JP2014233687A - エレクトレットフィルター - Google Patents

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北川 義幸
Yoshiyuki Kitagawa
義幸 北川
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【課題】電荷安定性とミスト耐性に優れたフィルター材を簡便に提供する。【解決手段】少なくとも2種のオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成された不織布をエレクトレット化したエレクトレットフィルター。【選択図】なし

Description

本発明は、ミスト耐性を有するエレクトレットフィルターに関する。
従来より不織布製品は、エアフィルターやマスクフィルターなどのフィルター材として利用されている。このようなフィルター材の特性を向上させるため、静電電荷を付与するエレクトレット化処理が施されている。エレクトレット化処理された不織布は、機械的捕集機構と呼ばれる捕集機構に加えて、静電引力により微細塵を効果的に捕捉することができる。
しかしながら、繊維上に保持された静電電荷は固体粒子やミスト(液滴)の負荷により効果が減弱し、とりわけ液滴への耐性が低いという問題がある。これらの問題を解決するものとして、C8鎖を有するフッ素化合物を含有したエレクトレットが知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、環境問題から長鎖フルオロカーボンの使用規制(PFOS規制・PFOA自主規制)により代替手法が開発されているが、不織布作成後のプラズマ加工が必要であり工程が煩雑である(例えば、特許文献2)。
特開2009−6313号公報 特表2008−540856号公報
本発明の目的は電荷安定性とミスト耐性に優れたフィルター材を簡便に提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、少なくとも2種のオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成された不織布をエレクトレット化することで、捕集効率と電荷安定性を向上できることを見出し、本発明を完成した。すなわち、本発明は以下の通りである。
1.少なくとも2種のオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成された不織布をエレクトレット化したエレクトレットフィルター。
2.低融点のオレフィン系樹脂がマトリックス相を構成し、高融点のオレフィン系樹脂が分散相を構成するアロイ繊維を用いた上記1に記載のエレクトレットフィルター。
3.低融点のオレフィン系樹脂がマトリックス相を構成し、高融点のオレフィン系樹脂が分散相を構成することで表面に凹凸を有した繊維形状を有するアロイ繊維を用いた上記2に記載のエレクトレットフィルター。
4.凸形状を有する分散相をマトリックス層より表面張力の小さなオレフィン系樹脂成分とする上記3に記載のエレクトレットフィルター。
5.少なくとも一方のオレフィン系樹脂としてフッ素化オレフィン樹脂を用いる上記1〜4のいずれかに記載のエレクトレットフィルター。
6.少なくとも分散相に表面張力低減剤を混合した上記1〜5のいずれかに記載のエレクトレットフィルター。
本発明は、上述のごとく2種以上の非相溶性オレフィン系樹脂を用いてポリオレフィン系アロイ繊維からなる不織布をエレクトレット化したエレクトレットフィルターを得ることで、電荷安定性、フィルター性能、生産性に優れたエレクトレットフィルターを得ることができる。
本発明のエレクトレットフィルターを構成する不織布は、少なくとも2種のオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成されている。
オレフィン系樹脂には、オレフィンの単独又は共重合体が含まれる。オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、4−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテンなどのα−C2−10オレフィン(好ましくはα−C2−8オレフィン、さらに好ましくはα−C2−4オレフィン)などが挙げられる。これらのオレフィンは、単独で又は2種以上組み合わせた共重合体として使用してもよい。これらのオレフィンのうち、エチレン及び/又はプロピレンを含むのが好ましい。
オレフィン系樹脂は、オレフィンと共重合性単量体との共重合体であってもよい。共重合性単量体としては、例えば、重合性ニトリル化合物(例えば、(メタ)アクリロニトリルなど)、(メタ)アクリル系単量体(例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチルなどの(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸など)、不飽和ジカルボン酸又はその誘導体(無水マレイン酸など)、ビニルエステル類(例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなど)、共役ジエン類(ブタジエン、イソプレンなど)などが例示できる。共重合性単量体は、単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。共重合性単量体の割合は、全単量体中0〜50モル%、好ましくは0.1〜25モル%、さらに好ましくは1〜10モル%程度である。
オレフィン系樹脂としては、例えば、ポリエチレン系樹脂[例えば、低、中又は高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、エチレン−プロピレン−ブテン−1共重合体、エチレン−(4−メチルペンテン−1)共重合体など]、ポリプロピレン系樹脂(例えば、ポリプロピレン、プロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−ブテン−1共重合体、プロピレン−エチレン−ブテン−1共重合体などのプロピレン含有80モル%以上のプロピレン−α−オレフィン共重合体など)、ポリ(4−メチルペンテン−1)樹脂などが挙げられる。共重合体としては、例えば、エチレン−アクリル酸エチル共重合体などのエチレン−(メタ)アクリレート共重合体などが例示できる。
前記共重合体(オレフィン同士の共重合体及びオレフィンと共重合性単量体との共重合体)には、ランダム共重合体、ブロック共重合体、又はグラフト共重合体が含まれる。
さらに、オレフィン系樹脂は、官能基を有する化合物で変性された変性オレフィン系樹脂、特に、不飽和カルボン酸又はその無水物で変性された酸変性オレフィン系樹脂(例えば、エチレン−(メタ)アクリル酸共重合体又はそのアイオノマー、無水マレイン酸グラフトポリプロピレンなど)であってもよい。
また、フッ素化オレフィンを用いることも好ましく、たとえばPTFE、PFA、ETFEなどを例示することができるが、所望の特性が得られるものであればこれらに限定されるものではない。
本発明に用いられるオレフィン系樹脂は直鎖のみならず、一部もしくは繰り返し構造の中に環状構造を有するものであっても好ましく用いることができる。
本発明におけるアロイ繊維は、低融点のオレフィン系樹脂がマトリックス相を構成し、高融点のオレフィン系樹脂が分散相を構成する相分離構造を有することで繊維表面上に凹凸を有した繊維とすることができ、その結果表面積向上効果が得られる。
また、本発明におけるアロイ繊維は、凸形状を有する分散相をマトリックス相より表面張力の小さな樹脂成分とすることで、繊維表面に付着したミストの広がりを抑制することが出来、より電荷安定性を高めることが出来る。
繊維形状として得られた時点で相分離構造を有していれば作成法は特に制限されないが、非相溶性の2種以上の樹脂を溶融もしくは溶解にて混合する方法、ブロック共重合もしくはグラフト共重合により相分離構造とする方法、予め粉砕、微細化した分散相を混合する方法などを好ましく用いる事ができる。これらは、均一なペレット、マスターバッチとしても良いし、紡糸と同時に混合することも好ましい。
このうち、好ましくは溶融混合法により微分散化する方法であり、せん断能力に優れた押し出し装置を用いる事で達成することができる。
また、本発明においては、特に溶融混合と溶融紡糸を行う場合には分散相がより高融点であることが好ましい、すなわちマトリックス相の延伸と同時に分散相の硬化が進行し、かつ非相溶であるため、繊維表面上に凹凸ならびに、ミスト親和性の異なる特徴的な表面を得ることができる。
上記の特性が得られるものであれば特に制限されないが、たとえば好ましく用いられる組成は、マトリックス/分散相としてポリエチレン/4-メチル−2−ペンテン、ポリプロピレン/4-メチル−2−ペンテン、ポリエチレン/フッ素系樹脂、ポリプロピレン/フッ素系樹脂、4-メチル−2−ペンテン/フッ素系樹脂などを例示できる。
本発明で用いられるオレフィン系樹脂(特にポリプロピレン系樹脂)において、マトリックス相のMFRは、JIS K 7210に準じた方法(230℃、荷重2.16kgf)で、10g/10分以上が好ましく、50〜4000g/10分がより好ましく、100〜3000g/10分がさらに好ましく、150〜1500g/10分が最も好ましい。
さらに、本発明では、相分離構造させる点から、マトリックス相と分散相の比率は体積比で1/1〜1/1000が好ましく、1/3〜1/100がより好ましく、1/4〜1/25がさらに好ましく、1/5〜1/20が最も好ましい。分散相が点在し、さらに微細化することで凹凸による繊維表面積増大とミストの耐拡散効果が高くなるからである。
本発明における分散相は、前述の割合でマトリックス中に微細かつ均一に分散し、かつその平均径は、0.01〜10μmが好ましく、0.02〜5μmがより好ましく、0.03〜2μmがさらに好ましい。フィルターとしての効果や表裏における浸透の抑制には繊維径を小さくする必要があることと、微細な凹凸とすることでミストの耐拡散効果が高くなるからである。
アロイ繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよいが、通常、丸型断面である。
アロイ繊維の平均繊維径は、フィルター効果、表裏における液滴の浸透抑制などの点から、0.1〜100μmが好ましく、0.15〜20μmがより好ましく、0.2〜10μmがさらに好ましく、0.3〜5μmが最も好ましい。繊維径が細すぎると、繊維そのものを得難くなることに加え、繊維強度を確保し難い。一方、繊維径が太すぎると、繊維集合体としての効果が発現し難くなる。
アロイ繊維の平均繊維長は、繊維同士の絡み合いによって不織布の形態を維持できれば、特に限定されず、その製造方法に応じて選択でき、10mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましい。メルトブローン不織布の場合は、通常、連続繊維である。
アロイ繊維は、前記樹脂以外に、繊維における帯電を促進又は安定化させる化合物(帯電性向上剤)を含有するのが好ましい。帯電性向上剤は、慣用の添加剤を単独で又は二種以上組み合わせて使用でき、例えば、トリアジン化合物[例えば、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−((ヘキシル)オキシ)フェノールなどのトリアジン環含有フェノール類など]、脂肪族金属塩(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウムなどのC8−24カルボン酸金属塩など)などであってもよいが、前記樹脂との組み合わせにおいて高いエレクトレット効果を発揮できる点から、ヒンダードアミン系化合物が好ましい。ヒンダードアミン系化合物としては、分子中に少なくとも一個の2,2,6,6−テトラメチルピペリジル基を有する化合物が挙げられ、低分子から高分子まで利用できる。
低分子ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、4−メトキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ドデシルコハク酸イミド、1−[(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル]−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)オギサレート、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アジペート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、1,2−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシ)エタン、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)テレフタレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジt−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン、テトラ(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、テトラ(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)ブタンテトラカルボキシレート、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{トリス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシ)ブチルカルボニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−{トリス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルオキシカルボニルオキシブチルカルボニルオキシ}エチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,5,8,12−テトラキス[4,6−ビス{N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミノ}−1,3,5−トリアジン−2−イル]−1,5,8,12−テトラアザドデカンなどが挙げられる。
高分子ヒンダードアミン系化合物としては、例えば、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノール/コハク酸ジメチル縮合物、2−t−オクチルアミノ−4,6−ジクロロ−s−トリアジン/N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン縮合物、N,N′−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ヘキサメチレンジアミン/ジブロモエタン縮合物などが挙げられる。
これらのヒンダードアミン系化合物は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらのヒンダードアミン系化合物のうち、帯電効果の持続力が高い点などから、高分子ヒンダードアミン系化合物が好ましい。高分子ヒンダードアミン系化合物としては、BASF社製「キマソーブ944」「チヌビン622」などが市販品として入手できる。
帯電性向上剤の割合は、マトリックス相と分散相の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部が好ましく、0.05〜5質量部がより好ましく、0.1〜3質量部がさらに好ましく、0.3〜2質量部が最も好ましい。
また、本発明においては分散相もしくはマトリックス相、およびその両者に表面張力低減剤を含んでなることも好ましい。浸透性の高いミストに対して、より耐久性を高めることができるためである。具体的にはC6以下の鎖長を有するパーフルオロ誘導体が好適である。
アロイ繊維は、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、ヒンダードアミン化合物以外の光安定剤、酸化防止剤など)、抗菌剤、消臭剤、香料、着色剤(染顔料など)、充填剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤、結晶核剤などを含有していてもよい。
本発明の不織布は、前記アロイ繊維以外にも、剛性、補強、空間維持などを目的として、他素材や繊度の異なる繊維を複合して用いることも好ましい。
不織布の目付は、0.1〜500g/mが好ましく、0.5〜200g/mがより好ましく、1〜80g/mがさらに好ましく、2〜50g/m2が最も好ましい。不織布の厚みは、0.01〜5mmが好ましく、0.02〜2mmがより好ましく、0.05〜1mmがさらに好ましく、0.1〜0.5mmが最も好ましい。
ウェブ化工程においては、慣用の方法を利用でき、例えば、ステープル繊維を用いた乾式法(カーディング法やエアレイ法)又は湿式法などであってもよいが、簡便性の点から、紡糸とウェブ化が直結している直接法が好ましい。なかでも、バインダーが不要で、かつ繊維径が小さく、フィルター特性に優れた不織布を簡便に製造できる点から、メルトブローン法が特に好ましい。
メルトブローン法では、樹脂混合物を溶融紡糸しながら、得られた繊維を高温の気体で吹き飛ばして捕集することにより、繊維ウェブが得られるが、本発明においては、分散相を早期に固化することができる条件にて溶融押出機からノズルまでの温度を設定する事ができる。また、予め微分散されている場合には、工程全体で分散相の融点以下とすることも好ましい。
エレクトレット化工程において、得られた繊維ウェブ(不織布)には、慣用のエレクトレット化処理により電荷を付与できる。慣用の方法としては、例えば、摩擦や接触により電荷を付与する方法、電子線、紫外線、X線などを照射する方法、コロナ放電やプラズマなどの気体放電を利用する方法、高電界を印加する方法、水などの極性液体を介して超音波振動を作用させる方法などが挙げられる。これらの方法のうち、簡便に高い電荷を付与できる点から、針電極などを用いてコロナ放電処理する方法が好ましい。
このようにして得られたエレクトレット不織布は、そのままの形状で利用してもよいし、剛性や強度を与える他の不織布や枠材などとの複合化、深絞り成型やプリーツ形状として用いることも好ましい。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に
何ら限定されるものではない。なお、実施例における各物性値は、以下の方法により測定
した。なお、実施例中の「%」はことわりのない限り、質量基準である。
<平均繊維径(μm)>
不織布を電子顕微鏡で撮影し(倍率1000倍)、写真中の任意の未融着繊維50本の
径を測定し、その平均値を算出した。
<目付(g/m)>
不織布を切断して縦20cm×横20cm正方形状の試験片を作製し、JIS L10
96に準拠して、試験片の幅方向に沿って3箇所で測定し、その平均値を算出した。
<濾過特性の評価>
粒子捕集効率E(%)の評価は、面に垂直方向に平行帯電化された大気塵粒子を含む空気を線速10cm/秒で通過させ、上流側と下流側の空気をサンプリングし、パーティクルカウンターを用い0.3〜0.5μmの粒径の粒子数をカウントした。粒子捕集効率(E)は下式を用いて算出した。
粒子捕集効率 E(%)={1−(下流粒子数/上流粒子数)}×100
<ミスト負荷>
ミスト負荷試験は、面に垂直方向に数中位径0.21μm、濃度100mg/mのDEHSを、20mg/負荷することにより行った。
(実施例1)
4−メチル−2−ペンテン樹脂、MFR(260℃、5kgf)=180g/10分とポリプロピレン樹脂、MFR(230℃、2.16kgf)=800g/10分のペレットを、4−メチル−2−ペンテン/ポリプロピレンペレット=20/80の重量比で混合した後、その混合ペレット 100重量部に対してヒンダードアミン化合物(SASF株式会社製「キマソーブ944」)0.5重量部を、メルトブローン不織布製造装置のエクストルーダーに供給した。メルトブローン法により目付28g/mの、厚み0.28mm繊維径2.1μmメルトブローン不織布を製造した。さらに、この不織布を、針状電極を有するコロナ放電法によりエレクトレット処理を行った。初期およびDEHSを負荷後の粒子捕集効率を評価した。
(比較例1)
ポリプロピレン樹脂、MFR(230℃、2.16kgf)=800g/10分のペレットのみ用いた他は実施例1と同様の操作を行い、メルトブローン法により目付30g/mの、厚み0.29mm繊維径2.0μmメルトブローン不織布を得た以外は実施例1と同様の評価を行った。
表1より実施例のフィルターは初期効率が高く、また負荷後の効率低下も少ない。
本発明の不織布は、通気性とミスト耐性を有するエレクトレット体であるため、特に、フィルター機能を要求される用途、特に、塵埃などの微粒子を捕集する用途に適している。このような用途としては、例えば、エアフィルター、マスク、またはマスクフィルター、ワイパー、メディカルキャップ、手術着などの医用衣料などが挙げられる。

Claims (6)

  1. 少なくとも2種のオレフィン系樹脂で構成されたアロイ繊維で形成された不織布をエレクトレット化したエレクトレットフィルター。
  2. 低融点のオレフィン系樹脂がマトリックス相を構成し、高融点のオレフィン系樹脂が分散相を構成するアロイ繊維を用いた請求項1に記載のエレクトレットフィルター。
  3. 低融点のオレフィン系樹脂がマトリックス相を構成し、高融点のオレフィン系樹脂が分散相を構成することで表面に凹凸を有した繊維形状を有するアロイ繊維を用いた請求項2に記載のエレクトレットフィルター。
  4. 凸形状を有する分散相をマトリックス層より表面張力の小さなオレフィン系樹脂成分とする請求項3に記載のエレクトレットフィルター。
  5. 少なくとも一方のオレフィン系樹脂としてフッ素化オレフィン樹脂を用いる請求項1〜4のいずれかに記載のエレクトレットフィルター。
  6. 少なくとも分散相に表面張力低減剤を混合した請求項1〜5のいずれかに記載のエレクトレットフィルター。
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