JP5047848B2 - 生分解性不織布のエレクトレット体及びフィルター - Google Patents

生分解性不織布のエレクトレット体及びフィルター Download PDF

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本発明は、生分解性を有する不織布のエレクトレット体及びフィルターに関する。
従来から、不織布などの布帛又は繊維製品は、網目構造を有しているため、エアフィルターやマスクフィルターなどのフィルター材として利用されている。近年、このようなフィルター材のフィルター特性を向上させるため、不織布などの布帛に比較的長寿命の静電荷を付与するエレクトレット化処理が施されている。エレクトレット化処理された不織布は、網目構造によるフィルター機構に加えて、静電荷によって微粒子を捕捉可能となる。特に、エレクトレット化された不織布では、繊維の網目を大きくしても、塵埃などの微粒子を捕捉できるため、通気性と濾過性との両立が可能となる。エレクトレット化の比較的容易な不織布としては、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系繊維などで構成された布帛などが知られている。
一方で、近年、環境的な問題から、生分解性プラスチックの利用が望まれている。このような状況の下、エレクトレット化された布帛フィルターにおいても、生分解性プラスチックの利用が検討されている。
例えば、特許第3716969号公報(特許文献1)には、平均繊維径が0.1〜20μmの融点が130℃以上の脂肪族ポリエステルを主成分とするポリマー繊維で構成された不織布フィルターのエレクトレット体が開示されている。この文献では、メルトブローン法を用いて不織布が製造され、脂肪族ポリエステルとして、ポリ乳酸の末端に高級脂肪族アルコールやカルボン酸を付加した共重合体を利用することが記載されている。また、特開2004−10754号公報(特許文献2)には、ポリ乳酸において、D体とL体との混合比率を調整したポリ乳酸系ポリマーをメルトブローン法で紡糸した不織布のエレクトレット体が提案されている。しかし、これらのフィルターでは、帯電効果が充分でなく、ポリ乳酸繊維の熱収縮が大きく、加工性が低い。
特開2005−511899号公報(特許文献3)には、ポリ乳酸などの脂肪族ポリエステル系フィルムを延伸してミクロフィブリル化することにより製造した繊維状エレクトレットフィルターが提案されている。この文献には、延伸によりミクロボイドを形成した後に、ミクロフィブリル化する方法が開示され、ボイド開始成分として、ポリプロピレンなどの半結晶質ポリマーが例示されている。しかし、このフィルターも帯電効果が充分でなく、生産性も低い。
なお、本出願人は、特開2007−197857号公報(特許文献4)において、ポリ乳酸で構成された不織布の機械的特性(熱収縮など)を向上させる観点から、ポリ乳酸とポリオレフィンとを、ポリ乳酸/ポリオレフィン=50/50〜99/1の質量比で含有するポリ乳酸組成物で構成された繊維からなるメルトブローン不織布を提案している。しかし、この文献には、エレクトレット化については記載されていない。
特許第3716969号公報(請求項1及び2、段落[0008]、実施例) 特開2004−10754号公報(請求項1、段落[0037]〜[0039]、実施例) 特開2005−511899号公報(段落[0043]〜[0050][0078][0106]) 特開2007−197857号公報(請求項1及び5、段落[0028])
従って、本発明の目的は、生分解性を有し、かつ帯電寿命の長い不織布エレクトレット体及びこのエレクトレット体で構成されたフィルターを提供することにある。
本発明の他の目的は、高温及び高湿度下でも帯電寿命が長い生分解性不織布エレクトレット体及びこのエレクトレット体で構成されたフィルターを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成された不織布をエレクトレット化すると、高い生分解性を損なうことなく、帯電寿命を向上できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の不織布は、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成され、かつエレクトレット化されている。前記脂肪族ポリエステル系樹脂と前記オレフィン系樹脂との割合(質量比)は、脂肪族ポリエステル系樹脂/オレフィン系樹脂=50/50〜99/1(特に70/30〜95/5)程度であり、アロイ繊維中において、脂肪族ポリエステル系樹脂がマトリックス相を構成し、オレフィン系樹脂が分散相を構成していてもよい。前記脂肪族ポリエステル系樹脂はポリ乳酸系樹脂であってもよく、かつ前記オレフィン系樹脂はポリプロピレン系樹脂であってもよい。本発明の不織布は、メルトブローン不織布であってもよく、ヒンダードアミン系化合物を含んでいてもよい。
本発明には、前記不織布で構成されたフィルター(マスクフィルターなど)も含まれる。
なお、本願明細書では、「フィルター」の用語には、濾過機能を有するフィルターの他、塵埃などの微粒子を捕捉可能な特性を有する部材(マスク、防塵衣、ワイパーなど)も含む意味で用いる。
本発明の不織布エレクトレット体は、脂肪族ポリエステル系樹脂とオレフィン系樹脂のアロイ繊維で構成されているため、生分解性を有し、かつ帯電寿命が長い。特に、生分解性が高く、エレクトレット効果の低い脂肪族ポリエステル系樹脂がリッチな繊維で構成された不織布であるにも拘わらず、優れたエレクトレット特性を示す。さらに、高温及び高湿度下でも帯電寿命が長く、かつ寸法安定性にも優れている。
[不織布]
本発明の不織布は、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成されている。
(脂肪族ポリエステル系樹脂)
脂肪族ポリエステル系樹脂としては、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールとの重縮合により得られるホモポリエステル又はコポリエステル、脂肪族オキシカルボン酸のホモポリエステル又はコポリエステル、環状エステルを開環重合して得られるホモポリエステル又はコポリエステルなどが挙げられる。さらに、共重合体は、脂肪族ジカルボン酸と脂肪族ジオールと、脂肪族オキシカルボン酸及び/又は環状エステルとの共重合体、脂肪族オキシカルボン酸と環状エステルとの共重合体であってもよい。
脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの炭素数2〜6程度の脂肪族ジカルボン酸などが挙げられる。これらの脂肪族ジカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、シュウ酸、コハク酸などの炭素数2〜4程度の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
脂肪族ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ノナンジオール、デカンジオールなどのC2-10アルカンジオールが挙げられる。これらの脂肪族ジオールは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、エチレングリコール、1,4−ブタンジオールなどのC2-6アルカンジオールなどが好ましい。
脂肪族オキシカルボン酸としては、例えば、グリコール酸、乳酸、ヒドロキシプロピオン酸、ヒドロキシ酪酸、ヒドロキシ吉草酸、ヒドロキシカプロン酸、リンゴ酸などの脂肪族C2-6オキシカルボン酸などが挙げられる。これらの脂肪族オキシカルボン酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、グリコール酸や乳酸などの脂肪族C2-4オキシカルボン酸が好ましい。
環状エステルとしては、例えば、プロピオラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン、カプロラクトン、ピバロラクトン、ウンデカラクトン、1,5−オキセパン−2オンなどのC4-12ラクトン、グリコリド、ラクチドなどのオキシカルボン酸二量体などが挙げられる。これらの環状エステルは、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのうち、カプロラクトンなどのC4-10ラクトンや、ラクチドなどのオキシカルボン酸二量体が好ましい。なお、開環重合における開始剤としては、例えば、2官能や3官能の開始剤、例えば、アルコールなどの活性水素化合物が使用できる。
さらに、共重合体は、前記成分以外の他の共重合成分との共重合体であってもよい。他の共重合成分には、ポリC2-6アルキレングリコール(ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリC2-4アルキレングリコールなど)、炭素数7〜12程度の脂肪族ジカルボン酸(ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジオン酸など)、ポリオール(グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどのC3-10ポリオール、糖など)などが含まれていてもよい。必要であれば、生分解性を損なわない範囲で、脂環族又は芳香族ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのC4-10シクロアルカンジオール、ビスフェノールAなどのビスフェノール化合物又はそのエチレンオキサイド付加体など)、脂環族又は芳香族ジカルボン酸[シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス(p−カルボキシフェニル)メタン、アントラセンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、5−テトラブチルホスホニウムイソフタル酸などのC8-12芳香族ジカルボン酸など]、脂環族又は芳香族オキシカルボン酸(ヒドロキシ安息香酸などの芳香族ヒドロキシカルボン酸など)などを共重合してもよい。
具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂としては、例えば、ジカルボン酸とジオールとの重縮合から得られるポリエステル系樹脂(例えば、ポリエチレンオギザレート、ポリプロピレンオギザレート、ポリブチレンオギザレート、ポリネオペンチレンオギザレート、ポリエチレンマロネート、ポリプロピレンマロネート、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンアジペート、ポリブチレンアジペートなどのポリC2-6アルキレンC2-6カルボキシレートなど)、ポリオキシカルボン酸系重合体(例えば、ポリグリコール酸やポリ乳酸など)、ポリラクトン系重合体[例えば、ポリカプロラクトンなどのポリC3-12ラクトン系重合体など]などが挙げられる。コポリエステルの具体例としては、例えば、2種類のジカルボン酸成分を用いたコポリエステル(例えば、ポリエチレンサクシネート−アジペート共重合体、ポリブチレンサクシネート−アジペート共重合体などのポリC2-4アルキレンサクシネート−アジペート共重合体など)、ジカルボン酸成分とジオール成分とラクトンとから得られるコポリエステル(例えば、ポリカプロラクトン−ポリブチレンサクシネート共重合体など)などが例示できる。これらの脂肪族ポリエステル系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの脂肪族ポリエステル系樹脂のうち、生分解性が高い点から、ポリ乳酸系樹脂が好ましい。乳酸は、非石油原料であるとうもろこしやイモ類などの澱粉を醗酵して得られるため、環境保全の点でも優れている。
ポリ乳酸系樹脂は、乳酸を主要な構成単位として含んでいればよい。乳酸には、L−乳酸、D−乳酸、L−乳酸及びD−乳酸の混合体(DL−乳酸又はラセミ体)が含まれる。これらの乳酸は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。乳酸は、帯電性や寸法安定性、特に、電荷の保有率を向上できる点から、結晶性の高い樹脂が好ましい。そのような樹脂としては、L−乳酸又はD−乳酸のいずれかの乳酸の含有率が60質量%以上(例えば、60〜100質量%)、好ましくは90質量%以上(例えば、90〜99.99質量%)、さらに好ましくは95質量%以上(例えば、95〜99.9質量%)である乳酸(又はその二量体であるラクチド)を原料として得られるポリ乳酸系樹脂(ポリL−乳酸系樹脂又はポリD−乳酸系樹脂)が好ましい。
さらに、結晶性の高いポリ乳酸系樹脂を得るためには、L体の純度の高い乳酸を用いてポリ乳酸系樹脂を合成するのが好ましい。すなわち、ポリ乳酸系樹脂において、例えば、ポリ乳酸としては、L体を主体とし、結晶性を高めるために、D体の割合を15質量%以下(例えば、0〜15質量%、好ましくは0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜5質量%(特に1〜5質量%程度)に調整したポリ乳酸であってもよい。
ポリ乳酸系樹脂中のL体又はD体の量は、例えば、ガスクロマトグラフィーを用いて測定することができる。
ポリ乳酸系樹脂において、構成単位としての乳酸の割合は、例えば、全構成単位のうち、例えば、50モル%以上であればよく、好ましくは80〜100モル%(例えば、80〜99.9モル%)、さらに好ましくは90〜100モル%(特に95〜100モル%)程度であってもよい。他の構成単位は、本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて含有することができる。
共重合体は、乳酸(又はラクチド)と他の前記脂肪族オキシカルボン酸との共重合体、乳酸(又はラクチド)と他の前記環状エステルとの共重合体、乳酸(又はラクチド)と前記脂肪族ジカルボン酸と前記脂肪族ジオールとの共重合体などが挙げられる。さらに、前述の他の共重合成分を共重合してもよい。具体的には、ポリ乳酸−グリコール酸共重合体、ポリ乳酸−ヒドロキシプロピオン酸共重合体、ポリ乳酸−ヒドロキシ酪酸共重合体、ポリ乳酸−ポリエチレンオギザレート共重合体、ポリ乳酸−ポリプロピレンオギザレート、ポリ乳酸−ポリエチレンマロネート共重合体、ポリ乳酸−ポリエチレンサクシネート、ポリ乳酸−ポリエチレンアジペート、ポリラクチド−グリコリド共重合体、ポリラクチド−プロピオラクトン共重合体、ポリラクチド−ブチロラクトン共重合体、ポリラクチド−カプロラクトン共重合体などが挙げられる。
脂肪族ポリエステル系樹脂(特にポリ乳酸系樹脂)は、末端に遊離のヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有していてもよく、これらの遊離の官能基は封鎖剤(例えば、カルボジイミド化合物など)などで封鎖されていてもよい。
脂肪族ポリエステル系樹脂(特にポリ乳酸系樹脂)のメルトフローレート(MFR)は、JIS K 7210に準じた方法(190℃、荷重2.16kgf)で、例えば、1g/10分以上、好ましくは3〜500g/10分、さらに好ましくは5〜100g/10分(10〜50g/10分)程度であってもよい。MFRがこの範囲にあると、流動性が向上し、後述するオレフィン系樹脂のMFRを調整することにより、両樹脂の相分離構造を調整でき、エレクトレット効果を向上できる。また、紡糸性が向上し、繊維径が細く地合の均一な不織布が得られ易い。
脂肪族ポリエステル系樹脂(特にポリ乳酸系樹脂)の分子量は、特に制限されないが、例えば、重量平均分子量で30,000〜1,000,000、好ましくは50,000〜700,000、さらに好ましくは80,000〜500,000(特に100,000〜300,000)程度である。
脂肪族ポリエステル系樹脂(特にポリ乳酸系樹脂)の融点は、分子量、立体規則性、他の共重合単位の有無や共重合率などによって変化するが、例えば、95〜230℃、好ましくは110〜200℃、さらに好ましくは125〜175℃(特に150〜175℃)程度である。融点がこの範囲にあると、オレフィン系樹脂とのアロイの紡糸性、力学的特性、耐熱性などが向上するとともに、入手が容易である点からも好ましい。
(オレフィン系樹脂)
オレフィン系樹脂には、オレフィンの単独又は共重合体が含まれる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどのα−C2-10オレフィン(好ましくはα−C2-8オレフィン、さらに好ましくはα−C2-4オレフィン)などが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で又は2種以上組み合わせて使用してもよい。これらのオレフィンのうち、エチレン及び/又はプロピレンを含むのが好ましい。
オレフィン系樹脂は、オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、例えば、重合性ニトリル化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸など)、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、共役ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが例示できる。共重合性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。共重合性単量体の割合は、全単量体中0〜50モル%、好ましくは0.1〜25モル%、さらに好ましくは1〜10モル%程度である。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80モル%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂などが挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体などが例示できる。
前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性単量体との共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
さらに、オレフィン系樹脂は、官能基を有する化合物で変性された変性オレフィン系樹脂、特に、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性された酸変性オレフィン系樹脂(例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなど)であってもよい。
これらのオレフィン系樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのオレフィン系樹脂のうち、エレクトレット効果及び機械的特性(寸法安定性など)を向上できる点から、ポリプロピレン系樹脂が好ましい。
ポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンホモポリマー(プロピレン単独重合体)の他、ポリプロピレンコポリマー(プロピレン系共重合体)であってもよい。
ポリプロピレン系樹脂において、コポリマーにおける共重合性単量体としては、例えば、プロピレンを除くオレフィン類(例えば、エチレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチルペンテン、4−メチルペンテンなどのα−C2-6オレフィンなど)、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸C1-6アルキルエステルなど]、不飽和カルボン酸類(例えば、無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが挙げられる。これらの共重合性単量体は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの共重合性単量体のうち、オレフィン類、特にエチレンが好ましい。コポリマーには、ランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が含まれる。
コポリマーの場合、共重合性単量体の割合は、20モル%以下、例えば、0.1〜10モル%程度であってもよい。コポリマーとしては、例えば、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体、無水マレイン酸変性ポリプロピレンなどが挙げられる。本発明では、これらのポリプロピレン系樹脂の中でも、流動性や耐熱性などの点から、ポリプロピレンホモポリマーが好ましい。
オレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(230℃、荷重2.16kgf)で、例えば、10g/10分以上、好ましくは50〜2000g/10分、さらに好ましくは100〜1500g/10分(特に300〜1200g/10分)程度である。
さらに、本発明では、相分離構造を制御し、エレクトレット効果を向上させる点から、脂肪族ポリエステル系樹脂とオレフィン系樹脂とのMFRの比率は、両者の質量比率によっても変わるが(特に、脂肪族ポリエステル系樹脂の割合が多い場合)、通常、脂肪族ポリエステル系樹脂/オレフィン系樹脂=1/1〜1/200、好ましくは1/3〜1/150、さらに好ましくは1/5〜1/100(特に1/10〜1/80)程度である。前記MFR比がこの範囲にあると、脂肪族ポリエステル系樹脂とオレフィン系樹脂との相分離構造において、オレフィン系樹脂が充分に均一に分散し、両樹脂の界面が増加するためか、電荷の保有率が高くなり、エレクトレット効果の持続率(特に湿熱環境下における持続率)が向上する。
オレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の分子量は、特に制限されないが、例えば、数平均分子量で3,000〜500,000、好ましくは5,000〜300,000、さらに好ましくは10,000〜100,0000程度である。
オレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)の融点は、例えば、140〜180℃、好ましくは145〜175℃、さらに好ましくは150〜170℃程度であってもよい。
脂肪族ポリエステル系樹脂とオレフィン系樹脂との割合は、高い生分解性を保持する観点から、脂肪族ポリエステル系樹脂が主成分であるのが好ましい。具体的には、両者の割合(質量比)は、脂肪族ポリエステル系樹脂/オレフィン系樹脂=50/50〜99/1、好ましくは60/40〜97/3、さらに好ましくは70/30〜95/5(特に75/25〜93/7)程度である。本発明では、エレクトレット効果の低い脂肪族ポリエステル系樹脂が多い割合であるにも拘わらず、両樹脂の相分離構造を制御することにより高いエレクトレット効果を有している。
その理由は、前述のMFR値を有する両樹脂を、前記割合で溶融混合することにより、アロイ繊維中において、脂肪族ポリエステル系樹脂がマトリックス相となり、オレフィン系樹脂が微細で均一な分散相となることにより、両樹脂の界面において電荷を安定して保有できるためであると推定される。
(アロイ繊維の構造)
アロイ繊維の構造は、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂のアロイ構造であるが、特に、前述のように、脂肪族ポリエステル系樹脂がマトリックス相を構成し、オレフィン系樹脂が分散相を構成する構造が好ましい。このような相分離構造において、オレフィン系樹脂で構成される分散相は、前述の割合でマトリックス中に微細かつ均一に分散し、かつその平均径は、例えば、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μm、さらに好ましくは0.25〜1μm(特に0.3〜0.5μm)程度である。
アロイ繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
アロイ繊維の平均繊維径は、柔軟性や通気性などの点から、例えば、0.1〜100μm程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜20μm、好ましくは0.5〜15μm、さらに好ましくは0.7〜12μm程度である。繊維径が細すぎると、繊維そのものが製造し難くなることに加え、繊維強度を確保し難い。一方、繊維径が太すぎると、繊維が剛直となり、十分な捲縮を発現し難くなる。さらに、このような細い繊維径を有すると、フィルター特性が向上する。
アロイ繊維の平均繊維長は、繊維同士の絡み合いによって不織布の形態を維持できれば、特に限定されず、その製造方法に応じて選択でき、例えば、10mm以上、好ましくは20mm以上であればよい。メルトブローン不織布の場合は、通常、連続繊維である。
(任意成分)
アロイ繊維は、前記樹脂以外に、繊維における帯電を促進又は安定化させる化合物(帯電性向上剤)を含有するのが好ましい。帯電性向上剤は、慣用の添加剤を単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、例えば、トリアジン化合物[例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)フェノールなどのトリアジン環含有フェノール類など]、脂肪族金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどのC8-24カルボン酸金属塩など)などであってもよいが、前記樹脂との組み合わせにおいて高いエレクトレット効果を発揮できる点から、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。ヒンダードアミン系化合物としては、分子中に少なくとも一個の2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基を有する化合物が挙げられ、低分子から高分子まで利用できる。
低分子ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギサレート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカンなどが挙げられる。
高分子ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−t−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などが挙げられる。
これらのヒンダードアミン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのヒンダードアミン系化合物のうち、帯電効果の持続力が高い点などから、高分子ヒンダードアミン系化合物が好ましい。高分子ヒンダードアミン系化合物としては、チバ・ジャパン(株)製「キマソープ944」「チヌビン622」などが市販品として入手容易である。
帯電性向上剤の割合は、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂の合計100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部、さらに好ましくは0.5〜4質量部(特に1〜3質量部)程度である。
アロイ繊維は、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物以外の光安定剤、酸化防止剤など)、抗菌剤、消臭剤、香料、着色剤(染顔料など)、充填剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、種類に応じて選択できるが、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂の合計100質量部に対して、0.01〜30質量部、好ましくは0.1〜20質量部、さらに好ましくは0.3〜10質量部(特に0.5〜5質量部)である。
さらに、アロイ繊維は、前記樹脂の特性を損なわない割合で、他の樹脂、例えば、アクリル系樹脂、ポリビニルアセタール系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリ塩化ビニリデン系樹脂、スチレン系樹脂、芳香族ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、ポリウレタン系樹脂、セルロース系樹脂などを含んでいてもよい。他の樹脂の割合は、生分解性及びエレクトレット効果を損なわない範囲で配合でき、例えば、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂の合計100質量部に対して、10質量部以下(例えば、0〜10質量部)、好ましくは5質量部以下(例えば、0.01〜5質量部)、さらに好ましくは3質量部以下(例えば、0.1〜3質量部)である。
なお、前記任意成分のうち、樹脂成分以外の成分は、前記樹脂と混合されアロイ繊維中に含まれていてもよく、繊維(不織布)の表面に付着(担持)されていてもよい。繊維中に含まれる場合には、紡糸原液に混合され、繊維表面に担持される場合には、不織布に添加される。一方、樹脂成分は、通常、繊維中に含まれる。
(他の繊維)
本発明の不織布は、前記アロイ繊維で構成されているが、生分解性及びエレクトレット効果を損なわない範囲で、前記アロイ繊維に加えて他の繊維と混繊されていてもよい。他の繊維としては、慣用の繊維、例えば、有機繊維(ポリビニルアルコール系繊維、アクリロニトリル系繊維、ポリアセタール系繊維、芳香族ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、ポリウレタン系繊維、セルロース系繊維など)、無機繊維(ガラス繊維、炭素繊維など)などが挙げられる。これら他の繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
アロイ繊維と他の繊維との割合(質量比)は、例えば、アロイ繊維/他の繊維=80/20〜100/0(例えば、80/20〜99.5/0.5)、好ましくは90/10〜100/0(例えば、90/10〜99/1)、さらに好ましくは95/5〜100/0程度である。
(不織布構造及びエレクトレット体)
本発明の不織布は、各繊維がお互いに絡み合って拘束又は掛止された構造を有し、その外部形状は、用途に応じて選択すればよいが、通常、板状又はシート状である。
不織布の目付は、例えば、0.1〜500g/m2程度の範囲から選択でき、例えば、0.5〜200g/m2、好ましくは1〜80g/m2、さらに好ましくは3〜50g/m2程度である。不織布の厚みは、例えば、0.1〜10mm程度の範囲から選択でき、例えば、0.2〜5mm、好ましくは0.3〜3mm、さらに好ましくは0.4〜2mm程度である。目付や厚みがこの範囲にあると、不織布の通気性や柔軟性と強度とのバランスが良くなる。
不織布の通気度は、フラジール形法による通気度で0.1cm3/(cm2・秒)以上であり、例えば、1〜500cm3/(cm2・秒)、好ましくは5〜300cm3/(cm2・秒)、さらに好ましくは10〜200cm3/(cm2・秒)程度である。
本発明の不織布は、前記アロイ繊維で形成されると共に、エレクトレット化されている。
[不織布の製造方法]
本発明の不織布の製造方法は、アロイ繊維をウェブ化するウェブ化工程と、得られた繊維ウェブ(不織布)に電荷を付与して帯電させるエレクトレット化工程とを含む。
ウェブ化工程においては、慣用の方法を利用でき、例えば、ステープル繊維を用いた乾式法(カーディング法やエアレイ法)又は湿式法などであってもよいが、簡便性の点から、紡糸とウェブ化が直結している直接法が好ましい。なかでも、バインダーが不要で、かつ繊維径が小さく、フィルター特性に優れた不織布を簡便に製造できる点から、メルトブローン法が特に好ましい。
メルトブローン法では、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂の混合物を溶融紡糸しながら、得られた繊維を高温の気体で吹き飛ばして捕集することにより、繊維ウェブを得る。メルトブローン法における製造条件は、慣用の条件を用いることができる。
具体的には、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂(必要に応じて、ヒンダードアミン系化合物や他の添加剤)は、慣用の混合機(例えば、溶融混練押出機など)を用いて溶融混練される。溶融温度は、脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂を溶融できれば特に限定されず、例えば、温度140〜260℃、好ましくは160〜240℃、さらに好ましくは180〜220℃程度である。
なお、脂肪族ポリエステル系樹脂(特にポリ乳酸系樹脂)は、溶融紡糸に供する前に、予め原料ペレットを乾燥処理するのが好ましい。乾燥処理は、温度が、例えば、50〜120℃、好ましくは60〜100℃、さらに好ましくは70〜90℃程度であり、乾燥時間が、例えば、30分以上(例えば、30分〜24時間)、好ましくは1〜12時間、さらに好ましくは2〜6時間程度である。
混合機により溶融混練された樹脂組成物は、紡糸口に供給される。紡糸口には、通常、紡糸孔が一列に形成されており、その紡糸孔の間隔は、例えば、100〜5000孔/m、好ましくは500〜3000孔/m、さらに好ましくは1000〜2000孔/m程度である。紡糸温度は、例えば、150〜300℃、好ましくは180〜280℃、さらに好ましくは200〜260℃程度である。紡糸口からの繊維の吐出量は、例えば、100〜500g/m、好ましくは200〜400g/m、さらに好ましくは250〜300g/m程度である。
紡糸された繊維をネットなどの支持体上に向けて吹き飛ばすためには、通常、紡糸口の近傍に形成されたスリットから高温の空気を吹き付ける方法が利用される。空気の温度は、通常、紡糸温度と同様の温度である。吹き付ける空気の圧力は、例えば、0.1〜2MPa、好ましくは0.2〜1MPa、さらに好ましくは0.3〜0.5MPa程度である。
エレクトレット化工程において、得られた繊維ウェブ(不織布)には、慣用のエレクトレット化処理により電荷を付与できる。慣用の方法としては、例えば、摩擦や接触により電荷を付与する方法、活性エネルギー線(例えば、電子線、紫外線、X線など)を照射する方法、コロナ放電やプラズマなどの気体放電を利用する方法、高電界を印加する方法、水などの極性液体を介して超音波振動を作用させる方法などが挙げられる。これらの方法のうち、簡便に高い電荷を付与できる点から、針電極などを用いてコロナ放電処理する方法が好ましい。コロナ放電において、処理温度は、例えば、常温から100℃(特に50〜90℃)程度であり、処理時間は、例えば、1秒〜1分(特に5〜30秒)程度である。
このようにして得られた不織布は、通常、板状又はシート状であり、そのままの形状で利用してもよいが、用途に応じて、切断加工などによって、所望の形状に加工してもよい。なお、得られた板状又はシート状成形体は、慣用の熱成形、例えば、圧縮成形、圧空成形(押出圧空成形、熱板圧空成形、真空圧空成形など)、自由吹込成形、真空成形、折り曲げ加工、マッチドモールド成形、熱板成形、湿熱プレス成形などで加工してもよいが、熱成形によるエレクトレット効果の減少を抑制できる点から、バインダー成分を用いることなく、固定化されたメルトブローン不織布を切断加工するのが好ましい。
本発明の不織布は、帯電性を有しているため、コンデンサマイクロホン、超音波診断トランスデューサーなどにも利用できるが、通気性を有するエレクトレット体であるため、特に、フィルター機能を要求される用途、特に、塵埃などの微粒子を捕集する用途に適している。このような用途としては、例えば、エアフィルター、マスク又はマスクフィルター、ワイパー、メディカルキャップなどの医用衣料、クリーンルーム用防塵衣などが挙げられる。
なかでも、高湿度下でも微粒子の集塵機能を持続できる点から、マスク又はマスクフィルターとして特に適している。マスクは、マスクフィルターを含む本体部と耳掛け部材とで構成され、平面的なマスクであってもよく、鼻部に対応した領域を凸状に膨出させた立体的なマスクであってもよい。これらのマスクにおいて、マスク全体を本発明の不織布で構成してもよく、マスクフィルターのみを本発明の不織布で構成してもよい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例における各物性値は、以下の方法により測定した。なお、実施例中の「%」はことわりのない限り、質量基準である。
(1)メルトフローレート(MFR)
メルトインデクサー(宝工業(株)製、「L244」)を用いて、JIS K 7210に準拠して、ポリ乳酸については、温度190℃及び荷重2.16kgfの条件下で、ポリプロピレンについては、温度230℃及び荷重2.16kgfの条件下で、MFRを測定した。
(2)平均繊維径(μm)
不織布を電子顕微鏡で撮影し(倍率1000倍)、写真中の任意の未融着繊維50本の径を測定し、その平均値を算出した。
(3)目付(g/m2
不織布を切断して縦20cm×横20cm正方形状の試験片を作製し、JIS L1096に準拠して、試験片の幅方向に沿って3箇所で測定し、その平均値を算出した。
(4)捕集効率、圧力損失及びQF値
フィルター評価装置(柴田科学(株)製、AP−6310FP)を用いて、複合繊維シートのフィルター特性を評価した。まず、試験サンプルをろ過面の直径が85mmになるように測定セルに装着した。この状態で最大直径が2μm以下で、かつ数平均径が0.5μmのシリカダストを試験粉塵に用いて、粉塵濃度が30±5mg/m3となるように調整した粉塵含有空気を、フィルターをセットした測定セルに30リットル/分の流量で1分間流し、上流側の粉塵濃度D1、下流側(濾過後)の粉塵濃度D2を光散乱質量濃度計を用いて測定し、下記の式から捕集効率を求めた。
捕集効率(%)={(D1−D2)/D1}×100
また、フィルター評価装置における測定セルの上流側、下流側間に微差圧計を配置し、流量30リットル/分における差圧(圧力損失)を測定した。さらに、前記捕集効率から産出したフィルター透過率の自然対数と圧力損失との値から、下記式によりQF値を求めた。
QF(1/Pa)=−ln(100−ΔE)/ΔP
[式中、ΔEは捕集効率(%)を示し、ΔPは圧力損失(Pa)を示す]。
(5)熱刺激電流
熱刺激電流は、熱刺激電流(TSDC)曲線によって評価される。TSDC曲線とは、エレクトレットフィルムの片面に電極を付け、高感度の電流計に接続し、エレクトレット体を電極で挟んだまま一定の昇温速度で加熱したとき、分子運動に伴う電荷の移動や配向分極状態の変化により生じる電流の変化を示す曲線グラフを意味し、種々の温度域で電流のピークが現れる。
(6)湿熱下における帯電効果維持率
恒温恒湿機(いすゞ製作所(株)製、μシリーズ)を使用して、温度80℃、相対湿度60%の条件下において、サンプルを24時間放置した。このサンプルについて前記方法で捕集効率を測定し、下記式のように、初期性能との差から維持率を算出した。
帯電効果維持率(%)=(湿熱処理後捕集効率)/(初期捕集効率)×100。
(7)不織布の乾熱収縮率
不織布から、幅5cm×長さ30cmの試験片を切り出し、その試験片を温度100℃の恒温オーブン内に入れて1分間放置して加熱した。加熱後、オーブンから取り出し、室温に冷却し、下記式に基づいて、長さ方向の乾熱収縮率をそれぞれ求めた。
乾熱収縮率(%)={(A0−A1)/A0}×100
(式中、A0は、加熱前の試験片の長さを示し、A1は加熱後の試験片の長さを示す)。
実施例1
ポリ乳酸[ネイチャーワークス社製、商品名「6201D」、MFR(190℃、2.16kgf)=15g/10分、D−乳酸の共重合割合=1.5モル%]を80℃で4時間乾燥したペレット及びポリプロピレン[プライムポリマー(株)製、MFR(230℃、2.16kgf)=900g/10分]のペレットを、ポリ乳酸ペレット/ポリプロピレンペレット=90/10の質量比で混合した後、その混合ペレットの合計99.5質量部及びヒンダードアミン化合物(チバ・ジャパン(株)製「キマソープ944」)0.58質量部を、メルトブローン不織布製造装置のエクストルーダーに供給した。このエクストルーダーで200℃で溶融した後、紡糸孔数が1300孔/mの口金から紡糸温度240℃及び吐出量270g/mで吐出すると同時に紡糸孔の近傍に設けたスリットから温度250℃、圧力0.25MPaの熱風を噴出させて吐出した繊維を細化し、それを口金の15cm下方に位置するネットコンベア上に捕集して、目付30g/m2のメルトブローン不織布を製造した。さらに、この不織布を、針状電極を有するコロナ法エレクトレット装置で、電極距離25mm、印加電圧−25kV、温度80℃の条件下で10秒間エレクトレット処理を行った。得られたエレクトレット体の捕集効率、圧損、QF値、帯電効果維持率、乾熱収縮率を測定した結果を表1に示す。さらに、熱刺激電流の測定結果を図1に示す。
実施例2
ポリ乳酸[ネイチャーワークス社製、商品名「6201D」、MFR(190℃、2.16kgf)=15g/10分、D−乳酸の共重合割合=1.5モル%]を80℃で4時間乾燥したペレット及びポリプロピレン[プライムポリマー(株)製、MFR(230℃、2.16kgf)=900g/10分]のペレットを、ポリ乳酸/ポリプロピレン=80/20の質量比で混合する以外は実施例1と同様にしてエレクトレット体を得た。結果を表1及び図1に示す。
実施例3
ポリ乳酸[ネイチャーワークス社製、商品名「6201D」、MFR(190℃、2.16kgf)=15g/10分、D−乳酸の共重合割合=1.5モル%]を80℃で4時間乾燥したペレット及びポリプロピレン[プライムポリマー(株)製、MFR(230℃、2.16kgf)=600g/10分]のペレットを、ポリ乳酸/ポリプロピレン=80/20の質量比で混合する以外は実施例1と同様にしてエレクトレット体を得た。結果を表1及び図1に示す。
比較例1
ポリ乳酸[ネイチャーワークス社製、商品名「6201D」、MFR(190℃、2.16kgf)=15g/10分、D−乳酸の共重合割合=1.5モル%]のペレットを単独で用いる以外は実施例1と同様にしてエレクトレット体を得た。結果を表1及び図1に示す。
比較例2
ポリプロピレン[プライムポリマー(株)製、MFR(230℃、2.16kgf)=900g/10分]のペレットを単独で用いる以外は実施例1と同様にしてエレクトレット体を得た。結果を表1及び図1に示す。
Figure 0005047848
表1の結果から明らかなように、実施例のエレクトレット体は、捕集効率及びQF値が高く、圧損損失及び乾熱収縮率も少ない。これに対して、比較例1のエレクトレット体では、湿熱下における帯電効果維持率が低下し、湿熱の影響で収縮が発生していた。
図1は、実施例及び比較例における不織布エレクトレット体の熱刺激電流の測定結果を示すグラフである。

Claims (6)

  1. 脂肪族ポリエステル系樹脂及びオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成され、かつエレクトレット化された不織布であって、
    脂肪族ポリエステル系樹脂とオレフィン系樹脂との割合(質量比)が、脂肪族ポリエステル系樹脂/オレフィン系樹脂=70/30〜95/5であり、
    アロイ繊維中において、脂肪族ポリエステル系樹脂がマトリックス相を構成し、かつオレフィン系樹脂が分散相を構成する不織布
  2. 脂肪族ポリエステル系樹脂がポリ乳酸系樹脂であり、オレフィン系樹脂がポリプロピレン系樹脂である請求項1記載の不織布。
  3. メルトブローン不織布である請求項1又は2記載の不織布。
  4. ヒンダードアミン系化合物を含む請求項1〜のいずれかに記載の不織布。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布で構成されたフィルター。
  6. 請求項1〜のいずれかに記載の不織布で構成されたマスクフィルター。
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