JP2015184186A - 電子時計 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1の電子時計では、電子式リューズにより表示情報を修正する際に、リューズの軸方向の引き出し位置に応じて、リューズを回転操作したときの回転信号の計測条件を可変し、計測条件に基づいて修正対象となる情報の修正量を可変している。
このように修正量を可変させることで、リューズの操作位置によって操作性が異なるというリューズの欠点を補い、リューズによる修正操作をしやすくしている。
特許文献1の電子時計において、このようなクロノグラフ針の基準位置を修正する場合を想定すると、リューズの引き出し位置は変更されないため、ボタン操作で修正対象を変更しても、回転信号の計測条件、修正量を変更できない。このため、指針を1ステップ毎移動する通常修正モード(単修正モード)と、指針を複数ステップ連続して移動する連続修正モードとを選択できる場合、連続修正モードの修正量もリューズの引き出し位置が同じであれば同じ修正量となる。
例えば、1/5秒クロノグラフ針の基準位置(0位置)をリューズで修正する場合、1/5秒クロノグラフ針の修正量の総数は300(0〜299)と多い。このため、リューズを2段位置に引き出した場合、通常修正モードでの修正量は「1」とし、連続修正モードでの修正量を「300」とすれば、1/5秒クロノグラフ針の修正操作が容易になる。
しかし、時クロノグラフ針では、修正量の総数が6(0〜5)と少ないため、針を1ステップずつ修正する動作で十分であり、連続修正する動作では意図した目盛に合わせにくい。すなわち、連続修正量が300である場合に、意図せずに連続修正モードに移行してしまうと、修正量の総数(6)の50倍もの修正量が入力され、時クロノグラフ針が複数回、回転してしまい、時クロノグラフ針を基準位置に合わせる操作が困難になるという課題がある。
このような課題は、指針に限らず、カレンダー車等の表示手段を、リューズなどの操作部材の回転操作で修正する場合に共通する課題である。
このような本発明では、表示手段により表示情報が表示される。表示手段における表示情報は、操作部材の回転操作により修正することができる。この際、制御手段は、操作部材の回転操作により、単修正モードまたは連続修正モードを選択する。
単修正モードでは、制御手段は、操作部材の回転操作を検出するたびに、前記駆動機構に単修正信号を出力して指針等の表示手段を単一修正量で修正する。このため、指針等の表示手段は、修正される表示情報を1目盛分ごと修正することができ、細かな設定を行うことができる。
例えば、表示情報の修正量の総数が2〜60と少ない場合や、修正量の総数分の修正時間が4秒以下などと短い場合は、連続修正操作を行うと、表示手段の修正完了までの時間が短いため、ユーザーが意図する修正位置を通り過ぎてしまうことが多い。
一方で、表示情報の修正量の総数が60〜720等と多い場合や、修正量の総数分の修正時間が5秒以上と長い場合に、前記修正量の総数が少ない情報に適した連続修正量で修正すると、一度の連続修正操作では修正量が足りない場合があり、複数回の連続修正操作を行わなければならない。
このように、いずれの場合も操作部材で修正操作を繰り返す必要があり、修正操作性が低下する。
本発明では、ユーザーは、所定時間内の操作部材の回転操作量を変更するだけで、単修正モードまたは連続修正モードを選択することができる。したがって、ボタン操作などで各モードを選択する場合に比べて、表示手段の修正時の操作性を向上できる。
ここで、表示情報の修正量の総数とは、指針等の表示手段が修正開始の元の位置に戻るまで、つまり同じ情報を表示するまでの修正量である。例えば、秒針のように、1回転(360度)回転すると同じ秒を指示する指針であれば、修正量の総数は前記指針を1回転させるのに必要な修正量を意味する。
表示手段には片方向にしか変化しないものがある。例えば、時計に太い針を取り付けたとき、指針を駆動するモーターの仕様の制限(時計の動作電圧の制限など)により、一方向にしか回転しないモーターを用いなければならず、指針の回転方向が片方向(正転方向のみ)になる場合がある。
このような行き過ぎを回復するためには、逆方向の操作が最適である。しかし、前述した通り表示手段が片方向にしか変化しない表示情報では、逆方向に戻す操作が行えない。このため、表示手段を単修正操作で意図した位置に移動する必要があり、修正操作が煩雑となる。
これに対し、本発明では、連続修正量を、単一修正量と同じにすることで、誤って連続修正操作を行った場合でも、単一修正量の移動に制限されるので、表示手段が意図した修正位置を行き過ぎることを防止でき、修正操作性を向上できる。
表示情報の修正量の総数が少ない場合、連続修正量を多くすると、誤って連続修正操作を行った場合に、ユーザーの意図した修正位置を過ぎてしまう可能性が高い。
これに対し、本発明では、連続修正量を、単一修正量と同じにすることで、誤って連続修正操作を行った場合でも、単一修正量の移動に制限されるので、表示手段が意図した修正位置を行き過ぎることを防止でき、修正操作性を向上できる。
さらに、表示情報の修正量の総数が少ないため、連続修正量を単一修正量と同じにしても、ユーザーの修正操作の負担が増えることがなく、修正操作性の低下も防止できる。
表示手段が修正量の総数分だけ修正する時間、つまり表示手段が一巡する時間(表示手段が一周して元の位置に戻るまでの時間)が短い場合(例えば、表示情報を示す指針の駆動周波数が高い場合や、表示情報の修正量の総数が少ない場合など)、単修正操作だけでも容易に修正が行える。
これに対し、本発明では、連続修正量を、単一修正量と同じにすることで、誤って連続修正操作を行った場合でも、単一修正量の移動に制限されるので、表示手段が意図した修正位置を行き過ぎることを防止でき、修正操作性を向上できる。
さらに、表示情報の修正量の総数が少ないため、連続修正量を単一修正量と同じにしても、ユーザーの修正操作の負担が増えることがなく、修正操作性の低下も防止できる。
衛星信号を受信することで設定される情報としては、例えばタイムゾーン情報がある。修正時の表示手段の移動量が一定でない情報としては、例えば扇形状に曜日が表示されて指針を基準位置から一方向に移動する場合は各曜日の目盛毎移動し、端部まで移動した後は基準位置まで一度に移動するような情報である。修正時に前記表示手段で表示される前記表示情報に連続性がない情報としては、0時間から+14時間まで修正された後、−12時間から0時間に修正されるタイムゾーン情報などがある。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子時計10の概略正面図である。
図1に示すように、電子時計10は、地球の上空を所定の軌道で周回している複数のGPS衛星8のうち、少なくとも1つのGPS衛星8からの衛星信号を受信して時刻情報を取得し、少なくとも3つのGPS衛星8からの衛星信号を受信して位置情報を算出するように構成されている。なお、GPS衛星8は、位置情報衛星の一例であり、地球の上空に複数存在している。現在は約30個のGPS衛星8が周回している。
図2は電子時計10の詳細な正面図である。図3は電子時計10の概略断面図である。
電子時計10は、ユーザーの手首に装着される腕時計である。本実施形態の電子時計10は、ワールドタイム機能とクロノグラフ機能とを備えている。
外装ケース30は、金属で形成された円筒状のケース31に、セラミックで形成されたベゼル32が嵌合されて構成されている。ベゼル32の内周側には、プラスチックで形成されたリング状のダイヤルリング40を介して、円盤状の文字板11が配置されている。
文字板11には、中心より2時方向に円形の第1小窓70と指針71とが設けられ、中心より10時方向に円形の第2小窓80と指針81とが設けられ、中心より6時方向に円形の第3小窓90と指針91とが設けられ、4時方向に矩形のカレンダー小窓15とが設けられている。
文字板11、指針21,22,23、第1小窓70、指針71、第2小窓80、指針81、第3小窓90、指針91およびカレンダー小窓15などは、カバーガラス33を透して、視認可能となっている。
また、文字板11の裏面側にはカレンダー車(日車)16が配置され、このカレンダー車16はその一部がカレンダー小窓15から視認可能となっている。
表示装置20においては、秒針である指針81、分針である指針22、時針である指針23により現在時刻が表示され、カレンダー車16により現在日付が表示される。1/5秒クロノグラフ針である指針21、分クロノグラフ針である指針71、時クロノグラフ針である指針91によりクロノグラフ機能の計時結果が表示される。
また、指針91は、後述するように、サマータイムの設定のオン・オフ、電池残量レベル、受信モード等の各種モード情報の指示も兼用している。
本実施形態において、表示装置20に表示される現在時刻(時分秒)、現在日付およびクロノグラフ計時結果(時分および1/5秒)、各種モード情報が、本発明の表示情報である。
これらのAボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64およびリューズ50が操作されることにより、操作に応じた操作信号が出力される。
本実施形態において、リューズ50が、本発明の操作部材である。そして、リューズ50およびAボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64により、入力装置69(操作部)が構成されている。リューズ50に対する回転操作は、後述する回転検出部59(図4参照)により検出される。
電子時計10は、図3に示すように、金属製の外装ケース30の表裏二つの開口のうち、表面側の開口は、ベゼル32を介してカバーガラス33で塞がれており、裏面側の開口は金属で形成された裏蓋34で塞がれている。
外装ケース30の内側には、ベゼル32の内周に取り付けられているダイヤルリング40と、光透過性の文字板11と、文字板11を貫通した指針軸25と、指針軸25を中心に周回する指針21,22,23を含む表示装置20(図3では図示しない指針71,81,91およびカレンダー車16を含む)を駆動する駆動機構140などが備えられている。
指針軸25は、外装ケース30の平面視中心を通り、表裏方向に延在する中心軸に沿って設けられている。
文字板11と、駆動機構140が取り付けられている地板125との間には、光発電を行うソーラーパネル135が備えられている。
駆動機構140は、図5に示すように、秒針モーター141、時分針モーター142、カレンダーモーター143、1/5秒クロノグラフ針モーター144、分クロノグラフ針モーター145、モード針/時クロノグラフ針モーター146を備えている。
時分針モーター142は、指針22および指針23を駆動して現在時刻の分および時を表示する。
カレンダーモーター143は、カレンダー車16を駆動して現在の日付を表示する。
1/5秒クロノグラフ針モーター144は、指針21を駆動してクロノグラフ機能における秒を表示する。
分クロノグラフ針モーター145は、指針71を駆動してクロノグラフ機能での分を表示する。
モード針/時クロノグラフ針モーター146は、指針91を駆動してクロノグラフ機能での時を表示し、または、電子時計10のモード情報を表示する。
回路基板120の裏蓋34側(受信装置122および制御装置150が設けられた裏面側)には、これらの回路部品を覆うための回路押さえ121が設けられている。地板125と裏蓋34との間には、リチウムイオン電池などの二次電池130が設けられている。
なお、回路押さえ121には、二次電池130を外装ケース30内に収めるための開口が設けられている。また、回路基板120とアンテナ体110との間には、環状に形成された地板受リング116が配置されている。
回路基板120には、リューズ50の回転を検出する回転検出部59が設けられている。
回転検出部59は、リューズ50が回転操作された際に、その回転方向と回転量を検出する。
リューズ50は、図4に示すように、巻真51と、この巻真51に中心が固定されたスイッチ車52とを備えている。スイッチ車52は、外周縁に複数(本実施形態では120度間隔となる3つ)の歯53を備えている。
移動体58は、スイッチ車52の歯53の移動経路上で、スイッチ車52の外周縁の接線方向に移動可能に設けられている。そして、移動体58は、スイッチ車52の歯53が接触すると、図4(B)に示すように、スイッチ車52の回転方向(リューズ50の回転操作方向)に移動する。
第一スイッチ56Aおよび第二スイッチ56Bは、それぞれ制御装置150に接続され、制御装置150は第一スイッチ56Aおよび第二スイッチ56Bも接点バネ57が接触したことを検出できる。
同様に、リューズ50が逆方向に回転操作(左回転)されると、接点57Bと第二スイッチ56Bとが接触することで、第二スイッチ56Bがオン状態となり、第二スイッチ56Bを介して接点バネ57の電圧信号(VDD)が検出信号として制御装置150に入力される。
したがって、第一スイッチ56Aがオン状態になったか、第二スイッチ56Bがオン状態になったかを判定することで、リューズ50の回転方向を検出することが可能となる。
本実施形態では、上述したように、歯53が120度間隔で配置されているため、回転検出部59は、リューズ50が120度回転される毎に検出信号を制御装置150に出力する。
第三スイッチ55Aは、リューズ50が1段引き出された際に制御装置150に引出検出信号を出力する。第四スイッチ55Bは、リューズ50が2段引き出された際に制御装置150に引出検出信号を出力する。
制御装置150は、引出検出信号が出力されたスイッチを判定することで、リューズ50の引出段数を判断することが可能となる。
文字板11の最外周には、図2に示すように、外周を60分割にする目盛と、さらに、その目盛を5分割にする1/5目盛とが、表記されている。この目盛を用いて、指針21はクロノグラフ機能の「秒」を表示し、指針22は内部時計の「分」を表示し、指針23は内部時計の「時」を表示する。なお、クロノグラフ機能は、Aボタン61、Bボタン62、Cボタン63と、Dボタン64のいずれかのボタンの操作で、使用することができる。
文字板11に設けられている円形の第2小窓80の外周には、外周を60分割にする目盛と、「0」から「11」までの数字が表記されている。指針81は、この目盛を用いて内部時計の「秒」を表示する。
ユーザーがBボタン62を操作することにより、情報取得結果の表示モードに移行すると、指針81が「Y」または「N」のいずれか一方を指示し、衛星信号に基づく第1情報および第2情報の取得結果を表示する。また、ユーザーがAボタン61とBボタン62とを操作して、指針81を「Y」または「N」に合わせることで、衛星信号の自動受信のON/OFFを設定することができる。
なお、本実施形態では、52秒の位置に「Y」の表記が、38秒の位置に「N」の表記が、設けられているが、これに限定されるものではない。「Y」と「N」との表記は、受信結果表示などの他の小窓が設けられる位置に応じて、視認しやすい位置に設けることが好ましい。例えば、第2小窓80が文字板11の右半分の領域に位置している場合には、アルファベット「Y」,「N」を第2小窓80の右半分の領域の外縁近傍に配置するようにしてもよい。
第3小窓90の12時方向から6時方向までの範囲の外周には、この範囲を6分割する目盛と「0」から「5」までの数字が表記されている。指針91は、この目盛を用いて、クロノグラフ機能の「時」を表示する。なお、クロノグラフ機能では、指針21,71,91を使用して5時間59分59秒までの計時が可能となっている。
また、電子時計10は、ユーザーがBボタン62を押すことで受信動作を行うが、Bボタン62が押される時間に応じて受信モードを設定する。
さらに、通常時刻表示時に、Bボタン62が第3設定時間(例えば3秒未満)押されると、後述するように、電子時計10は直前に受信した衛星信号の受信結果を表示する。
タイムゾーンとは、共通の標準時を使用する地域のことであり、現在、40種類のタイムゾーンが存在している。各タイムゾーンは、標準時とUTCとの時差で区別され、例えば、日本は、UTCより9時間進んだ標準時を使用する、+9時間のタイムゾーンに属している。各タイムゾーンで使用されている標準時は、UTCと、UTCとの時差とで求めることができる。
また、ダイヤルリング40の周囲に設けられているベゼル32には、ダイヤルリング40に表記されている時差情報45の時差に対応した標準時を使用しているタイムゾーンの代表都市名を表す都市情報35が、時差情報45に併記されている。ここで、時差情報45と都市情報35との表記をタイムゾーン表示46という。本実施形態では、全世界で使用されているタイムゾーンの数と等しいタイムゾーン表示46が表記されている。
図5は、電子時計10の回路構成を示すブロック図である。
電子時計10は、前述した表示装置20、入力装置69、受信装置122、制御装置150を備えるとともに、計時装置159、記憶装置160を備えている。
受信装置122は、二次電池130に蓄積された電力で駆動される負荷であり、制御装置150によって駆動されると、アンテナ体110を通じてGPS衛星8から送信される衛星信号を受信する。そして、受信装置122は、衛星信号の受信に成功した場合には、取得した軌道情報やGPS時刻情報などの情報を制御装置150へ送信する。一方、衛星信号の受信に失敗した場合には、受信装置122は、その旨の情報を制御装置150へ送信する。なお、受信装置122の構成は、公知のGPS受信回路の構成と同様であるため、その説明を省略する。
計時装置159は、二次電池130に蓄積された電力で駆動される水晶振動子等を備え、水晶振動子の発振信号に基づく基準信号を用いて時刻データを更新する。
記憶装置160は、図6に示すように、時刻データ記憶部161と、タイムゾーンデータ記憶部167と、定時受信時刻記憶部168と、表示修正データ記憶部169と、を備えている。
表示修正データ記憶部169は、後述する制御装置150の表示修正部155における動作に使用される表示修正データを記憶するものである。
表示修正データ記憶部169は、図7に示すように、表示修正モード169A毎につまり修正対象の表示情報毎に、単修正操作での修正量である単一修正量169B、連続修正操作での修正量である連続修正量169C、表示修正モードを選択するためのリューズ段数169Dおよびボタン操作169Eが、それぞれ記憶されている。
一方、連続修正量169Cについては、各表示修正モード169Aの修正対象およびその修正量の総数に基づいて設定される。ここで、修正量の総数とは、表示手段である各指針21,22,23,71,81,91やカレンダー車16が元の位置に戻るまでの修正量である。
同様に、「日付修正モード」では、修正対象であるカレンダー車16の修正量の総数「31」が連続修正量169Cに設定される。
例えば、「タイムゾーン選択モード」では、連続修正量169Cとして、単一修正量169Bと同じ「1」が設定されている。
これは、「タイムゾーン選択モード」の修正対象が、指針21で示されるダイヤルリング40上のタイムゾーン表示46(図2参照)であり、その時差情報45には一部に等間隔でない部分あるいは不連続な部分(「−4」と「−5」の間、「5」と「6」の間など)があることに基づく。
このような連続修正操作の除外は、1)衛星信号を受信することで設定される情報(例えばタイムゾーン情報)、2)修正時の前記表示手段の移動量が一定でない情報(例えば、タイムゾーン情報や、扇形状に配置されて往復する指針で指示される曜日情報)、3)表示手段上での表示が連続的でない情報(タイムゾーン情報で+14時間の次が−12時間)のいずれかであるとき、それぞれ同様に行われる。
制御装置150は、制御手段であり、図5に示すように、電子時計10を制御するCPUで構成されている。
制御装置150は、測時部151と、測位部152と、自動時刻修正部153と、タイムゾーン修正部154と、表示修正部155と、リューズ段数判定部156と、リューズ回転操作判定部170と、を備える。
測時部151は、受信装置122を作動して測時モードでの受信処理を行う。
測時モードでの受信処理では、測時部151は、受信装置122で少なくとも1つのGPS衛星8を捕捉し、そのGPS衛星8から送信される衛星信号を受信して時刻情報を取得する。
測時部151は、本実施形態では、自動受信処理と手動受信処理とにおいて測時モードでの受信処理を実行する。
また、測時部151は、ソーラーパネル135の発電電圧または発電電流が設定値以上となり、屋外においてソーラーパネル135に日光が照射していると判断できる場合に、受信装置122を作動して測時モードでの光自動受信処理を行う。なお、ソーラーパネル135の発電状態で受信装置122を作動する処理の回数は、1日に1回などに制約してもよい。
手動受信処理は、前述の通り、ユーザーが入力装置69のBボタン62を第1設定時間押して強制受信操作を行うことで実行され、測時部151は、受信装置122を作動させて測時モードでの手動受信処理を行う。
測位部152は、前述の通り、ユーザーが入力装置69のBボタン62を第2設定時間押して強制受信操作を行った場合に、受信装置122を作動させて測位モードでの受信処理を行う。
なお、予め測時モード、測位モード、閏秒受信モードを選択して設定しておき、前記自動受信処理(定時自動受信処理や光自動受信処理)時には設定したモードで受信処理を行ってもよい。
自動時刻修正部153は、測時部151や測位部152の受信処理で時刻情報の取得に成功した場合、取得した時刻情報で受信時刻データ162を修正する。受信時刻データ162の修正により、内部時刻データ164および時計表示用時刻データ165も修正される。時計表示用時刻データ165が修正されると、針位置検出手段で時計表示用時刻データ165と同期している表示装置20における現在時刻表示も修正される。
タイムゾーン修正部154は、測位部152で位置情報を算出して取得に成功した場合、取得した位置情報(緯度、経度)に基づいてタイムゾーンデータを設定する。具体的には、タイムゾーンデータ記憶部167から位置情報に対応するタイムゾーンデータ(タイムゾーン情報つまり時差情報)を選択して取得し、タイムゾーンデータ166に記憶する。
例えば、日本標準時(JST)は、UTCに対して9時間進めた時刻(UTC+9)であるため、測位部152で取得した位置情報が日本である場合には、タイムゾーン修正部154は、タイムゾーンデータ記憶部167から日本標準時の時差情報(+9時間)を読み出してタイムゾーンデータ166に記憶する。
表示修正部155は、ユーザーによるリューズ50の操作に応じて、通常動作とは別に駆動機構140を駆動させ、表示装置20の表示の修正(後述する図8のステップS85〜S88、以下ステップを「S」と略す)を行うものである。
例えば、記憶装置160に記憶された時計表示用時刻データ165の時刻と、表示装置20における指針22,23の表示時刻とが、何らかの理由でずれた場合などに、リューズ50の操作に応じて駆動機構140の時分針モーター142を駆動させ、指針22,23を基準位置(0時0分位置)に合わせる。そして、リューズ50を0段に押し込んで基準位置合わせモードを解除すると、時計表示用時刻データ165の時刻を指示する位置まで指針22,23が自動的に修正される。
「単修正モード」では、表示修正部155は、駆動機構140に対して単修正信号を出力して表示装置20を単一修正量(一単位)で修正する。
「連続修正モード」では、表示修正部155は、駆動機構140に対して連続修正信号を出力して表示装置20を連続修正量で修正する。
なお、制御装置150(表示修正部155、リューズ段数判定部156およびリューズ回転操作判定部170)においては、信号判定モードとして「初期モード」、「早回し判定モード」、および「早回し停止判定モード」のいずれかが設定される。
「早回し判定モード」は、リューズ50の連続回転操作が行われたかを検出するモードである。「早回し判定モード」でリューズ50の連続回転操作、つまり所定時間内に同方向の複数回の連続する回転操作が検出されると、表示修正の操作モードには「連続修正モード」が設定される。また、信号判定モードは、連続修正中の停止操作が行われたかを検出するため、「早回し停止判定モード」に移行する。
したがって、表示修正操作である「連続修正モード」および「単修正モード」は、表示装置20の何れかの修正対象に対する「早回し判定モード」および「早回し停止判定モード」の実行中に実施される。これらの具体的な動作は後述する。
リューズ段数判定部156は、回転検出部59における第三スイッチ55Aまたは第四スイッチ55Bからの引出検出信号に基づいて、リューズ50が引き出されたか否かを判定する。
リューズ50が引き出されていない状態では、第三スイッチ55Aおよび第四スイッチ55Bの双方がオフ状態となる。この場合では、リューズ段数判定部156は、リューズ50が引き出されていない(引出段数が「0」である)と判定する。
リューズ50が2段引き出されると、第三スイッチ55Aがオフ状態、第四スイッチ55Bがオン状態となり、第四スイッチ55Bから制御装置150に引出検出信号が入力される。この場合、リューズ段数判定部156は、リューズ50の引出段数が「2」であると判定する。
リューズ回転操作判定部170は、早回し判定タイマー171、連続修正カウンター172、信号判定部173を備えている。
信号判定部173は、制御装置150における現在の信号判定モードが「初期モード」、「早回し判定モード」、「早回し停止判定モード」のいずれかであるかを判定する。
早回し判定タイマー171は、信号判定モードが「初期モード」のとき、回転検出部59から制御装置150に、1回目の検出信号(第一検出信号)が入力された時点で、カウントダウンがスタートする(後述する図10参照)。
早回し判定タイマー171の初期値は、予め設定された早回し判定用時間(例えば160ms)に設定される。
一方、第一検出信号の検出から、第二検出信号が検出されないまま、早回し判定用時間が経過する(カウンター値が0になる)と、リューズ50の1回の操作(単回し操作)が行われたことが判定されたので、早回し判定タイマー171は、カウントをストップさせ、カウンター値をリセットする(初期値の160msに戻す)。
連続修正カウンター172は、信号判定モードが「早回し判定モード」のとき、回転検出部59から制御装置150に、2回目の検出信号(第二検出信号)が入力されて同方向に連続する2回の回転操作が検出された時点で、初期値として修正対象の情報の種類に応じた連続修正量が設定される(後述する図11参照)。
連続修正カウンター172の初期値は、図7の連続修正量169Cを参照して設定される。
電子時計10では、ユーザーによる入力装置69(リューズ50および各ボタン61〜64)の手動操作があると、制御装置150により操作に応じた処理が実行される。
例えば、リューズ50が操作されると、その操作に応じて表示時刻を修正する手動修正処理が実行される。また、Bボタン62が第1設定時間押されると、測時モードでの手動受信処理が実行され、Bボタン62が第2設定時間押されると、測位モードでの手動受信処理が実行される。
図8のフローチャートに基づき、ユーザーがリューズ50を1段目または2段目まで引き出す操作を行うことで実行される表示装置20の表示修正処理について説明する。
図8において、制御装置150の表示修正部155は、リューズ段数判定部156の出力を監視し、リューズ50の引出段数が「1」または「2」でなければ(引出段数が「0」であれば)監視を継続する(S81)。一方、リューズ50の引出段数が「1」または「2」になったら(S81でYes)、S82以降の表示修正処理を開始する。
制御装置150は、リューズ50が0段目に戻されているかを確認し(S84)、0段目に戻されていれば(S84でYes)、駆動機構140による通常運針を再開する(S80)。一方、0段目に戻されていなければ、制御装置150は、リューズ回転操作判定部170により、リューズ50の回転操作判定処理を実行する(S90)。
リューズ回転操作判定部170により実行されるリューズ回転操作判定処理S90は、図9に示すように、現在の信号判定モードに応じて、各モードに応じた処理に分岐される。
現在の信号判定モードが「初期モード」であれば(S91でYes)、初期モード信号判定処理S100(図10参照)が実行される。
現在の信号判定モードが「早回し判定モード」であれば(S92でYes)、早回し判定モード信号判定処理S110(図11参照)が実行される。
現在の信号判定モードがそれ以外、つまり「早回し停止判定モード」であれば(S91およびS92でNo)、早回し停止判定モード信号判定処理S120(図12参照)が実行される。
初期モード信号判定処理S100では、図10に示すように、制御装置150は、先ず、第一スイッチ56Aが「ON」であるかを判定する(S101)。
第一スイッチ56Aが「ON」であれば(S101でYes)、リューズ50の回転操作があり(第一検出信号)、かつ回転方向が「右」と判定される(S102)。
なお、本実施形態では、リューズを右方向に回転したときに、指針等の表示装置20を正転方向に修正し、左方向に回転したときには逆転方向に修正するように設定されている。
なお、S105でNoの場合は、いずれのスイッチ56A,56Bも入力されていないので、初期モード信号判定処理S100を終了し、図9の処理に戻る。すると、図9のリューズ回転操作判定処理S90も終了するので、図8の処理に戻る。
図8において、リューズ回転操作判定処理S90から戻ると、制御装置150は、単修正指令又は連続修正指令があるかを判定する(S85)。ここでは、リューズ回転操作判定処理S90から初期モード信号判定処理S100を経て、いずれのスイッチ56A,56Bの入力もない「初期モード」のままか、あるいはいずれかのスイッチ56A,56Bの1回の入力を検出して「早回し判定モード」に変更されているだけであり、単修正指令および連続修正指令のいずれもないため、S85でNoと判定される。
このため、後述するS86〜S89は実行せずに、S84(リューズ50が0段目に戻されているかの確認)からの処理を繰り返す。
早回し判定モード信号判定処理S110では、図11に示すように、先ず、初期モード信号判定処理S100のS104でスタートしている早回し判定タイマー171が、タイムアウトしているか判定する(S111)。
早回し判定タイマー171がタイムアウトしていれば(S111でYes)、前述したS101,S105と同様にして第一スイッチ56Aおよび第二スイッチ56Bからリューズ50の回転方向を判定し(S112)、回転方向が「右」であれば(S112でYes)「正転方向・単修正指令」を設定し(S113)、回転方向が「左」であれば(S112でNo)「逆転方向・単修正指令」を設定する(S114)。
そして、信号判定モードを「初期モード」に戻し(S115)、判定モード信号判定処理S110を終了し、図9の処理に戻る。すると、図9のリューズ回転操作判定処理S90も終了するので、図8のS85に戻る。
図8において、制御装置150は、単修正指令又は連続修正指令があるかを判定する(S85)。ここでは、早回し判定モード信号判定処理S110により、「正転方向・単修正指令」または「逆転方向・単修正指令」が設定されているので、S85でYesと判定される。
続いて、正転か逆転かの判定(S86)を行い、正転の場合(S86でYes)、修正対象の指針等の表示装置20を駆動するモーターに正転用の単修正信号を出力して指針等を次の表示位置に移動する(S87)。また。逆転の場合(S86でNo)、修正対象の指針等の表示装置20を駆動するモーターに逆転用の単修正信号を出力して指針等を前の表示位置に移動する(S88)。この際、単修正信号の修正量は単一修正量であるため、指針等の表示装置20を次の目盛に移動する修正が行われる。
図11に戻って、早回し判定タイマー171が、タイムアウトしていない場合は、制御装置150は第一スイッチ56AがONであるかを判定する(S116)。
第一スイッチ56Aが「ON」であれば、リューズ50の追加操作があったことになり(第二検出信号)、その操作の回転方向は「右」と判定される。
ここで、制御装置150は、第一検出信号の回転方向(S102またはS106)を調べ、第一検出信号の回転方向が「右」であるかを判定する(S117)。
第一検出信号の回転方向が「右」でなかった場合(S117でNo)、前回と今回とでリューズ50の回転方向が異なることになるため、前回のリューズ50の回転操作をキャンセルし、今回の回転操作で第一検出信号がONされた状態として、初期モード信号判定処理S100(図10参照)のS102に戻り、改めて早回し判定モード信号判定処理S110を行う。
次に、制御装置150は、信号判定モードを「早回し停止判定モード」に設定し(S11B)、早回し判定モード信号判定処理S110を終了する。
一方、S116でNoと判定された場合、第二スイッチ56BがONであるか判定する(S11C)。
第二スイッチ56Bが「ON」であれば、制御装置150は、リューズ50にユーザーの追加操作があり(第二検出信号)、その操作の回転方向は「左」と判定する。
ここで、制御装置150は、第一検出信号の回転方向(S102またはS106)を調べ、第一検出信号の回転方向が「左」であるかを判定する(S11D)。
第一検出信号の回転方向が「左」でなかった場合(S11DでNo)、前回と今回とでリューズ50の回転方向が異なることになるため、前回のリューズ50の回転操作をキャンセルし、今回の回転操作で第二検出信号がONされた状態として、初期モード信号判定処理S100(図10参照)のS106に戻り、改めて早回し判定モード信号判定処理S110を行う。
図12において、リューズ回転操作判定部170は、先ず、第一スイッチ56Aまたは第二スイッチ56BがONされているか、つまりリューズ50の回転操作が検出されたかを判定する(S121)。回転操作がない場合(S121でNo)、連続修正カウンター172(S11Aでスタートしている)が、「0」になっていないかを判定する(S122)。
連続修正カウンター172が「0」になっていたら(S122でYes)、制御装置150は指針停止指令を出し(S123)、信号判定モードを「初期モード」に戻し、早回し停止判定モード信号判定処理S120を終了し、図8の処理に戻る。
制御装置150は、初期モードに戻っているため、S86〜S88および連続修正カウンター172を「−1」するS89を行わない。
すなわち、修正対象の表示情報が、1/5秒クロノグラフ針である指針21、分クロノグラフ針である指針71、時クロノグラフ針である指針91、秒針である指針81、時分針である指針22,23、カレンダー車16の場合は、連続修正量が修正量の総数に設定されているので、それぞれ1周して元の位置に戻るまで連続修正が行われる。
一方、タイムゾーン選択モードの場合、指針21の連続修正量は単一修正量と同じ「1」であるため、連続修正カウンター172が0になった時でも指針21は1ステップ分、つまり次のタイムゾーンを指示する位置までしか移動しない。
一方、連続修正中にリューズ50に対する操作があった場合、S121でYesと判定され、制御装置150は、指針停止指令を出し(S123)、信号判定モードを「初期モード」に戻し、早回し停止判定モード信号判定処理S120を終了し、図8の処理に戻る。制御装置150は、初期モードに戻っているため、S86〜S88の処理および連続修正カウンター172を「−1」する処理(S89)を行わない。
これにより、リューズ50の操作による連続修正動作が中断される。
本実施形態において、前述した図8から図12の処理手順によって行われる表示修正操作は、前述した図7の表示修正モード169Aにある各項目の表示修正モードで実行される。以下、その具体的な操作例を電子時計10の模式図を用いて説明する。
図13(A)において、本実施形態の電子時計10は、表示装置20として指針21,22,23,71,81,91およびカレンダー車16を有し、入力装置69としてリューズ50およびAボタン61、Bボタン62、Cボタン63、Dボタン64を有する。
タイムゾーンは、指針21でタイムゾーン表示46の該当部分を指すことで行われている。従って、タイムゾーン選択モードでは指針21の表示位置を変更する。
これにより、図13(B)に示すように、指針21が正転方向に修正量「1」だけ移動し、+方向の次のタイムゾーンを指示する。
指針21が正転方向に単修正操作され、タイムゾーンが変更されると、制御装置150は、現在の表示時刻を選択したタイムゾーンに応じて変更する。
これにより、図13(C)のように、現在時刻を表示する指針22,23,81が、新たに選択したタイムゾーンに応じた現在時刻に移動される。
ただし、「タイムゾーン選択モード」では連続修正量が「1」であり、連続修正カウンター172はただちに「0」になるため、早回しモードにはならず、単修正操作と同じ動作となる。また、連続修正カウンター172が「0」になると「初期モード」に戻るため、それまでに複数回の操作が入力されていても、指針21は修正量「1」だけ移動する。
その結果、図14(A)に示すように、指針21は+方向の次のタイムゾーンを指示し、図14(B)に示すように、現在時刻を表示する指針71,22,23が、新たに選択したタイムゾーンに応じた現在時刻に移動される。
これにより、タイムゾーン選択モードが解除され、図14(C)のように、新たに選択したタイムゾーンでの現在時刻を表示した状態で、指針81,22,23の通常運針が再開される。
図15(A)において、クロノグラフ機能は、表示装置20のうち、指針21を1/5秒クロノグラフ針、指針71をクロノグラフ分針、指針91をクロノグラフ時針として表示される。
先ず、図15(B)のように、リューズ50を2段引き、さらにCボタン63を3秒以上押し続ける。これにより制御装置150は「1/5秒クロノグラフ針モード」となる。
図7の表示修正データにおいては、表示修正モード169Aで「1/5秒クロノグラフ針モード」が選択され、単一修正量169Bが「1」、連続修正量169Cが「300」と設定される。
一方、図16(B)のように、指針21が基準位置から大きくずれている場合などで、リューズ50を右に2回以上(2クリック以上)操作すると、制御装置150が図8から図13のフローに基づいて、正転方向の連続修正モードの修正処理を実行する。この場合、指針21が正転方向に早送りされ、修正量の総数「300」つまり一回転するまで移動する。その移動の間に、リューズ50の回転操作を行えば、指針21の早送りが停止される。この停止位置から、さらに単修正操作を行うことで、所定の基準位置(0秒位置)に指針21を移動できる。
図7の表示修正データにおいては、表示修正モード169Aで「分クロノグラフ針モード」が選択され、単一修正量169Bが「1」、連続修正量169Cが「60」と設定される。
図7の表示修正データにおいては、表示修正モード169Aで「時クロノグラフ針モード」が選択され、単一修正量169Bが「1」、連続修正量169Cが「60」と設定される。
これにより、クロノグラフ針の基準位置合わせモードが解除され、現在時刻を示す指針22,23,81の通常運針が再開される。
図19(A)において、電子時計10の日付表示機能は、表示装置20のうち、カレンダー車16により表示される。
先ず、図19(B)のように、リューズ50を1段引き、さらにCボタン63を3秒以上押し続けるなどの日付修正モードの選択操作を行うと、制御装置150は「日付修正モード」となる。
図7の表示修正データにおいては、表示修正モード169Aで「日付修正モード」が選択され、単一修正量169Bが「1」、連続修正量169Cが「31」と設定される。
これにより、日付修正モードが解除され、現在時刻を示す指針22,23,81の通常運針が再開される。
また、分針および時針である指針22,23、秒針である指針81の修正モードは説明を省略するが、概略としては以下のとおりである。リューズ50を2段位置に引き出すと、修正の待機状態となる。ここで、Cボタン63を3秒以上押し続けると、前述したクロノグラフ機能の指針修正モードに移行する。一方、待機状態でAボタン61を押すと、現在時刻の指針修正モードとなり、秒針である指針81が正転して0秒位置で停止し、時分針である指針22,23が正転して次の分の指示位置で停止する。この状態でリューズ50を操作することで、指針22,23を現時刻に修正することができる。この後、時報などに正分のタイミングに合わせて、リューズ50を押込んで0段位置に戻すことで、各指針が通常運針に戻る。
このような本実施形態によれば、表示装置20における表示情報は、操作部材であるリューズ50の回転操作により修正することができる。この際、リューズ50の操作により、単修正モードまたは連続修正モードを選択することができる。従って、単修正モードを選択すれば、表示装置20における表示情報毎の最少修正単位である単一修正量毎に表示装置20を移動できるので、細かな設定を行うことができる。また、連続修正モードにより、連続修正量を例えば修正量の総数に設定すれば、表示装置20の早送り修正を行うことができ、迅速な修正操作を行うことができる。
このように、表示情報の種類に応じて連続修正量169Cを設定できるようにすることで、ユーザーが意図した位置に表示装置20を修正しやすい電子時計10を提供することができる。
従って、誤って連続修正操作を行った場合でも、ユーザーの意図した修正位置から大きくずれてしまうことがない。従って、続けて単修正モードでの修正操作を行うことで、ユーザーが意図した修正位置に容易に修正することができる。
図21から図24には、本発明の第2実施形態が示されている。
本実施形態の電子時計10Aは、前述した第1実施形態の電子時計10に対して、クロノグラフ機能がない点、曜日表示がある点で異なる。
ただし、前述した相違に関連する表示装置20、入力装置69、制御装置150以外の基本的な構成は、前述した第1実施形態の電子時計10と同様であり、同じ構成には同じ符号を付し、重複する説明は省略する。
また、電子時計10Aでは、入力装置69が、操作手段であるリューズ50と、Aボタン61AおよびBボタン62Aにより構成されている。
表示修正モード169Aに設定された各モードのうち、「タイムゾーン選択モード」、「現在時刻秒修正モード」、「現在時刻時分修正モード」および「日付修正モード」は前述した第1実施形態と同様である。ただし、「日付修正モード」の起動用ボタン操作が「ABボタンを6秒以上」と変更され、これに続いてAボタンで移行可能な「曜日修正モード」が設定されている。この「曜日修正モード」は、表示装置20Aの指針81による曜日表示を修正するものである。
図22(B)において、リューズ50を1段引き、さらにAボタン61AとBボタン62Aとを共に6秒以上押し続ける。これにより電子時計10Aの制御装置は「日付修正モード」となる。
図21の表示修正データにおいては、表示修正モード169Aで「日付修正モード」が選択され、単一修正量169Bが「1」、連続修正量169Cが「31」と設定される。
なお、リューズ50を右方向に連続修正操作した場合は、カレンダー車16は正転方向に早送りされ、リューズ50を左方向に単修正操作した場合は、カレンダー車16は逆転方向に修正量「1」だけ移動し、1日分だけ戻される。
図21の表示修正データにおいては、表示修正モード169Aで「曜日修正モード」が選択され、単一修正量169Bが「1」、連続修正量169Cが「1」と設定される。
なお、リューズ50を右方向に連続修正操作した場合も、指針81は正転方向に修正量「1」だけ移動する。リューズ50を左方向に単修正操作した場合は、指針81は逆転方向に修正量「1」だけ移動する。
これにより、現在時刻を示す指針21,22,23の通常運針が再開される。
さらに、本実施形態では、「曜日修正モード」の連続修正量169Cを、単一修正量169Bと同じ「1」としたため、連続修正操作を実行しても、きわめて短時間で一巡つまり元の表示位置に戻ってしまい、途中の停止操作が逆に困難である等の不都合を回避することができる。
前述した第1実施形態の各修正モード(タイムゾーン選択モード以外)では、連続修正量169C(図7参照)として、各表示項目の修正量の総数(10以上の数値)を設定し、正転方向(順方向)に一回転あるいは逆転方向(逆方向)に一回転できるようにした。しかし、本発明においては、異なる設定の実施形態とすることもできる。
例えば、第1実施形態で現在時刻の時表示を行う指針23として太い指針部材を用いる場合、時分針モーター142に仕様の制限(時計の動作電圧の制限など)が生じることがあり、指針22,23の回転方向が片方向(正転方向のみ)になる場合がある。このような片方向の表示情報の修正操作の際に、連続修正量169Cが多いと、ユーザーの意図した修正位置を過ぎてしまう可能性がある。
なお、表示情報が正転方向のみに修正できる情報である場合に、リューズ50を逆転方向に回転した場合は、その回転操作を無効として修正対象の表示装置20を移動させなければよい。
これに対し、修正量の総数ではなく、表示情報が修正により一巡する所要時間を考慮し、この所要時間が予め設定した設定時間以下(一巡する時間未満)のとき、同様な処理を行うようにしてもよい。
このような表示情報が修正により一巡する所要時間の一例を図25に示す。
ここで、各修正対象の指針や日車が一周するのにかかる時間を見ると、「*」印をつけた項目、つまり「秒針」(第1実施形態の指針81)、「クロノグラフ秒針」(同指針21)、「クロノグラフ分針」(同指針71)、「クロノグラフ時針」(同指針91)の正転時が、4秒以下となっている。このうち、「クロノグラフ秒針」(同指針21)以外は、さらに2秒以下となっている。
ただし、「クロノグラフ秒針」は、一周するのにかかる時間も3秒以上であるとともに、ステップ数も「300」と多く、単修正操作だけで一周するのは操作上の負担が大きい。このため、「秒針」、「クロノグラフ分針」、「クロノグラフ時針」の連続修正量を単一修正量と同じ「1」とし、「クロノグラフ秒針」の連続修正量は第1実施形態と同様に「300」とする、としてもよい。
このように、連続修正量の設定にあたっては、指針等の表示項目毎の前提条件(駆動周波数やステップ数など)を考慮し、ユーザー側の操作感を勘案しつつ、適切に設定することが望ましい。
連続修正操作としては、前記実施形態に限らず、リューズ50の特定の回転操作や、リューズ50の回転操作にボタン操作を加える操作を、連続修正操作としてもよい。例えば、リューズ50を正回転、逆回転、正回転に所定時間内に行った場合に連続修正操作としてもよい。
また、連続修正量は、表示情報の修正量の総数、または、単一修正量と同じ数に限らず、例えば、修正量の総数の半分の数等に設定してもよい。
さらに、駆動機構が一方向の修正のみが可能な場合に、連続修正量を表示情報の修正量の総数や、総数の半分の数に設定してもよい。
Claims (7)
- 表示情報を表示する表示手段と、
前記表示手段を駆動する駆動機構と、
回転操作が可能な操作部材と、
前記操作部材の回転操作により前記表示手段で表示される前記表示情報を修正する制御手段とを有し、
前記制御手段は、前記操作部材の回転操作により選択される単修正モードと連続修正モードとを有し、
前記単修正モードは、前記駆動機構に単修正信号を出力して前記表示手段を単一修正量で修正し、
前記連続修正モードは、前記駆動機構に連続修正信号を出力して前記表示手段を連続修正量で修正し、
前記連続修正量は、前記連続修正モードで修正される前記表示情報の種類に応じて設定されることを特徴とする電子時計。 - 請求項1に記載した電子時計において、
前記操作部材は所定角度回転すると回転操作が検出され、
前記制御手段は、
所定時間内に回転操作が1回検出された場合に、前記単修正モードを選択し、
所定時間内に同一方向の回転操作が連続して複数回検出された場合に、前記連続修正モードを選択することを特徴とする電子時計。 - 請求項1または請求項2に記載した電子時計において、
前記制御手段は、前記連続修正量を、前記連続修正モードで修正される前記表示情報の修正量の総数と同じ修正量とすることを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載した電子時計において、
前記制御手段は、前記駆動機構が、前記表示手段の順方向の修正または逆方向の修正のいずれかのみ可能な場合は、前記連続修正量を前記単一修正量と同じ修正量とすることを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項4のいずれか一項に記載した電子時計において、
前記制御手段は、前記表示情報の修正量の総数が予め設定された設定値以下のとき、前記連続修正量を前記単一修正量と同じ修正量とすることを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載した電子時計において、
前記制御手段は、前記表示情報の修正量の総数分が連続して修正された場合の所要時間が予め設定した設定時間以下のとき、前記連続修正量を前記単一修正量と同じ修正量とすることを特徴とする電子時計。 - 請求項1から請求項6のいずれか一項に記載した電子時計において、
前記制御手段は、
前記表示情報が、衛星信号を受信することで設定される情報、修正時の前記表示手段の移動量が一定でない情報、修正時に前記表示手段で表示される前記表示情報に連続性がない情報のいずれかであるとき、前記連続修正量を前記単一修正量と同じ修正量とすることを特徴とする電子時計。
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