JP4349666B2 - 歯科用組成物および歯科用組成物を用いた人工歯 - Google Patents

歯科用組成物および歯科用組成物を用いた人工歯 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、歯科用組成物および該歯科用組成物を用いた人工歯に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、歯科用組成物、とりわけ、機械的強度や機械加工性が良好で、耐変色性、耐着色性、審美性等に優れた人工歯等に適した歯科用組成物および該歯科用組成物を用いた人工歯に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人工歯には、一般に、耐摩耗性、強度、耐衝撃性等といった機械的特性や機械加工性、および耐変色性や耐着色性が良好で、審美性に優れ、生体為害性がなく、生体親和性がある等といった各種の要件を満たすことが必要とされる。
人工歯として、ポリメチルメタクリレートを主成分とするレジン歯、多官能メチルメタクリレートと無機質充填材とからなる硬質レジン歯、および、陶歯等が開発され利用されている。
レジン歯としては、一般にメチルメタクリレートを中心とするメタクリレート系の重合体および共重合体からなるものが種々開発され利用されている。これらは、安価であって、審美性に優れ、耐変色性や耐衝撃性等に優れるものの、耐摩耗性が低く十分なものとはいえない。レジン歯は技工用エンジン等を用いてカーボランダムポイントやスタンプバー等の研削材で咬合調整のために削合する際に高温となり、レジンが溶融して研削材に付着して切削能率が極端に低下する。また、食物の咀嚼等における咬合力は人によって差はあるものの、一般にその人の体重に匹敵するといわれており、このような咬合力が歯の先端にかかると、咬合力により生ずる歯の先端における咬合圧は莫大なものとなる。こういったことから、レジン歯では、咀嚼時の咬耗や、歯ブラシの使用等による摩耗や傷が生じやすく、また、強い噛みしめによって形態の変化が起こったりし、長期間安定して使用するには難がある。
【0003】
このようなレジン歯の欠点を克服するものとして、硬質レジン歯が開発されている。これは、多官能メタクリレート系のモノマーおよび/またはオリゴマーに無機質充填材を混練・分散させ重合固化させたレジンをマトリックスとする複合材料(コンポジットレジン)である。硬質レジン歯は、前歯部において必要とされる審美性と臼歯部において必要とされる咬合圧にも十分耐えうる機械的強度を有しており、また、無機質充填材が高い硬度を有することから耐摩耗性も向上し好ましいものである。しかしながら、修正研磨等によりマトリックスレジンに分散されている無機質充填材が掘り起こされ表面に露出したり、表面から脱落したりすることで、硬質レジン歯の表面が粗くなり、舌触りが悪化する。また、無機質充填材が硬質レジン歯から脱落することで生じた脱落部に歯垢や歯石が沈着し、これらにより硬質レジン歯が着色したりする。多官能メタクリレート系の重合体それ自体に耐変色性が乏しいことにより、口腔内での使用中に変色したりすることにもなる。そして、硬質レジン歯は、レジン歯と比べ硬度を高くしたことから、技工作業中での破折やチップが生じたり、口腔内での強い咀嚼によって咬頭の破折が生じやすい。
【0004】
陶歯は、古くから使用されているセラミックス系の人工歯であって、耐摩耗性があり、審美性、耐変色性、耐着色性等に優れており、生体為害性がなく、口腔内において無刺激性で、舌触りも良好であって、長期間使用しても材質変化が起こらない安定した優れた人工歯である。しかしながら、レジン歯や硬質レジン歯に比べ高価であり、しかも弾性がなく脆いことから耐衝撃性に劣り、ひび割れや破壊を起こしやすい。また、焼成時における収縮が大きく、所定の形状に精密に焼成することが困難である。通常、焼成後、修正研磨、整形して使用することになるが、修正研磨時における熱応力によって微小クラックが誘発される。そして、食物の咀嚼による咬合圧の繰り返しや硬いものを噛んだりすることで、微小クラックが急成長し、疲労破折に至ったり、過大な咬合圧が加わった時に破折したりする。また、陶歯は、義歯床または支台となるレジンとの接着性が乏しいことから、陶歯にピンや維持孔等の機械的保持手段を設け、陶歯とレジンとを一体化している。しかしながら、これらの保持手段には応力が集中しやすく、取り付け方が悪いと陶歯周辺部のレジンに亀裂が発生したり、口腔内装着後に陶歯の破折を引き起こしたりし、ひいては、陶歯のレジン義歯床からの脱落を引き起こすことにもなる。このため、陶歯を用いた良好な義歯の作製には高度な熟練を要するものであり、義歯のコスト高を招いている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように、レジン歯、硬質レジン歯、陶歯は、いずれも人工歯としては一長一短があるため、これらのレジン歯、硬質レジン歯、陶歯の長所をバランス良く兼ね備え短所を少なくした人工歯の開発が希求されている。
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、歯科用組成物、とりわけ、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れた特性を有する人工歯等に有用な歯科用組成物および該歯科用組成物を用いた人工歯を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためのこの発明の歯科用組成物および人工歯は、以下に示すものである。ここにおいて、発明の説明の便宜上、使用する素材を以下のように示す。
素材(A):メタクリレートのモノマーとしてメチルメタクリレートおよびエチレングリコールジメタクリレート
素材(B):非架橋ポリマーとしてポリメチルメタクリレート
素材(C):ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマー
素材(D):平均粒径1〜50μmの有機質無機質複合充填材
素材(E):平均粒径0.005〜50μmの無機質充填材
【0007】
従って、この発明の歯科用組成物は、素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する。
これによれば、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れ、しかも、バランスの取れた特性を有する人工歯等に有用な歯科用組成物を提供することができる。
【0008】
また、この発明の歯科用組成物としては、さらに、素材(E)を含有するもの、すなわち、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、および素材(E)を含有するものであってもよい。
これによると、素材(E)によって若干不透明性が現れ易いものの、素材(E)は素材(D)に比べ安価で、硬度等を上げ易いものであって、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れた特性を有する人工歯等に有用な歯科用組成物を提供することができる。
【0009】
架橋ポリマーが、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマーであると、素材(A)が架橋ポリマーを膨潤させたり、架橋ポリマー中に吸収されたりし、素材(A)が重合固化し3次元の相互侵入網目構造を形成する。アリル基を含有する架橋ポリマーにおいては、アリル基により架橋ポリマーと素材(A)を原料とする重合体とがグラフト反応したような相互侵入網目構造を形成することになる。これによれば、硬度の上昇や耐摩耗性の改善及び強度の向上等が得られる
【0010】
歯科用組成物としては、メタクリレートのモノマー、非架橋のポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマー、および、有機質無機質複合充填材を含有するもの、または、メタクリレートのモノマー、非架橋のポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマー、有機質無機質複合充填材、および、無機質充填材をも含有するものとなる
【0011】
この発明の人工歯としては、素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する組成物の、(A)のモノマーが重合固化してなる。
これによれば、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れ、しかも、バランスの取れた特性を有する人工歯を提供することができる。
【0012】
また、この発明の人工歯としては、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、および素材(E)を含有する組成物の、(A)のモノマーが重合固化してなることを特徴とするものであってもよい。
これによると、素材(E)によって若干不透明性が現れ易いものの、素材(E)は素材(D)に比べ安価で、硬度等を上げ易いものであって、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れた特性を有する人工歯を提供することができる。
【0013】
架橋ポリマーが、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマーであると、素材(A)が架橋ポリマーを膨潤させたり、架橋ポリマー中に吸収されたりし、素材(A)が重合固化し3次元の相互侵入網目構造を形成する。アリル基を含有する架橋ポリマーにおいては、アリル基により架橋ポリマーと素材(A)を原料とする重合体とがグラフト反応したような相互侵入網目構造を形成することになる。これによれば、硬度の上昇や耐摩耗性の改善及び強度の向上等が得られる
【0014】
人工歯としては、メタクリレートのモノマー、非架橋のポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマー、および、有機質無機質複合充填材を含有する組成物の、メタクリレートのモノマーが重合固化してなるもの、または、メタクリレートのモノマー、非架橋のポリメチルメタクリレート、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマー、有機質無機質複合充填材、および、無機質充填材を含有する組成物の、メタクリレートのモノマーが重合固化してなるものとなる
これら人工歯は、いわば、従来のレジン歯の長所と硬質レジン歯の長所を兼ね備え、レジン歯および硬質レジン歯の欠点を補った優れた特性を有するもので、安価で耐久性に優れ有用なものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、更に詳細に説明する。
素材(A)または参考となるものとしては、メチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、脂環・芳香族・複素環及びビニル基含有メタクリレート、ヒドロキシ(アルコキシ)含有メタクリレート、ジ及びトリメタクリレート、カルボン酸含有メタクリレート、ジアルキルアミノエチルメタクリレート、フルオロアルキルメタクリレートが例示される。さらにより具体的にはメチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリエート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートが例示される。また、上記のメタクリレートに代えこれらのアクリレートが例示される。なお、これらに準じるメタクリレートもしくはアクリレートのモノマーであれば上記のモノマーに限定されるものではない。素材(A)としてはモノマーに限られずオリゴマーであっても、また、モノマーとオリゴマーの混合物であってもよい。
【0016】
素材(B)または参考となるものとしては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリエート、グリシジルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレートおよびこれらのアクリレートもしくはスチレンのホモポリマー、またはそれらのコポリマー、またはこれらホモポリマーとコポリマーの混合物等が例示される。なお、これらに準じるメタクリレートもしくはアクリレートのホモポリマー、またはそれらのコポリマー、またはこれらホモポリマーとコポリマーの混合物であれば上記の物質に限定されるものではない。これらは、単独であっても、または、2種以上を併用した混合物であってもよいものである。
そして、素材(B)は、一般に粒状のものを使用することが好ましい。素材(B)の平均粒径が100μm以下であると、例えば、素材(A)のモノマーが重合固化してなる人工歯とした場合、審美性のあるものが得られることから好ましい。平均粒径が100μmを超えると素材(B)の粒子が人工歯表面にパール状になって現れ、審美性を損なうことになり好ましくない。
【0017】
素材(A)は、素材(B)を膨潤させたり、相当程度溶解させたり、さらには、素材(A)中に素材(B)を分散させたりする。また、素材(A)は、素材(C)の架橋ポリマーを膨潤させ、素材(A)の一部は素材(C)中に吸収される。素材(A)が重合固化する際、素材(C)と相互侵入網目構造を形成する。歯科用組成物が、素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する場合、素材(A)が重合固化する際、素材(B)は、素材(A)と素材(C)、素材(D)を結びつける機能を果たす。さらに、歯科用組成物が、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、および素材(E)を含有する場合、素材(A)が重合固化する際、素材(B)は、素材(A)と素材(C)、素材(D)、素材(E)を結びつける機能を果たす。
【0018】
素材(C)または参考となるものとしては、トリメチロールプロパントリメチルメタクリレート又はそのアクリレート、アリルメタクリレート、メチルメタクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコージ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリプロポキシフェニル)プロパン、ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビス(メタ)アクリロキシエチルヒドロキシイソシアヌレート、2,6−ビス[2’−(メタ)アクリロキシエチル]ウレタンカプロン酸メチル等のホモポリマーもしくはスチレンのホモポリマー、またはそれらのコポリマー、またはこれらホモポリマーとコポリマーの混合物等が例示される。なお、これらに準じるメタクリレートもしくはアクリレートのホモポリマー、またはそれらのコポリマー、またはこれらホモポリマーとコポリマーの混合物であれば上記の物質に限定されるものではない。これらは、単独であっても、または、2種以上を併用した混合物であってもよいものである。
そして、素材(C)は、一般に粒状のものを使用することが好ましい。素材(C)の平均粒径が100μm以下であると、例えば、素材(A)のモノマーが重合固化してなる人工歯とした場合、審美性のあるものが得られることから好ましい。平均粒径が100μmを超えると素材(C)の粒子が人工歯表面にパール状になって現れ、審美性を損なうことになり好ましくない。
【0019】
素材(E)である無機質充填材としては、石英粉末、アルミナ粉末、シリカ粉末、カオリン、タルク、炭酸カルシウム、バリウムアルミノシリケートガラス、酸化チタン、ホウケイ酸ガラス、コロイダルシリカ、アルミナウィスカ、酸化ベリリウムウィスカ、炭化ホウ素ウィスカ、炭酸珪素ウィスカ、窒化珪素ウィスカ、各種金属ウィスカ等が例示される。無機質充填材の平均粒径としては、平均粒径が0.005〜50μmであることが好ましい。平均粒径が0.005μm未満では、嵩が大きく、また、比表面積が極めて大きく、素材(B)との均一な混合に長時間を要する上に、硬くなり過ぎ、餅状になりにくく、金型へのなじみが悪くなる。また、例えば、人工歯としたときに機械的強度等の向上が十分でないことから好ましくない。平均粒径が50μmを超えると粒子が大きく、例えば、人工歯としたときの表面に艶が不足し、舌触り感も悪くなること、無機質充填材の脱落部に歯垢が付着したり、食物等の色素が付着したりして変着色が見られることから好ましくない。
無機質充填材は、後述するようなカップリング剤により予め表面処理しておくことが好ましい。
【0020】
素材(D)である有機質無機質複合充填材としては、上記の無機質充填材とメタクリレートもしくはアクリレートのモノマーとを混合した後、重合させ、次いで、粉砕したものが例示される。メタクリレートもしくはアクリレートのモノマーとしては、前記素材(A)において詳述したものが採用できる。有機質無機質複合充填材の一例として、前記の無機質充填材、メタクリレートもしくはアクリレートのモノマー、後述する重合触媒、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、カップリング剤、さらに必要に応じ着色剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等を適宜添加し、攪拌混合し、そして、80〜120℃で重合させボールミルなどで平均粒径1〜50μm程度に粉砕することで得られたものを採用することができる。平均粒径が1μm未満では、比表面積が大きくなり、素材(A)との均一な混合に長時間を要する上に、硬くなり過ぎ、餅状になりにくく、金型へのなじみが悪くなる。また、例えば、人工歯としたときに機械的強度等の向上が十分でないことから好ましくない。平均粒径が50μmを超えると粒子が大きく、例えば、人工歯としたときの表面に艶が不足し、舌触り感も悪くなること、無機質充填材の脱落部に歯垢が付着したり、食物等の色素が付着したりして変着色が見られることから好ましくない。なお、無機質充填材を予めカップリング剤により表面処理したもの、または、直接カップリング剤とメタクリレートもしくはアクリレートのモノマーに添加しインテグラルブレンドしたものを用いてもよい。
【0021】
カップリング剤としては、オルガノファンクショナルシランカップリング剤、チタネート系カップリング剤、ジルコアルミネート系カップリング剤等が例示される。
オルガノファンクショナルシランカップリング剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等が例示される。
【0022】
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソプロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェート)チタネート、イソプロピルトリクミルフェニルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネート、ジイソステアロイルエチレンチタネート等が例示される。
【0023】
ジルコアルミネート系カップリング剤としては、アルコール系キャブコモド(CAVCO MOD:CAVEDON CHEMICAL CO.,INC.製)、グリコール系キャブコモド(CAVCO MOD:CAVEDON CHEMICAL CO.,INC.製)等が例示される。
【0024】
これらのカップリング剤のメタクリレートもしくはアクリレートのモノマーへの添加量は、これらモノマー100重量部に対し、0.1〜25重量部であることが好ましい。0.1重量部未満では、カップリング剤としての効果がなく、超微粒子充填材と前記モノマーとの接着が不十分であり、好ましくない。また、25重量部を超えると、過剰のカップリング剤が可塑剤や欠陥として機能することになり、好ましくない。
【0025】
歯科用組成物として、前記素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する組成物、または、前記素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)および素材(E)を含有する組成物において、素材(A)を重合固化させるためには、重合触媒を用い、これを素材(A)に添加することが好ましい。重合触媒としては、加熱重合型開始剤が好ましい。加熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート等の有機過酸化物や、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2,4−ジメチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカーボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチラート、2,2’−アゾビス−(2−アミノプロパン)ジハイドクロライト等のアゾ化合物等が例示される。これら加熱重合型開始剤は、1種または2種以上併用してもよい。加熱重合開始剤の添加量は、開始剤の能力に応じ素材(A)100重量部に対し0.1〜20重量部までの範囲で決定することができる。なお、重合触媒として、光重合開始剤等が採用できることはいうまでもない。
【0026】
このほかに、必要に応じ着色剤、重合禁止材、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料等を適宜素材(A)に添加することができる。このうち、着色剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料、染料は、素材(B)、(C)に添加されていてもよい。
【0027】
[組成割合]
前記素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する歯科用組成物の組成割合は、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)の総重量に対し、素材(A)が20〜50重量%、素材(B)が5〜70重量%、素材(C)が1〜60重量%、素材(D)が1〜65重量%であることが好ましい。素材(A)が20重量%未満では、粉成分が過剰となり、餅状にならず、バサついた状態の生地しか得れず、成型が困難となり好ましくなく、50重量%を超えると、液成分が過剰となり、内部に気泡が発生しやすくなるとともに、成型が困難となり好ましくない。成型性の点から、望ましい範囲は、25〜40重量%である。
【0028】
また、素材(B)が5重量%未満では、餅状にならず成型が困難となって好ましくなく、70重量%を超えると粉成分が過剰となり、餅状にならず、バサついた状態の生地しか得れず、成型が困難となり好ましくない。成型性の点から、望ましい範囲は、5〜50重量%である。
また、素材(C)が1重量%未満では、機械的特性の向上が得られず好ましくなく、60重量%を超えると、生地の餅状化が悪くなり、成型性が低下したり、成型体に内部欠陥が発生し機械的特性が低下して好ましくない。成型性および機械的特性の点から、望ましい範囲は、5〜50重量%である。
また、素材(D)が1重量%未満では、耐摩耗性、表面硬度、圧縮強度、曲げ強度が不十分となって好ましくなく、65重量%を超えると粉成分が過剰または餅状化が悪くなり、成型が困難となり、内部欠陥が発生し易くなり耐衝撃性に劣り好ましくない。成型性および機械的特性の点から、望ましい範囲は、5〜60重量%である。
【0029】
また、前記素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)および素材(E)を含有する歯科用組成物の組成割合は、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、素材(E)の総重量に対し、素材(A)が20〜50重量%、素材(B)が5〜70重量%、素材(C)が1〜60重量%、素材(D)が1〜65重量%、素材(E)が1〜30重量%であることが好ましい。
素材(A)が20重量%未満では、粉成分が過剰となり、成型が困難となり好ましくなく、50重量%を超えると、液成分が過剰となり、成型が困難となり好ましくない。成型性の点から、望ましい範囲は、25〜40重量%である。
また、素材(B)が5重量%未満では、餅状にならず成型が困難となって好ましくなく、70重量%を超えると粉成分が過剰となり、餅状にならず、バサついた状態の生地しか得れず、成型が困難となり好ましくない。成型性の点から、望ましい範囲は、5〜50重量%である。
また、素材(C)が1重量%未満では、機械的特性の向上が得られず好ましくなく、60重量%を超えると、生地の餅状化が悪くなり、成型性が低下したり、成型体に内部欠陥が発生し機械的特性が低下して好ましくない。成型性および機械的特性の点から、望ましい範囲は、5〜50重量%である。
また、素材(D)が1重量%未満では、耐摩耗性、表面硬度、圧縮強度、曲げ強度が不十分となって好ましくなく、65重量%を超えると粉成分が過剰となって餅状化が悪く、成型が困難となり、内部欠陥が発生し易くなり耐衝撃性に劣り好ましくない。成型性および機械的特性の点から、望ましい範囲は、5〜60重量%である。
また、素材(E)が1重量%未満では、耐摩耗性、表面硬度、圧縮強度、曲げ強度が不十分となって好ましくなく、30重量%を超えると粉成分が過剰となり、成型が困難となり、内部欠陥が発生し耐衝撃性に劣り、過度に白濁することになり審美性が劣ることになり好ましくない。成形性、機械的特性および審美性の点から、望ましい範囲は、1〜20重量%である。
【0030】
次に、歯科用組成物の調製並びに人工歯の成型についてさらに詳細に説明する。
ここにおいて、前記素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する歯科用組成物の場合の素材の調製並びに該歯科用組成物を用いた人工歯の製造方法の一例を示す。先ず、これら素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)を所定組成割合になるように秤量し、必要に応じ重合触媒、着色剤等を加え、均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状の生地を作製する。次いで、該生地を、人工歯金型に挿入し、加圧成型する。そして、生地を金型中で加圧したまま、重合成型させる。重合触媒として、加熱重合開始剤を用いることが好ましく、この場合は、金型を加熱することで重合を行わせることができる。
【0031】
または、前記素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、および素材(E)を含有する歯科用組成物の場合の素材の調製並びに該歯科用組成物を用いた人工歯の製造方法の一例を示すと、以下の通りである。先ず、これら素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、素材(E)を所定組成割合になるように秤量し、必要に応じ重合触媒、着色剤等を加え、均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状の生地を作製する。次いで、該生地を、人工歯金型に挿入し、加圧成型する。そして、生地を金型中で加圧したまま、重合成型させる。重合触媒として、加熱重合開始剤を用いる場合は、金型を加熱し重合させる。
【0032】
【実施例】
次に、実施例を示し、さらに詳しくこの発明を説明する。もちろん、この発明は以下の実施例によって限定されるものではない。
以下の実施例は、各実施例に示されるような歯科用組成物を用い、試料を作製し、得られた試料の特性についての曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を評価項目とし、以下の評価方法に従って評価した。
【0033】
[評価項目および評価方法]
<1>曲げ強度、曲げ弾性率および破壊歪エネルギー:
圧縮引っ張り試験機(島津製作所製 オートグラフAGS−500D)を用い、CHS(クロスヘッドスピード)=1mm/min、試験下支点間距離=20mmとして試験を行い、下記の数式に基づき曲げ強度、曲げ弾性率を求めた。試料の大きさは、2mm×2mm×25mmとした。
1)曲げ強度:
【0034】
【数1】
Figure 0004349666
【0035】
σb3:3点曲げ強度(MPa)
P:試料が破壊したときの最大荷重(N)
L:試験下支点間距離(mm)
W:試料の幅(mm)
T:試料の厚さ(mm)
2)曲げ弾性率:
【0036】
【数2】
Figure 0004349666
【0037】
E:曲げ弾性率(MPa)
L:試験下支点間距離(mm)
P:荷重(N)
W:試料の幅(mm)
T:試料の厚さ(mm)
Y:荷重Pにおける応力の比
3)破壊歪エネルギー
破壊歪エネルギーは、圧縮引っ張り試験機(島津製作所製 オートグラフAGS−500D)を用い、CHS(クロスヘッドスピード)=1mm/min、試験下支点間距離=20mmとして3点曲げ試験を行い、下記の数式に基づきオートグラフによる測定記録の面積から求めた。試料の大きさは、2mm×2mm×25mmとした。
【0038】
【数3】
Figure 0004349666
【0039】
E:破壊歪エネルギー(MPa)
σ:応力(MPa)
ε:歪み
F:荷重(N)
l:たわみ量(mm)
L:試験下支点間距離(mm)
W:試料の幅(mm)
T:試料の厚さ(mm)
ここで応力σは下記の数式で表される。
【0040】
【数4】
Figure 0004349666
【0041】
また、歪みεは下記の数式で表される。
【0042】
【数5】
Figure 0004349666
【0043】
<2>硬度
硬度は、微小ヌープ硬度、ブリネル硬度を測定した。
1)微小ヌープ硬度
23±0.5℃、相対湿度50%の恒温恒湿実験室にて、微小ヌープ硬度計(島津製作所製 HMV−2000型)を用い、荷重50gf、負荷時間30秒とし、下記の数式に従い試料の微小ヌープ硬度を求めた。試料の大きさは、直径10mm、高さ6mmの円柱とした。
【0044】
【数6】
Figure 0004349666
【0045】
HK:微小ヌープ硬度
F:試験荷重(N)
d:くぼみの長手方向の対角線の長さ(mm)
2)ブリネル硬度
23±0.5℃、相対湿度50%の恒温恒湿実験室にて、ミクロブリネル硬度計(富士試験機製作所製 ミクロブリネル硬度計)を用い、荷重50kgf、負荷時間30秒とし、下記の数式に従い試料のブリネル硬度を求めた。試料の大きさは、直径10mm、高さ6mmの円柱とした。
【0046】
【数7】
Figure 0004349666
【0047】
HBS:鋼球圧子を用いて求めたブリネル硬度
HBW:超硬合金球圧子を用いて求めたブリネル硬度
F:試験荷重(N)
D:圧子の直径(mm)
d:くぼみの直径(mm)
【0048】
<3>耐着色性
測色機(PHOTO RESEARCH社製 PR−650型)を用い、着色前の試料のL* 、a* 、b* を測色し、次に試料を沸騰した0.2%塩基性フクシン水溶液中に1時間浸漬し、その後、流水ですすぎ乾燥させ、再度測色する。測色データの差を以下の式により色差として求め、耐着色性の尺度とした。
【0049】
【数8】
Figure 0004349666
【0050】
ΔE:色差
* 0:着色前のL*
* 0:着色前のa*
* 0:着色前のb*
* 1:着色後のL*
* 1:着色後のa*
* 1:着色後のb*
【0051】
(実施例1)
素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する歯科用組成物を用いたものであって、具体的には以下の材料を使用したものである。
素材(A)として、メチルメタクリレート(MMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EDMA)を使用した。
素材(B)として、平均分子量420000、平均粒径45μmのポリメチルメタクリレート(PMMA)を使用した。
素材(C)として架橋ポリマー(1)を使用した。架橋ポリマー(1)は、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体であって、アリル基を含有するもので、平均粒径50μmのものである。
素材(D)として、平均粒径40μmの有機質無機質複合充填材を使用した。これは、平均粒径40nmの微粉末シリカ100重量部、モノマーとして、メチルメタクリレートを50重量部、カップリング剤としてγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランを6.7重量部、重合触媒としてベンゾイルパーオキサイドを0.5重量部を、撹拌混合し、90℃で加熱重合させ、次いで、乳鉢で粉砕したものである。
重合触媒として、ベンゾイルパーオキサイドを使用した。
前記素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表1の実施例1に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表1の実施例1に示すとおりである。
【0052】
(実施例2)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表1の実施例2に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表1の実施例2に示すとおりである。
【0053】
(実施例3)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表1の実施例3に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表1の実施例3に示すとおりである。
【0054】
(実施例4)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表1の実施例4に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表1の実施例4に示すとおりである。
【0055】
(実施例5)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表1の実施例5に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表1の実施例5に示すとおりである。
【0056】
【表1】
Figure 0004349666
【0057】
(実施例6)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表2の実施例6に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表2の実施例6に示すとおりである。
【0058】
(実施例7)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒を表2の実施例7に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表2の実施例7に示すとおりである。
【0059】
実施例1〜実施例5の試料は、曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、ブリネル硬度、ヌープ硬度、色差において、後述する比較例1に示すレジン歯に使用される組成物からなる試料と比較例2に示す硬質レジン歯に使用される組成物からなる試料の中間の特性を示し、良好な人工歯として使用可能である。そして、実施例1〜実施例5の試料は、とりわけ、透明感があり、着色の自由度が広く、硬質レジン歯に使用される無機質充填材による白い粒の発生や、白濁が少ないため審美性に優れ、耐着色性に優れたものである。このような特性の理由ははっきりしていないが、(i)有機質無機質複合充填材を使用することから、モノマー、非架橋ポリマー、架橋ポリマーとの均一混合が可能なこと、(ii)モノマーが非架橋ポリマーを膨潤したり、モノマー中に非架橋ポリマーを相当程度溶解させたり、さらには、モノマー中に非架橋ポリマーを分散させたりした状態において、モノマーが重合すること、(iii)モノマーが架橋ポリマーを膨潤させ、架橋ポリマー粒子中に浸透した状態において、モノマーが重合することで、相互侵入網状構造を形成すること、また、アリル基により架橋ポリマーとモノマーを原料とする重合体とがグラフト反応したような相互侵入網目構造を形成したりすることになること、(iv)有機質無機質複合充填材に使用されているメチルメタクリレートの重合体がモノマーによって膨潤したり、モノマー中に相当程度溶解したり、さらには、モノマー中に分散したりした状態において、モノマーが重合すること、が考えられる。
【0060】
実施例6、実施例7の試料は、曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、色差において、後述する比較例2に示す硬質レジン歯に使用される組成物からなる試料より優れ、ブリネル硬度、ヌープ硬度において、比較例2に示す硬質レジン歯に使用される組成物からなる試料に近い性質を示すものである。ただ、実施例1〜実施例5と比べると、有機質無機質複合充填材の含有量が多いことからやや不透明感が見られ、色差も比較的大きいもののなお良好なものである。このような特性の理由ははっきりしていないが、架橋ポリマーが比較的少なく、これが、有機質無機質複合充填材の含有量が多いことと相俟って有効に作用するものと考えられる。
【0061】
(実施例8)
実施例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒に加え、素材(E)を用いたものである。素材(E)の無機質充填材は、平均粒径40nmの微粉末シリカをカップリング剤としてのγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによってカップリング処理したものである。素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、素材(E)、重合触媒を表2の実施例8に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表2の実施例8に示すとおりである。
【0062】
(実施例9)
実施例8と同様に素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒に加え、素材(E)を用いたものであって、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、素材(E)、重合触媒を表2の実施例9に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表2の実施例9に示すとおりである。
【0063】
(実施例10)
実施例8と同様に素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒に加え、素材(E)を用いたものであって、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、素材(E)、重合触媒を表2の実施例10に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表2の実施例10に示すとおりである。
【0064】
【表2】
Figure 0004349666
【0065】
(実施例11)
実施例8と同様に素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、重合触媒に加え、素材(E)を用いたものであって、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、素材(E)、重合触媒を表3の実施例11に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表3の実施例11に示すとおりである。
【0066】
これら実施例8〜実施例11において得られた試料も、曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、ブリネル硬度、ヌープ硬度、色差において、後述する比較例1に示すレジン歯に使用される組成物からなる試料と比較例2に示す硬質レジン歯に使用される組成物からなる試料の中間の特性を示し、良好な人工歯として使用可能である。そして、これらは透明感があり、着色の自由度が広く、硬質レジン歯に使用される無機質充填材による白い粒の発生や、白濁が少ないため審美性に優れ、耐着色性に優れたものである。このような特性の理由ははっきりしていないが、(i)有機質無機質複合充填材を使用することから、モノマー、非架橋ポリマー、架橋ポリマーとの均一混合が可能なこと、(ii)モノマーが非架橋ポリマーを膨潤したり、モノマー中に非架橋ポリマーを相当程度溶解させたり、さらには、モノマー中に非架橋ポリマーを分散させたりした状態において、モノマーが重合すること、(iii)モノマーが架橋ポリマーを膨潤させ、架橋ポリマー粒子中に浸透した状態において、モノマーが重合することで、相互侵入網状構造を形成すること、また、アリル基により架橋ポリマーとモノマーを原料とする重合体とがグラフト反応したような相互侵入網目構造を形成したりすることになること、(iv)有機質無機質複合充填材に使用されているメチルメタクリレートの重合体がモノマーによって膨潤したり、モノマー中に相当程度溶解したり、さらには、モノマー中に分散したりした状態において、モノマーが重合すること、が考えられる。ただ、実施例1〜実施例5において得られた試料と比べると、色差が若干大きく、耐着色性が僅かに劣るものである。これは、有機質無機質複合充填材に加え無機質充填材を併用したことによるものと考えられる。このようなことから、無機質充填材の充填量を多くすると白濁する傾向が見られ、不透明性が増し、審美性が若干劣ることになる。
【0067】
参考例1
素材(A)、素材(B)、下記架橋ポリマー(2)および素材(D)を含有する歯科用組成物を用いたものであって、具体的には以下のような材料を使用したものである。 素材(A)、素材(B)として実施例1と同一のものを使用した。
橋ポリマー(2)は、ポリエチレングリコールジメタクリレートであって、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有しない架橋ポリマーで、平均粒径50μmのものである。
素材(D)、重合触媒として実施例1と同一のものを使用した。
上記素材(A)、素材(B)、架橋ポリマー(2)、素材(D)、重合触媒を表3の参考例1に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表3の参考例1に示すとおりである。
【0068】
参考例2
参考例1で使用したと同一の素材(A)、素材(B)、架橋ポリマー(2)、素材(D)、重合触媒を表3の参考例2に示す重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料の曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、硬度、耐着色性を前記評価方法に従って評価した。結果は、表3の参考例2に示すとおりである。
【0069】
これら参考例1参考例2において得られた試料も、曲げ弾性率、曲げ強度、破壊歪エネルギー、ブリネル硬度、ヌープ硬度、色差において、後述する比較例1に示すレジン歯に使用される組成物からなる試料と比較例2に示す硬質レジン歯に使用される組成物からなる試料の中間の特性を示し、良好な人工歯として使用可能である。そして、これらも透明感があり、着色の自由度が広く、硬質レジン歯に使用される無機質充填材による白い粒の発生や、白濁が少ないため審美性に優れ、耐着色性に優れたものであるが、実施例1〜実施例11と比べると、若干強度や硬度が落ちるものではある。このような特性の理由ははっきりしていないが、(i)有機質無機質複合充填材を使用することから、モノマー、非架橋ポリマー、架橋ポリマーとの均一混合が可能なこと、(ii)モノマーが非架橋ポリマーを膨潤したり、モノマー中に非架橋ポリマーを相当程度溶解させたり、さらには、モノマー中に非架橋ポリマーを分散させたりした状態において、モノマーが重合すること、(iii)実施例1〜実施例11と比べ、架橋ポリマーがアリル基を含有しないことから、実施例1〜実施例11のようにアリル基により架橋ポリマーとモノマーを原料とする重合体とがグラフト反応したような相互侵入網目構造は形成しないものの、モノマーは架橋ポリマーを膨潤させ、架橋ポリマー粒子中に浸透した状態において、モノマーが重合することで、相互侵入網状構造を形成することになると考えられること、(iv)有機質無機質複合充填材に使用されているメチルメタクリレートの重合体がモノマーによって膨潤したり、モノマー中に相当程度溶解したり、さらには、モノマー中に分散したりした状態において、モノマーが重合すること、が考えられる。
【0070】
【表3】
Figure 0004349666
【0071】
(比較例1)
レジン歯に使用される素材を表4の比較例1に示される重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させて餅状とし、金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。
得られた試料について、実施例と同一の試験を行った。
表4の比較例1に示されるように、これは、破壊歪エネルギーは大きく、また、耐着色性(色差)も良好であるが、微小ヌープ硬度とブリネル硬度が低く、レジン歯の耐摩耗性が低いことを裏付けている。
【0072】
(比較例2)
硬質レジン歯のエナメル部に使用される素材を表4の比較例2に示される重量部秤量して均一になるように混合し、所定時間経過させた後金型に挿入して、135℃、300MPaで15分間、加熱重合させ試料を得た。ここで、無機質充填剤は、実施例1において使用したと同一の微粉末シリカを使用したものであり、有機質無機質複合充填材は、実施例1において使用したものと同一のものを使用した。
得られた試料について、実施例と同一の試験を行った。
表4の比較例2に示されるように、これは、レジン歯用の試料とは対極に位置するものであって、微小ヌープ硬度とブリネル硬度は非常に高く、耐摩耗性に優れているといえるが、破壊歪エネルギーが非常に小さいことから破折等による破壊が起きやすいものであり、また耐着色性(色差)も非常に劣るものである。
【0073】
【表4】
Figure 0004349666
【0074】
【発明の効果】
この発明は、以上詳しく説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
この発明の歯科用組成物は、モノマー、非架橋ポリマー、架橋ポリマー、有機質無機質複合充填材、必要に応じ無機質充填材を含有するものであって、モノマーによる非架橋ポリマーの膨潤・溶解、および、架橋ポリマーの膨潤等を利用し、モノマーを重合させ相互侵入網目構造を形成するようにしたもので、この発明の歯科用組成物を人工歯等に用いることで、長期にわたって耐変色性や耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れた特性を有し、従来のレジン歯の長所と硬質レジン歯の長所を兼ね備え、レジン歯および硬質レジン歯の欠点を補った優れた人工歯等を安価に提供することができる。
例えば、この発明の歯科用組成物を用いた人工歯は、硬度において従来のレジン歯よりも高く、硬質レジン歯や陶歯よりも低い特性を有すものであり、これにより、レジン歯の耐摩耗性の低さや、硬質レジン歯や陶歯の耐破折性の低さを改善することができ、また、耐変色性、耐着色性についても硬質レジン歯に比べ、格段に優れており、レジン歯や陶歯に匹敵する審美性を持つもので、極めて人工歯として有用である。しかも、この発明の歯科用組成物は素材が安価であり、調製が容易であることから、低コストであり、人工歯等としての製造が容易であることから安価で良質なものを提供できる。
より具体的には、
素材(A)(B)(C)および(D)を含有することを特徴とする歯科用組成物によれば、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れ、しかも、バランスの取れた特性を有する人工歯等に有用な歯科用組成物を提供することができる。
この歯科用組成物を使用した人工歯は、素材(A)、素材(B)、素材(C)および素材(D)を含有する組成物の、(A)のモノマーが重合固化してなることから、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れ、しかも、バランスの取れた特性を有する人工歯を提供することができる。
また、
素材(A)(B)(C)(D)および(E)を含有することを特徴とする歯科用組成物によれば、素材(E)によって若干不透明性が現れ易いものの、素材(E)は素材(D)に比べ安価で、硬度等を上げ易いものであって、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れた特性を有する人工歯等に有用な歯科用組成物を提供することができる。
この歯科用組成物を使用した人工歯は、素材(A)、素材(B)、素材(C)、素材(D)、および素材(E)を含有する組成物の、(A)のモノマーが重合固化してなることから、素材(E)によって若干不透明性が現れ易いものの、素材(E)は素材(D)に比べ安価で、硬度等を上げ易いものであって、長期にわたって耐変色性、耐着色性、審美性を維持することができ、曲げ強度、衝撃強さ、硬度、耐摩耗性等において優れた特性を有する人工歯を提供することができる。
架橋ポリマーが、ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマーであると、素材(A)が架橋ポリマーを膨潤させたり、架橋ポリマー中に吸収されたりし、素材(A)が重合固化し3次元の相互侵入網目構造を形成する。アリル基を含有する架橋ポリマーにおいては、アリル基により架橋ポリマーと素材(A)を原料とする重合体とがグラフト反応したような相互侵入網目構造を形成することになる。これによれば、硬度の上昇や耐摩耗性の改善及び強度の向上等が得られる

Claims (6)

  1. (A)メタクリレートのモノマーとしてメチルメタクリレートおよびエチレングリコールジメタクリレート
    (B)非架橋ポリマーとしてポリメチルメタクリレート
    (C)ポリメチルメタクリレートを主成分としアリル基を含有する架橋ポリマーであって、メチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体である架橋ポリマー、および
    (D)平均粒径1〜50μmの有機質無機質複合充填材を含有し、
    前記(A)のモノマー、(B)の非架橋ポリマー、(C)の架橋ポリマー、(D)の有機質無機質複合充填材の総重量に対し、前記(A)が20〜50重量%、前記(B)が5〜70重量%、前記(C)が1〜60重量%、前記(D)が1〜65重量%であることを特徴とする歯科用組成物。
  2. 前記(A)のモノマー、(B)の非架橋ポリマー、(C)の架橋ポリマー、(D)の有機質無機質複合充填材に、
    さらに、(E)平均粒径0.005〜50μmの無機質充填材を含有し、
    前記(A)のモノマー、(B)の非架橋ポリマー、(C)の架橋ポリマー、(D)の有機質無機質複合充填材、(E)無機質充填材の総重量に対し、前記(A)が20〜50重量%、前記(B)が5〜70重量%、前記(C)が1〜60重量%、前記(D)が1〜65重量%、前記(E)が1〜30重量%であることを特徴とする請求項1記載の歯科用組成物。
  3. 前記(B)の非架橋ポリマーの平均粒径が100μm以下であり、前記(C)の架橋ポリマーの平均粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項1または2記載の歯科用組成物。
  4. 前記(A)のモノマーがメチルメタクリレート25.32〜29.91重量%およびエチレングリコールジメタクリレート7.30〜8.50重量%、
    前記(B)の非架橋ポリマーが平均粒径45μmの非架橋のポリメチルメタクリレート8.56〜18.48重量%、
    前記(C)の架橋ポリマーが平均粒径50μmのメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体2.05〜35.77重量%、および、
    前記(D)の有機質無機質複合充填材が、平均粒径40μmの有機質無機質複合充填材21.16〜44.82重量%
    であることを特徴とする請求項1または3記載の歯科用組成物。
  5. 前記(A)のモノマーがメチルメタクリレート25.69〜29.16重量%およびエチレングリコールジメタクリレート7.30〜7.93重量%、
    前記(B)の非架橋ポリマーが平均粒径45μmの非架橋のポリメチルメタクリレート11.08〜16.62重量%、
    前記(C)の架橋ポリマーが平均粒径50μmのメチルメタクリレートとアリルメタクリレートの共重合体29.67〜44.84重量%、および、
    前記(D)の有機質無機質複合充填材が、平均粒径40μmの有機質無機質複合充填材5.54〜15.35重量%、
    前記(E)の無機質充填材が、平均粒径40nmの無機質充填材3.53〜7.56重量%
    であることを特徴とする請求項2または3記載の歯科用組成物。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の歯科用組成物の前記(A)のモノマーが重合固化してなることを特徴とする人工歯。
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