JP2000175941A - 義歯床用補修材組成物 - Google Patents

義歯床用補修材組成物

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JP2000175941A
JP2000175941A JP35916998A JP35916998A JP2000175941A JP 2000175941 A JP2000175941 A JP 2000175941A JP 35916998 A JP35916998 A JP 35916998A JP 35916998 A JP35916998 A JP 35916998A JP 2000175941 A JP2000175941 A JP 2000175941A
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methacrylate
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repair
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Hidetoshi Funabashi
英利 船橋
Mizuki Nakayama
瑞樹 中山
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GC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 義歯床の補修や修理を行うに当たり、充分な
操作余裕時間を有し操作性に優れ、更に適度な弾性を持
つため補修箇所が再び破損することの少ない義歯床用補
修材組成物を提供する。 【既決手段】 義歯床用補修材組成物を、少なくとも一
つの不飽和二重結合を有しウレタン結合を有さないメタ
クリレート:5〜50重量%と、少なくとも一つの不飽
和二重結合を有しウレタン結合を有するメタクリレー
ト:5〜70重量%と、交差結合を有するポリウレタン
粉末:5〜30重量%と、充填材:5〜60重量%と
に、化学重合開始剤:0.03〜8重量%を混合した第
1成分と、重合促進剤:0.03〜8重量%を混合した
第2成分とから成るペースト状又は粘土状の構成とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、義歯床の補修や修
理等に使用される義歯床用補修材組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】患者にとって使い慣れた適合が良い義歯
は生涯使用できればよいのだが、実際には使用中に破損
・欠損してしまったり、顎堤吸収等による患者の口腔内
の変化や、人工歯の摩耗による咬合の変化によって口腔
内と義歯床との不適合が原因となって、食物が噛めな
い,会話中外れる,装着していて粘膜面が痛い等の不都
合が生じ始める。そのため破損や適合の悪くなった義歯
の義歯床の補修や修理を行う必要性が出てくる。
【0003】通常、義歯床の補修や修理には、補修箇所
や破損箇所を歯科用ワックス等で仮りに築盛し、その状
態のままセッコウを用いてフラスコに埋没し熱湯等でワ
ックス部分を除去してワックス部分であった補修箇所に
空洞を形成した後、その空洞内に加熱重合型又は即時重
合型のレジン材料より成る補修用材料を充填し重合する
間接法と呼ばれる方法と、義歯床の補修箇所や破損箇所
に即時重合型レジンより成る補修用材料を直接築盛し、
患者の口腔内で試適を何度か行って成形し重合すること
で補修や修理を行う直接法と呼ばれる方法がある。
【0004】前記間接法は数日から数週間の間、患者か
ら義歯を預かって作業をする必要があり、患者は作業の
間自分の義歯が使用できなくなるため、仮りの義歯を作
製してもらわなくてはならなかった。従って、間接法は
時間やコストがかかり患者も自分が普段使用してきた義
歯を使用できないので不快感を訴えることが多く一般的
にはあまり行われていない。一方、前記直接法は時間や
コストが間接法に比較してかからないことから現在一般
的に行われている方法である。
【0005】しかし、直接法で使用されている主な補修
用材料は、(メタ)アクリル酸エステル等の重合体から
成る粉とメタクリル酸エステルモノマーの液とから成る
即時重合型レジン材料であり、粉と液とを混合した後、
粉が膨潤する過程における僅かな餅状期(一般的なもの
で粉と液との混合から2〜5分の間)と呼ばれる期間で
しか作業ができず満足できる形態付形ができるまでには
熟練を要していた。つまり、作業を開始するタイミング
が早いと混合物がベタついて作業性が劣り、逆に遅れた
場合には付形作業が充分に行えないので余剰部分は材料
が硬化した後に研削材等を使用して削除したり、不足が
生じた部分には再度材料を築盛して調整し直したりしな
くてはならない問題があった。
【0006】また、従来の補修用材料はアクリル樹脂固
有の弾性が乏しく硬くて脆い性質のため義歯床に加わっ
た衝撃のエネルギーを吸収することができず、特に義歯
床と修復材との接点や接している面等の補修や修理を行
った部分は他の部分と比較して強度が不足し易く再び破
損することが多かった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、義歯
床の補修や修理を行うに当たり、充分な操作余裕時間を
有し、操作性に優れ、更に適度な弾性を持つため修復箇
所が再び破損することの少ない義歯床用補修材組成物を
提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は前記課題を
解決すべく鋭意検討の結果、義歯床用補修材組成物を、
少なくとも一つの不飽和二重結合を有しウレタン結合を
有さないメタクリレートと、少なくとも一つの不飽和二
重結合を有しウレタン結合を有するメタクリレートと、
交差結合を有するポリウレタン粉末と、充填材とより成
り、更に一方には化学重合開始剤がまた他方には重合促
進剤が混入されているペースト状又は粘土状の第1成分
と第2成分とから成る構成とすることにより、従来のよ
うな粉と液とを混合して餅状とする必要がなく安定した
操作性が確保でき、余裕を持って形態付与ができるこ
と、また義歯床用補修材組成物中に少なくとも一つの不
飽和二重結合を有しウレタン結合を有するメタクリレー
トと、交差結合を有するポリウレタン粉末とを組み合わ
せて配合することによって硬化体に弾性を与え外部から
の衝撃を吸収し修復箇所が再び破損することの少ない義
歯床用補修材が得られることを究明して本発明を完成し
た。
【0009】
【発明の実施の形態】即ち、本発明に係る義歯床用補修
材組成物は、少なくとも一つの不飽和二重結合を有しウ
レタン結合を有さないメタクリレート:5〜50重量%
と、少なくとも一つの不飽和二重結合を有しウレタン結
合を有するメタクリレート:5〜70重量%と、交差結
合を有するポリウレタン粉末:5〜30重量%と、充填
材:5〜60重量%と、化学重合開始剤:0.03〜8
重量%とから成る第1成分と、少なくとも一つの不飽和
二重結合を有しウレタン結合を有さないメタクリレー
ト:5〜50重量%と、少なくとも一つの不飽和二重結
合を有しウレタン結合を有するメタクリレート:5〜7
0重量%と、交差結合を有するポリウレタン粉末:5〜
30重量%と、充填材:5〜60重量%と、重合促進
剤:0.03〜8重量%とから成る第2成分とから成る
ペースト状又は粘土状の義歯床用補修材組成物であり、
光重合開始剤が少なくとも一方の成分に含まれる場合も
ある。
【0010】ここで、「少なくとも一つの不飽和二重結
合を有しウレタン結合を有さないメタクリレート」は、
義歯床用補修材組成物の硬化後の強度を確保し、その硬
化物の長期的な安定性を高めるのに有効に作用するもの
である。また、化学重合開始剤等の粉末原料を分散する
ことが可能なので、成分内に粉末原料を均一分散させ安
定した硬化物を得るのにも有効に作用するものであり、
不飽和ポリエステル等のような不飽和二重結合を有しウ
レタン結合を有さないモノマーや樹脂を指す。
【0011】これらモノマー及び樹脂の例を挙げると、
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプ
ロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−
ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、n−
ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、ヒ
ドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフ
リルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−
メトキシエチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメ
タクリレート、ベンジルメタクリレート、エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチ
レングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリ
メタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレ
ート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ペ
ンタエリスリトールトリメタクリレート、トリメチロー
ルメタントリメタクリレート、ペンタエリスリトールテ
トラメタクリレート等があり、これらのモノマーや樹脂
は単独又は幾つかを組み合わせて使用することも可能で
ある。これらのモノマーや樹脂の配合量が第1,第2の
各成分中に5重量%未満の場合には第1,第2の各成分
をペースト状又は粘土状にし難くなり、50重量%を超
えて配合した場合には第1,第2の成分がベタつき易く
なる傾向がある。
【0012】これらのモノマーや樹脂の中でも特にトリ
メチロールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチ
レングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジ
オールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、テトラエチレングリコールジメタクリレートの中か
ら選ばれた少なくとも1種類のメタクリレートを使用す
ると、より低臭・低刺激の義歯床用補修材組成物とする
ことができるので好ましい。
【0013】また、「少なくとも一つの不飽和二重結合
を有し、ウレタン結合を有するメタクリレート」は、
「交差結合を有するポリウレタン粉末」と併用すること
により重合後の硬化体に弾力性を与える作用を有するも
のであり、不飽和二重結合を有するウレタンオリゴマー
や樹脂を指し、具体的にはジ−2−メタクリロキエチル
−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメー
ト、1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオ
キシ)−2−プロポキシカルボニルアミノヘキサン]−
1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4,6
−トリオン等が挙げられ、また1,3−ブチレングリコ
ールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ
ー、2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロ
パンとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキ
シエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマー
等も挙げられる。これらは単独又は幾つかを組み合わせ
て使用することも可能である。これらの「少なくとも一
つの不飽和二重結合を有しウレタン結合を有するメタク
リレート」が第1,第2の各成分中に5重量%未満の場
合には硬化体に必要な弾性を与える効果が得難くなり、
70重量%を超えると硬化前の第1,第2の各成分が硬
くなって混合や付形操作が困難になったり、硬化体の強
度が不足する傾向がある。
【0014】また、「交差結合を有するポリウレタン粉
末」は、ポリウレタンの持つ弾性を利用して硬化体の弾
性率を下げる効果を有するものであり、硬化体の弾性を
義歯床用補修材に適した弾性にコントロールする作用を
有し、また二つの成分を混合する際にベトつきを抑える
効果も有する。この「交差結合を有するポリウレタン粉
末」により、義歯床用補修材組成物で補修・修理した部
分に応力がかかってしまった場合にも、義歯床用材料よ
りも弾性率が低いことから或る程度たわむことでエネル
ギーを緩和させることができ、破損及び補修部分からの
剥がれが少なくなる。これらの「交差結合を有するポリ
ウレタン粉末」が、第1,第2の各成分中に5重量%未
満の場合は、硬化体に必要な弾性を与えられなくなり、
また第1,第2の各成分を混合する際に第1,第2の各
成分がベタついて操作性が低下し易い。30重量%を超
えて配合した場合は、第1,第2の各成分をペースト状
又は粘土状に調整し難くなり、更に硬化体の強度が得ら
れ難くなってしまうので適当でない。この「交差結合を
有するポリウレタン粉末」の代わりに交差結合を有さな
いポリウレタン粉末を使用した場合に於いては、ポリウ
レタン粉末がモノマーや樹脂中に膨潤,溶解してしまう
ために、成分の保存安定性が悪化してしまい適当でな
い。
【0015】また、「充填材」は、硬化体に強度を与え
る作用及び第1,第2の各成分を義歯床用補修材に適し
たペースト状又は粘土状に調整する作用を有するもので
ある。この「充填材」として例えば、バリウムガラス、
アルミナガラス、カリウムガラス等の各種ガラス、シリ
カ、長石、石英等の粉末が挙げられるが、無機質充填材
をモノマーと混合し硬化させた後に粉砕して得られる有
機無機複合充填材も使用することもできる。これら「充
填材」は単独又は幾つかを組み合わせて使用することが
可能であり、予めシラン物質を用いて表面処理を施した
ものを用いることが望ましく、その表面処理は公知のシ
ラン処理法により行われる。
【0016】これらの「充填材」が、第1,第2の各成
分中に5重量%未満の場合は成分がベタつき易くて付形
操作が困難になり易く、硬化体に必要な強度を与えられ
なくなる傾向がある。60重量%を超えて配合した場合
は第1,第2の各成分が硬くなってしまい混合や形態修
正・付形操作が困難になるため適当でない。
【0017】また、「化学重合開始剤」としては、芳香
族を有するジアシルパーオキシド類やパーオキシエステ
ル類が好ましく、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、
2,4−ジクロルベンゾイルパーオキシド、m−トリル
パーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、
ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、2,5−ジ
メチル−2,5ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、
2,5−ジメチル−2,5−ジ[(o−ベンゾイル)ベン
ゾイルパーオキシ]ヘキサン等が例示でき、またアゾビ
スイソブチロニトリルのようなアゾ化合物やトリブチル
ホウ素等のような有機金属化合物等も使用可能である。
これらの「化学重合開始剤」は単独又は幾つか組み合わ
せて使用することも可能である。これら「化学重合開始
剤」は第1成分中に配合され、その配合量は第1成分に
対して0.03重量%未満であると充分な効果を得るこ
とができず、8重量%を超えて配合すると成分が著しく
変色してしまう等安定性が低下するため適切でない。
【0018】また、「重合促進剤」は、「化学重合開始
剤」又は「光重合開始剤」と併用した場合に義歯床用補
修材組成物の重合を促進させる効果を有するものであ
り、例えば、N,N―ジメチル−p−トルイジン、トリ
エタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチ
ル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等に代表される
3級アミンやスルフィン酸ソーダ誘導体、有機金属化合
物等が挙げられる。これらの「重合促進剤」は単独又は
幾つか組み合わせて使用することも可能である。これら
「重合促進剤」は第2成分中に配合され、その配合量は
第2成分に対して0.03重量%未満であると充分な効
果を得ることができず、また8重量%を超えて配合して
も効果の更なる向上は認められない。なお、「化学重合
開始剤」,「重合促進剤」の添加量は、使用する「化学
重合開始剤」,「重合促進剤」の組み合わせ、第1成分
と第2成分との混合割合、義歯床用補修材組成物に与え
る硬化時間等を基準に決定される。
【0019】直接法で使用する場合の義歯床用補修材組
成物は、口腔内粘膜に接する面等の形態を決定する重合
又は仮重合を行う時に補修や修理を行う義歯床を患者の
口腔内に装着した状態にしておくことが適合の面から必
要である。従って、義歯床用補修材組成物を用いて口腔
粘膜と義歯床との間のような適合に関係する箇所を補
修,修理する場合には化学重合であることが必要であ
る。
【0020】更に、本発明に係る義歯床用補修材組成物
に於いては、「光重合開始剤」が少なくともどちらか一
方の成分に含まれていてもよい。その配合量は使用する
「化学重合開始剤」及び併用する「重合促進剤」の種類
や量,第1成分と第2成分との混合割合を基準に決定さ
れるが、第1成分と第2成分とを混合する際の混合比が
重量比で1:5〜5:1である時、第1成分と第2成分
の混合後の総量に対して0.03〜5重量%の範囲が好
ましい。0.03重量%より少ないと充分な光重合効果
が得られず、また5重量%を超えて配合すると化学重合
より早く自然光で硬化してしまう恐れがある。
【0021】この「光重合開始剤」としては、波長39
0nm〜830nmの可視光線の作用により重合を開始
させることができる作用を有する、カンファーキノン、
ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベ
ンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエ
チル)ケタール、4,4´−ジメチルベンジル−ジメチ
ルケタール、アントラキノン、1−クロロアントラキノ
ン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアント
ラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチル
アントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロ
モアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピル
チオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチ
ルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、
2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピ
ルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロメチ
ルチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオ
キシド、チオキサントン−10−オキサイド、ベンゾイ
ンメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾ
インイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエー
テル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェ
ニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフ
ェノン、アジドを含む化合物などがあり、これらの一つ
又は二つ以上を組み合わせて使用することも可能であ
る。
【0022】なお、本発明に係る義歯床用補修材組成物
には、必要に応じて公知の重合禁止剤、紫外線吸収剤、
可塑剤、着色用顔料、酸化防止剤、抗菌剤、界面活性剤
等を添加してもよいのは勿論である。
【0023】本発明に係る義歯床用補修材組成物は、製
品として供給される場合に於いては、重合前の二つの成
分がそれぞれ、義歯の裏装を行う場合のように静止状態
では自然流動が無く力が加わった場合に流動性を示すペ
ースト状、又は静止状態ばかりか力が加わった状態でも
必要以上には流動せず、形態の付形を簡単に行うことが
できる粘土状を成し、角柱,棒,球,又はシート等の状
態で供給することが考えられる。
【0024】本発明に係る義歯床用補修材組成物を使用
しての実際に義歯床の補修,修理は以下の手順で行われ
る。先ず本発明に係る義歯床用補修材組成物を構成する
第1成分と第2成分とを一定の割合で良く混合し、補修
・修理を行う箇所にこの混合物を直接築盛し、口腔内試
適を行い筋形成等により形態付与を行う。そしてこの混
合物が完全に硬化する前に一度口腔内から取り出し、ト
リミング,形態観察を行った後に再び口腔内に試適し最
終的な筋形成等により形態付与を行い、そのまま口腔内
において重合を行う。硬化後、口腔内から義歯床を取り
出し、最終的な形態修正と研磨仕上げとを行うと義歯床
の補修,修理が完了する。また、光重合開始剤を少なく
ともどちらか一方の成分に含ませた場合は、咬合面等、
直接義歯の適合に関与しない箇所を予め任意に重合させ
ておくことが可能になり、作業の効率を更に上げること
ができる。
【0025】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明に関する詳細に
ついて説明するが本発明はこれに限定されるものではな
い。 <実施例1> トリメチロールプロパントリメタクリレート 27重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]―1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 7重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 26重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 20重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 13重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 5重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 ベンゾイルパーオキサイド 1重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第1成分を作製した。 また、 トリメチロールプロパントリメタクリレート 30重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 5重量% 2、2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 28重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 20重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 10重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 5重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 トリエタノールアミン 1.5重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 0.5重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第2成分を作製した。 第1成分2gと第2成分3gの割合で混合し、以下の方
法に従って各種試験を行った。結果を表1に纏めて示
す。
【0026】また、実際にこの混合物を用いて脱落の起
きていた義歯の補修を行った。補修前の義歯床(旧義歯
床)は床の外形が小さく、床縁の厚みも少ないため口腔
内に於いて前歯部で咬合すると容易に臼歯部から脱落し
てしまう状態にあった。そこで、旧義歯床の縁に混合物
を盛り上げ、口腔内で機能印象を行った。この混合物は
操作余裕時間が長く、機能印象も簡単に行えた。その
後、完全に硬化する前に一度口腔内から取り出し、トリ
ミング,形態観察を行った後に再び口腔内に試適し最終
的な筋形成等により形態付与を行い、そのまま口腔内に
おいて重合を行った。口腔内での硬化時間は凡そ4分で
あった。硬化後、口腔内から義歯床を取り出し、最終的
な形態修正と研磨仕上げとを行って補修が完了した。完
成した義歯床は適度な弾性があるため義歯床に加わった
力を吸収し破損し難い義歯床であった。
【0027】「操作余裕時間」に関する試験 23℃恒温室内で混合開始から義歯床への築盛が可能な
時間を4回測定し平均値を求めた。
【0028】「口腔内刺激」に関する試験 混合物を硬化前に舌先及び口腔内粘膜に接触させ刺激の
度合いを下記の3段階で評価した。
【0029】「3点曲げ」試験 混合物を2mm×2mm×25mmの金型に充填し、セロファ
ンを介してガラス板にて圧接して硬化させ、10個の試
験片を得た。なお、光重合開始剤を含む混合物であって
光重合を必要とする場合には更にセロファンの片側上方
から歯科用光重合器(商品名:ジーシーラボライトLV
−II,ジーシー社製)にて可視光線を5分間照射した。
次いでその試験片を37℃の蒸留水中に24時間浸積し
た後に、万能試験機(商品名:オートグラフ,島津製作
所社製)にてスパン20mm、クロスヘッドスピード1mm
/min.の条件にて3点曲げ試験を行った。
【0030】 <実施例2> 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 30重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]―1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 5重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 10重量% 1,3−ブチレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキ シエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマー 10重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 20重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 15重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 8重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 ベンゾイルパーオキサイド 1重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第1成分を作製した。 また、 トリメチロールプロパントリメタクリレート 24重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 12重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 30重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 10重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 7重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 15重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 トリエタノールアミン 1重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第2成分を作製した。
【0031】第1成分2.7gと第2成分1.8gの割
合で混合し、「操作余裕時間」,「口腔内刺激」,「3
点曲げ」の各試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0032】 <実施例3> 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 32重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]―1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 14重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 10重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 8重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 18重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 15重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 ベンゾイルパーオキサイド 1.4重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1.6重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第1成分を作製した。 また、 トリメチロールプロパントリメタクリレート 22重量% 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 18重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 9重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 10重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 14重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 15重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 9重量% ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメ チルヘキサメチレンジカルバメートとトリエチレン グリコールジメタクリレートの重量比1:1と1% アゾイソブチロニトリルを含む混合液 40重量% 石英ガラス粉末(平均粒径0.5μm) 60重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 トリエタノールアミン 1.4重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1.6重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第2成分を作製した。
【0033】第1成分3gと第2成分3gの割合で混合
し、「操作余裕時間」,「口腔内刺激」,「3点曲げ」
の各試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0034】 <実施例4> トリメチロールプロパントリメタクリレート 22重量% テトラエチレングリコールジメタクリレート 5重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]―1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 10重量% ジ−2−メタクリロキエチル−2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジカルバメ ート 10重量% 1,3−ブチレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキ シエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマー 4重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 19重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 26重量% ベンゾイルパーオキサイド 2.3重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1.7重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第1成分を作製した。 また、 トリメチロールプロパントリメタクリレート 30重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 16重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン、ヘキサメチレンジイソ シアネート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 17重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 15重量% 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 18重量% 4−ジメチルアミノ安息香酸エチル 0.9重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1.6重量% カンファーキノン 1.5重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第2成分を作製した。
【0035】第1成分3.0gと第2成分2.5gの割
合で混合し、「操作余裕時間」,「口腔内刺激」,「3
点曲げ」の各試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0036】 <実施例5> メチルメタクリレート 7重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 15重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]―1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 17重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 26重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 15重量% 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 10重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 8重量% ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメ チルヘキサメチレンジカルバメートとトリエチレン グリコールジメタクリレートの重量比1:1と1% アゾイソブチロニトリルを含む混合液 40重量% 石英ガラス粉末(平均粒径0.5μm) 60重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 ベンゾイルパーオキサイド 1重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合触媒) 1重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行いペースト状の第1成分を作製した。 また、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 18重量% メチルメタクリレート 8重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 5重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 29重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 14重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 15重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 9重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 トリエタノールアミン 1.3重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 0.7重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行いペースト状の第2成分を作製した。
【0037】第1成分2gと第2成分3gの割合で混合
し、「操作余裕時間」,「口腔内刺激」,「3点曲げ」
の各試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0038】 <比較例1> 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 32重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]―1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 5重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 9重量% 1,3−ブチレングリコールとヘキサメチレンジイソシアネートと2−ヒドロキ シエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマー 8重量% 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 26重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 18重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 80重量% アゾイソブチロニトリル 1重量% 超微細シリカ(平均粒径0.016μm) 19重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 ベンゾイルパーオキサイド 1重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第1成分を作製した。 また、 トリメチロールプロパントリメタクリレート 24重量% 1,3,5−トリス[1,3−ビス(メタクリロイルオキシ)―2−プロポキシカル ボニルアミノヘキサン]−1,3,5−(1H,3H,5H)トリアジン−2,4, 6−トリオン 12重量% 2,2−ジ(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンとヘキサメチレンジイソ シアネートと2−ヒドロキシエチルメタクリレートとから成るウレタンオリゴマ ー 30重量% 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 10重量% 石英粉末(平均粒径:25μm) 9重量% 有機無機複合充填材(平均粒径:50μm) 13重量% ジ−2−メタクリロキシエチル−2,2,4−トリメ チルヘキサメチレンジカルバメートとトリエチレン グリコールジメタクリレートの重量比1:1と1% アゾイソブチロニトリルを含む混合液 40重量% 石英ガラス粉末(平均粒径0.5μm) 60重量% から成る混合物を熱硬化させ粉砕した粉末 トリエタノールアミン 1.3重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 0.7重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第2成分を作製した。
【0039】第1成分2.7gと第2成分1.8gの割
合で混合し、「操作余裕時間」,「口腔内刺激」,「3
点曲げ」の各試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0040】 <比較例2> メチルメタクリレート 4重量% トリメチロールプロパントリメタクリレート 17重量% 1,3−ブチレングリコールジメタクリレート 24重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 18重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 35重量% ベンゾイルパーオキサイド 1重量% ジ−t−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第1成分を作製した。 また、 1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート 26重量% テトラエチレングルコールジメタクリレート 6重量% メチルメタクリレート 19重量% 交差結合を有するポリウレタン粉末(平均粒径14μm) 13重量% 「商品名:アートパールC−400,根上工業社製」 超微細シリカ(平均粒径:0.016μm) 32重量% トリエタノールアミン 2.1重量% ジーt−ブチルヒドロキシトルエン(重合禁止剤) 1.9重量% を秤量,混和後、真空脱泡を行い粘土状の第2成分を作製した。
【0041】第1成分3gと第2成分2gの割合で混合
し、「操作余裕時間」,「口腔内刺激」,「3点曲げ」
の各試験を行った。結果を表1に纏めて示す。
【0042】次に、この混合物を用いて実施例1と同様
に義歯の補修を行った。この混合物は操作余裕時間が長
く、機能印象も簡単に行えた。しかし、硬化体には適度
な弾性が無く、義歯床に加わった力を吸収することがで
きないため補修部分が破損し易かった。
【0043】<比較例3>従来から義歯床の補修用材料
として使用されてきた市販の義歯補修用即時重合型レジ
ン材料(商品名:ジーシーレペアジン,ジーシー社製)
を用いて説明書の指示に従い粉と液とを混合し、「操作
余裕時間」,「口腔内刺激」,「3点曲げ」の各試験を
行った。
【0044】次に、この混合物を用いて実施例1と同様
に脱落の起きていた義歯の補修を行った。この混合物で
は操作余裕時間が短く機能印象,トリミング,形態付与
等を充分に行わないうちにゴム状になってしまい、満足
の行く補修を行うのは困難であった。また、材料に適度
な弾性が無いため、硬化後に築盛した界面から剥離して
しまった。
【0045】
【表1】
【0046】前記した各比較例から明らかなように、
「交差結合を有するポリウレタン粉末」が存在しない比
較例1と、「少なくとも1つの不飽和二重結合を有しウ
レタン結合を有するメタクリレート」が存在しない比較
例2とは、重合後の硬化体に弾性を与えることができな
いので義歯床に加わった衝撃を吸収することができず補
修箇所が再び破損することが多いと予想される。また、
比較例3の従来から使用されている義歯補修用即時重合
型レジン材料は、メチルメタクリレートを主成分として
使用し、メタクリル酸エステルの粉成分を膨潤させてい
るため刺激が強いばかりではなく、粉と液との混合によ
る餅状時間に影響され易く、作業には熟練を要する。ま
た、硬化体は弾性が乏しく補修箇所が再び破損し易い。
【0047】
【発明の効果】以上に記述した如く本発明に係る義歯床
用補修材組成物は、前記した各実施例及び各比較例から
も明らかなように、従来から義歯補修用材料として使用
されている即時重合型補修用材料と比較して、操作余裕
時間が長いことやペースト状又は粘土状であって付形性
が優れていること等、操作性に優れており、また硬化体
が適度な弾性を有しているので、補修部分に負荷が生じ
た場合にも破損し難く安定した仕上がりを提供すること
が可能である。更に、患者に対しては作業効率が向上し
たことによる治療時間の短縮により不快感を低減すると
いう優れた特徴を有している全く新規な義歯床用補修材
組成物であり、歯科分野の義歯床の補修,修理に貢献す
るところの大なるものである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一つの不飽和二重結合を有し
    ウレタン結合を有さないメタクリレート:5〜50重量
    %と、少なくとも一つの不飽和二重結合を有しウレタン
    結合を有するメタクリレート:5〜70重量%と、交差
    結合を有するポリウレタン粉末:5〜30重量%と、充
    填材:5〜60重量%と、化学重合開始剤:0.03〜
    8重量%とから成る第1成分と、少なくとも一つの不飽
    和二重結合を有しウレタン結合を有さないメタクリレー
    ト:5〜50重量%と、少なくとも一つの不飽和二重結
    合を有しウレタン結合を有するメタクリレート:5〜7
    0重量%と、交差結合を有するポリウレタン粉末:5〜
    30重量%と、充填材:5〜60重量%と、重合促進
    剤:0.03〜8重量%とから成る第2成分とから成る
    ことを特徴とする義歯床用補修材組成物。
  2. 【請求項2】 光重合開始剤が少なくとも一方の成分に
    更に含まれている請求項1に記載の義歯床用補修材組成
    物。
  3. 【請求項3】 少なくとも一つの不飽和二重結合を有し
    ウレタン結合を有さないメタクリレートが、トリメチロ
    ールプロパントリメタクリレート、1,3−ブチレング
    リコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオール
    ジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレ
    ート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テト
    ラエチレングリコールジメタクリレートの中から選ばれ
    た少なくとも1種類のメタクリレートである請求項1又
    は請求項2に記載の義歯床用補修材組成物。
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