JP2013245413A - 耐久性を有する経編ネット地及びそれを用いた土木用袋材 - Google Patents

耐久性を有する経編ネット地及びそれを用いた土木用袋材 Download PDF

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Abstract

【課題】 割り栗石やコンクリート破砕片等から受ける切れや擦れ等に対する耐久性を有し、目詰まりが起きず、通水性があり、しかも小さな中詰め材等の抜け落ちを防止できる経編ネット地と、これを用いた土木用袋材とを提供すること。
【解決手段】本発明は、穴目を有する地組織部1と、該地組織部1に編み込まれる、パイルを有するパイル組織部2とで一体に形成される経編ネット地Kであって、パイルが前記経編ネット地Kの表裏のいずれか一方に形成されていると共に地組織部面に対して方向性を持って傾斜している耐久性を有する経編ネット地K。
【選択図】図6

Description

本発明は、土木用袋材や落石防止用ネット、防獣用ネット等に用いる摩擦や衝撃に強い経編ネット地に関し、詳しくは、その表裏、或いは少なくともその一方にパイルを有していて、このパイルにより切れや擦れ等による損傷を防止し得る、耐久性を有する経編ネット地と、この経編ネット地を用いた土木用袋材に関する。
河川や湖沼、海洋等の土木工事や護岸工事用として土木用袋材が用いられている。この土木用袋材に石等の中詰め材を充填し、これを川縁や海縁等に敷設するものである。
土木用袋材としては、古くは竹材や鉄線で形成された蛇篭が用いられてきた。
これらの蛇篭は比較的形状が堅固であり、それなりの利点は有するものの蛇篭同士の馴染みや敷設面への馴染みに劣り、護岸性能が充分なものとは言えなかった。
これらの問題を解決し得る素材としてラッセル機等の経編機により合成繊維を用いて編成される経編ネット地が多く用いられるようになった。
この経編ネット地は、比較的丈夫で、穴目の大きさや形状も自在に変えることができる利点を有している。
これらの経編ネット地は、落石防止用ネットや防獣用ネット等に使用されるが、中でも土木用袋材は、中詰め材を充填した後も1個の固体としての形状を維持しつつ、変形性をも有していて、敷設される際の土木用袋材同士の馴染みや敷設面に対する馴染みがあり護岸機能を充分発揮する。
ところで、上記経編ネット地による土木用袋材には一定以上の強度が求められる。
石等の中詰め材を充填する際や、中詰め材を充填して持ち上げて敷設する際、更には敷設後等、その重量や衝撃に耐え得る引張強度が求められる。
併せて、中詰め材に用いられる割り栗石やコンクリート破砕片等から受ける切れや擦れに耐え得る耐久性が求められる。
これらの強度要求の課題に対しては、強度のある糸種を用いたり、太い糸を用いて対処するのが主流であったが、この対処法には限度があった。
そして、土木用袋材に中詰め材を充填して敷設した後、目詰まりを起こさず、一定の通水性を有することが挙げられる。
つまり、敷設した後、従来の蛇篭同様、生物等も入りやすく環境に馴染みの良いものにするためには良好な通水性が求められる。
更には、割栗石やコンクリート砕片に混ざる粒径の小さな中詰め材の抜け落ちを防止することが求められる。
これは土木用袋材を敷設した後、一定期間を経て除去する場合があるが、この時、敷設した箇所に小さな中詰め材が残留物として放置されれば環境の悪化を招くからである。
この抜け落ちを防止することについては、経編ネット地の穴目を小さくして対応することは可能であるが、そうすると目詰まりを起こして通水性の低下を招く。
このように、相反した要求が同時に求められるのである。
これらの要求に対しては多くの提案がなされてきた。
例えば、特許文献1ではラッシェル機やダブルラッシェル機により編成される特殊な組織構造を有する高強度の経編ネット地を土木用袋体や落石防止用ネット用として提案している。
また、特許文献2では、合成繊維製のネット材による土木用蛇篭が示されている。
この土木用蛇篭の内部には不織布が積層され、切れや擦れなどの破損を防止していると共に粒径の小さな中詰め材の流出を防いでいる。
そして、特許文献3では、基地の表裏の少なくとも一方に一体に形成したパイルを有した耐摩耗性シートが示されている。
この耐摩耗性シートを用いた袋体と中詰め材とで海洋保全構造体が構成され、漂砂や波に対するパイル群による基地の保護機能が紹介されている。
特開2009−57670号公報 特開2002−69969号公報 特開2011−256664号公報
ところが上記従来例は、すべてに満足のいく解決手段とは言い難いものであった。
例えば、特許文献1では、組織構造による引張強度の向上を目的としていて、組織構造的な対策を施し引張強度を上げることについては相当の効果を得ている。
しかし、割り栗石やコンクリート破砕片、落石等の鋭利なエッジによる切れや擦れ等に対する耐久性についての提案とは言えない面がある。
また、特許文献2では、耐久性の向上と抜け落ち防止を目的としていて、合成繊維製のネット材の内部に不織布を積層し、中詰め材のエッジ等による破損や粒径の小さな中詰め材の抜け落ちを防いでいる。しかしながら、不織布を採用することについては、小さな中詰め材の抜け落ちは防止できるものの漂流物や藻等により不織布が目詰まりを起こす。
この目詰まりは、土木用袋材内部への通水を妨げて、土木用袋材内に生物が入ることを妨げ、環境に馴染みの良いものとは言い難い。
そして、特許文献3では、パイル群による基地の保護を主な目的として、基地面にパイルを形成した耐摩耗性シートが示されている。
該耐摩耗性シートを用いた袋体と中詰め材とで海洋保全構造体が構成され、漂砂の捕捉や波浪の制御に効果があり、生物環境にも適している。
しかし、この耐摩耗性シートは、漂砂や波浪などの比較的穏やかな作用に対して効果を得ることが主流となっていて、中詰め材である割り栗石やコンクリート破砕片等の鋭いエッジに対し、その耐久性の向上を図っているとは言い難い面がある。
このように、土木用袋材等に使用されてきた従来の繊維製ネットには、切れや擦れに対する耐久性の問題、そして目詰まりを起こさず一定の通水性を有することと、小さな中詰め材の抜け落ちを防止するといった、相反する課題等の解決すべき問題があった。
本発明は、以上のような諸事情を背景になされたものである。
すなわち、本発明の目的は、割り栗石やコンクリート破砕片等から受ける切れや擦れ等に対する耐久性を有し、目詰まりが起きず、通水性があり、しかも小さな中詰め材等の抜け落ちを防止できる経編ネット地と、これを用いた土木用袋材とを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、鋭意、研究した結果、目詰まり防止と通水性を得るための適宜な大きさの穴目を有する地組織部と、該地組織部に編み込まれるパイルを有するパイル組織部とで形成することにより、割り栗石やコンクリート破砕片等と地組織部間にパイルを介在させて高い耐久性を得ると共に、パイルが重なり合って穴目をカバーして小さな中詰め材等の抜け落ちの防止をも可能とした経編ネット地と、これを用いた土木用袋材を提供する。
即ち、本発明は、(1)、穴目を有する地組織部と該地組織部に編み込まれる、パイルを有するパイル組織部とで一体に形成される経編ネット地であって、パイルが、経編ネット地の表裏のいずれか一方に形成されていると共に地組織部面に対して方向性を持って傾斜している、耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(2)、パイル組織部が鎖編組織で形成され、該鎖編組織のシンカーループがループパイルを形成している上記(1)記載の耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(3)、鎖編組織が開き目であり、ループパイルが鎖編組織の1コース毎に左右交互の位置に形成されている上記(2)記載の耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(4)、パイルがループパイルをカットしたカットパイルである上記(1)記載の耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(5)、パイルが、30dtex〜3000dtexの合成繊維モノフィラメントで形成されている上記(1)記載の耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(6)、パイルが、30dtex〜3000dtexの合成繊維モノフィラメントを2本〜10本を合わせた合糸で形成されている上記(1)記載の耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(7)パイルが、経編ネット地の表裏の両方に形成されている上記(1)記載の耐久性を有する経編ネット地に存する。
即ち、本発明は、(8)、穴目を有する地組織部と、該地組織部に編み込まれるパイルを有するパイル組織部とで一体に形成され、パイルが、表裏、又はそのいずれか一方に形成されていると共に地組織部面に対して方向性を持って傾斜している経編ネット地を袋状に形成し、中に中詰め材を充填可能にした土木用袋材に存する。
本発明の経編ネット地は、穴目を有する地組織部と、該地組織部に編み込まれるパイルを有するパイル組織部とで一体に形成されているので、該経編ネット地を、例えば土木用袋材等に使用した際、中詰め材や漂流物等に摩擦や衝撃を受けても中詰め材と地組織部の間にパイルが介在し、摩擦や衝撃はパイル組織部のみにとどまり、切れや擦れ等の損傷を地組織部が直接受けることがなく大きな耐久性が得られる。
そして、本発明の経編ネット地は、該経編ネット地の表裏のいずれか一方に形成されているパイルが、地組織部面に対して方向性を持って傾斜して形成されているので、これが割り栗石やコンクリート破砕片等により押圧された際、パイル同士がそのまま整然と重なり合って地組織部をカバー保護し、割り栗石等がパイルをかき分けて地組織部に到達することがないので、少ないパイル密度で経編ネット地の高い耐久性を得ることができる。
ここで、パイルが経編ネット地の表裏の両方に形成されていると、このような効果が更に倍増することとなる。
しかも、経編ネット地が圧を受けた場合には、表裏のパイルが絡み合うことによって、引っ張り強度も大きく増加する。
そして、本発明の経編ネット地に用いられる鎖編組織が開き目の鎖編組織で、ループパイルが鎖編組織の1コース毎に右側、左側と左右交互に位置を変えて形成されている場合には、ループパイルの先端も右左右左と交互に振られることとなり、これが押圧された際には、満遍なくより均一に地組織部の穴目をカバーするので、穴目から粒径の小さな中詰め材等の抜け落ちを防止できる利点がある。
そして、本発明の経編ネット地は、地組織部が穴目を有していて、しかもパイル組織部のパイルが押圧されて穴目を適度にカバーするので、これを土木用袋材等に使用した場合には、目詰まりの防止と中詰め材等の抜け落ちの防止を両立させることができる。
そして、本発明の経編ネット地のパイルが、ループパイルをカットしたカットパイルである場合には、ループパイルと比較して、その先端が開放されているので、漂流物等が掛かることが少なくなり目詰まりの防止に、より効果が得られる。
そして、本発明の耐久性を有する経編ネット地のパイルが、30dtex〜3000dtexの合成繊維モノフィラメントで形成されている場合には、適度な剛性と弾性が得られて、外部要因からの摩擦、衝撃に耐え得る強さと、元の形状への強い復元力が発揮され、緩衝作用がより働く。
また、パイルが、30dtex〜3000dtexの合成繊維モノフィラメントを数本合わせて合糸とした場合には、上記の強さと復元力を維持すると共に、パイル密度が適度に上がり、中詰め材に含まれる小さな粒径の割り栗石等の抜け落ちの防止により効果がある。
そして、本発明の経編ネット地を使用して土木用袋材を形成した場合、適度な柔軟性と強度を有するので中詰め材も充填し易く土木用袋材同士や敷設箇所に良く馴染み護岸機能を発揮する。
そして、パイルが緩衝材となって、中詰め材等による切れや擦れに対し高い耐久性を発揮する。また、適宜寸法の穴目を有しているので、目詰まりがなく良好な通水性が維持され、内部への生物等の出入りが可能となり、生物環境に良い利点がある。
更に、パイルが重なり合って小さな中詰め材の抜け落ちを防止でき、土木用袋材の敷設時や撤去後の環境悪化をもたらさない利点がある。
図1は、ピンバー付きラッシェル機Mの概要説明図(一部省略)である。 図2は、経編ネット地Kの組織図である。 図3は、経編ネット地Kの地組織部1の組織図である。 図4は、鎖編組織CのシンカーループSを引き出し、ループパイルLPを形成する実体説明図である。 図5は、パイル組織部2の模式図(一部省略)である。 図6は、菱形の穴目Hを有する地組織部1に形成されたループパイルLPの模式図である。 図7は、経編ネット地Kの表裏にループパイルLPが形成された側面模式図である。 図8は、土木用袋材Gを敷設した模式図(一部省略、一部断面図)である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
(第1の実施の形態)
本実施の形態における経編ネット地Kは、図1の概要説明図(一部省略)に示すピンバー付きラッシェル機M(9ゲージ)によって編成される。
ピンバーPBには、パイル形成のためのピンPが配列されていて、このピンPに編成糸Y1を掛けてループパイルLPを形成する。
ここで、9ゲージとは、1インチ間に存在する編針Nの本数を言う。
図2の組織図に示される本経編ネット地Kは、オサL2、L3、L4、L5の4枚のオサにより形成される、穴目11を有し、挿入組織部13を伴っている地組織部1と、パイル組織部2とで構成される。
理解を容易にするために、図3に、地組織部1のみの組織図を示す。
この地組織部1に、鎖編組織のパイル組織部2が編み込まれていて経編ネット地Kが形成されている。
図2の組織図において、地組織部1は、オサL4(2−2/0−0/2−2/1−1/2−2/1−1/2−2/1−1/3−3/1−1/2−2/1−1/2−2/1−1/2−2)とオサL5(1−1/3−3/1−1/2−2/1−1/2−2/1−1/2−2/0−0/2−2/1−1/2−2/1−1/2−2)の挿入組織部13と、オサL2(1−2/1−0/1−2/2−1/1−2/2−1/1−2/2−1/2−3/2−1/1−2/2−1/1−2/2−1)とオサL3(2−1/2−3/2−1/1−2/2−1/1−2/2−1/1−2/1−0/1−2/2−1/1−2/2−1/1−2)の地編部12とで形成され、穴目11を有する。穴目11は編地を拡げると図6の実体模式図に示すように菱形の穴目Hとなる。
そして、図2の組織図において、地組織部1にパイル組織部2が編み込まれている。
パイル組織部2は、オサL1(0−1/1−0)で形成される開き目の鎖編組織Cである。
図1の概要説明図に示すように、編成時にピンバーPBのピンPにオサL1により編成糸Y1を掛ける。
ピンPに掛けた部分は、図4の実体説明図に示すように鎖編組織CのシンカーループSであり、このシンカーループSを引き出すことによりループパイルLPが形成される。
その結果、ループパイルLPは、図5の模式図に示すように、鎖編組織Cの1コース毎に右側R、左側L、右側R、左側Lと左右交互に位置を変えて形成される。
そして、ループパイルLPは、図4の実体説明図並びに図7の側面模式図に示すように、シンカーループSが引き出されて形成される編成原理上、引き出されたループパイルLPは、編成糸Y1が有する弾性により直線状に戻ろうとする復元力が働き、その結果、下方に方向性を持って傾斜した状態となる。
こうして得られた経編ネット地Kが、ループパイルLPを内側にして土木用袋材Gとして使用された場合には、中詰め材G1がループパイルLPを押圧することとなるが、ループパイルLPは上記のように方向性を持って傾斜しているので、整然と倒れて経編ネット地Kの面を確実にカバー保護することとなる。
図6の模式図(一部省略)に示すように、ループパイルLP同士が互いに重なり合い、穴目Hを覆うことで、中詰め材G1に含まれる小さな粒径の中詰め材G1が外部に落下、流出することを防ぐことができる。
比較例として、パイルが基地材の表面に略垂直に立って形成されているパイル織物のような場合には、割り栗石やコンクリート破砕片等の損傷要因物がパイルをかき分けて基地材の表面に到達する確立が高くなり、シート材の損傷を招く。これらの現象を防ぐためには高いパイル密度が必要となり、形状的にも厚く重くなる。
これに対して、本発明の経編ネット地Kでは、ループパイルLPの密度は高くないが、ループパイルLPが最初から傾斜しているのでループパイルLPをかき分けて損傷要因物が経編ネット地Kの面に到達する危険性は極めて少なくなる。
使用素材については、ループパイルLPを形成する編成糸Y1にポリエステルモノフィラメント糸(560dtex)を使用している。
モノフィラメント糸とすることで、高い弾性と1本1本の強度が得られる。
編成糸Y1として、ポリエステルモノフィラメント糸(560dtex)を複数本合わせた合糸を採用することも可能である。
合糸を用いることで、ループパイル密度が上がり、ループパイルLP同士の絡みや重なりがより生じて、これを土木用袋材Gに使用した際には小さな中詰め材G1の抜け落ち防止に一段と効果ある。
落石防止用ネットに使用した際においても小さな落石を受け止める効果が得られる。
また、これを防獣用ネットとして使用した場合は、対象となる動物が噛んだり踏み込んだ際に充分な強度を発揮することに加えてループパイルLPが絡みつき、防獣用ネットへの嫌悪感が増し、更なる防獣効果が得られる利点がある。
そして、オサL2、L3に通糸して地編部12を形成する編成糸Y2、Y3には、ポリエステルマルチフィラメント糸(1670dtex)を用い、オサL4、L5に通糸して挿入組織部13を形成する編成糸Y4、Y5には、ポリエステルマルチフィラメント糸(1670dtex)を用いている。
(第2の実施の形態)
本実施の形態(図示しない)では、経編ネット地Kを第1の実施の形態で示したものと同様に形成し、ループパイルLPの先端をカットしてカットパイルを得る。
カットについては、上記説明したと同様のピンバー付きラッシェル機Mで編成する際、ピンPの根本に切断刃を設けて、ピンPに掛けられたシンカーループSを編成過程でその先端をカットする。
ループパイルLPをカットし、これを土木用袋材Gに用いれば、漂流物等がループパイルLPに比較して掛かり難くなり、通水性が良くなる。
小さな粒径の中詰め材G1の抜け落ちについては、ループパイルLPの方が掛かりやすく、効果がある。両者の選択は、使用目的や環境によって使い分けることができる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態における経編ネット地Kは、図7の側面模式図に示すように、経編ネット地Kの表F、裏Bの両面にループパイルLP1、LPが形成されている。
ここに言う編地の表F、裏Bについては、表Fとはテクニカルフェース側を指し、裏Bとはテクニカルバック側を言う。
よって、第1の実施の形態ではループパイルLPは、経編ネット地Kの裏B側に形成されていることとなる。
裏B側のループパイルLPの形成については先に説明したとおりであるが、表F側のループパイルLP1の形成についても、図1に示す第1の実施の形態と同様のピンバー付きラッシェル機Mを用いて編成する。
よって、表F側に出るループパイルLP1もピンPに掛けて形成することとなり、表F側に出るべきループパイルLP1は、裏B側のループパイルLPと同様、編成時において、一端、経編ネット地Kの裏B側に形成される。
本編成については、公知技術であるので図示をしない。
裏B側のループパイルLPの形成と異なるところは、表F側のループパイルLP1は編成時に、編機上で、表F側に配した抜き糸を跨るようにピンPに掛けるので、一端裏側に形成されたループパイルLPは編成後に抜き糸を表F側に引くことにより表F側に引き出されてループパイルLP1となる。
本実施の形態では、以上のように表F、裏Bの両面にループパイルLP1、LPを有する経編ネット地Kを得ている。
こうして得られた両面にループパイルLP1、LPを有する経編ネット地Kは、第1の実施の形態で示した経編ネット地Kに比べて更に機能性が付与される。
特に、これを土木用袋材Gとして用いた場合は、内側の中詰め材G1のみならず、外側からの漂流物や土木用袋材同士の摩擦、衝撃にも強い特性を有することとなる。
経編ネット地Kの表裏にパイルを形成することについては、裏のみ、表のみ、表裏両面の選択が自在であり、使用目的や使用環境に応じた選択が可能である。
(第4の実施の形態)
本実施の形態では、経編ネット地Kを用いて形成された土木用袋材Gについて、図8(一部省略、一部に断面図、一部の拡大図)に示すようにその敷設等を含めて説明する。
本実施の形態で用いる経編ネット地Kは、第1の実施の形態で示したものと同様のものを使用し、編地の裏B側にループパイルLPが形成されている経編ネット地Kを内側して土木用袋材Gを形成している。
土木用袋材Gは中詰めG材1を充填した後、敷設箇所に配列敷設される。
本土木用袋材Gは、適度な柔軟性と強度を有するので敷設が容易で、敷設後は土木用袋材同士や敷設箇所に良く馴染み、護岸機能を充分発揮する。敷設時、敷設後においてループパイルLPが緩衝材となって、中詰め材G1による切れや擦れに対し高い耐久性を発揮する。
また、敷設後は、穴目Hの存在により、目詰まりがなく良好な通水性が維持されて良い生物環境を提供する。
更に、ループパイルLPが重なり合って小さな中詰め材G1の抜け落ちを防止でき、土木用袋材の敷設時や撤去後に小さな中詰め材が散乱して環境悪化をもたらすことがない。
以上、本発明をその実施の形態を例に説明したが、本発明は必要に応じて多様な変化例が可能である。例えば、地組織部1の組織についても、他の補強用組織を付加的に採用するなど本実施の形態の組織に限らないし、穴目Hについても菱形の穴目Hに限らず、六角形等、いかなる形状の穴目でも良い。
パイル組織部2の組織についても鎖編組織Cによるパイル形成に限らず、他の組織を採用することも当然可能である。
そして、ループパイルLP1、LPの形成についても1コースに1個に限らず、例えば、2コースに1個等のようにその数、間隔を限定するものではない。
更に、経編ネット地Kの両面にパイルを有する場合、両方、或いはそのいずれか一方を選択的にカットすることも当然可能である。
また、経編ネット地Kを使用目的に応じて2枚合わせとして用いること等も可能である。
更に、合糸について、異素材同士や異なる太さのもの同士であっても当然良い。
本発明の経編ネット地Kは、目詰まりもなく耐久性等があるところから、その特性を発揮できる分野での有用性が高い。
例えば土木用袋材、落石防止用ネット、防獣用経編ネット等に使用される他、土壌改質や法面の補強材等の土木用資材、防風用ネット等の農業用資材、魚介類や海苔などの養殖用ネット、更には浄化用フィルター等の水処理資材等、極めて多方面に利用可能である。
1・・・地組織部
11・・・穴目
12・・・地編部
13・・・挿入組織部
2・・パイル組織部
A・・・引く方向を示す矢印交
B・・・編地の裏
C・・・鎖編組織
F・・・編地の表
G・・・土木用袋材
G1・・・中詰め材
H・・・菱形の穴目
J・・・抜き糸
K・・・経編ネット地
L1〜L5・・・オサ
LP・・・裏側に出るループパイル
LP1・・・表側に出るループパイル
M・・・ピンバー付きラッシェル機
N・・・編針
P・・・ピン
PB・・・ピンバー
R・・・右
L・・・左
Y、Y1〜Y5・・・編成糸
S・・・シンカーループ

Claims (8)

  1. 穴目を有する地組織部と、該地組織部に編み込まれる、パイルを有するパイル組織部とで一体に形成される経編ネット地であって、パイルが前記経編ネット地の表裏のいずれか一方に形成されていると共に地組織部面に対して方向性を持って傾斜していることを特徴とする耐久性を有する経編ネット地。
  2. パイル組織部が鎖編組織で形成され、該鎖編組織のシンカーループがループパイルを形成していることを特徴とする請求項1記載の耐久性を有する経編ネット地。
  3. 鎖編組織が開き目であり、ループパイルが鎖編組織の1コース毎に左右交互の位置に形成されていることを特徴とする請求項2記載の耐久性を有する経編ネット地。
  4. パイルがループパイルをカットしたカットパイルであることを特徴とする請求項1記載の耐久性を有する経編ネット地。
  5. パイルが、30dtex〜3000dtexの合成繊維モノフィラメントで形成されていることを特徴とする請求項1記載の耐久性を有する経編ネット地。
  6. パイルが、30dtex〜3000dtexの合成繊維モノフィラメントを2本〜10本を合わせた合糸で形成されていることを特徴とする請求項1記載の耐久性を有する経編ネット地。
  7. パイルが前記経編ネット地の表裏の両方に形成されていることを特徴とする請求項1記載の耐久性を有する経編ネット地。
  8. 穴目を有する地組織部と、該地組織部に編み込まれるパイルを有するパイル組織部とで一体に形成され、パイルが表裏、又はそのいずれか一方に形成されていると共に地組織部面に対して方向性を持って傾斜している経編ネット地を袋状に形成し、中に中詰め材を充填可能にしたことを特徴とする土木用袋材。
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