JP2015188946A - Mems素子 - Google Patents

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孝英 臼井
Takahide Usui
孝英 臼井
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Abstract

【課題】MEMS素子の感度を向上させながら、膜の破損を防止するMEMS素子の構造を提供する。【解決手段】ダイヤフラム膜3の一部を区画するように取り囲む複数のスリット4を形成し、かつこのスリットで囲まれた複数の切片(可動切片)12を過大な圧力を受けたとき変形可能な形状にすることで、風圧などの過大な圧力が加わったときに可動切片12が変形し、風圧を通過させることにより、可動電極の破壊を防止することが可能となる。【選択図】図2

Description

本発明は、MEMS素子に関し、特にマイクロフォン、各種センサ、スイッチ等として用いられる容量型のMEMS素子に関する。
従来、半導体プロセスを用いたMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子は、半導体基板上に固定電極、犠牲層(絶縁膜)および可動電極を形成した後、犠牲層の一部を除去することで、スペーサーを介して固定された固定電極と可動電極との間にエアーギャップ(中空)構造が形成されている。
例えば、容量型のMEMS素子であるコンデンサマイクロフォンでは、音圧を通過させる複数の貫通孔を備えた固定電極と、音圧を受けて振動する可動電極とを対向して配置し、音圧を受けて振動する可動電極の変位を電極間の容量変化として検出する構成となっている。
一般的に、コンデンサマイクロフォンの感度を上げるためには、音圧により可動電極の変位を大きくする必要がある。そのため、可動電極は、引っ張り応力が残留する膜を用いるのが一般的である。一方、この残留応力が大き過ぎると可動電極の破損の原因となってしまう。
そこで、膜自体の残留応力を制御する方法や、構造上の工夫により残留応力の影響を緩和する方法が提案されている。具体的には、前者の場合、例えば膜をLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によって堆積させ、堆積後のアニール条件等を制御する等の膜の形成方法に工夫を施して残留応力を調整する方法が、後者の場合、膜にスリットを形成する方法(特許文献1)により残留応力を調整する方法が提案されている。
特開2007−210083号公報
ところで、このような感度の向上と同時に破損防止を図った場合でも、風圧などの強い圧力に対しては対処することができない。特に、感度向上を図った可動電極では、過大な圧力に対して脆弱性が増してしまうという問題が発生していた。本発明はこのような問題点を解消するため、MEMS素子の感度を向上させながら、膜の破損を防止するMEMS素子の構造を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本願請求項1に係る発明は、バックチャンバーを備えた基板と、該基板上に、スペーサーを挟んで固定電極と可動電極とを配置することでエアーギャップが形成されたMEMS素子において、前記可動電極の一部に、該可動電極に過大な圧力が印加されたとき変形可能な可動切片を備えていることを特徴とする。
本願請求項2に係る発明は、請求項1記載のMEMS素子において、前記可動切片は、前記可動電極に形成されたスリットにより区画されていることを特徴とする。
本発明のMEMS素子は、固定電極の一部を取り囲むようにスリットを形成して可動する切片(可動切片)を備えることで、風圧などの過大な圧力がかかったときには、可動切片が変形し、その圧力を通過させることにより、可動電極の破壊を防止することが可能となる。しかもこのスリットは、可動切片を区画するために形成すればよいので、スリットの幅を狭くすることができる。そのため、スリットを形成したことによる感度低下を招くことはない。
本発明のMEMS素子の製造工程の説明図である。 本発明の実施例のMEMS素子を説明する図である。 本発明の別の実施例のMEMS素子を説明する図である。 本発明の更に別の実施例のMEMS素子を説明する図である。
本発明に係るMEMS素子は、固定電極に、所定の形状の可動切片を形成するようにスリットが形成されている。以下、本発明の実施例について説明する。
本発明の第1の実施例について、製造工程に従い説明する。まず、結晶方位(100)面の厚さ420μmのシリコン基板1上に、厚さ1μm程度の熱酸化膜2を形成し、熱酸化膜2上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法により厚さ0.4μmの導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、可動電極となるダイアフラム膜3を形成する(図1a)。ここで本発明は、ダイアフラム膜3に後述するように、可動切片を形成するためのスリット4が形成される。
以下、通常の製造工程に従い、ダイアフラム膜3上に、厚さ2.0〜4.0μm程度のUSG(Undoped Silicate Glass)膜からなる犠牲層5を積層形成し、さらに犠牲層5上に、厚さ0.1〜1.0μm程度の導電性ポリシリコン膜を積層形成する。次に通常のフォトリソグラフ法によりパターニングし、固定電極膜6を積層形成する(図1b)。
犠牲層5の一部をエッチング除去し、先に形成したダイアフラム膜3の一部を露出させる。このとき、スクライブラインも開口する。露出したダイアフラム膜3および固定電極6にそれぞれ接続するアルミニウム等の導体膜からなる配線膜7を形成する(図1c)。
全面に窒化膜8を堆積させた後、通常のフォトリソグラフ法にて音圧をダイアフラム膜3に伝えるための貫通孔9を形成し、貫通孔9内に犠牲層5を露出させる。その後、シリコン基板1の裏面側から熱酸化膜2が露出するまでシリコン基板1を除去し、バックチャンバー10を形成する(図1d)。
その後、窒化膜8および固定電極膜6に形成された貫通孔9を通して犠牲層5の一部を除去して形成されたスペーサー11に固定電極極6とダイアフラム膜3が固定され、エアーギャップ構造が形成される。このエッチングにより、熱酸化膜2の一部も除去され、スリット4が形成されたダイアフラム膜3が露出する(図1e)。
次にスリット4に形成される本発明の可動切片12について説明する。図2は、スリット4が形成されているダイアフラム膜3を模式的に表している。本発明の可動切片12は、スリット4によってダイアフラム膜3に一部を区画するように取り囲み、このスリット4によって囲まれた部分が、変形可能な形状となるように形成されている。具体的には、図2に示すように、U字形状のスリット4を形成することで、U字形状の可動切片12が形成される。なお、図2には、可動切片12が4個形成された場合を示している。
本発明の可動切片12は、過大が圧力を受けたとき変形可能であれば、その形状は種々変形可能である。例えば、図3に示すように、ハンマー型の可動切片12としたり、可動する部分の形状を櫛の歯状にしてより可動しやすい形状とすることも可能である。
さらに、図4に示すようにダイアフラム膜に発生する応力を緩和するためのスリット13を加えることも可能である。
1:シリコン基板、2:熱酸化膜、3:ダイアフラム膜、4:スリット、5:犠牲層、6:固定電極膜、7:配線膜、8:窒化膜、9:貫通孔、10:バックチャンバー、11:スペーサー、12:可動切片

Claims (2)

  1. バックチャンバーを備えた基板と、該基板上に、スペーサーを挟んで固定電極と可動電極とを配置することでエアーギャップが形成されたMEMS素子において、
    前記可動電極の一部に、該可動電極に過大な圧力が印加されたとき変形可能な可動切片を備えていることを特徴とするMEMS素子。
  2. 請求項1記載のMEMS素子において、
    前記可動切片は、前記可動電極に形成されたスリットにより区画されていることを特徴とするMEMS素子。
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