JP2006191772A - 電気接続箱 - Google Patents

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Abstract


【課題】 本発明は、放熱性の向上を図ると共に、空間を効率的に利用した電気接続箱を提供する。
【解決手段】 放熱板18には、その周縁部から延設された取付けブラケット39と、取付けブラケット39に沿うように延びてボディ44との間に空隙51を介して位置する補助放熱板部45と、この補助放熱板部45の先端に、ボディ44に対して空隙51を介して対向する輻射放熱部46とが設けられている。回路構成体12から発した熱は、放熱板18、補助放熱板部45及び輻射放熱部46から空隙51に放熱されると共に、空隙51を介してボディ44に対して輻射により伝熱されるから、電気接続箱10の放熱性が向上する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、筐体に回路基板を収容してなる電気接続箱に関する。
従来より、車載電源から各種電装品に電力を分配する電気接続箱としては、特許文献1記載のものが知られている。このものは、枠体の一方の開口に放熱板を取り付けて、容器状の筐体とし、内部に回路基板を収容し、枠体の他方の開口にカバーを取り付けてなる。この放熱板には電気接続箱を車両に取り付けるための取付けブラケットが形成されており、この取付けブラケットに形成されたボルト挿通孔にボルトが挿通されて車両のボディに螺合されることにより、電気接続箱は車両に取り付けられるようになっている。
上記した回路基板には電源からの大電流が流れるため、回路基板からの発熱量はそれに応じて比較的大きなものとなる。回路基板から発生した熱により電気接続箱内が高温になると、回路基板に実装された電装品が誤作動を起こしたり変形したりするおそれがある。このため回路基板から発生した熱は電気接続箱の外部に速やかに放散されることが望ましい。そこで従来の電気接続箱においては、回路基板に絶縁材を介して放熱板を取付け、更には放熱板をボディに接触させて放熱することにより、回路基板から発生した熱が放熱板から放散されるようになっている。
特開2004−40873公報(第6図)
近年、自動車には安全性及び快適性の向上が求められており、これに伴って、車載電装品の数が増加している。これにより電気接続箱の回路基板に流れる電流も大きなものとなり、回路基板からの発熱量も増大する傾向にあるため、電気接続箱の放熱性の更なる向上が求められている。電気接続箱の放熱性を向上させるためには放熱板を大型化すればよいとも思える。しかし電気接続箱はエンジンルーム内などの限られた収容空間内に取り付けられている。このため、単に放熱板を大きくしただけではバッテリーやエンジンなど他の部品と干渉するおそれがあるから、電気接続箱の収容空間を効率的に利用するための工夫が必要となる。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、放熱性の向上を図ると共に、空間を効率的に利用した電気接続箱を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための手段として、請求項1の発明は、枠体と放熱板とを備える筐体内に回路基板を収容すると共に、取付け母体に対し、前記放熱板が取り付けられる電気接続箱であって、前記放熱板には、その周縁部から段差状に屈曲して延出されてなる、前記取付け母体への取付けブラケットが設けられており、その取付けブラケットの先端部には、取付け母体に宛われて締結部材により前記取付け母体に密着して固定される取付け座面が設けられ、前記放熱板には、その周縁部から延びて前記取付け母体との間に空隙を介して位置する補助放熱板部が設けられていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載のものにおいて、前記補助放熱板部は、前記取付けブラケットの近傍に、それに沿うように形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1記載のものにおいて、電気接続箱前記補助放熱板部は、前記取付けブラケットと一体に連なるように形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のものにおいて、前記補助放熱板部の先端には、前記取付け母体に対して略一様な寸法の空隙を介して対向する輻射放熱部が設けられていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載のものにおいて、前記回路基板は、プリント配線板の一方の面にスイッチング素子を実装すると共に、他方の面に前記スイッチング素子と接続される複数本のバスバーを接着してなる回路構成体であり、前記バスバー側に前記放熱板が接着されることを特徴とする。
<請求項1の発明>
請求項1の発明によれば、放熱板から補助放熱板部に伝達された熱は、空気に放熱されると共に、取付け母体に対して輻射により伝熱される。これにより、回路基板から発生した熱は放熱板及び補助放熱板部の双方から放散されるから、電気接続箱の放熱性を向上させることができる。
また、補助放熱板部は、放熱板と取付け母体との間の空間に位置するようになっている。これにより、補助放熱板部を、エンジンやバッテリー等の部品と干渉することなく放熱板から延設できるから、電気接続箱の収容空間を効率よく利用できる。
<請求項2の発明>
請求項2の発明によれば、補助放熱板部は取付けブラケットの近傍に、それに沿うように延出されているから、電気接続箱と取付け母体との間の空間のうち、取付けブラケット近傍の空間内に位置するようになっている。従来、取付けブラケット近傍の空間はデッドスペースとなっていたので、請求項2の発明によれば空間を効率的に利用して補助放熱板部を形成できる。
<請求項3の発明>
請求項3の発明によれば、補助放熱板部は取付けブラケットと一体に連なるように形成されているから、補助放熱板部により取付けブラケットを補強することができる。また、補助放熱板部の剛性も、取付けブラケットにより向上するので、車両の振動により補助放熱板部が振動することを防止できる。
<請求項4の発明>
請求項4の発明によれば、輻射放熱部と取付け母体との間には略一様な寸法の空隙が形成されているから、この空隙を介して、輻射放熱部から取付け母体へ、輻射によって効率よく伝熱できる。これにより電気接続箱の放熱性を向上できる。
<請求項5の発明>
スイッチング素子には大きな電流が流れるから、発熱量も比較的大きい。このため、スイッチング素子から発生した熱を効率よく電気接続箱の外部に放散することが望まれる。
請求項5の発明によれば、スイッチング素子から発生した熱は、スイッチング素子と接続されたバスバーに伝達された後、バスバーと接着された放熱板から電気接続箱の外部へと効率よく放散されるようになっている。これにより電気接続箱内が高温になることを防止できる。
本発明の一実施形態を図1ないし図7によって説明する。図1ないし図3に示すように、本実施形態の電気接続箱10は車両に搭載されるものであって、扁平形状の筐体11内に回路構成体12(本発明の回路基板に相当)を収容してなる。
筐体11は、図2に示すように上下を開放した枠体13を上方からカバー14で覆うと共に、枠体13に下方から放熱板18を取付けてなる。枠体13は長方形の一つの角を落としたような形状をなしており、全周にわたって切れ目無く連続して回路構成体12を包囲するようになっている。この枠体13の側壁の外側面には、後述するロック片15に係止するためのロック突部16が設けられている。一方、カバー14の側壁には、ロック突部16と対応する位置に、撓み変形可能なロック片15が設けられている。このカバー14の上壁には、図2における右奥側の両端部寄りの位置にカバー取付孔17が形成されている。カバー14と枠体13とは、ロック片15がロック突部16に弾性的に係止されると共に、カバー取付孔17に挿入された図示しないビスが枠体13にわたってねじ込まれることにより結合されている。また、枠体13の下面には、放熱板18との位置決めをするための位置決めピン(図示せず)が下方に突設されている。
図3に示すように、枠体13の内側には回路構成体12が収容されている。この回路構成体12は、枠体13の内周と略同じ形状をなすプリント配線板19の上面にプリント配線手段によって制御回路を形成すると共に、ここにスイッチング素子20(本実施形態ではリレー)を実装して構成され、その下面に複数本のバスバー21をスイッチング素子20の端子と電気的に接続した状態で沿わせてある。なお、バスバー21群は、絶縁性を有する薄い接着シート(図示せず)を介してプリント配線板19と一体的に貼り付けられている。回路構成体12のうち、図2における左手前側には、スルーホール22が形成されており、後述するPCBコネクタ23の端子24が挿入されている。
バスバー21群は、金属板を打ち抜いて形成され、電力回路となる所定の導電路を形成している。これらのバスバー21群は、回路構成体12のうち、図2における右奥側の端縁から、並んで突出するようになっている。バスバー21群のうち、図2において最も左奥側に配された1本を除いて、ほぼ左側の領域にわたって配されたものは、回路構成体12の上面側において二度直角曲げされることで、先端が図2の右手奥側に向けて突出しており、かつ、先端にスリット25が形成されて、図示しないヒューズが挿入可能となっている。また、残りのバスバー21は、さらに二度直角曲げされることで、先端が図2における左手前側に向けて突出している。
図3における回路構成体12の左端部には、PCBコネクタ23が取り付けられている。このPCBコネクタ23は、横長形状で、図3における左方に開口した合成樹脂製のコネクタハウジング26を備えている。このコネクタハウジング26には、L形に曲げ形成された端子24が、一端を開口内に突出させ、他端を奥壁を貫通して下向きに突出させた姿勢で、並んで装着されている。各端子24の下向きの突出端は、回路構成体12に開口されたスルーホール22に上方から挿入されて、制御回路と半田付けされている。コネクタハウジング26の下面からは円筒形をなす固着部27が下方に垂下して形成されており、コネクタハウジング26と回路構成体12とは、回路構成体12の下面側から貫通させたビス28を固着部27に螺合することにより固着されている。
図3における回路構成体12の右端部には、ヒューズブロック29が取り付けられている。このヒューズブロック29は合成樹脂製であって、横長形状に形成されている。ヒューズブロック29の長さ方向の両端部には、図1における左手前側に開口したコネクタ部30が設けられると共に、その間の一側にヒューズ装着部31が、他側に端子収容部32がそれぞれ設けられている。
ヒューズ装着部31には、図示しないヒューズが装着される複数の装着孔(図示せず)が、図3における右方に開口して設けられ、各装着孔では、その下部側に、図3における右方に突出して形成されるバスバー21が装着され、ロック60で保持されると共に、上部側には、このバスバー21と対をなすタブ状の接続片33の一端が同じく装着され、接続片33の他端は、図2における左手前側に突出するようになっている。一方、コネクタ部30と、端子収容部32とには、図2における左手前側に突出して形成されるバスバー21が収容されている。
ヒューズブロック29のうち、ヒューズ装着部31と端子収容部32とにわたる領域の、図2における左手前側には、中継コネクタ34が結合されている。この中継コネクタ34には、ヒューズ装着部31及び端子収容部32から、図2における左手前側に突出した接続片33及びバスバー21が、中継コネクタ34の、図2における左手前側に開口した嵌合部35内に突出するようになっている。
回路構成体12及び枠体13の下側には、放熱板18が取り付けられている。この放熱板18は、スイッチング素子20などから発生する熱を放熱するためのものであって、熱伝導率の高いアルミニウム等の金属板により枠体13の外形とほぼ同じ形状に形成されている。放熱板18のうち、図3における左端部には、PCBコネクタ23に装着された端子24のうち、回路構成体12の下面側に突出した端部との干渉を避けるため、及び、コネクタハウジング26と回路構成体12とを固着させるためのビス28と放熱板18とが干渉するのを防止するために、逃がし凹部36が形成されている。放熱板18の周縁部には、図2に示すようにねじ(例えばタッピンねじ)を挿入するための放熱板取付孔37と、枠体13の位置決めピン(図示せず)が挿入される位置決め孔38が形成されている。枠体13と放熱板18とは、位置決めピン(図示せず)が位置決め孔38内に挿入された状態で、放熱板18の周縁部が枠体13の下面に接着されると共に、ねじをねじ込むことで固定されている。一方、放熱板18の上面には、回路構成体12のバスバー21が、絶縁性の接着剤によって接着されている。
放熱板18と、放熱板18の外周に沿って立ち上がる形態の枠体13とにより形成された空間内には、防水手段としてポッティング剤(図示せず)が充填されており、回路構成体12の表面がポッティング剤で被覆されることによって防水性が確保されている。
さて、放熱板18には、図4における右端縁のうち上端寄りの位置から、大まかには図4における右方(枠体13とは反対側)に延出した形態の板状の取付けブラケット39が段差状に屈曲して形成されている。この取付けブラケット39は、詳細には、放熱板18の図5における右端縁に連なると共に、この放熱板18の右端縁に対して斜め下右方へ延出する傾斜部40と、傾斜部40の右端縁から放熱板18と略平行に右方に延出する略方形をなす取付け座面41とからなる。取付け座面41には、略円形のボルト孔42が貫通して形成されているとともに、取付け座面41の右端縁からボルト孔42に達する切込み43が形成されている。このボルト孔42にボルト50(本発明の締結部材に相当)が挿入されて、車両のボディ44(本発明の取付け母体に相当)に形成された図示しない雌ネジ孔に螺合されることにより、電気接続箱10が車両に取り付けられるようになっている。
放熱板18には、図4における右端縁のうち取付けブラケット39が延出された部分よりも内側の位置から、大まかには図4における右方(取付けブラケット39の延出方向)に延出した形態の板状の補助放熱板部45が形成されている。この補助放熱板部45は、詳細には、放熱板18の図5における右端縁に連なると共に、この放熱板18の右端縁に対して斜め下右方(傾斜部40に沿う方向)へ延出されている。補助放熱板部45の幅方向(図4における上下方向)の寸法は、後述する取付け面44Aの表面形状にあわせ、放熱板18の幅寸法よりも小さく設定されており、全体として幅方向に細長い形状をなす。補助放熱板部45の、放熱板18からの延出方向への長さ寸法は、傾斜部40の、放熱板18からの延出方向への長さ寸法よりもやや短くなっている。補助放熱板部45の図4における上端縁は傾斜部40と一体に連なっている(図6参照)。このように補助放熱板部45と傾斜部40とが一体に連なっていることにより、補助放熱板部45により取付けブラケット39を補強することができる。また、補助放熱板部45の剛性も、取付けブラケット39により向上するので、車両の振動により補助放熱板部45が振動することを防止できる。
補助放熱板18の図5における右端縁からは、放熱板18と略平行に右方に延出された形状の輻射放熱部46が形成されている。輻射放熱部46の幅方向(図4における上下方向)の寸法は補助放熱板部45の幅寸法と略同じ寸法とされ、全体として幅方向に細長い形状をなす。図4における輻射放熱部46の右端縁は、傾斜部40、補助放熱板部45及び放熱板18の右端縁に対して傾斜しており、輻射放熱部46の図4における左右方向の寸法は、下端縁から上端側に向かって次第に大きくなっている。
輻射放熱部46の図4における上端縁は、取付け座面41と一体に連なっている。これにより、輻射放熱部46が取付け座面41により補強されるから、車両の振動により輻射放熱部46が振動することを防止できる。また、取付け座面41は、輻射放熱部46よりも図5における下方に位置しており(図6参照)、取付け座面41と輻射放熱部46との間には叩き出しにより段差47が形成されている。
尚、取付けブラケット39、補助放熱板部45及び輻射放熱部46の表面(上面)は、枠体13に形成された略板状のブラケットカバー48によりほぼ密着する形態で覆い隠されている(図3参照)。これにより、放熱板18、取付けブラケット39、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46の周縁部が枠体13により覆われるから、作業者がこれらの周縁部に触れて怪我をするのを防止できる。また、このブラケットカバー48には、ボルト孔42と対応する貫通孔49が形成され、貫通孔49にカラー61を装着した状態で、カラー61と放熱板18とを介して、ボディ44へボルト締めされている。
また、上記の電気接続箱10は、自動車に搭載されるときには、取付けブラケット39を上方に向けた縦向きの姿勢で、ボディ44に取り付けられるようになっている。
次に、本実施形態の作用、効果について説明する。
電気接続箱10は、ボディ44の凹凸及び作業隙をさけて、ボディ44の鉛直方向の略平坦な取付け面44Aに取り付けられる。取付けに際しては、前述したように、電気接続箱10を、放熱板18に形成された取付けブラケット39が上端側に位置するとともに、放熱板18の裏面がボディ44の取付け面44Aと対向するように向きを整え、かかる状態で、表面側からボルト50を貫通孔49とボルト孔42に差込み、取付け面44Aに形成されている雌ネジ孔(図示せず)に螺合する。この際、電気接続箱10は、ブラケットカバー48に挿入されたカラー61と放熱板18とを介してボディ44に固定されるから、ボルト締め付け及び車両の振動によりボルト50の締め付け部分に大きな力が加わっても、ブラケットカバー48が割れることを防止でき、強固に固定できる。
ボディ44に電気接続箱10が取り付けられた状態では、取付けブラケット39の取付け座面41の裏面が取付け面44Aに対して面接触状態で密着する。また、取付けブラケット39に傾斜部40が形成されていること、及び取付け座面41と輻射放熱部46との間に段差47が形成されていることから、放熱板18、補助放熱板部45及び輻射放熱部46と、取付け面44Aとの間には所定の空間が形成されている。これら放熱板18、補助放熱板部45及び輻射放熱部46と、取付け面44Aとの間の空隙51に、放熱板18、補助放熱板部45及び輻射放熱部46から放出された熱が、放散される。
ボディ44は、プレスにより製造されたパーツを溶接して一体に形成されているので、ボディ44表面にはプレスや溶接により形成された細かな凹凸が存在する。輻射放熱部46をボディ44に対して浮かせることで、輻射放熱部46を取付け座面41と一平面的にボディ44に接続する場合に比べて、接地面積を少なくすることができる。これにより、輻射放熱部41が、ボディ44の表面にプレスや溶接により形成された凸部52に乗り上げる確率が減り、より密着させた状態で固定できる(図7参照)。
回路構成体12に実装されたスイッチング素子20に電流が流れることにより、スイッチング素子20が発熱する。スイッチング素子20から発せられた熱は、端子を介してバスバー21に伝達され、バスバー21と接着された放熱板18に伝達される。このときバスバー21にも電流が流れてバスバー21からも熱が発生し、この熱も放熱板18に伝達される。そして、放熱板18から空隙51に放出される。また、この空隙51には、放熱板18だけでなく、取付けブラケット39の傾斜部40、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46も臨んでおり、放熱板18から傾斜部40、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46に伝達された熱も空隙51に放出される。さらに、放熱板18、傾斜部40、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46からは、空隙51を介してボディ44に対して輻射により熱が伝達される。特に、輻射放熱部46と取付け面44Aとの間の空隙51は略一様な寸法になっているから、効率よく熱を輻射により伝達することができる。また、取付け座面41に伝達された熱は、面接触する取付け面44Aからボディ44へと伝達される。
このように本実施形態によれば、放熱板18に加えて、取付けブラケット39、補助放熱板部45及び輻射放熱部46からも放熱することができるから、電気接続箱10の放熱性を向上させることができ、電気接続箱10内が高温になることを防止できる。
また、補助放熱板部45は、放熱板18とボディ44との間の空間に位置するようになっている。これにより、補助放熱板部45を、エンジンやバッテリー等の部品と干渉することなく放熱板18から延設できるから、電気接続箱10の収容空間を効率よく利用できる。
さらに、輻射放熱部46と、取付け面44Aとの間には空隙51が形成されており、この空隙51における放熱板18、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46と、取付け面44Aとの間隔は、ボディ44の表面にプレスや溶接により形成された凸部52が、輻射放熱部46と干渉しないように設定されている(図7参照)。これにより、より密着させた状態で固定できる。
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)本実施形態においては、取付けブラケット39と補助放熱板部45とは一体に連なって形成される構成としたが、これに限られず、取付けブラケット39と、補助放熱板部45とを別体とし、補助放熱板部45を取付けブラケット39の近傍に、それに沿うように形成してもよい。
(2)本実施形態においては、補助放熱板部45の先端に輻射放熱部46を設ける構成としたが、放熱板18及び補助放熱板部45による放熱のみで電気接続箱10内の温度上昇を抑制できる場合には、輻射放熱部46を省略できる。
(3)本実施形態においては、補助放熱板部45は、取付けブラケット39と一体に連なるように形成されたが、これに限られず、例えば補助放熱板部45は、放熱板18のうち取付けブラケット39が形成された周縁部とは異なる周縁部から延出される構成としてもよく、取付けブラケット39と離間した状態で形成される構成とすることができる。
(4)本実施形態においては、スイッチング素子20としてリレーを用いたが、これに限られず、半導体リレーを用いてもよい。
(5)本実施形態においては、放熱板18に取付けブラケット39、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46を一体形成したが、本発明によれば、取付けブラケット39、補助放熱板部45、又は輻射放熱部46を放熱板18とは別体部品としてもよい。この場合、取付けブラケット39、補助放熱板部45、又は輻射放熱部46の材質は、放熱板18と同じでもよく、また放熱板18とは異なる材質でもよい。
(6)本実施形態においては、ブラケットカバー48により取付けブラケット39、補助放熱板部45、及び輻射放熱部46が覆われる構成としてが、これに限られず、ブラケットカバー48に開口部を設けて取付けブラケット39、補助放熱板部45、又は輻射放熱部46が露出する構成としてもよい。これにより開口部から露出した取付けブラケット39、補助放熱板部45、又は輻射放熱部46からも放熱できるから、電気接続箱10の放熱性が向上する。
本発明の一実施形態に係る電気接続箱の斜視図 電気接続箱の分解斜視図 電気接続箱の断面図 放熱板の平面図 放熱板の側面図 放熱板の斜視図 放熱板の背面図
符号の説明
10…電気接続箱
11…筐体
12…回路構成体(回路基板)
18…放熱板
19…プリント配線板
20…スイッチング素子
21…バスバー
39…取付けブラケット
41…取付け座面
44…ボディ(取付け母体)
45…補助放熱板部
46…輻射放熱部
50…ボルト(締結部材)
51…空隙

Claims (5)

  1. 枠体と放熱板とを備える筐体内に回路基板を収容すると共に、
    取付け母体に対し、前記放熱板が取り付けられる電気接続箱であって、
    前記放熱板には、その周縁部から段差状に屈曲して延出されてなる、前記取付け母体への取付けブラケットが設けられており、
    その取付けブラケットの先端部には、取付け母体に宛われて締結部材により前記取付け母体に密着して固定される取付け座面が設けられ、
    前記放熱板には、その周縁部から延びて前記取付け母体との間に空隙を介して位置する補助放熱板部が設けられていることを特徴とする電気接続箱。
  2. 前記補助放熱板部は、前記取付けブラケットの近傍に、それに沿うように形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
  3. 前記補助放熱板部は、前記取付けブラケットと一体に連なるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の電気接続箱。
  4. 前記補助放熱板部の先端には、前記取付け母体に対して略一様な寸法の空隙を介して対向する輻射放熱部が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電気接続箱。
  5. 前記回路基板は、プリント配線板の一方の面にスイッチング素子を実装すると共に、他方の面に前記スイッチング素子と接続される複数本のバスバーを接着してなる回路構成体であり、前記バスバー側に前記放熱板が接着されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電気接続箱。
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