JP2015181640A - 人工歯 - Google Patents

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Abstract

【課題】 切縁部等において天然歯により近似したオパール効果を呈する人工歯を提供する。【解決手段】 唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bとが、切縁部において接合されたエナメル層を有する人工歯1であって、前記唇側エナメル層と前記舌側エナメル層は、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し、有機質充填材20〜180重量部、および、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材0.01〜20重量部を含む組成物の前記レジンマトリックスモノマーが重合硬化してなるものであり、前記唇側エナメル層と前記舌側エナメル層は、組成が異なる組成物からなり、透過光でのオパール効果によって発現する色調が異なることを特徴とする。【選択図】 図1

Description

この発明は、人工歯に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、オパール効果を有する人工歯に関するものである。
人工歯に使用される材料は、生体偽害性がなく、生体親和性があり、表面硬度、耐摩耗性、曲げ強度、曲げ弾性率といった物理的性質に加え、色調、光沢性、半透明性といった審美性を満足することが必要である。さらに、近年、審美性に対する患者の要求の高まりにつれ、より天然歯に近似したオパール効果(すなわち、反射光によって青みがかり、透過光によってオレンジがかって見える。)を有する人工歯が望まれている。
本出願人は、特許文献1において、人工歯等にオパール効果を発現させるのに使用するための歯科用組成物を提案している。
特許文献1に記載の歯科用組成物は、レジンマトリックスモノマー、有機質充填材、および、無機質充填材として、平均粒径が0.01〜0.10μmの二酸化チタン微粒子を含有するものである。
図6に示すような、コア層41にデンチン層42が積層され、さらに、エナメル層43が積層された3層からなる多層人工歯44において、この歯科用組成物をエナメル層に使用した人工歯(すなわち、唇側、舌側を同一組成の組成物によって被覆したことになる。)は、オパール効果を呈することになるが、切縁部44aのオパール効果による色調の変化は、反射光でのオパール効果による色調の変化は天然歯のそれと近似しているといえるが、透過光での色調の変化が乏しく単調であって、反射光、透過光でのオパール効果による色調が微妙に変化する天然歯に近似しているとはいえない。
特開2008−23003号公報
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、切縁部等において天然歯により近似したオパール効果を呈する人工歯を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、この発明の人工歯は、(1)唇側エナメル層と舌側エナメル層とが、切縁部において接合されたエナメル層を有する人工歯であって、前記唇側エナメル層と前記舌側エナメル層は、組成が異なる組成物からなり、透過光でのオパール効果によって発現する色調が異なることを特徴とする。
(2)前記(1)において、前記切縁部における前記唇側エナメル層と舌側エナメル層の層厚が異なってもよい。
ここにおいて、「層厚」とは、人工歯の前後(唇側面から舌側面に至る方向)の層の厚さをいう。
(3)前記(1)または(2)において、前記唇側エナメル層と舌側エナメル層は、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し、有機質充填材20〜180重量部、および、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材0.01〜20重量部を含む組成物の前記レジンマトリックスモノマーが重合硬化してなるものであることが好ましい。
(4)前記(1)、(2)または(3)において、前記無機質充填材は、バリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラス、二酸化チタン、シリカ、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英、無孔質のアトマイズド法のコロイダルシリカ、無孔質のコロイダルアルミナ、無孔質の湿式法のコロイダルシリカの群から選択された1種または2種以上であることが好ましい。
(5)前記(4)において、前記無機質充填材が二酸化チタンであること好ましい。
(6)前記(1)、(2)、(3)、(4)または(5)において、さらに、有機無機複合充填材を含有していてもよい。
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、切縁部等における透過光でのオパール効果によって発現する色調は変化に富み、天然歯により近似した人工歯を得ることができる。
より具体的には、例えば、この発明の人工歯を口腔内に適用した場合、笑顔によって、口を大きく開けた時に、頬側方向、すなわち、口角付近から入射された光によって、人工歯の切端部等が透過光でのオパール効果を発現し、オレンジ〜赤味がかった色が場所によって濃さの異なるまだら状といった、一種の微細なゆらぎを示し天然歯により近似した印象を与えることができる。
これは、唇側エナメル層と舌側エナメル層とが切縁部等において接合していることにより、切縁部等における頬側エナメル層のオパール効果と舌側エナメル層のオパール効果が複雑に絡み合うことになり、人工歯の切縁部等におけるオパール効果による色調が天然歯により近似したものとなると考えられるがはっきりしていない。
そして、切縁部における唇側エナメル層と舌側エナメル層の層厚が異なるようにすることで、透過光でのオパール効果による色調変化は、層の厚さの影響を加味することができ、そのため、層厚を種々設計することで、透過光による色調変化を任意に設定できる。
この発明の人工歯の一実施形態としての上顎前歯を示し、(a)は正面図(唇側面図)、(b)はA−A線断面図、(c)は底面図(切縁側面図)、(d)はB−B線断面図である。 図1に示す人工歯の製造方法の説明図である。 この発明の人工歯の他の実施形態としての上顎前歯の断面図である。 この発明の人工歯のさらに他の実施形態としての上顎前歯の断面図である。 この発明の人工歯のさらに他の実施形態としての上顎前歯の断面図である。 特許文献1に記載の歯科用組成物をエナメル層に使用した人工歯である。
以下、発明を実施するための形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
図1は、この発明の人工歯の一実施形態としての上顎前歯を示し、(a)は正面図(唇側面図)、(b)はA−A線断面図、(c)は底面図(切縁側面図)、(d)はB−B線断面である。
図1に示す人工歯1は、成形型によって成形されたレジン系の人工歯を示し、コア層2、デンチン層3、エナメル層4の3層からなる多層の上顎前歯であって、エナメル層4は唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bが少なくとも切縁部1aにおいて接合され一体となっている。
唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bの切縁部1aにおける接合は、より具体的には、縦方向では、デンチン層3の先端部から切縁に至り、幅方向では、近遠心方向に至る接合面においてなされているが、これに限られるものではない。ここにおける接合面は、平面として示されているが、これに限られず、凹凸を含む複雑な曲面等を含んでもよい。
唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bの切縁部1aにおける接合面4cからの厚さ(層厚)は、A−A断面図である図1(b)においては、左右方向で示されるが、縦方向及び近遠心方向の個々の箇所の厚さは、人工歯1の切縁部1aの表面形状が複雑な形状をしていることもあり、均一ではなく、種々複雑に変化することになる。
図示していないが成形型によって成形された人工歯1の場合、成形型によるパーティングラインが、通常、唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bの境界を示すことになる。
エナメル層は、後述するレジンマトリックスモノマー、有機質充填材、および、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材を含むペースト状または餅状の組成物の前記レジンマトリックスモノマーが重合硬化してなるものが使用できるが、これに限られるものではない。
唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bは、組成が異なり、これによりそれぞれのオパール効果が異なる色調を有する。
ここで「組成が異なる」とは、組成物を構成する素材の種類、組成割合、無機質充填材の平均粒径等のうち少なくとも一つが異なることを意味する。
透過光によるオパール効果によって発現する色調を異なるようにするには、無機質充填材の種類、その平均粒径、組成割合が大きな役割を果たす。
人工歯の切縁部等におけるオパール効果は、反射光での色調変化に富んでいることはもちろん透過光でも色調変化に富み、天然歯により近似した人工歯を得ることができる。
唇側エナメル層4aと舌側エナメル層4bの切縁部1aにおける接合面4cからの厚さは、前記したように均一ではなく、種々複雑に変化していることから、透過光における観察時のオパール効果による色調変化は、層の厚さの影響も受け、この点からも、天然歯により近似した人工歯を得ることができることになる。
以下、唇側エナメル層と舌側エナメル層に使用するエナメル層用の組成物について説明する。
エナメル層用の組成物において使用されるレジンマトリックスモノマーとしては、1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレート、または、2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートを使用すればよい。
1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレートが例示できる。
2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス(メタクリロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシ−3−メタクリロキシプロポキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロールメタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート及びこれらのアクリレート、また分子中にウレタン結合を有するメタクリレート及びアクリレートが例示できる。
レジンマトリックスモノマーとしては、1種の1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートであってもよく、または、2種以上を併用してもよい。また、1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートと、2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートを併用してもよい。この場合、1種の1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートと、1種の2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートの組合せ、2種以上の1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートと、1種の2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートの組合せ、2種以上の1つの不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートと、2種以上の2つ以上の不飽和二重結合を有する(メタ)アクリレートの組合せが採用できる。
レジンマトリックスモノマーには、予め重合開始剤を添加することが好ましい。
重合開始剤としては、加熱重合型開始剤、化学重合型開始剤、光重合型開始剤が使用できる。
加熱重合型開始剤としては、主に有機過酸化物や、アゾ化合物等が用いられる。有機過酸化物としては、芳香族を有するジアシルパーオキシド類や過安息香酸のエステルと見なされるようなパーオキシエステル類が好ましく、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキシド、m−トリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ{(o−ベンゾイル)ベンゾイルパーオキシ}ヘキサンが例示できる。また、アゾ化合物としては、アゾビスイソブチロニトリル等、他にもトリブチルホウ素等のような有機金属化合物等が使用できる。
化学重合型開始剤としては、有機過酸化物と第3級アミンの組み合わせが挙げられる。有機過酸化物としては、芳香族を有するジアシルパーオキシド類や過安息香酸のエステルと見なされるようなパーオキシエステル類が好ましく、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロルベンゾイルパーオキシド、m−トリルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジメチル−2,5ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ{(o−ベンゾイル)ベンゾイルパーオキシ}ヘキサンが例示できる。第3級アミンとしては、芳香族基に直接窒素原子が置換した第3級アミンが好ましく、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアニリン、N−メチル−N−β−ヒドロキシアニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−アニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシエチル)−p−トルイジン、N,N−ジ(β−ヒドロキプロピル)−アニリン、N,N−ジ(β−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが例示できる。
光重合型開始剤としては、増感剤と還元剤の組み合わせが一般に用いられる。
増感剤としては、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4′−ジメチルベンジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4′−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、アシルフォスフィンオキサイドの誘導体、アジド基を含む化合物等が例示でき、これらは、単独もしくは混合して使用される。
還元剤としては、第3級アミンが一般に使用される。第3級アミンとしては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが例示できる。また、他の還元剤として、ベンゾイルパーオキサイド、スルフィン酸ソーダ誘導体、有機金属化合物等が挙げられる。
光重合型開始剤は、紫外線または可視光線などの活性光線を照射することにより重合反応が達せられる。光源としては超高圧、高圧、中圧および低圧の各種水銀灯、ケミカルランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光ランプ、タングステンランプ、キセノンランプ、アルゴンイオンレーザー等が使用される。
この他に必要に応じ重合禁止剤、酸化安定剤、変色防止剤、可塑剤、界面活性剤、抗菌剤、紫外線吸収剤、顔料、染料をレジンマトリックスモノマーに添加することができる。
有機質充填材としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、または、これらのアクリレートのホモポリマー、または、これらのコポリマー、または、これらのホモポリマーとコポリマーとの混合物が採用できる。これらの有機質充填材は、懸濁重合(パール重合)することで得ることができる。有機質充填材は、一般に平均粒径100μm以下の粒状または粉末状のものを使用することが好ましい。平均粒径が100μm以下であると、この発明の人工歯中のレジンマトリックスモノマーが重合硬化したものの審美性が良好となり、100μmを超えると、重合硬化したものの表面に有機質充填材がパール状になって現れ、審美性が損なわれることになるとともに硬化体が脆くなる。
有機質充填材は、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し、20〜180重量部であることが好ましい。有機質充填材は、レジンマトリックスモノマーによって膨潤し、組成物を餅状またはペースト状にするのに寄与する。有機質充填材が20重量部未満では、餅状またはペースト状の組成物が得られず、作業性が劣り、成形が困難となり好ましくない。また、有機質充填材が180重量部を超えると、粉成分が過剰で、バサつき、成形性や作業性が悪くなり好ましくなく、レジンマトリックスモノマーが重合硬化したものの耐摩耗性が劣ることになり好ましくない。
平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材としては、バリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラス等の各種ガラス、二酸化チタン、シリカ、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英、無孔質のアトマイズド法のコロイダルシリカ、無孔質のコロイダルアルミナ、無孔質の湿式法のコロイダルシリカの群から選択された1種または2種以上が採用できる。
平均粒径が0.11μm未満では、無機質充填材の凝集作用が強く、レジンマトリックスモノマーに均一分散しないことによりオパール効果の発現が難しくなる。平均粒径が0.25μmを超えると、光の波長よりも大きくなるためオパール効果を殆ど発現できないことから好ましくない。
エナメル層における前記無機質充填材は、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し、0.01〜20重量部であることが好ましい。前記無機質充填材が0.01重量部未満では、レジンマトリックスモノマーが重合硬化したものの透過光によるオパール効果の発現において、十分な色調を発現させることができにくいことから好ましくない。一方、前記無機質充填材が20重量部を超えると、レジンマトリックスモノマーが重合硬化したものの半透明性が劣ることになり好ましくない。より好ましい範囲は、0.02〜0.09重量部である。
前記無機質充填材は、いずれも予めカップリング剤を用いて表面処理したものを用いることが好ましい。カップリング剤としては、オルガノファンクショナルシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤が使用できる。
オルガノファンクショナルシランカップリング剤としては、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ―グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルトリメトキシシラン、N―β(アミノエチル)γ―アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ―クロロプロピルトリメトキシシラン、γ―アミノプロピルトリエトキシシラン等が採用できる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソピルビス(ジオクチルフォスフェート)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルフォスフェート)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチルー1−ブチル)ビス(ジートリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクナノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルフォスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−ジアミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等を採用することができる。
ジアルコアルミネート系カップリング剤としては、アルコール系キャブコモド、グリコール系キャブコモド等を採用することができる。
これらのカップリング剤の添加量は、前記無機質充填材100重量部に対し、0.1〜25重量部であることが好ましい。カップリング剤の添加量が、0.1重量部未満では、カップリング剤としての効果がなく、無機質充填材とレジンマトリックスモノマーとの接着が不十分であり、人工歯とした時に、その物理的性質等が劣り好ましくない。また、カップリング剤の添加量が25重量部を超えると、過剰のカップリング剤が、可塑剤や欠陥として機能することになり、エナメル層とした時に、その物理的性質等が劣り好ましくない。
前記無機質充填材をカップリング剤で処理するには、無機質充填材とカップリング剤とを適宜混合すればよい。
エナメル層用の組成物は、必要に応じ、有機無機複合充填材を含有してもよい。有機無機複合充填材として、バリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラス等の各種ガラス、シリカ、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英、無孔質のアトマイズド法のコロイダルシリカ、無孔質のコロイダルアルミナ、無孔質の湿式法のコロイダルシリカ等の群れから選択された1種または2種以上の無機質粉末と、この発明において使用するとして説明した前記のレジンマトリックスモノマーから選択された少なくとも1種のモノマーとを混合し、重合させ、次いで、粉砕したものが例示できる。有機無機複合充填材はその表面がレジンであることから、レジンマトリックスモノマーとの親和性と濡れが良好で、均一な混合を可能とする利点がある。
有機無機複合充填材に用いる無機質粉末は、通常は平均粒径20μm以下のものが用いられるが、粒子の小さいものとしては平均粒径が50nm以下の微粒子状のものも用いることができる。平均粒径が20μmを超えると、エナメル層用の組成物のレジンマトリックスモノマーが重合硬化したものにおいて、粘膜面との接触感が悪くなり好ましくない。もちろん、無機質粉末として、前記した無機質充填材を使用してもよい。有機無機複合充填材に使用される無機質粉末の平均粒径が前記無機質充填材の平均粒径より比較的大きい組合せは、ハイブリッド型複合となることから、機械的性質の微調整が容易となる。
前記有機無機複合充填材に用いる無機質粉末は、予めカップリング剤を用いて表面処理したものを用いることが好ましい。カップリング剤としては、前記したオルガノファンクショナルシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤が使用できる。前記有機無機複合充填材に用いる無機質粉末のカップリング処理は、前記無機質充填材のカップリング処理と同様にして、無機質粉末とカップリング剤と適宜混合すればよい。
有機無機複合充填材の製造は、より具体的には、前記の無機質粉末、前記のモノマー、加熱重合開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、更に必要に応じ前記したカップリング剤、着色剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料等を適宜添加し、攪拌混合し、そして、80〜120℃で重合させ、ボールミルなどで平均粒径1〜50μm程度に粉砕することで得られたものを採用することができる。平均粒径が1μm未満では、比表面積が大きくなり、エナメル層用の組成物とする際、他の成分との均一な混合に長時間を要する上に、硬くなりやすく、作業性が劣ることになり好ましくない。平均粒径が50μmを超えると、例えば、人工歯としたとき、粘膜面との接触感が悪くなり好ましくない。
この発明の人工歯のエナメル層においては、前記したレジンマトリックスモノマー、有機質充填材、および、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材に、さらに、有機無機複合充填材を使用する場合は、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し、有機無機複合充填材が5〜100重量部であることが好ましい。有機無機複合充填材が5重量部未満では、エナメル層用の組成物のレジンマトリックスモノマーが重合硬化したものが脆くなりやすい。また、有機無機複合充填材が100重量部を超えると、成形性や作業性が悪くなり好ましくなく、レジンマトリックスモノマーが重合硬化したものの耐摩耗性が劣ることになり好ましくない。
図1に示す人工歯1は、コア層2にデンチン層3が積層された状態のレジン系の成形体5に、唇側エナメル層4a、舌側エナメル層4bが少なくとも切縁部1aにおいて接合するように積層形成することによって製造することができる。
コア層2、デンチン層3には、人工歯に使用される(メタ)アクリレート系のレジンが例示できる。(メタ)アクリレート系のレジンとしては、歯科用レジン、硬質レジン、コンポジットレジンが使用できるが、歯科用レジンが好ましい。
成形体5としては、これらのレジンを使用して適宜成形されたものが使用できるが、これに限られない。
成形体5に唇側エナメル層4a、舌側エナメル層4bが少なくとも切縁部1aにおいて接合した図1に示す多層の人工歯1を成形型を用いて成形するには、例えば、特開2004−298599号公報に記載した人工歯の製造方法に準ずればよい。
前記したレジンマトリックスモノマー、有機質充填材、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材から唇側エナメル層用の組成を選択・秤量し、必要に応じ重合開始剤、顔料等を加え、均一になるように混合し、所定時間経過させて唇側エナメル層用の餅状のレジン(唇側エナメル層用の組成物)を作製する。同様に、前記したレジンマトリックスモノマー、有機質充填材、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材から舌側エナメル層用の組成を選択・秤量し、必要に応じ重合開始剤、顔料等を加え、均一になるように混合し、所定時間経過させて舌側エナメル層用の餅状のレジン(舌側エナメル層用の組成物)を作製する。
なお、前記したように、唇側エナメル層用の餅状のレジンと舌側エナメル層用の餅状のレジンの組成は異なる。
次いで、図2(a)に示されるように、成形体5が基底部型7、唇側デンチン型8a、舌側デンチン型8bによって形成された状態において、唇側デンチン型8aを唇側エナメル型9aに換え、図2(b)に示されるように、基底部型7、成形体5、唇側エナメル型9a、舌側デンチン型8bによって形成されたキャビティ10a内に、唇側エナメル層4a用に調整された餅状のレジンを填入し、成形型を加圧した状態で重合硬化させる。そして、舌側デンチン型8bを舌側エナメル型9bに換え、図2(c)に示されるように、基底部型7、唇側エナメル層4aが形成された成形体5、唇側エナメル型9a、舌側エナメル型9bによって形成されたキャビティ10b内に、舌側エナメル層4b用に調整された餅状のレジンを填入し、成形型を加圧した状態で重合硬化させ、人工歯1を成形させる(図2(d))。
なお、成形途中に形成されたバリの除去等については説明を省略している。
成形体5は、前記したことから明らかといえるが、特開2004−298599号公報に記載した人工歯の製造方法に準じて製造すればよいが、これに限られない。
成形型によらないで、唇側エナメル層、舌側エナメル層を成形体に築盛するようにしてもよい。
この場合は、唇側エナメル層用に調整されたペースト状のレジンと舌側エナメル層用に調整されたペースト用のレジンを用いればよく、重合開始剤としては、光重合開始剤、化学重合開始剤が好ましいが、加熱重合開始剤であってもよい。
光重合開始剤を用いた場合は、筆等で成形体に唇側エナメル層、舌側エナメル層を築盛した後、重合用の光を照射すればよい。
図3は、この発明の人工歯の別の実施形態としての上顎前歯の断面図である。
図3に示す人工歯11は、デンチン層12が舌側の基底部側にまで達した成形体13を使用したものであり、唇側エナメル層14a、舌側エナメル層14bが成形体13に積層され、デンチン層12の舌側は露出している。14cは接合面を示す。
その他は、図1に示す人工歯と同様なことから詳細な説明は省略する。
図4は、この発明の人工歯のさらに別の実施形態としての上顎前歯の断面図である。
図4に示す人工歯21は、コア層22の舌側が露出した状態にデンチン層23を積層した成形体25を使用したものであり、唇側エナメル層24a、舌側エナメル層24bが成形体25に積層され、コア層22の舌側は露出している。24cは接合面を示す。
その他は、図1に示す人工歯と同様なことから詳細な説明は省略する。
図5は、この発明の人工歯のさらに別の実施形態としての上顎前歯の断面図である。
図5に示す人工歯31は、デンチン層32が舌側の基底部側にまで達した成形体33を使用したものであり、唇側エナメル層34a、舌側エナメル層34bが成形体33に積層されている。34cは接合面を示す。
その他は、図1に示す人工歯と同様なことから詳細な説明は省略する。
この発明の人工歯は、コア層、デンチン層、エナメル層の3層に限らず、それ以上の多層であっても、デンチン層、エナメル層の2層であってもよいが、多層でなくても、唇側エナメル層と舌側エナメル層とが少なくとも切縁部において接合した状態となるよう、唇側エナメル層用の組成物と舌側エナメル層用の組成物で人工歯全体を成形してもよい。
この発明の人工歯は、前記した上顎前歯に限られず、主として前歯を対象としている。
次に、実施例を比較例とともに示しさらに詳しく説明する。もちろんこの発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
レジンマトリックスモノマーとして、メチルメタクリレート(MMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)、有機質充填材として、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、重合触媒として、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、無機質充填材として、二酸化チタンを表1の実施例1に示す重量部秤量して均一になるように攪拌混合し、所定時間経過させて餅状の唇側エナメル層用のレジンと舌側エナメル層用のレジンを得た。
ここにおいて、PMMAは、平均分子量500,000、平均粒径20μmの粉末を用いた。
二酸化チタンは、平均粒径0.25μmのものを用いた。
PMMAの平均粒径、二酸化チタンの平均粒径は、島津製作所(株)製のレーザー粒度分布計SALD−2000Aによって測定した。
前記二酸化チタンは、γ―メタクリロキシプロピルトリメトキシシランでシランカップリング処理したものである。シランカップリング処理は、二酸化チタン100重量部に対しカップリング剤1重量部を使用した。
得られた餅状の唇側エナメル層用のレジンと舌側エナメル層用のレジンを、それぞれ金型リング(φ20mm×2mm)内に填入し、80℃、300MPaで10分間加熱重合させて2種類の試料(いずれも厚さ2mm)を得た。
得られた2種類の試料を#1000の耐水研磨紙にて両面を表面研磨し、バフ研磨によって両面を鏡面仕上げして、唇側エナメル層用の試験用試料(φ20mm×1.0mm)と舌側エナメル層用の試験用試料(φ20mm×0.5mm)を作製し、これらの試験用試料を重ね合わせて厚み1.5mmの試験体とし、オパール効果の評価のため、試験体に対する背景を白にした時の測色値及び背景を黒にした時の測色値を以下に示す試験方法により測定し、明度を除いた色調を示すa*b*値に対する色差Δa*b*を算出した。
結果は、表1の実施例1に示すとおりである。
<測色試験方法>
温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室で、分光式色差計(SE−2000、(株)日本電色工業製)を用い、試験体に対して背景を白にした時の測色値及び背景を黒にした時の測色値を測定した。
(実施例2)
実施例1で使用したのと同一のMMA、EDMA、PMMA、BPO、二酸化チタンを表1の実施例2に示す重量部秤量して均一になるように攪拌混合し、所定時間経過させて餅状の唇側エナメル層用のレジンと舌側エナメル層用のレジンを得た。
得られた餅状の唇側エナメル層用のレジンと舌側エナメル層用のレジンを実施例1と同様に金型リング内に填入し、実施例1と同一条件で加熱重合させて2種類の試料を得た。
得られた2種類の試料を用いて実施例1と同様にして、唇側エナメル層用の試験用試料(φ20mm×0.5mm)と舌側エナメル層用の試験用試料(φ20mm×1.0mm)を作製し、これらの試験用試料を重ね合わせ厚み1.5mmの試験体とし、前記測色試験方法により測色値を測定し、色差Δa*b*を算出した。
結果は、表1の実施例2に示すとおりである。
(比較例1)
実施例1で使用したのと同一のMMA、EDMA、PMMA、BPO、二酸化チタンを表2の比較例1に示す重量部秤量して均一になるように攪拌混合し、所定時間経過させて餅状のエナメル層用のレジンを得た。
得られた餅状のエナメル層用のレジンを金型リング内(φ20mm×2mm)に填入し、実施例1と同一条件で加熱重合させて試料を得た。
得られた試料を用いて実施例1と同様にして、エナメル層用の試験体(φ20mm×1.5mm)を作製し、前記測色試験方法により測色値を測定し、色差Δa*b*を算出した。
結果は、表2の比較例1に示すとおりである。
(比較例2)
実施例1で使用したのと同一のMMA、EDMA、PMMA、BPO、二酸化チタンを表2の比較例2に示す重量部秤量して均一になるように攪拌混合し、所定時間経過させて餅状のエナメル層用のレジンを得た。
得られた餅状のエナメル層用のレジンを金型リング内(φ20mm×2mm)に填入し、実施例1と同一条件で加熱重合させて試料を得た。
得られた試料を用いて実施例1と同様にして、エナメル層用の試験体(φ20mm×1.5mm)を作製し、前記測色試験方法により測色値を測定し、色差Δa*b*を算出した。
結果は、表2の比較例2に示すとおりである。
Figure 2015181640
Figure 2015181640
実施例1、実施例2の如き組成において、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し無機質充填材、例えば、平均粒径0.25μmの二酸化チタンは、0.02〜0.09重量部であることがより良好であることが確認されている。
また、厚さによるオパール色の色調の変化は、同一組成で厚さの異なる試験体を複数作製し、透過光による観察を行ったところ、Δa*b*にはピークがあり、それより薄いかまたは厚いと、Δa*b*が低下する傾向を示すとの結果を、実施例1の唇側エナメル層の組成の試験体、舌側エナメル層の組成の試験体で得られている。
1 人工歯
1a 切縁部
2 コア層
3 デンチン層
4a 唇側エナメル層
4b 舌側エナメル層
4c 接合面
5 成形体

Claims (6)

  1. 唇側エナメル層と舌側エナメル層とが、切縁部において接合されたエナメル層を有する人工歯であって、
    前記唇側エナメル層と前記舌側エナメル層は、組成が異なる組成物からなり、透過光でのオパール効果によって発現する色調が異なることを特徴とする人工歯。
  2. 前記切縁部における前記唇側エナメル層と舌側エナメル層は、層厚が異なることを特徴とする請求項1記載の人工歯。
  3. 前記唇側エナメル層と舌側エナメル層は、レジンマトリックスモノマー100重量部に対し、有機質充填材20〜180重量部、および、平均粒径が0.11〜0.25μmの無機質充填材0.01〜20重量部を含む組成物の前記レジンマトリックスモノマーが重合硬化してなるものであることを特徴とする請求項1または2記載の人工歯。
  4. 前記無機質充填材は、バリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラス、二酸化チタン、シリカ、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英、無孔質のアトマイズド法のコロイダルシリカ、無孔質のコロイダルアルミナ、無孔質の湿式法のコロイダルシリカの群から選択された1種または2種以上であることを特徴とする請求項1、2または3記載の人工歯。
  5. 前記無機質充填材が二酸化チタンであることを特徴とする請求項4記載の人工歯。
  6. さらに、有機無機複合充填材を含有することを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の人工歯。
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