JP2015178692A - ナノファイバーの製造方法、及びナノファイバー - Google Patents

ナノファイバーの製造方法、及びナノファイバー Download PDF

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朋子 高野
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Abstract

【課題】加熱溶融エレクトロスピニング法により製造され、ウェブ状ナノファイバーまたは不織布とした場合のハンドリング性に優れたナノファイバーの製造方法を提供すること。【解決手段】生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、減粘剤を0.001〜5質量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、エレクトロスピニング法により紡糸するナノファイバーの製造方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ナノファイバーの製造方法に関する。特に、加熱溶融エレクトロスピニング法により製造され、ハンドリング性に優れたナノファイバーの製造方法に関する。
繊維径が1000nm未満であるナノファイバーは、従来の繊維に比較して非常に大きな表面積を持つ事や、高度な吸着性、保水性、または吸水性等の特殊な機能が発現することから、種々の用途での活用が期待されている素材である。
近年では、原料を酢酸や炭酸ナトリウムなどの、酸性、或いはアルカリ性の溶液に溶解し、溶液を噴射する際に溶液噴射機の先端に電圧を印加し作成するエレクトロスピニングナノファイバーや、上記のファイバーから得られる人工神経移植物が開示されている(特許文献1)。
また、混合物の無い荷電ポリマー溶融物を、加熱された高速ガスストリームに提供する、ナノファイバーを得るための静電紡糸装置が開示されている(特許文献2)。
さらに、プロピレン系樹脂にトリアジン環構造を有する添加剤を添加し、エレクトロスピニング法により加熱溶融状態で押出紡糸を行うことで得られるナノファイバーが開示されている。エレクトロスピニング紡糸用プロピレン系樹脂組成物が提案されている(特許文献3)。
特表2013−503661号公報 特表2013−519805号公報 特開2012−72514号公報
上記の特許文献1に開示されたナノファイバーは、その製造工程において、極めて細いナノファイバーを製造するため、その原料を十分に溶解させる必要があり、そのため、酸性、またはアルカリ性薬品を用いる。この場合、上記の薬品を除去するため得られたナノファイバーを蒸留水で洗浄する工程が必要となり、生産性に劣るとの課題がある。
また、特許文献2に開示されたナノファイバーは、その原料である熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し行うエレクトロスピニング法で製造されている。その製造工程において、特許文献1に開示されているような酸性、またはアルカリ性薬品は用いないため、特許文献1に記載のナノファイバーが有するような課題は有しない。しかし、その一方で、上記のエレクトロスピニング法では熱可塑性樹脂組成物を紡糸可能な粘度まで下げるために熱を加えるが、高温または長時間の加熱より熱可塑性樹脂組成物が熱分解を起こすため、特許文献2に開示されたナノファイバーを構成する樹脂材料は溶融粘度が低く、かつ紡糸装置のノズルとの摩擦係数の低いものでなければならないとの制限がある。よって、特許文献2に記載のナノファイバーの製造方法では、ポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートなどの、一般的な溶融粘度の樹脂や紡糸装置のノズルとの摩擦抵抗の高い樹脂を用いた場合に、電界による溶融樹脂の分岐や、ガスストリームによる延伸が効率よくなされず、極めて繊維径の小さいファイバーを得ることは困難であるとの課題がある。なお、特許文献2の実施例には、ポリ乳酸のファイバーの製造例が開示されているが、上記のポリ乳酸のファイバーの繊維径は1μmを超えるものであり、ナノファイバーとはいえない。
さらに、特許文献3に開示された熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し行うエレクトロスピニング法によるナノファイバーの製造方法では、ナノファイバーを構成する樹脂材料にトリアジン環構造を有する添加剤を添加し、ナノファイバーを構成する樹脂材料を分極させ、溶融状態の前記樹脂材料の分岐効率の向上を図っている。しかし、それでも、ポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートなどの、一般的な溶融粘度の樹脂や紡糸装置のノズルとの摩擦抵抗の高い樹脂を用いた場合に、ガスストリームによる延伸が効率よくなされず、ナノファイバーを得ることは困難であるとの課題がある。
そこで、本発明は、加熱溶融エレクトロスピニング法により製造され、特に、医療用材料等とした際にハンドリング性に優れる極めて細い繊維径のナノファイバーの製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
(1)生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、減粘剤を0.001〜5質量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、エレクトロスピニング法により紡糸するナノファイバーの製造方法、
(2)前記減粘剤が、炭素数が12〜24の飽和脂肪酸系化合物である(1)に記載のナノファイバーの製造方法、
(3)前記熱可塑性樹脂組成物が、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を0.001〜1質量部含有している(1)または(2)に記載のナノファイバーの製造方法、
(4)前記生体吸収性樹脂がポリ乳酸である(1)〜(3)のいずれかに記載のナノファイバーの製造方法、
(5)前記減粘剤が、前記減粘剤100質量%に対し、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸を40質量%以上100質量%以下含有している(1)〜(4)のいずれかのナノファイバーの製造方法、
(6)前記ステアリン酸マグネシウムおよび前記ステアリン酸の質量比(ステアリン酸マグネシウム/ステアリン酸)が、0.33以上3.00以下である(5)のナノファイバーの製造方法、
(7)(1)〜(6)のいずれかのナノファイバーの製造方法で得られたナノファイバーを成形して得られる医療用材料。
本発明によれば、エレクトロスピニング法により製造され、特に、医療用材料等として用いた際のハンドリング性に優れ、成形加工が容易で、所望の見かけ密度、形状に成形でき、生体吸収性、形状安定性、細胞接着性などの調整が容易な生体吸収性樹脂からなるナノファイバーを提供できる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
本発明のナノファイバーの製造方法は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、減粘剤を0.001〜5質量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、エレクトロスピニング法により紡糸するものである。ポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートは、従来から生体適合性の高い樹脂であるとして医療用材料への使用が検討されている。しかし、それらの樹脂からなるナノファイバーを用いて医療用材料を形成した場合においては、強度等の面で実用に足る医療用材料を得るためにはポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートの分子量をある程度大きいものとする必要がある。すると、それらの溶融粘度により、熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し行うエレクトロスピニング法(以下、加熱溶融エレクトロスピニング法という。)では、ポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートを含有する極細繊維であるナノファイバーの製造は困難であった。このことは、ポリ乳酸やポリエチレンテレフタレートのみならず、ポリ乳酸を含む生体吸収性樹脂についてもいえることである。しかし、本発明者は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、減粘剤0.001〜5質量部を含有させることにより、加熱溶融エレクトロスピニング法で生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレートを含有する極めて細い繊維径のナノファイバーを製造することができることを見出した。さらに、本発明者は、本発明のナノファイバーの製造方法で得られた生体吸収性樹脂/ポリエチレンテレフタレートを含有するナノファイバーを含む不織布(医療用材料)は、さらにハンドリング性に優れることを見出した。
ここで、本発明のナノファイバーとは、ナノメートル(nm)レベルの繊維径を有する繊維を意味し、定義するのであれば、数平均繊維径が1nm以上1μm未満の繊維をいう。ナノファイバーにおいて、繊維断面が円形でない異形断面の場合は、同面積の円形に換算したときの繊維径に基づくものとした。ナノファイバーの数平均繊維径は、繊維の表面積や、高度な吸着性、保水性、または吸水性等の特殊な機能のさらなる向上の観点から、より好ましくは0.75μm以下であり、さらに好ましくは0.61μm以下である。一方、ナノファイバーの平均繊維径の下限については特に限定されないが、生産性とのバランスから、好ましくは0.01μm以上であり、より好ましくは0.1μm以上である。
本発明のナノファイバーを構成する樹脂材料は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレートである。ここで、生体吸収性樹脂とは、生体内、または生体と接触する状態で、生体の保有する酵素や水分、熱により加水分解される樹脂をいう。よって、生体吸収性樹脂を医療用材料として用いた場合には、その医療用材料は生体内で分解されやすいものとなる。また、生体吸収性樹脂には、合成高分子系の生体吸収性樹脂や天然高分子系の生体吸収性樹脂などがある。
合成高分子系の生体吸収性樹脂としては、例えば、(イ)ポリブチレンサクシネートなどの脂肪族類(ロ)ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、もしくは、それらの共重合体である乳酸/グリコール酸コポリマー(PLGA)などのポリラクチド類、(ハ)ポリε−カプロラクトン(PCL)などのポリラクトン類、(ニ)ポリエチレングリコール(PEG)などのポリエーテル類、(ホ)ポリビニルアルコール(PVA)などのポリオール類、(へ)ポリエステルカーボネートなどのポリカーボネート類、または、(ト)その他、ポリ酸無水物、ポリシアノアクリレート、ポリオルソエステル、ポリフォスファゼン、もしくは、ポリブチレンテレフタレート・アジペートなどが挙げられる。
一方、天然高分子系の生体吸収性樹脂としては、例えば、(イ)植物産生性のものでは、(イ)デンプン、アルギン酸、または再生セルロースなどの多糖類、(ロ)動物産生性のものでは、キチン・キトサン、グリコサミノグリカン、ヒアルロン酸などの多糖類、(ハ)コラーゲン、ゼラチン、ペクチド、アルブミン、血漿アルブミン、フィブミンなどのタンパク質、(ニ)微生物産生性のものでは、ポリ(3−ヒドロキシアルカノエート)やヒアルロン酸などが挙げられる。
また、医療用材料としての成形性などの観点から、生体吸収性樹脂としては、ポリラクチド類が好ましく、なかでも、ポリ乳酸(PLA)がより好ましい。ここで、ポリ乳酸(PLA)は、−(O−CHCH−CO)−を繰り返し単位とするポリマーであり、乳酸やラクチド等の乳酸のオリゴマーを重合したものである。乳酸にはD−乳酸とL−乳酸の2種類の光学異性体が存在する。何れかの乳酸の光学純度が高いほどポリ乳酸(PLA)の融点が高くなる。本発明で用いるポリ乳酸(PLA)としては、L体比率が高いもの(PLLA)や、D体比率が高いもの(PDLA)、また双方が混在するもの(PDLLA)も使用できる。
また、生体吸収性は低いが、ポリエチレンテレフタレートについても、生体適合性の高い樹脂であるといわれており、ポリエチレンテレフタレートからなるナファイバーは医療用材料用に活用されていくものと予想される。
また、生体吸収性樹脂またはポリエチレンテレフタレートは、それらの分子量をある程度大きなものとすることで、それらの樹脂をナノファイバーとした際に小さい繊維径でありながら高度な強度を発揮するものとなり、生体吸収性樹脂またはポリエチレンテレフタレートからなるナノファイバーはハンドリング性に優れるものとなる。一方で、生体吸収性樹脂またはポリエチレンテレフタレートの分子量をある程度大きなものとすると、それに伴いそれらの溶融粘度も大きなものとなり、それらの溶融粘度により、従来の加熱溶融エレクトロスピニング法では、それらを含有するナノファイバーの製造は困難なものであったのは上記のとおりである。
本発明で使用される生体吸収性樹脂においては、JIS K7210に準拠して、加熱温度は測定する生体吸収性樹脂の融点より41℃高い温度・荷重は21.2Nで測定されるメルトフローレート(MFR)が、20〜2000g/10minであることが好ましい。生体吸収性樹脂のMFRを20g/10min以上とすることで、より少量の減粘剤の添加でナノファイバーを製造することができ、減粘剤の添加量をより少量とできることで、減粘剤が気化するものである場合にはナノファイバー中に減粘剤由来の気化ガスの混入をより抑制でき、ナノファイバーの強度を向上させ、ウェブ状ナノファイバーまたは不織布とした場合のハンドリング性により優れるナノファイバーを得ることができる。一方、体吸収性樹脂のMFRを2000g/10min以下とすることで、汎用的な押出機を用いての押し出しが可能となる。
また、本発明で使用されるポリエチレンテレフタレートについては、MFR測定時の加熱温度は測定するポリエチレンテレフタレートの融点より20℃高い温度で、上記同様の範囲であることが、同様の理由で好ましい。
上記の各樹脂において所望のMFRを得るためには、MFRは基本的に分子量に依存するので、上記の各樹脂の分子量を制御すればよく、分子量を制御する方法としては、重合温度や水素ガスの供給量の調整あるいは重合停止剤の使用などが挙げられる。
上記の樹脂は、それぞれ単体で用いることも出来るし、複数の樹脂を混合して用いることも可能である。また、上記の樹脂からなる群から選ばれる2種以上の共重合体を用いることも可能である。
本発明のナノファイバーの製造方法で用いる熱可塑性樹脂組成物は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対して、減粘剤0.001〜5質量部を含有させることが必要である。熱可塑性樹脂組成物が、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対して、減粘剤0.001質量部以上を含有することで、加熱溶融エレクトロスピニング法により、平均繊維径の極めて小さい生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレートを含有するナノファイバーを得ることができる。これは、加熱溶融エレクトロスピニング法によりナノファイバーを紡糸する際に、熱可塑性樹脂組成物に含有される減粘剤が、溶融粘度の高い樹脂や、ノズルとの摩擦抵抗の高い樹脂を用いた場合においても、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の流動性を高め、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の電界による分岐や、後述する溶融状態の熱可塑性樹脂組成物のアシストエアーによる延伸を効率よく促進するためであると推測する。一方で、熱可塑性樹脂組成物が、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対して、減粘剤5質量部を超えて含有すると、生体吸収性樹脂やポリエチレンテレフタレートが分解するか、減粘剤が気化するものである場合にはナノファイバー内に減粘剤の気化ガスが多量に混入することによる気泡が発生し、ナノファイバーの強度が低くなるため、ウェブ状ナノファイバーまたは不織布とした場合の実用上のハンドリング性が損なわれる。上記の観点から、減粘剤の含有量の下限は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対して0.02質量部以上であることが好ましく、0.1質量部以上であることがさらに好ましい。一方、上記の観点か、減粘剤の含有量の上限は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対して3質量部以下であることが好ましく、2質量部以下であることがさらに好ましい。
本発明のナノファイバーの製造方法における熱可塑性樹脂組成物に含有される減粘剤としては、流動パラフィン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックスなどの炭化水素系化合物、ステアリルアルコールなどの高級アルコール系化合物または炭素数が12〜24の飽和脂肪酸系化合物が例示できる。これらの中でも、ナノファイバーを医療用材料に用いた場合に生体に害をおよぼさず安全性に優れるとの理由により、減粘剤は炭素数が12〜24の飽和脂肪酸系化合物であることが好ましい。炭素数が12〜24の飽和脂肪酸系化合物としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸およびそれらの金属塩が挙げられ、中でもステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウムが、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレートを含有する溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の流動性をより高めると共に、ノズルとの摩擦抵抗をより低減でき、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の電界による溶融樹脂の分岐や、後述する溶融状態の熱可塑性樹脂組成物のアシストエアーによる延伸が効率よくなされる。上記の観点から、ステアリン酸マグネシウムが、特に好ましく使用される。また、上記に例示した減粘剤は単独で用いてもよいし、複数種類のものを混合して用いてもよい。
上記に例示した減粘剤のうち、複数種類を組み合わせて用いる場合は、特に好ましくは、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸とを混合し、用いることが好ましい。ステアリン酸マグネシウムは、特に溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の流動性を高める効果に優れている、一方、ステアリン酸は溶融状体の熱可塑性樹脂組成物とノズルとの摩擦抵抗を低減する効果に優れている。従って、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸とを混合し、用いることにより、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の流動性を高めると共に、熱可塑性樹脂組成物とノズルとの摩擦抵抗を低減でき、得られるナノファイバーの平均繊維径をより細くでき、かつ、そのナノファイバーをウェブ状や不織布にした際に、そのハンドリング性をより優れたものとできるといった、特に優れた効果を発揮する。
ここで、複数種類の減粘剤を用いる場合においても、減粘剤の含有量は、複数種類の減粘剤の総量で上記のとおりである。また、減粘剤として、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸とを混合を混合して用いる場合、減粘剤は、減粘剤100質量%に対し、ステアリン酸マグネシウムとステアリン酸を合計で40質量%以上100質量%以下含有していることが好ましい。また、その場合のステアリン酸マグネシウムとステアリン酸との質量比(ステアリン酸マグネシウム/ステアリン酸)は、0.33以上3.00以下であることが好ましい。その質量比を0.33以上とすることで、ナノファイバーをウェブ状や不織布とした際に、そのハンドリング性をより優れたものとできる。一方で、その質量比を3.00以下とすることで、得られるナノファイバーの平均繊維径をより細くすることができる。上記の観点から、その質量比の下限は0.54以上であることがより好ましく、その質量比の上限は1.86以下であることがより好ましい。
また、本発明のナノファイバーの製造方法における熱可塑性樹脂組成物は、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を0.001〜1質量部含有していることが好ましい。ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤は、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物への電界の作用が働いた際に、分極剤として作用し、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の分岐の効率をより向上させることができる。ここで、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し0.01質量部以上、含有させることで、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の分岐の効率をさらに向上させることができる。一方、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し1質量部以下、含有させることも、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の分岐の効率をさらに向上させることができる。上記の観点から、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し0.1質量部以上含有していることがより好ましく、0.3質量部以上含有していることがさらに好ましい。一方で、上記の観点から、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し0.9質量部以下含有していることがより好ましい。また、ヒンダードアミン系添加剤またはトリアジン系添加剤のいずれか一方のみを熱可塑性樹脂組成物に添加する場合には、より細い繊維径のナノファイバーを安定して得ることができる観点からヒンダードアミン系添加剤を添加することが好ましい。
ヒンダードアミン系添加剤としては例えば、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン共重合物、ビス(1、2、2、6、6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3、5−ビス(1、1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、N−N’−ビス(2、2、6、6−テトラメチル−4−ピペリジル)−N−N’−ジホルミルヘキサメチレンジアミンなどが挙げられる。中でも、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2、2、6、6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重縮合物、または、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン共重合物が、樹脂との相溶性の観点の観点から、好ましく用いられる。
トリアジン系添加剤としては例えば、N,N´−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン−2,4−ビス[N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ]−6−クロロ−1,3,5−トリアジン縮合物、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)−フェノールが挙げられる。中でも、ポリ[(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)]が分極剤としての実効が得られやすく、好ましく用いられる。
本発明に用いる加熱溶融エレクトロスピニング装置は特に限定されたものではないが、大きくは、熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融して押し出す加熱溶融押出部、溶融した樹脂を吐出するノズル部、電圧を印加してナノファイバー化する電圧印加部、得られたナノファイバーを捕集する捕集部とからなることが好ましい。熱可塑性樹脂の軟化点温度以上、さらに好ましくは融点以上に昇温された加熱溶融押出部に、減粘剤を熱可塑性樹脂100質量部に対し、0.001〜5質量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を投入し、加熱溶融により可塑化させ、押し出し、ノズル部から吐出する。ノズルから吐出された熱可塑性樹脂に電圧印加部で電圧を印加してナノファイバー化する。電圧を印加する方法としては、ノズルと捕集部との間に高電圧を印加してもよいし、ノズル部近傍に独立した電極を設けて電圧を印加してもよい。また、必要に応じてノズル後部から吐出された熱可塑性樹脂流体に向けて熱風を吹き付けて、紡糸をアシストしてもよい。このとき、熱可塑性樹脂組成物には減粘剤が特定量含有されているため、溶融状態の熱可塑性樹脂組成物の流動性が向上し繊維径が極めて細い、ナノファイバーを安定して得ることができる。このようにして得られたナノファイバーは、搬送ネットや不織布基材シートや織物等の布帛などに捕集してウェブ状ナノファイバーとして得ることができる。
本発明の製造方法で得られるウェブ状ナノファイバーは、シート状物やブロック状物などとすることでより優れたハンドリング性が付与され医療用材料として好適に用いられる。上記のシート状物の一形態としては、不織布がある。ナノファイバーからなるシート状物やブロック状物は、加熱溶融エレクトロスピニング法により製造したウェブ状ナノファイバーを成形することにより得ることができる。
シート状物としては、具体的には、ボード、フィルムや不織布などが挙げられるが、医療用材料として臓器や皮膚、粘膜に貼り付けて使用する場合は、臓器などへの追従性の観点から不織布であることが好ましい。
また、ウェブ状ナノファイバーを成形する方法としては、具体的には、平板プレス成形法、金型プレス成形法、エンボスロール法やカレンダー加工法などが挙げられるが、不織布を効率よく生産する観点では、カレンダー加工法が好ましい。
本実施例で用いた測定法を下記に示す。
(1)ナノファイバーの平均繊維径
ナノファイバーの平均繊維径は、ウェブ状ナノファイバーの面の幅方向の中央部から5mm角のサンプルを取得し、次のようにして求める。すなわち、走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3500N型)にて倍率3,000倍で撮影したナノファイバーの集合体の写真を、画像処理ソフト(WINROOF)を用いて、5mm角のサンプル内で無作為抽出した50本の単繊維直径をnm単位で小数の1桁目まで測定して少数の1桁目を四捨五入する。サンプリングは、合計5回行って各50本の単繊維直径のデータを取り、合計250本の単繊維直径のデータを積算後、全数で除して単純平均値を求めたものを平均繊維径(μm)とした。
(2)不織布の目付
JIS L1906(2000)5.2の方法により目付を測定した。得られた不織布を20℃×65%RHの温湿度で24時間調湿し、その後、上記不織布の異なる箇所から5cm角のサイズの試験片を採取し、それぞれの質量(g)を測定、1m当たりの質量(g/m)に換算した。前記の測定をn=3で実施し、その平均値を不織布の目付(g/m)とした。
(3)不織布の厚み
得られた不織布を20℃×65%RHの温湿度で24時間調湿し、PEACOCK社製接触式ダイヤルゲージ(形式:G2−205)にて厚みを測定した。前記の測定をn=10で実施し、その平均値を不織布の厚み(μm)とした。
(4)不織布の見かけ密度
不織布の目付、厚みから、下式により見かけ密度を算出した。
不織布の見かけ密度(g/cm)=不織布の目付(g/m)/不織布の厚み(μm)
(5)ウェブ状ナノファイバー、不織布のハンドリング性
得られたウェブ状ナノファイバー、不織布を以下の基準で官能評価した。
○:ウェブ状ナノファイバー、成形後の不織布の双方とも破れや切れは発生せず問題なくハンドリングできる。
△:ウェブ状ナノファイバーの不織布基材シートからの剥離は問題なかったが、成形後の不織布はハンドリング時に、簡単に破れる。
×:ウェブ状ナノファイバーを不織布基材シートから剥離する際に破れが発生しハンドリング困難である。
(6)MFR
JIS K7210に準拠して、加熱温度210℃・荷重21.2Nにて生体吸収性樹脂のMFRを測定し、JIS K7210に準拠して、加熱温度280℃・荷重21.2NにてポリエチレンテレフタレートのMFRを測定した。
(実施例1)
80℃×24hrの条件で真空乾燥したPLA樹脂(PLLA、分子量(Mw):80000、融点(Tm):169℃、MFR:78g/10min)100質量部、上記のPLA樹脂100質量部に対して減粘剤としてステアリン酸マグネシウム(和光純薬工業製)0.002質量部を電気的に接地されている押出機に供給して300℃の温度で溶融混練し、紡糸ノズルから押出した。この際に紡糸ノズル後部から吐出された樹脂流体に向けて300℃の熱風を吹き付け、更にノズルの側面から独立した電極により20kVの電圧を印加させ、1m/minの速度で駆動する不織布基材シートに吹き付けた後、不織布基材シートからウェブ状ナノファイバーを剥離することにより、繊維を捕集した。得られた繊維の繊維径は0.92μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を10cm角に裁断し、目付が100g/mとなる様に積層し、2枚のSUS板に挟んで、温度20℃、面圧力1.0MPaの条件で成形し、目付101g/m、厚み198μm、見かけ密度0.51g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.02質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.75μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付103g/m、厚み204μm、見かけ密度0.50g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.05質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.72μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付104g/m、厚み203μm、見かけ密度0.51g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例4)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.10質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.69μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付96g/m、厚み202μm、見かけ密度0.48g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例5)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.50質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.61μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付98g/m、厚み203μm、見かけ密度0.48g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例6)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を1.00質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.59μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付103g/m、厚み199μm、見かけ密度0.52g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例7)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を2.00質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.54μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付101g/m、厚み197μm、見かけ密度0.51g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例8)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を3.00質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.51μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付104g/m、厚み195μm、見かけ密度0.53g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーを不織布基材シートより剥離させる際には破れや切れは発生しなかったが、成形後の不織布に破れや切れが発生し、ハンドリング性は、やや劣るもの(△)であった。
(実施例9)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を4.00質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.48μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付102g/m、厚み192μm、見かけ密度0.53g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーを不織布基材シートより剥離させる際には破れや切れは発生しなかったが、成形後の不織布に破れや切れが発生し、ハンドリング性は、やや劣るもの(△)であった。
(実施例10)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.10質量部に変更し、更にヒンダードアミン系添加剤として、オレフィン(C20−C24)・無水マレイン酸・4−アミノ−2、2、6、6−テトラメチルピペリジン共重合物(BASF社製、製品名:Uvinul 5050H)を0.50質量部添加し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.42μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付98g/m、厚み196μm、見かけ密度0.50g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は、良好(○)であった。
(実施例11)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.10質量部に変更し、更にトリアジン系添加剤として、ポリ〔(6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)イミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)((2,2,6,6−テトラメチル−4−ペピリジル)イミノ)ヘキサメチレン((2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ)〕(BASF社製キマソーブ944)を0.50質量部添加し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.55μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付97g/m、厚み197μm、見かけ密度0.49g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は、良好(○)であった。
(実施例12)
実施例2と同様の方法で、PLA樹脂をポリエチレンテレフタレート(融点(Tm):260℃、MFR:82g/10min)に変更し、溶融混練する温度を340℃に変更し繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.82μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付102g/m、厚み223μm、見かけ密度0.46g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(実施例13)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を0.05質量部に変更し、更に、PLA樹脂100質量部に対してステアリン酸を0.05質量部添加し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.41μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付101g/m、厚み196μm、見かけ密度0.52g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は良好(○)であった。
(比較例1)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムを添加せず、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は1.98μmと太いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付101g/m、厚204μm、見かけ密度0.50g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバーおよび不織布のハンドリング性は、良好(○)であった。
(比較例2)
実施例1と同様の方法で、ステアリン酸マグネシウムの添加率を6.00質量部に変更し、繊維を製作した。得られた繊維の繊維径は0.42μmと細いものであった。
得られたウェブ状の繊維を実施例1と同様の方法で成形し、目付103g/m、厚み196μm、見かけ密度0.53g/cmの不織布を得た。得られたウェブ状ナノファイバー、不織布のハンドリング性は、劣るもの(×)であった。
Figure 2015178692
本発明のナノファイバーは、加熱溶融エレクトロスピニング法により製造され、得られたナノファイバーは、それをウェブ状ナノファイバーまたは不織布とした場合のハンドリング性に優れるため医療用材料等として好適に用いられる。

Claims (7)

  1. 生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、減粘剤を0.001〜5質量部含有してなる熱可塑性樹脂組成物を加熱溶融し、エレクトロスピニング法により紡糸するナノファイバーの製造方法。
  2. 前記減粘剤が、炭素数が12〜24の飽和脂肪酸系化合物である請求項1に記載のナノファイバーの製造方法。
  3. 前記熱可塑性樹脂組成物が、生体吸収性樹脂および/またはポリエチレンテレフタレート100質量部に対し、ヒンダードアミン系添加剤および/またはトリアジン系添加剤を0.001〜1質量部含有している請求項1または2に記載のナノファイバーの製造方法。
  4. 前記生体吸収性樹脂がポリ乳酸である請求項1〜3のいずれかに記載のナノファイバーの製造方法。
  5. 前記減粘剤が、前記減粘剤100質量%に対し、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸を40質量%以上100質量%以下含有している請求項1〜4のいずれかに記載のナノファイバーの製造方法。
  6. 前記ステアリン酸マグネシウムおよび前記ステアリン酸の質量比(ステアリン酸マグネシウム/ステアリン酸)が、0.33以上3.00以下である請求項5に記載のナノファイバーの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載のナノファイバーの製造方法で得られたナノファイバーを成形して得られる医療用材料。
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