。
本発明における折目線5は、予めフィルム原反に連帯の進行方向と並行又は斜め方向に設けておくことが好ましい。但し、各封入包装体1のカット後において折目線5を付加する態様でもよいことはもちろんである。
<本封入包装体の搾り出し方法>
本発明の封入包装体1は、種々の使用方法が可能である。すなわち、封入包装体1を開封して、最初は折り曲げずに内容物を押出して、概ねの内容物を取り出してから折目線5で折り曲げて搾り出す方法がある。また、開封後において、直接折り曲げて搾り出す方法も可能である。封入包装体1の折り曲げ〜搾り出し手順については、図7に例を示す。図7に示すように使用者が開封した後の包装体を折目線5に沿って折り曲げる((a)〜(c))。次に、当該折目線5に従って折り曲げた包装体1の開口部7とは、逆端部から指で押圧して液状物を開口部7に向かって押し出すようにして開口部7より搾り出す((d)〜(f))。本操作によって、内容物の液状物を効果的に搾り出すことができる。
<試験例1>
図8(a)に示すような液状物封入包装体(液体スープパック)を準備した。当該液体スープパックは、長尺方向において二つ折りして、端部をヒートシールしながら、下端部をシールして上部開口の袋体を形成して、液状物(みそ系スープ)を約23g注入した後、上部をヒートシールしたものである。尚、包装体1の材質は外側からONY/VMPET/ON/LLDPEの構成とした三方シールのタイプとした。
当該包装体1のサイズは、縦:91mm×横:80mmとした。また、ヒートシール部は上下7mm、右端(マジックカット部):10mmとした。
当該包装体1について表面に折目線5を表面に付加した場合(実施例)としなかった場合(比較例)の2種類について搾り出して、20代〜40代のパネラー5名が小皿に絞り出しを行い、当該小皿に絞り出された液状物の重量を測定して比較した。
実施例については、折目線5は以下の図8(a)に示すように三本を表面に印字することにより設定し、中心の折目線5−4に山折、左側の折目線5−5に山折り、右側の折目線5−6に谷折りの注釈を加えた。図8(a)における矢印方向に開封した後に、図8(b)→図8(d)に示すように折目線に示した通りに折り曲げた後に、図8(d)の矢印方向に搾り出すような構成とした。
比較例については、上記の折目線、注釈がない構成とした。
結果を表1に示す。

5人のパネラーによる試験の結果、いずれのパネラーにおいても搾り出し後の液状物の残存量は、折目線を付した液体スープパックの方が少なかった。折目線を付した場合に液状物の搾り出しが良好に行われていることを示す結果である。

Claims (5)

  1. シート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折りされることにより略偏平状の袋体を形成し、当該袋体に液状物を充填後にシールして製造する、液状物が封入された包装体であって、該包装体の外表面において、所定の方向に折目線を設けたことを特徴とする液状物封入包装体。
  2. 前記折目線が前記封入包装体の開口部に向けて設けられている請求項1に記載の液状物封入包装体。
  3. 前記折目線が前記封入包装体の外表面の対角線上に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の液状物封入包装体。
  4. 請求項1〜3のいずれかの液状物封入包装体を含む加工食品。
  5. シート状の軟包材を素材とし、その端部をシール又は、必要に応じて折り返すことにより略偏平状の袋体を形成し、当該袋体に液状物を充填後にシールして製造する、液状物を封入用の包装袋であって、該包装袋の外表面において、所定の方向に折目線を設けたことを特徴とする液状物封入用の包装袋。
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