JP4675068B2 - 基礎床用レジン組成物 - Google Patents

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Description

この発明は、基礎床用レジン組成物に関するものである。さらに詳しくは、この発明は、有床義歯の作製工程において、個人トレー、咬合床等を作製する際に使用する光重合型の基礎床用レジン組成物に関するものである。
有床義歯は、一般に、全部床義歯と部分床義歯とに分類される。
全部床義歯は、概形印象採得、概形模型作製、個人トレー作製、機能印象採得、作業模型作製、咬合床作製、咬合採得、咬合器装着、人工歯排列、歯肉形成、蝋義歯試適、修正咬合調整、フラスコ埋没、流蝋、洗浄、分離剤塗布、床用レジン填入、重合、研磨仕上げ等の工程を経て作製されるのが一般的である。ここにおいて、咬合床は、作業模型上に基礎床を設け、次いで、基礎床に咬合堤をワックスアップすることで作製される。
部分床義歯は、全部床義歯の作製に準じて行われるが、クラスプ、アタッチメント等の残存歯に維持を求める維持装置、バー等の作製工程が加わる。
個人トレーの作製や咬合床における基礎床の作製においては、従来より、一般にシェラック板、常温重合レジン等が使用されている。
シェラック板、常温重合レジン等を用いた個人トレー作製や咬合床における基礎床の作製は、個人トレーが概形模型を用いて作製されるものであり、基礎床が作業模型を用いて作製されるものであるが、両者とも作製方法は類似したものであることから、以下においては、シェラック板、常温重合レジンを用いた基礎床の作製について説明し、個人トレーについては説明を省略する。
シェラック板とは、ラック貝殻虫から採る樹脂様分泌物を主成分とする一種のワックスである。これを用いて作業模型上に基礎床を形成するには、シェラック板を火炎上で軟化させ、作業模型に手指で圧接させ模型面の形状に正確に適合させること等が必要であり、高度な熟練と手間がかかる。そして、シェラック板を用いた基礎床は、熱による残留歪み等が徐々に開放され、変形する欠点がある。
また、常温重合レジンとしては、メチルメタクリレート等のモノマー液、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のポリマー粉末、過酸化ベンゾイルと芳香族第三級アミン等を用いた常温重合開始剤を混合し、モノマー液がポリマー粉末を膨潤させて混合物が餅状になったものが例示される。この常温重合レジンが餅状になった段階で、手指で均一な厚さに伸ばし、模型面に圧接させ、重合硬化させることで作業模型上に基礎床を形成する。常温重合レジンは、前記のシェラック板のような熟練と手間を必要としない利点があるが、室温でも常温重合開始剤によって重合が進行することから、常温重合レジンの重合ができるだけ進行しないうちに模型面に圧接させることが必要であって、操作時間の余裕が少なく、また、重合収縮による変形を避けることができない。
近年、多官能のメタクリレート等のうち40℃以下で結晶或いは非晶質の固体である光重合可能な化合物、シリカ等の無機質充填材、カンファーキノン等の光重合開始剤と第3級アミン等の還元剤を混合したペースト状の光重合型コンポジットレジンが、基礎床や個人トレーの作製に利用されてきている(例えば、特許文献1参照)。これは、重合前には、べたつかず、取り扱い性、作業性が良好であり、光重合硬化したものは、強度、硬度、重合収縮率等において優れているが、靭性や耐衝撃性に劣るという欠点があった。そのため、個人トレーの作製後の機能印象採得、作業模型作製時に破折したりする。とりわけ、基礎床の作製後の工程、すなわち、咬合床作製、咬合採得、咬合器装着、人工歯排列、歯肉形成、蝋義歯試適、修正咬合調整、フラスコ埋没において基礎床に働く咬合圧等により、破折したりすることになる。
特開平2−138106号公報(第1頁)
この発明は、上記のような実情に鑑み鋭意研究の結果創案されたものであり、作業性が良く、重合収縮率が少なく、重合硬化後の強度、硬度、靭性、耐衝撃性に優れたバランスのとれたコンポジットレジンとなる基礎床用レジン組成物を提供することを目的としている。なお、「基礎床用レジン組成物」は、基礎床を作製するためのレジン組成物だけでなく、個人トレーを作製するためのレジン組成物をも意味するものである。
上記課題を解決するために、この発明の基礎床用レジン組成物は、
(1)a)少なくとも1個の不飽和二重結合を有しウレタン結合を持たない(メタ)アクリレート5〜50重量%、
b)40℃以下で結晶質あるいは非晶質の固体であり、少なくとも1個の不飽和二重結合を有しウレタン結合を持つ(メタ)アクリレート10〜60重量%、
c)無機質充填材10〜50重量%、
d)有機質充填材5〜30重量%、および、
e)光重合開始剤0.03〜3重量%を有する基礎床用レジン組成物であって、
前記成分の重量%は、前記a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合であることを特徴とする
(2)前記a)成分が、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、または、これらのアクリレートの単独あるいは2種以上であり、前記b)成分が、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオン、又はこれらのアクリレート、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとからなるウレタンオリゴマー、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとからなるウレタンオリゴマーの単独あるいは2種以上であることが好ましい。
(3)前記a)成分が、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートであり、
前記b)成分が、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとからなるウレタンオリゴマーと、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとからなるウレタンオリゴマーであることが好ましい。
(4)前記c)無機質充填材のうち50重量%以下がガラス微粉末であり、該ガラス微粉末は平均粒径が1μm〜8μmであって、シランカップリング処理されたものであり、該ガラス微粉末と併用する無機質充填材が、平均粒径が5〜20nmで表面が疎水化したコロイダルシリカであることが好ましい。
(5)前記d)有機質充填材の一部、80重量%以下が有機無機複合充填材に置き換えられていることが好ましい。
(6)前記基礎床用レジン組成物が、所定厚さのプレート状体とされてなることが好ましい。
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、以下の発明を実施するための最良の形態等からも明らかなように、この発明の基礎床用レジン組成物は、重合前には、可塑性のあるペースト状であるが、べたつきがなく、取り扱い性、操作性がよく、概形模型や作業模型の形状によく適合し、個人トレーや基礎床の作製に際し作業性が良好である。この基礎床用レジン組成物が、重合前にはべたつきがなく、取り扱い性、操作性がよいのは、b)成分が主要な要因といえるが、a)成分、c)成分、d)成分、e)成分が、前記した比率において相互に有効に作用しあって全体として良好な性質を示すことによるものと考えられる。
すなわち、この発明の基礎床用レジン組成物を所定厚さ、所定形状等にすることが容易であり、また、概形模型や作業模型の形状に容易に適合させることができるとともに、体温(37℃)程度では軟化せず、例えば、単に手指と接触するだけでは、接触箇所が軟化して薄くなってしまうことがなく、重合硬化されたものに薄い箇所がないことから、薄い箇所への応力集中による破折の恐れがない。また、重合前、手指に付着しにくいことから、接触した箇所の皮膚に湿疹やかぶれが生ずる恐れがない。
また、この発明の基礎床用レジン組成物は、重合用の光を照射することによって重合硬化するものであり、重合時の発熱による温度上昇は、5℃程度、すなわち、例えば、室温が25℃程度であっても、30℃程度までにしかならないことから、重合時の熱変形が殆どなく、概形模型や作業模型の形状との適合が損なわれる恐れが少ない。
そして、この発明の基礎床用レジン組成物が重合硬化する際、b)成分は、固体から固体に相変化することから、重合硬化による体積変化、すなわち、重合時の収縮率が少なく、概形模型や作業模型の形状との適合が損なわれる恐れが少ない。
また、この発明の基礎床用レジン組成物が重合硬化したものは、c)成分により力学特性が向上していることから、強度、硬度、靭性、耐衝撃性に優れたバランスのよいコンポジットレジンを得ることができるとともに、厚さにムラのないものを得ることができ応力集中が生じにくいので、個人トレーの作製後の機能印象採得、作業模型作製において破折したり、変形したりする恐れがないし、また、基礎床の作製後、咬合床作製、咬合採得、咬合器装着、人工歯排列、歯肉形成、蝋義歯試適、修正咬合調整、フラスコ埋没において、基礎床に働く咬合圧等によって破折したり、変形したりする恐れがない。
e)成分を用いていることから、重合光を照射しなければ、重合せず、保存が可能であるとともに、取り扱い、操作性が良好であり、また、重合には、重合光を照射するだけよく、簡便であるといった利点がある。
従って、この発明の基礎床用レジン組成物を用いることで、個人トレーや基礎床を作製する歯科技工操作が容易であり、重合収縮が少ないことから、概形模型や作業模型の口腔粘膜面の形状を正確に転写することができ、ひいては、患者の口腔粘膜と義歯床の適合性の良好な義歯を製作することができることになる。
前記c)無機質充填材のうち50重量%が平均粒径1μm〜8μmのシランカップリング処理されたガラス微粉末のものは、所望する粒径のものを安価に得ることができ、シランカップリング処理されることにより、重合硬化したレジン成分と強固に接着し、強度、硬度、靭性、耐衝撃性に優れたバランスのとれたコンポジットレジンとなる。そして、該ガラス微粉末と併用する無機質充填材が、平均粒径が5〜20nmで表面が疎水化したコロイダルシリカであることが、後述するように、分散性や強度の点から好ましい。
前記d)有機質充填材の一部、80重量%以下を有機無機複合充填材に置き換えることで、研磨性を損なわずに充填量を稼ぐことが出来るため、重合硬化時の重合収縮を確実に抑えることが可能となる。また、有機無機複合充填材を使用することにより、強度、硬度、靭性、耐衝撃性に優れたバランスのとれたコンポジットレジンとなる。
この発明の基礎床用レジン組成物を所定厚さのプレート状体とすることにより、プレート状体で保存ができ、使用に際し、必要なサイズ、形状に切り出し、個人トレーや基礎床を作製すればよく、歯科技工操作が簡便となる。この発明の基礎床用レジン組成物をプレート状体とした場合の厚さは、個人トレー用では、一般に1.5〜3.0mm、基礎床用では、一般に1.0〜2.5mmであり、厚さの異なるプレート状体を複数備えておけば、個人トレー、基礎床の作製に際し、必要な厚さのものを選択し、そこから必要とするサイズ、形状に切り出し、個人トレーや基礎床を作製すればよく、この発明の基礎床用レジン組成物を、必要とする均一な厚さに延ばすといった熟練を要する技工操作を必要としない利点がある。
以下、発明を実施するための最良の形態を示し、さらに詳しくこの発明について説明する。もちろんこの発明は以下の実施の形態によって限定されるものではない。
この発明におけるa)成分としては、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、または、これらのアクリレートが例示できる。これらのメタクリレートまたはアクリレートは、単独あるいは2種以上を混合して使用することができる。この発明の基礎床用レジン組成物においては、a)成分が5〜50重量%であることが好ましく、5重量%未満では、レジン組成物の操作性や重合硬化したものの強度が不十分となり、50重量%を超えると、重合硬化したものの硬度が高くなり過ぎ、靭性のあるものが得られないことから好ましくない。a)成分は、重量平均分子量が100〜300であることが好ましい。重量平均分子量が100未満の場合はモノマーが揮発し易くなり、300を超える場合は硬化体が脆くなって耐久性が乏しくなり適当でない。
この発明におけるb)成分としては、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオン、又はこれらのアクリレート、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとからなるウレタンオリゴマー、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとからなるウレタンオリゴマーを例示できる。これらは単独あるいは2種以上を混合して使用してもよい。40℃以下で結晶質あるいは非晶質でないものは、レジン組成物の重合前の状態でべとつくことから好ましくない。この発明の基礎床用レジン組成物においては、b)成分が10〜60重量%であることが好ましく、10重量%未満では、レジン組成物が重合前の状態でべとつき、また、重合硬化したものの強度、弾力性、靱性、および、耐衝撃性が得られなくなり、60重量%を超えると重合前のものが脆く、操作性が低下することから好ましくない。b)成分は、重量平均分子量が300〜5000であることが好ましい。重量平均分子量が300未満の場合には、重合前のものを手で取り扱う際、形状が崩れ易くなり、5000を超えた場合には、硬くなって重合前のものを作業模型等に適合させにくくなり、好ましくない。
この発明の基礎床用レジン組成物においては、前記a)成分は、重合硬化において、共重合したり、単独重合したりし、これらが有効に機能し、基礎床や個人トレーにとって必要とされる、強度、硬度、靭性、耐衝撃性を生じるのに寄与するものと考えられる。
この発明におけるc)成分としては、バリウムガラス、アルミナガラス、カリウムガラス等の各種ガラス、シリカ、合成ゼオライト、リン酸カルシウム、長石、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、炭酸マグネシウム、石英などの粉末が例示できる。これらのc)成分は、通常は平均粒径が100μm以下のものが用いられるが、粒子の小さいものとしては平均粒径が50nm以下の微粒子状のものも用いることができる。平均粒径が100μmを超えると、例えば、基礎床としたとき、粘膜面との接触感が悪くなり好ましくない。この発明の基礎床用レジン組成物においては、c)成分が10〜50重量%であることが好ましい。c)成分が10重量%未満では、重合硬化したものが脆くなり、50重量%を超えると、重合前のものが硬くなり過ぎて操作性が低下する傾向がある。
前記c)成分は、予めシラン物質を用いて表面処理したものを用いることが望ましい。この表面処理剤としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シランなどの有機ケイ素化合物が用いられ、表面処理は公知のシラン処理法により行われる。
前記c)成分の一部として平均粒径1μm〜8μmのシランカップリング処理されたガラス微粉末を50重量%以下使用する場合、該ガラス微粉末と併用する他のc)成分としては、平均粒径が5〜20nmで表面が疎水化したコロイダルシリカが、分散性や強度の点から好ましい。このコロイダルシリカは、シランカップリング処理されていないものであっても、表面が疎水化されている理由からそのまま使用できる。c)成分のうち前記ガラス微粉末が50重量%を超える場合には、重合硬化したものが硬くなり過ぎて研磨性が低下する傾向がある。
この発明のd)成分としては、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、または、これらのアクリレートのホモポリマー、または、これらのコポリマー、または、これらのホモポリマーとコポリマーとの混合物が採用できる。これらのd)成分は、懸濁重合(パール重合)することで得ることができる。d)成分は、一般に平均粒径100μm以下の粒状または粉末状のものを使用することが好ましい。平均粒径が100μm以下であると、この発明の基礎床用レジン組成物が重合硬化したものの審美性が良好となり、100μmを超えると、重合硬化したものの表面に有機質充填材がパール状になって現れ、審美性が損なわれることになると共に硬化体が脆くなる。この発明の基礎床用レジン組成物においては、d)成分が5〜30重量%であることが好ましい。d)成分が5重量%未満では、レジン組成物がペースト状にならず、作業性が劣り、成形が困難となり好ましくなく、30重量%を超えると、粉成分が過剰で、バサついたペーストしか得られず、成形が困難となり好ましくない。
この発明の基礎床用レジン組成物においては、前記d)成分の一部を有機無機複合充填材に置き換えることも可能である。この発明の基礎床用レジン組成物はペースト状であることが望ましいが、ペースト状にする際に、前記したc)成分の割合が多いと硬化後の研磨性や靭性に乏しく、前記したd)成分の割合が多いと硬化後の強度、硬度や耐衝撃性に乏しくなる。また、a)成分やb)成分の割合が多くても、モノマー成分が過剰で、べたついたペーストしか得られず、成形が困難となり、重合硬化時の重合収縮も大きくなり好ましくない。そこで、前記d)成分の一部、より具体的には、80重量%以下を有機無機複合充填材に置き換えることによって、この発明の基礎床用レジン組成物における重合前の作業性が良好となり、重合硬化時の重合収縮を確実に抑えることが可能となる。さらには硬化後の研磨性を損なわず、強度、硬度、靭性、耐衝撃性に優れたバランスのとれたコンポジットレジンとなる。
有機無機複合充填材としては、前記したc)成分と、前記したa)成分、b)成分、d)成分に使用するモノマーのうちから選択された少なくとも1種のモノマーとを混合した後、重合させ、次いで、粉砕したものが例示できる。より具体的には、前記の無機質充填材、前記のモノマー、加熱重合開始剤、例えば、ベンゾイルパーオキサイド等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物、更に必要に応じ前記したカップリング剤、着色剤、酸化安定剤、紫外線吸収剤、顔料等を適宜添加し、攪拌混合し、そして、80〜120℃で重合させ、ボールミルなどで平均粒径1〜50μm程度に粉砕することで得られたものを採用することができる。平均粒径が1μm未満では、比表面積が大きくなり、基礎床用レジン組成物とする際、他の成分との均一な混合に長時間を要する上に、硬くなりやすく、作業性が劣ることになり好ましくない。平均粒径が50μmを超えると、例えば、基礎床としたとき、粘膜面との接触感が悪くなり好ましくない。
前記e)成分としては、390〜830nmの可視光線の作用により基礎床用レジン組成物を重合させることができる増感剤と還元剤との組み合わせからなる光重合開始剤が用いられる。
増感剤としては、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4’−ジメチルベンジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキサイド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ジフェニルフォスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド、アジド基を含む化合物が例示できる。これらの増感剤は1種もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
また、還元剤としては、3級アミン等が一般に使用され、3級アミンとしては、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが例示でき、また、他の還元剤として、ベンゾイルパーオキサイド、スルフィン酸ソーダ誘導体、有機金属化合物が例示できる。これらの還元剤は1種もしくは2種以上を組み合わせて使用してもよい。なお、光重合開始剤の配合量が、0.03重量%未満の場合には、充分な光重合効果を得ることができなくなり、3重量%を超えると、光照射を行う前に重合が開始されてしまい適当でない。
本発明に係る基礎床用レジン組成物には、必要に応じ紫外線吸収剤、重合禁止剤、可塑剤、顔料、酸化防止剤、抗菌剤、界面活性剤等を適宜添加できる。
次に、この発明の基礎床用レジン組成物の調製および使用方法の一例を示す。先ず、前記a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、e)成分を所定組成割合になるように秤量し、必要に応じ、前記した紫外線吸収剤等を加え、均一になるように攪拌混合し、所定時間経過させてペースト状の生地を作製する。次いで、得られた生地を延ばし棒によって所定厚さのプレート状になるまで押し延ばす。多量に作製する場合は、適宜の押出成形機を使用し、所定厚さに成形すればよい。得られたプレート状の基礎床用レジン組成物は、必要とするサイズ、形状に切り出し、個人トレーや基礎床を作製する。
次に、得られたプレート状の基礎床用レジン組成物の使用方法の一例として、基礎床の作製方法を説明する。
図1(a)に示す作業模型1に適するサイズ、形状に切り出したプレート状の基礎床用レジン組成物2を、図1(b)に示すように圧接して、作業模型1の粘膜面の形状1aに適合させる。なお、必要に応じトリミング等を行う(トリミングした状態については図1(c)参照)。次いで、重合用光線を基礎床用レジン組成物に照射して、重合硬化させることで、図1(c)に示すように基礎床3を得ることができる。図1(d)に示すように得られた基礎床3に顎堤4をワックスアップして咬合床5を作製し、通法に従い咬合採得、咬合器装着、人工歯排列、歯肉形成、蝋義歯試適、修正咬合調整、フラスコ埋没、流蝋、洗浄、分離剤塗布、床用レジン填入、重合、研磨仕上げ等の工程を経て義歯を作製すればよい。
個人トレーの作製は、概形模型を用い基礎床の作製に準じて行えばよいことから、説明は省略する。
次に、実施例を比較例とともに示しさらに詳しく説明する。もちろん、この発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。
(実施例1)
a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、e)成分として以下のものを使用した。
a)成分として、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、
b)成分として、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとからなるウレタンオリゴマーと、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとからなるウレタンオリゴマー、
c)成分として、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランによってシランカップリング処理された平均粒径5μmのガラス微粉末と、表面が疎水化された平均粒径16nmのコロイダルシリカ、
d)成分として、平均粒径50μmのポリメチルメタクリレートと、有機無機複合充填材、
なお、有機無機複合充填材は、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメートとトリエチレングリコールジメタクリレートとメチルメタクリレートを2:4:4の重量比で混合したもの69重量%に加熱重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル1重量%添加した混合液と、平均粒径16nmのコロイダルシリカ30重量%との混合物を95℃で重合硬化させた後粉砕し、50%平均粒径60μm以下の粉末状としたものである。
e)成分として、カンファーキノン(増感剤)と4−ジメチルアミノ安息香酸エチル(還元剤)、
さらに、f)重合禁止剤としてジ−t−ブチルヒドロキシトルエンを採用した。
これら、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、e)成分、f)の重合禁止剤を表1の実施例1に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状の基礎床用レジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分8.33重量%、b)成分41.63重量%、c)成分24.98重量%、d)成分24.98重量%、e)成分0.08重量%である。
(i)重合前の作業性試験
このレジン組成物の重合前の作業性試験を、指の感触による操作性により行った。得られた結果は、表1の実施例1に示すとおりである。
(ii)3点曲げ試験
このレジン組成物を図2に示す金型10(2mm×2mm×25mmの試験体形成用の孔を有する。)に填入し、両面をポリエチレンフィルムを介してガラス板にて圧接し、歯科用重合器(ラボライトLV−II:ジーシー社製)にて可視光線を片面より3分ずつ両側に光照射して重合硬化させ、試験体を得た。
得られた試験体を万能試験機(オートグラフ:島津製作所製)を用い、クロスヘッドスピード1mm/min、試験支点間距離20mmとして3点曲げ試験を行い、曲げ強度、曲げ弾性率、破壊歪みエネルギーを求めた。
得られた曲げ強度、曲げ弾性率、破壊歪みエネルギーは、表1の実施例1に示すとおりである。
(iii)衝撃試験
前記(ii)において説明した試験体と同一条件で試験体を作製し、衝撃破壊試験機(ダインシュタッドテスター:東洋精機社製)を用い、0.49Jのエネルギー条件で衝撃試験を行った。
得られた衝撃試験の結果は、表1の実施例1に示すとおりである。
(iv)重合硬化後の作業性試験
前記(ii)において説明した試験体と同一条件で試験体を作製し、重合硬化後の作業性試験を行った。作業性試験は、技工用カーバイドバー(262:ジーシー社製)により試験体の研磨を行い、研磨性の評価を行った。得られた結果は、表1の実施例1に示すとおりである。
(実施例2)
実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、e)成分、f)の重合禁止剤を、表1の実施例2に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状の基礎床用レジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分9.99重量%、b)成分49.95重量%、c)成分19.98重量%、d)成分19.98重量%、e)成分0.10重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表1の実施例2に示すとおりである。
(実施例3)
実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、e)成分、f)の重合禁止剤を、表1の実施例3に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状の基礎床用レジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分9.99重量%、b)成分49.95重量%、c)成分19.98重量%、d)成分19.98重量%、e)成分0.10重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表1の実施例3に示すとおりである。
(実施例4)
実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、e)成分、f)の重合禁止剤を、表1の実施例4に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状の基礎床用レジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分8.69重量%、b)成分43.44重量%、c)成分30.41重量%、d)成分17.38重量%、e)成分0.09重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表1の実施例4に示すとおりである。
Figure 0004675068
(比較例1)
これは、d)成分を使用しないものであって、実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、c)成分としてガラス微粉末のみ、e)成分、f)の重合禁止剤を、表2の比較例1に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状のレジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、c)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分9.08重量%、b)成分45.41重量%、c)成分45.41重量%、e)成分0.09重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表2の比較例1に示すとおりである。
(比較例2)
これも、d)成分を使用しないものであって、実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、c)成分としてコロイダルシリカのみ、e)成分、f)の重合禁止剤を、表2の比較例2に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状のレジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、c)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分9.08重量%、b)成分45.41重量%、c)成分45.41重量%、e)成分0.09重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表2の比較例2に示すとおりである。
(比較例3)
これは、c)成分を使用しないものであって、実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、d)成分としてポリメチルメタクリレートのみ、e)成分、f)の重合禁止剤を、表2の比較例3に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状のレジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分9.08重量%、b)成分45.41重量%、d)成分45.41重量%、e)成分0.09重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表2の比較例3に示すとおりである。
(比較例4)
これもc)成分を使用しないものであって、実施例1で使用したと同一の、a)成分、b)成分、d)成分として有機無機複合充填材のみ、e)成分、f)の重合禁止剤を、表2の比較例4に示す重量部秤量し、攪拌混合してペースト状のレジン組成物を得た。
従って、a)成分、b)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合は、a)成分9.08重量%、b)成分45.41重量%、d)成分45.41重量%、e)成分0.09重量%である。
得られたレジン組成物を用いて、実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表2の比較例4に示すとおりである。
(比較例5)
個人トレー、ベースプレート用の常温重合レジン(ジーシーオストロンII:ジーシー社製)をメーカー指定の方法(粉/液=10g/3.3ml)に従って攪拌混合して餅状の基礎床用レジン組成物を得た。得られたレジン組成物は温度23℃、湿度50%の恒温恒湿室内にて常温重合を行って硬化体を得た。
実施例1と同様に(i)重合前の操作性試験、(ii)3点曲げ試験、(iii)衝撃試験、(iv)重合硬化後の作業性試験を行った。得られた結果は、表2の比較例5に示すとおりである。
Figure 0004675068
本願発明の実施例1〜4は、強度において比較例1〜5よりやや低い値を示すが、個人トレー、基礎床として使用する強度として支障はなく、靭性において高い値を示しており、強度、硬度、靭性、耐衝撃性に優れたバランスのとれたコンポジットレジンであることが示されている。また、作業性に関しても硬化前の操作性及び硬化後の研磨性共に良好である。比較例1、比較例2では強度が高く硬化体が硬く脆い傾向を示し、それに伴い研磨性も悪い。また、硬化前の操作性に関しても、べたついたり、ペーストが硬いなど基礎床を作製する際に不具合がある。比較例3、比較例4では硬化前の操作性に関しては良好であるが、エネルギー値や、ダインシュタット衝撃破壊試験の結果が示すように硬化体が脆い傾向を示し、物性面において不安がある。比較例5では強度、靭性、耐衝撃性に関しては比較的良好であるが、比較例5は常温重合レジンであり粉と液を混合した直後から徐々に硬化が始まってしまうため、操作余裕時間が短くなるなど基礎床を作製する際に不具合がある。
この発明の基礎床用レジン組成物を用いて基礎床を作製する方法の一例を示す説明図である。 試験体を作製するための金型を示す斜視説明図である。
符号の説明
1 作業模型
2 基礎床用レジン組成物
3 基礎床
4 蝋堤
5 咬合床

Claims (6)

  1. a)少なくとも1個の不飽和二重結合を有しウレタン結合を持たない(メタ)アクリレート5〜50重量%、
    b)40℃以下で結晶質あるいは非晶質の固体であり、少なくとも1個の不飽和二重結合を有しウレタン結合を持つ(メタ)アクリレート10〜60重量%、
    c)無機質充填材10〜50重量%、
    d)有機質充填材5〜30重量%、および、
    e)光重合開始剤0.03〜3重量%を有する基礎床用レジン組成物であって、
    前記成分の重量%は、前記a)成分、b)成分、c)成分、d)成分、および、e)成分の総重量に対する各成分の組成割合であることを特徴とする基礎床用レジン組成物。
  2. 前記a)成分が、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、アルキルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、または、これらのアクリレートの単独あるいは2種以上であり、
    前記b)成分が、ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6−トリオン、又はこれらのアクリレート、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとからなるウレタンオリゴマー、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレート又は2−ヒドロキシエチルアクリレートとからなるウレタンオリゴマーの単独あるいは2種以上であることを特徴とする請求項1記載の基礎床用レジン組成物
  3. 前記a)成分が、1,3−ブチレングリコールジメタクリレートであり、
    前記b)成分が、2,2’−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンと2−オキシパノンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとからなるウレタンオリゴマーと、1,3−ブタンジオールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとからなるウレタンオリゴマーであることを特徴とする請求項2記載の基礎床用レジン組成物。
  4. 前記c)無機質充填材のうち50重量%以下がガラス微粉末であり、該ガラス微粉末は平均粒径が1μm〜8μmであって、シランカップリング処理されたものであり、該ガラス微粉末と併用する無機質充填材が、平均粒径が5〜20nmで表面が疎水化したコロイダルシリカであることを特徴とする請求項1、2または3記載の基礎床用レジン組成物。
  5. 前記d)有機質充填材の一部、80重量%以下が有機無機複合充填材に置き換えられていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の基礎床用レジン組成物。
  6. 前記基礎床用レジン組成物が、所定厚さのプレート状体とされてなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の基礎床用レジン組成物。
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