まず、本発明の実施例1の電子時計の電気的な構成を図1に基づいて説明する。尚、実施例1の電子時計の特徴は、タイマによってリュウズ回転信号の発生回数を計測し、時刻計時手段の時刻情報の修正量を可変することにある。また、本実施例の電子時計は、標準電波を受信して自動的に時刻修正する電波修正時計であることを前提とする。
図1において、1は本発明の実施例1の電子時計である。2は時間基準源であり、水晶発振器と分周回路を含み、基準信号である1秒信号P1と制御クロック信号P2を出力する。3は時刻計時手段としての時計回路であり、1秒信号P1を入力して秒、分、時、日、月等の時刻情報を計時して記憶し、時刻情報に基づいたモータ制御信号P3を出力する
。
4はモータ駆動部であり、モータ制御信号P3を入力して二つのモータ駆動信号P4、P5を出力する。5aは駆動手段として秒針と分針を駆動する秒分ステップモータ(以下、秒分モータと略す)であり、モータ駆動信号P4によって駆動される。また、5bは駆動手段として時針と日板を駆動する時日ステップモータ(以下、時日モータと略す)であり、モータ駆動信号P5によって駆動される。6は時刻表示手段としての表示部であり、秒針、分針、時針等によって構成されるが詳細は後述する。
10はリュウズであり、リュウズ位置検出手段としての二つのリュウズ位置検出スイッチS3、S4と、リュウズ回転検出手段としての二つのリュウズ回転検出スイッチK3、K4を備えている。リュウズ位置検出スイッチS3、S4の一方の端子は電源Vddに接続され、他方の端子からは、それぞれリュウズ位置信号P6、P7が出力される。また、リュウズ回転検出スイッチK3、K4の一方の端子は電源Vddに接続され、他方の端子からは、それぞれリュウズ回転信号P8、P9が出力される。尚、リュウズ10とリュウズ位置検出スイッチS3、S4、及び、リュウズ回転検出スイッチK3、K4の詳細は後述する。
S1はプッシュスイッチであり、リュウズ10とは独立して配置され、一方の端子は電源Vddに接続され、他方の端子からはプッシュスイッチ信号P10が出力される。20は修正制御手段としての修正制御部であり、タイマ設定手段としてのタイマ設定部21、計測手段としての計測部22、修正信号発生手段としての修正信号発生部23を備えている。この修正制御部20は、リュウズ位置信号P6、P7とリュウズ回転信号P8、P9、プッシュスイッチ信号P10、及び、制御クロック信号P2を入力する。
修正制御部20のタイマ設定部21は、リュウズ位置信号P6、P7を入力してタイマ信号P11を出力する。計測部22はリュウズ回転信号P8、P9を入力し、内部のタイマによってその発生回数を計測して計測情報としての計測データP12を出力する。すなわち、計測データP12は、リュウズ回転信号P8、P9の発生回数を示し、その値はリュウズ10の回転量に相当する。また、修正信号発生部23は計測データP12を入力し、時計回路3の時刻情報を修正する修正信号P13を出力する。この修正信号P13は、時刻情報の修正量を例えばパルス数によって表す信号である。
30は標準電波を受信する超小型のアンテナである。31は受信部であって、アンテナ30からの受信電波を入力して微弱な標準電波を選択増幅してデジタル信号に変換し、復調信号P14を出力する。32は電波修正部であり、復調信号P14を入力して解読アルゴリズムによって時刻情報フォーマットを解読し、標準時刻情報を取得して標準時刻データP15を出力する。そして時計回路3は、この標準時刻データP15を入力して記憶している時刻情報を標準時刻に修正する。
尚、電子時計1を構成する各電子回路は、一部の特殊な回路を除いてワンチップマイクロコンピュータによって構成されることが好ましい。また、本実施例では、電波修正時計として説明するが、これに限定されず、本発明は電波修正機能を持たない電子時計においても適応される。
次に図2(a)と図2(b)に基づいて、本発明の実施例1の電子時計1の外観と基本操作を説明する。図2(a)において、電子時計1の外観は、表示部6、金属等によって成る外装7、リュウズ10、プッシュスイッチS1などによって構成される。表示部6は、秒針6a、分針6b、時針6c、及び日付を表示する日板6dによって構成される。また、リュウズ10は外装7の側面の3時方向に配設され、通常位置では外装7に近接し、
その一部が外装7に嵌め込まれた位置に置かれるが、使用者(図示せず)の操作によってリュウズ10が矢印Aの軸方向に押し引きされることにより、外装7よりやや離れた位置である1段引き位置、及び、外装7より最も離れた位置である2段引き位置に移動することが出来る。
また、リュウズ10は矢印Bのように回転させることによって、表示部6で表示される時刻表示を修正する。尚、リュウズ10を12時方向に回転させることを正転、6時方向に回転させることを逆転と定義する。また、プッシュスイッチS1はリュウズ10からやや離れた外装7の側面に配設され、押下することによって操作される。尚、リュウズ10やプッシュスイッチS1の位置は限定されない。また、8は使用者の腕に電子時計1を装着するためのバンドである。
ここで、リュウズ10とプッシュスイッチS1の基本操作の一例を説明する。リュウズ10が通常位置に置かれている状態では、電子時計1は通常の運針動作を行い、時刻表示を継続する。また、リュウズ10が通常位置でプッシュスイッチS1が1回押されると、電子時計1は時差修正モードに移行する。この時差修正モードでは、リュウズ10を正転、又は逆転させることによって、時針6cを1時間単位で移動させて時差修正を行うことが出来る。
また、この電子時計1は月末無修正の時計であり、リュウズ10を矢印Aの軸方向に引いて1段引き位置にすると、閏年からの経過年と月の修正モードに移行する。ここで、図2(b)に基づいて、閏年からの経過年と月の修正モードの操作を説明する。図2(b)において、閏年からの経過年と月の修正モードでは、秒針6aが0秒〜3秒にあるとき12月であることを示し、秒針6aが5秒〜8秒にあるとき1月であることを示し、秒針6aが10秒から13秒にあるとき2月であることを示す。以下同様に秒針6aの位置によって1月〜12月までの月が表示される。
そして、月表示の中で、最初のステップ位置、すなわち、12月表示のときは0秒位置、1月表示のときは5秒位置、2月表示のときは10秒位置に秒針6aがあるときは、その年が閏年であることを示す。また、月表示の中で、2番目のステップ位置、すなわち、12月表示のときは1秒位置、1月表示のときは6秒位置、2月表示のときは11秒位置に秒針6aがあるときは、その年が閏年から1年目の年であることを示す。また、月表示の中で、3番目のステップ位置、すなわち、12月表示のときは2秒位置、1月表示のときは7秒位置、2月表示のときは12秒位置に秒針6aがあるときは、その年が閏年から2年目の年であることを示す。
また、月表示の中で、4番目のステップ位置、すなわち、12月表示のときは3秒位置、1月表示のときは8秒位置に、2月表示のときは13秒位置に秒針6aがあるときは、その年が閏年から3年目の年であることを示す。尚、3月〜11月表示でも同様である。すなわち、閏年からの経過年と月の修正モードでは、秒針6aの位置によって、閏年からの経過年(すなわち、閏年から何年が経過したか)と、1月から12月までの月表示を行う。そして、この修正モードでリュウズ10を正転させることによって、秒針6aを各月ごとに閏年、1年目、2年目、3年目、次の月の閏年の順序で、1ステップずつ進ませることが出来る。
また同様に、この修正モードでリュウズ10を逆転させることによって、秒針6aを各月ごとに3年目、2年目、1年目、閏年、前の月の3年目の順序で、1ステップずつ逆送りで進ませることが出来る。尚、図2(b)で示す秒針6aの位置は、閏年から3年目の12月を表している。また、3年目と閏年の間は1ステップ(1秒)空いているので、秒針6aがこの間を動くときだけは、2ステップ(2秒)進む制御が行われる。
次に、図2(a)においてリュウズ10を2段引き位置にすると、電子時計1は秒針6aを早送りして00秒の位置に置き、秒分の時刻修正モードに移行する。この秒分修正モードでは、リュウズ10を正転、又は逆転させることによって、秒針6aを60秒単位(すなわち、1分単位)で正転、又は逆転させて時刻修正を行うことが出来る。また、本実施例の電子時計1は、電波修正時計であり、標準電波を受信するための受信ボタン等があるが、本発明に直接関わりが無いので説明は省略する。
また、電波修正時計は、まず、使用を開始する前に、指針と内部の時刻情報を一致させるために、指針を基準位置(例えば、12時00分00秒)に合わせる必要がある。この基準位置修正モードへの移行は、例えば、プッシュスイッチS1を10秒以上押し続けることによって行われる。そして、基準位置修正モードでは、1段引き位置で時針6cの修正、2段引き位置で秒針6a、分針6bの修正を行うが、これらの修正操作は、通常の秒分の時刻修正や時差修正の操作と基本的には同様であるので説明は省略する。尚、ここで示す基本操作、及び修正方法は、一例を示すもので限定されるものではない。
次に図3に基づいて本実施例の電子時計1のリュウズ10の周辺機構を説明する。図3において、11は電子時計1の様々な構成部品を保持する略円盤状の地板である。12はリュウズ10の軸となる巻真であり、地板11の側面内部に係合して配設される。13はおしどりであり、巻真12と係合し、巻真12が地板11に対して押し引きされたとき、巻真12の軸方向の位置を決定する板状の部品である。14はリュウズ位置スイッチバネであり、おしどり13に固定され、巻真12が押し引きされることによって、おしどり13と一緒に回転される。
14aはリュウズ位置スイッチバネ接点部であり、リュウズ位置スイッチバネ14の先端に位置し、前述したリュウズ位置検出スイッチS3、S4の接点として作用する。15はスイッチ車であり、巻真12と係合して巻真12の回転によって回転する。16は中立バネであり、その先端部分がスイッチ車15の歯と噛み合い、スイッチ車15の回転によって中立バネ16は左右に移動する。尚、中立バネ16は、中立バネ本体部16aによって支持され、この中立バネ本体部16aは地板11に固定される。
17はリュウズ回転スイッチバネであり、中立バネ16に固定され、中立バネ16の動きに応じて左右に作動する。17aはリュウズ回転スイッチバネ接点部であり、リュウズ回転スイッチバネ17の先端に位置し、前述したリュウズ回転検出スイッチK3、K4の接点として作用する。18はガイド板であり、中立バネ16に接して中立バネ16の動きをガイドする。
次に図4に基づいて本実施例1のリュウズ位置検出スイッチの構造と作用を説明する。図4において、リュウズ10を操作して巻真12を矢印Aの方向に押し引きすると、リュウズ10及びリュウズ10の軸である巻真12は、おしどり13の作用によって、通常位置、1段引き位置、2段引き位置の三つの位置のいずれかに移動する。そして、巻真12と係合するおしどり13は、地板11に固定されるピン19を支点として巻真12の押し引きによって図示するように回転する。
ここで、おしどり13に固定されているリュウズ位置スイッチバネ14は、おしどり13の回転に沿って回転し、これによって、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aは、図示するように、H0、H1、H2という三つの位置に移動する。すなわち、リュウズ10が通常位置にあるときは、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aは位置H0にあり、リュウズ10が1段引き位置にあるときは、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aは位置H1にあり、リュウズ10が2段引き位置にあるときは、リュウズ位置スイッチバネ接点
部14aは位置H2にある。
また、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aの上面には、図示しないが、地板11に対して平行に回路基板が配設されており、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aは、この回路基板に接しながら回路基板上を滑るようにして移動する。そして、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aの位置H0に対応する回路基板上には電極は形成されておらず、位置H1と位置H2に対応する回路基板上には、それぞれ電極が形成される。
すなわち、位置H1に対応する回路基板上にはリュウズ位置検出スイッチS3の電極が形成され、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aが位置H1に移動するとリュウズ位置スイッチバネ接点部14aとリュウズ位置検出スイッチS3の電極は電気的に接続される。また、位置H2に対応する回路基板上にはリュウズ位置検出スイッチS4の電極が形成され、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aが位置H2に移動するとリュウズ位置スイッチバネ接点部14aとリュウズ位置検出スイッチS4の電極は電気的に接続される。また、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aは、地板11を通して電源Vddが接続されている。
以上の構成により、リュウズ10が通常位置にあるときは、位置H0に対応する回路基板上には電極が形成されていないので、リュウズ位置検出スイッチS3、S4はいずれもOFFである。また、リュウズ10が1段引き位置にあるとき、回路基板上に形成されているリュウズ位置検出スイッチS3の電極は、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aと接触して電源Vddに接続されるので、リュウズ位置検出スイッチS3はONとなり、リュウズ位置信号P6が出力される。
また、リュウズ10が2段引き位置にあるとき、回路基板上に形成されているリュウズ位置検出スイッチS4の電極は、リュウズ位置スイッチバネ接点部14aと接触して電源Vddに接続されるので、リュウズ位置検出スイッチS4はONとなり、リュウズ位置信号P7が出力される。以上の作用によって、リュウズ位置検出スイッチS3、S4はリュウズ10の軸方向の位置を検出することが出来る。
次に図5に基づいて、本実施例のリュウズ回転検出スイッチの構成を説明する。図5において、スイッチ車15は巻真12と係合し、巻真12を軸として矢印Bで示す両方向に回転する。中立バネ16は、スイッチ車15の歯と噛み合っており、スイッチ車15の回転に応じて中立バネ16は図面上の左右に僅かに移動する。リュウズ回転スイッチバネ17は、中立バネ16に固定されているので、中立バネ16の移動によってリュウズ回転スイッチバネ17も左右に僅かに移動する。
9は回路基板であり、その一部に基板孔9aを有している。ここで回路基板9は、この基板孔9aを中心とした断面図として示している。ここで、基板孔9aの内側の対向する側面にはリュウズ回転検出スイッチK3、K4の電極が形成されている。そして、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aは、この基板孔9aの内部に置かれており、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aと基板孔9aの側面に形成されているリュウズ回転検出スイッチK3、K4の電極とは近接して配置される。また、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aは、中立バネ16を介して電源Vddが接続されている。
以上の構成により、スイッチ車15が巻真12によって回転すると、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aは図面上の左右に移動するので、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aと基板孔9aの対向する側面に形成されるリュウズ回転検出スイッチK3、K4の電極は接触し、電源Vddに電気的に接続される。
すなわち、スイッチ車15が巻真12によって図面上で右方向に回転すると、中立バネ16は右方向に移動し、これによってリュウズ回転スイッチバネ17も右方向に移動する。そして、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aとリュウズ回転検出スイッチK3の電極が接触し、リュウズ回転検出スイッチK3がONする。また、スイッチ車15が巻真12によって図面上で左方向に回転すると、中立バネ16は左方向に移動し、これによってリュウズ回転スイッチバネ17も左方向に移動する。そして、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aとリュウズ回転検出スイッチK4の電極が接触し、リュウズ回転検出スイッチK4がONする。
次に図6に基づいて、リュウズ10の回転を検出するリュウズ回転検出スイッチK3の具体的な作用を説明する。図6において、リュウズ10の軸である巻真12が矢印C方向(すなわち右回り方向)に回転したとすると、巻真12と共に回転するスイッチ車15と噛み合っている中立バネ16は矢印D方向(すなわち図面上で右方向)に移動する。この中立バネ16の移動によってリュウズ回転スイッチバネ接点部17aは、矢印D方向に引っ張る力を受け、これによって、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aと、その右側に近接している回路基板9上のリュウズ回転検出スイッチK3の電極は図示するように接触し、リュウズ回転検出スイッチK3がONする。
ここで、中立バネ16が矢印D方向に移動すると、中立バネ16は右側に位置するガイド板18に接触し、中立バネ16はガイド板18の斜面に沿って矢印E方向にせり上がり、中立バネ16が一定の高さまでせり上がったところで中立バネ16の先端部とスイッチ車15の歯の噛み合わせが外れ、中立バネ16はスイッチ車15の次の歯と噛み合う。ここで、中立バネ16がスイッチ車15の噛み合った歯から外れることによって、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aを矢印D方向に引っ張る力が解除されて、リュウズ回転スイッチバネ接点部17aは元の位置に戻り、リュウズ回転検出スイッチK3の電極との接触が離れてリュウズ回転検出スイッチK3はOFFとなる。
ここで、もしガイド板18が存在しないと、中立バネ16は矢印D方向のみに移動するので、中立バネ16がスイッチ車15との噛み合いから外れるには、スイッチ車15が大きく回転しなければならず、このため、スイッチ車15の歯数を多くすることが出来ない。すなわち、中立バネ16はガイド板18の働きによってスイッチ車15の少ない回転角で外れることが出来、スイッチ車15の歯数を多くすることが出来る。よって、中立バネ16の動きをガイドし、中立バネ16を矢印E方向に移動させるガイド板18の働きは重要である。
尚、図6ではスイッチ車15が図面上で右方向に回転した場合の作用を説明したが、スイッチ車15が図面上で左方向に回転した場合は、リュウズ回転検出スイッチK4がON/OFF動作を行い、その作用は同様であるので説明は省略する。
以上の作用によって、リュウズ回転検出スイッチK3、K4はスイッチ車15の一つの歯ごとにON/OFF動作を繰り返し、リュウズ10の回転状態をきめ細かく検出することが出来る。尚、本実施例では、スイッチ車15の歯数は15枚であるので、リュウズ10の1回転によってリュウズ回転検出スイッチK3、K4は15回のON/OFF動作を行い、リュウズ回転信号P8、又はP9を出力する。ここで、スイッチ車の歯数を5〜20枚の間に設計し、リュウズ10の1回転によって5個〜20個のリュウズ回転信号P8、P9が出力されるならば、リュウズ10の回転を適切に検出することが出来、また、ON/OFF動作も確実に行えることが実験によって確かめられている。
次に図7と図8のフローチャートに基づいて、本発明の実施例1の電子時計の修正動作の概略を説明する。尚、説明の前提として実施例1の電子時計の構成は図1を参照し、説
明する修正動作はリュウズ10の正転処理とする。また、本実施例のフローチャートは、図7で示す計測ルーチン1と図8で示す修正ルーチンで構成される。ここで図7において、修正制御部20のタイマ設定部21はリュウズ位置信号P6を入力してリュウズ位置検出スイッチS3がONであるかを判定する(ステップST1)。ここで、肯定判定(すなわち、S3:ON)であればステップST2に進み、否定判定(すなわち、S3:OFF)であればステップST3に進む。
次に、タイマ設定部21はステップST1で肯定判定がなされたならば、リュウズ10は1段引き位置にあるので閏年からの経過年と月の修正モードに移行し、修正桁として閏年からの経過年と月の桁が選択され、また、タイマ設定値を180mSとしてタイマ信号P11を出力し、次のステップに進む(ステップST2)。このとき、図2(b)で前述したように秒針6aの位置が閏年からの経過年と月を表し、リュウズ10の回転によるリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONによって1秒ごとに秒針6aが駆動され、閏年からの経過年と月が修正される。
また、タイマ設定部21はステップST1で否定判定がなされたならば、リュウズ位置信号P7を入力してリュウズ位置検出スイッチS4がONであるかを判定する(ステップST3)。ここで、肯定判定(すなわち、S4:ON)であればステップST4に進み、否定判定(すなわち、S4:OFF)であればステップST5に進む。
次に、タイマ設定部21はステップST3で肯定判定がなされたならば、リュウズ10は2段引き位置にあるので秒分の修正モードに移行し、修正桁として分の桁が選択され、また、タイマ設定値を120mSとしてタイマ信号P11を出力し、次のステップに進む(ステップST4)。この秒分修正モードでは、リュウズ10の回転によるリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONによって秒針6aが60パルス(すなわち、60秒)ずつ駆動される。
また、タイマ設定部21はステップST3で否定判定がなされたならば、リュウズ位置検出スイッチS3、S4は共にOFFであるので、リュウズ10は通常位置にあると判定する。そして、プッシュスイッチS1がONされることにより時差の修正モードに移行し、修正桁として時の桁が選択され、また、タイマ設定値を240mSとしてタイマ信号P11を出力し、次のステップに進む(ステップST5)。この時差修正モードでは、リュウズ10の回転によるリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONによって時針6cが20パルスずつ駆動される。この20パルスずつ駆動される理由は、時日モータ5bを20パルス駆動することによって時針6cが1時間進むからである。すなわち、時差修正モードでは、1時間ずつの修正が行われる。
このように、タイマ設定部21は、リュウズ10の軸方向の操作位置を検出してタイマ時間を可変し、また、時刻情報の修正桁を選択する制御を行う。尚、このタイマ時間は、リュウズ回転信号P8、P9の発生回数を計測する計測時間であり、このタイマ時間を可変することによって、リュウズ回転信号P8、P9の計測条件が可変されることになる。
ここで、リュウズ10の通常位置で最も長いタイマ時間を選択する理由は、通常位置では操作性が悪いためにリュウズ10の回転操作が鈍くなる傾向にあり、これを補うために長いタイマ時間に設定してリュウズ回転信号P8、P9の発生回数を確実に計測するためである。また、リュウズ10の2段引き位置で最も短いタイマ時間を選択する理由は、2段引き位置では、操作性が最も良く、リュウズ10の回転を素速く行うことが出来るので、短いタイマ時間で計測することによって、他の操作位置との計測上のバランスを図るためである。これにより、リュウズ10の操作位置によって操作性が異なる欠点を、計測条件を可変することによって補うことが出来る。
尚、本実施例では、タイマ時間をリュウズ10の通常位置では240mS、1段引き位置では180mS、2段引き位置では120mSに設定しているが、その値に限定されず、任意に変更して良い。また、リュウズ10の通常位置と1段引き位置と2段引き位置のそれぞれで異なるタイマ時間を設定しているが、これに限定されない。例えば、通常位置のタイマ時間を240mSに設定し、1段引きと2段引き位置でのタイマ時間は共に160mSに設定するなどしても良い。
次に修正制御部20の計測部22は、タイマ設定部21からタイマ信号P11を入力して選択されたタイマ時間を内部のタイマに設定し、また、リュウズ回転信号P8を入力してリュウズ回転検出スイッチK3がONされたかを判定する(ステップST6)。ここで、肯定判定(すなわち、K3:ON)であればリュウズ10は正転方向に回転されたと判定してステップST8に進む。また、否定判定(すなわち、K3:OFF)であればステップST7に進む。
次に計測部22は、ステップST6で否定判定がなされたならば、リュウズ回転信号P9を入力してリュウズ回転検出スイッチK4がONされたかを判定する(ステップST7)。ここで、肯定判定(すなわち、K4:ON)であればリュウズ10は逆転方向に回転されたので逆転処理へ進む。尚、リュウズ10の逆転処理は、時刻を遅らせて修正する以外は基本的に正転処理と同様であるので説明は省略する。また、否定判定(すなわち、K4:OFF)であれば、リュウズ回転検出スイッチK3、K4は共にOFFであってリュウズ10の回転操作は行われていないので、ステップST1へ戻り、ステップST1〜ステップST7の処理を繰り返す。
次に計測部22は、ステップST6で肯定判定がなされたならば、リュウズ10は正転方向に回転されたと認識し、内部のタイマが動作継続中であるかを判定する(ステップST8)。ここで、肯定判定(すなわち、タイマ継続中)であれば、リュウズ回転検出スイッチK3はタイマ時間以内(例えばリュウズ10が1段引き位置であれば180mS以内)に再びONされたと判定してステップST9に進む。また、否定判定(すなわち、タイマ時間が過ぎてタイマは停止)であれば、リュウズ回転検出スイッチK3はタイマ時間以内にはONされておらず、リュウズ回転検出スイッチK3は新規にONされたと判定してステップST10に進む。
次に計測部22は、ステップST8で肯定判定がなされたならば、タイマ時間以内に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされたので、リュウズ回転信号P8の発生回数である計測データP12に1を加えて出力し、次の修正ルーチンへ進む(ステップST9)。
次に計測部22は、ステップST8で否定判定がなされたならば、予めタイマ時間が設定されている内部タイマをスタートする(ステップST10)。ここで、前述した如く、リュウズ10が通常位置ならばタイマ時間は240mSが設定され、リュウズ10が1段引き位置ならばタイマ時間は180mSが設定され、リュウズ10が2段引き位置ならばタイマ時間は120mSが設定されている。
次に計測部22は、リュウズ回転検出スイッチK3が新規にONされたので計測データP12を初期化してカウント1として出力し、次の修正ルーチンへ進む(ステップST11)。尚、計測データP12のカウント1は、リュウズ回転検出スイッチK3が新規に1回ONされたことを意味する。
次に図8に基づいて修正ルーチンを説明する。この修正ルーチンは、計測データP12
のカウント値によって、通常の修正動作を実行するか、又は、連続運針修正モードに移行するかを決定し、それぞれの修正動作を実行する。ここで、修正制御部20の修正信号発生部23は計測データP12を入力し、そのカウント値から連続運針修正モードに移行するかを判定する(ステップST20)。ここで、計測データP12が例えばカウント4であれば、肯定判定となって連続運針修正モードに移行するステップST27に進み、計測データP12が例えばカウント3以下であれば否定判定となって通常の修正動作であるステップST21に進む。
尚、計測データP12がカウント4であることは、タイマ時間以内(例えば180mS以内)にリュウズ回転検出スイッチK3が4回ONされたことを意味し、それは電子時計1の使用者がリュウズ10をかなりの速さで回転させたことによる。すなわち、電子時計の使用者がリュウズ10をかなりの速さで回転させることによって、電子時計1は連続運針修正モードに移行する。
また、連続運針修正モードに移行する計測データP12のカウント値は限定されず、仕様に基づいて任意に決めて良い。また、リュウズ10の操作位置に応じて連続運針修正モードに移行するカウント値は異なる値として良い。例えば、リュウズ10が1段引き位置では計測データP12がカウント4で連続運針修正モードに移行し、また、2段引き位置では計測データP12がカウント3で連続運針修正モードに移行し、また、通常位置では計測データP12がカウント2で連続運針修正モードに移行するなどの制御を行って良い。
このように、リュウズ10の操作位置に応じてタイマ時間を可変すると共に、連続運針修正モードに移行する計測データP12のカウント値を可変することによって、修正内容に対応した連続運針修正モードへの移行や、操作位置によって操作性が異なるリュウズの欠点を補った連続運針修正モードへの移行を実現することが出来る。
次にステップST20で否定判定がなされたならば、通常の修正動作に進み、修正制御部20は、モータ駆動部4から図示しない信号を入力してモータ駆動部4がモータ駆動中であるかを判定する(ステップST21)。ここで、肯定判定(すなわち、モータ駆動中)であればステップST22に進み、否定判定(すなわち、モータ停止)であればステップST24に進む。尚、モータ駆動中とは、モータ駆動部4が秒分モータ5a、又は時日モータ5bを駆動しており、表示部6が運針状態であることを示す。
次にステップST21で肯定判定がなされたならば、計測部22はリュウズ回転信号P8を入力してリュウズ回転検出スイッチK3がONされたかを判定する(ステップST22)。ここで、肯定判定(すなわち、K3:ON)であれば次のステップに進み、否定判定(すなわち、K3:OFF)であればステップST21に戻り、モータ駆動中であるかを再び判定する。
次にステップST22で肯定判定がなされたならば、計測部22はタイマ継続中のときは計測データP12に1を加算する。また、タイマ停止中のときは新たにタイマをスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(ステップST23)。そして、ステップST23の実行後、ステップST20に戻り、連続運針修正モードへの移行判定を繰り返す。
次にステップST21で否定判定(すなわち、モータ停止)がなされたならば、モータ駆動部4はモータの駆動を終了しているので、修正制御部20の修正信号発生部23は、計測部22から計測データP12を入力し、この計測データP12に基づいて修正信号P13の修正量としてパルス数を設定し、この修正信号P13を時計回路3に出力後、次の
ステップに進む(ステップST24)。尚、時計回路3に入力される修正信号P13は、時刻情報を修正する修正量と共に、リュウズ10の操作位置情報に基づいた秒分時などを示す修正桁情報も含まれる。
ここで、リュウズ10の1段引き位置では、ステップST2で前述した如く、閏年からの経過年と月の修正モードであり、計測データP12がカウント1であれば、例えば1パルスの修正信号P13が時刻情報の修正桁である経過年と月の桁に加算され、計測データP12がカウント2であれば、2パルスの修正信号P13が時刻情報の修正桁である経過年と月の桁に加算され、また、計測データP12がカウント3であれば、3パルスの修正信号P13が時刻情報の修正桁である経過年と月の桁に加算される。
また、リュウズ10の2段引き位置では、ステップST4で前述した如く、秒分の修正モードであり、計測データP12がカウント1以上であれば、修正桁である時刻情報の分の桁を1ステップ(すなわち1分)進めるために1パルスの修正信号P13が時計回路3の分の桁に加算される。ここで、秒分モータ5aが駆動中にリュウズ回転検出スイッチK3が2回以上ONされて計測データP12のカウント値がカウント2以上になっても、連続運針修正モードに移行しない限り2回目以降のONは失効して修正信号P13は1パルスに設定され、時刻を連続して1分以上進めることは禁止される。このように、秒分の通常の修正動作では、連続した修正動作は禁止され、後述する連続運針修正モードの修正動作と区別される。
また、リュウズ10の通常位置では、ステップST5で前述した如く、時差の修正モードであり、計測データP12がカウント1以上であれば、修正桁である時刻情報の時の桁を1ステップ(すなわち1時間)進めるために1パルスの修正信号P13が時計回路3の時の桁に加算される。ここで、時日モータ5bが駆動中にリュウズ回転検出スイッチK3が2回以上ONされて計測データP12のカウント値がカウント2以上になっても、連続運針修正モードに移行しない限り2回目以降のONは失効して修正信号P13は1パルスに設定され、時差を連続して進めることは禁止される。このように、時差の通常の修正動作においても、連続した修正動作は禁止され、後述する連続運針修正モードの修正動作と区別される。
次に時計回路3は、修正信号発生部23からの修正信号P13を入力し、記憶している時刻情報を修正信号P13に従って修正し、修正された時刻情報に対応して秒分モータ5aと時日モータ5bを駆動するためのモータ制御信号P3を出力する(ステップST25)。ここで例えば、修正信号P13が、分の桁の修正信号であれば分の時刻情報が修正されて秒分モータ5aを駆動するためのモータ制御信号P3が出力され、また、時の桁の修正信号であれば時の時刻情報が修正されて時日モータ5bを駆動するためのモータ制御信号P3が出力される。
次にモータ駆動部4は、モータ制御信号P3に基づいてモータ駆動信号P4、P5を出力し、秒分モータ5a、又は、時日モータ5bを駆動する(ステップST26)。ここで例えば、表示部6を1秒進めるのであれば、秒針6aを1秒進めるために、秒分モータ5aに対して1パルスのモータ駆動信号P4を出力する。また、表示部6を1分進めるのであれば、秒針6aを60秒進めるために、秒分モータ5aに対して60パルスのモータ駆動信号P4を出力する。これは、秒分モータ5aを60パルス駆動することによって秒針6aが60秒進み、分針6bが1分進むからである。
また、表示部6を1時間進めるのであれば、時針6cを1時間進めるために、時日モータ5bに対して20パルスのモータ駆動信号P5を出力する。これは、前述した如く、時日モータ5bを20パルス駆動することによって時針6cが1時間進むからである。
次に、ステップST26終了後、計測ルーチン1の最初であるステップST1に戻り、再び、リュウズ位置検出スイッチS3、S4とリュウズ回転検出スイッチK3、K4の入力判定動作を継続する。
次に連続運針修正モードを説明する。ステップST20で肯定判定がなされたならば、修正制御部20は、まず連続運針準備期間に入り、リュウズ回転信号P8、P9の受付けを禁止する(ステップST27)。
次に修正信号発生部23は、リュウズ10の操作位置に応じて所定の修正信号P13を出力し、時計回路3の時刻情報を修正する。ここで、リュウズ10が1段引き位置で閏年からの経過年と月の修正の場合は、例えば、8〜12パルスの修正信号P13を出力して閏年からの経過年と月を修正する。また、リュウズ10が2段引き位置での秒分修正、又は通常位置での時差修正で秒分モータ5a、又は、時日モータ5bが駆動中である場合は連続運針準備期間での修正信号P13は出力されない(ステップST28)。
次にモータ駆動部4は、連続運針準備期間において、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4、P5より周波数が低いモータ駆動信号P4、P5を出力してモータ駆動を実行する(ステップST29)。ここで例えば、リュウズ10が1段引き位置で閏年からの経過年と月の修正の場合は、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4、P5の周波数が64Hzであるとすると、その1/2の32Hzのモータ駆動信号P4、P5を修正信号P13に応じて8〜12パルス出力する。また、リュウズ10が2段引き位置での秒分修正、又は通常位置での時差修正の場合は、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4、P5の周波数が64Hzであるとすると、その1/2の32Hzのモータ駆動信号P4、P5を所定の期間出力する。
この連続運針準備期間を設けて連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4、P5の周波数よりも低い周波数のモータ駆動信号P4、P5を所定の数、又は所定の期間だけ出力する理由は、連続運針修正モードに移行するときに一時的に運針スピードを遅くすることにより、使用者に連続運針修正モードに移行することを知らせるためである。
次に修正制御部20の修正信号発生部23は、連続運針準備期間が終了すると、連続運針修正モードに移行する(ステップST30)。この連続運針修正モードでは、それぞれの操作位置に応じて連続的に修正信号P13を出力し時計回路3の時刻情報を連続的に修正する。例えば、リュウズ10が1段引き位置で閏年からの経過年と月の修正の場合は、修正信号P13を連続的に出力して時計回路3の閏年からの経過年と月の桁を連続的に加算し修正する。また、リュウズ10が2段引き位置での秒分修正の場合は、修正信号P13を連続的に出力して時計回路3の分の桁を連続的に加算し修正する。また、リュウズ10が通常位置での時差修正の場合は、修正信号P13を連続的に出力して時計回路3の時の桁を連続的に加算し修正する(ステップST31)。
次に時計回路3は、連続的に加算され修正される時刻情報に基づいてモータ制御信号P3を出力し、モータ駆動部4は、モータ制御信号P3に基づいてモータ駆動信号P4、又はP5を連続的に出力し、秒分モータ5a、又は、時日モータ5bを駆動して連続運針を実行する(ステップST32)。
ここで、リュウズ10が1段引き位置で閏年からの経過年と月の修正の場合は、例えば64Hzのモータ駆動信号P4によって秒分モータ5aを駆動し連続運針する。また、リュウズ10が2段引き位置での秒分修正の場合は、60パルスを一組とした例えば64Hzのモータ駆動信号P4によって秒針モータ5aを駆動し連続運針する。また、リュウズ
10が通常位置での時差修正の場合は、20パルスを一組とした例えば64Hzのモータ駆動信号P5によって時日モータ5bを駆動し連続運針する。
次に計測部22は、リュウズ回転信号P8、P9を入力してリュウズ回転検出スイッチK3、又はK4がONされたかを判定する(ステップST33)。ここで、肯定判定であればリュウズ10は正転又は逆転方向に操作されたと判定してステップST34に進む。また、否定判定であればステップST31に戻り、ステップST31からステップST33を繰り返し、リュウズ回転検出スイッチK3、K4をチェックしながら連続運針修正を継続する。
また、修正制御部20は、ステップST33で肯定判定がなされたならば、連続運針修正モードを終了する(ステップST34)。すなわち、修正信号P13を停止してモータ駆動を終了し、計測ルーチン1の最初のステップST1に戻り、再び、リュウズ位置検出スイッチS3、S4とリュウズ回転検出スイッチK3、K4の入力判定動作を継続する。尚、各スイッチのONを割り込み処理によって検出し、リュウズ10が操作されない状態では通常の運針動作以外は、処理を停止していることが消費電力低減のために好ましい。
ここで本発明は、図7と図8で示すフローチャートで明らかなように、リュウズ10の軸方向の操作位置に応じてリュウズ10の回転状態を計測する計測条件としてのタイマ時間を可変し、この可変されたタイマ時間によって計測されるリュウズ回転信号P8、P9の発生回数に基づいて時刻情報の修正量を可変し、指針を修正することが大きな特徴である。
次に図9〜図12のタイミングチャートに基づいて、本発明の実施例1の電子時計の修正動作の具体例を説明する。尚、説明の前提として実施例1の電子時計の構成は図1を参照し、説明する修正動作はリュウズ10の正転修正であり、逆転修正は基本的に同様であるので説明は省略する。ここでまず、図9と図10に基づいて、本実施例の電子時計1の使用者がリュウズ10を1段引き位置にした場合の閏年からの経過年と月表示の修正モードにおける動作の一例を説明する。
図9と図10において、リュウズ10が1段引き位置で設定されるタイマ時間は、前述した如く180mSであるとする。そして、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13の修正量を区分1〜区分4の4段階に区分して説明する。すなわち、区分1はリュウズ10がゆっくり回転されてタイマ時間内でのON回数が1回の場合(ON回数:少)である。また区分2は、リュウズ10がやや速く回転されてタイマ時間内でのON回数が2回の場合(ON回数:中)である。また区分3は、リュウズ10が速く回転されてタイマ時間内でのON回数が3回の場合(ON回数:多)である。また区分4は、リュウズ10が更に速く回転されてタイマ時間内でのON回数が4回となり、連続運針修正モードに移行する場合である。
ここで区分1では、使用者がリュウズ10を正転方向にゆっくり回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は180mSのタイマTM1をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT1)。
このタイミングT1に同期して計測部22からカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12を入力する修正信号発生部23から1パルスの修正信号P13が出力される。そして、この修正信号P13によって時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分1はリュウズ10がゆっくり回転されるので、タイマTM1の期間中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされることは無く、タイマTM1の終了後に、リュウズ回転検出スイッチK3が再びONされる(タイミングT2)。このタイミングT2からタイマTM2が新たにスタートし、このタイミングT2に同期して再びカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12に基づいて時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が再び1パルス出力される。
すなわち、区分1では、リュウズ回転検出スイッチK3の1回のONごとにカウント1の計測データP12が出力し、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力する。これにより、1パルスのモータ駆動信号P4が出力されるので、使用者によるリュウズ10のゆっくりとした回転操作に合わせて秒針6aが1秒ステップごとに進み、閏年からの経過年と月の修正がゆっくり確実に実行される。
次に区分2では、使用者がリュウズ10を正転方向にやや速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は180mSのタイマTM3をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT3)。このタイミングT3に同期して区分1の動作と同様に計測データP12、修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分2はリュウズ10がやや速く回転されるので、タイマTM3の期間中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされる(タイミングT4)。このタイミングT4から別のタイマTM4が新たにスタートし、また、タイマTM3の期間中にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされたので、タイマTM3によって計測される計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として2パルスの修正信号P13が出力する。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が2パルス出力される。また、タイマTM4が新たにスタートしたので、タイマTM4による別の計測データP12が初期化されてカウント1となる。
また、タイマTM4の期間中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされる(タイミングT5)。ここで、タイマTM4の期間中にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONしたので、タイマTM4による計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として2パルスの修正信号P13が再び出力する。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が2パルス出力される。また、このタイミングT5からタイマTM5が新たにスタートする。
すなわち、区分2では、リュウズ回転検出スイッチK3の最初のONで修正量として1パルスの修正信号P13が出力され、2回目以降のONでは修正量として2パルスずつの修正信号P13が出力されるので、秒針6aは最初に1秒進み、次からは2秒ずつ進むことになる。この結果、使用者によるリュウズ10のやや早い回転操作に合わせて閏年からの経過年と月の修正を加速して行うことが出来る。
次に図10の区分3では、使用者がリュウズ10を正転方向に速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は180mSのタイマTM6をスタートし、計測データP12はカウント1に初
期化される(タイミングT6)。このタイミングT6に同期して区分1の動作と同様に計測データP12、修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分3はリュウズ10が速く回転されるので、リュウズ回転検出スイッチK3はタイマTM6が開始後2回ONされる(タイミングT7、T8)。このタイミングT7での2回目のONからタイマTM7が新たにスタートし、また、タイマTM6による計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として2パルスの修正信号P13が出力する。これにより、タイミングT7でモータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が2パルス出力される。また、タイマTM7が新たにスタートしたので、タイマTM7による別の計測データP12が初期化されてカウント1となる。
また、タイミングT8での3回目のONからタイマTM8が新たにスタートし、また、タイマTM6による計測データP12はプラス1加算されてカウント3の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として3パルスの修正信号P13が出力する。これにより、タイミングT8でモータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が3パルス出力される。また、タイマTM7による計測データP12はプラス1加算されてカウント2となり、また、タイマTM8による計測データP12は初期化されてカウント1となる。
また更に、タイマTM7の期間中に3回目のリュウズ回転検出スイッチK3がONされると、タイマTM9が新たにスタートし、また、タイマTM7による計測データP12はプラス1加算されてカウント3が出力され、この計測データP12によって修正量として3パルスの修正信号P13が出力する(タイミングT9)。これにより、タイミングT9でモータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が再び3パルス出力される。また、タイマTM8による計測データP12はプラス1加算されてカウント2となり、また、タイマTM9による計測データP12は初期化されてカウント1となる。
以降、各タイマ時間内にリュウズ回転検出スイッチK3が3回ONされるごとに、各タイマで計測された計測データP12はカウント3が出力され、この計測データP12によって修正量として3パルスの修正信号P13が出力する。これにより、モータ駆動信号P4が3パルス出力される動作が繰り返される。
すなわち、区分3では、リュウズ回転検出スイッチK3の最初のONで修正量として1パルスの修正信号P13が出力され、2回目のONでは、修正量として2パルスの修正信号P13が出力され、3回目のONでは、修正量として3パルスの修正信号P13が出力されるので、秒針6aは最初に1秒進み、次に2秒進み、それ以降は3秒ずつ進む動作が継続する。この結果、使用者によるリュウズ10の速い回転操作に合わせて、修正の速さが段階的に速くなり、この状態では1回のスイッチONで3秒ずつ進み、より加速された修正ができる。
次に区分4では、使用者がリュウズ10を正転方向に更に速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は180mSのタイマTM10をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT10)。このタイミングT10に同期して区分1の動作と同様に計測データP12、修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力して、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分4はリュウズ10が更に速く回転されるので、リュウズ回転検出スイッチK3はタイマTM10が開始後3回ONされる(タイミングT11、T12、T13)。このタイミングT11での2回目のONでタイマTM10による計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として2パルスの修正信号P13が出力する。これにより、タイミングT11でモータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が2パルス出力される。
また、タイミングT12での3回目のONでタイマTM10による計測データP12はプラス1加算されてカウント3の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として3パルスの修正信号P13が出力する。これにより、タイミングT12でモータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が3パルス出力される。
また、タイミングT13での4回目のONでタイマTM10による計測データP12はプラス1加算されてカウント4の計測データP12が出力される。このタイミングT13で計測データP12がカウント4になったことにより、修正ルーチンのステップST20で前述した如く、修正制御部20は連続運針修正モードに移行するために連続運針準備期間に入り、修正信号発生部23から所定の間隔で1パルスずつの修正信号P13が連続的に出力される。
これにより、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4の1/2の周波数の例えば32Hzのモータ駆動信号P4が8〜12パルス出力され、その後、連続運針準備期間は終了する(タイミングT14)。尚、連続運針準備期間の長さは限定されず、仕様に基づいて任意に決められて良く、モータ駆動信号P4のパルス数も限定されない。また、連続運針準備期間でのモータ駆動信号P4の周波数は、連続運針修正モードでの駆動周波数と異なっていれば良く、例えば連続運針修正モードでの駆動周波数より高い周波数でも良い。
次に、連続運針準備期間終了後、タイミングT14で連続運針修正モードが開始される。これにより、修正信号発生部23から所定の間隔で1パルスずつの修正信号P13が連続して出力され、この修正信号P13によって時計回路3の時刻情報が連続して修正される。この結果、モータ駆動部4より、例えば周波数64Hzのモータ駆動信号P4が連続して出力され、秒針6aは連続運針される。すなわち、この区分4の連続運針修正モードでは、1パルスの修正信号P13が連続して出力されるので、他の区分と比較して最も多い修正量である修正信号P13が出力されることになる。
次に、連続運針修正モードで秒針6aが連続運針中に、使用者がリュウズ10を操作してリュウズ回転検出スイッチK3、又はK4がONされると、修正制御部20は連続運針修正モードを終了して修正信号P13の出力を停止するので、モータ駆動信号P4は停止し、秒針6aの連続運針は停止する(タイミングT15)。すなわち、リュウズ10の1段引き位置での連続運針修正モードでは、使用者がリュウズ10を操作しなくても秒針6aが連続運針を継続し、閏年からの経過年と月表示の修正を高速に行うことが出来る。また、使用者が運針状態を見てリュウズ10を1回操作することによって連続運針を直ちに停止させることが出来る。
尚、連続運針修正モードに移行する前に所定の期間、連続運針準備期間を設けて連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4の周波数よりも低い周波数のモータ駆動信号P4を出力する理由は、前述した如く、連続運針修正モードに移行するときに、一時的に運針スピードを遅くして使用者に連続運針修正モードに移行することを知らせるためである。
このように本実施例では、リュウズ10の回転状態がタイマ時間内でのリュウズ回転信
号P8、P9の発生回数によって計測されるので、回転状態の瞬間的な変化に対して修正量は段階的に変化し、このため、使用者は指針の動きを確認しながらリュウズ10を操作出来、違和感の無い確実な時刻修正が実現出来る。尚、本実施例のリュウズ10の1段引き位置での修正では、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13の修正量を4段階に区分して説明したが、4段階の区分には限定されず、区分数は2段階以上で任意に設定して良い。
尚、区分2、区分3で説明したように、リュウズ10が速く回転されるとリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONの回数が増加し、ONによってスタートするタイマが同時に複数動作する必要があるので、計測部22は複数のタイマを同時に制御出来る構成が必要である。
次に図11に基づいて、電子時計1の使用者がリュウズ10を2段引き位置にした場合の秒分表示修正モードにおける動作の一例を説明する。図11において、リュウズ10が2段引き位置で設定されるタイマは、前述した如く120mSであるとする。そして、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13を区分1〜区分3の3段階に区分して説明する。
すなわち、区分1はリュウズ10がゆっくり回転されてタイマ時間内でのON回数が1回の場合(ON回数:少)である。また区分2は、リュウズ10がやや速く回転されて60パルスのモータ駆動信号P4が出力中にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされる場合(ON回数:中)である。また区分3は、リュウズ10が速く回転されてタイマ時間内でのON回数が3回となり、連続運針修正モードに移行する場合である。
ここで区分1では、使用者がリュウズ10をゆっくり正転方向に回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は120mSのタイマTM20をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT20)。
このタイミングT20に同期して計測部22からカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12を入力する修正信号発生部23から修正量として1パルスの修正信号P13が出力される。そして、この修正信号P13によって時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動する一組として60パルスで64Hzのモータ駆動信号P4が出力される。この60パルスの出力によって秒針6aは60秒進み、分針6bは1分進むことになる。
ここで、区分1はリュウズ10がゆっくり回転されるので、タイマTM20の期間中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされることは無く、また、60パルスのモータ駆動信号P4の出力中にもリュウズ回転検出スイッチK3がONされることは無い。そして、60パルスのモータ駆動信号P4の終了後にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされる(タイミングT21)。このタイミングT21からタイマTM21が新たにスタートし、このタイミングT21に同期して再び初期化されたカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力する。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が再び60パルス出力される。
また、60パルスのモータ駆動信号P4の終了後にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされる(タイミングT22)。このタイミングT22からタイマTM22が新たに
スタートし、このタイミングT22に同期して再び初期化されたカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が再び出力する。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が再び60パルス出力される。
すなわち、リュウズ10が2段引き位置での区分1では、リュウズ回転検出スイッチK3のONによってスタートするタイマ期間中にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされることがないので、計測部22からの計測データP12はカウント1が継続して出力される。また、60パルスのモータ駆動信号P4の出力中にリュウズ回転検出スイッチK3がONされることも無い。この結果、リュウズ回転検出スイッチK3の1回のONごとに、修正量として1パルスの修正信号P13が出力され、この修正信号P13によって60パルスのモータ駆動信号P4が出力され、秒針6aは60秒進み、1分単位での修正が確実に実行される。
次に区分2では、使用者がリュウズ10を正転方向にやや速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は120mSのタイマTM23をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT23)。このタイミングT23に同期して計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力される。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が60パルス出力される。
また、区分2はリュウズ10がやや速く回転されるので、60パルスのモータ駆動信号P4が出力中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされると(タイミングT24)、このタイミングT24からタイマTM24が新たにスタートし、計測データP12は再びカウント1に初期化されて出力し、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が再び出力される。そして、60パルスのモータ駆動信号P4の出力が停止後に、この修正信号P13によって再び60パルスのモータ駆動信号P4が出力される。
尚、タイマTM23の時間内にリュウズ回転検出スイッチK3がONされてリュウズ回転信号P8が発生した場合は、計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力される。しかし、修正信号発生部23は、カウント2の計測データP12を入力しても、図8のフローチャートで前述した如く、1パルスの修正信号P13を出力するので、60パルスのモータ駆動信号P4の出力が停止後に、再び一組の60パルスのモータ駆動信号P4が出力される。
次に、60パルスのモータ駆動信号P4が出力中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされると(タイミングT25)、このタイミングT25からタイマTM25が新たにスタートし、計測データP12は再びカウント1に初期化されて出力し、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が再び出力される。そして、60パルスのモータ駆動信号P4の出力が停止後に、この修正信号P13によって再び一組の60パルスのモータ駆動信号P4が出力される。
以降、60パルスのモータ駆動信号P4の出力中にリュウズ回転検出スイッチK3が1回ずつONされると(タイミングT24、T25、T27)、モータ駆動信号P4の出力停止後に、60パルスのモータ駆動信号P4が一組ずつ順次出力される。
すなわち、区分2では60パルスのモータ駆動信号P4が出力して秒分モータ5aが駆
動中に、リュウズ回転検出スイッチK3がONされるならば、そのONのタイミングがタイマ時間内であってもタイマ時間外であっても、修正量として1パルスの修正信号P13が出力され、この修正信号P13によって秒分モータ5aの駆動終了後に、再び一組の60パルスのモータ駆動信号P4が出力される。
これにより、秒分モータ5aが駆動中にリュウズ回転検出スイッチK3が1回ずつONされ続けるならば、図示するようにモータ駆動信号P4によって秒分モータ5aは連続的に駆動され、秒針6aは連続的な運針が行われる。このため、リュウズ10の回転状態に合わせた秒分表示の修正が出来るので、使用者の意思に沿った修正が可能となり、使い易い電子時計を提供することが出来る。
尚、60パルスのモータ駆動信号P4による秒分モータ5aの駆動中に、リュウズ回転検出スイッチK3が2回以上ONされた場合(例えば、タイミングT25、T26のように)は、前述した如く、2回目以降のON(タイミングT26)は失効する。この2回目以降のONが受付けられない理由は、後述する連続運針修正モードと区別し、使用者がリュウズ10の回転操作を停止すれば運針も直ちに停止して、使用者に違和感を与えないようにするためである。
次に区分3では、使用者がリュウズ10を正転方向に速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は120mSのタイマTM28をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力される(タイミングT28)。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P4が60パルス出力される。
ここで、区分3はリュウズ10が速く回転されるので、リュウズ回転検出スイッチK3はタイマTM28の開始後に2回ONされる(タイミングT29、T30)。このタイミングT29での2回目のONでタイマTM28による計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力される。また、タイミングT30での3回目のONでタイマTM28による計測データP12は更にプラス1加算されてカウント3の計測データP12が出力される。
このタイミングT30で計測データP12がカウント3になったことにより、前述した如く、修正制御部20は連続運針修正モードに移行するために連続運針準備期間に入り、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4の1/2の周波数の例えば32Hzのモータ駆動信号P4を所定の期間出力し、その後、連続運針準備期間を終了する(タイミングT31)。尚、連続運針準備期間の長さは限定されず、仕様に基づいて任意に決めて良く、また、連続運針準備期間でのモータ駆動信号P4の周波数も限定されない。
ここで、本実施例では、上記のように連続運針準備期間に入るためには、タイマTM28内にリュウズ回転検出スイッチK3が3回ONした時としている。そして、タイマTM28内で3回ONするには、リュウズ10の1回の回転である程度の角度、すなわち、本実施例では前述した如くスイッチ車15の歯数が15枚であるので、大体(360°÷15枚)×3=72°回転させる必要がある。従って、連続運針修正モードは使用者が連続運針を意図した操作をする時にのみ実行され、誤作動により連続運針修正モードに入らないようにしている。
次に、連続運針準備期間終了後、タイミングT31で連続運針修正モードが開始される。この連続運針修正モードでは、修正信号発生部23から所定の間隔で1パルスずつの修
正信号P13が連続して出力され、この修正信号P13によって時計回路3の分の桁の時刻情報が連続して修正される。この結果、モータ駆動部4より、60パルスを一組としたモータ駆動信号P4が例えば64Hzの周波数で連続して出力され、秒針6aは連続運針される。すなわち、区分1と区分2では、1個のリュウズ回転信号P8に対して修正量として1パルスの修正信号P13が出力されるが、区分3の連続運針修正モードでは、他の区分と比較して多くの修正量を有する修正信号P13が出力されることになる。
次に、連続運針修正モードで秒針6aが連続運針中に、使用者がリュウズ10を操作してリュウズ回転検出スイッチK3、又はK4がONされると、修正制御部20は連続運針修正モードを終了し、60パルスのモータ駆動信号P4の出力が終了した時点で秒針6aの連続運針を停止する(タイミングT32)。すなわち、リュウズ10の2段引き位置での連続運針修正モードでは、使用者がリュウズ10を操作しなくても秒針6aが連続運針を継続するので、秒分表示の修正を高速に行うことが出来、また、使用者が運針状態を見てリュウズ10を1回操作することによって連続運針を直ちに停止させることが出来る。
尚、タイミングT28で開始される60パルスのモータ駆動信号P4は、途中のタイミングT30から連続運針準備期間が入ってモータ駆動信号P4の周波数は一時的に低くなるが、一組としてのパルス数は60パルスであり、変化することはない。また、本実施例のリュウズ10の2段引き位置での修正では、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13を3段階に区分して説明したが、3段階の区分には限定されず、区分数は2段階以上で任意に設定して良い。
次に図12に基づいて、電子時計1の使用者がリュウズ10を通常位置にした場合の時差修正モードにおける時差修正動作の一例を説明する。尚、リュウズ10の通常位置において、前述した如くプッシュスイッチS1を1回ONすることにより、時差修正モードに移行させる。図12において、リュウズ10が通常位置で設定されるタイマ時間は、前述した如く240mSであるとする。そして、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13を区分1〜区分3の3段階に区分して説明する。尚、区分1〜区分3は、リュウズ10の2段引き位置での区分と同じである。
ここで区分1では、使用者がリュウズ10をゆっくり正転方向に回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は240mSのタイマTM40をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT40)。
このタイミングT40に同期して計測部22からカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12を入力する修正信号発生部23から1パルスの修正信号P13が出力される。そして、この修正信号P13によって時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように時日モータ5bを駆動する一組として20パルスのモータ駆動信号P5が出力される。この20パルスのモータ駆動信号P5によって時針6cは1時間進むことになる。
ここで、区分1はリュウズ10がゆっくり回転されるので、タイマTM40の期間中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされることは無く、また、20パルスのモータ駆動信号P5の出力中にもリュウズ回転検出スイッチK3がONされることは無い。そして、20パルスのモータ駆動信号P5の終了後にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされる(タイミングT41)。このタイミングT41からタイマTM41が新たにスタートし、このタイミングT41に同期して再び初期化されたカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力する。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力
し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P5が再び20パルス出力される。
また、20パルスのモータ駆動信号P5の終了後にリュウズ回転検出スイッチK3が再びONされる(タイミングT42)。このタイミングT42からタイマTM42が新たにスタートし、このタイミングT42に同期して再び初期化されたカウント1の計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が再び出力する。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P5が再び20パルス出力される。
すなわち、リュウズ10が通常位置での区分1では、リュウズ回転検出スイッチK3のONによってスタートするタイマ期間中において、リュウズ回転検出スイッチK3が再びONされることがないので、計測部22からの計測データP12はカウント1が継続して出力される。また、20パルスのモータ駆動信号P5の出力中にリュウズ回転検出スイッチK3がONされることも無い。この結果、リュウズ回転検出スイッチK3の1回のONごとに、修正量として1パルスの修正信号P13が出力され、この修正信号P13によって20パルスのモータ駆動信号P5が出力され、時針6cは1時間進み、1時間単位での修正が確実に実行される。
次に区分2では、使用者がリュウズ10を正転方向にやや速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は240mSのタイマTM43をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化される(タイミングT43)。このタイミングT43に同期して計測データP12が出力され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力される。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P5が20パルス出力される。
また、区分2はリュウズ10がやや速く回転されるので、20パルスのモータ駆動信号P5が出力中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされると(タイミングT44)、このタイミングT44からタイマTM44が新たにスタートし、計測データP12は再びカウント1に初期化されて出力し、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が再び出力される。そして、20パルスのモータ駆動信号P5の出力が停止後に、この修正信号P13によって再び20パルスのモータ駆動信号P5が出力される。
尚、タイマTM43の時間内にリュウズ回転検出スイッチK3がONされてリュウズ回転信号P8が再び発生した場合は、計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力される。しかし、修正信号発生部23は、カウント2の計測データP12を入力しても、前述した如く、1パルスの修正信号P13を出力するので、20パルスのモータ駆動信号P5の出力が停止後に、再び一組の60パルスのモータ駆動信号P4が出力される。
次に、20パルスのモータ駆動信号P5が出力中に再びリュウズ回転検出スイッチK3がONされると(タイミングT45)、このタイミングT45からタイマTM45が新たにスタートし、計測データP12は再びカウント1に初期化されて出力し、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が再び出力される。そして、20パルスのモータ駆動信号P5の出力が停止後に、この修正信号P13によって再び一組の20パルスのモータ駆動信号P5が出力される。
以降、20パルスのモータ駆動信号P5の出力中にリュウズ回転検出スイッチK3が1回ずつONされると(タイミングT46)、モータ駆動信号P5の出力停止後に、20パルスのモータ駆動信号P5が一組ずつ順次出力される。
すなわち、区分2では20パルスのモータ駆動信号P5が出力して時日モータ5bが駆動中に、リュウズ回転検出スイッチK3がONされるならば、そのONのタイミングがタイマ時間内であってもタイマ時間外であっても、修正量として1パルスの修正信号P13が出力され、この修正信号P13によって時日モータ5bの駆動終了後に、再び一組の20パルスのモータ駆動信号P5が出力される。
これにより、時日モータ5bが駆動中にリュウズ回転検出スイッチK3が1回ずつONされ続けるならば、図示するようにモータ駆動信号P5によって時日モータ5bは連続的に駆動され、時針6cは連続的な運針が行われる。このため、リュウズ10の回転状態に合わせた時差の修正が出来るので、使用者の意思に沿った修正が可能となり、使い易い電子時計を提供することが出来る。
尚、20パルスのモータ駆動信号P5による時日モータ5bの駆動中に、リュウズ回転検出スイッチK3が2回以上ONされた場合は、前述した如く、2回目以降のONは失効する。この2回目以降のONが受付けられない理由は、リュウズ10の2段引き位置による秒分の修正モードと同様である。
次に区分3では、使用者がリュウズ10を正転方向に速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生する。これにより、計測部22は240mSのタイマTM47をスタートし、計測データP12はカウント1に初期化され、この計測データP12によって修正量として1パルスの修正信号P13が出力される(タイミングT47)。これにより、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するようにモータ駆動信号P5が20パルス出力される。
ここで、区分3はリュウズ10が速く回転されるので、リュウズ回転検出スイッチK3はタイマTM47の開始後に2回ONされる(タイミングT48、T49)。このタイミングT48での2回目のONでタイマTM47による計測データP12はプラス1加算されてカウント2の計測データP12が出力される。また、タイミングT49での3回目のONでタイマTM47による計測データP12は更にプラス1加算されてカウント3の計測データP12が出力される。
このタイミングT49で計測データP12がカウント3になったことにより、修正制御部20は連続運針修正モードに移行するために連続運針準備期間に入り、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P5の1/2の周波数の例えば32Hzのモータ駆動信号P5を所定の期間出力し、その後、連続運針準備期間を終了する(タイミングT50)。尚、連続運針準備期間の長さは限定されず、仕様に基づいて任意に決めて良く、また、連続運針準備期間でのモータ駆動信号P5の周波数も限定されない。
次に、連続運針準備期間終了後、タイミングT50で連続運針修正モードが開始される。この連続運針修正モードでは、修正信号発生部23から所定の間隔で1パルスずつの修正信号P13が連続して出力され、この修正信号P13によって時計回路3の時の桁の時刻情報が連続して修正される。この結果、モータ駆動部4より、20パルスを一組としたモータ駆動信号P5が例えば64Hzの周波数で連続して出力され、時針6cは連続運針される。
次に、連続運針修正モードで時針6cが連続運針中に、使用者がリュウズ10を操作してリュウズ回転検出スイッチK3、又はK4がONされると、修正制御部20は連続運針修正モードを終了し、20パルスのモータ駆動信号P5の出力が終了した時点で時針6cの連続運針を停止する(タイミングT51)。すなわち、リュウズ10の通常位置での連続運針修正モードでは、使用者がリュウズ10を操作しなくても時針6cが連続運針を継続するので、時差表示の修正を高速に行うことが出来、また、使用者が運針状態を見てリュウズ10を1回操作することによって連続運針を直ちに停止させることが出来る。
尚、タイミングT47で開始される20パルスのモータ駆動信号P5は、途中のタイミングT49から連続運針準備期間が入ってモータ駆動信号P5の周波数は一時的に低くなるが、一組としてのパルス数は20パルスであり変化することはない。また、本実施例のリュウズ10の通常位置での修正では、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13を3段階に区分して説明したが、3段階の区分には限定されず、区分数は2段階以上で任意に設定して良い。
以上のように本発明の電子時計は、リュウズ10の軸方向の操作位置に基づいてタイマ時間を可変し、このタイマ時間によって計測されるリュウズ回転信号P8、P9の発生回数に応じて時刻情報の修正量を可変するので、リュウズ10の各操作位置に適した時刻情報の修正量を選択することが可能となり、操作位置によって操作性が異なるリュウズの欠点を補い、メカ式修正のリュウズ操作に近い操作感を得ることが出来る操作に優れた使い易い電子時計を提供することが出来る。
また特に、リュウズ10の通常位置は前述した如く操作性が非常に悪いが、本実施例のようにリュウズ10の回転状態を計測するタイマ時間を長くすることによって、リュウズ10の回転状態の検出が容易になり、通常位置であっても操作性の悪さを補って、操作し易い電子時計を提供することが出来る。
次に本発明の実施例2の電子時計の電気的な構成を図13に基づいて説明する。尚、実施例2の電子時計の特徴は、リュウズの回転信号の周期をクロック信号によって計測し、時刻計時手段の修正量を可変することにある。また、本実施例の電子時計は、実施例1と同様に標準電波を受信して自動的に時刻修正する電波修正時計であり、実施例1と同一要素には同一番号を付し重複する説明は省略する。
図13において、40は本発明の実施例2の電子時計である。25は修正制御手段としての修正制御部であり、クロック設定手段としてのクロック設定部26、計測手段としての周期計測部27、修正信号発生手段としての修正信号発生部28を備えている。この修正制御部25は、リュウズ位置信号P6、P7とリュウズ回転信号P8、P9とプッシュスイッチ信号P10と制御クロック信号P2を入力する。
修正制御部25のクロック設定部26は、リュウズ位置信号P6、P7を入力してリュウズ10の軸方向の操作位置に応じて周波数が可変されるクロック信号P16を出力する。周期計測部27は、リュウズ回転信号P8、P9を入力し、その時間間隔(すなわち、周期)をクロック信号P16によって計測して計測情報としての周期計測データP17を出力する。尚、周期計測データP17はリュウズ10の回転速度に対応する。また、修正信号発生部28は周期計測データP17を入力し、時計回路3の時刻情報を修正する修正信号P13を出力する。尚、他の構成は実施例1と同様であるので説明は省略する。
次に、本発明の実施例2の電子時計40の修正動作の概略をフローチャートに基づいて説明する。ここで、本実施例のフローチャートは、図14で示す計測ルーチン2と、前述
した実施例1の図8で示した修正ルーチンで構成され、実施例1の修正ルーチンと重複する部分の説明は省略する。尚、説明の前提として本実施例の電子時計40の構成は図13を参照し、説明する修正動作はリュウズ10の正転処理とする。
ここで図14において、修正制御部25のクロック設定部26はリュウズ位置信号P6を入力してリュウズ位置検出スイッチS3がONであるかを判定する(ステップST40)。ここで、肯定判定(すなわち、S3:ON)であればステップST41に進み、否定判定(すなわち、S3:OFF)であればステップST42に進む。
次に、クロック設定部26はステップST40で肯定判定がなされたならば、リュウズ10は1段引き位置にあるので、閏年からの経過年と月の修正モードに移行し、修正桁として閏年からの経過年と月の桁が選択され、クロック信号P16の周波数を例えば256Hzとして出力し、次のステップに進む(ステップST41)。この閏年からの経過年と月の修正モードでは、リュウズ10の回転によるリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONによって1秒ごとに秒針6aが駆動され、閏年からの経過年と月が修正される。
また、クロック設定部26はステップST40で否定判定がなされたならば、リュウズ位置信号P7を入力してリュウズ位置検出スイッチS4がONであるかを判定する(ステップST42)。ここで、肯定判定(すなわち、S4:ON)であればステップST43に進み、否定判定(すなわち、S4:OFF)であればステップST44に進む。
次に、クロック設定部26はステップST42で肯定判定がなされたならば、リュウズ10は2段引き位置にあるので秒分の修正モードに移行し、修正桁として分の桁が選択され、クロック信号P16の周波数を例えば512Hzとして出力し、次のステップに進む(ステップST43)。この秒分修正モードでは、リュウズ10の回転によるリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONによって秒針6aが60パルス(すなわち、60秒)ずつ駆動される。
また、クロック設定部26はステップST42で否定判定がなされたならば、リュウズ位置検出スイッチS3、S4は共にOFFであるので、リュウズ10は通常位置にあると判定する。そして、プッシュスイッチS1がONされることにより時差の修正モードに移行し、修正桁として時の桁が選択され、クロック信号P16を例えば128Hzとして出力し、次のステップに進む(ステップST44)。この時差修正モードでは、リュウズ10の回転によるリュウズ回転検出スイッチK3、K4のONによって時針6cが20パルス(すなわち、1時間)ずつ駆動される。尚、リュウズ10の操作位置によるクロック信号P16の周波数は限定されず、操作上適した周波数に設定されることが好ましい。
このように、クロック設定部26は、リュウズ10の操作位置を検出してクロック信号P16の周波数を可変し、また、時刻情報の修正桁を選択する制御を行う。このクロック信号P16は、リュウズ回転信号P8、P9の周期を計測するクロック信号であり、このクロック信号P16の周波数を可変することによって、リュウズ回転信号P8、P9の計測条件が可変されることになる。
ここで、リュウズ10の通常位置で最も低い周波数を選択する理由は、通常位置では操作性が悪いためにリュウズ10の回転操作が鈍くなる傾向にあり、リュウズ回転信号P8、P9の周期が長くなり易い。このため、低い周波数のクロック信号P16でリュウズ回転信号P8、P9の周期を計測し、長い周期に対しても確実に計測するためである。また、リュウズ10の2段引き位置で最も高い周波数を選択する理由は、2段引き位置では操作性が最も良く、リュウズ10の回転を素早く行うことが出来るので、リュウズ回転信号P8、P9の周期が短くなり易い。このため、周波数の高いクロック信号P16で計測す
ることによって短い周期でも分解能の低下を防ぎ、他の操作位置との計測上のバランスを図るためである。
次に修正制御部25の周期計測部27は、クロック設定部26からのクロック信号P16を入力し、また、リュウズ回転信号P8を入力してリュウズ回転検出スイッチK3がONされたかを判定する(ステップST45)。ここで、肯定判定(すなわち、K3:ON)であればリュウズ10は正転方向に回転されたと判定してステップST47に進む。また、否定判定(すなわち、K3:OFF)であればステップST46に進む。
次に周期計測部27は、ステップST45で否定判定がなされたならば、リュウズ回転信号P9を入力してリュウズ回転検出スイッチK4がONされたかを判定する(ステップST46)。ここで、肯定判定(すなわち、K4:ON)であればリュウズ10は逆転方向に回転されたので逆転処理へ進む。尚、リュウズ10の逆転処理は、時刻を遅らせて修正する以外は基本的に正転処理と同様であるので説明は省略する。また、否定判定(すなわち、K4:OFF)であれば、リュウズ回転検出スイッチK3、K4は共にOFFであるので、ステップST50へ進む。
次に周期計測部27は、ステップST45で肯定判定がなされたならば、クロック信号P16によって周期計測中であるかを判定する(ステップST47)。ここで、肯定判定(すなわち、周期計測中)であれば、リュウズ回転検出スイッチK3は周期計測中に再びONされたと判定してステップST48に進む。また、否定判定(周期計測停止中)であれば、リュウズ回転検出スイッチK3は新規にONされたと判定してステップST49に進む。
次に周期計測部27は、ステップST47で肯定判定がなされたならば、周期計測中にリュウズ回転検出スイッチK3がONされたのでクロック信号P16のカウント値を周期計測データP17として出力し、内部のカウント値をリセット後、再び周期計測を開始して実施例1で示した修正ルーチンへ進む(ステップST48)。
また、周期計測部27は、ステップST47で否定判定がなされたならば、周期計測停止中にリュウズ回転検出スイッチK3がONされた(すなわち、新規にONされた)ので、周期計測データP17のカウント値を零にリセットして出力し、周期計測をスタートさせて実施例1で示した修正ルーチンへ進む(ステップST49)。
また、ステップST46で否定判定がなされた場合は、周期計測部27は、内部のカウント値がオーバーフローしていないかを判定する(ステップST50)。この判定は、リュウズ回転検出スイッチK3、K4のOFFが長く続いている(すなわち、リュウズ10は未操作状態である)ことを検出して周期計測を停止するために行われる。ここで、肯定判定(オーバーフロー有り)であれば次のステップに進み、否定判定(オーバーフロー無し)であれば計測ルーチン2の最初のステップST40に戻る。尚、周期計測部27がオーバーフローとなるカウント値は、リュウズ10の操作位置に応じて任意に決定して良い。
次に、ステップST50で肯定判定(オーバーフロー有り)がなされたならば、リュウズ10は未操作状態と認識して周期計測部27は周期計測を停止し(ステップST51)、その後、計測ルーチン2の最初のステップST40に戻り、各スイッチの入力判定動作を継続する。ここで、周期計測が停止後、リュウズ回転検出スイッチK3がONされた場合は、周期計測データP17は初期化されてカウント0となり、周期測定は再スタートされる。
次に図8で示した実施例1の修正ルーチンを実施例2に適応して説明する。ここで、実施例2における修正ルーチンは、実施例1での計測データP12の替わりに、周期計測部27から出力される周期計測データP17が計測情報として用いられる。また、説明の前提として本実施例の電子時計40の構成は図13を参照とする。
ここで図8において、修正制御部25の修正信号発生部28は周期計測データP17を入力し、そのカウント値から連続運針修正モードに移行させるかを判定する(ステップST20)。ここで、周期計測データP17が例えばカウント15以下であれば、肯定判定となって連続運針修正モードに移行するステップST27に進み、周期計測データP17が例えばカウント16以上であれば否定判定となって通常の修正動作であるステップST21に進む。
ここで、周期計測データP17がカウント15であるとすると、クロック信号P16が256Hzのとき、リュウズ回転信号P8の周期は約60mSである。よって、本実施例においてはリュウズ回転信号P8の周期が約60mS以下のとき、電子時計40は、連続運針修正モードに移行することになる。尚、連続運針修正モードに移行する周期計測データP17のカウント値は限定されず、また、リュウズ10の操作位置に応じて連続運針修正モードに移行するカウント値は異なる値として良い。
次にステップST20で否定判定がなされたならば、修正制御部25は、モータ駆動部4から図示しない信号を入力してモータ駆動部4がモータ駆動中であるかを判定する(ステップST21)。ここで、肯定判定(すなわち、モータ駆動中)であればステップST22進み、否定判定(すなわち、モータ停止)であればステップST24に進む。尚、モータ駆動中とは、モータ駆動部4が秒分モータ5a、又は時日モータ5bを駆動しており、表示部6が運針状態であることを示す。
次にステップST21で肯定判定がなされたならば、周期計測部27はリュウズ回転信号P8を入力してリュウズ回転検出スイッチK3がONされたかを判定する(ステップST22)。ここで、肯定判定(すなわち、K3:ON)であれば次のステップに進み、否定判定(すなわち、K3:OFF)であればステップST21に戻り、モータ駆動中であるかを再び判定する。
次にステップST22で肯定判定がなされたならば、周期計測部27は周期計測継続中のときは、クロック信号P16のカウント値を周期計測データP17として出力する。また、周期計測停止中のときは、周期計測データP17のカウント値を零にリセットして出力し、周期計測をスタートさせる(ステップST23)。そして、ステップST23の実行後、ステップST20に戻り、再び連続運針修正モードへの移行判定を実行する。
次にステップST21で否定判定がなされたならば、モータ駆動部4はモータの駆動を終了しているので、修正制御部25の修正信号発生部28は、周期計測部27から周期計測データP17を入力し、この周期計測データP17に基づいて修正信号P13の修正量としてパルス数を設定し、この修正信号P13を時計回路3に出力後、次のステップに進む(ステップST24)。尚、時計回路3に入力される修正信号P13は、時刻情報を修正する修正量と共に、リュウズ10の操作位置情報に基づいた秒分時などを示す修正桁情報も含まれる。
ここで、リュウズ10の1段引き位置での修正の場合は、ステップST41で前述した如く、閏年からの経過年と月の修正モードであり、周期計測データP17がカウント0(すなわち、周期計測スタート時)であれば、1パルスの修正信号P13が時計回路3の閏年からの経過年と月の桁に出力される。また、周期計測データP17が例えばカウント3
5であれば、2パルスの修正信号P13が時計回路3の閏年からの経過年と月の桁に出力され、また、周期計測データP17が例えばカウント20であれば、3パルスの修正信号P13が時計回路3の閏年からの経過年と月の桁に出力される。
ここで、周期計測データP17のカウント値は、リュウズ回転信号P8の周期を表しており、そのカウント値が小さいほどリュウズ回転信号P8の周期は短く、すなわち、リュウズ10は速く回転している。また、周期計測データP17のカウント値が零であるときは、リュウズ回転検出スイッチK3が新規にONされたことを示す。
また、リュウズ10の2段引き位置での修正の場合は、ステップST43で前述した如く、秒分の修正モードであり、周期計測データP17がカウント0(周期計測スタート時)、または、連続運針修正モードに移行するカウント値より大きければ、分の桁を1ステップ(すなわち1分)進めるために1パルスの修正信号P13が時計回路3の分の桁に出力さる。
また、リュウズ10の通常位置での修正の場合は、ステップST44で前述した如く、時差の修正モードであり、周期計測データP17がカウント0(周期計測スタート時)、または、連続運針修正モードに移行するカウント値より大きければ、時の桁を1ステップ(すなわち1時間)進めるために1パルスの修正信号P13が時計回路3の時の桁に出力される。このように、秒分修正モードと時差修正モードでの通常の修正動作は、実施例1と同様に、連続した修正動作は禁止され、連続運針修正モードの修正動作と区別される。
次に時計回路3は、修正信号発生部28からの修正信号P13を入力し、記憶している時刻情報を修正信号P13に従って修正し、修正された時刻情報に対応して秒分モータ5a、又は、時日モータ5bを駆動するためのモータ制御信号P3を出力する(ステップST25)。 以降、ステップST26〜ST34は、基本的に実施例1の動作フローと同様であるので説明は省略する。尚、実施例2においては、修正ルーチン終了後は、計測ルーチン2の最初のステップST40に戻る。また、実施例1と同様に、各スイッチのONを割り込み処理によって検出し、リュウズ10が操作されない状態では通常の運針動作以外は、処理を停止していることが消費電力低減のために好ましい。
次に図15と図16のタイミングチャートに基づいて、本発明の実施例2の電子時計40のリュウズ1段引き位置での閏年からの経過年と月の修正動作の具体例を説明する。尚、説明の前提として、電子時計40の使用者(図示せず)はリュウズ10を正転方向に回転して修正するものとする。
図15と図16において、リュウズ10が1段引き位置で設定されるクロック信号P16の周波数は、前述した如く256Hzであるとし、このクロック信号P16によってリュウズ回転検出スイッチK3からのリュウズ回転信号P8の周期が計測されるものとする。そして、リュウズ10の回転状態を示す計測情報に基づいて修正信号P13の修正量を区分1〜区分4の4段階に区分して説明する。すなわち、区分1はリュウズ10がゆっくり回転された場合(周期:長)を示し、区分2はリュウズ10がやや速く回転された場合(周期:中)を示し、区分3はリュウズ10が速く回転された場合(周期:短)を示す。また区分4は、リュウズ10が更に速く回転されて連続運針修正モードに移行する場合である。
ここで区分1では、使用者がリュウズ10を正転方向にゆっくり回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生し、周期計測部27は256Hzのクロック信号P16によって周期計測をスタートする(タイミングT60)。このタイミングT60で、周期計測データP17はカウント値が零にリセットされて出力
し、これによって、1パルスの修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分1ではリュウズ10がゆっくり回転されるので、次のリュウズ回転検出スイッチK3がONされる前に、周期計測部27はカウント値がカウント50となってオーバーフローし、周期計測は停止する。尚、クロック信号P16が256Hzであるとすれば、カウント50でオーバーフローになる時間は約195mSであるが、このオーバーフローのカウント値は限定されず、仕様に基づいて任意に決定して良い。
このオーバーフローによる周期計測停止後に、次のリュウズ回転検出スイッチK3がONされたならば、周期計測部27は再び周期計測をスタートする(タイミングT61)。このタイミングT61で、周期計測データP17はカウント値が再び零にリセットされて出力し、これによって、1パルスの修正信号P13が出力され、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
すなわち区分1では、リュウズ回転信号P8が発生する間隔が長いので周期計測部27がオーバーフローし、リュウズ回転検出スイッチK3の1回のONごとに1パルスのモータ駆動信号P4が出力される。これにより、リュウズ10のゆっくりした回転に合わせて秒針6aが1秒ステップごとに進み、閏年からの経過年と月の修正がゆっくり確実に実行される。
次に区分2では、使用者がリュウズ10を正転方向にやや速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生し、周期計測部27は256Hzのクロック信号P16によって周期計測をスタートする(タイミングT62)。このタイミングT62で、周期計測データP17はカウント値が零にリセットされて出力し、これによって、1パルスの修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分2ではリュウズ10がやや速く回転されるので、次のリュウズ回転検出スイッチK3は、例えば周期計測部27のカウント値がカウント35となった時点でONされる(タイミングT63)。このタイミングT63で、カウント35の周期計測データP17が出力され、この周期計測データP17を入力する修正信号発生部28から2パルスの修正信号P13が出力される。これによって、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が2パルス出力される。
また、タイミングT63では、周期計測部27の内部のカウント値が零にリセットされて周期計測が継続する。そして、再びリュウズ回転検出スイッチK3がカウント35となった時点でONされたとすると(タイミングT64)、カウント35の周期計測データP17が再び出力され、この周期計測データP17を入力する修正信号発生部28から2パルスの修正信号P13が出力される。これによって、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が2パルス出力される。
すなわち、区分2では、リュウズ回転検出スイッチK3の最初のONで1パルスのモータ駆動信号P4が出力され、2回目のON以降は、2パルスごとのモータ駆動信号P4が出力されるので、秒針6aは最初に1秒進み、次からは2秒ずつに進むことになり、リュウズ10の回転に合わせて閏年からの経過年と月の修正が比較的速く実行される。尚、区分2の周期計測データP17の範囲は、例えばカウント30〜カウント49とする。
次に区分3では、使用者がリュウズ10を正転方向に速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生し、周期計測部27は256Hzのクロック信号P16によって周期計測をスタートする(タイミングT70)。このタイミングT70で、周期計測データP17はカウント値が零にリセットされて出力し、これによって、1パルスの修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分3ではリュウズ10が速く回転されるので、次のリュウズ回転検出スイッチK3は、例えば周期計測部27のカウント値がカウント20となった時点でONされる(タイミングT71)。このタイミングT71で、カウント20の周期計測データP17が出力され、この周期計測データP17を入力する修正信号発生部28から3パルスの修正信号P13が出力される。これによって、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が3パルス出力される。
また、タイミングT71では、周期計測部27の内部のカウント値が零にリセットされて周期計測が継続する。そして、再びリュウズ回転検出スイッチK3がカウント20となった時点でONされると(タイミングT72)、カウント20の周期計測データP17が再び出力され、この周期計測データP17を入力する修正信号発生部28から3パルスの修正信号P13が再び出力される。これによって、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が3パルス出力される。
その後、リュウズ回転検出スイッチK3が同様なタイミングでONされるならば(タイミングT73以降)、秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が3パルスずつ継続して出力されることになる。
すなわち、区分3では、リュウズ回転検出スイッチK3の最初のONで1パルスのモータ駆動信号P4が出力され、2回目以降のONでは、3パルスのモータ駆動信号P4が出力されるので、閏年からの経過年と月の修正がリュウズ10の早い回転に合わせて素速く実行される。尚、区分3の周期計測データP17の範囲は、例えばカウント16〜カウント29の範囲とする。
次に区分4では、使用者がリュウズ10を正転方向に更に速く回転し、リュウズ回転検出スイッチK3がONされると、リュウズ回転信号P8が発生し、周期計測部27は256Hzのクロック信号P16によって周期計測をスタートする(タイミングT74)。このタイミングT74で、周期計測データP17はカウント値が零にリセットされて出力し、これによって、1パルスの修正信号P13が出力され、時刻情報が修正された時計回路3からモータ制御信号P3が出力し、モータ駆動部4から図示するように秒分モータ5aを駆動するモータ駆動信号P4が1パルス出力される。
ここで、区分4ではリュウズ10が更に速く回転されるので、次のリュウズ回転検出スイッチK3は、例えば周期計測部27のカウント値がカウント10となった時点でONされる(タイミングT75)。このタイミングT75で、カウント10の周期計測データP17が出力されることにより、修正ルーチンのステップST20で前述した如く、修正制御部25は連続運針準備期間に入り、修正信号発生部28から所定の間隔で1パルスずつの修正信号P13が連続的に出力される。
これにより、連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4の1/2の周波数の例えば32Hzのモータ駆動信号P4が8〜12パルス出力され、その後、連続運針準備期間は終了する(タイミングT76)。尚、連続運針準備期間の長さは限定されず、仕様に基づい
て任意に決められて良く、モータ駆動信号P4のパルス数も限定されるものではない。また、連続運針準備期間でのモータ駆動信号P4の周波数も限定されない。
次に、連続運針準備期間終了後、タイミングT76で連続運針修正モードが開始される。これにより、修正信号発生部28から所定の間隔で1パルスずつの修正信号P13が連続して出力され、この修正信号P13によって時計回路3の時刻情報が連続して修正される。この結果、モータ駆動部4より、例えば周波数64Hzのモータ駆動信号P4が連続して出力され、秒針6aは連続運針される。
次に、連続運針修正モードで秒針6aが連続運針中に、使用者がリュウズ10を操作してリュウズ回転検出スイッチK3、又はK4がONされると、修正制御部25は連続運針修正モードを終了して修正信号P13の出力を停止するので、モータ駆動信号P4は停止し、秒針6aの連続運針は停止する(タイミングT77)。すなわち、リュウズ10の1段引き位置での連続運針修正モードでは、使用者がリュウズ10を操作しなくても秒針6aが連続運針を継続し、閏年からの経過年と月表示の修正を高速に行うことが出来る。また、使用者が運針状態を見てリュウズ10を1回操作することによって連続運針を直ちに停止させることが出来る。
尚、連続運針修正モードに移行する前に所定の期間、連続運針準備期間を設けて連続運針修正モードでのモータ駆動信号P4の周波数よりも低い周波数のモータ駆動信号P4を出力する理由は、前述した如く、連続運針修正モードに移行するときに、一時的に運針スピードを遅くして使用者に連続運針修正モードに移行することを知らせるためである。
このように本実施例の電子時計40は、リュウズ10の操作位置に基づいてクロック信号P16の周波数を可変し、可変されたクロック信号P16によって計測されるリュウズ回転信号P8、P9の計測情報に基づいて時刻情報の修正量を可変するので、実施例1と同様に各操作位置に適した時刻情報の修正量を選択することが可能となり、操作位置によって操作性が異なるリュウズの欠点を補い、操作位置に関わりなく操作が容易な使い易い電子時計を提供することが出来る。
また、本実施例では、リュウズ10の回転状態がリュウズ回転信号P8、P9の周期で計測されるので、回転状態の瞬間的な変化を素早く計測出来、レスポンスの良い時刻修正が実現出来る。また、本実施例において、リュウズ10の2段引き位置、又は通常位置での修正動作は、基本的に図15、図16で示した1段引き位置での修正動作と同様であり、また、モータ駆動信号P4、P5の形態は、実施例1で示したリュウズ10の2段引き位置、又は通常位置での形態と同様であるので説明は省略する。尚、時刻情報の修正量を区分する周期計測部27のカウント値は限定されず、仕様に基づいて任意に決定して良い。
以上のように本発明の実施例2の電子時計40は、リュウズ10の回転検出をリュウズ回転信号P8、P9の周期を計測することによって行うが、時刻修正の基本的動作は実施例1と同様であり、その効果も同様な効果を得ることが出来る。尚、本発明の実施例は指針表示式の電子時計として説明したが、この形態に限定されるものではなく、本発明は、デジタル式電子時計、または、指針表示式/デジタル式混合の電子時計にも適応することが出来る。
また、本発明の実施例で示したブロック図、説明図、フローチャート、タイミングチャート等は、この構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を満たすものであれば、どのような構成であっても良い。また、リュウズの回転状態の計測方法は、本発明の実施例に限定されず、どのような計測方法でも本発明は適応出来る。