JP2000080541A - ループパイルを有するラッシェル編地 - Google Patents

ループパイルを有するラッシェル編地

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JP2000080541A
JP2000080541A JP10338479A JP33847998A JP2000080541A JP 2000080541 A JP2000080541 A JP 2000080541A JP 10338479 A JP10338479 A JP 10338479A JP 33847998 A JP33847998 A JP 33847998A JP 2000080541 A JP2000080541 A JP 2000080541A
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loop
raschel knitted
ground
yarn
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Hiroharu Oishibashi
弘治 大石橋
Kenji Matsumoto
建次 松本
Takao Nakaya
隆雄 中矢
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Kuraray Co Ltd
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OBS KK
Kuraray Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モルタル、コンクリート、石膏製品等の水硬
性材料、土砂、合成樹脂、ゴムなどの補強材として有用
な素材の提供、特にモルタルなどの水硬性材料を用いて
構造物の外壁仕上げ、保護、構造物の製造などを行う際
に、水硬性材料の補強、剥離・剥落防止効果が高く、し
かも適度な剛性を有し取り扱い性、作業性に優れる補強
材およびそのための素材の提供。 【解決手段】 目の粗いメッシュ構造に編成した地組織
を有し且つ地組織の少なくとも一方の面に多数の立体的
なループパイルを有するラッシェル編地およびそれから
なる補強材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ループパイルを有
するラッシェル編地および該ラッシェル編地よりなる補
強材に関する。ループパイルを有するラッシェル編地か
らなる本発明の補強材は、モルタル、コンクリート、石
膏製品などの水硬性材料を用いて構造物の外壁仕上げ、
保護、構造物の製造などを行う際の水硬性材料の補強、
剥離や剥落の防止、法面などの傾斜地や工事現場などに
おける土砂の崩れ防止、合成樹脂やゴムの補強などに有
効に用いることができ、水硬性材料の補強、剥離や剥落
防止に特に有効である。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物の仕上げ工法とし
て、タイル貼りやモルタル塗りなどの湿式工法が従来か
ら広く採用されており、耐震性および耐久性などの観点
からコンクリート構造物からのタイルやモルタルの剥
離、剥落の防止、ひび割れ防止などの安全性、強度に対
する要求が近年ますます強くなっている。コンクリート
構造物からのタイルやモルタルの剥離、脱落の防止策と
しては、(1)編地の長さ方向に複数列に並んだループ
パイルを有するトリコット編地をループパイル側が外方
(タイル貼り面またはモルタル塗り面)に向くようにし
てコンクリート構造物に取り付けてその上にタイル貼り
またはモルタル塗りを行う方法、(2)両面ラッシェル
編地をその中間部分で切断して表面にカットパイルを有
する編地をつくり、それをカットパイル側が外方に向く
ようにしてコンクリート構造物に取り付けてその上にタ
イル貼りまたはモルタル塗りを行う方法などが提案され
ている。
【0003】しかしながら、上記(1)の方法は、そこ
で用いているトリコット編地が経方向と緯方向とで強度
や伸度などの機械的特性の差が大きいために、モルタル
に対する補強効果や、タイルやモルタルの剥離、剥落防
止効果が、縦方向と横方向とで大きな差を生じ易く、均
一性に欠けており、しかもその強度も十分ではない。さ
らに、そのトリコット編地ではヤング率の低い柔軟な緯
糸が使用されているため、トリコット編地は剛性が低く
て平面形状の保持性に劣っており、コンクリート構造物
への取り付け時にきちんとした平面形状を保つことがで
きず、施工時の取り扱い性および作業性に劣っている。
【0004】しかも、ループパイルを有するトリコット
編地からなる補強材は、剛性が低くて形状保持性が不良
であるため、構造物へのモルタル塗工などに用いた場合
に取り扱い性および作業性に劣る。その上、該ループパ
イルを有するトリコット編地では、その地組織が緻密で
ないために、ループパイルが地組織により強固に固定さ
れておらず、ループパイルのずれや抜けなどが生じ易
く、ループパイルがモルタルなどの水硬性材料に対して
十分なアンカー効果や補強効果を発揮しにくい。
【0005】そして、上記(2)の方法による場合は、
そこで用いている編地がラッシェル編地であることによ
りトリコット編地に比べて剛性、形状保持性はあるが、
編地表面に存在するパイルが直線状のカットパイルであ
るために、それをコンクリート躯体に取り付けてそこに
タイル貼りやモルタル塗りなどを行った際に、モルタル
とパイルとの間の食い込みが不足してモルタルの保持が
充分に行われにくく、しかもカットパイルがモルタルか
ら抜け易く、コンクリート構造物からのタイルやモルタ
ルの剥離、剥落を十分に防止することが困難である。
【0006】また、炭素繊維やアラミド繊維などの長繊
維を一方向に引き揃えてシート状にしたものに硬化性樹
脂を含浸したいわゆるプリプレグ材は高い強度を有して
いることから、建造物の耐震補強材などとして近年広く
用いらるようになっている。このプリプレグ材を用いる
施工においては、建造物などの表面にプリプレグ材を接
着剤などを用いて取り付けた後、プリプレグ材を保護す
る目的でその上面にモルタルを塗布することが広く行わ
れている。プリプレグ材へのモルタルの塗布に当たって
は、(i)上記(1)の工法で用いているのと同様のルー
プパイルを有するトリコット編地を、そのループパイル
側がモルタル塗り面(外方)に向くようにしてプリプレ
グ材上に取り付けてモルタル塗りを行う方法、(ii)ポ
リオレフィン等からなる細いテープヤーンを用いて形成
した格子状シート(メッシュシート)に薄い不織布を積
層して形成した補強材をプリプレグ材上に取り付けてそ
の上にモルタル塗りを行う方法などが採用されている。
【0007】しかしながら、上記(i)の工法はループ
パイルを有するトリコット編地を使用しているために、
上記(1)の工法について説明したのと同様の種々の問
題がある。また、上記(ii)の工法による場合は、補強
材とモルタルとの接着強度が低いために、プリプレグ材
からのモルタルの剥離や剥落の問題を充分に解決するこ
とができない。
【0008】さらに、木造構造物の外壁工法としてモル
タル塗りが広く行われており、モルタル塗りに当たって
は、木造構造物の木下地上にアスファルトフェルトなど
を貼った後に金網を補強材として取り付け、その上にモ
ルタルを塗る工法が一般に採用されている。しかしなが
ら、金網を用いるかかる従来の工法では、金網とモルタ
ルとの厚さ方向の接着距離は金網を構成する鋼線の太さ
と同程度であり、しかも金網とモルタルとの間の接着強
度が低く、さらに金網によるモルタルの補強効果も低
く、モルタルの剥離や剥落を生じ易い。また、木造構造
物の外壁にモルタルを塗工するに当たっては、外壁に金
網を取り付けた後に第1回目のモルタル塗りを行い、そ
のモルタルを乾燥収縮させた後に、その上に更に第2回
目のモルタル塗りを行う二段工法が一般的に採用されて
いる。しかし、その場合には、第1回目のモルタル塗り
によって形成した乾燥モルタル層と第2回目に塗ったモ
ルタル層との間の接着は、モルタルを構成するセメント
の接着力のみに依存しているために、第1回目のモルタ
ル層と第2回目のモルタル層との間で層間剥離が生じ易
く、モルタルの壁面からの剥離、剥落の原因の一つとな
っている。
【0009】さらに、法面などの傾斜地や土木工事現場
などでは、土砂の崩れ防止が重要な課題になっており、
種々の安全策が試みられており、従来よりも補強効果に
一層優れる補強材の開発が求められている。また、合成
樹脂やゴムからなる各種成形品においても、従来から種
々の補強材が用いられているが、やはり補強効果に一層
優れる補強材が求められている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、モル
タル、セメント、コンクリートなどの水硬性材料との接
着性に優れ、しかも水硬性材料が含浸し易く、水硬性材
料を用いてコンクリート製構造物、木造構造物の外壁や
表面などの塗工仕上げ、繊維補強プリプレグ材の水硬性
材料による表面保護などを行ったり、水硬性材料を用い
て構造物などを製造する際に、構造物やプリプレグ材か
らの水硬性材料の剥離や剥落を防止してモルタルなどの
水硬性材料を構造物やプリプレグ材などに強固に接着さ
せておくことができ、しかも硬化した水硬性材料の強度
を向上させることのできる、水硬性材料用の補強材を提
供することである。そして、本発明の目的は、縦および
横の両方向に均整のとれた大きな機械的強度を有してい
て高い補強効果および水硬性材料の保持効果を有し、且
つ適度な剛性、形状保持性を有していて構造物の仕上げ
や塗工作業などを行ったり、水硬性材料を用いて構造物
などを製造する際の取り扱い性および作業性に優れる水
硬性材料の補強材を提供することである。さらに、本発
明の目的は、水硬性材料の補強だけではなく、土砂、合
成樹脂、ゴムなどに対しても高い補強効果を有する補強
材を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべく
本発明者らが検討を重ねた結果、本発明者らは、目の粗
いメッシュ構造に編成した地組織を有するラッシェル編
地であって且つ該地組織の一方または両方の面に多数の
立体的なループパイルを形成した従来にない新しいラッ
シェル編地の製作に成功した。そして、ループパイルを
有するこのラッシェル編地をモルタルなどの水硬性材料
を用いる工事現場にて使用したところ、モルタルなどの
水硬性材料の補強および構造物壁面などにモルタルなど
の水硬性材料を塗工した際の水硬性材料の壁面などから
の剥離や剥落の防止に有効であることを見出した。すな
わち、ループパイルを有する前記のラッシェル編地を用
いてコンクリート構造物、木造構造物、前記した繊維補
強プリプレグ材を施した構造物表面へのモルタルなどの
水硬性材料の塗工やタイル貼りなどを行ったところ、ル
ープパイルを有するこのラッシェル編地では、ループパ
イルがモルタルなどの水硬性材料中で良好なアンカー効
果(投錨効果)を有し、しかもモルタルなどの水硬性材
料が該ラッシェル編地の地組織の粗いメッシュ構造の空
隙部およびループパイルのループ状空隙部に入り込んだ
状態で硬化するために、硬化した水硬性材料が該ラッシ
ェル編地によって強固に保持されて、構造物の壁面など
から剥離、剥落することが防止され、しかも水硬性材料
に対する高い補強効果を有することを見出した。
【0012】さらに、本発明者らは、構造物の表面など
にモルタルなどの水硬性材料を多段階工程で多層に塗工
する場合に、第1段目の水硬性材料の塗布厚、鏝による
押さ圧力、ラッシェル編地におけるループパイルの高さ
などを調節しておいて、第1段の塗布作業の終了時にル
ープパイルの一部が水硬性材料層の表面から突出するよ
うにして塗布作業を行い、その上に更に第2段目の水硬
性材料の塗工を行うと、三次元方向に突出しているルー
プパイルが第1段目および第2段目の水硬性材料層の両
方に対してアンカー効果を示し、水硬性材料層全体の補
強および剥離や剥落の防止が図れることを見出した。
【0013】また、本発明者らは、ループパイルを有す
るラッシェル編地は、トリコット編地と比較した場合
に、経方向および緯方向の両方向の強度が大きくて力学
的特性に優れており、しかも経方向と緯方向とで強度や
伸度などの力学的特性の差が小さく均質性に優れ、しか
もその地組織を形成している編目(鎖目)の結節が強固
になされていてそこに絡ませて形成したループパイルが
ずれたり抜けたりせずに地組織の編目(鎖目)に強固に
固定されており、それによって上記したアンカー効果や
水硬性材料の保持効果を一層良好に発揮できること、さ
らには該ラッシェル編地は適度な剛性を有し、形状保持
性に優れているために、これを用いてモルタル塗りなど
の作業を行う際に変形が少なくて取り扱い性および作業
性に優れていることを見出した。
【0014】さらに、本発明者らは、前記の立体的なル
ープパイルを有するラッシェル編地からなる水硬性材料
の補強材において、ラッシェル編地の地組織および/ま
たはループパイルを熱可塑性重合体で被覆すると、ラッ
シェル編地により適度な剛性が付与されて、補強材の取
り扱い性が一層良好になり、モルタルなどの水硬性材料
の塗工時の作業性が一層向上することを見出した。
【0015】また、本発明者らは、前記した立体的なル
ープパイルを有するラッシェル編地は、そのループパイ
ルによる上記したアンカー効果およびラッシェル編地の
地組織自体の補強効果によって、水硬性材料のみなら
ず、斜面や工事現場における土砂の崩ずれ防止のための
補強材、合成樹脂やゴムなどの補強材としても有効であ
ることを見出し、それらの種々の知見に基づいて本発明
を完成した。
【0016】すなわち、本発明は、(1) メッシュ構
造に編成した地組織を有し且つ地組織の少なくとも一方
の面に多数の立体的なループパイルを有することを特徴
とするラッシェル編地であり;さらに、(2) 前記
(1)のラッシェル編地の地組織および/または地組織
とループパイルが熱可塑性重合体により被覆されている
ことを特徴とするラッシェル編地である。
【0017】そして、本発明は、(3) 前記(1)ま
たは(2)のラッシェル編地よりなることを特徴とする
補強材である。本発明の補強材は、水硬性材料、土砂、
合成樹脂またはゴム用の補強材として有効であり、特に
水硬性材料用の補強材として有用である。
【0018】
【発明の実施の形態】以下に本発明について詳細に説明
する。本発明のラッシェル編地は、目の粗いメッシュ構
造に編成した地組織を有し且つ地組織の少なくとも一方
の面に多数の立体的なループパイルを有するラッシェル
編地(すなわちラッシェル編機を用いて製造された編
地)からなるものであればいずれでもよい。ラッシェル
編地の地組織におけるメッシュ構造としては、補強材と
して使用する場合の被補強材料の種類、使用態様などに
応じて適当なものを選択することができ、例えば、菱目
状(菱形状)、格子状(方形状)、三角形状、五角形以
上の多角形状などのメッシュ構造にすることができ、そ
のうちでも菱目状または格子状のメッシュ構造とするの
がラッシェル編地の製造の容易性、施工性、取り扱い性
などの点から好ましい。
【0019】また、本発明のラッシェル編地では、メッ
シュ構造の空隙部への水硬性材料、土砂、合成樹脂やゴ
ムなどの被補強材料の進入の容易性、ラッシェル編地の
強度などの点から、その地組織のメッシュ構造の目合
(目開き)が5〜50mmであることが好ましく、8〜
30mmであることがより好ましい。地組織のメッシュ
構造の目合が5mmよりも小さいと、地組織のメッシュ
構造の空隙部に被補強材料が進入しにくくなってラッシ
ェル編地による被補強材料に対する補強効果および被補
強材料の保持力が低くなる。一方、地組織のメッシュ構
造の目合が50mmよりも大きいと、ラッシェル編地の
地組織の空隙部が大きくなり過ぎて、やはり被補強材料
に対する補強効果および被補強材料の保持力が低くな
り、しかもループパイルの数が少なくなって被補強材料
に対するアンカー効果が発揮されにくくなり、さらにラ
ッシェル編地の強度が低くなり易い。ここで、本明細書
における「メッシュ構造の目合(目開き)」とは、ラッ
シェル編地の地組織のメッシュ構造における空間部の距
離をいう。具体的には、図1に例示する菱目状のメッシ
ュ構造を有するラッシェル編地では、その地組織におけ
る菱形の空隙部での対角線a1およびa2の長さをいい、
また図2に例示する格子状のメッシュ構造を有するラッ
シェル編地では、その地組織における方形の空隙部での
対向する2つの辺間の距離b1およびb2をいう。なお、
図1および図2に示したラッシェル編地は、いずれもラ
ッシェル編地の地組織の一方の面に立体的なループパイ
ルを有するものの例である。図1および図2では、地組
織のメッシュ構造を形成する編目(経編鎖目)およびル
ープパイルはその一部のみを代表して表示しており、ま
た地組織およびループパイルの具体的な構造は省略して
表示している。
【0020】ラッシェル編地の地組織の形成に用いる地
糸を構成する繊維の種類は特に制限されず、有機の合成
繊維、天然繊維、半合成繊維、人造繊維、無機繊維、そ
れらの2種以上の併用などのいずれであってもよい。具
体的には、合成繊維としてはポリエチレンテレフタレー
ト繊維などのポリエステル系繊維(全芳香族ポリエステ
ル繊維を含む)、ポリアミド系繊維、アラミド系繊維、
ポリオレフィン系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、
アクリル繊維などを挙げることができ、半合成繊維、人
造繊維としてはビスコース繊維、キュプラ繊維、アセテ
ート繊維などを挙げることができ、天然繊維としては
綿、麻、羊毛、また無機繊維としてはガラス繊維、炭素
繊維などを挙げることができる。そのうちでも、地糸
は、機械的性能、取り扱い性、軽量性、耐熱性などの点
から合成繊維からなっていることが好ましく、特にラッ
シェル編地の機械的性質、耐候性、耐アルカリ性、水硬
性材料との親和性などが良好になる点からポリビニルア
ルコール系繊維からなっていることがより好ましい。ま
た、地糸を構成する繊維は必要に応じて、酸化チタン、
カオリン、シリカ、硫酸バリウム、カーボンブラック、
顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを含有
していてもよい。
【0021】ラッシェル編地の地組織を形成する地糸の
繊維形態は特に制限されず、ラッシェル編機により編成
が可能な糸であればいずれでもよく、例えばモノフィラ
メント糸、マルチフィラメント糸、紡績糸などを挙げる
ことができ、そのうちでもマルチフィラメント糸が製造
工程性および機械的強度の点から好ましい。
【0022】ラッシェル編地の地組織を形成する地糸の
総デニール(繊度)は200〜6000デニールである
ことが好ましく、1000〜3000デニールであるこ
とがより好ましい。地糸の総デニールが200デニール
よりも小さいと、地糸の直径が小さくなって得られるラ
ッシェル編地の剛性が低下し、該ラッシェル編地を水硬
性材料の塗工作業などに使用する際の作業性性が低下す
る。一方、地糸の総デニールが6000デニールを超え
ると、ループパイルを有するラッシェル編地を製造する
際の地糸へのループ糸の絡み構造が得にくくなり、地組
織の編目(鎖目)にループ糸が強固に固定したループパ
イルを形成しにくくなる。また、ラッシェル編地の地組
織を形成する地糸の強度は3g/デニール以上であるこ
とが好ましく、8g/デニール以上であることがより好
ましい。地糸の強度が3g/デニールよりも小さいと、
ラッシェル編地の機械的強度が不足し、補強効果を十分
に発揮することが困難になり、例えば、木造構造物にモ
ルタルなどを塗工する際に用いる金網代替用の補強、剥
離防止材としての効果を発揮しにくくなる。
【0023】本発明のラッシェル編地は、その地組織の
少なくとも一方の面に多数の立体的なループパイルを有
している。立体的なループパイルは、地組織の一方の面
のみに有していても、または両方の面に有していてもよ
く、被補強材料の種類や使用形態に応じて適当な方を選
択すればよい。例えば、本発明のラッシェル編地を補強
材として用いて、その一方の面にのみ水硬性材料などの
被補強材料を塗工するような作業を行う場合は、地組織
の被補強材料の塗工面側のみに立体的なループパイルを
形成させたラッシェル編地を用いるとよく、また本発明
のラッシェル編地からなる補強材の両方の面に水硬性材
料などの被補強材料を塗工するような作業を行う場合
は、地組織の両側に立体的なループパイルを形成させた
ラッシェル編地を用いることが好ましい。ここで、本発
明でいう「立体的なループパイル」とは、各ループパイ
ルの少なくとも一部が、編地の地組織の平面から外方に
突出して三次元構造(立体構造)をなしていることを意
味する。
【0024】本発明のラッシェル編地では、ループパイ
ルを形成しているループ糸の結節点が、地組織の編目
(鎖目)の結節点に絡まった形態でループパイルが形成
されていることが好ましく、それによってループパイル
がずれたり、抜けたりせずに、地組織に強固に固定され
て、形態安定性、ループパイルのアンカー効果、補強効
果などの点に優れる補強材が得られる。
【0025】本発明のラッシェル編地では、ラッシェル
編地の地組織の単位面積当たりのループパイル数は、被
補強材料の種類や使用形態などに応じて調節できるが、
一般には地組織100cm2当たり50〜10,000
個のループパイルを有することが被補強材料に対するア
ンカー効果などの点から好ましく、100〜3000
個、さらに200〜2000個のループパイルを有する
ことがより好ましい。また、ループパイルの形成形態と
しては、地組織のメッシュ構造を形成している編目(鎖
目)1個に対してループパイルを0.5〜3個の割合で
形成しておくことが、ループパイルによる被補強材料へ
のアンカー効果、被補強材料に対する補強効果、ラッシ
ェル編地の製造の容易性などの点から好ましく、前記の
編目(鎖目)1個につきループパイルを1または2個、
特に1個の割合で有することがより好ましい。なお、図
1および図2に示すラッシェル編地では、地組織のメッ
シュ構造を形成している編目(鎖目)1個に対してルー
プパイルを1個宛絡めて形成したものを例示している。
【0026】本発明のラッシェル編地におけるループパ
イルのループの大きさとしては、ループパイルの被補強
材料中へのアンカー効果および被補強材料に対する補強
効果などの点から、ループ基部からループ頂部までの長
さが2〜20mmであることが好ましく、5〜10mm
であることがより好ましい。ここでいう、ループパイル
の「ループ基部からループ頂部までの距離」とは、図3
に示すように、ループパイルに地組織の表面での基部と
ループパイルの頂部との間の長さHを言う。ループパイ
ルの長さHが2mmよりも小さいと、ループの径(空隙
部径)が必然的に小さくなってループの空隙内に被補強
材料が入りにくくなり、しかも被補強材料中でのループ
パイルのアンカー効果が小さくなって、被補強材料に対
する補強効果および剥離、剥落、崩れ防止効果が得られ
にくくなる。一方、ループパイルの長さHが20mmを
超えると、ラッシェル編地を構造物などに取り付けてそ
こに被補強材料、例えばモルタルなどの水硬性材料を塗
工したときに、ループパイルがラッシェル編地の地組織
と同じ平面方向に倒れた状態になって被補強材料中で起
立状態を保ちにくくなり、ループパイルによるアンカー
効果および補強効果を発揮しにくくなり、被補強材料の
剥離、剥落、崩れなどが生じ易くなる。
【0027】ループパイルを構成するループ糸として
は、強靭性に優れる有機の合成繊維、半合成繊維、人造
繊維、天然繊維などが好ましく用いられ、合成繊維とし
てはポリエチレンテレフタレート繊維などのポリエステ
ル系繊維(全芳香族ポリエステル繊維を含む)、ポリア
ミド系繊維、アラミド系繊維、ポリオレフィン系繊維、
ポリビニルアルコール系繊維、アクリル繊維などを挙げ
ることができ、半合成繊維、人造繊維としてはビスコー
ス繊維、キュプラ繊維、アセテート繊維などを、また天
然繊維としては綿、麻、羊毛などを挙げることができる
ことができる。そのうちでも、ループ糸としては、ポリ
プロピレン繊維、ポリエステル繊維および/またはナイ
ロン繊維が、結節強力が大きく、ループパイルを有する
ラッシェル編地を製造する際の工程通過性が良好であ
り、しかも低コストである点から好ましく用いられる。
ループ糸の結節強力が小さいと、ループパイルを有する
ラッシェル編地の製造時にループ糸の切断が生じて地組
織にループパイルを円滑に形成させることが困難にな
り、しかもループパイルが地組織に強固に結節固定され
なくなるためにループパイルのずれや抜けを生じて被補
強材料の剥離、剥落、崩れ防止、補強効果を発揮しにく
くなる。
【0028】ループパイルを形成するループ糸の繊維形
態としてはループ形状を保持できるものであって且つラ
ッシェル編機による編成が可能な糸であればいずれでも
よく、例えばモノフィラメント糸、マルチフィラメント
糸、紡績糸などを挙げることができ、そのうちでもモノ
フィラメント糸であるのがループパイルを有するラッシ
ェル編地の製造の容易性、ループパイルの起立状態の保
持性、加工性などの点から好ましい。
【0029】ループパイルを形成するループ糸の総デニ
ール(繊度)は50〜4000デニールであることが好
ましく、250〜2000デニールであることがより好
ましい。ループ糸の総デニールが50デニールよりも小
さいと、モルタルなどの水硬性材料との接合強力が低く
なり、またループを大きくしたときに三次元方向に起立
せずに地組織と同じ平面内に倒立し易くなる。一方、ル
ープ糸の総デニールが4000デニールを超えると、ラ
ッシェル編地の地組織へのループパイルの形成が困難に
なる。また、ループパイルを形成するループ糸は、その
初期引張弾性率が330〜1000kg/mm2である
ことが、ループパイルの起立保持性が良好になる点から
好ましい。さらに、ラッシェル編地の地組織面に対する
ループパイルの角度(起立角度)は、ループパイルの被
補強材料に対するアンカー効果および補強効果などの点
から、50゜〜90゜であることが好ましく、60゜〜
90゜であることがより好ましい。
【0030】何ら限定されるものではないが、本発明の
ラッシェル編地の代表例を図を参照して説明すると以下
のとおりである。図4の(a)は、その地組織が菱目状
のメッシュ構造となっているラッシェル編地であって、
図4の(b)に示すように、菱目状の地組織における鎖
編みの編目(鎖目)cの1個ごとに、ループ糸を用いて
ループパイルdが編目cの結節点に絡んだ状態で起立状
に形成されている。図4のラッシェル編地を形成するた
めの組織図は、図5に示すとおりである。図5におい
て、L1、L2、L4およびL5は鎖編みの編目(鎖目)c
を有する地組織を形成するための地糸を示し、L3およ
びL6はループパイルdを形成するためのループ糸を示
す。A交点で、地糸L2は地糸L4と1回絡み合ってL2
へと戻り、地糸L4は地糸L2と1回絡み合ってL4と戻
る。また、B交点で、地糸L1は地糸L2と1回絡み合っ
てL1へと戻り、地糸L2は地糸L1と1回絡み合ってL1
へと戻り、地糸L4は地糸L5と1回絡み合ってL4へと
戻り、地糸L5は地糸L4と1回絡み合ってL5へと戻
る。ループ糸L3およびL6は、各地糸L1、L2、L4
よびL5と平行に入り、1、2、3、4、5においてル
ープパイルを形成するためにニードルなどで引っ張られ
てループパイルdを形成し、その後また各地糸と平行に
入る。図4のラッシェル編地は、図5に示すようにL1
およびL2(L4およびL5)の2本の地糸に対して1本
のループ糸L3(L4)を用いて製造しているが、地糸を
3本以上とし、またループ糸を2本以上用いて、菱目状
の同様の地組織を有するループパイル付きのラッシェル
編地を製造してもよい。
【0031】図6は、格子状のメッシュ構造をなす地組
織を有するラッシェル編地であり、格子状の地組織にお
ける鎖編みの編目(鎖目)cの1個ごとに、ループ糸を
用いてループパイルdが編目cの結節点に絡んだ状態で
起立状に形成されている。図6のラッシェル編地を形成
するための組織図は、図7に示すとおりである。図7に
おいて、L1、L2およびL3は地組織の鎖編みの経糸部
を形成するための地糸を示し、L4はループパイルdを
形成するためのループ糸を示し、M1は緯糸を示す。地糸
1およびL2は地糸L3によりAおよびBの部分で絡み
合わせられ、またループ糸L4は地糸L3と平行に進み、
ループを形成するためにニードルなどで引っ張られてル
ープパイルdを形成し、その後また地糸L3と平行に進
む。その際に、緯糸M1としては、地糸を用いて形成し
た鎖編み状糸にループ糸を絡ませてループパイルを予め
形成させておいたループ付きの糸を使用し、ラッシェル
編地の製編時に、図7の組織図に示すように、所定の間
隔ごとに該ループ付きの緯糸M1を緯入れすると共に地
糸L3で地糸L1およびL2に固定することによって、格
子状のメッシュ構造をなす地組織を有する、図6のルー
プパイル付きラッシェル編地が得られる。図6のラッシ
ェル編地は、図7に示すように経糸としてL1、L2およ
びL3の3本の地糸に対して1本のループ糸L4を用いて
製造しているが、経糸を構成する地糸を4本以上とし、
またループ糸を2本以上用いてもよい。さらに、ループ
付きの緯糸M1として2本以上のものを用いてもよく、
さらにループ付きの緯糸M1とループを持たない緯糸を
併用してもよい。
【0032】図8は、格子状の地組織を有するラッシェ
ル編地の別の態様であり、鎖編みした地糸の鎖目cにル
ープ糸を絡ませて形成したループパイルdを地組織の経
方向および緯方向に有し、さらに経方向および緯方向に
複数本ずつの補強糸e1、e2、e3・・・およびf1、f
2、f3・・・を有している。この図8のラッシェル編地
は、土砂の補強などのような大きな補強効果が要求され
る用途に特に有効に用いられる。図8のラッシェル編地
を形成するための組織図は図9に示すとおりである。
【0033】図9において、L1、L2およびL3並びに
5、L6およびL7は地組織を形成するための地糸を示
し、L4およびL8はループパイルを形成するためのルー
プ糸を示し、e1、e2、e3、・・・は地組織を補強す
るための経糸を示す。地糸L1、L2およびL3とループ
糸L4によって経糸を構成する一方の端部におけるルー
プパイルdを絡み合わせた鎖編み部g1が形成され、地
糸L5、L6およびL7とループ糸L8によって経糸を構成
するもう一方の端部におけるループパイルdを絡み合わ
せた鎖編み部g2が形成される。また、L9およびL
10は、ループパイルdを絡み合わせた両側の鎖編み部g
1およびg2、並びに該鎖編み部g1およびg2の間に存在
させた補強糸e1、e2、e3を結合固定するための地糸
を示す。また、M2は緯糸を示す。緯糸M2としては、地
糸を用いて形成した鎖編み状糸にループ糸を絡ませてル
ープパイルを予め形成させておいたループパイル付きの
糸を両側に配し、それらの間に補強糸f1、f2、f3
・・を存在させ、該ループパイル付きの糸および補強糸
1、f2、f3・・・を経方向の場合と同様にして(地
糸L9およびL10による固定と同様にして)互いに結合
固定したものを予め製造しておく。
【0034】地糸L1、L2およびL3は絡み合い、地糸
5、L6およびL7は絡み合い、ループ糸L4は地糸L3
と平行に進み、またループ糸L8は地糸L7と平行に進
み、ループパイルを形成するためにニードルなどで引っ
張ってループパイルdを形成、そしてまたループ糸L4
は地糸L3と、ループ糸L8は地糸L7と平行に進む。そ
の際に、上記のようにして予め製造しておいた緯糸M2
を、ラッシェル編地の製編時に、図9の組織図に示すよ
うに所定の間隔ごとに緯入れすると共に地糸L9および
10で固定することによって、格子状のメッシュ構造を
なす地組織を有する、図8のループパイル付きラッシェ
ル編地が得られる。図8のラッシェル編地は、図9に示
すように経糸として地糸L1、L2およびL3並びにL5
6およびL7を用いて製造しているが、それより多数本
の地糸を用いてもよく、またループ糸L4およびL8の代
わりにそれよりも多数本のループ糸を用いてもよく、さ
らに補強糸e1、e2、e3の本数は制限されず、1本で
あっても、2本であっても、または3本以上であっても
よい。また、緯糸M2においても、緯糸M2の製造に用い
る地糸、ループ糸、補強糸の本数は特に制限されず、任
意の本数とすることができる。
【0035】本発明のラッシェル編地は、ラッシェル編
機を用いて製造されるが、その際の製造法は、上記した
ような構造を有するループパイル付きのラッシェル編地
を製造し得る方法であればいずれを採用してもよい。限
定されるものではないが、例えば、複数のガイドバーと
複列のニードルバー、ループパイルを引き出すためのニ
ードルなどの手段、ステッチコームバー、トリックプレ
ートを有し、場合により緯糸供給装置を有するラッシェ
ル編機、特にダブルラッシェル編機を使用して、これに
地糸とループ糸、および場合により補強糸や緯糸を供給
しながら経編物の編成を行うことにより製造することが
できる。
【0036】さらに、本発明のループパイル付きのラッ
シェル編地では、その地組織および/またはループパイ
ルの表面を樹脂で被覆すると、ラッシェル編地により適
度な剛性が付与されて、その取り扱い性が良くなり、ラ
ッシェル編地よりなる補強材を用いての作業性、例えば
モルタルルなどの水硬性材料の塗工時の作業性などが一
層良好になるので好ましい。その際に、地組織のみを樹
脂で被覆しても、ループパイルのみを樹脂で被覆しても
よいが、地組織とループパイルの両方を樹脂で被覆する
のが、剛性の付与、樹脂を被覆する際の工程性などの点
から好ましい。
【0037】ラッシェル編地における地組織および/ま
たはループパイルの被覆に用いる樹脂の種類は特に制限
されず、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂のいずれであ
ってもよいが、熱安定性の点から熱硬化性樹脂が好まし
く用いられ、具体例としては、エポキシ樹脂、熱硬化性
アクリル樹脂などを挙げることができる。被覆用の樹脂
は、必要に応じて、可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、酸
化防止剤、着色剤、無機充填剤などの含有していてもよ
い。
【0038】ラッシェル編地の地組織および/またはル
ープパイルへの樹脂の被覆方法は特に制限されず、例え
ば、ループパイルを有するラッシェル編地の地組織部分
のみ、ループパイル部分のみ、またはラッシェル編地全
体を、前記した樹脂を含有する溶液中や分散液中に浸漬
して乾燥する方法、ループパイルを有するラッシェル編
地に樹脂を含有する溶液や分散液を散布する方法などが
採用することができる。
【0039】本発明のループパイル付きのラッシェル編
地は、モルタル、コンクリート、石膏、セメントなどの
ような水と反応して硬化物を形成する水硬性材料、土
砂、合成樹脂またはゴム用の補強材として適している。
そのうちでも、ループパイル付きのラッシェル編地から
なる本発明の補強材は、水硬性材料用の補強材として特
に適していて、モルタル、コンクリート、石膏製品など
のような水硬性材料を用いて構造物の外壁仕上げや保
護、構造物へのタイル貼りを行う際に、または水硬性材
料を用いて構造物を製造する際に、水硬性材料の補強、
剥離や剥落の防止などのために有効に用いることができ
る。具体的には、例えば、上述のように、コンクリート
製構造物の表面にタイル貼りやモルタル塗りなどを行う
際に、本発明の補強材をそのループパイル側が外方(タ
イル貼り面またはモルタル塗り面)に向くようにしてコ
ンクリート製構造物に接着剤、アンカーピンなどの適当
な手段により取り付けた後、その上にモルタルなどの水
硬性材料を用いてタイルを貼り付けるか、またはモルタ
ルなどの水硬性材料を塗工することによって、コンクリ
ート製構造物の表面にタイルやモルタルなどの水硬性材
料の層を剥離や剥落を生ずることなく強固に形成するこ
とができる。
【0040】また、例えば、建造物面上に上記した繊維
補強プリプレグ材を接着剤やアンカーピンなどを用いて
取り付けた後に、その上に本発明の補強材をそのループ
パイル側が外方(モルタルなどの水硬性材料の塗工面
側)に向くようにして接着剤やアンカーピンなどの適当
な手段で取り付け、その上にモルタルなどの水硬性材料
を塗工することによって、プリプレグ材の表面に、モル
タルなどの水硬性材料よりなる保護層を剥離や剥落を生
ずることなく強固に形成することができる。さらに、例
えば、木造構造物の外壁の木下地上にアスファルトフェ
ルトを貼った後に本発明の補強材を取り付け、その上に
モルタルなどの水硬性材料を塗ることによって、木造構
造物の外壁上にモルタルなどの水硬性材料の層を剥離や
剥落を生ずることなく強固に形成することができる。
【0041】そして、上記した塗工作業を行うに当たっ
て、モルタルなどの水硬性材料の塗工を多段階工程で行
う場合に、第1段目の水硬性材料の塗布厚、鏝による押
さ圧力、ラッシェル編地におけるループパイルの高さな
どを調節しておいて、第1段の塗布作業の終了時にルー
プパイルの一部が水硬性材料層の表面から突出するよう
にして第1段目の塗布作業を行い、その上に更に第2段
目の水硬性材料の塗工を行うと、三次元方向に突出して
いるループパイルが第1段目および第2段目の水硬性材
料層の両方に対してアンカー効果を示し、水硬性材料層
全体の補強および剥離や剥落の防止を図ることができ、
かかる方法は、一般に2段階の塗工作業が採用されてい
る木造構造物へのモルタルの塗工作業において特に有効
である。
【0042】また、ループパイル付きのラッシェル編地
からなる本発明の補強材を土砂の補強に用いる場合は、
ループパイルが土砂中に埋設するようにして本発明の補
強材を土砂の上にかぶせ、必要に応じてさらにその上に
コンクリートやその他の層を形成することによって、土
砂からなる傾斜面、断崖、壁面などの補強を行うことが
できる。さらに、ループパイル付きのラッシェル編地か
らなる本発明の補強材を、合成樹脂やゴムの補強に用い
る場合は、ループパイルが合成樹脂またはゴム中に埋設
されるようにして、補強材を合成樹脂またはゴム中に配
設するかおよび/または合成樹脂またはゴムの表面に配
することによって、合成樹脂またはゴムからなる各種成
形品や積層体などの製品、合成樹脂またはゴムを用いて
いる構造物などの補強を行うことができる。
【0043】
【実施例】以下に実施例などにより本発明について具体
的に説明するが、本発明はそれにより何ら限定されな
い。以下の例において「dr」はデニールの略号であ
る。また、以下の例において、補強材の引張強度、およ
びモルタルに対する補強材の接着強度は以下のようにし
て測定した。
【0044】[補強材の引張強度]補強材から幅×長さ
=40mm×300mmの試験片を切り取り、該試験片
を用いて、JIS K−1096(一般織物の試験方
法)に準じてその引張強度を測定した。
【0045】[モルタルに対する補強材の接着強度] (i) 縦×横×高さ(内径寸法)=40mm×40m
m×160mmの型枠の底部に、縦×横=40mm×4
0mmの補強材を配置し、その上にモルタル[セメン
ト:豊浦標準砂:水=20:80:13(重量比)]を
厚さ40mmに流し込んで、温度20℃、湿度65%の
条件下に2週間気中養生を行ってモルタルを硬化させ、
一方の表面に補強材が接着したモルタル硬化物を製造し
た。 (ii) 上記(i)で得られたモルタル硬化物を型枠か
ら取り出し、補強材を貼着した面を上に向けて、JIS
K6328(ゴム引布の剥離試験方法)に準じて、そ
の縦方向および横方向の剥離強力を測定して接着強度と
した。
【0046】《実施例1》 (1) 地糸L1、L2、L5およびL6としてポリビニル
アルコールマルチフィラメント糸(総デニール1200
dr、強度9.0g/dr、伸度8%)を用い、ループ
糸L3およびL6としてポリプロピレンモノフィラメント
糸(繊度400dr、初期引張弾性率1000kg/m
2)を用い、複数のガイドバーと複列のニードルバ
ー、ループパイルを引き出すためのニードル、ステッチ
コームバー、トリックプレートを有するダブルラッシェ
ル編機を使用して、図5に示した組織図に従って、地組
織が菱目状のメッシュ構造をなし且つ該地組織に対して
多数の立体的なループパイルを有する図4に示すラッシ
ェル編地を製造した。なお、このラッシェル編地では、
地組織のメッシュ構造の目合が約13〜20mm(図1
におけるa1=約20mmおよびa2=約13mm)であ
り、地組織の編目(鎖目)cの結節点にループ糸の結節
点が絡まった状態で編目(鎖目)c1個に対してループ
パイルdを1個の割合で有し、地組織100cm2当た
り約800個のループパイルを有していた。また、ルー
プパイルdのループ基部からループ頂部までの長さHは
約4〜6mmであり、ループパイルdの地組織に対する
角度(起立角度)は50゜〜90゜の範囲であった。 (2) 上記(1)で得られたラッシェル編地の縦方向
(経方向)および横方向(緯方向)の引張強度、並びに
モルタルとの接着強度を上記した方法で測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。
【0047】《比較例1》 (1) 上記した従来技術で用いられている立体的なル
ープパイルを有するトリコット編地よりなる補強材(北
陸STR社製「プリプレグシート」)を入手した。この
トリコット編地では、地組織はポリプロピレンモノフィ
ラメント(繊維繊度400dr、繊維強度5g/dr、
繊維伸度15%)から形成され、またループパイルはポ
リプロピレンモノフィラメント糸(繊維繊度200d
r、初期引張弾性率1000kg/mm2)から形成さ
れていた。また、このトリコット編地は100cm2
たり約1000個のループパイルをその長さ方向に並列
して有しており、ループパイルのループ基部からループ
頂部までの長さHは約4〜6mmであり、ループパイル
の地組織に対する角度(起立角度)は50゜〜90゜の
範囲であった。 (2) 上記(1)で入手したループパイルを有するト
リコット編地よりなる補強材の縦方向(経方向)および
横方向(緯方向)の引張強度、並びにモルタルとの接着
強度を上記した方法で測定したところ、下記の表1に示
すとおりであった。
【0048】《比較例2》上記した従来技術で用いられ
ている、アラミド系繊維製テープヤーンからなるメッシ
ュシートに薄い不織布を積層した補強材[倉敷繊維加工
株式会社製「アラミドシート」)を入手して、その縦方
向(経方向)および横方向(緯方向)の引張強度、並び
にモルタルとの接着強度を上記した方法で測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。
【0049】《比較例3》木造構造物の外壁へのモルタ
ル塗りなどに当たって汎用されている金網(鋼線の太さ
0.5mm、目合10mm)を入手して、その縦方向
(経方向)および横方向(緯方向)の引張強度、並びに
モルタルとの接着強度を上記した方法で測定したとこ
ろ、下記の表1に示すとおりであった。
【0050】
【表1】
【0051】上記の表1の結果から、メッシュ構造に編
成した地組織を有し且つ地組織の少なくとも一方の面に
多数の立体的なループパイルを有するラッシェル編地お
よびそれからなる実施例1の補強材は、縦方向(経方
向)と横方向(緯方向)の機械的強度が大きく、しかも
両方向の強度がほぼ同じであって均質性に優れているこ
と、その上モルタルなどの水硬性材料との接着強度(剥
離強力)が縦方向および横方向共に高く、水硬性材料に
対する補強効果および水硬性材料の剥離、剥落の防止効
果が高いことがわかる。
【0052】それに対して、上記の表1の比較例1の結
果から、従来用いられていたループパイルを有するトリ
コット編地よりなる補強材は、縦方向の強度はほぼ優れ
ているが、横方向の強度が低く、縦および横の両方向に
バランスのとれた強度を有していないこと、しかもその
縦方向の強度も実施例1のものに比べると低いこと、さ
らにモルタルなどの水硬性材料に対する接着強度(剥離
強力)が実施例1の補強材に比べて大幅に低く、モルタ
ルなどの水硬性材料の補強効果、剥離、剥落防止効果が
充分ではないことがわかる。
【0053】さらに、表1の比較例2の結果から、従来
用いられていたアラミド系繊維製テープヤーンからなる
メッシュシートに薄い不織布を積層した比較例2の補強
材は、引張強度が高いものの、モルタルとの接着強度が
低く、モルタルなどの水硬性材料に対する補強、剥離防
止効果が実施例1のものに比べて大幅に劣っていること
がわかる。また、表1の比較例3の結果から、木造構造
物の外壁へのモルタル塗りで従来汎用されてきた金網
は、縦横両方向ともに強度が十分に高いとは言えず、モ
ルタルなどの水硬性材料に対する補強、剥離防止効果が
実施例1のものに比べて大幅に劣っていることがわか
る。
【0054】《実施例2》 (1) 地糸L1、L2およびL3としてポリビニルアル
コールマルチフィラメント糸(総デニール1200d
r、強度9.0g/dr、伸度8%)を用い、ループ糸
4としてポリプロピレンモノフィラメント糸(繊度4
00dr、初期引張弾性率100kg/mm2)を用
い、また緯糸M1として、前記と同じポリビニルアルコ
ールマルチフィラメント糸を用いて形成した鎖編み状糸
に前記と同じポリプロピレンモノフィラメント糸をルー
プ糸として用いて絡ませてループパイルを予め形成させ
ておいたループ付きの糸を使用し、複数のガイドバーと
複列のニードルバー、ループパイルを引き出すためのニ
ードル、ステッチコームバー、トリックプレート、緯糸
供給装置を有するダブルラッシェル編機を使用して、図
7に示した組織図に従って、地組織が格子状のメッシュ
構造をなし且つ該地組織に対して多数の立体的なループ
パイルを有する図6に示すラッシェル編地を製造した。 (2) 上記(1)で得られたラッシェル編地では、地
組織のメッシュ構造の目合が約10mm(図2における
1およびb2=約10mm)であり、地組織の編目(鎖
目)cの結節点にループ糸の結節点が絡まった状態で編
目(鎖目)c1個に対してループパイルdを1個の割合
で有し、地組織100cm2当たり約800個のループ
パイルを有していた。また、ループパイルdのループ基
部からループ頂部までの長さHは約4〜6mmであり、
ループパイルdの地組織に対する角度(起立角度)は5
0゜〜90゜の範囲であった。また、上記(1)で得ら
れたでループパイルを有するラッシェル編地の縦方向
(経方向)および横方向(緯方向)の引張強度を上記し
た方法で測定したところ、それぞれ43.0kg/4c
mおよび43.5kg/4cmであった。
【0055】《実施例3》 (1) 地糸L1、L2、L3、L5、L6、L7、L9およ
びL10としてポリビニルアルコールマルチフィラメント
糸(総デニール4800dr、強度13g/dr、伸度
7%)を準備し、ループ糸L4およびL8としてポリプロ
ピレンモノフィラメント糸(繊維繊度1000dr、初
期引張弾性率1000kg/mm2)を準備し、補強糸
1、e2およびe3としてポリエステルマルチフィラメ
ント糸(総デニール250dr、強度7.5g/dr、
伸度20%)を準備した。 (2) また緯糸M2として、前記と同じポリビニルア
ルコールマルチフィラメント糸を用いて形成した鎖編み
状糸に前記と同じポリプロピレンモノフィラメント糸を
ループ糸として用いて絡ませてループパイルを予め形成
させておいたループ付きの糸を両端に配し、中央にポリ
ビニルアルコールマルチフィラメント糸(総デニール4
700dr、強度13g/dr、伸度7%)よりなる補
強糸f1、f2およびf3を配し、それらの糸をポリエス
テルマルチフィラメント糸(総デニール250dr、強
度7.5g/dr、伸度20%)を用いて結合固定した
ものを予め製造した。
【0056】(3) 上記(1)で準備した糸と、上記
(2)で得られた緯糸M2を用いて、複数のガイドバー
と複列のニードルバー、ループパイルを引き出すための
ニードル、ステッチコームバー、トリックプレート、緯
糸供給装置を有するダブルラッシェル編機を使用して、
図9に示す組織図に従って、地組織が格子状のメッシュ
構造をなし且つ該地組織に対して多数の立体的なループ
パイルを有する図8に示すラッシェル編地を製造した。 (4) 上記(3)で得られたラッシェル編地では、地
組織のメッシュ構造の目合が約25mm(図2における
1およびb2=約25mm)であり、地組織の編目(鎖
目)cの結節点にループ糸の結節点が絡まった状態で編
目(鎖目)c1個に対してループパイルdを1個の割合
で有し、地組織100cm2当たり約350個のループ
パイルを有していた。また、ループパイルdのループ基
部からループ頂部までの長さHは約4〜6mmであり、
ループパイルdの地組織に対する角度(起立角度)は5
0゜〜90゜の範囲であった。また、上記(3)で得ら
れたでループパイルを有するラッシェル編地の縦方向
(経方向)および横方向(緯方向)の引張強度を上記し
た方法で測定したところ、それぞれ120kg/4cm
および120kg/4cmであった。
【0057】
【発明の効果】目の粗いメッシュ構造に編成した地組織
を有するラッシェル編地であって且つ該地組織の一方ま
たは両方の面に多数の立体的なループパイルを有する本
発明のラッシェル編地およびそれよりなる本発明の補強
材は、経方向および緯方向の両方向の強度が大きくて力
学的特性に優れており、しかも経方向と緯方向とで強度
や伸度などの力学的特性の差が小さく均質性に優れ、し
かもその地組織を形成している編目(鎖目)の結節が強
固になされていてそこに絡ませて形成したループパイル
がずれたり抜けたりせずに地組織の編目(鎖目)に強固
に固定されている。そのため、本発明のラッシェル編地
およびそれよりなる補強材は、モルタルなどの水硬性材
料、土砂、合成樹脂、ゴムなどの補強材として適してい
る。
【0058】特に、本発明の補強材をモルタルなどの水
硬性材料を用いて構造物への塗工、タイル貼り、プリプ
レグ材表面の保護、構造物の製造を行う際の補強材とし
て用いると、全方向に対して均整のとれた補強効果およ
び剥離・剥落防止効果を発揮する。特に、本発明の補強
材では、ループパイルがモルタルなどの水硬性材料中で
良好なアンカー効果(投錨効果)を有し、しかもモルタ
ルなどの水硬性材料が該ラッシェル編地の地組織の粗い
メッシュ構造の空隙部およびループパイルのループ状空
隙部に入り込んだ状態で硬化し、該硬化した水硬性材料
が該ラッシェル編地によって強固に保持されるために、
モルタルなどの水硬性材料を用いてコンクリート製構造
物、木造構造物の外壁や表面などの塗工仕上げ、構造物
外壁へのタイル貼りや、繊維補強プリプレグ材の表面保
護などを行う場合に、また水硬性材料を用いて構造物な
どを製造する場合に、構造物やプリプレグ材からの水硬
性材料の剥離や剥落を防止して、水硬性材料を構造物や
プリプレグ材などに強固に接着させておくことができ、
しかも硬化した水硬性材料の強度を向上させることがで
きる。
【0059】さらに、本発明の補強材は、ラッシェル編
地よりなるために、適度な剛性を有していて形状保持性
に優れるため、モルタルなどの水硬性材料を用いる前記
種々の作業、さらには土砂の補強作業や、合成樹脂やゴ
ムの補強を行う際の取り扱い性および作業性に優れてい
る。特に、ラッシェル編地の地組織および/またはルー
プパイルを樹脂で被覆した本発明の補強材は、より優れ
た剛性および形状保持性を有しているために、モルタル
などの水硬性材料を用いて塗工作業や構造物の製造作業
などを行う際や土砂の補強作業を行う際の取り扱い性、
作業性に一層優れている。
【0060】また、構造物の表面などにモルタルなどの
水硬性材料を多段階工程で多層に塗工する際に、構造物
の表面に本発明の補強材を取り付けた後、第1段目の水
硬性材料の塗布厚や鏝による押圧力などを調節して第1
段の塗布作業の終了時にループパイルの一部が水硬性材
料層の表面から突出するようにし、その上に更に第2段
目の水硬性材料の塗工を行うと、三次元方向に突出して
いるループパイルが第1段目および第2段目の水硬性材
料層の両方に対してアンカー効果を示し、水硬性材料層
全体の補強および剥離や剥落の防止効果を一層高めるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラッシェル編地(補強材)の一態様
(地組織が菱目状のメッシュ構造を有するもの)につい
て、該メッシュ構造における目合の測定の仕方を示す図
である。
【図2】本発明のラッシェル編地(補強材)の一態様
(地組織が格子状のメッシュ構造を有するもの)につい
て、該メッシュ構造における目合の測定の仕方を示す図
である。
【図3】本発明のラッシェル編地(補強材)におけるル
ープパイルの高さHの測定法を示す図である。
【図4】本発明のラッシェル編地(補強材)の一例を示
す図である。
【図5】図4のラッシェル編地を製編するための組織図
である。
【図6】本発明のラッシェル編地(補強材)の別の例を
示す図である。
【図7】図6のラッシェル編地を製編するための組織図
である。
【図8】本発明のラッシェル編地(補強材)のさらに別
の例を示す図である。
【図9】図8のラッシェル編地を製編するための組織図
である。
【符号の説明】
c 編目(鎖目) d ループパイル
フロントページの続き (72)発明者 中矢 隆雄 大阪府大阪市北区梅田1丁目12番39号 株 式会社クラレ内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メッシュ構造に編成した地組織を有し且
    つ地組織の少なくとも一方の面に多数の立体的なループ
    パイルを有することを特徴とするラッシェル編地。
  2. 【請求項2】 ラッシェル編地の地組織が菱目状または
    格子状のメッシュ構造を有している請求項1に記載のラ
    ッシェル編地。
  3. 【請求項3】 ラッシェル編地の地組織のメッシュ構造
    の目合が5〜50mmであり、ループパイルのループ基
    部からループ頂部までの長さが2〜20mmである請求
    項1または2に記載のラッシェル編地。
  4. 【請求項4】 地組織の編目の結節点に、ループ糸の結
    節点が絡まった形態でループパイルが形成されている請
    求項1〜3にいずれか1項に記載のラッシェル編地。
  5. 【請求項5】 ラッシェル編地の地組織の編目1個に対
    してループパイルを0.5〜3個の割合で有する請求項
    1〜4のいずれか1項に記載のラッシェル編地。
  6. 【請求項6】 ラッシェル編地の地組織が総デニール2
    00〜6000デニールおよび強度3g/デニール以上
    の地糸より形成され、ループパイルが総デニール50〜
    4000デニールおよび初期引張弾性率330〜100
    0kg/mm2のループ糸より形成されている請求項1
    〜5のいずれか1項に記載のラッシェル編地。
  7. 【請求項7】 図5 図7または図9で示される組織図
    にしたがってラッシェル編機で製編したラッシェル編地
    である請求項1〜6のいずれか1項に記載のラッシェル
    編地。
  8. 【請求項8】 ラッシェル編地の地組織および/または
    ループパイルが樹脂により被覆されていることを特徴と
    する請求項1〜7のいずれか1項に記載のラッシェル編
    地。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載のラ
    ッシェル編地よりなることを特徴とする補強材。
  10. 【請求項10】 水硬性材料、土砂、合成樹脂またはゴ
    ム用の補強材である請求項9に記載の補強材。
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