JP2517753B2 - 人工歯とその製造方法 - Google Patents

人工歯とその製造方法

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JP2517753B2 JP63329167A JP32916788A JP2517753B2 JP 2517753 B2 JP2517753 B2 JP 2517753B2 JP 63329167 A JP63329167 A JP 63329167A JP 32916788 A JP32916788 A JP 32916788A JP 2517753 B2 JP2517753 B2 JP 2517753B2
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    • C08L75/14Polyurethanes having carbon-to-carbon unsaturated bonds
    • C08L75/16Polyurethanes having carbon-to-carbon unsaturated bonds having terminal carbon-to-carbon unsaturated bonds

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は前歯及び臼歯用として使用出来るレジン歯の
機械的性質の向上と従来の所謂硬質レジン歯の変着色及
びエナメル部とデンチン部との接着性の改善を目的とし
たレジン歯の材質とその製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来から用いられているレジン歯のエナメル部、デン
チン部の何れの材質もその主成分がポリメチルメタクリ
レートである。ポリメチルメタクリレートが主成分のレ
ジン歯はその製品形態となる前の組成としては粉剤と液
剤とに分けられる。
粉剤の構成成分は粒状のポリメチルメタクリレート,
重合開始剤,着色剤などから成り、液剤の構成成分はメ
チルメタクリレート,エチレン性不飽和2重結合を少な
くとも2個含有する重合可能な化合物などから成つてい
る。之等の2成分を混合することにより粒状のポリメチ
ルメタクリレートをメチルメタクリレートで膨潤させ餅
状化し、之を歯型の陰型金型に加圧填入し熱を掛けて重
合する。この様にして得られたレジン歯はエチレン性不
飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な化合
物により架橋されて熱硬化性のレジンに変化しているの
で或る程度の熱や有機溶剤にたいして安定な材質とな
る。しかしレジン歯の主成分がポリメチルメタクリレー
トであるので、その機械的性質には限界がある。また現
在用いられている所謂硬質のレジン歯は超微粒子タイプ
のコンポジツトレジンの素材と技術を応用し無機質充填
材を約20%〜30%含有させることによりエナメル部の機
械的性質を向上させている。この場合、使用されるマト
リツクスレジンはビスフエノールAジグリシジルメタク
リレートなどのウレタン結合を有せず且つフエニル基を
有するエチレン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有
する多官能のメタクリレートか或いはジメタクリロキシ
エチル1,2-ジメチルフエニルジカルバメートなどのウレ
タン結合を有し且つフエニル基を有するエチレン性不飽
和2重結合を少なくとも2個含有する多官能のメタクリ
レートが殆んどである。
また従来から行なわれているレジン歯及び所謂硬質レ
ジン歯の製造方法はエナメル部とデンチン部との接着を
充分に行なわせるため、またエナメル部とデンチン部と
の内部に重合時の発熱による気泡の発生を無くするため
に不完全重合させてから完全重合をさせるという方法が
採られている。この事はメチルメタクリレートやエチレ
ン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能
な化合物などが初期の予備重合するのに必要な最低の温
度と時間を選択し、エナメル部またはデンチン部の何れ
かを先ず60〜70℃の温度で15〜30分間初期の予備的な重
合、即ち不完全重合を行なわせこの上に他の一方のエナ
メル部またはデンチン部をラミネート状に重ねて同じく
60〜70℃の温度で15〜30分間、不完全重合を行なわせ両
者が接着してから90〜100℃で最終の完全重合を15〜60
分間行なわせるものである。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来から用いられているレジン歯及び所謂硬質レジン
歯の材質とその製造方法は次ぎの様な課題を含んでい
る。
(1)ポリメチルメタクリレートを主成分とする従来の
レジン歯は本質的にその表面硬度がヌープ硬度で15〜20
であり、天然歯のエナメル質の300、デンチンの65、ま
た陶歯の463、アマルガムの90、シリケートセメントの7
0、コンポジツトレジンの35〜50と比べて可成低く咀嚼
時の咬耗や強い噛みしめ、更に歯ブラシにより繰り返し
の接触などによりエナメル部のみならずデンチン部迄も
摩耗や傷や更に変形を生ずる。
(2)ポリメチルメタクリレートを主成分とする従来の
レジン歯はエチレン性不飽和2重結合を少なくとも2個
含有する重合可能な化合物により架橋されているので80
〜100℃程度の温度以下では非常に安定で溶融すること
は無いが、技工用エンジンなどを用いてカーボランダム
ポイントやスタンプバーなどで咬合調整のために削咬す
る際に瞬間的には可成の高温になりポリメチルメタクリ
レートの融点160〜200℃を超えて之等の研削材に溶融し
たレジン歯が付着し切削能率が極端に低下する。
(3)義歯を作製するプロセスに於いて、歯科用フラス
コを用いて義歯の蝋模型を石膏で埋没し流蝋してレジン
歯を床用樹脂と加熱重合などにより接着する場合、レジ
ン歯の熱膨張係数が80〜100mm/mm/℃と大きいため、床
用樹脂を重合する時の温度では殆ど熱膨張しない石膏
に、軟化したレジン歯が熱膨張により強く圧接されるの
でザラツイタ石膏の表面性状がその儘印記され、艶の無
いレジン歯となる。
(4)従来の所謂硬質のレジン歯はジメタクリロキシエ
チル1,2-ジメチルフエニルジカルバメートなどのウレタ
ン結合を有し且つフエニル基を有するエチレン性不飽和
2重結合を少なくとも2個含有する多官能のメチルメタ
クリレートをレジンマトリツクスの主成分として超微粒
子の無機質充填材により複合材料化されているものがあ
るので食物に含まれる天然或いは合成の色素などにより
口腔内で短期間で変着色を生じ、臨床では歯垢の付着と
して度々見られ良好な臨床結果を得ていない。
(5)一般にビスフエノールAジグリシジルメタクリレ
ートや不飽和ポリエステルなどのウレタン結合を有せず
且つフエニル基を有するエチレン性不飽和2重結合を少
なくとも2個含有する多官能のメタクリレートをレジン
マトリツクスの主成分として超微粒子の無機質充填材に
より複合材料化して所謂硬質レジン歯を作製すると、人
工歯としての重要な透明性が非常に悪い。従つてエナメ
ル部に深みが無いので唾液や水で濡らすと屈折率の関係
で白濁して見え、臨床的に観ても審美性が良くない。ま
た透明性が悪いと豊富な色調表現が出来ない。
(6)従来の所謂硬質レジン歯のエナメル部はウレタン
結合を有し且つフエニル基を有するか或いはウレタン結
合を有せず且つフエニル基を有するエチレン性不飽和2
重結合を少なくとも2個含有する多官能のメチルメタク
リレートをレジンマトリツクスの主成分として超微粒子
の無機質充填材により複合材料化されているので、デン
チン部のポリメチルメタクリレートとの接着が非常に悪
い。そのためデンチン部に無機質充填材を含有せずに、
即ちデンチン部の機械的な性質を犠牲にして両者の接着
をさせていた。よつて臨床に於いて削合や咬合調整を行
なう場合にデンチン部迄エナメル部を削除すると硬質化
されていない部分が表面に露出し、摩耗などの機械的性
質の向上が得られなくなる。
(7)従来のレジン歯及び所謂硬質レジン歯の製造方法
はエナメル部とデンチン部との接着を充分にさせるた
め、またエナメル部とデンチン部の内部に重合時の発熱
による気泡の発生を無くすために不完全重合させてから
完全重合をさせるという方法が採られている。従つて製
造時間がエナメル部またはデンチン部のとちらかの不完
全重合を30分、他の一方の部分の不完全重合を30分、更
に両者同時に完全重合を60分で合計2時間を必要とす
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者等は上記の課題を解決すべく鋭意検討の結
果、エナメル部とデンチン部とに次ぎの様な組成の材料
を使用し、次ぎの様な製造方法を採用することにより全
て解決した。また夫々の化合物を判り易く表現するため
に下記の様に示した。
化合物A;ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まない
エチレン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重
合可能な化合物、 化合物B;ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含まな
いエチレン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する
重合可能な化合物、 化合物C;ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含むエ
チレン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合
可能な化合物、 化合物D;ウレタン結合を有し且つフエニル基を含むエチ
レン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可
能な化合物、 エナメル部: (i)化合物Aの1種または2種以上若しくは化合物A
の1種または2種以上と化合物Bの1種または2種以上
とから成る化合物をレジンマトリツクスの主成分として
之に(ii)無機質充分材の1種または2種以上と有機質
無機質複合充填材の1種または2種以上との何れか一方
または双方とから成る充填材(以後、充填材と称す)を
加えることにより複合材料化し之に(iii)重合開始触
媒と(iv)着色剤とを加えた材料である。
デンチン部: (i)ポリメチルメタクリレートと(ii)メチルメタク
リレートと更に(iii)化合物Aの1種または2種以上
と化合物Bの1種または2種以上と化合物Cの1種また
は2種以上と化合物Dの1種または2種以上から成る化
合物の何れか1種または2種以上により架橋した成分に
更に(iv)を充填材と(v)重合開始触媒と(vi)着色
剤を適宜添加した材料である。
製造方法: デンチン部を先に不完全重合させエナメル部をその上
に重ねた後直ぐに最終の完全重合を行なわせる方法で、
特にエナメル部を製造する際に化合物Aの粘度が高い場
合には粘度調整用として化合物Bを使用すると人工歯の
製造が非常にし易くなる。
以下にその具体的な方法について述べる。
(1)本発明に於けるエナメル部の材質は上述のレジン
マトリツクスを充填材により複合材料化してあるので、
その表面のヌープ硬度は約45であり従来のポリメチルメ
タクリレートとメチルメタクリレート、それにエチレン
性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な
化合物を主成分とするレジン歯に比べて2〜3倍大き
く、咀嚼時の咬耗や強い噛みしめ、更に歯ブラシによる
繰返しの接触などによる摩耗や傷、それに変形は殆ど生
じない。
(2)本発明に於けるエナメル部及びデンチン部は充填
材により複合材料化されているが、その複合材料の融点
はレジンマトリツクスの融点及びその体積分率と充填材
の融点及びその体積分率との比例配分で決まる。従つて
例えば千数百℃の高い融点の二酸化ケイ素を充填材とし
て用いると、その体積分率が僅かでも複合材料の融点は
従来のポリメチルメタクリレートとメタルタメクリレー
ト、それにエチレン性不飽和2重結合を少なくとも2個
含有する重合可能な化合物を主成分とするレジン歯に比
べて数倍から十数倍高くなる。従つて技工用エンジンな
どを用いてカーボランダムポイントやスタンプバーなど
で咬合調整のために削咬する場合に之等の研削材に本発
明に於ける人工歯が付着して切削能率が低下することは
無いので技工作業が非常に捗る。
(3)歯科用フラスコを用いて義歯を作製する場合、本
発明に於ける人工歯の熱膨張係数が約30〜50mm/mm/℃で
あり、従来のレジン歯に比べて半分以下の熱膨張係数で
ある。従つて室温から100℃程度の温度域では熱膨張に
よつて石膏に強く圧接されることはない。若し圧接され
ても上述の如く表面の硬度が大きいので石膏の表面のザ
ラツイタ状態が本発明に於ける人工歯に印記されること
は無い。従つて本発明に於ける人工歯は表面が滑らかの
儘維持出来るので従来のレジン歯の様に表面の艶が無く
なることは絶対に無い。
(4)本発明に於ける人工歯はエナメル部の材質として
ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まない化合物A
が必ず含まれているので、ウレタン結合を有し且つフエ
ニル基を含む化合物Dを用いた従来の所謂硬質レジン歯
に比べて食物に含まれる天然或いは合成の色素などによ
る口腔内変着色が殆ど見られず、臨床に於いても歯垢の
付着は全く観察されない。
(5)エナメル部としてウレタン結合を有し且つフエニ
ル基を含まない化合物Aが必ず含まれているので、之を
レジンマトリツクスとして複合材料化しても透明性が低
下することは殆ど無い。特に二酸化ケイ素系の充填材と
の屈折率の適合性が良く全透過率で65〜70%あり、ウレ
タン結合を有せず且つフエニル基を含む化合物Cを用い
た場合の20〜40%に比べて格段に良い。透明性が良いと
いうことは如何なる色調も表現することが可能であり、
エナメル部での深みの有る色調表現が可能となる。また
唾液や水で濡らしても従来の所謂硬質レジン歯で見られ
た白濁は全く無いので臨床で使用しても審美性で問題と
なる様なことは無い。
(6)従来の所謂硬質レジン歯はエナメル部にフエニル
基を含む化合物を主成分として作られているのでエナメ
ル部とデンチン部との接着性が悪く、デンチン部からエ
ナメル部が剥離する場合が多く見られたが、本発明に於
ける人工歯はエナメル部にデンチン部との接着性に優れ
たフエニル基を含まない化合物が必ず含まれているの
で、デンチン部に充填材を添加してもエナメル部とデン
チン部との接着性の優れた人工歯を開発出来た。よつて
臨床に於いて削合や咬合調整を行なつてデンチン部に迄
達する様にエナメル部を削除してもデンチン部も之等の
充填材により硬質化されているので耐摩耗性などの機械
的性質が改善出来た。
(7)本発明に於ける人工歯はウレタン結合を有し且つ
フエニル基を含まない化合物Aの1種または2種以上、
若しくはウレタン結合を有し且つフエニル基を含まない
化合物Aの1種または2種以上とウレタン結合を有せず
且つフエニル基を含まない化合物Bの1種または2種以
上とから成る化合物を用いているのでデンチン部を先に
60〜70℃の温度で約15〜30分間不完全重合を行なわせさ
えすればエナメル部に気泡の発生をみること無しにエナ
メル部とデンチン部とを充分に接着出来、之等の重なり
合つた部分を一度に同時に90〜120℃で完全重合を約10
〜30分間で行なうことが出来る。この方法によれば1回
の製造時間は25〜60分間となり従来の方法に比べて約3
分の1ないし4分の1となる。
エナメル部に使用するウレタン結合を有し且つフエニ
ル基を含まないエチレン性不飽和2重結合を少なくとも
2個含有する重合可能な化合物としては、7,7,9-トリメ
チル‐4,13-ジオキソ‐3,14-ジオキソ‐5,12-ジアザヘ
キサ‐デカン‐1,6-ジオール‐ジメタクリレート,ビス
(メタクリロキシエチル)ハイドロキシエチルイソシア
ヌレート,トリス(メタクリロキシエチル)イソシアヌ
レート,カプロラクトン変性トリス(メタクリロキシエ
チル)イソシアヌレート,また下記の構造式で示される
物質も好適である。
及び之等のアクリレートなどがある。
之等は1種または2種以上混合して使用出来、総べて
重合開始触媒として過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化
物やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物を予
め適宜添加しておくことが好ましい。
化合物Aが高粘度の場合の粘度調整用として同じくエ
ナメル部に使用するウレタン結合を有せず且つフエニル
基を含まないエチレン性不飽和2重結合を少なくとも2
個含有する重合可能な化合物としては、エチレングリコ
ールジメタクリレート,ジエチレングリコールジメタク
リレート,トリエチレングリコールジメタクリレート,
ブチレングリコールジメタクリレート,ネオペンチルグ
リコールジメタクリレート,1,3-ブタジオールジメタク
リレート,1,4-ブタンジオールジメタクリレート,1,6-ヘ
キサンジオールジメタクリレート,トリメチロールプロ
パントリメタクリレート,トリメチロールエタントリメ
タクリレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレー
ト,トリメチロールメタントリメタクリレート,ペンタ
エリスリトールテトラメタクリレート及びこれ等のアク
リレートなどがあり之等は1種または2種以上混合して
使用出来、全て重合開始触媒として過酸化ベンゾイルな
どの有機過酸化物やアゾビスイソブチトニトリルなどの
アゾ化合物を予め適宜添加しておくことが好ましい。
デンチン部に使用するウレタン結合を有し且つフエニ
ル基を含まないエチレン性不飽和2重結合を少なくとも
2個含有する重合可能な化合物とウレタン結合を有せず
且つフエニル基を含まないエチレン性不飽和2重結合を
少なくとも2個含有する重合可能な化合物は上述のエナ
メル部に使用する化合物と同じものであり、その他にウ
レタン結合を有せず且つフエニル基を含むエチレン性不
飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な化合
物としては、2,2-ビス(メタクリロキシフエニル)プロ
パン,2,2-[4-(2-ヒドロキシ‐3-メタクリロキシエト
キシフエニル)]プロパン,2,2-ビス(4-メタクリロキ
シエトキシフエニル)プロパン,2,2-ビス(4-メタクリ
ロキシエトキシフエニル)プロパン,2,2-ビス(4-メタ
クリロキシジエトキシフエニル)プロパン,2,2−ビス
(4−メタクリロキシプロポキシフエニル)プロパン及
び之等のアクリレートなどがある。
之等は1種または2種以上混合して使用出来、全て重
合開始触媒として過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物
やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物を予め
適宜添加しておくことが好ましい。
同じくデンチン部に使用するウレタン結合を有し且つ
フエニル基を含むエチレン性不飽和2重結合を少なくと
も2個含有する重合可能な化合物としては 及び之等のアクリレートなどがある。
之等は1種または2種以上混合して使用出来、全て重
合開始触媒として過酸化ベンゾイルなどの有機過酸化物
やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ化合物を予め
適宜添加しておくことが好ましい。
尚上述の総べての化合物は之等に限定されるものでは
ない。
本発明に於ける無機質充填材としてはシリカ微粉末,
石英粉末,アルミナ粉末,ガラス粉末,カオリン,タル
ク,炭酸カルシウム,バイウムアルミノシリケート,酸
化チタン,ホウケイ酸ガラス,コロイダルシリカ,コロ
イダルアルミナ,アトマイズドシリカ,アルミナウイス
カ,シリカウイスカ,炭化ホウ素ウイスカ,炭化ケイ素
ウイスカ,窒化ケイ素ウイスカ,などがあり、0.005〜5
0μmの粒子サイズのものが良い。粒子サイズが0.005μ
m未満であると比表面積が極めて大きくなりバインダー
レジンの働きをする重合可能な化合物と混合したとき余
り硬くなり過ぎるので金型による成形が出来ず、どうし
てもエナメル部全体に対する配合量を少目にしなければ
ならず機械的な性質の向上が得られなくなる。また粒子
サイズが50μmを超えるとエナメル部表面の面荒れが生
じ艶の無い人工歯となり、また面が荒れているための歯
垢が付着したり色素などによる変着色が見られる様にな
る。
有機質無機質複合充填材としては、その無機成分には
上記の無機質充填材が使用できるが好ましくはコロイダ
ルシリカ,コロイダルアルミナ,アトマイズドシリカを
使用すると良い。
有機質無機質複合充填材としては上述のエナメル部と
デンチン部に使用した化合物は全て使用出来、それ等の
化合物は1種または2種以上適当な割合で混合して使用
出来、全て重合開始触媒として過酸化ベンゾイルなどの
有機過酸化物やアゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ
化合物を予め適宜添加し80℃〜120℃の加熱オーブンで
重合させボールミルなどで1〜50μmの粒子サイズに粉
砕して使用すると良い。粒子サイズが1μm未満である
と比表面積が大きくなりバインダーレジンの働きをする
重合可能な化合物と混合したとき余り硬くなり過ぎるの
で金型による成型が出来ずどうしてもエナメル部全体に
対する配合量を少な目にしなければならず機械的な性質
の向上が得られなくなる。また粒子サイズが50μmを超
えるとエナメル部の表面の面荒れが生じ艶の無い人工歯
となり、また表面が荒れているため歯垢が付着したり色
素などによる変着色が見られる様になる。
尚之等の無機質充填材は1種または2種以上混合して
使用出来、有機質無機質複合充填材の無機質充填材も1
種または2種以上混合して使用出来る。之等の無機質充
填材の1種または2種以上と有機質無機質複合充填材の
1種または2種以上の何れか一方または双方とから成る
充填材のエナメル部100重量部に対する合計の配合量は
5〜95重量部が適当であり、更に好ましくは20〜60重量
部が良い。之等の充填材の合計の配合量が5重量部より
少ないと表面硬度、耐摩耗性などの機械的性質の向上が
得られず、95重量部を超えるとバインダーレジンの働き
をするレジンマトリツクスとなる重合可能な化合物の絶
対量が足りずエナメル部としての形態を作り出すことが
不可能となる。またデンチン部100重量部に対する無機
質充填材の1種または2種以上と有機質無機質複合充填
材の1種または2種以上の何れか一方または双方とから
成る充填材の合計の配合量は0.1〜10重量部が適当であ
り、更に好ましくは0.5〜5重量部が良い。之等の充填
材の合計の配合量が0.1重量部より少ないとデンチン部
としての機械的性質の向上が得られず、10重量部を超え
るとエナメル部とデンチン部との接着力が低下する。尚
エナメル部とデンチン部とに配合する無機質充填材の1
種または2種以上と有機質無機質複合充填材の1種また
は2種以上の混合割合は適宜選択出来る。
また上述の無機質充填材及び有機質無機質複合充填材
はマトリツクスレジンとの接着を強固にするため予めカ
ツプリング剤により表面処理するか、或いは直接カツプ
リング剤をマトリツクスレジンに添加するインテグラル
ブレンドの何れかの方法を用いて表面処理したものを使
用するのが好ましい。
本発明に於いて使用するカツプリング剤としては、オ
ルガノフアンクシヨナルシランカツプリング剤,チタネ
ート系カツプリング剤,ジルコアルミネート系カツプリ
ング剤などがある。オルガノフアンクシヨナルシランカ
ツプリング剤としては、γ‐メタクリロキシプロピルト
リメトキシシラン,γ‐グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン,ビニルトリクロルシラン,ビニルトリエト
キシシラン,N-β(アミノエチル)γ‐アミノプロピル
トリメトキシシラン,N-β(アミノエチル)γ‐アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン,γ‐クロロプロピル
トリメトキシシラン,γ‐アミノプロピルトリエトキシ
シランなどがある。チタネート系カツプリング剤として
はイソプロピルトリイソステアロイルチタネート,イソ
プロピルトリデシルベンゼンスルホニルチタネート,イ
ソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフエート)チ
タネート,テトライソプロピルビス(ジオクチルホスフ
アイト)チタネート,テトラオクチルビス(ジトリデシ
ルホスフアイト)チタネート,テトラ(2,2-ジアリルオ
キシメチル‐1-ブチル)ビス(ジ‐トリデシル)ホスフ
アイトチタネート,ビス(ジオクチルパイロホスフエー
ト)オキシアセテートチタネート,ビス(ジオクチルパ
イロホスフエート)エチレンチタネート,イソプロピル
トリオクタイノルチタネート,イソプロピルジメタクリ
ルイソステアロイルチタネート,イソプロピルイソステ
アロイルジアクリルチタネート,イソプロピルトリ(ジ
オクチルホスフエート)チタネート,イソプロピルトリ
クミルフエニルチタネート,イソプロピルトリ(N-アミ
ノエチル‐アミノエチル)チタネート,ジクミルフエニ
ルオキシアセテートチタネート,ジイソステアロイルエ
チレンチタネートなどがある。ジルコアルミネート系カ
ツプリング剤としてはアルコール系キヤブコモド,グリ
コール系キヤブコモドなどがある。
之等のカツプリング剤の添加量は上述の無機質充填材
及び有機質無機質複合充填材100重量部に対して0.1〜25
重量部が好ましい。その添加量が0.1重量部未満である
とカツプリング剤としての効果が無く無機質充填材及び
有機質無機質複合充填材とマトリツクスレジンである重
合可能な化合物との接着が良くない。従つてこの場合の
人工歯の機械的な性質は非常に劣つたものになる。また
カツプリング剤の添加量が25重量部を超えると余剰のカ
ツプリング剤が可塑剤や欠陥として作用するので、この
場合もその機械的性質が劣つたものになる。
更に本発明に於いてエナメル部とデンチン部とに用い
た着色剤としてはベンガラ,各種有機顔料,油溶染料な
どがあり、之等を併用して使用しても良い。
〔実施例〕
以下本発明に於ける実施例と比較例を示す。尚本発明
は之等に限定されるものではない。
実施例1 エナメル部の重合可能な化合物として7,7,9-トリメチ
ル‐4,13-ジオキソ‐3,14-ジオキソ‐5,12-ジアザヘキ
サ‐デカン‐1,6-ジオール‐ジメタクリレート50重量部
に重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.5
重量部を溶解させる。この重合可能な化合物を真空ブレ
ード式攪拌機に全量投入し、この中に平均粒子径0.016
μmの無機質充填材25重量部と平均粒子径25μmの有機
質無機質複合充填材25重量部、それに着色剤としてエナ
メル色になる様に調製したベンガラを適宜添加し、更に
シランカツプリング剤であるγ‐メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシランを0.5重量部添加し攪拌混合す
る。次ぎにデンチン部としてはポリメチルメタクリレー
ト65重量部にメチルメタクリレート25重量部、それに架
橋剤としてエチレングリコールジメタクリレートを5重
量部と平均粒子径2.5μmの無機質充填材5重量部、そ
れに重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.
3重量部と着色剤としてデンチン色になる様に調製した
ベンガラを適宜添加し攪拌混合する。
製造方法は温度調節の可能な水槽を用い、先ずデンチ
ン部を金型に填入しプレスした儘60℃で30分間熱し不完
全重合させる。この上にエナメル部を重ねてエナメル部
のスペースのある金型に再度填入し約500kg/cm2の圧力
でプレスし100℃で15分間加熱し完全重合させる。冷却
後、金型から取出し試料とした。
実施例2 エナメル部として下記の構造式の重合可能な化合物 50重量部とネオペンチルグリコールジメタクリレート10
重量部とを良く混合したものに重合開始触媒として過酸
化ベンゾイル0.3重量部を溶解させる。この重合可能な
化合物をアルミナコーテイングしたニーダーに全量投入
し、この中に平均粒子径0.05μmの無機質充填材10重量
部と平均粒子径25μmの有機質無機質複合充填材30重量
部、それに着色剤としてエナメル色になる様に調製した
ベンガラを適宜添加し、更にシランカツプリング剤であ
るγ‐メタクリロキシプロピルトリエトキシシランを0.
4重量部添加し攪拌混合し脱泡する。次ぎにデンチン部
としてはポリメチルメタクリレート64重量部にメチルメ
タクリレート30重量部、それに架橋剤として2,2-ビス
(メタクリロキシフエニル)プロパンを5重量部と平均
粒子径25μmの有機質無機質複合充填材1重量部、それ
に重合開始触媒として過酸化ベンゾイル0.18重量部と着
色剤としてデンチン色になる様に調製したベンガラを適
宜添加し攪拌混合する。製造方法は実施例1と同じであ
る。
実施例3 エナメル部として下記の構造式の重合可能な化合物 50重量部とネオペンチルグリコールジメタクリレート10
重量部とを良く混合したものに重合開始触媒として過酸
化ベンゾイル0.3重量部を溶解させる。この重合可能な
化合物を乳鉢に全量投入し、この中に平均粒子径25μm
の有機質無機質複合充填材40重量部それに着色剤として
エナメル色になる様に調製した有機顔料を適宜添加し、
更にシランカツプリング剤であるγ‐メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランを0.4重量部添加し攪拌混合
し脱泡する。次ぎにデンチン部としてはポリメチルメタ
クリレート60重量部にメチルメタクリレート30重量部、
それに架橋剤として7,7,9-トリメチル‐4,13-ジオキソ
‐3,14-ジオキソ‐5,12-ジアザヘキサ‐デカン‐1,6-ジ
オール‐ジメタクリレートを5重量部と平均粒子径15μ
mの無機質充填材1重量部と平均粒子径25μmの有機質
無機質複合充填材4重量部、それに重合開始触媒として
過酸化ベンゾイル0.18重量部と着色剤としてデンチン色
になる様に調製したベンガラを適宜添加し攪拌混合す
る。製造方法は実施例1と同じである。
実施例4 エナメル部として下記の構造式の重合可能な化合物 20重量部とビス(メタクリロキシエチル)ハイドロキシ
エチルイソシアヌレート10重量部とネオペンチルグリコ
ールジメタクリレート20重量部とを良く混合したものに
重合開始触媒として過酸化ベンゾイル0.25重量部を溶解
させる。この重合可能な化合物をアルミナコーテイング
したニーダーに全量投入し、この中に平均粒子径2.5μ
mの無機質充填材25重量部と平均粒子径15.8μmの無機
質充填材25重量部、それに着色剤としてエナメル色にな
る様に調製した有機顔料を適宜添加し、γ‐メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランを0.5重量部添加し攪
拌混合して脱泡する。次ぎにデンチン部としてはポリメ
チルメタクリレート65重量部にメチルメタクリレート29
重量部、それに架橋剤としてトリメチロールプロパント
リメタクリレートを5重量部と平均粒子径25μmの予め
デンチン色になる様に着色剤を内部に含んだ有機質無機
質複合充填材1重量部、それに重合開始触媒としてアゾ
ビスイソブチロニトリル0.34重量部と微調整の為の着色
剤としてデンチン色になる様に調製した油溶染料を適宜
添加し攪拌混合する。製造方法は熱プレス機を用い、先
ずデンチン部を金型に填入しプレスした儘75℃で15分間
加熱し不完全重合させる。この上にエナメル部を重ねて
エナメル部のスペースのある金型に再度填入し約500kg/
cm2の圧力でプレスし120℃で10分間加熱し完全重合させ
る。冷却後、金型から取出し試料とした。
実施例5 エナメル部として下記の構造式の重合可能な化合物 50重量部に重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニト
リル0.5重量部を溶解させる。この重合可能な化合物を
乳鉢に全量投入し、この中に平均粒子径25μmの有機質
無機質複合充填材50重量部、それに着色剤としてエナメ
ル色になる様に調製した有機顔料を適宜添加し、更にγ
‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを0.5重
量部添加し攪拌混合して脱泡する。次ぎにデンチン部と
してはポリメチルメタクリレート65重量部にメチルメタ
クリレート25重量部、それに架橋剤として下記の構造式
の重合可能な化合物 5重量部と平均粒子径25μmの予めデンチン色になる様
に着色剤を内部に含んだ有機質無機質複合充填材1重量
部と無機質充填材4重量部、それに重合開始触媒として
アゾビスイソブチロニトリル0.3重量部と微調整の為の
着色剤としてデンチン色になる様に調製した油溶染料を
適宜添加し攪拌混合する。製造方法は実施例4と同じで
ある。
比較例1 エナメル部とデンチン部の材質としてポリメチルメタ
クリレート65重量部にメチルメタクリレート30重量部、
それに架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレー
トを5重量部、それに重合開始触媒としてアゾビスイソ
ブチロニトリル0.35重量部と着色剤としてエナメル色デ
ンチン色夫々の色調になる様にベンガラで適宜着色した
ものを用いる。製造方法は温度調節の可能な水槽を用
い、先ずデンチン部を金型に填入しプレスした儘60℃で
30分間加熱し不完全重合させる。この上にエナメル部を
重ねてエナメル部のスペースのある金型に再度填入し約
500kg/cm2の圧力でプレスし60℃で30分間加熱し不完全
重合させる。エナメル部とデンチン部の両者が接着した
後、100℃で60分間加熱し完全重合させる。冷却後、金
型から取出し試料とした。
比較例2 市販の所謂エナメル部を硬質化したレジン歯(上顎中
切歯)を使用した。
比較例3 エナメル部として2,2-[4-(2-ヒドロキシ3-メタクロ
キシエトキシフエニル)]プロパン40重量部とネオペン
チルグリコールジメタクリレート15重量部とを良く混合
したものに、重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニ
トリル0.55重量部を溶解させる。この重合可能な化合物
を真空ブレード式攪拌機に全量投入し、この中に平均粒
子径0.016μmの無機質充填材20重量部と平均粒子径25
μmの有機質無機質複合充填材25重量部、それに着色剤
としてエナメル部になる様に調製したベンガラを適宜添
加し、更にγ‐メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランを0.45重量部添加し攪拌混合する。次ぎにデンチン
部としてはポリメチルメタクリレート65重量部にメチル
メタクリレート25重量部、それに架橋剤としてエチレン
グリコールジメタクリレートを5重量部と平均粒子径25
μmの有機質無機質複合充填材5重量部、それに重合開
始触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.3重量部と
着色剤としてデンチン色になる様に調製したベンガラを
適宜添加し攪拌混合する。
製造方法は実施例4と同じである。
比較例4 エナメル部として下記の構造式の重合可能な化合物 40重量部に重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニト
リル0.4重量部を溶解させる。この重合可能な化合物を
真空ブレード式攪拌機に全量投入し、この中に平均粒子
径2.5μmの無機質充填材30重量部と平均粒子径15.8μ
mの無機質充填材30重量部、それに着色剤としてエナメ
ル色になる様に調製したベンガラを適宜添加し攪拌混合
して脱泡する。次ぎにデンチン部としてはポリメチルメ
タクリレート65重量部にメチルメタクリレート35重量
部、それに重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニト
リル0.35重量部と着色剤としてデンチン色になる様に調
製したベンガラを適宜添加し攪拌混合する。製造方法は
比較例1と同じである。
比較例5 エナメル部としてスチレン型不飽和ポリエステル(日
本ライヒホールド社製、商品名ポリライト8010)30重量
部に重合開始触媒として過酸化ベンゾイル0.5重量部を
溶解させる。之を乳鉢に全量投入し、この中に平均粒子
径15.8μmのあらかじめγ‐メタクリロキシプロピルト
リメトキシシランを0.7重量部で表面処理した無機質充
填材(シリカ微粉末)を70重量部と着色剤としてエナメ
ル色になる様に調製したベンガラを適宜添加し攪拌混合
する。次ぎにデンチン部としてはポリメチルメタクリレ
ート65重量部にメチルメタクリレート35重量部、それに
重合開始触媒としてアゾビスイソブチロニトリル0.35重
量部として着色剤としてデンチン色になる様に調製した
ベンガラを適宜添加し攪拌混合する。製造方法は比較例
1と同じである。
比較例6 実施例1の7,7,9-トリメチル‐4,13-ジオキソ‐3,14-
ジオキソ‐5,12-ジアザヘキサ‐デカン‐1,6-ジオール
‐ジメタクリレートの代わりに2,2-ビス(4-メタクリロ
キシプロポキシフエニル)プロパンを使用し、その他の
成分及び製造方法は実施例1と全く同じ条件で試作し
た。
比較例 実施例1の7,7,9-トリメチル‐4,13-ジオキソ‐3,14-
ジオキソ‐5,12-ジアザヘキサ‐デカン‐1,6-ジオール
‐ジメタクリレートの代わりに下記の構造式の化合物を
使用し、その他の成分及び製造方法は実施例1と全く同
じ条件で試作した。
〔評価項目と評価方法〕 1.ヌープ硬度: 23℃±0.5℃,相対湿度50%の恒温恒湿試験室にて、
島津製作所社製島津微小硬度計M型を用いて荷重15g、
負荷時間30秒で次式により各人工歯の試料の唇面側の試
料のヌープ硬度を求めた。
Hk:ヌープ硬度(kg/mm2) P:荷重(15gで一定) I:窪みの長手方向の対角線の長さ(μm) 2.切削時の研削材への付着の有無 GC社製カーボランダムポイント(No.20)を用いて各
人工歯の試料の唇面側から約2mm切削した時のポイント
への人工歯の試料の切削屑の付着の有無を目視にて観察
した。
3.義歯作製後の各人工歯の試料の唇面側の艶の状態: 歯科用フラスコを用いて義歯の蝋模型を硬石膏(GC社
製、商品名ニユープラストーン)で埋没し流蝋して各人
工歯の試料を床用樹脂(GC社製、商品名アクロン)で加
熱重合(70℃で30分、100℃で30分)により義歯を作製
する。歯科用フラスコから取出し硬石膏を除去した後各
人工歯の試料の唇面側の艶の状態を目視にて観察した。
4.食品、煙草及び色素による着色試験: 市販の食品としてはカレー(大塚食品社製、商品名ボ
ンカレー)、コーヒー(上島珈琲社製、アメリカンブレ
ンドコーヒー)、しようゆ(サンジルシ醸造社製こいく
ちしようゆ)、ソース(カゴメ社製、カゴメソースこい
くち)の4種、煙草としてはシヨートホープ(日本たば
こ産業社製)1種、色素としては塩基性フクシン、食用
赤色106号、医薬品及び化粧品用青色1号、医薬品及び
化粧品用緑色3号の4種で合計9種類の食品、煙草及び
色素による着色試験を行なつた。試験条件は第1表の通
りである。また実施例と比較例に於ける着色試験の結果
は第2表に示した。
5.エナメル部の透明性: 日本電色工業(株)製のカラーコンピユーターSZII−
Σ80に同社の濁度測定用光学部NDH型を接続し、透明性
を全透過率により求めた。測定は濁度測定用光学部NDH
型の光源(ハロゲンランプ9V4A)を10mmφの照射口から
直角に試料に当て積分球方式で行なつた。試料の大きさ
は直径35mm厚さ2mmとした。なお本測定は人工歯の大き
さでは測定出来ないので市販硬質レジン歯は除いた。
6.エナメル部とデンチン部の接着: エナメル部とデンチン部の大きさが夫々厚さ2mm、幅1
0mm、長さ25mmである試料をデンチン部を先に重合さ
せ、その上にエナメル部を重ねて最終の試料の大きさが
厚さ4mm、幅10mm、長さ25mmとなる様にする。測定は島
津製作所社製オートグラフDS500を用いてエナメル部を
上にし、クロスヘツドスピード1.0mm/min、スパンの長
さ20mmの3点曲げによるシヨートビーム剪断試験を行な
いエナメル部とデンチン部の間に生ずる層間剪断強度を
次式により求めた。
τ;層間剪断強度(kg/cm2) P;最大荷重(kg) b;試料の幅(cm) h;試料の厚さ(cm) 実施例1はエナメル部として本発明に於けるウレタン
結合を有し且つフエニル基を含まない化合物Aに有機質
無機質複合充填材と重合開始触媒と着色剤とを混合した
ものを使用し、デンチン部としてポリメチルメタクリレ
ートとメチルメタクリレートとウレタン結合を有せず且
つフエニル基を含まない化合物Bと無機質充填材と重合
開始触媒と着色剤とを混合したものを夫々使用した例で
ある。
実施例2はエナメル部として本発明に於ける化合物A
と化合物Bに無機質充填材と有機質無機質複合充填材と
重合開始触媒と着色剤とを混合したものを夫々使用し、
デンチン部としてポリメチルメタクリレートとメチルメ
タクリレートとウレタン結合を有せず且つフエニル基を
含む化合物Cと有機質無機質複合充填材と重合開始触媒
と着色剤とを混合したものを夫々使用した例である。
実施例3はエナメル部として本発明に於ける化合物A
と化合物Bに有機質無機質複合充填材と重合開始触媒と
着色剤とを混合したものを使用し、デンチン部としてポ
リメチルメタクリレートとメチルメタクリレートと化合
物Aと無機質充填材と有機質無機質複合充填材と重合開
始触媒と着色剤とを混合したものを夫々使用した例であ
る。
実施例4はエナメル部として本発明に於ける2種類の
化合物Aと1種類の化合物Bに2種類の無機質充填材と
重合開始触媒と着色剤とを混合したものを使用し、デン
チン部としてポリメチルメタクリレートとメチルメタク
リレートと化合物Bと有機質無機質複合充填材と重合開
始触媒と着色剤とを混合したものを夫々使用した例であ
る。
実施例5はエナメル部として本発明に於ける化合物A
に有機質無機質複合充填材と重合開始触媒と着色剤とを
混合したものを使用し、デンチン部としてポリメチルメ
タクリレートとメチルメタクリレートとウレタン結合を
有し且つフエニル基を含む化合物Dと有機質無機質複合
充填材と重合開始触媒と着色剤とを混合したものを夫々
使用した例である。
之等は総べてエナメル部に化合物Aが必ず含有されて
いるので透明性が良く、着色試験の結果も従来の所謂硬
質レジン歯に比べて良好であつた。之は化合物Aがウレ
タン結合を有し且つフエニル基を含まない化合物である
からである。更にエナメル部とデンチン部の接着性に就
いても強い接着力が得られ、この破壊の状態も総て凝集
破壊であつた。之はエナメル部に用いている化合物にフ
エニル基が含有されていないためである。その他、エナ
メル部のヌープ硬度なども従来のレジン歯に比べて優れ
た人工歯が出来た。
比較例1は従来のレジン歯の例でありGC社製のアクリ
リツクレジン歯の場合を示した物である。之はヌープ硬
度が19と低く、カーボランダムポイントで切削したとき
の研削材への溶けたレジン歯の付着が見られ、更に製造
時間が120分と長く掛つた。
比較例2は市販の硬質レジン歯を使用した例である。
この場合はデンチン部に無機質充填材或いは有機質無機
質複合充填材などが全く混入されていないのでカーボラ
ンダムポイントで切削したときの研削材へのレジン歯の
付着はエナメル部では見られなかつたものの、デンチン
部まで切削すると必ず研削材へのレジン歯の付着が見ら
れた。また特に着色試験では評価点数が低く食物や各種
の色素に非常に着色され易いことが判る。
比較例3はエナメル部としてウレタン結合を有せず且
つフエニル基を含む化合物Cと化合物Bに無機質充填材
と有機質無機質複合充填材と重合開始触媒と着色剤とを
混合したものを使用し、デンチン部としてポリメチルメ
タクリレートとメチルメタクリレートと化合物Bと有機
質無機質複合充填材と重合開始触媒と着色剤とを混合し
たものを夫々使用した例である。
また比較例4はエナメル部としてウレタン結合を有し
且つフエニル基を含む化合物Dと無機質充填材と重合開
始触媒と着色剤とを混合したものを使用し、デンチン部
としてポリメチルメタクリレートとメチルメタクリレー
トと重合開始触媒と着色剤とを混合したものを夫々使用
した例である。
比較例5はエナメル部として不飽和ポリエステル樹脂
(ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含む重合可能
な化合物C)を使用し、デンチン部は比較例4と同じも
のを使用した例である。
之等はヌープ硬度,義歯作製時の人工歯の艶は問題無
いが、比較例3と5の様にウレタン結合を有せず且つフ
エニル基を含む化合物の場合にはエナメル部の透明性が
非常に悪く人工歯としては全く使用出来ない。また比較
例4の様にウレタン結合を有し且つフエニル基を含む化
合物の場合にはエナメル部の透明性は良いが、着色試験
の結果が非常に悪い。結局天然や合成の着色剤により染
色され易く、臨床的には口腔内変着色を生じ長期間の使
用には耐え難い。
比較例6は実施例1の7,7,9-トリメチル‐4,13-ジオ
キソ‐3,14-ジオキソ‐5,12-ジアザヘキサ‐デカン‐1,
6-ジオール‐ジメタクリレートの代わりにウレタン結合
を有せず且つフエニル基を含む化合物Cである2,2-ビス
(4-メタクリロキシプロポキシフエニル)プロパンを使
用し、その他の成分及び製造方法は実施例1と全く同じ
条件で試作した例である。実施例1ではウレタン結合を
有し且つフエニル基を含まない化合物Aをエナメル部に
用いているのでエナメル部の透明性が全透過率で68%と
良好であつたが比較例6はウレタン結合を有せず且つフ
エニル基を含む化合物Cを用いているのでエナメル部の
透明性が非常に悪く、全透過率で29%と低い値であつ
た。之はウレタン結合が無くてフエニル基が有る場合に
は人工歯のエナメル部としては審美性の点で使用し難い
ことを示すものである。
また比較例7は実施例1の7,7,9-トリメチル‐4,13-
ジオキソ‐3,14-ジオキソ‐5,12-ジアザヘキサ‐デカン
‐1,6-ジオール‐ジメタクリレートの代わりにウレタン
結合を有し且つフエニル基を含む下記の構造式の化合物
を使用し、その他の成分及び製造方法は実施例1と全く
同じ条件で試作した例である。この場合はウレタン結合
とフエニル基の両方をその構造式に含んでいるので、エ
ナメル部の透明性が全透過率で65%と良好であるが着色
試験の結果が15と低く各種の着色剤により染色され易い
ことを示している。また比較例6,7は両者共フエニル基
を含んだ化合物よりエナメル部が作られているので実施
例1と全く同じ条件で製造してもデンチン部との接着が
非常に悪かつた。
以上の実施例1〜5と比較例1〜7の評価結果を第3
表に示す。
また実施例6〜19は本発明を更に詳細に説明する為に
行なつた夫々の成分と評価結果を示したものである。実
施例6〜14の製造方法は実施例1と同じであり、実施例
15〜19の製造方法は実施例4と同じである。実施例6,7,
8,17はエナメル部の化合物としてウレタン結合を有し且
つフエニル基を含まない化合物Aを使用した例であり、
その他の実施例はエナメル部の化合物としてウレタン結
合を有し且つフエニル基を含まない化合物Aとウレタン
結合を有せず且つフエニル基を含まない化合物Bの双方
を含んだ例である。また総べての実施例はデンチン部と
しては総べてポリメチルメタクリレートとメチルメチル
メタクリレートを主成分とし、更に耐熱,耐溶剤,耐候
性のために架橋剤として化合物Aの1種または2種以上
と化合物Bの1種または2種以上と化合物Cの1種また
は2種以上と化合物Dの1種または2種以上とから成る
化合物のうちいずれか1種または2種以上を含んだ例で
ある。之等は総べて第4表に示した組成で出来ており、
その評価結果は総べて人工歯として全く問題は無かつ
た。
〈注1〉 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエチレン
性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な
化合物、 〈注2〉 7,7,9-トリメチル‐4,13-ジオキソ‐3,14-ジオキソ‐5,
12-ジアザヘキサ‐デカン‐1,6-ジオール‐ジメタクリ
レート、 〈注6〉 ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含まないエチレ
ン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能
な化合物、 〈注7〉 エチレングリコールジメタクリレート、 〈注8〉 ネオペンチルグリコールジメタクリレート、 〈注9〉 トリメチロールプロパントリメタクリレート、 〈注10〉 有機質無機質複合充填材(有機成分としてトリメチロー
ルプロパントリメタクリレート、無機成分としてコロイ
ダルシリカを使用) 〈注11〉 有機質無機質複合充填材(有機成分として7,7,9-トリメ
チル‐4,13-ジオキソ‐3,14-ジオキソ‐5,12-ジアザヘ
キサ‐デカン‐1,6-ジオール‐ジメタクリレート、無機
成分としてコロイダルシリカを使用) 〈注12〉 ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含むエチレン性
不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な化
合物、 〈注13〉 2,2-ビス(4-メタクリロキシプロポキシフエニル)プロ
パン、 〈注14〉 2,2-ビス[4-(2-ヒドロキシ‐3-メタクリロキシエトキ
シフエニル)]プロパン、 〈注15〉 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含むエチレン性不
飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な化合
物、 〔発明の効果〕 本発明に於ける人工歯はエナメル部にはウレタン結合
を有し且つフエニル基を含まない化合物Aの1種または
2種以上、若しくはその化合物Aとウレタン結合を有せ
ず且つフエニル基を含まない化合物Bの1種または2種
以上とから成る化合物をレジンマトリツクスの主成分と
して之を充填材により複合材料化した材料を使用し、デ
ンチン部には従来のポリメチルメタクリレートとメチル
メタクリレート、それに化合物Aの1種または2種以上
と化合物Bの1種または2種以上とウレタン結合を有せ
ず且つフエニル基を含む化合物Cの1種または2種以上
とウレタン結合を有し且つフエニル基を含む化合物Dの
1種または2種以上から成る化合物の何れか1種または
2種以上により架橋した成分に充填材を適宜添加した材
料を使用したものであり、また本発明に於ける人工歯の
製造方法はデンチン部を先に不完全重合させ、エナメル
部をその上に重ねた後、直に最終の完全重合を行なわせ
るという画期的な方法であるので以下の様な効果があつ
た。
(1)本発明に於ける人工歯のエナメル部表面のヌープ
硬度は40〜45であり、従来のレジン歯に比べて2〜3倍
大きく咀嚼時の咬耗や強い噛みしめ、更に歯ブラシによ
る繰返しの接触などによる摩耗や傷、それに変形は殆ど
生じない。
(2)本発明に於けるエナメル部及びデンチン部は無機
質充填材の1種または2種以上と有機質無機質複合充填
材の1種または2種以上の何れか一方または双方から成
る充填材により複合材料化されているので技工用エンジ
ンなどを用いてカーボランダムポイントやスタンプバー
などで切削しても之等の研削材に本発明に於ける人工歯
が付着して切削能率が低下することは無い。
(3)義歯を作製する場合、本発明に於ける人工歯を用
いると従来のレジンに比べて熱膨張係数が小さく表面硬
度が大きいため人工歯が圧接されて石膏面の粗造な面が
印記され人工歯の表面の艶が無くなることは絶対に無
い。
(4)本発明に於ける人工歯は従来のウレタン結合を有
し且つフエニル基を含む化合物Dを用いた所謂硬質レジ
ン歯に比べて食物に含まれる天然或いは合成の色素及び
歯垢などによる口腔内変着色が非常に少ない。
(5)本発明に於ける人工歯のエナメル部は無機質充填
材の1種または2種以上と有機質無機質複合充填材の1
種または2種以上の何れか一方または双方から成る充填
材により複合材料化しても透明性が低下することは殆ど
無い。透明性が良いということは如何なる色調も表現す
ることが可能であり、エナメル部での深みの有る色調表
現が可能となる。また唾液や水で濡らしても従来のウレ
タン結合を有せず且つフエニル基を含む化合物Cを用い
た所謂硬質レジン歯で見られた不透明性は全く無いので
臨床で使用しても審美性で問題となる様なことは無い。
(6)本発明に於ける人工歯はエナメル部にウレタン結
合を有し且つフエニル基を含まない化合物A若しくはそ
の化合物Aとウレタン結合を有せずフエニル基を含まな
い化合物Bを用いているので、エナメル部とデンチン部
の接着性が非常に優れている。従つてデンチン部に充填
材を添加してもエナメル部とデンチン部とが剥離を生ず
ることは無い。よつてデンチン部も耐摩耗性などの機械
的性質が改善出来た。
(7)本発明に於ける人工歯はエナメル部とデンチン部
との接着性が非常に優れているのでデンチン部を先に60
〜70℃の温度で15〜30分間不完全重合を行なわせさえす
ればエナメル部に気泡の発生を見ること無しでエナメル
部とデンチン部との重なり合つた部分を一度に同時に90
〜120℃で完全重合を10〜30分間で行なわせることが出
来る。この方法によれば1回の製造時間は従来の方法に
比べて約3分の1〜4分の1となる。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エナメル部とデンチン部とから成る人工歯
    に於いて、 (I)エナメル部が (i)ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエ
    チレン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合
    可能な化合物(A)の1種または2種以上; 若しくは、 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエチレン
    性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な
    化合物(A)の1種または2種以上とウレタン結合を有
    せず且つフエニル基を含まないエチレン性不飽和2重結
    合を少なくとも2個含有する重合可能な化合物(B)の
    1種または2種以上とから成る化合物; と (ii)無機質充填材の1種または2種以上と有機質無機
    質複合充填材の1種または2種以上との何れか一方また
    は双方とから成る充填材; と (iii)重合開始触媒; と (iv)着色剤; とから成り、 (II)デンチン部が (i)ポリメチルメタクリレート; と (ii)メチルメタクリレート; と (iii)次ぎのないしの何れか単独若しくは2種以
    上の組合わせより成る化合物、 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエチレ
    ン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能
    な化合物(A)の1種または2種以上から成る化合物、 ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含まないエチ
    レン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可
    能な化合物(B)の1種または2種以上から成る化合
    物、 ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含むエチレン
    性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な
    化合物(C)の1種または2種以上から成る化合物、 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含むエチレン性
    不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な化
    合物(D)の1種または2種以上から成る化合物、 と (iv)無機質充填材の1種または2種以上と有機質無機
    質複合充填材の1種または2種以上との何れか一方また
    は双方とから成る充填材; と (v)重合開始触媒; と (vi)着色剤; とから成る人工歯。
  2. 【請求項2】エナメル部とデンチン部とから成る人工歯
    に於いて、 (I)エナメル部が (i)ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエ
    チレン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合
    可能な化合物(A)の1種または2種以上; 若しくは、 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエチレン
    性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な
    化合物(A)の1種または2種以上とウレタン結合を有
    せず且つフエニル基を含まないエチレン性不飽和2重結
    合を少なくとも2個含有する重合可能な化合物(B)の
    1種または2種以上とから成る化合物; と (ii)無機質充填材の1種または2種以上と有機質無機
    質複合充填材の1種または2種以上との何れか一方また
    は双方とから成る充填材; と (iii)重合開始触媒; と (iv)着色剤; とから成り、 (II)デンチン部が (i)ポリメチルメタクリレート; と (ii)メチルメタクリレート; と (iii)次ぎのないしの何れか単独若しくは2種以
    上の組合わせより成る化合物、 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含まないエチレ
    ン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能
    な化合物(A)の1種または2種以上から成る化合物、 ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含まないエチ
    レン性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可
    能な化合物(B)の1種または2種以上から成る化合
    物、 ウレタン結合を有せず且つフエニル基を含むエチレン
    性不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な
    化合物(C)の1種または2種以上から成る化合物、 ウレタン結合を有し且つフエニル基を含むエチレン性
    不飽和2重結合を少なくとも2個含有する重合可能な化
    合物(C)の1種または2種以上から成る化合物、 と (iv)無機質充填材の1種または2種以上と有機質無機
    質複合充填材の1種または2種以上との何れか一方また
    は双方とから成る充填材; と (v)重合開始触媒; と (VI)着色剤; とから成る人工歯を成型する際に、デンチン部を先に不
    完全重合を行ない、エナメル部は不完全重合せずにデン
    チン部を完全重合させるときに同時に完全重合させるこ
    とを特徴とする人工歯の製造方法。
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