a.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態について図面を用いて説明する。図1は第1実施形態に係る鍵盤装置を右から見た概略側面図であり、図2は前記鍵盤装置の概略平面図である。なお、図1においては、鍵盤装置の前後方向(以下、単に前後方向という)を紙面の左右方向とし、鍵盤装置の左右方向(以下、単に左右方向という)を紙面の直交方向とする。
この鍵盤装置は、演奏者によって押離鍵操作される複数の白鍵11w及び複数の黒鍵11bを備えている。白鍵11wは、前後方向に長尺状に形成されるとともに下方を開放させた断面コ字状に形成されて、鍵フレーム20の平板状の上板部21上に配置されている。鍵フレーム20は、上板部21の前端及び後端から下方に延設された平板状の脚部22,23を有し、脚部22,23の下端部分にて楽器内に設けたフレームFR上に固定されている。鍵フレーム20は、樹脂などにより一体形成されている。鍵フレーム20の上板部21の後端部の上面上には、白鍵11wの内側にて対向する一対の板状の鍵支持部31が立設固定されている。鍵支持部31の上部には、互いに対向する位置にてそれぞれ外側に突出した円柱状の突出部31aが設けられ、突出部31aを白鍵11wの両側面の後端部に設けた貫通孔に内側から回転可能に侵入させている。これにより、白鍵11wは、突出部31aの中心軸回りに揺動可能に支持され、前端部を上下方向に変位させる。黒鍵11bは、前部上面が高くなっている形状こそ異なるが、他の構成は白鍵11wと同様である。そして、黒鍵11bも、鍵支持部31の突出部31aの中心軸回りに揺動可能に支持されて、揺動により前端部を上下方向に変位させる。
鍵フレーム20の上板部21の上面には、白鍵11wの前端部の下方位置にて鍵ガイド32wが立設しており、黒鍵11bの前端部の下方位置にて鍵ガイド32bが立設している。鍵ガイド32w,32bは白鍵11w及び黒鍵11b内にそれぞれ摺動可能に侵入しており、白鍵11w及び黒鍵11bは、それらの上下方向の揺動時に左右方向に変位しないようになっている。
鍵盤装置は、鍵支持部31の前方位置にて、白鍵11w及び黒鍵11bと、鍵フレーム20の上板部21との間にそれぞれ組み込まれた白鍵11w及び黒鍵11b用のコイル状のスプリング33w,33bを備えている。スプリング33w,33bは、白鍵11w及び黒鍵11bを上板部21に対して上方に付勢している。なお、これらのスプリング33w,33bは、コイル状でなくても、白鍵11w及び黒鍵11bを上方に付勢することができれば、板ばねのようなスプリングでもよい。
白鍵11wは、その前端部から下方に延設させた延設部11w1を備え、延設部11w1の下端には前方に突出させた係合部11w2が設けられている。係合部11w2は、鍵フレーム20の上板部21に設けた貫通孔を介して、上板部21の下方に上方から侵入している。また、鍵フレーム20の上板部21の前端部下面には、上限ストッパ部材34wが設けられている。上限ストッパ部材34wは、フェルトのような緩衝部材により構成されており、白鍵11wの係合部11w2との当接により、白鍵11wの前端部の上方への変位を規制する。また、鍵フレーム20の上板部21の前端部上面には、下限ストッパ部材35wが設けられている。下限ストッパ部材35wも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、白鍵11wの前端部下面との当接により、白鍵11wの前端部の下方への変位を規制する。
黒鍵11bは、その前端部から下方に延設させた延設部11b1を備え、延設部11b1の下端には後方に突出させた係合部11b2が設けられている。係合部11b2は、鍵フレーム20の上板部21に設けた貫通孔を介して、上板部21の下方に上方から侵入している。また、鍵フレーム20の上板部21の中間部下面には、上限ストッパ部材34bが設けられている。上限ストッパ部材34wも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、黒鍵11bの係合部11b2との当接により、黒鍵11bの前端部の上方への変位を規制する。また、鍵フレーム20の上板部21の前後方向における中間部上面には、下限ストッパ部材35bが設けられている。下限ストッパ部材35bも、フェルトのような緩衝部材により構成されており、黒鍵11bの前端部下面との当接により、黒鍵11bの前端部の下方への変位を規制する。
鍵フレーム20の上板部21の下方には、スプリング33w,33bと上限ストッパ部材34bとの間の位置にて、一つの基板41及び複数のドーム部品42が組み付けられている。基板41及びドーム部品42は、上板部21と一体形成された前側支持部24及び後側支持部25により上板部21に固定されている。これらの基板41、ドーム部品42、前側支持部24及び後側支持部25について、図2乃至図5を用いて詳しく説明する。
図2は、基板41、ドーム部品42、前側支持部24及び後側支持部25の各部の平面的な位置関係を示している。図3(A)は、図2の3−3線に沿って見た基板41、ドーム部品42、前側支持部24、後側支持部25などの部分の拡大縦断面図である。図3(B)は前側支持部24を下方から見た拡大斜視図である。図4(A)はドーム部品42単体の上面図であり、図4(B)はドーム部品42単体の下面図である。図5は、基板41単体の上面図である。
基板41は、平板状かつ長方形状に形成されるとともに長手方向(図5の上下方向)を左右方向にして配置されて、電子部品、配線パターンなどが配置された回路基板である。しかし、電子部品は本発明には直接関係しないので、基板41上の電子部品、配線パターンなどに関しては図示省略されている。基板41の上面には、白鍵11w及び黒鍵11bにそれぞれ対応した左右方向(図5では上下方向)に1列に配置された複数の電気接点41aが設けられている。各電気接点41aは、短い距離を隔てて設けられた導電性の金属からなる一対の電気接点からなり、複数の電気接点41aは、図示しない配線パターンにより、一対の電気接点のオン・オフを検出する電子部品にそれぞれ接続されている。基板41には、電気接点41aの両側にて、所定の間隔をもって左右方向(図5では上下方向)に沿って2列に配置された複数の円形の貫通孔41bが設けられている。なお、基板41は、全ての白鍵11w及び黒鍵11bに対して共通の一枚の回路基板であってもよいし、所定の複数の白鍵11w及び黒鍵11bに対応させた複数枚の回路基板であってもよい。この点に関しては、他の実施形態及び変形例でも同様である。なお、この基板41が本発明の支持板に対応する。
複数のドーム部品42は、弾性体(例えばゴム)でそれぞれ一体形成されている。各ドーム部品42は、複数の白鍵11w及び黒鍵11bにそれぞれ対応した位置にて、左右方向(図4では上下方向)に1列に配置された複数のドーム部(スカート部)42aを有する。各ドーム部42aは、上部から下方に向かって軸心回りの径(径方向長さ)を全周に渡って徐々に増加させて、上方からの押圧により変形し易い薄肉のドーム状(スカート状)に形成されており、下端部を円形に開口させている。ドーム部42aの軸心に直交する断面形状は円形である。なお、第1実施形態では、1つのドーム部品42に5つのドーム部42aを有する例を示しているが、このドーム部42aの数、形状などは適宜変更してもよい。この点に関しては、他の実施形態及び変形例でも同様である。
複数のドーム部42aの下面は、1つのベース部42bの上面に連続して接続されている。ベース部42bは、比較的厚肉に平板状に形成され、かつドーム部42aを中心に前後方向(図4では左右方向)に所定幅を有する長方形状である。べース部42bの厚さは全体に渡って均等であり、べース部42bの上面及び下面は平面である。ベース部42bの前後方向の幅は基板41の前後方向の幅よりも小さい。このベース部42bには、複数のドーム部42aの下端内周面を延長した位置にて、左右方向(図4(B)では上下方向)に一列に配置された複数の貫通孔42b1が設けられている。また、ベース部42bには、基板41の複数の貫通孔41bに対応した位置には、複数の円形の貫通孔42b2が設けられている。貫通孔42b2の直径は、貫通孔41bの直径よりも小さい。ベース部42bの下面には、貫通孔42b1間を連通させるとともに、左右両端(図4(B)では上下両端)を外部に連通させた溝42b3が形成されている。この溝42b3は、ドーム部品42を基板41上に当接させた状態で、ドーム部42aを変形させたとき、ドーム部42a内部の外部に対する空気の給排をスムーズに行うために設けられている。
各ドーム部42aの上端には、上方に延設されたトップ部42cがその下面にて連続して接続されている。トップ部42cはドーム部42aに比べて厚肉に円筒状に形成されている。このトップ部42cの上面は、白鍵11w及び黒鍵11bと一体的に形成された押圧部11w3,11b3に対向するように配置されている(図1参照)。押圧部11w3,11b3は、白鍵11w及び黒鍵11bの下面から突出させた棒状の突出部材である。また、上板部21には、押圧部11w3,11b3及びトップ部42cが内周面に接触することなく貫通可能な貫通孔21aが設けられている。そして、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵時には、押圧部11w3,11b3は、トップ部42cの上面を下方に押圧する。
各ドーム部42aの上端には、下方に延設された突出部42dがその上面にて連続して接続されている。突出部42dの上部は、その外形が円錐台状であって上側内部に空間を有するように薄肉に形成されている。突出部42dの下部は、ドーム部42aに比べて厚肉に円柱状に形成されている。そして、ベース部42bの貫通孔42b1、ドーム部42a及び突出部42dにより、基板41上にドーム状の空間を形成している。突出部42dの下部の下面には、導電性材料(例えばカーボン)を塗布した薄膜のスイッチ部42eが設けられている。このスイッチ部42eは、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵時に、ドーム部42aの変形により基板41に設けた電気接点41aをオンさせるものである。電気接点41aは、前述のように、図示しない配線パターンを介して電子部品に接続されており、スイッチ部42e及び電気接点41aは、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作を検出する機能を有する。なお、この押離鍵操作の検出は、楽音信号の発生制御に利用される。
鍵フレーム20の上板部21の下面には、ドーム部42aを挟んで前後2列に左右方向に延設されて、上板部21と一体的に形成された前側支持部24及び後側支持部25が設けられている。前側支持部24は、本体部24a、係合部24b及び突出部24cからなる。本体部24aは、縦断面形状を長方形とする左右方向に長尺状の部材であり、上板部21の下面から連続的に下方に延設されて上板部21と一体形成されている。ドーム部品42におけるベース部42bの上面に当接する本体部24aの下面は水平平面であり、下面の適当な複数の位置には円錐状の突起24a1(図3(B)の下方から見た拡大斜視図参照)が設けられている。基板41及びドーム部品42が前側支持部24及び後側支持部25に組み付けられた状態では、本体部24aの下面はベース部42bの上面に当接し、突起24a1はベース部42bの上面を下方に押し込んでいる。この本体部24aの下面が本発明の支持部材の当接面に相当する。なお、図2においては、係合部24b、突出部24c及び突起24a1の位置、及び後述する係合部25b、突出部25c及び突起25a1の位置を明確にするために、本体部24a,25aの外形は図示省略されている。
係合部24bは、左右方向に適当な間隔をおいて、本体部24aの前端の複数個所に設けられている。係合部24bは、本体部24aの下面前端から下方に垂直に延設させた垂直部と、垂直部の下端から後方に水平に延設させた水平部とからなるL字状に形成されており、水平部の上面にて基板41の前端部の下面を支持する。なお、係合部24bの水平部の前側部分の上面は基板41を水平に維持するために水平平面であるが、水平部の後側部分の上面は基板41を後方の下方から斜めに挿入するために後方を低くして傾斜している。
突出部24cは、本体部24aの下面後部であってドーム部品42の貫通孔42b2及び基板41の貫通孔41bの位置にて、下方に垂直に延設されている。突出部24cは、その横断面形状が円形であって、その先端部を半球状に形成した棒状部材であり、ベース部42bの貫通孔42b2及び基板41の貫通孔41bを貫通して基板41の下方に突出している。この突出部24cの先端部を除く部分の直径は、ドーム部品42の貫通孔42b2の直径より僅かに大きく、基板41の貫通孔41bの直径よりも小さい。
後側支持部25も、本体部25a、係合部25b及び突出部25cからなる。本体部25aは、縦断面形状を略長方形とする左右方向に長尺状の部材であり、上板部21の下面から連続的に下方に延設されて上板部21と一体形成されている。ドーム部品42におけるベース部42bの上面に当接する本体部25aの下面は水平平面であり、下面の適当な複数の位置には円錐状の突起25a1(図3(B)の突起24a1と同じ)が設けられている。本体部25aの下面の高さは、前側支持部24の本体部24aの下面の高さと同じに設定されている。この場合も、基板41及びドーム部品42が前側支持部24及び後側支持部25に組み付けられた状態では、本体部25aの下面はベース部42bの上面に当接し、突起25a1はベース部42bの上面を下方に押し込んでいる。そして、この本体部25aの下面も本発明の支持部材の当接面に相当する。
係合部25bは、左右方向に適当な間隔をおいて、本体部25aの後端の複数個所に設けられている。係合部25bは、本体部24aの後端から下方に垂直に延設させた垂直部と、垂直部の下端から前方に若干突出した突起部とからなる。係合部25bの垂直部は、本体部25aの後端面から離されて係合部24bに比べて長尺に形成され、前後方向に変形し易くなっている。係合部25bの突起部の縦断面形状は下方に突状の略3角形であり、その上面は基板41をその後端部の下面を水平に維持するために水平平面であり、その前側面は基板41を下方から押入れ易くするために下方を後側に位置させて傾斜している。係合部25bの突起部の上面の前方への突出量は、前記前側支持部24の係合部24bの水平部の後方への突出量よりも少ない。係合部25bの突起部の上面の高さは、前側支持部24の係合部24bの水平部の上面の高さに等しい。
突出部25cは、本体部24aの下面前部であってドーム部品42の貫通孔42b2及び基板41の貫通孔41bの位置にて、下方に垂直に延設されている。突出部25cは、その横断面形状が円形であって、その先端部を半球状に形成した棒状部材であり、ベース部42bの貫通孔42b2及び基板41の貫通孔41bを貫通して基板41の下方に突出している。この突出部25cの先端部を除く部分の直径も、ドーム部品42の貫通孔42b2の直径より僅かに大きく、基板41の貫通孔41bの直径よりも小さい。
なお、第1実施形態では、係合部24b,25bをドーム部42aの左右方向位置に合わせて、1つのドーム部品42当たり5つずつ設けたが、この数は5つに限らず、適当な数の係合部24b,25bを設ければよい。また、係合部24b,25bの左右方向の位置に関しても、ドーム部42aの左右方向位置に合わせる必要もない。また、第1実施形態では、突出部24c及び一つの突起24a1の左右方向位置と、突出部25c及び一つの突起25a1の左右方向位置とを合わせるようにしたが、これらの左右方向位置を合わせる必要はない。また、突出部24c,25c及び突起24a1,25a1の数に関しても、適当な数にすればよい。また、突出部24c,25cの前後方向の位置に関しても、適当に定めればよい。さらには、突出部24c,25c及び貫通孔41b,42b2を必ずしも設ける必要はない。そして、これらの点に関しては、他の実施形態及び変形例でも同様である。
このように構成される基板41及びドーム部品42の鍵フレーム20(前側支持部24及び後側支持部25)に対する組み付けについて説明しておく。作業者は、まず、複数のドーム部品42を、それらの貫通孔42b2の位置を前側支持部24の突出部24c及び後側支持部25の突出部25cの位置に合わせて押し上げ、貫通孔42b2内に突出部24c,25cを侵入させるとともにべース部42bから突出させる。そして、ドーム部品42のベース部42bの上面を前側支持部24の本体部24aの下面及び後側支持部25の本体部25aの下面に押し当てる。この場合、突出部24c,25cの外径は貫通孔42b2の内径よりも僅かに大きいので、突出部24c,25cは貫通孔42b2に圧入されて、ドーム部品42は前側支持部24及び後側支持部25に仮固定される。
次に、作業者は、基板41の貫通孔41bを前側支持部24の突出部24c及び後側支持部25の突出部25cの位置に合わせるとともに、基板41の前端が上方に斜めになるようにして基板41を下方から持ち上げる。そして、突出部24c,25cを貫通孔41bに貫通させながら、基板41の前端部を前側支持部24の係合部24bの水平部の上面に載置する。その後、作業者は基板41の後端部を押し上げて、後側支持部25の係合部25bの突起部の前側面に基板41の後端上面を押し当て、さらに基板41の後端部を押し上げる。このとき、係合部25bの垂直部は後方に変形し、最終的に基板41の後端下面が係合部25bの突起部を乗り越えてその上面に達すると、係合部25bの垂直部の変形は戻り、基板41の後端部下面は係合部25bの突起部の上面に載置される。これにより、ドーム部品42及び基板41が前側支持部24及び後側支持部25により鍵フレーム20の上板部21に組み付けられる。このように、基板41の前側支持部24及び後側支持部25への組み付け時には、突出部24c,25cを貫通孔41bに貫通させ、また突出部24c,25c及び貫通孔41bは基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する位置決め機能も発揮するので、突出部24c,25cの先端部を除く部分の直径は貫通孔41bの直径よりも若干小さく、かつ大き過ぎないように設定しておくとよい。
この場合、基板41とドーム部品42のベース部42bの合計の厚さは、前側支持部24及び後側支持部25の両本体部24a,25aの下面から前側支持部24の係合部24bの水平部の上面及び後側支持部25の係合部25bの突起部の上面までの距離に等しいか、又は前記距離よりも僅かに大きく設定されている。したがって、ドーム部品42及び基板41が鍵フレーム20の上板部21に組み付けられた状態では、基板41の前端部及び後端部は係合部24b,25bにそれぞれ係合して、基板41の前端部及び後端部の下面は係合部24bの水平部の上面及び係合部25bの突起部の上面に当接している。また、ドーム部品42のベース部42bの前側及び後側の両上面は、本体部24a,25aの下面に当接している。そして、本体部24a,25aに設けた突起24a1,25a1はベース部42bの上面を下方に押し込んだ状態にある。
次に、このように構成した第1実施形態に係る鍵盤装置の動作について説明する。演奏者が白鍵11w及び黒鍵11bを押し始めると、白鍵11w及び黒鍵11bはスプリング33w,33bの反力に抗して、鍵支持部31の突出部31aの軸心回りにそれぞれ揺動を開始し、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が下方に変位して、係合部11w2,11b2の水平部の上面が上限ストッパ部材34w,34bから離れる。さらに、白鍵11w及び黒鍵11bが押されると、押圧部11w3,11b3の下面はドーム部品42のトップ部42cの上面に当接してトップ部42cを押圧し、ドーム部品42のドーム部42aが変形して、突出部42dは下方へ変位する。
白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、突出部42dの下面に設けたスイッチ部42eは、基板41上に設けた電気接点41aに当接して電気接点41aをオフ状態からオン状態に切換える。これにより、図示しない楽音信号発生回路が楽音信号を発生し始める。そして、白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部下面が下限ストッパ部材35w,35bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部の下方への変位は終了する。
その後、白鍵11w及び黒鍵11bが離鍵されると、スプリング33w,33bの反力により、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部は下限ストッパ部材35w,35bの上面から離れて上方に変位する。白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が上方へ変位すると、スイッチ部42eは、電気接点41aから離れて電気接点41aをオン状態からオフ状態に戻す。この電気接点41aのオフにより、図示しない楽音信号発生回路が楽音信号の発生を終了し始める。その後、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部の上方への変位により、係合部11w2,11b2の水平部の上面が上限ストッパ部材34w,34bにふたたびと当接して、白鍵11w及び黒鍵11bの前端の上方への変位も終了する。
このように構成されかつ動作する第1実施形態に係る鍵盤装置においては、弾性体により形成されたベース部42bが、基板41の上面と、前側支持部24の本体部24aの下面及び後側支持部25の本体部25aの下面との間に介装されているので、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作によってドーム部42aが押圧されたときには、ベース部42bが基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する上下方向の動きを吸収して緩和する。したがって、第1実施形態によれば、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作によりドーム部42aが変形する際における、基板41の前端部及び後端部の下面と、前側支持部24の係合部24b及び後側支持部25の係合部25bとの間の衝突による機械的な雑音の発生が軽減される。特に、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面には突起24a1,25a1が設けられ、この突起24a1,25a1に対応した位置のベース部42bが変形し易くなるので、前記機械的な雑音発生の軽減効果は大きい。
また、ドーム部品42は一体形成されるものであるとともに、ベース部42bの上面を前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面に当接させるとともに、基板41の上面をベース部42bの下面に当接させて、ドーム部品42及び基板41が係合部24b,25bにより前側支持部24及び後側支持部25に組み付けられるだけであるので、基板41、ドーム部品42、前側支持部24及び後側支持部25を含む鍵盤装置は、簡単かつ安価に製造される。特に、ベース部42bに設けた貫通孔42b2を突出部24c,25cの位置に合わせて、貫通孔42b2内に突出部24c,25cを圧入により侵入させることにより、ドーム部品42は前側支持部24及び後側支持部25に仮固定されるので、ドーム部品42の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付けがより簡単になるとともに、ドーム部品42の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付け位置の精度も良好となる。
さらに、基板41に設けた貫通孔41bを突出部24c,25cの位置に合わせて、貫通孔41b内に突出部24c,25cを侵入させるとともに、係合部24b,25bにより基板41を前側支持部24及び後側支持部25に固定するようにしたので、基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付けが簡単になるとともに、基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付け位置が的確になる。
なお、前記第1実施形態においては、突出部24c,25cの先端部を除く部分の直径をベース部42bの貫通孔42b2の直径よりも僅かに大きくして、突出部24c,25cを貫通孔42b2に圧入してドーム部品42を前側支持部24及び後側支持部25に仮固定するようにした。しかし、突出部24c,25cの先端部を除く部分の直径をベース部42bの貫通孔42b2の直径とほぼ等しく又は前記直径よりも小さくしてもよい。この場合、基板41上にドーム部品42を載置した後に、適切に位置決めして、基板41及びドーム部品42を前側支持部24及び後側支持部25に組み付け固定するとよい。
また、前記第1実施形態においては、突出部24c,25cを基板41の貫通孔41bに貫通させるようにした。しかし、これに代えて、貫通孔41bを用いずに基板41の位置決めを行うようにすれば、突出部24c,25cをベース部42bの貫通孔42b2にのみ侵入させるようにしてもよい。この場合、ベース部42bの貫通孔42b2に代えて、ベース部42bに突出部24c,25cが侵入する有底の孔を設けるようにしてもよい。また、基板41に貫通孔41bを設ける必要もない。これらの場合、突出部24c,25cの長さは、前記第1実施形態の場合よりも短くなる。
b.第2実施形態
次に、図6を用いて、本発明の第2実施形態に係る鍵盤装置について説明する。図6は、図3(A)の縦断面図に対応させて、第2実施形態に係る鍵盤装置の基板41、ドーム部品42、前側支持部24、後側支持部25などの部分の拡大縦断面図である。この第2実施形態に係る鍵盤装置においては、上記第1実施形態の突出部24c,25c及び貫通孔41bがなく、突出部41c及び孔24a2,25a2が設けられている。
突出部41cは、上記第1実施形態の貫通孔41bの位置にて、基板41の上面から上方に垂直に立設している。突出部41cは、その横断面形状が円形であって、その先端部を半球状に形成した棒状部材であり、ベース部42bの貫通孔42b2を貫通して孔24a2,25a2内に侵入している。孔24a2,25a2は、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面から上方に垂直に延設されて形成された、横断面形状を円形とする有底の孔である。突出部41cの先端部を除く部分の直径は、ドーム部品42の貫通孔42b2の直径より僅かに大きく、孔24a2,25a2の直径よりも小さい。なお、この第2実施形態では、突出部41cは、基板41とは別体の樹脂成形部材であり、基板41に一体的に固定されている。しかし、突出部41cを基板41と一体成形可能であれば、突出部41cは基板41と一体でもよい。そして、他の構成に関しては、上記第1実施形態の場合と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
この第2実施形態に係る基板41及びドーム部品42の鍵フレーム20(前側支持部24及び後側支持部25)に対する組み付けについて説明しておく。作業者は、まず、複数のドーム部品42を、それらの貫通孔42b2の位置を基板41の突出部41cの位置に合わせて押し下げて、突出部41cを、ドーム部品42におけるベース部42bの貫通孔42b2内に侵入させるとともにベース部42bから上方に突出させる。そして、ベース部42bの下面を基板41の上面に押し当てる。この場合、突出部41cの外径は貫通孔42b2の内径よりも僅かに大きいので、突出部41cは貫通孔42b2に圧入されてドーム部品42は、基板41に仮固定される。
次に、作業者は、ベース部42bから上方に突出した突出部41cを前側支持部24の孔24a2及び後側支持部25の孔25a2の位置に合わせるとともに、基板41の前端が上方になるように斜めにして基板41を下方から持ち上げる。そして、突出部41cを孔24a2,25a2内に侵入させながら、基板41の前端部を前側支持部24の係合部24bの水平部の上面に載置する。その後、作業者は、上記第1実施形態と同様な作業により、基板41の後端部を係合部25bに係合させて、ドーム部品42及び基板41を前側支持部24及び後側支持部25に組み付ける。このように、基板41の前側支持部24及び後側支持部25への組み付け時には、突出部41cを孔24a2,25a2に侵入させ、また突出部41c及び孔24a2,25a2は基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する位置決め機能も発揮するので、突出部41cの先端部を除く部分の直径は孔24a2,25a2の直径よりも若干小さく、かつ大き過ぎないように設定しておくとよい。また、このような構成の第2実施形態に係る鍵盤装置の動作も、上記第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成されかつ動作する第2実施形態に係る鍵盤装置においても、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作によってドーム部42aが押圧されたときには、ベース部42bが、基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する上下方向の動きを吸収して緩和する。したがって、第2実施形態によっても、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作における、基板41の前端部及び後端部の下面と、前側支持部24及び後側支持部25の係合部24b,25bとの間の衝突による機械的な雑音の発生が軽減される。特に、この場合も、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面には突起24a1,25a1が設けられているので、前記機械的な雑音発生の軽減効果は大きい。
また、この第2実施形態においても、ドーム部品42は一体形成されるものであるとともに、ドーム部品42及び基板41が係合部24b,25bにより前側支持部24及び後側支持部25に前記第1実施形態と同様に組み付けられるだけであるので、基板41、ドーム部品42、前側支持部24及び後側支持部25を含む鍵盤装置は、簡単かつ安価に製造される。また、この第2実施形態においては、ベース部42bに設けた貫通孔42b2内に基板41に設けた突出部41cを圧入して侵入させることにより、ドーム部品42を基板41に仮固定するようにしたので、ドーム部品42の基板41に対する組み付けがより簡単になるとともに、ドーム部品42の基板41に対する組み付け位置の精度も良好となる。
さらに、基板41に設けた突出部41cを前側支持部24の本体部24aの孔24a2及び後側支持部25の本体部25aの孔25a2の位置に合わせて、孔24a2,25a2内に突出部41cを侵入させるとともに、係合部24b,25bにより基板41を前側支持部24及び後側支持部25に固定するようにしたので、基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付けが簡単になるとともに、基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付け位置が的確になる。
なお、前記第2実施形態においては、突出部41cの先端部を除く部分の直径をベース部42bの貫通孔42b2の直径よりも僅かに大きくして、突出部41cを貫通孔42b2に圧入してドーム部品42を基板41に仮固定するようにした。しかし、突出部41cの先端部を除く部分の直径をベース部42bの貫通孔42b2の直径とほぼ等しく又は前記直径よりも小さくしてもよい。この場合、基板41上にドーム部品42を位置決めして載置した後に、基板41及びドーム部品42を前側支持部24及び後側支持部25に組み付け固定するとよい。
また、前記第2実施形態においては、突出部41cを前側支持部24の孔24a2及び後側支持部25の孔25a2内に侵入させるようにした。しかし、これに代えて、孔24a2,25a2を用いることなく基板41の位置決めを行うようにすれば、突出部41cをベース部42bの貫通孔42b2にのみ侵入させるようにしてもよい。この場合、ベース部42bの貫通孔42b2に代えて、ベース部42bに突出部41cが侵入する有底の孔を設けるようにしてもよい。また、前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aに孔24a2,25a2を設ける必要もない。これらの場合、突出部41cの長さは、前記第2実施形態の場合よりも短くなる。また、前記第2実施形態において、前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aに設けた有底の孔24a2,25a2を、本体部24a,25aの下面から上面まで貫通する貫通孔にしてもよい。
c.第3実施形態
次に、図7を用いて、本発明の第3実施形態に係る鍵盤装置について説明する。図7も、図3(A)の縦断面図に対応させて、第3実施形態に係る鍵盤装置の基板41、ドーム部品42、前側支持部24、後側支持部25などの部分の拡大縦断面図である。この第3実施形態に係る鍵盤装置においては、上記第1実施形態の突出部24c,25c及び貫通孔42b2がなく、突出部42b4,42b5及び孔24a3,25a3が設けられている。
突出部42b4は、上記第1実施形態の貫通孔42b2の位置にて、ドーム部品42のベース部42bの上面から上方に垂直に立設している。突出部42b4は、ベース部42bと一体形成され、その横断面形状が円形であって、その先端部を半球状に形成した棒状部材であり、孔24a3,25a3内に侵入している。孔24a3,25a3は、上記第1実施形態の突出部24c,25cの位置にて、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面から上方に垂直に延設されて形成された、横断面形状を円形とする有底の孔である。突出部42b4の先端部を除く直径は、孔24a3,25a3の直径より僅かに大きい。
突出部42b5は、上記第1実施形態の貫通孔42b2の位置にて、ドーム部品42のベース部42bの下面から下方に垂直に立設している。突出部42b5は、ベース部42bと一体形成され、その横断面形状が円形であって、その先端部を半球状に形成した棒状部材であり、基板41に設けた貫通孔41b内に侵入している。突出部42b5の先端部を除く部分の直径は、貫通孔41bの直径より僅かに大きい。そして、他の構成に関しては、上記第1実施形態の場合と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。
この第3実施形態に係る基板41及びドーム部品42の鍵フレーム20(前側支持部24及び後側支持部25)に対する組み付けについて説明しておく。この場合、2つの組み付け方法が考えられるが、まず、第1の組み付け方法について説明する。作業者は、複数のドーム部品42を、それらの突出部42b4の位置を孔24a3,25a3の位置に合わせて押し上げて、突出部42b4を孔24a3,25a3内に侵入させる。そして、ドーム部品42のベース部42bの上面を前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aの両下面に押し当てる。この場合、突出部42b4の外径は孔24a3,25a3の内径よりも僅かに大きいので、突出部42b4は孔24a3,25a3に圧入されて、ドーム部品42は前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aに仮固定される。
次に、作業者は、突出部42b5の位置を基板41の貫通孔41bの位置に合わせるとともに、基板41の前端が上方になるように斜めにして基板41を下方から持ち上げる。そして、突出部42b5を貫通孔41b内に侵入させながら、基板41の前端部を前側支持部24の係合部24bの水平部の上面に載置する。なお、この場合における突出部42b5の貫通孔41b内への侵入は圧入である。その後、作業者は、上記第1実施形態と同様な作業により、基板41の後端部を係合部24bに係合させて、ドーム部品42及び基板41を前側支持部24及び後側支持部25に組み付ける。
次に、第2の組み付け方法について説明する。作業者は、複数のドーム部品42を、それらの突出部42b5の位置を基板41の貫通孔41bの位置に合わせて押し下げて、突出部42b5を貫通孔41b内に侵入させるとともに基板41から下方に突出させる。そして、ドーム部品42のベース部42bの下面を基板41の上面に押し当てる。この場合、突出部42b5の外径は貫通孔41bの内径よりも僅かに大きいので、突出部42b5は貫通孔41bに圧入されて、ドーム部品42は基板41に仮固定される。
次に、作業者は、突出部42b4の位置を孔24a3,25a3の位置に合わせるとともに、基板41の前端が上方になるように斜めにして基板41をドーム部品42と共に下方から持ち上げる。そして、突出部42b4を孔24a3,25a3内に侵入させながら、基板41の前端部を前側支持部24の係合部24bの水平部の上面に載置する。なお、この場合における突出部42b4の孔24a3,25a3内への侵入は圧入である。その後、作業者は、上記第1実施形態と同様な作業により、基板41の後端部を係合部24bに係合させて、ドーム部品42及び基板41を前側支持部24及び後側支持部25に組み付ける。なお、このような構成の第3実施形態に係る鍵盤装置の動作も、上記第1実施形態の場合と同じであるので、その説明を省略する。
このように構成されかつ動作する第3実施形態に係る鍵盤装置においても、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作によってドーム部42aが押圧されたときには、ベース部42bが、基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する上下方向の動きを吸収して緩和する。したがって、第3実施形態によっても、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作における、基板41の前端部及び後端部の下面と前側支持部24及び後側支持部25の係合部24b,25bとの間の衝突による機械的な雑音の発生が軽減される。特に、この場合も、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面には突起24a1,25a1が設けられているので、前記機械的な雑音発生の軽減効果は大きい。
また、この第3実施形態においても、ドーム部品42は一体形成されるものであるとともに、ドーム部品42及び基板41が係合部24b,25bにより前側支持部24及び後側支持部25に前記第1実施形態と同様に組み付けられるだけであるので、基板41、ドーム部品42、前側支持部24及び後側支持部25を含む鍵盤装置は、簡単かつ安価に製造される。また、この第3実施形態においては、ベース部42bに設けた突出部42b4を前側支持部24の本体部24aに設けた孔24a3及び後側支持部25の本体部25aに設けた孔25a3内に圧入により侵入させ、かつベース部42bに設けた突出部42b5を基板41に設けた貫通孔41b内に圧入により侵入させて、ドーム部品42及び基板41を前側支持部24及び後側支持部25に固定するようにしてので、ドーム部品42及び基板41の前側支持部24及び後側支持部25に対する組み付け位置の精度が良好となる。
なお、前記第2実施形態においては、突出部42b4の先端部を除く部分の直径を前側支持部24の孔24a3及び後側支持部25の孔25a3の直径よりも僅かに大きく、かつ突出部42b5の先端部を除く部分の直径を基板41の貫通孔41bの直径よりも僅かに大きくして、突出部42b4,42b5を孔24a3,25a3,41bに圧入してドーム部品42を前側支持部24、後側支持部25及び基板41に固定するようにした。しかし、突出部42b4の先端部を除く部分の直径を孔24a3,25a3の直径とほぼ等しく又は前記直径よりも小さくしたり、突出部42b5の先端部を除く部分の直径を貫通孔41bの直径とほぼ等しく又は前記直径よりも小さくしたりしてもよい。
特に、前述した第1の組み付け方法によって基板41及びドーム部品42を前側支持部24及び後側支持部25に組み付ける場合には、突出部42b5を貫通孔41b内に圧入しながら、基板41の前端部を前側支持部24の係合部24bの水平部の上面に載置するとともに、基板41の後端部を後側支持部25の係合部25bに係合させることは簡単ではないので、突出部42b5の先端部を除く部分の直径を貫通孔41bの直径より小さくするとよい。また、前述した第2の組み付け方法によって基板41及びドーム部品42を前側支持部24及び後側支持部25に組み付ける場合には、突出部42b4を孔24a3,25a3内に圧入しながら、基板41の前端部を前側支持部24の係合部24bの水平部の上面に載置するとともに、基板41の後端部を後側支持部25の係合部25bに係合させることは簡単ではないので、突出部42b4の先端部を除く部分の直径を孔24a3,25a3の直径より小さくするとよい。
さらに、前記第3実施形態においては、前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aに有底の孔24a3,25a3を設けるようにした。しかし、これに代えて、孔24a3,25a3を本体部24a,25aの下面から上面まで貫通する貫通孔で構成してもよい。また、前記第3実施形態においては、突出部42b4と突出部42b5とをベース部42bの上面及び下面の対向位置に設けるようにしたが、突出部42b4と突出部42b5とを対向位置に設けなくてもよい。また、突出部42b4の数と突出部42b5の数とが異なっていてもよい。ただし、この場合、孔24a3,25a3及び貫通孔41bを、突出部42b4及び突出部42b5にそれぞれ対応させて設けるようにする。
d.第4実施形態
次に、図8を用いて、本発明の第4実施形態に係る鍵盤装置について説明する。図8も、図3(A)の縦断面図に対応させて、第4実施形態に係る鍵盤装置のドーム部品43、支持板44、前側支持部24、後側支持部25などの部分の拡大縦断面図である。この第4実施形態に係る鍵盤装置においては、ドーム部品43が上記第1実施形態のドーム部品42とは異なるとともに、ドーム部品43を支持する支持板44も上記第1実施形態の基板41とは異なる。
このドーム部品43も、上記第1実施形態のドーム部42a、ベース部42b及びトップ部42cとそれぞれほぼ同様なドーム部43a、ベース部43b及びトップ部43cを備えている。ただし、ドーム部品43は、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵操作に対して反力を発生する反力発生部材として機能するもので、上記第1実施形態の突出部42d及びスイッチ部42eを有していない。すなわち、ドーム部43aは、上記第1実施形態のドーム部42aとほぼ同様な形状を有するが、上方からの押圧力の増加により弾性変形して反力を徐々に増加させるとともに、反力がピークに達した後に座屈変形によって反力を急激に減少させる(図示2点鎖線参照)。そのために、ドーム部品43は、上記第1実施形態のドーム部品42とは弾性体の材料の硬度を異ならせていたり、ドーム部43aは、上記第1実施形態のドーム部22とは肉厚を異ならせていたりする。他のドーム部品43の構成は上記第1実施形態のドーム部品42と同じである。
支持板44は、上記第1実施形態のように電子部品が配置されたものではなく、単にドーム部品(反力発生部材)43を支持する。したがって、この支持板44は、電気接点41aを有しておらず、樹脂により一体成形されている。ただし、この支持板44の形状は上記第1実施形態の基板41と同じであり、上記第1実施形態の貫通孔41bと同様な貫通孔44bも備えている。そして、ドーム部品43及び支持板44以外の鍵盤装置の構成に関しては上記第1実施形態と同様であるので、同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。また、ドーム部品43及び支持板44の前側支持部24及び後側支持部25への組み付け方法に関しても上記第1実施形態と同じであるので、その説明を省略する。なお、この第3実施形態に係る鍵盤装置においては、上記第1実施形態の基板41及びドーム部品42のようにスイッチ部材として機能する部品が別途設けられているが、これらの部品に関しては図示省略されている。
このように構成した第4実施形態に係る鍵盤装置の動作について説明する。演奏者が白鍵11w及び黒鍵11bを押し始めると、白鍵11w及び黒鍵11bは上記第1実施形態の場合と同様に揺動を開始して、白鍵11w及び黒鍵11bの前端部が下方に変位する。そして、最終的には、白鍵11w及び黒鍵11bの前端下面が下限ストッパ部材35w,35bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動は終了する。一方、押鍵されていた白鍵11w及び黒鍵11bが離鍵されると、上記第1実施形態の場合と同様に、前端部は上方に変位して、係合部11w2,11b2が上限ストッパ部材34w,34bに当接して、白鍵11w及び黒鍵11bは離鍵状態に戻る。この白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵動作時に、図示省略したスイッチ部材により、楽音信号の発生停止が制御される。
このような白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵操作時に、ドーム部品43は押鍵操作に対する反力を発生する。すなわち、押圧部11w3,11b3がドーム部品43のトップ部43cを押圧し始めると、ドーム部品43のドーム部43aは全周に渡ってほぼ均等に変形し始めて、演奏者は、スプリング33w,33bによる反力に加えて、ドーム部品43によって徐々に増加する反力を感じ始める。白鍵11w及び黒鍵11bがさらに押されると、ドーム部品43の反力がピークに達して、その後に、ドーム部43aが全周に渡って座屈変形し始める(図示2点鎖線参照)。これにより、演奏者の押鍵に対するドーム部品43の反力は急激に減少し、演奏者は明確なクリック感を感じる。このような反力により、演奏者はピアノの演奏と同様な感覚を得ることができる。
このように構成されるとともに動作する鍵盤装置においても、ドーム部品43、支持板44、前側支持部24及び後側支持部25の構成及び組み立ては上記第1実施形態の場合と同じである。したがって、この第4実施形態に係る鍵盤装置においても、上述した第1実施形態と同じ効果が期待される。
また、前記第4実施形態では、上記第1実施形態のドーム部品42及び基板41を、反力発生部材として機能するドーム部品43及び支持板44に変更した例について説明した。しかし、上述した第2及び第3実施形態のドーム部品42及び基板41を、前述した反力発生部材として機能するドーム部品43及び支持板44のように変更するようにしてもよい。すなわち、上記第2実施形態における上記第1実施形態に対する変更部分(突出部41c、孔24a2,25a2など)を、ドーム部品43及び支持板44を有する前記第4実施形態に適用するようにしてもよい。この場合、突出部41cに関しては、支持板44と樹脂により一体成形した突出部に変更するとよい。また、上記第3実施形態における上記第1実施形態に対する変更部分(突出部42b4,42b5、孔24a3,25a3、貫通孔41bなど)を、ドーム部品43及び支持板44を有する前記第4実施形態に適用するようにしてもよい。これらの変形例によれば、上述した第2及び第3実施形態と同じ効果が期待される。
d1.変形例
次に、前記第4実施形態の変形例1,2について説明する。前記第4実施形態の場合、ドーム部品43のドーム部43a及びトップ部43cの軸心は、上板部21及び支持板44の上面及び下面に垂直、すなわち水平面に対して垂直である。しかし、この種のドーム部品43は、白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵時に、白鍵11w及び黒鍵11bの押圧部の回転方向に押圧されることが望ましい。すなわち、ドーム部品43のドーム部43a及びトップ部43cの軸心Ydを押圧方向に一致させることが好ましい。そのために、ドーム部43a及びトップ部43cの軸心Ydが垂直方向(水平面に対して垂直である方向)に対して上方にて前側に傾斜するように、ドーム部品43を、前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aの下面と、支持板44の上面との間に固定する必要がある。
図9は、図8の縦断面図に対応させて、前記のように変形した変形例1に係る鍵盤装置のドーム部品43、支持板44、前側支持部24、後側支持部25などの部分の拡大縦断面図である。この変形例1に係る鍵盤装置においては、ドーム部品43、前側支持部24及び後側支持部25が、前記第4実施形態の場合とは異なる。ドーム部品43においては、べース部43bの後端部がべース部43bの前端部に比べて厚肉に構成されている。べース部43bの上面及び下面はそれぞれ平面であり、ドーム部43a及びトップ部43cの軸心Ydは、べース部43bの上面と直交するが、べース部43bの下面に対して、上方にて前側に位置するように傾斜している。また、べース部43bに設けた貫通孔43b2においては、その上端及び下端の形状は円形であるが、貫通孔43b2の上端の内径は貫通孔43b2の下端の内径よりも小さい。そして、前記上端の内径は突出部24c,25cの外径よりも若干小さく、前記下端の内径は突出部24c,25cの外径よりも若干大きい。また、貫通孔43b2の図示右内側面は軸心Ydと平行に延設されているが、貫通孔43b2の図示左内側面は軸心Ydに対して下方にて図示左側に傾斜している。これは、ドーム部品43を樹脂成型する際に、上下金型をべース部43bの上面を境にドーム部43aの軸心Yd方向に抜き取るからである。
前側支持部24及び後側支持部25においては、それらの本体部24a,25aの下面が、前端を後端よりも低くして傾斜している。これらの本体部24a,25aの下面は同一平面内に位置しており、上板部21の上面に対する本体部24a,25aの下面の傾斜角度は、べース部43bの下面に対するべース部43bの上面の傾斜角度に等しい(すなわち、軸心Ydと上板部21の上面の垂直線とが成す角度に等しい)。なお、突出部24c,25cは、上板部21の上面に対して垂直に、本体部24a,25aの下面から下方に突出している。他の構成は、前記第4実施形態と同じであるので、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、ドーム部品43及び支持板44の前側支持部24及び後側支持部25に対する組付けに関しても、前記第4実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように構成した変形例1においては、べース部43bの下面を支持板44の上面に密着させるとともに、べース部43bの上面を前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aの下面に密着させて、ドーム部品43を前側支持部24及び後側支持部25と支持板44との間に固定すれば、ドーム部43a及びトップ部43cの軸Yd心が垂直方向に対して上方にて前側に傾斜する。したがって、白鍵11w及び黒鍵11bの押圧部の回転方向が下方にて後側に傾いていても、ドーム部品43はドーム部43a及びトップ部43cの軸心Yd方向に押圧されるようになる。この点以外の作用効果は前記第4実施形態の場合と同じである。
図10は、図8の縦断面図に対応させて、前記のように変形した変形例2に係る鍵盤装置のドーム部品43、支持板44、前側支持部24、後側支持部25などの部分の拡大縦断面図である。この変形例2に係る鍵盤装置においても、ドーム部品43、前側支持部24及び後側支持部25が、前記第4実施形態の場合とは異なる。ドーム部品43においては、べース部43bに設けた貫通孔43b2が、前記変形例1の場合と同様に構成されている。すなわち、貫通孔43b2の上端の内径は貫通孔43b2の下端の内径よりも大きい。そして、前記上端の内径は突出部24c,25cの外径よりも若干小さく、前記下端の内径は突出部24c,25cの外径よりも若干大きい。また、貫通孔43b2の図示右内側面は軸心Ydと平行に延設されているが、貫通孔43b2の図示左内側面は軸心Ydに対して下方にて図示左側に傾斜している。他のドーム部品43の構成は、前記第4実施形態の場合と同じである。
前側支持部24及び後側支持部25においては、前記変形例1と同様に、それらの本体部24a,25aの下面が、前端を後端よりも低くして傾斜している。そして、これらの本体部24a,25aの下面は同一平面内に位置しており、上板部21の上面に対する本体部24a,25aの下面の傾斜角度は、ドーム部43a及びトップ部43cの軸心Ydと上板部21の上面の垂直線とが成す角度に等しい。なお、突出部24c,25cは、上板部21の上面に対して垂直に、本体部24a,25aの下面から下方に突出している。また、この変形例2では、前側支持部24の係合部24の下端部が後側支持部25の係合部25bの下端部よりも低く位置する。そして、係合部24bにおける垂直部の下端から後方に水平に延設させた水平部の上面と、係合部25bに垂直部の下端から前方に水平に延設させた水平部の上面とを結ぶ平面は、本体部24a,25aの下面と平行である。他の構成は、前記第4実施形態と同じであるので、同一の符号を付して、その説明を省略する。また、ドーム部品43及び支持板44の前側支持部24及び後側支持部25に対する組付けに関しても、前記第4実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
このように構成した変形例2においても、べース部43bの下面を支持板44の上面に密着させるとともに、べース部43bの上面を前側支持部24の本体部24a及び後側支持部25の本体部25aの下面に密着させて、ドーム部品43を前側支持部24及び後側支持部25と支持板44との間に固定すれば、べース部43b及び支持板44の板厚は全面に渡って均等であるので、ドーム部43a及びトップ部43cの軸Yd心が垂直方向に対して上方にて前側に傾斜する。したがって、この変形例2においても、白鍵11w及び黒鍵11bの押圧部の回転方向が下方にて後側に傾いていても、ドーム部品43はドーム部43a及びトップ部43cの軸心Yd方向に押圧されるようになる。この点以外の作用効果を前記第4実施形態の場合と同じである。
また、前記第4実施形態の変形例で説明したように、上述した第2及び第3実施形態のドーム部品42及び基板41を、反力発生部材として機能する前述した変形例1,2に係るドーム部品43及び支持板44のように変更するようにしてもよい。さらに、上記第1乃至第3実施形態のスイッチ機能を有するドーム部品42及び基板41を、前記反力発生部材として機能する第4実施形態及びその変形例1,2のように、ドーム部品42のドーム部42aの軸心を垂直に対して傾けるように変形してもよい。
e.他の変形例及び適用例
次に、他の変形例及び適用例について説明する。上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面であって、ドーム部品42,43のベース部42b,43bの上面に当接する下面に、ベース部42b,43bの上面部を押し込む突起24a1,25a1を設けるようにした。しかし、この突起24a1,25a1に代え又は加えて、基板41及び支持板44の上面であって、ドーム部品42,43のベース部42b,43bの下面に当接する上面に、ベース部42b,43bの下面部を押し込む突起をそれぞれ設けるようにしてもよい。これによっても、上述したように、突起に対応した位置のベース部42b,43bが変形し易くなるので、機械的な雑音発生の軽減効果は大きい。
また、これらの突起に代え又は加えて、ドーム部品42,43のベース部42b,43bの上面であって、前側支持部24及び後側支持部25の本体部24a,25aの下面に当接する上面に、突起を設けるようにしてもよい。また、ドーム部品42,43のベース部42b,43bの下面であって、基板41及び支持板44の上面に当接する下面に、突起を設けるようにしてもよい。これらのベース部42b,43bの上面及び下面に設けた突起は、ベース部42b,43bと一体形成された弾性体であるので、これらの場合には、本体部24a,25aの下面、並びに基板41及び支持板44の上面に押されて、突起自身が変形する。しかし、これらによっても、上述したように、突起自身の変形により、機械的な雑音発生の軽減効果は大きい。
また、上記第1乃至第4実施形態の突起24a1,25a1及び前記各種変形例に係る突起の形状は、円錐状に限らず、円錐台状、角錐状、角錐台状、半球状、円筒状などの他の形状であってもよい。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、突出部24c,25c,41c、42b4,42b5の断面形状を円形としたが、これらの断面形状は、円形に限らず、楕円上、長円状など種々の形状が考えられる。ただし、この場合、貫通孔42b2,41b,43b2,44b及び孔24a2,25a2,24a3,25a3の断面形状を、前記突出部24c,25c,41c、42b4,42b5の形状に対応させる必要がある。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部42a,43aの軸心に直交する断面形状を円形にした。しかし、この断面形状は円形に限らず、楕円形、長楕円形などでもよい。なお、この場合も、ドーム部42a,43aは、周方向の全体に渡り、下方に向かって径方向長さを徐々に増加させた形状である。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、白鍵11w及び黒鍵11bを鍵支持部31の突出部31aの中心軸回りに揺動させるようにした例について説明した。しかし、これに限らず、白鍵11w及び黒鍵11bの後端に板状の薄肉部を設け、薄肉部の後端を支持部材に支持させることにより、薄肉部の弾性変形により白鍵11w及び黒鍵11bを揺動させるようにしたヒンジ型の揺動支点を利用するものでもよい。
また、上記第1乃至第3実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部品42はドーム型スイッチ部材であり、かつ第4実施形態及びその変形例においては、ドーム部品43が反力発生部材であった。しかし、一つのドーム部品をドーム型スイッチ部材として機能させるとともに、反力発生部材としても機能させるようにしてもよい。この場合、ドーム部42a,43aを内側部分と外側部分との2段構成とし、内側部分と外側部分との間に円筒状の変形量の少ないスイッチ部分を設ける。そして、外側部分の変形により押鍵に対して増加する反力を発生するとともに、スイッチ部分で基板に設けた接点を開閉するようにし、かつ内側部分の変形により座屈変形を伴う押鍵に対する反力を発生するようにするとよい。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、白鍵11w及び黒鍵11bによりドーム部品42,43を直接押圧するようにした。しかし、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動により連動して揺動する揺動体が間接的にドーム部品42,43を押圧するようにした鍵盤装置にも、本発明に係る操作子連動装置は適用され得る。すなわち、白鍵11w及び黒鍵11bの揺動により連動して揺動する揺動体(例えば、ハンマー)を設け、揺動体に押圧部を設けるとともに、押圧部に対向する位置に基板41、支持板44及びドーム部品42,43を前側支持部24及び後側支持部25に支持固定するようにしてもよい。これによっても、白鍵11w及び黒鍵11bの押離鍵操作に対して、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例と同様な効果を期待できる。
また、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例においては、ドーム部品42,43のドーム部42a,43aの軸心が上下方向に延設されるように、ドーム部品42,43を固定する例について説明した。しかし、ドーム部42a,43aの軸心が上下方向でない方向に延設されるように、ドーム部品42,43が固定される場合もある。例えば、白鍵11w及び黒鍵11bの鍵支持部31の近傍から白鍵11w及び黒鍵11bの延設方向(すなわち水平方向)と異なる方向(例えば、直角方向)に一体的に延設する延設部材を白鍵11w及び黒鍵11bに設けて、延設部材が白鍵11w及び黒鍵11bの押鍵により延設方向とほぼ直角方向(例えば、略水平方向)に揺動するようにする。この場合、基板41、支持板44及びドーム部品42,43を、前記延設部材に対向する位置にて、上述した前側支持部24及び後側支持部25と同様に構成した支持部に固定すると、ドーム部42a,43aの軸心が上下方向以外の方向(例えば、水平方向)となる。また、ハンマーなどの揺動体を用いる場合にも、揺動体の揺動方向によっては、ドーム部42a,43aの軸心は上下方向以外の方向になるように、基板41、支持板44及びドーム部品42,43が上述した前側支持部24及び後側支持部25と同様に構成した支持部により固定されることになる。要するに、本発明においては、ドーム部42a,43aの開口側にてドーム部品42,43を基板41及び支持板44を介して支持部に固定すればよく、ドーム部42a,43aの軸心方向に関しては、上下方向以外の種々の方向が考えられる。なお、これらの場合における支持部の位置は、ドーム部品42,43の位置に依存する。
さらに、本発明に係るドーム部品42,43は、鍵盤装置の白鍵11w及び黒鍵11b以外の操作子にも適用され得る。すなわち、手、足などにより操作される操作子に対しても、上記第1乃至第4実施形態及びそれらの変形例のようなドーム部品42,43を用いて、操作子の操作を検出したり、操作子の操作に対して反力を与えたりするようにしてもよい。この場合も、ドーム部品42,43は、基板41及び支持板44を介して、上述した前側支持部24及び後側支持部25と同様に構成した支持部材に固定される。なお、この場合の操作子は、揺動中心を中心にして揺動するものに限らず、ドーム部42a,43aの軸心方向に沿って平行移動するような操作子であってもよい。