JP2015189065A - 補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法 - Google Patents

補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2015189065A
JP2015189065A JP2014067549A JP2014067549A JP2015189065A JP 2015189065 A JP2015189065 A JP 2015189065A JP 2014067549 A JP2014067549 A JP 2014067549A JP 2014067549 A JP2014067549 A JP 2014067549A JP 2015189065 A JP2015189065 A JP 2015189065A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
reinforcing
concrete
reinforcing panel
anchor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014067549A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6174508B2 (ja
Inventor
光三 平田
Kozo Hirata
光三 平田
好扶 嶋田
Yoshisuke Shimada
好扶 嶋田
善明 玉田
Yoshiaki Tamada
善明 玉田
俊之 串田
Toshiyuki Kushida
俊之 串田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
BANPO IND Ltd
BANPO INDUSTRIES Ltd
Tamada Kogyo KK
Original Assignee
BANPO IND Ltd
BANPO INDUSTRIES Ltd
Tamada Kogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by BANPO IND Ltd, BANPO INDUSTRIES Ltd, Tamada Kogyo KK filed Critical BANPO IND Ltd
Priority to JP2014067549A priority Critical patent/JP6174508B2/ja
Publication of JP2015189065A publication Critical patent/JP2015189065A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6174508B2 publication Critical patent/JP6174508B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)

Abstract

【課題】 コンクリートの表面に強固に結合されて、物理的な外力に対し高い強度を発揮することのできるコンクリート用の補強パネルを廉価な製法で得る。
【解決手段】 本発明の補強パネル1は、熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層2と、FRP層2の片側全面に積層された耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層3と、を具備する。アンカー繊維層3は、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物31の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイル32を編み込んで形成される。FRP層2とアンカー繊維層3とは、メッシュ編物31の厚みの過半部分をFRP層2の母材中に浸漬させた状態で、板状に一体成形される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、土木工事や建設工事において、コンクリート構造物の強度や耐久性を向上させるなどの目的でコンクリートに結合される合成樹脂製の補強パネルと、該補強パネルの製造方法と、該補強パネルを利用して構築されるコンクリート構造物と、該コンクリート構造物の施工方法に関する。
臨海構造物、橋梁、上下水道施設、液体の貯留施設、廃棄物の処理施設など、各種の接水環境下で利用されるコンクリート構造物においては、コンクリートに接触する水その他の液体成分によってコンクリートや内部の鉄筋に腐食、脆化、崩壊等が生じやすくなる。そこで、これを防ぐため、コンクリート構造物の表面を板状の被覆材でライニングすることにより、水その他の液体成分の影響を低減させて、該構造物の耐久性を向上させようとする技術が普及している。
かかる被覆材には、強度や耐水・耐食性に優れたFRP(繊維強化プラスチック)板がよく利用される。その種の被覆材の具体的構成や、該被覆材をコンクリート構造物の表面に結合させる技術が、特許文献1〜5等に提案されている。図8に、これらの従来技術を一覧的に示す。
図8(a)および(b)は、特許文献1に開示された防食板を示す。これらの防食板9a、9bは、板状をなすFRP層92の片面(コンクリートCに接する面)に、コンクリートCへのアンカー効果を奏する立体編物層93を積層したものである。
この防食板におけるFRP層92は、例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、あるいはポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂等の熱可塑性樹脂からなる母材(マトリクス)に、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ポリエチレン繊維、金属繊維、セラミックス繊維等からなる強化繊維を加えて形成される。
また、この防食板における立体編物層93については、(a)に示すように、六角形等の網目状に編成された表裏2枚のメッシュシート931、931の間を連結糸932で厚み方向に連結したもの(これを便宜的に「複層メッシュ編物93a」という。)と、(b)に示すように、前記複層メッシュ編物93aの連結糸932を厚み方向の中間部分で切断して、片側1枚のメッシュシート931から連結糸932の切片が起立した状態にしたもの(同じく、「単層メッシュ編物93b」という。)との2種類が例示されている。これらの立体編物層93は、FRP層92を型枠で成形する際に、強化繊維を分散させた母材が溶融している状態で、その上に立体編物層93を載せ、メッシュシート931を母材に浸漬させた後、母材を加熱硬化させる、といった方法でFRP層92と一体化される。そして、前者の複層メッシュ編物93aにあっては、FRP層92から突出する連結糸932と、FRP層92に一体化されていない側のメッシュシート931とが、コンクリートCに対するアンカー部材として働き、また後者の単層メッシュ編物93bにあっては、FRP層92から突出する連結糸932の切片が、コンクリートCに対するアンカー部材となって、コンクリートCとの定着強度を向上させる作用をなす。
図8(c)は、特許文献2に開示された防食パネルを示す。この防食パネル9cは、板状のFRP層92を芯材として、その両面に耐食性樹脂フィルム94、94を積層し、さらに、その片面(コンクリートCに接する面)に、コンクリート構造物の表面に施工されるモルタルに対してアンカー効果を奏するアンカー素材93cを一体化したものである。
この防食パネル9cにおけるFRP層92は、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂(熱可塑性樹脂)からなる母材に、ガラス繊維や炭素繊維等の無機繊維を加えて形成される。
また、この防食パネル9cにおける耐食性樹脂フィルム94については、耐薬品性、特に耐酸性に優れたポリエチレン、ポリプロピレンその他の共重合フィルム・シート、あるいはフッ素系樹脂からなるフィルム・シートが利用され、その厚みが0.1〜1.5mm程度に形成される。この耐食性樹脂フィルム94は、FRP層92の熱プレス時に、FRP層92に重ねて一体成形される。
また、アンカー素材93cについては、特に耐アルカリ性を有する繊維素材(ビニロン、ナイロン系繊維、ポリオレフィン系繊維等)を、平織物、編物、メッシュ状物、三次元織物等に形成したものが例示されている。このアンカー素材93cは、例えばホットメルト樹脂の溶融ラミネート等によって耐食性樹脂フィルム94の表面に接着される。
図8(d)は、特許文献3に開示された防食パネルを示す。この防食パネル9dは、板状のFRP層92に、シート状の基材95を介して、ポリマーセメント層96を一体化したものである。
この防食パネル9dにおけるシート状の基材95は、ポリマーセメント層96を担持してFRP層92に接合させるための部材であって、例えばポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維などの耐アルカリ性繊維材料からなる不織布や織布、あるいは耐アルカリ性樹脂材料からなるシートやフィルムに前記耐アルカリ性繊維材料をニードルパンチして両面に突出させたものとして構成される。
ポリマーセメント層96は、コンクリート、セメント、モルタル等に対する接着性を高めるための部位であって、シート状の基材95の片面にポリアクリル酸エステル共重合体エマルジョンやエチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョンなどのポリマーセメント液を塗布して乾燥させることにより、0.5〜3mm程度の厚さになるように形成される。
基材95の他面に接合されるFRP層92は、例えば不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、尿素ホルマリン樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂等からなる母材に、ガラス繊維、炭素繊維、水酸化アルミニウム繊維等の無機繊維、あるいはビニロン繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等の有機繊維を加えて形成される。このFRP層92と基材95とは、接着剤を用いて接合するか、またはFRP層92を成形する際に、強化繊維を分散させた溶融状態の母材に基材95を浸漬させ、加熱硬化させる、といった方法により一体化される。
図8(e)は、特許文献4に開示された構造物被覆用板状積層体を示す。この構造物被覆用板状積層体9eは、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を母材とするFRP板、あるいはその他の耐熱性材料(耐熱ゴム、ポリマーコンクリート、無機酸化物等)からなる板体によって構成される耐熱材料層92eを、該耐熱材料層92eの片面に積層した有機繊維層93eを介して構造物の表面に結合するように構成したものである。
この板状積層体における有機繊維層93eは、熱溶融可能な合成繊維を含み、耐熱材料層92eに対向している面が耐熱材料層92e中に取り込まれて、耐熱材料層92eと一体化するように形成される。
そして、被覆されるべきコンクリートCその他の構造物の表面に有機繊維層93eを当てがい、該構造物の表面にあらかじめ配置した金属メッシュ97等を耐熱材料層92eの反対側から高周波誘導加熱することにより、有機繊維層93e中の合成繊維を構造物に溶融接着させる、という方法で、この板状積層体9eが構造物の表面に結合される。
図8(f)は、特許文献5に開示された防食板を示す。この防食板9fは、フィルム層935を間に挟んで2層の不織布層(第1不織布層936および第2不織布層937)を重ねた多層シート材93fを利用して、FRP層92をコンクリート構造物の表面に結合するように構成したものである。
この防食板9fにおいて、多層シート材93fのフィルム層935は、コンクリートCに起因するアルカリ水溶液の滲出に対してバリヤー効果を奏するポリオレフィン樹脂(ポリビニルアルコール、アクリロニトリルブタジエンスチレン、ポリエステル、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリウレタン、それらの共重合体等)により形成される。
多層シート材93fの第1不織布層936は、例えばビニロン等の耐アルカリ性を有する繊維素材をニードルパンチ加工して、直径0.15φmm以上のニードルパンチ孔が開いている短繊維不織布となしたものである。この第1不織布層936が、フィルム層935の片側(コンクリートCに接する面)に積層されて、コンクリートCに対するアンカー効果を発揮する。
多層シート材93fの第2不織布層937は、第1不織布層936を構成する繊維素材を含む一般的な熱可塑性樹脂繊維を、短繊維不織布、長繊維不織布、あるいはスパンボンド不織布となしたものである。
フィルム層935と、第1不織布層936および第2不織布層937とは、例えばフィルム層935を押出成形する際、その両面に各不織布層935、936を積層して加圧、冷却するか、あるいはフィルム層935の両面にホットメルト接着剤を塗布し、各不織布層935、936を積層して加圧、加熱する、といった方法で一体化される。
さらに、FRP層92を成形する際に、強化繊維を分散させた溶融状態の母材に多層シート材93fの第2不織布層937側を浸漬させ、加熱硬化させる、といった方法で、多層シート材93fとFRP層92とが一体化される。
実開平06−32028号公報 特開2003−166299号公報 特開2005−48367号公報 特開2007−270531号公報 特開2008−207516号公報
前記各特許文献に記載された従来の被覆材等は、それぞれ次のような点で、改善・改良の余地がある。
すなわち、特許文献1に開示された防食板(図8(a)、(b))にあっては、コンクリートCに対してのアンカー部材となる立体編物層93が、表裏2枚のメッシュシート931、931の間を連結糸932で厚み方向に連結した複層メッシュ編物93aを利用して形成される。この複層メッシュ編物93aは、ダブルラッセルと呼ばれる複雑な二重構造の編地であり、その製造には比較的大型の二重編機が必要で、製造コストも嵩む。
しかも、この編地は、単位面積当たりに編み込まれる繊維量が比較的多く、一般的には繊維の目が詰まった状態に編み上がる。この編地構造を採用して、繊維の間にコンクリートCが浸入しやすい隙間を形成するとなると、コンクリートCに接する側のメッシュシート931の網目を大きくするとともに、メッシュシート931の対向間隔や連結糸932のピッチを拡げるなどの配慮が必要になる。しかし、そのようにして繊維の密度を小さくすると、編地全体が特に厚み方向に潰れやすくなって、コンクリートCとの定着厚が小さくなり、アンカー効果が十分に得られなくなるおそれがある。これを防ぐには、メッシュシート931及び連結糸932を構成する繊維材料に剛性や反撥性の大きいものを用いたり、場合によっては編地全体に樹脂コーティングを施して編地の剛性を保持したりする必要が生じるので、さらにコストが嵩んでしまう。
また、複層メッシュ編物93aの連結糸932を厚み方向の中間部分で切断して、片側1枚のメッシュシート931に連結糸932の切片を起立させた単層メッシュ編物bとする場合は、連結糸932の切片が切り放し状態になっているのでコンクリートCに対する定着強度が低くなり、この場合もアンカー効果が十分に得られない、という問題がある。
特許文献2に開示された防食パネル9c(図8(c))にあっては、コンクリートC(モルタル)に対するアンカー素材93cとして、織物、編物、メッシュ状物および三次元織物が挙げられ、その具体例としてビニロン平織クロスが記載されている。しかし、平織クロスではコンクリートCとの十分な定着厚が得られにくく、その他の繊維製品についても好適な形態が具体的に説明されているわけではないので、コンクリートCに対するアンカー素材93cの定着強度が十分に検討されているとは言い難い。
また、FRP層92の表面に一体化した耐食性樹脂フィルム94にアンカー素材93cを接着する方法についても、平織クロスをホットメルト樹脂で溶融ラミネーションすることしか記載されていないが、このような接着方法で、防食パネル9cの全体的な強度(特に各層の剥離方向における引張強度)が十分に担保されるとも言い難い。
さらに、芯材となるFRP層92についても、補強用短繊維と粉体のマトリクス樹脂を湿式抄紙法で原料シートに抄造し、該原料シートを脱水、乾燥させた後、マトリクス樹脂の溶融温度で熱プレスする、という製造方法を採用しているが、この製造方法では粉体のマトリクス樹脂の溶融が不完全になって十分な水密成や気密性が得られない、という問題もある。これを補うために、熱プレス時に耐食性樹脂フィルム94を重ねて溶着しているが、耐食性樹脂フィルム94自体は薄すぎて強度や耐久性の向上に寄与しない。
特許文献3に開示された防食パネル9d(図8(d))は、コンクリート、セメント、モルタル等に対する接着性を高めるためにポリマーセメント層96を採用しているが、このポリマーセメント層96はシート状の基材95に塗布したポリマーセメント液を乾燥させて形成するため、その硬化までに時間がかかる。したがって、この防食パネル9dを製造するには、あらかじめシート状の基材95にポリマーセメント層96を塗布して乾燥硬化させた前段積層体を製造し、次いで、その前段積層体の他面にFRP層92を積層する、という段階的な工程が必要になる。このとき、前工程で製造される前段積層体は、後工程に利用するまでの間、長尺のロール状に巻き取って保管することになるので、そのための保管スペースが必要になる。
また、後工程においては、ロール状に巻き取った前段積層体をFRP層92への積層ラインに繰り出す際、ポリマーセメント層96に欠落が生じて粉塵が発生し、作業環境が悪化するという問題がある。さらに、防食パネル9dの完成後も、現場施工までの間にポリマーセメント層96が風化、崩落しやすいので、それによってコンクリートCとの定着強度が低下するおそれもある。
特許文献4に記載された構造物被覆用板状積層体9e(図8(e))は、その有機繊維層93eをコンクリート構造物等の表面に溶融接着することにより、該構造物等を水分から遮蔽しようとするものである。つまり、構造物等を水分等から化学的に保護するものではあるが、外的な荷重や衝撃に対する物理的な強度を高める効果はあまり期待できない。
コンクリート構造物等の表面に溶融接着される有機繊維層93eの形態については、編織物、不織布、ウェブ状シートのいずれであってもよいと説明されており、好ましい例としてフェルト状シートや、特許文献1に記載された立体編物層93に類似する経パイル織物構造が例示されてはいる。しかし、それらの詳細は不明であり、コンクリートCとの定着強度を高める上で、さらに詳細な工夫改良の余地がある。
特許文献5に記載された防食板9f(図8(f))にあっては、2層の不織布層935、936を重ねた多層シート材93fのうち、コンクリート構造物に結合される第1不織布層936が、耐アルカリ性を有する繊維素材のニードルパンチ加工によって形成される。しかし、ニードルパンチ加工では一般的に厚みのある不織布を作りにくく、また、表面にケバ立ちが生じやすいので、コンクリートCに対する定着強度が十分に得られにくい。
さらに、コンクリートC側に接着される第1不織布層936と、FRP側に接着される第2不織布層937との間にフィルム層935が挟み込まれて、フィルム層935近傍にはコンクリートCもFRP層92の母材樹脂も浸入しない空隙が残される。この文献では、空隙内の繊維がコンクリートCの変位に追従して変形することにより外的衝撃に対する優れた緩衝性が得られると説明されているが、これは反対に、コンクリート構造体に外的な荷重や衝撃が作用したとき、FRP層92がコンクリートCの変形を拘束できず、コンクリートCのせん断破壊等を招いてしまいかねないことを意味する。
本発明は、前記のような諸事情に鑑みてなされたものであって、特にコンクリートに対して強固に結合され、コンクリートの化学的な腐食や脆化を防止するだけでなく、物理的な外力に対しても高い強度(主として引張耐力及びせん断耐力)を発揮することのできる補強パネルを、廉価な製法で得ることを目的としている。併せて本発明は、かかる補強パネルの効率的な製造方法と、かかる補強パネルの特性を生かした強固なコンクリート構造物と、該構造物の合理的な施工方法とを提供することを目的としている。
本発明の補強パネルは、コンクリートの表面に結合される補強パネルであって、熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層と、前記FRP層の片側全面に積層された、耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層と、を具備し、前記アンカー繊維層は、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んで形成され、前記FRP層と前記アンカー繊維層とが、前記メッシュ編物の厚みの過半部分を前記FRP層の母材中に浸漬させた状態で、板状に一体成形されたことを特徴とする。
この補強パネルにおいては、コンクリートとFRP層とを結合させるためのアンカー繊維層が、メッシュ編物の片面にアンカットパイルを編み込んで形成されている。基材となるメッシュ編物は、特許文献1に記載されたようなダブルラッセルの編地ではなく、シングルラッセルの編地として編成される。網目開口の形状については、四角目、菱目、六角目など公知の形状が利用される。
アンカットパイルとは、カットされていない輪奈状のパイル(ループ)である。このアンカットパイルがメッシュ編物の片面に、高さ及び向きを不揃いにして編み込まれることにより、コンクリートが浸入しやすい大小様々の隙間が無数に形成される。パイルがカットされていないので、繊維自体の剛性や反撥弾性によって個々のパイルに好ましい張力が付与され、パイルが潰れにくくなる。このようなパイルの隙間にコンクリートが密実に浸入して硬化することにより、コンクリートとの定着厚が良好に保持されることとなり、例えば単純な凹凸面や起毛織物等によるアンカー効果に比べて遥かに強固な定着力が得られる。
このように、本発明は、コンクリートへの定着力を向上させるアンカー繊維層の具体的構成として、メッシュ編物にアンカットパイルを編み込んだものを採用した点に最大の特徴を有する。シングルラッセル編地の製造や、シングルラッセル編地にアンカットパイルを編み込む加工は、従来の一般な編機を利用して廉価に行うことができるので、製造コストも抑制することができる。
さらに、本発明の補強パネルにおいては、アンカー繊維層を構成するメッシュ編物の過半部分(厚み方向における半分強〜略全部)がFRP層の母材中に浸漬した状態で、FRP層とアンカー繊維層とが一体成形される。メッシュ編物には、溶融状態にあるFRP層の母材樹脂が含浸され易いので、メッシュ編物の厚みの半分強をFRP層内に取り込むことにより、母材樹脂の硬化によってFRP層とアンカー繊維層とが強固に一体化される。かかる構成を採用すれば、FRP層およびアンカー繊維層を必要以上に厚くせずとも、FRP層自体の材料的強度、FRP層とアンカー繊維層との結合強度、およびアンカー繊維層とコンクリートとの結合強度、をそれぞれ実用レベルで好適に確保することができる。
また、本発明にかかる前記補強パネルの製造方法は、あらかじめ、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んでなる耐アルカリ性繊維製のアンカー繊維層を用意しておき、所定形状の成形型または成形フィルム上に未硬化の熱硬化性樹脂液を供給して、該樹脂液を所定の厚さに調整し、前記熱硬化性樹脂液上に強化繊維を散布または載置して、該強化繊維に該樹脂液を含浸させることにより、強化繊維混合樹脂液層を形成し、次いで、前記強化繊維混合樹脂液層の上に、前記アンカー繊維層を前記メッシュ編物が下向きになるように重ねて、前記メッシュ編物に前記熱硬化性樹脂液を含浸させ、それらの積層体を加熱することにより熱硬化性樹脂を硬化させて、FRP層とアンカー繊維層との一体的な積層体を得ることを特徴とする。この製造方法により、所定形状の補強パネルを効率よく製造することができる。
また、本発明にかかる前記補強パネルの他の製造方法は、あらかじめ、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んでなる耐アルカリ性繊維製のアンカー繊維層の長尺体を用意しておき、連続的に繰り出される下キャリアフィルム上に未硬化の熱硬化性樹脂液を供給して、該樹脂液を所定の厚さに調整し、前記熱硬化性樹脂液上に強化繊維を散布または載置して、該強化繊維に該樹脂液を含浸させることにより、強化繊維混合樹脂液層を形成し、次いで、前記強化繊維混合樹脂液層の上に、前記アンカー繊維層を前記メッシュ編物が下向きになるように重ねて、前記メッシュ編物に前記熱硬化性樹脂液を含浸させ、それらの積層体に上キャリアフィルムを重ねて硬化炉内で加熱することにより熱硬化性樹脂を硬化させて、FRP層とアンカー繊維層との一体的な積層体を連続的に得ることを特徴とする。この製造方法により、長尺状の補強パネルを連続的に効率よく製造することができる。
また、本発明のコンクリート構造物は、適宜の厚さの壁体を有して、該壁体の表裏両面が前記補強パネルにより被覆されたコンクリート構造物であって、前記壁体が無筋コンクリートにより形成され、前記壁体の表裏両面全体に前記補強パネルが隙間なく張設され、前記壁体を形成するコンクリート成分またはモルタル成分が、前記補強パネルのアンカー繊維層に浸入して硬化することにより、前記壁体と前記補強パネルとが一体的に結合され、外力によって該壁体に生じる引張方向およびせん断方向の応力が、主として前記補強パネルにより負担されることを特徴とする。
すなわち、このコンクリート構造物は、壁体の表裏両面全体に強固に結合された補強パネルが、一般的なコンクリート構造物の内部に配設される鉄筋に替わって、引張方向およびせん断方向の応力を負担するように構成されている。壁体に生じる引張方向およびせん断方向の応力が、「主として」補強パネルにより負担されるとは、無筋コンクリート自体も一定の範囲までは引張方向およびせん断方向の外力に抵抗するが、その一般的な限界強度よりも補強パネル(FRP層)の限界強度のほうが十分に大きくなるように設計されている、という意味である。このような構造を採用すれば、補強のための鉄筋が不要になるので、例えば海水や強酸性の液体に触れるような環境下においても、水分や塩分による鉄筋の腐食を心配する必要がなくなり、優れた強度と長期間にわたる耐久性が得られる。設計強度は、FRP層の厚さを増すことによって容易に増大させることも可能である。また、型枠内に鉄筋がなければコンクリートの充填性も向上するので、通常よりも水セメント比が小さくて粗骨材の多い生コンクリートを用いて、より密実で高強度の構造物を構築することができる。
なお、前記コンクリート構造物においては、さらに適宜の厚さの床版が無筋コンクリートにより前記壁体と一体的に設けられ、前記床版の底面全体にも前記補強パネルが隙間なく張設されてもよい。この場合も、前記床版を形成するコンクリート成分またはモルタル成分が、前記補強パネルのアンカー繊維層に浸入して硬化することにより、前記床版と前記補強パネルとが一体的に結合され、外力によって該床版に生じる引張方向およびせん断方向の応力が、主として前記補強パネルにより負担されるように構成することができる。
また、本発明のコンクリート構造物の施工方法は、壁体の表裏両面を規定する位置に前記補強パネルを対置するとともに、各補強パネルの外側に適宜の支保工を設けて該壁体の厚さに相当する対向間隔を保持した後、前記補強パネルによって囲まれた領域内に生コンクリートを打設して充填し、前記生コンクリートの硬化後に前記支保工を撤去することを特徴とする。
このように、補強パネルを残存型枠(脱型しない永久型枠)に用いてコンクリートを打設する施工方法により、壁体の表裏両面表面に補強パネルが隙間なく張設されて、壁体を形成するコンクリートと補強パネルとが強固に結合されたコンクリート構造物を得ることができる。支保工には、従来公知の金属製、木製、合成樹脂製などの各種桟材、管材、サポート部材などを利用することができる。
さらに、本発明の発展的構成として、補強パネルの両面にアンカー繊維層を設けることもできる。すなわち、その補強パネルは、コンクリート構造物の表面ではなく内部に埋設される補強パネルであって、熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層と、前記FRP層の表裏両面にそれぞれ積層された、耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層と、を具備し、前記各アンカー繊維層は、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んで形成され、前記FRP層と前記各アンカー繊維層とが、前記メッシュ編物の厚みの過半部分を前記FRP層の母材中に浸漬させた状態で、板状に一体成形されたものとして特徴づけられる。
そして、両面にアンカー繊維層を設けたこの補強パネルを利用するコンクリート構造物は、少なくとも壁体の表裏両面が、片面にアンカー繊維層を具備する前述の補強パネルにより被覆されたコンクリート構造物において、無筋コンクリートにより形成される壁体または床版の内部に、両面にアンカー繊維層を設けた補強パネルが埋設されたものとして特徴づけられる。このようにして、鉄筋の替わりに樹脂製の補強パネルを利用することにより、前述のコンクリート構造物を必要に応じて部分的に補強することができる。
上述のように構成される本発明の補強パネルは、コンクリートとFRP層とを結合させるためのアンカー繊維層が、メッシュ編物の片面に高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んで形成されているので、コンクリートに対する強固な定着力が得られる。また、メッシュ編物の過半部分がFRP層の母材中に浸漬した状態でFRP層に一体化されているので、FRP層とアンカー繊維層も強固に結合される。
したがって、この補強パネルによって表面が被覆されたコンクリート構造物は、FRP層の耐水性や耐薬品性によって化学的な腐食や脆化から保護されるだけでなく、FRP層の物理的な強度によって、補強用の鉄筋がなくても外的荷重や衝撃に対し高い剛性や耐力を発揮する。
また、本発明の補強パネルの製造方法により、コンクリート構造物の保護及び補強に好適な補強パネルを廉価で効率的に製造することができる。
また、本発明のコンクリート構造物の施工方法により、強固で耐久性に優れたコンクリート構造物を合理的に施工することができる。
本発明の実施の形態にかかる補強パネルの構造を示す部分断面図である。 前記補強パネルに採用されるアンカー繊維層の構成を示す部分斜視図である。 前記補強パネルの製造に利用される連続成形装置の概略的構成を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるコンクリート構造物の構造を示す部分断面図である。 本発明のコンクリート構造物の強度を検証するための実施例試験体の構成を示す説明図である。 同じく、比較例試験体の構成を示す説明図である。 本発明の発展的構成として、両面にアンカー繊維層を設けた補強パネルの部分断面図である。 コンクリート構造物の表面に被覆材を結合させる従来技術を一覧的に説明する部分断面図であって、(a)および(b)は、特許文献1に開示された防食板の2種類の実施形態を示し、(c)は特許文献2に開示された防食パネルの実施形態を示し、(d)は特許文献3に開示された防食パネルの実施形態を示し、(e)は特許文献4に開示された構造物被覆用板状積層体の実施形態を示し、(f)は特許文献5に開示された防食板の実施形態を示す。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照しつつ説明する。
(補強パネル)
図1は、本発明の実施の形態にかかる補強パネルの断面構造を示し、図2は、該補強パネルに採用されるアンカー繊維層の構成を示す。本発明の補強パネル1は、熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層2と、FRP層2の片側全面に積層された、耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層3と、を具備する。そして、アンカー繊維層3が、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物31の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイル(輪奈状のループ)32を編み込んで形成され、FRP層2とアンカー繊維層3とが、メッシュ編物31の厚みの過半部分をFRP層2の母材中に浸漬させた状態で、板状に一体成形されたものとして構成される。これらの構成要素の詳細について以下に説明する。
FRP層2を構成する母材樹脂には、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂の中から、構造物の設置環境等に応じた材料を選択して利用することができる。この母材樹脂には、意匠性や平滑性を向上させるため、あるいは製造コストを抑制するために、炭酸カルシウムや水酸化アルミニウム等の骨材を混入したり、着色剤や低収縮材を加えたりしてもよい。
母材樹脂に加える強化繊維には、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維、ポリビニルアルコール繊維、バサルト繊維等の無機繊維または有機繊維の中から、少なくとも1種類を選択して利用することができる。これらの強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、好ましい補強効果が得られるならば、例えばマット状でもよいし、チョップなどの短繊維や、織物などの長繊維であってもよい。
FRP層2の成形厚さや、強化繊維の種類、含有率などは、補強すべき構造体が、特に物理的な外力に対して所望の強度を発揮しうるように適宜、設計される。その実用的な目安としては、FRP層2の厚さが2〜10mm、強化繊維の含有率が20〜50重量パーセントとなるように成形されるのが好ましい。さらに、取扱いのし易さやコストなどを考慮すると、FRP層2の厚さが厚さ2〜5mm、強化繊維の含有率が25〜40重量パーセントとなるように成形されるのが特に好ましい。
アンカー繊維層3は、図2に示すように、メッシュ編物31の片面にアンカットパイル32を編み込んで形成される。基材となるメッシュ編物31には、四角目、菱目、六角目などの網目開口を有するシングルラッセルの編地を利用することができる。メッシュ編物31およびアンカットパイル32を構成する繊維材料には、繊維自体が柔軟かつ強靭であり、耐水性や耐アルカリ性に優れるなどの点から、ビニロン、ナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどの有機繊維、あるいは炭素繊維やガラス繊維などの無機繊維を好適に利用することができる。メッシュ編物31を構成する繊維材料とアンカットパイル32を構成する繊維材料とは同じでもよいし、異なっていてもよい。実用的な目安として、繊維の太さは0.1〜0.4mm、アンカットパイル32の高さ(厚さ)は2〜20mm、アンカットパイル32の目付は100〜800g/m2 の範囲に設定されるのが好ましい。さらに、アンカットパイル32の高さ及び向きはランダムであるほうが、コンクリートに対する定着性がよい。
(補強パネルの製造方法)
次に、補強パネル1の製造方法について説明する。補強パネル1の製造方法には、大別して、所定形状の補強パネル1を所定枚数ずつ成形する定形製法と、長尺の連続体を成形して所定形状に切断する連続製法との二種類がある。いずれの製法による場合でも、基本的にアンカー繊維層3については、あらかじめ多角形状の網目開口を有するメッシュ編物31の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイル32を編み込んだアンカー繊維層3の長尺連続体を製造して用意しておく。
定形製法では、まず常温下で、ガラスやステンレス等からなる所定形状の成形型、あるいはペットフィルム等からなる所定形状の成形フィルムの上に、硬化剤その他の必要な添加剤を配合した未硬化の熱硬化性樹脂液を所定量、供給して、該樹脂液を所定の厚さに調整する。
そして、熱硬化性樹脂液の上に適宜の強化繊維を散布または載置し、含浸・脱泡ローラで軽く加圧するなどしながら、強化繊維に該樹脂液を含浸させるとともに、該樹脂液中の気泡を除去して、強化繊維混合樹脂液層を形成する。板厚が厚い場合は、この手順を所望の厚さになるまで複数回、繰り返す。
次いで、強化繊維混合樹脂液層の上に、アンカー繊維層3を、メッシュ編物31が下向きになるように重ねる。ここでも再度、含浸ローラで軽く加圧するなどしながら、メッシュ編物31に未硬化の熱硬化性樹脂液を含浸させる。このとき、メッシュ編物31に編み込まれたアンカットパイル32の根元の一部が熱硬化性樹脂液中に浸漬されても差し支えはないが、アンカットパイル32の高さの大部分が熱硬化性樹脂液中に沈積してしまうことは不適である。好ましくは、メッシュ編物31の厚みの過半部分(厚み方向における半分強〜略全部)が熱硬化性樹脂液に浸漬した状態にする。
こうして形成された熱硬化性樹脂液と強化繊維とアンカー繊維層3との積層体を、40〜170℃に加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。常温で硬化させることも可能であるが、硬化に時間がかかるので、加熱するほうか効率的である。これにより、FRP層2とアンカー繊維層3とが一体的に積層された所定形状の補強パネル1が得られる。
連続製法では、図3に示すような連続成形装置を使用する。まず常温下で、下キャリアフィルムロール51から連続的に繰り出される下キャリアフィルム52上に、樹脂配合タンク53から、硬化剤その他の必要な添加剤を配合した未硬化の熱硬化性樹脂液54を定量ずつ供給し、ナイフコータ55等を用いて該樹脂液54を所定の厚さに調整する。
そして、例えばラインの上方に設置したガラスロービング装置56において強化繊維となるガラス繊維ロービングを製造し、該ガラス繊維ロービングのチョップドストランド57を熱硬化性樹脂液54の上に散布する。さらに、含浸・脱泡ローラ58で軽く加圧するなどして、強化繊維を該樹脂液54中に沈積させるとともに、該樹脂液54中の気泡を除去して、強化繊維混合樹脂液層59を形成する。なお、熱硬化性樹脂液54に加える強化繊維の種類や形態については、前述したガラス繊維のチョップドストランド57に限らず、織布や、短繊維または長繊維の不織布、組布等も利用可能である。
次いで、ロール状に巻き回したアンカー繊維層3を連続的に繰り出し、メッシュ編物31が下向きになるようにして強化繊維混合樹脂液層59の上に重ねる。ここでも再度、含浸ローラで軽く加圧するなどしながら、メッシュ編物31に未硬化の熱硬化性樹脂液54を含浸させる。このときも前記定形製法と同様に、メッシュ編物31の厚みの過半部分(厚み方向における半分強〜略全部)が熱硬化性樹脂液54に浸漬した状態に調整する。
こうして形成された強化繊維混合樹脂液層59とアンカー繊維層3との積層体の上に、上キャリアフィルムロール61から繰り出した上キャリアフィルム62を重ねて硬化炉63に送り込み、40〜170℃に加熱して熱硬化性樹脂を硬化させる。これにより、FRP層2とアンカー繊維層3とが一体的に積層された補強パネル1の連続体が得られる。この連続体から下キャリアフィルム52及び上キャリアフィルム62を剥取するとともに、例えばウォータージェット裁断装置63等を利用して連続体を裁断し、所定寸法の補強パネル1を得る。
(コンクリート構造物)
次に、前述の補強パネル1によって被覆・補強されたコンクリート構造物と、その施工方法について説明する。図4は、本発明の実施の形態にかかるコンクリート構造物の断面構造を示す。本発明のコンクリート構造物は、適宜の厚さ(概ね100〜300mm程度)の壁体4を備え、該壁体4の表裏両面が前述の補強パネル1により被覆されたものとして構成される。壁体4は、補強用の鉄筋が組み込まれていない無筋コンクリートCによって形成される。この壁体4の表裏両面全体に、補強パネル1が隙間なく張設される。
壁体4を形成するコンクリート成分またはモルタル成分は、アンカー繊維層3のアンカットパイル32の隙間に浸入して硬化する。パイルがカットされていないので、繊維自体の剛性や反撥弾性によって個々のパイルに好ましい張力が付与され、パイルが潰れにくくなる。高さおよび向きを不揃いにして形成されたアンカットパイル32の根元までコンクリートCが密実に浸入して硬化することにより、コンクリートCとの定着厚が良好に保持されて、強固な定着力が得られる。
コンクリートCとアンカー繊維層3とがこのような状態に結合されると、外的な荷重や衝撃を受けた場合でも、壁体4(無筋コンクリートC)の変位とFRP層2の変位との間に遊び(乖離)が生じにくくなる。これにより、特に引張強度およびせん断強度に優れたFRP層2が、該方向の応力を効率よく負担し、構造体全体として高い強度が得られこととなる。
このコンクリート構造物は、例えば以下のようにして施工される。
まず、コンクリート構造物の壁体4の表裏両面を規定する位置に、該壁体4の厚さに相当する対向間隔を挟むようにして補強パネル1を建て込む。このとき、補強パネル1のアンカー繊維層3を壁体4の内側に向けておく。
壁体4の底面部分や端面部分も囲む必要があれば、あらかじめそれらの部分にも補強パネル、あるいはこれに類するFRP製や金属製などの堰板パネル(図示せず)を建て込んでおく。さらに、壁体4と一体的に連続する床版(図示せず)を設ける場合には、あらかじめ該床版の底面を規定する位置にも補強パネルを設置する。
各補強パネル1は、その外側または下側に支保工を設けて固定する。支保工については、鋼製、木製、合成樹脂製などのバタ材(縦バタ、横バタ)や振れ止め、それらを連結するクランプ類、垂直方向や斜め方向のパイプサポート、補強パネル1同士の対向間隔を固定するセパレータ、コーン、フォームタイ(登録商標:型枠締付金具)など、一般的なコンクリート工事に用いられる各種の支保工部材を、コンクリート構造物の形状や施工環境に応じて適宜、利用することができる。また、補強パネル1をそれらの支保工に仮固定するための手段についても、ビス、ボルト・ナット、リベット、両面テープなど、各種の固定手段を適宜、利用することができる。
固定のための孔部や、補強パネル1同士の継ぎ目など、止水を必要とする箇所については、補強パネル1のFRP層2と同様の材質からなる添え板(図示せず)を接着剤で張り重ねたり、該材質との結合性に優れるシーリング材を孔部や隙間に充填したりして封止する。なお、添え板を張り重ねる場合には、重なり幅を片側10cm以上確保することが好ましい。また、接着面にはあらかじめ下地荒らし処理を施して、接着力を向上させることが好ましい。
こうして補強パネル1により囲まれた領域内に、生コンクリートを打設する。さらに、バイブレータや突き棒などを用いて生コンクリートを隅々まで密実に充填する。
少なくとも1日以上、好ましくは数日程度の養生期間を経て生コンクリートが硬化したならば、支保工を撤去する。こうして、補強パネル1を残存型枠とするコンクリート構造体が構築される。
本発明の補強パネルが表面に結合されたコンクリート構造体の強度を検証するために、下記実施例にかかる試験体を製造した。
図3のように構成された連続成形装置において、ライン速度2.5m/分で走行するビニロンフィルム(株式会社クラレ製)の上に、未硬化の不飽和ポリエステル樹脂液(ディエイチマテリアル株式会社製)を平均4100g/m2 塗布した。
その上に、ガラス繊維ロービング(セントラル硝子株式会社製)のチョップドストランドを平均1740g/m2 散布し、含浸ロールで押さえて、ガラス繊維に樹脂液を含浸させた。
続いて、ナイロン製のアンカー繊維層(株式会社ユニチカテクノス製、商品名「キュービックアイ」、目付310g/m2 、厚さ4mm、片面メッシュ/片面ループ)を、メッシュ側が下になるようにして積層し、含浸ロールで押さえて、メッシュ部分を樹脂液中に浸漬させた。
前記積層体の上面をPETフィルム(ユニチカ株式会社製)で覆い、50℃から100℃へと段階的に昇温させて樹脂液を硬化させることにより、厚さが4.0mm、強化繊維の含有率が30重量パーセントのFRP層を有する補強パネルを製造した。
前記補強パネルを下記4種類のサイズの長方形状にカットした。
A:幅100mm×長さ480mm
B:幅150mm×長さ650mm
C:幅200mm×長さ780mm
D:幅250mm×長さ950mm
さらに、これらA〜Dとサイズを合わせて、両面が平滑な離型用FRPパネルも用意した。
そして、図5に示すように、同サイズの補強用パネル1および離型用FRPパネル7を、それぞれ2枚ずつ一組にして、同種のパネル同士が互いに対向するように角筒状に枠組みした。このとき、補強パネル1のアンカー繊維層3を内側に向けるとともに、枠体の片側の開口端はFRP板(図示せず)で封止した。
セメントの種類記号N(普通ポルトランドセメント)、呼び強度24、スランプ18cm、粗骨材の最大寸法が25mmの生コンクリートを配合し、前記枠体の中に充填して硬化させた。1週間の養生後、離型用FRPパネル7を脱型して、対向2面が補強パネル1によってサンドイッチ状に被覆された角柱状の実施例試験体Tを、下記4種類のサイズで得た。
実施例試験体A:厚さ100mm×幅100mm×長さ480mm
実施例試験体B:厚さ150mm×幅150mm×長さ650mm
実施例試験体C:厚さ200mm×幅200mm×長さ780mm
実施例試験体D:厚さ250mm×幅250mm×長さ950mm
また、比較対象として、同サイズの離型用FRPパネル7を4枚一組にして角筒状に枠組みし、片側の開口端はFRP板で封止して、その枠体の中に実施例試験体Tと同配合の生コンクリートを充填して硬化させた。1週間の養生後、離型用FRPパネル7を4枚とも脱型して、表面が被覆されていない角柱状の比較例試験体Sを、下記4種類のサイズで得た。
比較例試験体A:厚さ100mm×幅100mm×長さ480mm
比較例試験体B:厚さ150mm×幅150mm×長さ650mm
比較例試験体C:厚さ200mm×幅200mm×長さ780mm
比較例試験体D:厚さ250mm×幅250mm×長さ950mm
前記実施例試験体(A〜D)および比較例試験体(A〜D)を、JIS_A1106(2006)「コンクリートの曲げ強度試験方法」に則って試験した。実施例試験体(A〜D)については、荷重を加える方向(鉛直方向)に対して補強パネル1が直交するように、コンクリートCと補強パネル1との結合面を上下に配置して試験を実施した。その試験結果を表1に示す。
Figure 2015189065
表1より、実施例試験体は比較例試験体の約2倍〜3倍の曲げ荷重に耐えることが確認できる。この試験結果より、本発明にかかるコンクリート構造体は、鉄筋がなくても外的荷重に対し格段に優れた強度を発揮することが裏付けられた。
(本発明の発展的構成)
さらに、本発明の発展的構成として、補強パネルの両面にアンカー繊維層3を設けることもできる。図7に示すように、その補強パネル10は、熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層2と、FRP層2の表裏両面にそれぞれ積層された、耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層3、3と、を具備する。FRP層2および各アンカー繊維層3、3のそれぞれの詳細な構成については、片面にアンカー繊維層3を具備する前述の補強パネル1と同様である。FRP層2と表裏2層のアンカー繊維層3、3とは同時に、または一連の工程によって一体成形されてもよいし、片面にアンカー繊維層3を設けた前述の補強パネル1を2枚用意し、互いのFRP層2を接着するなどして一体化してもよい。
両面にアンカー繊維層3、3を設けたこの補強パネル10は、片面にアンカー繊維層3を設けた前述の補強パネル1によって壁体4の表裏両面が被覆されたコンクリート構造物において、無筋コンクリートにより形成される壁体4または床版の内部に埋設される。より詳細には、両面にアンカー繊維層3、3を設けた補強パネル10は、例えば適宜の幅と長さを有する帯板状に形成されて、特に引張力やせん断力、曲げモーメントが集中する箇所に、部分的な補強部材として埋設され、応力を負担する。このようにして、鉄筋の替わりに樹脂製の補強パネル10をコンクリートの内部にも埋設することにより、無筋コンクリートからなる構造物を、必要に応じてさらに補強することができる。
1 補強パネル
10 補強パネル
2 FRP層
3 アンカー繊維層
31 メッシュ編物
32 アンカットパイル
4 壁体
52 下キャリアフィルム
54 熱硬化性樹脂液
57 ガラス繊維ロービングのチョップドストランド(強化繊維)
59 強化繊維混合樹脂液層
62 上キャリアフィルム
63 硬化炉
C コンクリート

Claims (8)

  1. コンクリート構造物の表面に結合される補強パネルであって、
    熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層と、
    前記FRP層の片側全面に積層された、耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層と、を具備し、
    前記アンカー繊維層は、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んで形成され、
    前記FRP層と前記アンカー繊維層とが、前記メッシュ編物の厚みの過半部分を前記FRP層の母材中に浸漬させた状態で、板状に一体成形されたことを特徴とする補強パネル。
  2. 請求項1に記載の補強パネルの製造方法であって、
    あらかじめ、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んでなる耐アルカリ性繊維製のアンカー繊維層を用意しておき、
    所定形状の成形型または成形フィルム上に未硬化の熱硬化性樹脂液を供給して、該樹脂液を所定の厚さに調整し、
    前記熱硬化性樹脂液上に強化繊維を散布または載置して、該強化繊維に該樹脂液を含浸させることにより、強化繊維混合樹脂液層を形成し、
    次いで、前記強化繊維混合樹脂液層の上に、前記アンカー繊維層を、前記メッシュ編物が下向きになるように重ねて、前記メッシュ編物に前記熱硬化性樹脂液を含浸させ、
    それらの積層体を加熱することにより熱硬化性樹脂を硬化させて、FRP層とアンカー繊維層との一体的な積層体を得ることを特徴とする補強パネルの製造方法。
  3. 請求項1に記載の補強パネルの製造方法であって、
    あらかじめ、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んでなる耐アルカリ性繊維製のアンカー繊維層の長尺体を用意しておき、
    連続的に繰り出される下キャリアフィルム上に未硬化の熱硬化性樹脂液を供給して、該樹脂液を所定の厚さに調整し、
    前記熱硬化性樹脂液上に強化繊維を散布または載置して、該強化繊維に該樹脂液を含浸させることにより、強化繊維混合樹脂液層を形成し、
    次いで、前記強化繊維混合樹脂液層の上に、前記アンカー繊維層を前記メッシュ編物が下向きになるように重ねて、前記メッシュ編物に前記熱硬化性樹脂液を含浸させ、
    それらの積層体に上キャリアフィルムを重ねて硬化炉内で加熱することにより熱硬化性樹脂を硬化させて、FRP層とアンカー繊維層との一体的な積層体を連続的に得ることを特徴とする補強パネルの製造方法。
  4. 適宜の厚さの壁体を有するコンクリート構造物において、前記壁体の表裏両面が請求項1に記載の補強パネルにより被覆されたコンクリート構造物であって、
    前記壁体が無筋コンクリートにより形成され、
    前記壁体の表裏両面全体に前記補強パネルが隙間なく張設され、
    前記壁体を形成するコンクリート成分またはモルタル成分が、前記補強パネルのアンカー繊維層に浸入して硬化することにより、前記壁体と前記補強パネルとが一体的に結合され、
    外力によって該壁体に生じる引張方向およびせん断方向の応力が、主として前記補強パネルにより負担されることを特徴とするコンクリート構造物。
  5. 請求項4に記載のコンクリート構造物において、
    適宜の厚さの床版が無筋コンクリートにより前記壁体と一体的に設けられ、
    前記補強パネルは少なくとも前記床版の底面全体に隙間なく張設され、
    前記床版を形成するコンクリート成分またはモルタル成分が、前記補強パネルのアンカー繊維層に浸入して硬化することにより、前記床版と前記補強パネルとが一体的に結合され、
    外力によって該床版に生じる引張方向およびせん断方向の応力が、主として前記補強パネルにより負担されることを特徴とするコンクリート構造物。
  6. 請求項4に記載のコンクリート構造物の施工方法であって、
    壁体の表裏両面を規定する位置に前記補強パネルを対置し、
    各補強パネルの外側に適宜の支保工を設けて該壁体の厚さに相当する対向間隔を保持した後、
    前記補強パネルによって囲まれた領域内に生コンクリートを打設して充填し、
    前記生コンクリートの硬化後に前記支保工を撤去することを特徴とするコンクリート構造物の施工方法。
  7. コンクリート構造物の内部に埋設される補強パネルであって、
    熱硬化性樹脂からなる母材に強化繊維を加えて成形されたFRP層と、
    前記FRP層の表裏両面にそれぞれ積層された、耐アルカリ性繊維からなるアンカー繊維層と、を具備し、
    前記各アンカー繊維層は、多角形状の網目開口を有するメッシュ編物の片面に、高さ及び向きの不揃いなアンカットパイルを編み込んで形成され、
    前記FRP層と前記各アンカー繊維層とが、前記メッシュ編物の厚みの過半部分を前記FRP層の母材中に浸漬させた状態で、板状に一体成形されたことを特徴とする補強パネル。
  8. 請求項4または5に記載のコンクリート構造物において、
    無筋コンクリートにより形成される壁体または床版の内部に、請求項7に記載の補強パネルが埋設されたことを特徴とするコンクリート構造物。
JP2014067549A 2014-03-28 2014-03-28 補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法 Active JP6174508B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067549A JP6174508B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014067549A JP6174508B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015189065A true JP2015189065A (ja) 2015-11-02
JP6174508B2 JP6174508B2 (ja) 2017-08-02

Family

ID=54424009

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014067549A Active JP6174508B2 (ja) 2014-03-28 2014-03-28 補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6174508B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019207997A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 ヤマハ発動機株式会社 農業用マルチコプタ
KR20210083060A (ko) * 2019-12-26 2021-07-06 재이물산(주) 친환경 복합소재 라이닝 시공방법
EP4000835A4 (en) * 2019-07-17 2023-08-02 Keiwa Inc. STRUCTURE PROTECTION SHEET, METHOD OF EXECUTION AND PREFABRICATED PART USING STRUCTURE PROTECTION SHEET AND METHOD OF MANUFACTURING PREFABRICATED PART
EP4116087A4 (en) * 2020-03-03 2024-03-20 Keiwa Inc. STRUCTURE PROTECTION SHEET, CONCRETE BLOCK AND METHOD FOR MANUFACTURING REINFORCED STRUCTURE

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102000534B1 (ko) 2017-11-03 2019-07-17 한국건설기술연구원 거푸집 겸용 고내구성 텍스타일 보강 패널을 이용한 철근콘크리트 구조물 시공방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0632028U (ja) * 1992-10-09 1994-04-26 日本ポリエステル株式会社 コンクリート用防食板
JP2000080541A (ja) * 1998-06-24 2000-03-21 Kuraray Co Ltd ループパイルを有するラッシェル編地
JP2000265345A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Asahi Doken Kk パイル網地とその複合材および製造方法
JP2005048367A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Nitto Boseki Co Ltd Frpコンクリート防食パネル及びその製造方法
JP2009119841A (ja) * 2007-10-24 2009-06-04 Nippon Polyester Co Ltd 立体メッシュ編物複合被覆板

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0632028U (ja) * 1992-10-09 1994-04-26 日本ポリエステル株式会社 コンクリート用防食板
JP2000080541A (ja) * 1998-06-24 2000-03-21 Kuraray Co Ltd ループパイルを有するラッシェル編地
JP2000265345A (ja) * 1999-03-16 2000-09-26 Asahi Doken Kk パイル網地とその複合材および製造方法
JP2005048367A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Nitto Boseki Co Ltd Frpコンクリート防食パネル及びその製造方法
JP2009119841A (ja) * 2007-10-24 2009-06-04 Nippon Polyester Co Ltd 立体メッシュ編物複合被覆板

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019207997A1 (ja) * 2018-04-23 2019-10-31 ヤマハ発動機株式会社 農業用マルチコプタ
JPWO2019207997A1 (ja) * 2018-04-23 2020-05-28 ヤマハ発動機株式会社 農業用マルチコプタ
EP4000835A4 (en) * 2019-07-17 2023-08-02 Keiwa Inc. STRUCTURE PROTECTION SHEET, METHOD OF EXECUTION AND PREFABRICATED PART USING STRUCTURE PROTECTION SHEET AND METHOD OF MANUFACTURING PREFABRICATED PART
KR20210083060A (ko) * 2019-12-26 2021-07-06 재이물산(주) 친환경 복합소재 라이닝 시공방법
KR102383722B1 (ko) * 2019-12-26 2022-04-06 재이물산(주) 사육시설의 친환경 복합소재 라이닝 시공방법
EP4116087A4 (en) * 2020-03-03 2024-03-20 Keiwa Inc. STRUCTURE PROTECTION SHEET, CONCRETE BLOCK AND METHOD FOR MANUFACTURING REINFORCED STRUCTURE

Also Published As

Publication number Publication date
JP6174508B2 (ja) 2017-08-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6174508B2 (ja) 補強パネル、補強パネルの製造方法、コンクリート構造物及びコンクリート構造物の施工方法
JP5214864B2 (ja) 構造物の補強方法
US20170191257A1 (en) Insulated reinforced foam sheathing, reinforced elastomeric vapor permeable air barrier foam panel and method of making and using same
US9663879B2 (en) Method of strengthening existing structures using strengthening fabric having slitting zones
US20020182953A1 (en) Smooth reinforced cementitious boards
JP4888157B2 (ja) 多層シート材、コンクリート用防食板及びその製造方法
WO2011022849A1 (de) Bewehrungsmatte für eine armierte mörtel- oder spritzmörtelschicht auf einer unterlage sowie verfahren zu deren einbau und damit erstellte armierte mörtelbeschichtung
JP5645440B2 (ja) 構造物の補強方法
JP6427809B2 (ja) 防水施工用シート状物
JP4642591B2 (ja) 鉄筋コンクリート床版用繊維強化樹脂製永久型枠、およびその製造方法並びに永久型枠を用いた鉄筋コンクリート合成床版
JP3776384B2 (ja) コンクリート構造物の補修・補強方法
JP5324788B2 (ja) 繊維強化プラスチック、その製造方法、およびその製造キット
JP3972874B2 (ja) Frpコンクリート防食パネル及びその製造方法
JP4479328B2 (ja) 補修・補強用frpシート及びその製造方法
JP5301200B2 (ja) 立体メッシュ編物複合被覆板
JP2006022609A (ja) 防水施工用シート状物および防水施工法
JP2006198907A (ja) 繊維強化シート
JP2594065Y2 (ja) コンクリート用防食板
KR102396010B1 (ko) 무기섬유 집속체를 포함하고 섬유강화 복합소재를 스킨재로 이용한 건축용 단열 기능성 샌드위치 패널 및 그 제조 방법
JP2000085044A (ja) 多層強化繊維シートおよび構造物の補修・補強方法
CN216100852U (zh) 一种树脂预应力夹层
JP3860783B2 (ja) 既設構造物被覆用部材及び既設構造物被覆方法
CN204456533U (zh) 绗缝式增强型复合保温模板
JP2007031891A (ja) 一方向性補強多層シート
JPH06294167A (ja) 型枠兼用断熱ボード

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160909

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170615

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170627

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6174508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250