JP2015176384A - 電子機器 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、金属製の筐体を用いた場合、筐体と電気部品との間に絶縁距離を確保する必要があるため、電源装置の小型化が困難という課題がある。
また筐体を樹脂成形で大量生産できるためコストも下げることが出来る。
すなわち、小型化を図ろうとすると、熱が装置内にこもりやすくなるため、金属よりも熱伝導率の低い樹脂によって筐体を形成した場合、十分に放熱し難いという課題がある。更に、近年の高容量化の要望に対応しようとすると発熱量が増大することになるため、より放熱が困難になる。
本発明の課題は、小型化を図るとともに、放熱性が良く適切な寿命を確保することが可能な電子機器を提供することにある。
このように筐体を樹脂で形成することによって発熱部品との絶縁距離を確保する必要がないため小型化を図ることが可能となる。
また、第1放熱部と第2放熱部が熱的に分離されていることにより、発熱部品の発熱が伝達された第1放熱部からアルミ電解コンデンサへと伝熱が行われず、更にアルミ電解コンデンサの熱は第2放熱部から放熱されるため、アルミ電解コンデンサの寿命が短くなることを抑制でき、従来と同等若しくはそれ以上の電子機器の寿命を実現することが出来る。尚、ここで、放熱板の機械的強度を保つ程度に第1放熱部と第2放熱部が繋がっていることは、熱的に分離されていることに含まれる。
このため、小型化を図るとともに放熱性が良く適切な寿命を確保することが可能な電気気を提供することが出来る。
このようにスリットを形成することによって、1枚の放熱部材に、発熱部品の発熱を放熱する第1放熱部と、アルミ電解コンデンサの発熱を放熱する第2放熱部を形成することが出来る。
これにより、プレス加工等により簡易に第1放熱部と第2放熱部を形成することが出来る。
これにより、筐体の別々の面に放熱部材を配置し、一方をアルミ電解コンデンサからの放熱を行う放熱部材とし、他方をアルミ電解コンデンサよりも発熱量の大きい発熱部品からの放熱を行う放熱部材とすることが出来る。
これにより、アルミ電解コンデンサと発熱部品からの放熱が、基板を挟んで一方の面と他方の面から別々に行われる。
第7の発明に係る電子機器は、第5の発明に係る電子機器であって、アルミ電解コンデンサの端子に直接的に接触し、基板の第2面側の面に配置された伝熱部材を更に備えている。伝熱部材は、直接的に又は筐体を介して間接的に第2放熱部に接触している。
これにより、基板を挟んでアルミ電解コンデンサが配置されている側とは反対側に配置されている放熱部材から、アルミ電解コンデンサの放熱を行うことが出来る。
このように耐熱温度がアルミ電解コンデンサよりも高い発熱部品の熱を放熱する放熱部と、アルミ電解コンデンサの放熱部を分けることで、アルミ電解コンデンサの寿命を適切に確保することが出来る。
発熱量が多いトランス、半導体部品からの放熱を、アルミ電解コンデンサとは別の放熱部に放熱することによって、トランスや半導体部品の発熱が放熱部を介してアルミ電解コンデンサへと伝達することを防ぐことが出来るため、アルミ電解コンデンサの温度が上昇しすぎることを抑制することが出来る。
これにより、発熱部品は、直接的又は間接的に第1放熱部と接触することが出来る。
第11の発明に係る電子機器は、第1の発明に係る電子機器であって、アルミ電解コンデンサは、筐体及び発熱部品と直接的に接触して配置される伝熱部材の少なくとも一方を介して間接的に、又は直接的に第2放熱部に接触している。
これにより、アルミ電解コンデンサは、直接的又は間接的に第2放熱部と接触することが出来る。
これにより、発熱部品の発熱が伝達された第1放熱部からアルミ電解コンデンサへと伝熱が行われず、更にアルミ電解コンデンサの熱は第2放熱部から放熱されるため、アルミ電解コンデンサの寿命が短くなることを抑制でき、従来と同等若しくはそれ以上の電子機器の寿命を実現することが出来る。
これにより、1つ面から発熱部品の発熱を放熱し、アルミ電解コンデンサの発熱を放熱することができる。
これにより、第3面の通気孔と第4面の通気孔を通過する空気の流れによって、発熱部品及びアルミ電解コンデンサの放熱を行うことが出来るとともに、それぞれを別々の放熱部から放熱することができる。尚、本明細書における「垂直」との記載は、厳密な意味を示しているものではない。
これにより、支持レールに取り付けられた状態において、その側面から発熱部品およびアルミ電解コンデンサの放熱を行うことができる。
(実施形態1)
<1.電源装置100の構成>
図1は、本実施形態1に係る電源装置100の正面側の斜視図である。図2は、図1の電源装置100の背面側の斜視図である。図3は、図1の電源装置100の分解図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態1の電源装置100は、ケース1と、ケース1の両側面の外側に配置された放熱板2a、2bと、ケース1に収納された電源回路ユニット3と、電源回路ユニット3のトランス34及びアルミ電解コンデンサ35に配置された放熱ゲルシート4a、4b(後述する図5、図7参照)及びスライドシート5a、5b(後述する図5、図7参照)とを備えている。尚、図1には、本実施形態1の電源装置100を取り付ける支持レール9が点線で示されている。
(1−1.ケース1)
ケース1は、図3に示すように、ケース本体10と、ケース前部11とを有している。
図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)及び図4(e)は、それぞれケース本体10の正面図、右側面図、左側面図、上面図、及び底面図である。
(1−1−1−1.右側面12)
図4(b)に示すように、右側面12にはケース前部11の爪部11a、11b(後述する)が嵌合する嵌合孔12a、12bが形成されている。この嵌合孔12a、12bは、右側面12の前端12f側の上下2箇所に形成されている。
図4(c)に示すように、左側面13にはケース前部11の爪部11c、11d(後述する)が嵌合する嵌合孔13a、13bが形成されている。この嵌合孔13a、13bは、左側面13の前端13f側の上下2箇所に形成されている。
(1−1−1−3.上面14)
図4(d)に示すように、上面14にはケース前部11の爪部11e(後述する)が嵌合する嵌合孔14aが形成されている。この嵌合孔14aは、上面14の前端14f側に形成されている。また、上面14には、図1、図3及び図4(d)に示すように、電源回路ユニット3で発生した熱を外部に放出するための通気孔141が形成されている。通気孔141は、略六角形の通気孔141aと、線状の通気孔141bを有している。上面14の右側面12側の端を右端14cとし、上面14の左側面13側の端を左端14dとし、上面14の背面16側の端を後端14eとすると、通気孔141bは、右端14c寄りと左端14d寄りの位置に、右端14cと左端14dに沿って2つずつ設けられている。また、通気孔141aは、右端14cと左端14dに沿って形成された通気孔141bの間に、前後方向(前端14fから後端14e)に複数個がハニカム構造を形成するように設けられている。
図4(e)に示すように、底面15にはケース前部11の爪部11f(後述する)が嵌合する嵌合孔15aが形成されている。この嵌合孔15aは、底面15の前端15f側に形成されている。また、底面15には、図1、図3及び図4(e)に示すように、電源回路ユニット3で発生した熱を外部に放出するための通気孔151が形成されている。通気孔151は、略六角形の通気孔151aと、線状の通気孔151bを有している。底面15の右側面12側の端を右端15cとし、底面15の左側面13側の端を左端15dとし、底面15の背面16側の端を後端15eとすると、通気孔151bは、右端15c寄りと左端15d寄りの位置に、右端15cと左端15dに沿って2つずつ設けられている。また、通気孔151aは、右端15cと左端15dに沿って形成された通気孔151bの間に、前後方向(前端15fから後端15e)に複数個がハニカム構造を形成するように設けられている。
背面16には、図2に示すように支持レール9に取り付けるための取付け部160が設けられている。この取付け部160は、上下方向における略中央部分に左右方向に向かって凹状に形成されている。詳しく説明すると、背面16には、上下方向において上端側の面16aと、略中央の面16bと、下端側の面16cとを有している。面16bは、面16aの下端と、面16cの上端よりも前方側に位置している。面16aの下端には、下方に向かって突出するように形成された係止部16dが形成されている。また、面16aと面16bの段差部分には、上方に向かって窪むように形成された凹部16eが形成されている。
支持レール9の上端部分9a(図1参照)が凹部16eに嵌められ、下端部分9b(図1参照)が係止部16fの傾斜面16gを乗り越えて嵌められることによって、上端部分9aが係止部16dによって係止され、下端部分9bが係止部16fによって係止される。これによって、電源装置100が支持レール9によって支持される。尚、支持レール9は、左右長く形成されており、図1における左右方向が支持レール9の長手方向の一例となる。
ケース前部11は、図3に示すように、ケース本体10の開口17を塞ぐような蓋状に形成されており、ケース本体10と嵌合する。ケース前部11は、図1〜図3に示すように、前面110、右面112、左面113、上面114、及び下面115を有している。ケース本体10にケース前部11を嵌合した状態では、ケース前部11の右面112、左面113、上面114、及び下面115が、それぞれケース本体10の右側面12、左側面13、上面14と、及び底面15と端面同士で隣接することになる。
また、図3に示すように、ケース前部11の内側の上端近傍には、電源回路ユニット3の第1の配線接続部39aが配置される。この第1の配線接続部39aのネジ390を締める又は緩めるための貫通孔11oが、ケース前部11の前面110に設けられている。更に、配線を差し込むための貫通孔11pが上面114に設けられている。
(1−2.放熱板2a、2b)
本実施形態では、放熱板2a、2bは、アルミニウムによって形成された板状の部材である。放熱板2a、2bは、ケース本体10の右側面12の外表面12s(図4(b)参照、後述する図7参照)及び左側面13の外表面13s(図4(c)参照、後述する図7参照)のそれぞれに接着剤によって貼り付けられており、右側面12側の放熱板を2a、左側面13側の放熱板を2bとする。
放熱板2bは、ケース本体10の左側面13の全体を覆うように左側面13と略同じ外形に形成されており、放熱板2bにはスリット23が形成されている。
スリット23は、放熱板2bを貫通して形成されており、詳しくは後述するが、左側面13に対して垂直な方向から見て、アルミ電解コンデンサ35を略囲むような位置に形成されている(図6参照)。
また、放熱板2aには、右側面12に形成された嵌合孔12a、12bを塞がないように切り欠き21、22が形成されており、放熱板2bにも、左側面13に形成された嵌合孔13a、13bを塞がないように切り欠き21、22が形成されている。
(1−3.電源回路ユニット3)
図5は、本実施形態1の電源装置100の電源回路ユニット3の斜視図である。図6は、本実施形態1の電源装置100の内部構成を示す側面図である。図6では、内部の構成を点線で示している。図7は、図6のAA間の矢示断面図である。
(1−3−1.第1基板31a)
第1基板31aは、ケース本体10の右側面12に平行な方向に沿って、右側面12の内側全体を覆うように配置されている。第1基板31aは、後述する図7に示すように、上面14と下面15のそれぞれの内側の右側面12近傍に形成された溝状の支持部14m、15mにスライドして挿入され、支持されている。尚、本明細書における「平行」の記載は厳密な意味を示すものではない。
スイッチング素子32は、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等であって、第1基板31aの背面16側に配置されている。ヒートシンク33aは、板状であってスイッチング素子32が発する熱を放熱する。ヒートシンク33aは、その板状の表面33asが第1基板31aに垂直且つ、ケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。
ブリッジダイオード36は、ヒートシンク33bの下側に配置されている。このブリッジダイオード36は、板状であり、その表面36a(図6参照)がケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。
尚、アルミ電解コンデンサの耐熱温度は、一般的に100〜105度であり、トランス34等の耐熱温度110〜130度と比較して低くなっている。
(1−3−2.第2基板31b)
第2基板31bは、3つのアルミ電解コンデンサ37及びコイル38よりもケース前部11側(図5には図示していないが図6には図示)に配置されており、図3に示すようにケース本体10の開口17をほぼ塞ぐように配置される。また、第2基板31bは、第1基板31aの前側に第1基板31aに対して垂直且つ、ケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。
(1−4.放熱ゲルシート4a、4b)
本実施形態1の放熱ゲルシート4a、4bは、絶縁性、伝熱性、弾力性及び粘着性を有している。
(1−5−1.スライドシート5a、5bの構成と配置)
図5〜図7に示すスライドシート5a、5bは、樹脂等によって形成されている。
スライドシート5aは、放熱ゲルシート4aの第2面4abと左側面13の内表面12iの間に、放熱ゲルシート4aと左側面13と直接的に接触して配置されている(図7及び図5の矢印Y2参照)。また、図6に示すようにスライドシート5aは、左側面13を挟んで放熱板2bの第1放熱部24と対向して配置されている。
このスライドシート5a、5bは、粘着性を有する放熱ゲルシート4a、4bが配置された状態の電源回路ユニット3をケース本体10内に挿入するために用いられる。このため、スライドシート5a、5bは、樹脂等によって形成されており、ケース本体10の内面、特に左側面13の内表面13iに対する摺動性が高い方が好ましく、少なくとも放熱ゲルシート4a、4bの第2面4ab、4bbの内表面13iに対する摺動性よりも高い方が好ましい。
また、アルミ電解コンデンサ35の熱は、放熱ゲルシート4b、スライドシート5b、及びケース1(詳細には左側面13)を介して放熱板2bの第2放熱部25に伝達される。放熱板2bの第2放熱部25に伝達された熱は、放熱板2bの第2放熱部25において面方向に広がり、電源装置100の外部へと放熱される。
(1−5−2.スライドシート5a、5bを用いた電源装置100の製造方法)
図8は、本実施形態1の電源装置100の製造方法を説明するための分解図である。
次に、放熱ゲルシート4a、4bにスライドシート5a、5bがそれぞれ配置される(図5の矢印Y2、Y4参照)。ここで、放熱ゲルシート4a、4bは粘着性を有しているため、スライドシート5a、5bを放熱ゲルシート4a、4bに押し付けることにより、スライドシート5a、5bは放熱ゲルシート4a、4bに密着し離れ難い状態となる。
次に、各爪部11a、11b、11c、11d、11eが、それぞれ嵌合孔12a、12b、13a、13b、14a、15aに嵌ることによってケース本体10とケース前部11が連結され、ケース1が形成される。尚、爪部11cを例に挙げて詳細に説明すると、ケース本体10に対してケース前部11を矢印E方向から取り付ける際には、前端13fに対して傾斜面111cが当接し、互いにスライドするとともに突出部11gが内側へと撓み、爪部11cがケース本体10の内側に入り込み、爪部11cは嵌合孔13aに嵌る。他の爪部も同様である。
上述したように放熱ゲルシート4a、4bは粘着性を有しているため、スライドシート5a、5bを配置せず放熱ゲルシート4a、4bのみを配置して電源回路ユニット3をケース本体10内に挿入しようとすると、放熱ゲルシート4a、4bがケース本体10の内面と密着し、スライドさせることが困難である。
(1−6.スリット23とアルミ電解コンデンサ35の位置関係)
図6に示すように、放熱板2b及び左側面13に対して垂直な方向から見て、スリット23は、アルミ電解コンデンサ35のトランス34とは反対側以外を少なくとも取り囲むように、且つその取り囲まれた内側にトランス34が入り込まないように形成されている。このアルミ電解コンデンサ35のトランス34の反対側の放熱板2bの部分が、反対側部分28として図1及び図6に示されている。
すなわち、放熱板2bと垂直な方向から見て、第1放熱部24内にトランス34、放熱ゲルシート4a、及びスライドシート5aが配置されており、第2放熱部25内にアルミ電解コンデンサ35、放熱ゲルシート4b、及びスライドシート5bが配置されている。
以上のように、本実施形態の電源装置100(電子機器の一例)は、ケース1(筐体の一例)と、アルミ電解コンデンサ35と、トランス34(発熱部品の一例)と放熱板2bとを備えている。ケース1は、樹脂で形成されている。アルミ電解コンデンサ35は、ケース1内に配置されている。トランス34は、ケース1内に配置され、アルミ電解コンデンサ35より発熱量が大きい。放熱板2bは、ケース1の外表面13s(外面の一例)に配置され、ケース1を形成する樹脂より熱伝導率が高い。放熱板2bには、トランス34から熱を放熱する第1放熱部24と、アルミ電解コンデンサ35から熱を放熱し、第1放熱部24と熱的に分離されている第2放熱部25が形成されている。
<3.実施形態1の変形例>
(A)
上記実施形態では、スリット23は、溝状の一例として放熱板2bを貫通して形成されているが、貫通していなくてもよく、溝状であればよい。図9(a)は、本実施形態の放熱板2bのスリット23の部分を模式的に示す断面図である。なお、外側の面が2bsで示されており、内側の面が2biで示されている。この内側の面2biは、左側面13の外表面13sと接する面を示す。
また、図9(c)に示すように、図9(b)とは反対側である内側の面2biから凹状に形成されているスリット232であってもよい。要するに、熱が伝達され難ければよい。
また、上記実施形態では、スリット23の第1スリット部分23a、第2スリット部分23b、第3スリット部分23cは、直線状に形成されているが、これに限られるものではない。
例えば、図10に示すように、湾曲した形状のスリット233であってもよい。尚、図10では、トランス34とアルミ電解コンデンサ35が模式的に示されている。要するに、左側面13に対して垂直な方向から視て、アルミ電解コンデンサ35のトランス34と反対側以外が少なくとも取り囲むように形成されておりさえすればよい。
上記実施形態では、右側面12にも放熱板2aが配置されていたが、配置されていなくてもよい。
(D)
上記実施形態では、第1放熱部24と第2放熱部25が渡り部分26、27で繋がっていたが、渡り部分26、27が残されておらず、完全に分離されていても良い。
上記実施形態では、スライドシート5a、5bは樹脂によって形成されていると述べたが、ガラス、紙や他の材料でなどであってもよい。樹脂に限るものではない。固体であって、筐体の内面と接触させながら筐体内に収納しても破れない程度の強度を有することが好ましい。
次に、本発明に係る実施形態2の電源装置200について説明する。本実施形態2の電源装置200は、実施形態1の電源装置100と基本的な構成は同じであるが、アルミ電解コンデンサ35の熱が放熱板2aから放熱される点が実施形態1とは異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付している。
図12は、本実施形態2の電源装置200の斜視図である。図12に示すように、本実施形態2の電源装置200は、実施形態2の電源装置100と比較して、左側面2bの代わりにスリット23が形成されていない左側面2b´を備えている。
図13は、本実施形態2の電源装置200の電源回路ユニット3´を示す斜視図である。図14は、図13の電源装置200の側面図であり、図15は、図14のBB間の矢示断面図である。
ケース本体10に挿入させるために用いられる。
図15のC部拡大図に示すように、アルミ電解コンデンサ35、放熱ゲルシート4c、スライドシート5c、右側面12、及び放熱板2aの順に直接接触して配置されているため、アルミ電解コンデンサ35の熱は、放熱板2aに伝達され、放熱板2aの面方向に広がり、電源装置200の外部へと放出される。
<2.主な特徴>
以上のように、本実施形態2の電源装置200は、トランス34(発熱部品の一例)が発生する熱を放熱する放熱板2b´(第1放熱部の一例)と、アルミ電解コンデンサ35が発生する熱を放熱し、放熱板2b´と熱的に分離されている放熱板2a(第2放熱部の一例)とを備えている。
また、第1放熱部と第2放熱部が繋がっている部分がないため、第1放熱部の熱が第2放熱部により伝達され難く、アルミ電解コンデンサ35の熱をより効率的に放熱できる。
<3.実施形態2の変形例>
上記実施形態2では、アルミ電解コンデンサ35の放熱が行われていたが、アルミ電解コンデンサ37の放熱が行われてもよい。
尚、電源装置300においても、アルミ電解コンデンサ35の放熱を行なっても良い。すなわち、実施形態2のように、第1基板31aに貫通孔を形成してアルミ電解コンデンサ35の放熱を行なっても良いし、貫通孔を形成せずアルミ電解コンデンサ35の端子35d(図15参照)と直接接触して放熱ゲルシート4を配置しても良い。
(A)
上記実施形態1、2では、トランス34、アルミ電解コンデンサ35、37に配置されている放熱ゲルシート4a、4b、4c、4dは、スライドシート5a、5b、5c、5d及びケース1を介して放熱板2a、2b、2b´に間接的に接触されていたが、このような構成に限らなくても良く、要するに、直接的又は間接的に関わらず発熱部品又はアルミ電解コンデンサが放熱板に接触し、発熱部品又はアルミ電解コンデンサからの熱が放熱板へと伝熱される構成であればよい。
(A1)
上記実施形態では、発熱部品の一例であるトランス34は、放熱ゲルシート4a、スライドシート5a、及びケース1を介して放熱板2bと間接的に接触し、トランス34からの熱が放熱板2bへと伝達されている。又、アルミ電解コンデンサ35は、実施形態1の電源装置100では、放熱ゲルシート4b、スライドシート5b、及びケース1を介して放熱板2bと間接的に接触し、実施形態2の電源装置200では、放熱ゲルシート4c、スライドシート5c、及びケース1を介して放熱板2aと接触し、更に、電源装置300では、放熱ゲルシート4d、スライドシート5d、及びケース1を介して放熱板2aと接触している。これらの構成において、スライドシート5a、5b、5c、5dが設けられていなくてもよい。この構成は、発熱部品又はアルミ電解コンデンサが伝熱部材及び筐体を介して間接的に放熱板と接触している一例に対応する。
この電源装置400は、実施形態1の電源装置100からスライドシート5a、5bを取り除いた点が異なる。
尚、図18に示す電源装置400では、スライドシート5a、5bを配置しなくても電源回路ユニット3をケース本体310に収納し易くするために、ケース本体410を2つの部材(第1部材410aと第2部材410b)に分割していたが、図8のように箱形状のケース本体10が用いられてもよい。ただし、この場合、放熱ゲルシート4a、4bの粘着性によって電源回路ユニット3をケース本体10に挿入し難くなるため、製造の際に若干手間がかかることなる。また、このように箱形状のケース本体10を用いる場合、放熱ゲルシート4a、4bとしては粘着性が弱いものを用いるほうが電源回路ユニット3を挿入しやすいため好ましい。
上記実施形態では、トランス34又はアルミ電解コンデンサ35は、放熱ゲルシート4(4a、4b、4c、4d)、スライドシート5(5a、5b、5c、5d)、及びケース1を介して放熱板2(2a、2b)と接触しているが、放熱ゲルシート4(4a、4b、4c、4d)が、放熱板2(2a、2b)に直接接触してもよい。この構成は、発熱部品又はアルミ電解コンデンサが伝熱部材を介して間接的に放熱板と接触している一例に対応する。
図22は、図21に示す電源装置300の正断面図であり、前面110に対して平行であってトランス34及び電解コンデンサ35を通る切断面である。図23は、電源装置500の分解図である。
図22に示すように、電源装置500では、トランス34の表面34aに放熱ゲルシート4aの第1面4aaが直接的に接触し、放熱ゲルシート4aは開口部13eを介して、その第2面4abが放熱板2bの第1放熱部24に直接的に接触している。このような構成により、トランス34による発熱は、放熱ゲルシート4aから放熱板2bへと伝達され、放熱板2bでその面方向に広がって外部へ放出される。
尚、電源装置500を組み立てる際には、放熱ゲルシート4a、4bを配置しない状態で、まず電源回路ユニット3が本体ケース510に挿入される。その後、開口部13、13hを介して、放熱ゲルシート4a、4bが、トランス34及びアルミ電解コンデンサ35に配置される(図23の矢印T1、T2参照)。その後、ケース前部11がケース本体510に取り付けられ、放熱板2a、2bが右側面12及び左側面513に両面テープによって貼り付けられる。
上記(A2)では、発熱部品の一例であるトランス34に伝熱部材の一例である放熱ゲルシート4aが直接接触して配置されており、放熱ゲルシート4aが放熱板2bに直接接触している構成について説明したが、発熱部品がトランス34に限られるものではなく、伝熱部材も放熱ゲルシート4aに限られるものではない。
図24は、このような構成の電源装置600の斜視図である。図25は、図24の電源装置600の内部構成を示す左側面図である。図26(a)は図25のDD間の矢示断面図であり、図26(b)は図25のEE間の矢示断面図である。
尚、電源装置600では、ヒートシンク33bが放熱板2bに直接接触していたが、放熱ゲルシート4が、ヒートシンク33bと放熱板2bの間に、それぞれと直接的に接触して配置されていてもよい。
更に、ヒートシンク33bが、放熱ゲルシート4を介さず左側面613に直接的に接触していてもよい。
尚、ヒートシンク33aも、上記ヒートシンク33bと同様に伝熱部材の一例として用いて放熱板2bに直接又はケースを介して間接的に接触していてもよい。
又、整流ダイオード30等の半導体部品に加えてトランス34についても放熱板2bからの放熱を行う場合、双方とも発熱量が多いため、アルミ電解コンデンサ35と分けて第1放熱部24に放熱させる方が好ましい。
上記実施形態及び上記(A3)では発熱部品の一例としてトランス34、整流ダイオード30が挙げられたが、これらに限られるものではない、例えば、コイル38等であってもよい。
(C)
上記実施形態では、放熱板2a、2bは、アルミニウムによって形成されていたが、他の金属であってもよいし、金属に限らなくてもよい。要するに、ケース1、401、501、601(特にケース本体10、410、510、610)を形成する樹脂よりも熱伝導率の高い放熱板が用いられれば良い。
上記実施形態では、放熱板2a、2bは、右側面12及び左側面13に接着によって取り付けられていたが、嵌合や締結によって取り付けられていても良い。
(E)
上記実施形態では、電子機器の一例としての電源装置について説明したが、電源装置に限られるものではなく、発熱部品を有している電子機器に対して上記説明した構造を適用することが出来る。
2 放熱板
2a 放熱板(放熱部材の一例、第1放熱部の一例)
2b 放熱板(放熱部材の一例)
2b´ (放熱部材の一例、第2放熱部の一例)
2bu 下端
3 電源回路ユニット
4 放熱ゲルシート(伝熱部材の一例)
4a 放熱ゲルシート(伝熱部材、第1伝熱部材の一例)
4b 放熱ゲルシート(伝熱部材、第2伝熱部材の一例)
4c 放熱ゲルシート(伝熱部材一例)
4d 放熱ゲルシート(伝熱部材の一例)
4aa、4ba 第1面
4ab、4bb 第2面
5、5a、5b、5c、5d スライドシート(シート状部材の一例)
9 支持レール
9a 上端部分
9b 下端部分
10 ケース本体
11 ケース前部
11a、11b、11c、11d、11e、11f 爪部
11g、11i 突出部
11j 右側面側の縁
11k 左側面側の縁
11m 上面側の縁
11n 底面側の縁
11o、11p、11q、11r 貫通孔
12 右側面(第2面の一例)
12a、12b 嵌合孔
12f 前端
12i 内表面
12s 外表面
13 左側面(第1面の一例)
13a、13b 嵌合孔
13e、13g、13h 開口部
13f 前端
13s 外表面(外面の一例)
13i 内表面
14 上面(第3面又は第4面の一例)
14a 嵌合孔
14c 右端
14d 左端
14e 後端
14f 前端
14m 支持部
15 底面(第3面又は第4面の一例)
15a 嵌合孔
15c 右端
15d 左端
15e 後端
15f 前端
15m 支持部
16 背面(第5面の一例)
16a 上端側の面
16b 略中央の面
16c 下端側の面
16d 係止部
16e 凹部
16f 係止部
16g 傾斜面
17 開口
21、22 切り欠き
23 スリット
23a 第1スリット部分
23b 第2スリット部分
23bu 下端
23c 第3スリット部分
23cu 下端
23p 連結部
24 第1放熱部
25 第2放熱部
26、27 渡り部分
30 整流ダイオード
31a、31a´ 第1基板(基板の一例)
31ab´ 裏面
31ap´ 貫通孔(貫通孔の一例)
31as´ 表面
31b 第2基板
32 スイッチング素子
33a、33b ヒートシンク(伝熱部材の一例)
33ba 第1部分
33bc 第2部分
33as、33bs 表面
34 トランス(発熱部品の一例)
34a 表面
35 アルミ電解コンデンサ
35a 側面
35b、35c 端面
35d 端子
36 ブリッジダイオード
36a 表面
37 アルミ電解コンデンサ
37a 側面
37b、37c 端面
37d 端子
38 コイル
39a 第1の配線接続部
39b 第2の配線接続部
100 電源装置
110 前面
111c、111e 傾斜面
112 右面
113 左面
114 上面
115 下面
141、141a、141b 通気孔
151、151a、151b 通気孔
160 取付け部
200 電源装置
201 ケース
210 ケース本体
210a 第1部材
210b 第2部材
231、232、233、234、235 スリット
235p スリット部分
300 電源装置
390 ネジ
391 配線挿入部
400 電源装置
401 ケース
410 ケース本体
410a 第1部材
410b 第2部材
500 電源装置
501 ケース
510 ケース本体
513 左側面
600 電源装置
610 ケース本体
610a 第1部材
613 左側面
Claims (16)
- 樹脂で形成された筐体と、
前記筐体内に配置されたアルミ電解コンデンサと、
前記筐体内に配置され、前記アルミ電解コンデンサより発熱量が大きい発熱部品と、
前記筐体の外面に配置され、前記筐体を形成する樹脂より熱伝導率が高い板状の放熱部材と、
を備え、
前記放熱部材には、前記発熱部品から熱を放熱する第1放熱部と、前記アルミ電解コンデンサから熱を放熱し、前記第1放熱部と熱的に分離されている第2放熱部が形成されている、
電子機器。 - 前記放熱部材は、少なくとも前記アルミ電解コンデンサと前記発熱部品とを単一の部材で覆い、
前記放熱部材には、前記放熱部材に対して垂直な方向から視て前記アルミ電解コンデンサの前記発熱部品と離れている側以外を少なくとも取り囲むようにスリットが形成されており、
前記第1放熱部と前記第2放熱部は、前記スリットによって分けられている、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記スリットは、前記放熱部材に溝状に形成されている、
請求項2に記載の電子機器。 - 前記筐体は、第1面及び第2面を有し、
前記放熱部材は、前記第1面と前記第2面のそれぞれに配置されており、
前記第1放熱部は、前記第1面に配置されている前記放熱部材であり、
前記第2放熱部は、前記第2面に配置されている前記放熱部材である、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記アルミ電解コンデンサ及び前記発熱部品が設けられ、前記筐体内に配置された基板を備え、
前記第1面は、前記第2面と平行な方向に沿って前記第2面と対向して配置され、
前記基板は、前記第1面と前記第2面の間に前記第1面及び前記第2面と平行な方向に沿って配置され、
前記アルミ電解コンデンサ及び前記発熱部品は、前記基板の前記第1面側の面に設けられている、
請求項4に記載の電子機器。 - 前記基板には、貫通孔が形成されており、
前記貫通孔を介して、前記アルミ電解コンデンサに直接的に接触して配置された伝熱部材を更に備え、
前記伝熱部材は、直接的に又は前記筐体を介して間接的に前記第2放熱部に接触している、
請求項5に記載の電子機器。 - 前記アルミ電解コンデンサの端子に直接的に接触し、前記基板の前記第2面側の面に配置された伝熱部材を更に備え、
前記伝熱部材は、直接的に又は前記筐体を介して間接的に前記第2放熱部に接触している、
請求項5に記載の電子機器。 - 前記アルミ電解コンデンサの耐熱温度は、前記発熱部品よりも低い、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記発熱部品は、トランス、又は半導体部品である、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記発熱部品は、前記筐体及び前記発熱部品と直接的に接触して配置される伝熱部材の少なくとも一方を介して間接的に、又は直接的に前記第1放熱部に接触している、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記アルミ電解コンデンサは、前記筐体及び前記発熱部品と直接的に接触して配置される伝熱部材の少なくとも一方を介して間接的に、又は直接的に前記第2放熱部に接触している、請求項1に記載の電子機器。
- 前記発熱部品と前記筐体との間に配置され、前記発熱部品と直接接触し、前記筐体と直接又は間接的に接触する第1伝熱部材と、
前記アルミ電解コンデンサと前記筐体との間に配置され、前記アルミ電解コンデンサと直接接触し、前記筐体に直接又は間接的に接触する第2伝熱部材とを備え、
前記筐体は、前記発熱部品及び前記アルミ電解コンデンサを共に覆い、
前記第1放熱部は、前記第1伝熱部材を前記筐体越しに覆い、
前記第2放熱部は、前記第2伝熱部材を前記筐体越しに覆い、
前記第1放熱部と前記第2放熱部は、分離若しくは熱的に分離されている、
請求項1に記載の電子機器。 - 前記第1放熱部と前記第2放熱部は、前記筐体の1つの面上に分離して配置されている、請求項1に記載の電子機器。
- 前記筐体は、前記第1放熱部及び前記第2放熱部が配置された第1面と、前記第1面に垂直な方向に沿って配置された第3面と、前記第1面に垂直な方向に沿って配置された第4面とを有し、
前記第3面と前記第4面は、対向して配置されており、
前記第3面及び前記第4面のそれぞれには、気体が流入又は流出する通気孔が形成されている、
請求項13に記載の電子機器。 - 前記筐体を支持レールに取り付けるための取付け部を更に備え、
前記筐体は、前記第1放熱部及び前記第2放熱部が配置された第1面と、前記第1面に垂直な方向に沿って配置された第5面とを有し、
前記取り付け部は、前記第5面に配置されており、
前記第1面は、前記筐体が前記支持レールに取り付けられた場合に、前記支持レールの長手方向に垂直な方向に沿うように前記筐体に配置されている、
請求項13に記載の電子機器。 - 前記第1面が鉛直方向に沿うように前記電子機器を配置した状態において、前記第1放熱部と前記第2放熱部は、上下に分離されており、
前記第1放熱部は、前記第2放熱部の上側に配置されている、
請求項14又は15に記載の電子機器。
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