JP2007031891A - 一方向性補強多層シート - Google Patents
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Abstract
【課題】樹脂の均一含浸、一方向性補強シートの位置ずれによる機械的特性の低下、ボイドの発生などの問題点を解消した、繊維強化複合材料、特にFRP用の補強基材として好適な一方向性補強多層シートを提供すること。
【解決手段】JIS L 1096法によるシートの通気量が80cc/cm2/sec以上である多軸のアラミド繊維織物からなるシート状支持体と、該シート状支持体の上に0.6mm〜30mmの隙間を設けて一方向に互いに並行に配列した多数本の強化繊維糸と、該シート状支持体と該強化繊維糸とを編み込み、固定した補助糸とからなる一方向性補強多層シート。
【選択図】図1
【解決手段】JIS L 1096法によるシートの通気量が80cc/cm2/sec以上である多軸のアラミド繊維織物からなるシート状支持体と、該シート状支持体の上に0.6mm〜30mmの隙間を設けて一方向に互いに並行に配列した多数本の強化繊維糸と、該シート状支持体と該強化繊維糸とを編み込み、固定した補助糸とからなる一方向性補強多層シート。
【選択図】図1
Description
本発明は、樹脂含浸性が高く、強化繊維糸の配向が乱れにくく、ボイドができにくく、接着性の良い補強基材として優れ、繊維強化複合材料、その中でも繊維強化プラスチヅク(以下、FRPと呼称する。)用の補強基材として最適な一方向性補強多層シートに関するものである。
アラミド繊維をはじめとする高強度、高弾性率の強化繊維糸からなるFRPは、機械的性質が優れていることから、航空機用、自動車用、スポーツ用、土木用材料として多用されている。特に、土木分野では、コンクリートの中性化による補強筋の錆の発生、交通量の急激な増加に伴う鉄筋の疲労など、セメント系構造体の脆弱化や耐久性の低下が間題となっており、アラミド繊維をはじめとする高強度、高弾性率の強化繊維糸からなるFRPを接着する補強方法が広く採用されるようになってきている。
この補強方法としては、例えば、まず床版の下面を平滑にしたのちプライマーを塗り、その上から接着剤である樹脂を塗布して一方向性補強シートを貼り付け、その一方向性補強シートに樹脂を含浸させながら接着させるものである。一方向性補強シートとしては、ほとんどの場合長さ方向に引張カが作用する箇所に対する補強であることから、強化繊維糸を一方向に配列した、UD(Uni-Directiona1)シートや一方向性の織物が多用されている。
このようなUDシートや一方向性の織物の補強シートを床版の下面に材脂を含浸させながら貼り付けようとした易合、下記の問題があった。
(1)上向き状態で一方向性補強シートの全面を含浸ローラーで押さえながら樹脂を含浸させねばならず、均一に含浸させることが難しい。
(2)樹脂の含浸・脱泡ローラーがけの際、一方向性補強シートの位置がずれ、所定の場所の補強ができないぼかりか、強化繊維糸が蛇行し、FRPとしての強度や引張弾性率等の機械的特性が低下する。
(3)脱泡ローラーがけのあと、徐々に一方向性補強シートヘの樹脂の含浸が進み、一方向性補強シートに含まれている空気が樹脂と置換され、一方向性補強シートに含まれていた空気は上方に移動し、樹脂含浸された一方向性補強シートと床版の下面との間に空気が溜まってしまう。床版はコンクリート製のためこれらの空気が自然に抜けて消滅するようなことはなく、材脂が硬化した後も大きなボイドとして残ってしまい、FRP層は膨れた状態になってしまう。特に、一方向性補強シートが高目付になるとこの傾向が顕著になる。
(1)上向き状態で一方向性補強シートの全面を含浸ローラーで押さえながら樹脂を含浸させねばならず、均一に含浸させることが難しい。
(2)樹脂の含浸・脱泡ローラーがけの際、一方向性補強シートの位置がずれ、所定の場所の補強ができないぼかりか、強化繊維糸が蛇行し、FRPとしての強度や引張弾性率等の機械的特性が低下する。
(3)脱泡ローラーがけのあと、徐々に一方向性補強シートヘの樹脂の含浸が進み、一方向性補強シートに含まれている空気が樹脂と置換され、一方向性補強シートに含まれていた空気は上方に移動し、樹脂含浸された一方向性補強シートと床版の下面との間に空気が溜まってしまう。床版はコンクリート製のためこれらの空気が自然に抜けて消滅するようなことはなく、材脂が硬化した後も大きなボイドとして残ってしまい、FRP層は膨れた状態になってしまう。特に、一方向性補強シートが高目付になるとこの傾向が顕著になる。
これらの問題に対応するため、たとえば、ラッセル織や綾織等の一方向性の織物が提案されている(たとえば、特開平8−158665号公報など)。しかし、これら一方向性の織物は、前述の問題点(1)〜(3)を十分に解消しえないものであった。
すなわち、一方向性の織物の緯糸は補助糸であり、織物として非常に不安定である為に、強化繊維糸の隙間を広くすると強化繊維糸が蛇行しやすくなる。強化繊維糸が蛇行すると、FRP板としての強度や引張弾性率等の機械的強度が低下する。一方、強化繊維糸の隙間を狭くすると、隙間から空気が抜け出て来ないために、含浸ローラーで押さえながら樹脂を含浸させたとき、一方向性補強シートと床版下面の問に空気が溜まり、ボイドとして残りやすい(含浸性が悪くなる)という問題を抱えている。
特開平8−158665号公報
本発明の目的は、前記(1)〜(3)の問題点を解消した、繊維強化複合材料、特にFRP用の補強基材として好適な一方向性補強多層シートを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、一方向性補強多層シートを構成するシート状支持体として多軸のアラミド繊維織物を使用するとき、上記目的が達成できることを究明し、本発明に到達した。
すなわち、本発明によれば、JIS L 1096法によるシートの通気量が80cc/cm2/sec以上である多軸のアラミド繊維織物からなるシート状支持体と、該シート状支持体の上に0.6mm〜30mmの隙間を設けて一方向に互いに並行に配列した多数本の強化繊維糸と、該シート状支持体と該強化繊維糸とを編み込み、固定した補助糸とからなることを特徴とする一方向性補強多層シートが提供される。
本発明によれば、繊維強化複合材料、特にFRP用の補強基材として最適な一方向性補強多層シートを提供することができ、例えば、鉄筋コンクリート構造物の補強においては、上述した(1)〜(3)の問題点が解消でき、且つ効率良く簡単に施工できるばかりか、長期的な信頼性が高い補強構造を達成することができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。本発明の一方向性補強多層シートは、多数本の強化繊維糸を一方向に互いに並行に配列させ、強化繊維糸間に隙間を設けると、樹脂含浸の際、該多層シートに樹脂含浸と共に強化繊維糸の隙間から空気抜きができ、補強基材と床版との間に溜まるボイドの解消に繋がるものである。
本発明の一方向性補強多層シートとしては、隣接する強化繊維糸間に隙間が、0.6mm〜30mm開いていることが必要であり、また強化繊維糸の隙間から樹脂含浸および空気抜きがスムースに移行する点で1.2mm〜30mmが好ましい。0.6mm未満であると空気抜きが不完全で、補強基材と床版との間にボイドが残る、あるいは、床版の補強・補修作業に時間がかかる。一方、30mmを超える隙間にすると、強化繊維糸の配列本数が少なくなり、単位面積当りの強化繊維重量が少なくなるか、強化繊維重量が極端に多い部分ができることになり、強化繊維糸への樹脂の含浸が悪くなる。
一方向性補強多層シートを、床版の下面に樹脂を含浸させながら貼り付けるような用途に用いる場合においては、通常のハンドレイアップ法に比べて、樹脂粘度が高く、樹脂が一方向性補強多層シートに含浸しにくいので、かなり強く含浸・脱泡ローラーをかけなければならないが、このとき、ローラーがけの方法やその圧力によっては、織物が目ずれし、一方向性補強多層シートの強化繊維糸の配列が乱れてしまうおそれがある。このよう点からも、本発明に用いる一方向性補強多層シートは、強化繊維糸を0.6mm〜30mmの隙間を開けて配列し、シート状支持体上に補助糸にて編み込んで固定する一方向性補強多層シートとすることが必要である。
前記一方向性補強多層シートの強化繊維糸としては、高強度・高弾性率の連続繊維であれば特に限定されないが、炭素繊維、アラミド繊維およびガラス繊維などが好ましいものとして挙げられる。また、前記強化繊維糸を1種あるいは2種以上を組み合わせて用いられる。
また、本発明においては、シート状支持体としては、JIS L 1096法によるシートの通気量が80cc/cm2/sec以上の多軸のアラミド繊維織物が使用される。該織物は、通常の織物、不織布、チョップドストランドマット等に比べ、寸法安定性に優れ、樹脂を含浸した際に一体化できるので、特に好ましい。
また、該シート状支持体の厚さとしては、本質的にFRPの機械的特性を担うものではなく、強化繊維糸の形態保持を行うものなので、必要以上に厚いものを用いる必要はなく、厚すぎるとFRPの厚さが必要以上に厚くなり、樹脂の使用量も増加してしまうので、その厚さは0.3mm以下であることが好ましい。
本発明に用いられるシート状支持体の通気量としては、80cc/cm2/sec以上が必要であり、通気量が80cc/cm2/sec以上であれば、樹脂が容易に短時間で支持体を抜け出し、強化繊維糸に含浸して行くが、通気量が80cc/cm2/secに満たない場合は、支持体自身が樹脂の抜け出しを阻害し、強化繊維糸への樹脂の含浸を阻害する場合がある。
本発明に用いられる強化繊維糸として炭素繊維を用いたとき、炭素繊維は、導電性を有しており、FRP用として使用する際にアルミニウム、鋼、鉄などの金属と接触すると、水分の存在下ではイオン化傾向の差から電蝕反応が起こることが知られている。そこで該シート状支持体を絶縁体とすることによりこの電蝕反応を防ぐことができる。したがって、該シート支持体が、絶縁性の高いガラス繊維などが特に好ましいものとして挙げられる。
また、該シート支持体として、ガラス繊維などの様な絶縁体を用いることにより、本発明の一方向性補強多層シートは、コンクリート構造物の電気防蝕を行う場合の材料としても、好適である。
本発明に用いられる補助糸としては、通常当業者が知るところの補助糸で良く、特に限定するものではないが、本質的にFRPの機械的特性を担うものではなく、強化繊維糸の形態保持を行うものであるので、33デシテックス〜555デシテックスの細い糸が好ましい。
該補助糸を構成する繊維としては、特に限定するものではないが、ガラス繊維、ポリエステル繊維、ポリアラミド繊維、ナイロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロン繊維等が挙げられる。中でもポリエステル繊維が、編み組織を構成する際の屈曲に耐え、その伸度が強化繊維糸の形態保持に非常に適している点で特に好ましい。
強化繊維糸をシート状支持体上に固定するための補助糸の編み組織については、強化繊維糸が固定されていれば特に制限されないが、強化繊維糸を傷つけず、強固に固定できる、トリコットおよびラッセル組織、綾組織、チェーン組織などが好ましい。
本発明の一方向性補強多層シートは、補助糸の編み組織で形態を保持しているので、強化繊維糸の保持力が強く、低融点ポリマーが、樹脂の含浸を阻害するようなことはない点で優れている。
本発明の一方向性補強多層シートの用途としては、繊維強化複合材料、その中でもFRP用の補強基材として好適に使用することができる。特に、既設コンクリート構造物に高強度、高弾性率の強化繊維糸からなるFRPを接着する補強方法において、好適に使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。
[実施例1]
シート状支持体(図1、図2および図3の1、並びに図4の1Aおよび1B)として、通気量88cc/cm2/secのアラミド繊維製四軸織物(帝人テクノプロダクツ株式会社製)を用い、強化繊維糸(図1、図2、図3および図4の2)を、たて方向に繊度が16000デシテックスのアラミド繊維糸を5本/25mmの密度で、糸の隙間が1.2mmになるように一定間隔で配列し、前記シート状支持体上に、ヨコ補助糸(83デシテックスのポリエステル糸、(図1、図2、図3および図4の3A)でたて方向の強化繊維糸とシート状支持体下のタテ補助糸((図1、図2、図3および図4の3B)とを多軸多層織編機を用いて図4に示したようにチェーン組織型に編み込み、固定して、一方向性補強多層シートを製造した。
[実施例1]
シート状支持体(図1、図2および図3の1、並びに図4の1Aおよび1B)として、通気量88cc/cm2/secのアラミド繊維製四軸織物(帝人テクノプロダクツ株式会社製)を用い、強化繊維糸(図1、図2、図3および図4の2)を、たて方向に繊度が16000デシテックスのアラミド繊維糸を5本/25mmの密度で、糸の隙間が1.2mmになるように一定間隔で配列し、前記シート状支持体上に、ヨコ補助糸(83デシテックスのポリエステル糸、(図1、図2、図3および図4の3A)でたて方向の強化繊維糸とシート状支持体下のタテ補助糸((図1、図2、図3および図4の3B)とを多軸多層織編機を用いて図4に示したようにチェーン組織型に編み込み、固定して、一方向性補強多層シートを製造した。
次に、樹脂含浸性の確認実験として、平らな実験台の上にポリエチレンフィルムを広げ、該フィルム上に常温硬化型のエポキシ樹脂500g/m2を均一に塗布し、その上に一方向性補強多層シートを置き、溝付きのローラーで樹脂含浸および脱泡を行ったところ、アラミド繊維からなるシート状支持体支持体およびアラミド繊維糸間の隙間から樹脂と空気が抜けてきた。このときローラーがけで、繊維配向が乱れるようなことはなかった。また、樹脂を完全に硬化させた後に、フィルムとFRP板間のボイドの有無を確認したが、ボイドはなかった。
[実施例2]
実施例1において、シート状支持体として、通気量355cc/cm2/secのアラミド繊維製四軸織物(帝人テクノプロダクツ株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
次に、実施例1と同様の樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、アラミド繊維からなるシート状支持体およびアラミド繊維糸間の隙間から樹脂と空気が抜けてきた。このときローラーがけで、繊維配向が乱れるようなことはなかった。また、樹脂を完全に硬化させた後に、フィルムとFRP板間のボイドの有無を確認したが、ボイドはなかった。
実施例1において、シート状支持体として、通気量355cc/cm2/secのアラミド繊維製四軸織物(帝人テクノプロダクツ株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
次に、実施例1と同様の樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、アラミド繊維からなるシート状支持体およびアラミド繊維糸間の隙間から樹脂と空気が抜けてきた。このときローラーがけで、繊維配向が乱れるようなことはなかった。また、樹脂を完全に硬化させた後に、フィルムとFRP板間のボイドの有無を確認したが、ボイドはなかった。
[比較例1]
実施例1において、シート状支持体として、通気量15cc/cm2/secのアラミド繊維製四軸織物(帝人テクノプロダクツ株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
次に、実施例1と同様の樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、アラミド繊維からなるシート状支持体およびアラミド繊維糸間の隙間から樹脂が抜け出ず、アラミド繊維からなるシート状支持体とフィルムとの間に樹脂が溜まってしまった。また、ローラーがけにより、樹脂がアラミド繊維からなるシート状支持体の端部へ追い出され、アラミド繊維糸に樹脂が含浸しなかった。
実施例1において、シート状支持体として、通気量15cc/cm2/secのアラミド繊維製四軸織物(帝人テクノプロダクツ株式会社製)を用いた以外は実施例1と同様に実施した。
次に、実施例1と同様の樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、アラミド繊維からなるシート状支持体およびアラミド繊維糸間の隙間から樹脂が抜け出ず、アラミド繊維からなるシート状支持体とフィルムとの間に樹脂が溜まってしまった。また、ローラーがけにより、樹脂がアラミド繊維からなるシート状支持体の端部へ追い出され、アラミド繊維糸に樹脂が含浸しなかった。
[比較例2]
素繊維糸の隙間が0.5mmになるように配列した以外は、実施例1と同様に実施した。
次に、実施例1と同様に樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、炭素繊維糸の隙間から空気が抜けなかった。また、樹脂を完全に硬化させた後に、FRPを確認したところ、部分的に膨れた状態が確認された。部分的に膨れた箇所は一方向性補強多層シートが屈曲しており、この膨れた箇所ではフィルムとFRP板との間にボイドが認められた。
素繊維糸の隙間が0.5mmになるように配列した以外は、実施例1と同様に実施した。
次に、実施例1と同様に樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、炭素繊維糸の隙間から空気が抜けなかった。また、樹脂を完全に硬化させた後に、FRPを確認したところ、部分的に膨れた状態が確認された。部分的に膨れた箇所は一方向性補強多層シートが屈曲しており、この膨れた箇所ではフィルムとFRP板との間にボイドが認められた。
[比較例3]
たて糸に繊度が16000デシテックスのアラミド繊維糸を5本/25mmの密度で、糸の隙間が1.1mmになるように配列し、よこ糸に225デシテックスのポリエステル繊維糸と56デシテックスの熱可塑性の低融点ポリマー糸エルダーとの複合糸を用いて、7本/25mmの密度で織物を形成した。その後、この織物を加熱して、上記低融点ポリマー糸を溶融して、たて糸とよこ糸を各交絡部で結着させた一方向性補強織物を作製した。
該一方向性補強織物は、形状維持が難しく、取り扱い性の困難なものであった。特に、炭素繊維糸の隙間を1.1mmに保つことは、非常に困難であった。
次に、実施例1と同様に樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、炭素繊維糸の隙間を1.1mmに保った部分では、糸間の隙間から樹脂と空気が抜けてきたが、ローラーがけで、繊維配向が乱れ、アラミド繊維糸が屈曲してしまった。
たて糸に繊度が16000デシテックスのアラミド繊維糸を5本/25mmの密度で、糸の隙間が1.1mmになるように配列し、よこ糸に225デシテックスのポリエステル繊維糸と56デシテックスの熱可塑性の低融点ポリマー糸エルダーとの複合糸を用いて、7本/25mmの密度で織物を形成した。その後、この織物を加熱して、上記低融点ポリマー糸を溶融して、たて糸とよこ糸を各交絡部で結着させた一方向性補強織物を作製した。
該一方向性補強織物は、形状維持が難しく、取り扱い性の困難なものであった。特に、炭素繊維糸の隙間を1.1mmに保つことは、非常に困難であった。
次に、実施例1と同様に樹脂含浸性の確認実験を行ったところ、炭素繊維糸の隙間を1.1mmに保った部分では、糸間の隙間から樹脂と空気が抜けてきたが、ローラーがけで、繊維配向が乱れ、アラミド繊維糸が屈曲してしまった。
本発明によれば、繊維強化複合材料、特にFRP用の補強基材として最適な一方向性補強多層シートを提供することができるので、鉄筋コンクリート構造物の補強用途などに好適に使用できる。
1 シート状支持体(1A;アラミド緯糸、1B;アラミド経糸)
2 強化繊維糸
3A ヨコ補助糸
3B タテ補助糸
4 強化繊維糸間の隙間
2 強化繊維糸
3A ヨコ補助糸
3B タテ補助糸
4 強化繊維糸間の隙間
Claims (4)
- JIS L 1096法によるシートの通気量が80cc/cm2/sec以上である多軸のアラミド繊維織物からなるシート状支持体と、該シート状支持体の上に0.6mm〜30mmの隙間を設けて一方向に互いに並行に配列した多数本の強化繊維糸と、該シート状支持体と該強化繊維糸とを編み込み、固定した補助糸とからなることを特徴とする一方向性補強多層シート。
- 強化繊維糸が、アラミド繊維、炭素繊維、PBO繊維およびガラス繊維から選ばれる少なくとも1種の強化繊維糸である請求項1記載の一方向性補強多層シート。
- シート状支持体の厚さが0.3mm以下である請求項1又は2記載の一方向性補強多層シート。
- 補助糸の繊度が、33デシテックス〜555デシテックスである請求項1〜3のいずれか1項に記載の一方向性補強多層シート。
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JP2005218708A JP2007031891A (ja) | 2005-07-28 | 2005-07-28 | 一方向性補強多層シート |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103590185A (zh) * | 2013-10-24 | 2014-02-19 | 常州市宏发纵横新材料科技股份有限公司 | 一种双轴向混编织物的编织方法 |
WO2021199289A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | 三菱重工業株式会社 | ドライテープ、幅広ドライテープおよびドライテープの製造方法 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0482938A (ja) * | 1990-07-18 | 1992-03-16 | Asahi Chem Ind Co Ltd | シート状資材製品 |
JPH1077540A (ja) * | 1996-09-04 | 1998-03-24 | Toray Ind Inc | ホーバークラフトエアーシール材の補強用布帛 |
JP2004143619A (ja) * | 2002-10-24 | 2004-05-20 | Kanebo Ltd | 一方向性補強多層シート |
-
2005
- 2005-07-28 JP JP2005218708A patent/JP2007031891A/ja active Pending
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