JP3972874B2 - Frpコンクリート防食パネル及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート製の躯体や建築物の補修、再生、防水、または防食用パネル等の用途に適した、永久型枠タイプ又は被覆防食タイプの繊維強化熱可塑性樹脂(FRPと略称する)製のコンクリート防食パネル(FRPコンクリート防食パネルという)及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】
実開平6−32028号公報
【特許文献2】
特開平11−324109号公報
【特許文献3】
特開平7−276539号公報
従来より、コンクリート躯体の浸水・侵食防止のために、防水、防食用の防水パネルをコンクリート表面にコンクリートと一体化させて取り付けることが知られており、また、その防食パネルを永久型枠として用いることも知られている。この種の防水パネルには、軽量で薄いにも係わらず高い剛性を有し、且つコンクリートに対する接着性に優れ、しかも安価に製造できるという特性が要求されており、これらの特性を得るための種々な提案がされている。例えば、実開平6−32028号公報(特許文献1)には、繊維強化熱可塑性樹脂(FRP)上に立体編物を載せて一体化成形し、立体編物によりコンクリートに対するアンカー効果を持たせたコンクリート用防食板が提案されている。また、特開平11−324109号公報(特許文献2)には、軽量化のためにプラスチックスバルーンや炭酸カルシウムを充填したタイプのFRPを使った表面被覆型枠が提案されている。更に、特開平7−276539号公報(特許文献3)には、FRPの上にコアマット(商品名、オランダのランター社製)と言われる樹脂含浸不織布マット等とマイクロバルーンを含むハニカム構造の樹脂液不浸透性不織布マットからなるものを付着させたコンクリート用の仮設パネルが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これらにはいずれも問題点があった。すなわち、特許文献1に示す防食板は、コンクリート打込み時に立体編物が潰れ易く、また、コンクリート配合によっては立体編物に当たって詰まり、コンクリートの進入を妨げて、そこに空隙を生じてしまうといった欠点があった。また、特許文献2に示す表面被覆型枠は、使用する資材が高価であるのみならず、コンクリートの一体性に問題を生ずる場合があり、又、パッチ式でパネルを製造するためコスト高になるという欠点があった。また、特許文献3に示す仮設パネルは、仮設パネルとしては有効であるが剛性に欠け、永久型枠としては使えない。
【0004】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、コンクリートに対して強固に接着することができ、且つ永久型枠としても使用可能な剛性を備え、軽量で且つ薄く、安価に製造可能なFRPコンクリート防食パネル並びにその製造方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る本発明のFRPコンクリート防食パネルは、上記課題を解決するため、シート状の基材と、その基材の一方の面に接合されたポリマーセメント層と、前記基材の他方の面に接合された繊維強化熱可塑性樹脂層(FRP層)を備えた構成とし、更に、前記したシート状の基材を、シート状材料に繊維をニードルパンチして、繊維が前記シート状材料を貫通して前記シート状材料の両面に存在するように取り付けた不織布状のものとしたものである。このように基材の両面にポリマーセメント層とFRP層を積層する構成としたことで、ポリマーセメント層とFRP層が基材を介して強固に一体化した防食パネルを形成でき、FRP層は、防食パネルに優れた防水性、防食性を付与すると共に、軽量で現場作業性を向上させ得るにも係わらず大きい剛性(強度特性)を付与することができ、ポリマーセメント層は、対セメント親和性により防食パネルにコンクリートに対する優れた一体化特性を付与する。かくして本発明の防食パネルは、コンクリートに対して良好に一体化することができ、長期間に渡って優れた防水、防食効果を発揮することができ、また、永久型枠として使用することにより、コンクリート打設作業の簡略化にも貢献できる。
【0006】
更に、前記したシート状の基材を、シート状材料に繊維をニードルパンチして、繊維が前記シート状材料を貫通して前記シート状材料の両面に存在するように取り付けた不織布状のものとしているので、繊維がポリマーセメント層やFRP層に対するアンカー効果を発揮し、ポリマーセメント層とFRP層の基材を介した接合強度をきわめて大きくでき、しかも、同じ繊維にポリマーセメント層とFRP層が固定された形態となることから、繊維がシート状材料から抜けたり剥がれたりすることがなく、この点からもポリマーセメント層とFRP層の基材を介した接合強度を大きくできるといった利点が得られる。
【0007】
ここで、前記基材の一方の面に接合された前記ポリマーセメント層の表面から、前記基材にニードルパンチして取り付けられた繊維の一部が露出した構成とすることが好ましい。このように繊維をポリマーセメント層の表面に露出させておくと、その繊維がポリマーセメント層の表面に接合するコンクリートに対してアンカー作用を果たし、接合強度を一層高めることができるといった利点が得られる。
【0008】
請求項に係る本発明のFRPコンクリート防食パネルの製造方法は、予め、長尺のシート状の基材の一方の面にポリマーセメントを塗布し硬化させてポリマーセメント層を形成した長尺の前段積層材を用意しておき、走行中の第一のキャリアフィルム上に、熱硬化性樹脂液と強化繊維を供給し、その強化繊維に熱硬化性樹脂液を含浸させて強化繊維混合熱硬化性樹脂液層を形成し、その上に前記した前段積層材を、基材側を向けて載置し、その上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後、前記熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて一体成形することを特徴とする、この方法により連続式で、上記した本発明に係るFRPコンクリート防食パネルを製造できる。
【0009】
上記した連続式での製造方法において、前記前段積層材を、前記第一のキャリアフィルム上の強化繊維混合熱硬化性樹脂液層の上に載置する前に、前記前段積層材の、前記基材側の表面に低収縮性樹脂を塗布することが好ましい。この構成とすると、熱硬化性樹脂液が基材中に含浸され過ぎることを防止すると共に加熱硬化時の収縮を抑制して反りの発生を抑制できる利点が得られる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して本発明のFRPコンクリート防食パネル及びその製造方法の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の基本的な実施形態に係るFRPコンクリート防食パネル1の断面を拡大して概略的に示すものである。防食パネル1は、シート状の基材2と、その基材2の一方の面に接合されたポリマーセメント層3と、前記基材2の他方の面に接合された繊維強化熱可塑性樹脂層(FRP層)4を備えた積層構造のものである。以下、各層を詳細に説明する。
【0012】
基材2:基材2はポリマーセメント層3を担持してFRP層4に接合させるために使用されるものであり、ポリマーセメント層3を担持するのに必要な強度を備えると共にポリマーセメント層3及びFRP層4と良好に一体化することのできる特性を備えたものが使用される。基材2にはその片面に液状のポリマーセメントを塗布してポリマーセメント層3を形成し、その後に反対側の面にFRP層4を形成するが、片面に液状のポリマーセメントを塗布した際にそのポリマーセメントが基材の反対側の表面にまで浸透してしまうと、FRP層の接合強度が低下する恐れがある。そこで、基材2はその片面に液状のポリマーセメントを塗布した際にそのポリマーセメントが基材の反対側の表面にまで染み出すことがほとんどなく、厚み方向のほぼ中央程度で浸透が止まるような特性のものとすることが好ましい。基材2としては、不織布、スパンボンド、織布、紙、シート、フィルム等を例示でき、特に、ポリマーセメントやFRP(接着剤を介してFRPを接合する場合にはその接着剤)が入り込んで機械的な結合が得られるよう多くの微小な空隙を備えた構造のものが好ましい。また、これらの不織布、スパンボンド、織布、紙、シート、フィルム等は単体で用いる場合に限らず、適宜組み合わせて積層した形態で基材2として用いても良い。更には、基材2として、図2に示すように、不織布、スパンボンド、織布、紙、シート、フィルム等からなるシート状材料6に、繊維7(短繊維或いは長繊維のいずれでもよい)をニードルパンチしてそのシート状材料6の両面に繊維7が存在するように取り付けた不織布状の基材2Aを用いることもできる。この構成の基材2Aを用いると、シート状材料6の両面に繊維7が立体的な形態(多くの微小な空隙を備えた形態)で存在するため、図3に示すようにこの基材2Aを用いて防食パネル1を作成した場合、ポリマーセメント層3及びFRP層4に対する接合強度を大きくできる。すなわち、基材2Aの一方の面にポリマーセメントを塗布して一体化した際に、ポリマーセメントが繊維7間の空隙に進入し、換言すれば繊維7がポリマーセメント層3の中に入り込んだ状態となってアンカー効果を発揮することとなり、ポリマーセメント層に対する接合強度を大きくできる。また、その基材2Aの他方の面にFRP層4を形成するには後述するように、基材2AにFRP板を接着剤を用いて接合する方法、或いは、基材2Aを強化繊維混合熱硬化性樹脂液層に積層し、その熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて一体化成形する方法を採るが、接着剤を用いてFRP板を接合した場合には接着剤層内に繊維7が存在することで接着剤層の基材2Aに対する接着強度が大きくなり、結果的にFRP層に対する接合強度が大きくなり、また、一体化成形する場合においては繊維7に熱硬化性樹脂液が含浸して一体化するため、FRP層内に繊維7が存在してアンカー効果を発揮し、FRP層に対する接合強度が大きくなる。しかも、シート状材料6の両側に存在する繊維7はシート状材料6を貫通しているものが多いので、同じ繊維7にポリマーセメント層3とFRP層4が固定された形態となり、このため、繊維7がシート状材料6から剥がれるということがなく、この点からもポリマーセメント層3とFRP層4の基材2Aを介した接合強度を大きくできる。
【0013】
基材2、2Aに用いる不織布、スパンボンド、織布等の材料としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ビニールエステル繊維などの耐アルカリ性を備えた材料を例示でき、なかでも、ポリアミド繊維、ポリエステル繊維が、ポリマーセメント層やFRP層に対する親和性、強度、耐久性、コスト等の面から好適である。また、基材2、2Aに用いるシート、フィルム等の材料としても、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、アクリルなどの耐アルカリ性を備えた樹脂を例示できる。基材2Aに用いる繊維7の材料としては、ポリエステル繊維、ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維、アクリル繊維、ビニールエステル繊維などの耐アルカリ性を備えた材料を例示でき、特にビニールエステル繊維が好ましい。繊維7の長さ及び太さはニードルパンチ加工によりシート状材料6に取り付けることができると共にその両面に適度な剛性をもって立体的な形態を採りうるように定めれば良く、具体的には、長さは30mm程度以上であれば、長繊維、短繊維のいずれでもよく、また、太さは10〜300デニール程度とすることが好ましい。基材2、2Aの目付け量は、必要な強度及びポリマーセメント層及びFRP層に対する必要な接合強度が確保できるように定めるものであり、例えば、基材2を不織布単体で形成する場合は、80〜200g/m2 程度が好ましく、スパンボンド単体で形成する場合は、20〜50g/m2 程度が好ましい。また、基材2Aにおいて、シート状材料6をスパンボンドで形成する場合、その目付け量は20〜50g/m2 程度が好ましく、それにニードルパンチして取り付ける繊維7の目付け量は50〜200g/m2 程度が好ましい。
【0014】
ポリマーセメント層3:このポリマーセメント層3は、コンクリート、セメント、モルタル等に対して良好な接着性を発揮するように設けられるものであり、基材2の片面にポリマーセメントを塗布し乾燥させることにより形成される。ここで、基材に塗布するポリマーセメントは、セメントと耐アルカリ性のポリマー液を混合したものであり、そのポリマー液としては、ポリアクリル酸エステル共重合体エマルジョンを代表的なものとして例示できる。またこの他にも、エチレン酢酸ビニル共重合体エマルジョン、SBRエマルジョン等を用いても良い。ポリマーセメント層3におけるセメントとポリマーの比は、セメント1に対してポリマー0.2〜0.5程度とすることが好ましく、0.3程度とすることが最も好ましい。セメントの比率をあまり高くすると、塗布する際に流動性が不足して塗布が困難となると共に硬くなりすぎて、基材にポリマーセメンとを塗布して形成したシートの巻取が困難となり、一方、ポリマーの比率を高くするとコスト高となるので、前記のように定めるのが好ましい。ポリマーセメント層3内には必要に応じ、適当な骨材や充填材、例えば、炭酸カルシウム、珪砂、バルーン等を混入しておいてもよい。基材2の片面に塗布するポリマーセメント層3の厚さとしては、0.5〜3.0mm程度が好ましい。なお、ポリマーセメントを基材2に塗布するに当たっては、ポリマーセメントが基材2の裏側にまで浸透しないように、好ましくは基材の厚み方向のほぼ中央で浸透が止まるように、粘度、温度等の塗布条件を定めておくことが好ましい。図2に示す構成の基材2Aを用いてその表面にポリマーセメント層を形成する場合、図5(b)に示すように、その基材2Aの片面に形成したポリマーセメント層3の表面から繊維7が露出するように、ポリマーセメント層3の厚さ及び/又は繊維7の突出高さを定めてもよいし、繊維7がポリマーセメント層3内に完全に埋もれるようにしてもよい。繊維7をポリマーセメント層3の表面に露出させておくと、その繊維がポリマーセメント層3の表面に接合するコンクリートに対してアンカー作用を果たし、接合強度を高めることができる。なお、防食パネル1の製造に当たっては、通常、図5(a)、(b)に示すように、基材2、2Aにポリマーセメント層3を接合した構成の前段積層材20を作成しておき、その前段積層材20の基材側表面にFRP層を形成する。このため前記した前段積層材20を製造して保管することが多いので、ロール状に巻き取って保管できるようにすることが好ましく、従って、ポリマーセメント層3の厚さやセメントとポリマーの比の選定に当たっては、前段積層材20が、ロール状に巻き取ることができる程度のやわらかさは備えるように選定することが好ましい。
【0015】
FRP層4:このFRP層4は防食パネル1に対して必要な剛性、強度、防水性、防食性等を付与するためのものである。FRP層4に用いる熱硬化性樹脂は、基材2との密着性や、硬化した時の樹脂の剛性、靱性、成形性、及びコスト等の諸条件を考慮して選定するが、安価な点で最も良く使われるものとして、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール(又はフェノールフォルマリン)樹脂、尿素ホルマリン樹脂がある。他の素材としては、エポキシ樹脂、ビニルエステル樹脂、及びウレタン樹脂、アクリルウレタン樹脂、アクリル系樹脂等を挙げることができる。必要に応じて樹脂中に適当なフィラーや着色剤を混入させてもよい。また、樹脂中に軽量性の機能を付与するために、中空バルーン等の軽量化材を、場合によっては、不燃性を付与するために水酸化アルミニウム等の難燃化剤を混入することも可能である。FRP層4に用いる強化繊維としては、ガラス繊維、炭素繊維、水酸化アルミニウム繊維等の無機繊維、ビニロン繊維、ポリエステル繊維またはアラミド繊維等の有機繊維を用いることができるが、特にガラス繊維は強度が大きいので好まれる。これらの繊維の形態としては、織布、不織布、マット又は組布等を挙げることができる。不織布やマットを構成する繊維の長さも、短繊維、長繊維のいずれでもよい。形態は、通常はチョップドストランド(長さは自由)が用いられるが、これに限定されるものではない。FRP層4における強化繊維の含有率は、必要な強度、生産性等を考慮して適宜定めれば良く、通常25〜60重量%程度に定められる。また、FRP層4の厚さは、防食パネルに要求される強度、防食性等に応じて定めれば良く、例えば、防食パネルを、コンクリート管内面などの、あまり過酷でない条件下で使用する場合には、2〜3mm程度に、護岸のように過酷な条件下で使用する場合には、防食パネルに大きい剛性が必要とされるので、硬くて曲がり難くするために3〜10mm程度に選定することが好ましい。
【0016】
FRP層4の形成には二つの方法を採りえる。一つは、基材2、2AにFRP板を接着剤を用いて接合する方法であり、他の一つは、基材2、2Aを強化繊維混合熱硬化性樹脂液層に積層し、その熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて一体化成形する方法である。このうち、後者の方法では基材2、2Aに熱硬化性樹脂液が含浸して一体化するため、より大きい接合強度が得られる。
【0017】
防食パネル1の形状は、通常は平坦であるが、使用場所に応じて、適宜湾曲させた形状としても良い。例えば、コンクリート管内面に取り付ける場合には、そのコンクリート管内面の湾曲に一致した形状としておけばよい。
【0018】
次に、上記構成の防食パネル1の使用方法を説明する。この防食パネル1を永久型枠として使用する場合には、この防食パネル1をコンクリートを打設するための型枠として、ポリマーセメント層3がコンクリート側となるよにう設置し、その型枠内にコンクリートを流し込み、固化させる。これにより、図4に示すように、形成されたコンクリート躯体9の表面に防食パネル1が接合するので、防食パネル1をそのままコンクリート躯対9の表面に残し、防食被覆とする。ここで、ポリマーセメント層3はコンクリートに対する親和性に優れているので、防食パネル1はコンクリート躯体9に対してきわめて強固に接合しており、このため長期間に渡って剥がれることがない。また、表面側には剛性、防水性、防食性に優れたFRP層4があるため、長期間に渡って、剛性、防水性、防食性に優れた防食被覆として使用できる。
【0019】
また、この防食パネル1は永久型枠として使用する場合に限らず、単にコンクリート表面の防食被覆として使用することもできる。その場合には、コンクリート打設用の型枠を設置し、その型枠内に防食パネル1をセットし、その後コンクリートを流し込んで固化させ、その後、型枠のみを外せばよい。これによってもコンクリート躯体の表面に防食パネル1を強固に接合させ、防食被覆を形成できる。なお、防食パネル1を永久型枠として使用せず、単にコンクリート表面の防食被覆として使用する場合にも、防食パネル1の形状を形成しようとするコンクリートの表面に対応した形状としておけばよいが、その防食パネル1の厚さが薄く、容易に変形させることができる場合には、必ずしもコンクリート表面形状に合わせる必要はなく、単に平坦な形状としておけばよい。この平坦な形状の防食パネル1をコンクリート管内面のような湾曲面に取り付けるに当たって、型枠の湾曲した内面に沿うように、防食パネルを湾曲させてセットし、その上にコンクリートを流し込むことによって、コンクリートの湾曲した面に防食パネル1を取り付けることができる。
【0020】
次に、上記構成のFRPコンクリート防食パネル1の製造方法を説明する。本願において提供する製造方法には、大別して二つの方法、すなわち、加圧接着法(製法A)と連続成形法(製法B)の二つがある。以下それぞれを説明する。
【0021】
(製法A)加圧接着法
この方法は、あらかじめ作成したFRP板を基材に対して接着剤を用いて加圧接着することでFRP層4を形成する方法である。
この方法の実施に当たっては、まず、シート状の基材2を用意し、その基材2の一方の面にポリマーセメントを塗布し硬化させてポリマーセメント層4を形成し、図5(a)に示すように、基材2とポリマーセメント層4を一体構造とした前段積層材20を作成する。なお、基材2として図2に示す基材2Aを用いる場合には、図5(b)に示すようにその基材2Aにポリマーセメント層3を一体化した前段積層材20を作成する。前段積層材20は、製造しようとする防食パネル1にほぼ等しい大きさのものでもよいが、それよりもはるかに長尺のものを作成し、所望の長さに切断して使用する方法を採ることが作業効率が良いので好ましい。長尺の前段積層材20を作成した場合には、ロール状に巻き取っておくことが取り扱いやすいので好ましい。また、前段積層材20の作成と並行して、形成しようとするFRP層4の厚さに等しい厚さのFRP板を準備する。FRP板の大きさは製造しようとする防食パネル1の大きさにほぼ等しく設定しておくものであり、例えば、幅1000mm、長さ1800〜2000mm程度としておく。
【0022】
次に、FRP板の表面及び/又は前段積層材20の基材2側の表面に、FRP板と基材2の接着のための接着剤を塗布する。この塗布には任意の方法を採りうるが、一つの方法として図6(a)に示すロールコータ21を用いてFRP板25に塗布する方法を例示できる。このロールコータ21は、上2個、下2個のそれぞれ反対向きに回転するローラ23、24を備えており、FRP板25の厚さに応じて上下のローラ間を適当なクリアランスを設定できるようになっている。このロールコータ21では、上部の2個のローラ23の間に接着剤26をセットしておくことで、ローラ23の回転で接着剤をローラ表面に付着させ、上下のローラ23、24の間を、ローラの回転によって送られるFRP板25の上部ローラ23側と接触する面にのみ接着剤26を塗布することができる。この際、上側のローラ23間のクリアランスを調整することで、FRP板25表面に対する接着剤の塗布量を所望の値に設定することができ、FRP板25の表面に所望量の接着剤を均等に塗布できる。なお、ロールコータ21に通すFRP板25の表面は、アセトン等で、ほこりやごみ等を予め落としておくことが好ましい。また、図5(b)に示す形態の前段積層材20を用いる場合で且つ基材2Aの表面の繊維7が嵩張りすぎている場合には、前段積層材20の基材2A側の表面をプレス或いは加圧ローラ等で加圧加工処理して繊維7の膨らみを抑えておいてもよい。この加圧加工処理を施しておくと、繊維7間の空隙が小さくなって、接着剤の基材2A表面への含浸速度を早くできる。
【0023】
ここで用いる接着剤は、基材2とFRP板25との間の塗工適正、及び作業性を主眼に選定すればよく、好ましい例を挙げるならば、ウレタン樹脂系、ゴム系、エポキシ樹脂系等であり、溶剤系、エマルジョン系、水系または無溶媒系を問わない。また、塗布量は、特に限定されないが、基材2又はFRP板25に対して或いは界面当たり、通常150〜450g/m2 の塗布量が好ましい。
【0024】
次いで、図6(b)に示すように、FRP板25の接着剤26の塗布面に、前段積層材20を、基材2側の面を向けて重ね合わせて密着させて貼り合わせる。この時、FRP板25と前段積層材20がずれないように、ゆっくりとどちらかの一端側から重ねてゆくのが望ましい。このようにして図6(c)に示すように、前段積層剤20とFRP板25を積層した積層体28が形成される。次に、その積層体28を図6(d)に示すプレス機30内に積み重ねた状態で配置し、接着剤26が完全に働くまで、プレス機30で圧力31を掛け、積層体28全体を十分な時間圧縮し、FRP板25と前段積層剤20の基材2とを確実に接着させる。これにより、図1に示す防食パネル1が形成される。この時のプレス機30の圧力は、0.5〜3.0kgf/cm2 程度が望ましいが、適宜変えても良い。プレス時間は8〜24時間が適当である。プレス時間は季節などの環境的要因にもよるため、この限りではない。1回のプレスで一度に圧縮できるパネルの枚数は、生産性や、接着剤が働きはじめるまでに準備しうる積層体28の枚数等を考慮して定めればよく、20〜40枚程度が好ましい。圧縮終了後、プレス機30より積層体28を取り出し、十分に接着しているかどうかを確認する。以上により、基材2に対してFRP板25が強固に接着して一体化し、防食パネル1のFRP層4(図1参照)が形成され、図6(e)に示すように、本発明に係る防食パネル1が得られる。その後、必要に応じ、該防食パネル1の端部4辺をカット機(図示せず)で予め設定されたサイズ、通常は900mm×1800mmに精寸カットすることによって最終製品のサイズに加工する場合もある。また、成形する防食パネル1のサイズが、900mm×1800mm程度であれば、別に設置したターンバックルにパネルを移して圧縮させておき、プレス加工回数を向上させることも可能である。なお、図面の実施形態では平坦な防食パネル1を製造しているが、プレス機の積層体28を支持する面を湾曲させた形としておくことにより、湾曲した形状の防食パネルを製造することができる。
【0025】
(製法B)連続成形法
この方法は、基材に強化繊維混合熱硬化性樹脂液層を重ね合わせ、その熱硬化性樹脂を連続的に硬化させて一体化成形する方法である。
この方法においても、あらかじめ基材2にポリマーセメント層3を一体化した構造の長尺の前段積層材20(図5参照)を作成し、ロール状に巻いて前段積層材ロールとしておく。なお、以下の実施の形態では、基材2として図2に示す形態の基材2Aを用い、従って、図5(b)に示す構造の前段積層材20を用いている。
【0026】
図7に示すように、キャリアフィルムロール34Aから第一のキャリアフィルム34を引き出し、所定の走行経路に沿って走行させておく。このキャリアフィルム34並びに後述する第二のキャリアフィルム35には、通常、PET、ナイロン及びPVA等の長尺フィルムが良く使われるが、これらに限定されるものではない。走行中の第一のキャリアフィルム34の上に、樹脂タンク38から液状の未硬化の熱硬化性樹脂39を一定量連続供給し、ドクターナイフ40でキャリアフィルム34上の樹脂39の厚さを一定に調整する。次いで、キャリアフィルム34上の樹脂39の上に強化繊維42をコンベア43により連続的に供給してゆく。ここで用いる強化繊維42の形態としては、織布、不織布、マット、組布等を挙げることができる。また、不織布、マット等を用いる場合、それを構成する繊維の長さは短繊維、長繊維のいずれでもよい。マットを用いる場合には、ロービング等の連続した強化繊維を所定の長さに切断して短繊維形態(チョップドストランド)の強化繊維とし、そのチョップドストランドを一定速度で走行しているコンベア等の上に一定厚さとなるように供給することで、一定厚さのチョップドストランドマットを形成し、そのチョップドストランドマットを強化繊維42としてキャリアフィルム34上に供給すればよい。このようにして、強化繊維42をキャリアフィルム34上の未硬化の熱硬化性樹脂39の上に連続的に供給することで、その強化繊維42に熱硬化性樹脂39が含浸し、キャリアフィルム34上に未硬化の強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39Aが形成される。なお、必要に応じ、前記強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39A内の強化繊維に対する樹脂液の含浸を確実にするため適当な含浸ローラを設けるとか、熱硬化性樹脂液を新たに供給する等の変更を加えても良い。
【0027】
一方、あらかじめ準備していた前段積層材ロール(図示せず)から前段積層材20を、基材2(図5参照)側を下側にして引き出し、その前段積層材20の基材表面に、低収縮性樹脂液(詳細は後述する)を樹脂液塗布ローラ45で塗布した後、その前段積層材20をキャリアフィルム34上の強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39A上に、基材側を向けた状態で載置してゆき、含浸ローラ46で押し付けて行く。次いで、キャリアフィルムロール35Aから引き出した第二のキャリアフィルム35を、強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39A上に載置された前段積層材20上にかぶせ、上下のキャリアフィルム34、35及びそれに挟まれた強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39Aと前段積層材20を上下のスクイズローラ48の間に送り込んで加圧し、未硬化の強化繊維混合熱硬化性樹脂液層を脱泡させると共に全体の厚さを所望の値に(例えば、用途によっても異なるが、通常2〜10mm程度)に調整する。次いで、その強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39Aと前段積層材20との積層体を、通常、80〜150°Cに昇温させた硬化炉50に送り込み、硬化に要するに十分な時間通過させ、熱硬化性樹脂を硬化させる。これにより、強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39Aが硬化してFRP層4(図1参照)となると共に前段積層材20に接合し、完全に一体化した積層体が連続的に成形されてゆく。その後、その積層体からその両面に付着している第一及び第二のキャリアフィルム34、35を剥がしてロール34B、35Bに巻き取り、次いで前記積層体をカッター52で任意の寸法にカットする。これにより、FRPコンクリート防食パネル1が形成される。以上の成形工程におけるラインスピードは特に限定されないが、0.1〜10m/分、好ましくは0.8〜5m/分である。以上のようにして、所望長さのFRPコンクリート防食パネル1を連続成形方法によって低コストで製造できる。
【0028】
以上に説明した連続成形方法においては、前段積層材20の基材表面に低収縮性樹脂液を塗布している。これは次の理由による。すなわち、この実施の形態では、前段積層材20に用いている基材2Aが、ニードルパンチ加工によって取り付けられた多量の繊維7を有するきわめて空隙の多い不織布状となっているので、この基材2Aを未硬化の強化繊維混合熱硬化性樹脂液層39Aの上に載置した時、熱硬化性樹脂液を含浸しすぎてしまうことがあり、また、加熱硬化の際に熱収縮して反りを生じてしまうことがある。そこでこれを防止するため、前段積層材20の基材表面に低収縮性樹脂液を塗布しておき、熱硬化性樹脂液の含浸を抑制し、また、熱収縮を抑制して反りの発生を防止している。ここで使用する低収縮性樹脂としては、例えば、日立化成工業株式会社製のWPC−402A、WPC−402B等を挙げることができる。
【0029】
また、上記した連続成形方法の実施に当たって、前段積層材20の基材表面に低収縮性樹脂液を塗布する樹脂液塗布ローラ45の上流において、前段積層材20の基材表面を加圧ローラ等で加圧加工処理して繊維7[図5(b)参照]のふくらみ量を抑制することも推奨される。この加圧加工処理を施しておくと、繊維7間の空隙が小さくなって、熱硬化性樹脂液の基材2Aへの含浸速度が早くなり、該樹脂液の吸着率が早く飽和点に達する利点が得られる。
【0030】
上記の連続成形方法によって製造した防食パネル1では、強化繊維混合熱硬化性樹脂液が基材2A内に浸透・拡散し、基材2Aを共有した形態で硬化するため、基材2AとFRP層4が強固に一体化しており、高い剛性を持った防食パネルを得ることができる。
【0031】
【実施例】
実施例1
(1)前段積層材20の作成
ポリエステル繊維製のスパンボンド(目付け量30g/m2 )にビニロン繊維(太さ100デニール、目付け量200g/m2 )をニードルパンチ加工して取り付け、図2に示す形態の基材2Aを作成した。次いで、その基材2Aの片面に、セメントとポリアクリル酸エステル共重合体エマルジョンの混合体(固形分の混合比 1:0.5)を約1mmの厚さに塗布し、乾燥、硬化させて、図5(b)に示す形態の前段積層材20を作成した。
(2)FRP板
FRP板として、厚さ2mmのガラス繊維強化ポリエステル樹脂板(日東紡績株式会社製)を準備した。
(3)加圧接着操作
FRP板の表面に接着剤(KU−850、コニシ株式会社製)を、図6(a)に示すロールコータ21によって塗布量300g/cm2 となるように塗布し、その上に前段積層材20を重ね合わせて積層体28とした。次に、この積層体28をプレス機にセットし、1.0kgf/cm2 の圧力を加えた状態で16時間保持した。その後、プレス機から取り出して防食パネル1を得た。
(4)結果
得られた防食パネル1では、基材2Aの両面にポリマーセメント層3とFRP層4が確実に接着した状態となっており且つ反りのない平坦なものであった。この防食パネル1のポリマーセメント層側にコンクリートを打設したところ、防食パネル1はコンクリート表面に確実に接着していた。また、対コンクリート剥離強度を測定したところ、20kgf/cm2 もあり、きわめて大きい値であった。
【0032】
実施例2
(1)前段積層材20の作成
ポリエステル繊維製のスパンボンド(目付け量30g/m2 )にビニロン繊維(太さ100デニール、目付け量200g/m2 )をニードルパンチ加工して取り付け、図2に示す形態の基材2Aを作成した。次いで、その基材2Aの片面に、セメントとポリアクリル酸エステル共重合体エマルジョンの混合体(固形分の混合比 1:0.5)を約1mmの厚さに塗布し、乾燥、硬化させて図5(b)に示す形態の前段積層材20を作成した。
(2)連続成形操作
図7に示す連続成形ラインにおいて、ライン速度 0.85m/minで走行するポリエチレンテレフタレート製の第一のキャリアフィルム34(ユニチカ株式会社製、厚さ25μm)上に未硬化の不飽和ポリエステル樹脂液(大日本インキ工業株式会社製)及びガラス繊維(日東紡績株式会社製、平均直径0.02mm、平均長さ50mmのガラス繊維のマット)を供給し、ガラス繊維混合不飽和ポリエステル樹脂液層39A(厚さ2〜3mm程度)を形成した。次に、前段積層材20の基材側表面に樹脂液塗布ローラ45によって低収縮性樹脂液(WPC−402AとWPC−402Bの混合液、日立化成工業株式会社製)を塗布した後、その前段積層材20を第一のキャリアフィルム34上のガラス繊維混合不飽和ポリエステル樹脂液層39A上に重ね合わせ、更にその上に第二のキャリアフィルム35(ユニチカ株式会社製、厚さ25μm)をかぶせた後、上下のスクイズローラ48の間に送って挟み込み、密着させると共にガラス繊維混合不飽和ポリエステル樹脂液層39Aを脱泡させ、厚さを約5mmに調整した後、150°Cに設定している硬化炉50内に送り込み、炉内を30分間走行させることで、不飽和ポリエステル樹脂液39Aを加熱、硬化させ、一体化した積層体とした。走行して硬化炉50から出てきた積層体から第一及び第二のキャリアフィルム34、35を剥がして巻き取り、積層体をカッターによって約1.8mの長さにカットし、幅900mm×長さ1800mmの防食パネル1を得た。
(3)結果
得られた防食パネル1は、全体の厚さが約5mm、FRP層4の厚さが約2mmであった。また、基材2Aの両面にポリマーセメント層3とFRP層4が確実に接着した状態となっており且つ反りのない平坦なものであった。この防食パネル1のポリマーセメント層側にコンクリートを打設したところ、防食パネル1はコンクリート表面に確実に接着していた。また、対コンクリート剥離強度を測定したところ、21kgf/cm2 もあり、きわめて大きい値であった。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のFRPコンクリート防食パネルは、ポリマーセメント層とFRP層をシート状の基材を介して一体化した積層構造のものであるので、ポリマーセメント層による、コンクリート(セメント、モルタル等を含む)に対する優れた親和性を備え、且つFRP層による、軽量性、大きい剛性、優れた防水、防食性等を備えており、コンクリート表面に大きい接合力で取り付けることができると共に、長期間に渡って優れた防水、防食効果を発揮することができ、また、軽量であるので作業性が良く、しかも剛性が大きいので永久型枠として使用することもできるといった種々な効果を有している。また、本発明の防食パネルの製造に使用する資材は、特に高価なものはないので、低コストで製造できるといった効果も有している。
【0035】
本発明の製造方法は、予め、長尺のシート状の基材の一方の面にポリマーセメントを塗布し硬化させてポリマーセメント層を形成した長尺の前段積層材を用意しておき、走行中の第一のキャリアフィルム上に、強化繊維と熱硬化性樹脂液を供給して強化繊維混合熱硬化性樹脂液層を形成し、その上に前記した前段積層材を、基材側を向けて載置し、その上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後前記熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて一体成形する構成としているので、連続式で生産性良く、且つ低コストで上記した本発明のFRPコンクリート防食パネルを製造できるという効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るFRPコンクリート防食パネルの概略断面図
【図2】図1の防食パネルに用いる基材の1例を示す概略断面図
【図3】図2の基材を用いて形成した防食パネルの概略断面図
【図4】図1の防食パネルをコンクリート表面に接合した状態を示す概略断面図
【図5】(a)基材とポリマーセメント層の積層体である前段積層材の概略断面図(b)図2に示す基材を用いて形成した前段積層材の概略断面図
【図6】(a)、(b)、(c)、(d)、(e)は、加圧接着法によって防食パネルを製造する工程を説明する模式図
【図7】連続成形法によって防食パネルを製造する工程を示す模式図
【符号の説明】
1 FRPコンクリート防食パネル
2、2A 基材
3 ポリマーセメント層
4 FRP層
6 シート状材料
7 繊維
9 コンクリート躯体
20 前段積層材
21 ロールコータ
23、24 ローラ
25 FRP板
26 接着剤
30 プレス機
34 第一のキャリアフィルム
35 第二のキャリアフィルム
39 熱硬化性樹脂液
39A 強化繊維混合熱硬化性樹脂液層
42 強化繊維
45 樹脂液塗布ローラ
46 含浸ローラ
48 スクイズローラ
50 硬化炉
52 カッター

Claims (4)

  1. シート状の基材と、その基材の一方の面に接合されたポリマーセメント層と、前記基材の他方の面に接合されたFRP層を備え、前記基材が、シート状材料に繊維をニードルパンチして、繊維が前記シート状材料を貫通して前記シート状材料の両面に存在するように取り付けた不織布状のものであることを特徴とするFRPコンクリート防食パネル。
  2. 前記基材の一方の面に接合された前記ポリマーセメント層の表面から、前記基材にニードルパンチして取り付けられた繊維の一部が露出していることを特徴とする請求項1記載のFRPコンクリート防食パネル。
  3. 予め、長尺のシート状の基材の一方の面にポリマーセメントを塗布し硬化させてポリマーセメント層を形成した長尺の前段積層材を用意しておき、走行中の第一のキャリアフィルム上に、熱硬化性樹脂液と強化繊維を供給し、その強化繊維に熱硬化性樹脂液を含浸させて強化繊維混合熱硬化性樹脂液層を形成し、その上に前記した前段積層材を、基材側を向けて載置し、その上に第二のキャリアフィルムを供給して挟み、その後、前記熱硬化性樹脂液を加熱硬化させて一体成形することを特徴とする、FRPコンクリート防食パネルの製造方法
  4. 前記前段積層材を、前記第一のキャリアフィルム上の強化繊維含有熱硬化性樹脂液層の上に載置する前に、前記前段積層材の、基材側の表面に低収縮性樹脂を塗布することを特徴とする請求項3記載のFRPコンクリート防食パネルの製造方法。
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