JP6432137B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

本発明は、電源装置等の電子機器に関する。
電源装置として、例えばスイッチング電源装置が用いられており、このスイッチング電源装置の内部にはトランスやコイル、アルミ電解コンデンサ等の電子部品が設けられている。これらの電子部品のうち例えばトランス、半導体部品、及びコイル等はこれらを除く他の部品よりも発熱量が多い発熱部品であり、これら発熱部品の放熱性を高める構成が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2002−76661号公報
しかしながら、上記従来の構成では、以下の問題点を有している。
すなわち、電源装置に用いられているアルミ電解コンデンサは温度上昇により寿命が短くなるが、従来の構成では、相対的に高温となる上記の発熱部品から低温の外部までの間に温度勾配が存在し、発熱部品と共に電源装置内部に含まれるアルミ電解コンデンサは依然として高温にさらされることとなる。
本発明の目的は、アルミ電解コンデンサの熱を効率良く外部へと放出することが可能な電子機器を提供し、上記課題を解決することにある。
第1の発明に係る電子機器は、アルミ電解コンデンサと、発熱部品と、筐体と、伝熱部材を備えている。発熱部品は、アルミ電解コンデンサよりも発熱量が大きい。発熱部品は、トランス、半導体部品、及びコイルのいずれかひとつを含む。筐体は、アルミ電解コンデンサ及び発熱部品が内部に配置されている。伝熱部材は、筐体とアルミ電解コンデンサの間に配置され、アルミ電解コンデンサと直接接触し、筐体と直接又は間接的に接触する。伝熱部材は、アルミ電解コンデンサが発熱部品から受けた熱を筐体へと伝達する部材であり、空気などの筐体内部にある気体よりも熱伝導率が高い部材である。これにより、伝熱部材を配置せずに空間を設けるよりも熱を効率よく筐体に放熱することができるようになる。また、間接的に接触するとは、2つの部材の間に他の部材が介在し、これらの2つの部材は互いに直接接触していないが、いずれの部材も当該他の部材と直接接触している状態をいう。他の部材は複数の部材が順に直接接触しながら連なった部材であっても良い。他の部材は、空気などの筐体内部にある気体よりも熱伝導率が高い部材である。
筐体内に発熱部品が配置されている場合、発熱部品による発熱を受けてアルミ電解コンデンサの温度が上昇することになるが、上記構成によりアルミ電解コンデンサの熱が筐体へと伝達され、筐体から外部へと放熱される。
これにより、アルミ電解コンデンサの熱を効率良く外部へ放出することが出来、アルミ電解コンデンサの温度の上昇を低減することが可能となる。
このようにアルミ電解コンデンサの熱上昇を防ぐことにより、電子機器の寿命を制約しているアルミ電解コンデンサの温度を下げ、あるいは、従来よりも温度の高い周囲環境で用いることが可能となり、電子機器の寿命を長くし、あるいは、著しく寿命が低下することを抑止することができる。
第2の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器であって、アルミ電解コンデンサは、筒形状部分を含み、筒形状部分の側面に接触して伝熱部材が設けられている。尚、筒形状には、円筒形状を含む。
アルミ電解コンデンサの円筒形状の端面には、一般的に防爆弁が設けられている構造が多いが、上記構成のように端面を避けて側面に伝熱部材を配置することによって、アルミ電解コンデンサの防爆弁の働きを妨げることなく外部への放熱を行うことが出来る。
第3の発明の電子機器は、第2の発明の電子機器であって、アルミ電解コンデンサが取り付けられ、筐体内に配置された基板を更に備えている。アルミ電解コンデンサは、筒形状部分が基板に沿うように配置されている。
このようにアルミ電解コンデンサの側面が基板に沿うように配置することによって、サイズの大きいアルミ電解コンデンサを用いた場合であっても基板に垂直な方向の高さを抑えることが出来る。
すなわち、基板に垂直な方向の厚みを抑えた電子機器を実現できる。
第4の発明の電子機器は、第3の発明の電子機器であって、筐体は、基板のアルミ電解コンデンサが配置されている表面に対向する第1対向面を有し、伝熱部材は、第1対向面とアルミ電解コンデンサの側面との間に配置されている。
これにより、基板の表面側に配置されている筐体の第1対向面からアルミ電解コンデンサの熱を外部へと放出することが出来る。
第5の発明の電子機器は、第3の発明の電子機器であって、基板は、アルミ電解コンデンサが取り付けられている表面と、その反対側の裏面と、表面と裏面を貫通する貫通部とを有している、筐体は、基板の裏面と対向する第2対向面を有している。アルミ電解コンデンサは、筒形状部分の少なくとも一部が貫通部を介して裏面から突出するように配置されている。伝熱部材は、アルミ電解コンデンサの裏面から突出した側面の部分と第2対向面との間に配置されている。
これにより、基板の裏面側に配置されている筐体の第2対向面からアルミ電解コンデンサの熱を外部へと放出することが出来る。
第6の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器であって、筐体内に配置された基板を更に備えている。基板は、アルミ電解コンデンサが取り付けられている表面と、その反対側の裏面を有している。筐体は、基板の裏面と対向する第2対向面を有している。アルミ電解コンデンサのリード線は、裏面から突出している。伝熱部材は、裏面と第2対向面との間に配置され、第2対向面およびリード線に接触する。リード線に接触することには、リード線にはんだが付着している場合やはんだが全体を覆っている場合を含む
これにより、基板の裏面側に配置されている筐体の第2対向面からアルミ電解コンデンサの熱を外部へと放熱することが出来る。
第7の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器であって、筐体は、金属又は樹脂によって形成されている。
これにより、アルミ電解コンデンサの熱は、伝熱部材から金属製又は樹脂製の筐体に伝達され、筐体の面方向に広がり、外部へと放熱される。尚、金属製の場合の方が、熱伝導率が一般的に高いため、樹脂製よりも面方向に広がりやすい。
第8の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器であって、筐体は、樹脂で形成された本体部と、本体部の外面に接触して配置された金属板と、を有している。伝熱部材は、アルミ電解コンデンサと本体部に接触して配置されている。金属板は、板状の金属であり、本体部を挟んで、なくとも、伝熱部材とアルミ電解コンデンサの接触面を覆う形状である
これにより、アルミ電解コンデンサの熱は、伝熱部材、及び樹脂製の本体部を介して金属板へと伝達され、金属板の面方向に広がり、外部へと放出される。
第9の発明の電子機器は、第7又第8の発明の電子機器であって、筐体は、少なくとも2つ以上の部材を締結、嵌合又は接着することによって形成されており、互いに対向する第1面及び第2面を有している。放熱部材は、第1面及び前記第2面の少なくとも一方に配置されている。第1面と第2面は、別々の部材に設けられている。
これにより、第1面と第2面のうち一方の面の内側に載置した発熱部品上に伝熱部材を配置し、第1面と第2面のうちの他方の面を伝熱部材上に被せるように配置して電子機器を製造することが出来るため、発熱部品と筐体の間に伝熱部材を配置し易くなる。
第10の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器であって、筐体は、樹脂で形成された本体部と、本体部の内部から外部へと貫通する貫通孔と、本体部の外面に接触し貫通孔を塞ぐように配置された金属板と、を有している。伝熱部材は、アルミ電解コンデンサと接触し、且つ貫通孔を関して金属板と接触して配置されている。
これにより、アルミ電解コンデンサの熱は、伝熱部材から金属板に伝達され、筐体の面方向に広がり、外部へと放熱される。
第11の発明の電子機器は、第1の発明の電子機器であって、伝熱部材は、アルミ電解コンデンサに接触して配置されており、伝熱部材と筐体の間には、それぞれに接触してシート状部材が配置されており、シート状部材は、筐体の内面に対する摺動性が、伝熱部材よりも高い。
シート状部材には、紙や樹脂シートなどを含む。絶縁性を有していてもよい。固体であって、筐体の内面と接触させながら筐体内に収納しても破れない程度の強度を有することが好ましい。
筐体の内面に対する摺動性が、伝熱部材よりも高いとは、筐体の内面に対してシート状部材を伝熱部材とで、同じ面積に同じ力を加えて押し付けたときに、スライドさせて動かすために必要な力が、シート状部材の方が伝熱部材よりも小さいこと、もしくは、それぞれをスライドさせて動かしている間に必要な力が、シート状部材の方が伝熱部材よりも小さいことを含む。あるいは、筐体の内面に対する静止摩擦係数または動摩擦係数が、シート状部材の方が伝熱部材よりも低いことを含む。
これにより、アルミ電解コンデンサの熱は、伝熱部材からシート状部材を介して筐体に伝達され、筐体の面方向に広がり、外部へと放熱される。
また、シート状部材を伝熱部材上に配置することによって、伝熱部材をアルミ電解コンデンサに配置した状態で筐体内に挿入しやすくなる。
第12の発明の電子機器は、第11の発明の電子機器であって、筐体は、箱状部材と、蓋状部材とを有する。箱状部材は、互いに対向する第1面及び第2面を有するとともに、第1面及び第2面とは異なる位置に外部に向かって開口した開口面を有する。蓋状部材は、開口面を塞ぐように配置されている。シート状部材は、第1面及び第2面の少なくとも一方に配置される。
このように、箱状の部材に対しても、シート状部材を伝熱部材上に配置することによって、伝熱部材をアルミ電解コンデンサに配置した状態で筐体内に挿入しやすくなる。
本発明によれば、アルミ電解コンデンサの熱を効率良く外部へと放出することが可能な電子機器を提供することが出来る。
本発明に係る実施形態1における電源装置の正面側の斜視図。 図1の電源装置の背面側の斜視図。 図1の電源装置の分解図。 (a)、(b)、(c)、(d)、(e)図1の電源装置のケース本体の正面図、右側面図、左側面図、上面図、底面図 図1の電源装置の電源回路ユニットを示す斜視図。 図1の電源装置の内部構成を示す左側面図。 図6のAA間の矢示断面図。 図1の電源装置の製造方法を説明するための分解図。 本発明に係る実施形態2における電源装置の電源回路ユニットを示す斜視図。 本発明に係る実施形態2における電源装置の内部構成を示す左側面図。 図14のBB間の矢示断面図。 図12のDD間の矢示断面図。 本発明に係る実施形態3における電源装置の内部構成を示す左側面図。 図13のFF間の矢示断面図。 本発明に係る実施形態4における電源装置の斜視図。 図15に示す電源装置の内部構成を示す左側面図。 図16のGG間の矢示断面図。 図15の電源装置の分解図。 本発明に係る実施形態の変形例の電源装置の部分平断面図。 本発明に係る実施形態の変形例の電源装置の正断面図。 本発明に係る実施形態5における電源装置の斜視図。 図21の電源装置の正断面図。 図21の電源装置の分解図。 本発明に係る実施形態の変形例の電源装置の部分平断面図。 本発明に係る実施形態の変形例の電源装置の正断面図。 本発明に係る実施形態6における電源装置の斜視図。 図26の電源装置の正断面図。 (a)本発明に係る実施形態1の変形例の電源装置のスライドシートを示す図、(b)本発明に係る実施形態1の変形例の電源装置の電源回路ユニットを示す図、(c)図21(a)に示すスライドシートによって、図21(b)に示す電源回路ユニットが覆われた状態を示す図。
以下、本発明の実施形態に係る電源装置について図面を参照しながら説明する。
(実施形態1)
<1.電源装置100の構成>
図1は、本実施形態1に係る電源装置100の正面側の斜視図である。図2は、図1の電源装置100の背面側の斜視図である。図3は、図1の電源装置100の分解図である。
本実施形態1の電源装置100は、スイッチング電源装置であって、入力された商用電源を半導体のスイッチング作用を利用して高周波電力に変換し、所定の直流を得ることが出来る。
図1〜図3に示すように、本実施形態1の電源装置100は、ケース1と、ケース1に収納された電源回路ユニット3と、電源回路ユニット3のアルミ電解コンデンサ35に配置された放熱ゲルシート4(後述する図5、図7参照)及びスライドシート5(後述する図5、図7参照)とを備えている。尚、図1には、本実施形態1の電源装置100を取り付ける支持レール9が点線で示されている。
以下、各構成について順に説明する。
(1−1.ケース1)
ケース1は、図3に示すように、ケース本体10と、ケース前部11と、ケース本体10の両側面の外側に配置された放熱板2a、2bとを有している。
図4(a)、図4(b)、図4(c)、図4(d)及び図4(e)は、それぞれケース本体10の正面図、右側面図、左側面図、上面図、及び底面図である。
図3及び図4(a)〜図4(e)に示すように、ケース本体10は、前面側に開口17を有する箱形状であり、右側面12、左側面13、上面14、底面15、及び背面16を有している。尚、本明細書では、支持レール9に取付けられた状態の電源装置100を基準として、上下左右及び前後を規定する。左右方向は、ケース前部11を正面に見た場合の左右方向を示している。また、前方はケース前部11側であり、後方は背面16側を示している。
(1−1−1.ケース本体10)
(1−1−1−1.右側面12)
図4(b)に示すように、右側面12にはケース前部11の爪部11a、11b(後述する)が嵌合する嵌合孔12a、12bが形成されている。この嵌合孔12a、12bは、右側面12の前端12f側の上下2箇所に形成されている。
(1−1−1−2.左側面13)
図4(c)に示すように、左側面13にはケース前部11の爪部11c、11d(後述する)が嵌合する嵌合孔13a、13bが形成されている。この嵌合孔13a、13bは、左側面13の前端13f側の上下2箇所に形成されている。
(1−1−1−3.上面14)
図4(d)に示すように、上面14にはケース前部11の爪部11e(後述する)が嵌合する嵌合孔14aが形成されている。この嵌合孔14aは、上面14の前端14f側に形成されている。また、上面14には、図1、図3及び図4(d)に示すように、電源回路ユニット3で発生した熱を外部に放出するための通気孔141が形成されている。通気孔141は、略六角形の通気孔141aと、線状の通気孔141bを有している。上面14の右側面12側の端を右端14cとし、上面14の左側面13側の端を左端14dとし、上面14の背面16側の端を後端14eとすると、通気孔141bは、右端14c寄りと左端14d寄りの位置に、右端14cと左端14dに沿って2つずつ設けられている。また、通気孔141aは、右端14cと左端14dに沿って形成された通気孔141bの間に、前後方向(前端14fから後端14e)に複数個がハニカム構造を形成するように設けられている。
(1−1−1−4.底面15)
図4(e)に示すように、底面15にはケース前部11の爪部11f(後述する)が嵌合する嵌合孔15aが形成されている。この嵌合孔15aは、底面15の前端15f側に形成されている。また、底面15には、図1、図3及び図4(e)に示すように、電源回路ユニット3で発生した熱を外部に放出するための通気孔151が形成されている。通気孔151は、略六角形の通気孔151aと、線状の通気孔151bを有している。底面15の右側面12側の端を右端15cとし、底面15の左側面13側の端を左端15dとし、底面15の背面16側の端を後端15eとすると、通気孔151bは、右端15c寄りと左端15d寄りの位置に、右端15cと左端15dに沿って2つずつ設けられている。また、通気孔151aは、右端15cと左端15dに沿って形成された通気孔151bの間に、前後方向(前端15fから後端15e)に複数個がハニカム構造を形成するように設けられている。
(1−1−1−5.背面16)
背面16には、図2に示すように支持レール9に取り付けるための取付け部160が設けられている。この取付け部160は、上下方向における略中央部分に左右方向に向かって凹状に形成されている。詳しく説明すると、背面16には、上下方向において上端側の面16aと、略中央の面16bと、下端側の面16cとを有している。面16bは、面16aの下端と、面16cの上端よりも前方側に位置している。面16aの下端には、下方に向かって突出するように形成された係止部16dが形成されている。また、面16aと面16bの段差部分には、上方に向かって窪むように形成された凹部16eが形成されている。
一方、面16cの左右方向の中央上端部分には、上方向に向かって形成された係止部16fが設けられており、この係止部16fの先端の表面には傾斜面16gが形成されている。傾斜面16gは、その表面上の位置が上方に向かうにしたがって前方に位置するように傾斜している。また、係止部16fは、前後方向に撓むように弾性を有している。
支持レール9の上端部分9a(図1参照)が凹部16eに嵌められ、下端部分9b(図1参照)が係止部16fの傾斜面16gを乗り越えて嵌められることによって、上端部分9aが係止部16dによって係止され、下端部分9bが係止部16fによって係止される。これによって、電源装置100が支持レール9によって支持される。尚、支持レール9は、左右長く形成されており、図1における左右方向が支持レール9の長手方向の一例となる。
(1―1−2.ケース前部11)
ケース前部11は、図3に示すように、ケース本体10の開口17を塞ぐような蓋状に形成されており、ケース本体10と嵌合する。ケース前部11は、図1〜図3に示すように、前面110、右面112、左面113、上面114、及び下面115を有している。ケース本体10にケース前部11を嵌合した状態では、ケース前部11の右面112、左面113、上面114、及び下面115が、それぞれケース本体10の右側面12、左側面13、上面14と、及び底面15と端面同士で隣接することになる。
ケース前部11には、その後端の左側面13側の縁11kから後方に向かって突出した突出部11g、11hが形成されており、その先端に左側面13の嵌合孔13a、13b内に嵌合する爪部11c、11dが設けられている。この爪部11c、11dは、外側に傾斜面111c、111dを有し、後方に向かって左右方向の幅が狭くなるように形成されている。
また、ケース前部11には、図1及び図2に示すように、その後端の右側面12側の縁11jから後方に向かって突出した突出部(図示せず)が形成されており、右側面12の嵌合孔12a、12b内に嵌合する爪部11a、11bが設けられている(図2参照)。尚、爪部11a、11bが設けられている突出部の形状は、図3に示す突出部11g、11hと同じ形状である。
ケース前部11には、図3に示すように、その後端の上面14側の縁11mから後方に向かって突出した板状の突出部11iが形成されており、この板状の突出部11iの外側の表面に、上面14の嵌合孔14a内に嵌合する爪部11eが設けられている。この爪部11eは、外側に傾斜面111eを有し、後方に向かって上下方向の厚みが小さくなるように形成されている。
また、ケース前部11には、図2に示すように、その後端の底面15側の縁11nから後方に向かって突出した板状の突出部(図示せず)が形成されており、底面15の嵌合孔15a内に嵌合する爪部11fが設けられている(図2参照)。尚、爪部11fが設けられている突出部の形状は、図3に示す突出部11iと同じ形状である。
また、図3に示すように、ケース前部11の内側の上端近傍には、電源回路ユニット3の第1の配線接続部39aが配置される。この第1の配線接続部39aのネジ390を締める又は緩めるための貫通孔11oが、ケース前部11の前面110に設けられている。更に、配線を差し込むための貫通孔11pが上面114に設けられている。
同様に、ケース前部11の内側の下端近傍には、電源回路ユニット3の第2の配線接続部39bが配置される。この第2の配線接続部39bのネジ390を締める又は緩めるための貫通孔11qがケース前部11の前面110に設けられている。更に、配線を差し込むための貫通孔11r(図3参照)が下面115(図2参照)に設けられている。
(1−1−3.放熱板2a、2b)
本実施形態のケース1の放熱板2a、2bは、アルミニウムによって形成された板状の部材である。放熱板2a、2bは、ケース本体10の右側面12の外表面12s(図4(b)参照、後述する図7参照)及び左側面13の外表面13s(図4(c)参照、後述する図7参照)のそれぞれに接着剤によって貼り付けられており、右側面12側の放熱板を2a、左側面13側の放熱板を2bとする。
放熱板2aは、ケース本体10の右側面12の全体を覆うように右側面12と略同じ外形に形成されている。
放熱板2bは、ケース本体10の左側面13の全体を覆うように左側面13と略同じ外形に形成されている。
また、放熱板2aには、右側面12に形成された嵌合孔12a、12bを塞がないように切り欠き21、22が形成されており、放熱板2bにも、左側面13に形成された嵌合孔13a、13bを塞がないように切り欠き21、22が形成されている。
また、放熱板2a、2bを右側面12及び左側面13に取り付ける接着剤としては、両面テープ等が挙げられるが、接着硬化した後、ケース本体10よりも熱伝導率が高い方が好ましい。
(1−2.電源回路ユニット3)
図5は、本実施形態1の電源装置100の電源回路ユニット3の斜視図である。図6は、本実施形態1の電源装置100の内部構成を示す側面図である。図6では、内部の構成を点線で示している。図7は、図6のAA間の矢示断面図である。尚、図7では、アルミ電解コンデンサ35の前方側の電子部品が省略されている。
図5及び図6に示すように、電源回路ユニット3は、ケース1内に収納され、第1基板31aと第2基板31bを有している。
(1−2−1.第1基板31a)
第1基板31aは、ケース本体10の右側面12に平行な方向に沿って、右側面12の内側全体を覆うように配置されている。第1基板31aは、図7に示すように、上面14と底面15のそれぞれの内側の右側面12近傍に形成された溝状の支持部14m、15mにスライドして挿入され、支持されている。尚、本明細書における「平行」の記載は厳密な意味を示すものではない。
第1基板31aには、主な部品として、スイッチング素子32、ヒートシンク33a、トランス34、アルミ電解コンデンサ35、整流ダイオード30、ヒートシンク33b、ブリッジダイオード36、アルミ電解コンデンサ37、及びコイル38等が配置されている。これらの部品は、第1基板31aの左側面13側の表面31asに配置されている。尚、第1基板31aの表面31asの反対側の裏面が31abとして図7に示されている。第1基板31aの表面31asが左側面13に対向し、裏面31abが右側面12に対向することになる。
スイッチング素子32は、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等であって、第1基板31aの背面16側に配置されている。ヒートシンク33aは、板状であってスイッチング素子32が発する熱を放熱する。ヒートシンク33aは、その板状の表面33asが第1基板31aに対して垂直且つ、ケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。尚、本明細書における「垂直」の記載は厳密な意味を示すものではない。
トランス34及びアルミ電解コンデンサ35は、第1基板31aのヒートシンク33aの開口17側(前側)に配置されている。トランス34が上面14側に配置されており、トランス34の底面15側にアルミ電解コンデンサ35が配置されている。アルミ電解コンデンサ35は、円筒形状であり、側面35aと、端面35b、及び端面35cを有している。端面35bには、図7に示すようにリード線35dが設けられており、第1基板31aと電気的に接続されている。本実施形態では、アルミ電解コンデンサ35は、端面35bと端面35cが、上面14及び底面15と平行な方向に沿って配置されている。尚、アルミ電解コンデンサ35は、その端面35b、35cが第1基板31aに垂直な方向に沿って配置されているともいえ、更にアルミ電解コンデンサ35は、その側面35aの一部が第1基板31aと対向するように配置されているともいえる。更にいえば、アルミ電解コンデンサ35は、その円筒形状が第1基板31aに沿うように配置されているともいえる。
ヒートシンク33bは、整流ダイオード30の放熱を行うために設けられている。ヒートシンク33bは、板状の部材をL字状に折り曲げた形状であり、トランス34の開口17側に配置されている。また、ヒートシンク33bは、その板状の表面33bsがケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。
ブリッジダイオード36は、ヒートシンク33bの下側に配置されている。このブリッジダイオード36は、板状であり、その表面36a(図6参照)がケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。
アルミ電解コンデンサ37は、上下方向(上面14及び底面15の対向方向)に3つ並んで配置されている。各アルミ電解コンデンサ37は、図5及び図6に示すように、円筒形状であり、側面37aと、対向する2つの端面(一方の端面37cのみ図示)を有している。端面37cは、左側面13側を向いて、第1基板31aと平行に設けられている。図示しない端面(後述する実施形態3の端面37b)は、右側面12側を向いて、第1基板31aと平行に設けられている。また、右側面12側を向いた図示されていない端面には、リード線(後述する実施形態3のリード線37d)が設けられており、第1基板31aと電気的に接続されている。
これらアルミ電解コンデンサ37の底面15側にコイル38が配置されている。
尚、トランス34、スイッチング素子32、整流ダイオード30、及びコイル38等はアルミ電解コンデンサ35、37よりも発熱量がおおく、又、アルミ電解コンデンサの耐熱温度は、一般的に100〜105度であり、トランス34等の耐熱温度110〜130度と比較して低くなっている。
(1−2−2.第2基板31b)
第2基板31bは、3つのアルミ電解コンデンサ37及びコイル38よりもケース前部11側(図5には図示していないが図6には図示)に配置されており、図3に示すようにケース本体10の開口17をほぼ塞ぐように配置される。また、第2基板31bは、第1基板31aの前側に第1基板31aに対して垂直且つ、ケース本体10の上面14及び底面15に対して垂直な方向に沿って配置されている。
第2基板31bには、主に第1の配線接続部39aと第2の配線接続部39bが設けられている。第1の配線接続部39aと第2の配線接続部39bは、第2基板31bの前面110側の表面に設けられており、ケース本体10とケース前部11とを組み合わせると、ケース前部11内に配置される。第1の配線接続部39a及び第2の配線接続部39bはそれぞれ複数の配線を接続できるように区分けされている。
第1の配線接続部39aには、それぞれの区画ごとに配線を固定するためのネジ390が前面110側から挿入されており、上面114側には、ネジ390で固定する配線を挿入する配線挿入部391が設けられている。第2の配線接続部39bは、第1の配線接続部39aと同様の構造であるが、配線挿入部391は下面115側に設けられている。
(1−3.放熱ゲルシート4)
本実施形態1の放熱ゲルシート4は、絶縁性、伝熱性、弾力性及び粘着性を有している。
図5〜図7に示すように、本実施形態1の電源装置100のアルミ電解コンデンサ35の側面35aに放熱ゲルシート4が密着して配置される(図5の矢印Y1参照)。放熱ゲルシート4は、図5に示すように直方体形状であり、図7に示すように互いに対向する第1面4aと第2面4bを有している。放熱ゲルシート4は、第1面4aにおいて、アルミ電解コンデンサ35の側面35aに直接的に接触している。また、放熱ゲルシート4は、第2面4bにおいて、後述するスライドシート5と直接接触している。
(1−4.スライドシート5)
(1−4−1.スライドシート5の構成と配置)
図5〜図7に示すスライドシート5は、樹脂等によって形成されている。
スライドシート5は、放熱ゲルシート4の第2面4bと左側面13の内表面13iの間に、放熱ゲルシート4と左側面13と直接接触して配置されている(図7及び図5の矢印Y2参照)。すなわち、スライドシート5は左側面13を介して放熱板2bに接触しているともいえ、スライドシート5は、左側面13を挟んで放熱板2bと対向して配置されているともいえる。
このスライドシート5は、粘着性を有する放熱ゲルシート4が配置された状態の電源回路ユニット3をケース本体10内に挿入するために用いられる。このため、スライドシート5は、樹脂等によって形成されており、ケース本体10の内面、特に左側面13の内表面13iに対する摺動性が高い方が好ましく、少なくとも放熱ゲルシート4の第2面4bの内表面13iに対する摺動性よりも高い方が好ましい。
以上のような構成により、トランス34、コイル38、整流ダイオード30等の発熱部品によりアルミ電解コンデンサ35が受けた熱は、放熱ゲルシート4、スライドシート5、及びケース1(詳細には左側面13)を介して放熱板2bに伝達される。放熱板2bに伝達された熱は、放熱板2bにおいて面方向に広がり、電源装置100の外部へと放熱される。
(1−4−2.スライドシート5を用いた電源装置100の製造方法)
図8は、本実施形態1の電源装置100の製造方法を説明するための分解図である。
はじめに、電源回路ユニット3のアルミ電解コンデンサ35の側面35aに放熱ゲルシート4がそれぞれ配置される(図5の矢印Y1参照)。
次に、放熱ゲルシート4にスライドシート5が配置される(図5の矢印Y2参照)。ここで、放熱ゲルシート4は粘着性を有しているため、スライドシート5を放熱ゲルシート4に押し付けることにより、スライドシート5は放熱ゲルシート4に密着し離れ難い状態となる。
次に、図8に示すようにスライドシート5及び放熱ゲルシート4が配置された状態の電源回路ユニット3がケース本体10内にスライドさせながら挿入される(矢印E参照)。
次に、各爪部11a、11b、11c、11d、11eが、それぞれ嵌合孔12a、12b、13a、13b、14a、15aに嵌ることによってケース本体10とケース前部11が連結される。尚、爪部11cを例に挙げて詳細に説明すると、ケース本体10に対してケース前部11を矢印E方向から取り付ける際には、前端13fに対して傾斜面111cが当接し、互いにスライドするとともに突出部11gが内側へと撓み、爪部11cがケース本体10の内側に入り込み、爪部11cは嵌合孔13aに嵌る。他の爪部も同様である。
そして、放熱板2a、2bが、ケース本体10の右側面12の外表面12s及び左側面13の外表面13sにそれぞれ接着され、ケース本体10が形成される。以上のように、本実施形態の電源装置100を製造することが出来る。
尚、上述したように放熱ゲルシート4は粘着性を有しているため、スライドシート5を配置せず放熱ゲルシート4のみを配置して電源回路ユニット3をケース本体10内に挿入しようとすると、放熱ゲルシート4がケース本体10の内面と密着し、スライドさせることが困難である。
そこで、放熱ゲルシート4の第2面4b側にスライドシート5を配置することによって、電源回路ユニット3のトランス34及びアルミ電解コンデンサ35に放熱ゲルシート4を配置した状態で、ケース本体10に挿入しやすくすることが出来る。
<2.主な特徴>
以上のように、本実施形態の電源装置(電子機器の一例)は、ケース1(筐体の一例)と、アルミ電解コンデンサ35と、トランス34(発熱部品の一例)と、放熱ゲルシート4(伝熱部材の一例)とを備えている。トランス34は、アルミ電解コンデンサ35よりも発熱量が大きい。ケース1は、アルミ電解コンデンサ35及びトランス34が内部に配置されている。放熱ゲルシート4は、ケース1とアルミ電解コンデンサ35の間に配置され、アルミ電解コンデンサ35がトランス34から受けた熱をケース1へと伝達する。
これにより、アルミ電解コンデンサ35の熱を外部へ放出することが出来、アルミ電解コンデンサ35の熱が上昇することを防ぐことが可能となる。このようにアルミ電解コンデンサ35の熱上昇を防ぐことにより、電源装置100の寿命を確保することが出来る。
尚、上記実施形態1では、右側面12にも放熱板2aが配置されていたが、配置されていなくてもよい。
又、上記実施形態では、スライドシート5は樹脂によって形成されていると述べたが、ガラス、紙や他の材料でなどであってもよい。樹脂に限るものではない。固体であって、筐体の内面と接触させながら筐体内に収納しても破れない程度の強度を有することが好ましい。
(実施形態2)
次に、本発明に係る実施形態2の電源装置200について説明する。本実施形態2の電源装置200は、実施形態1の電源装置100と基本的な構成は同じであるが、アルミ電解コンデンサ35の熱が放熱板2aから放熱される点が実施形態1とは異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付している。
<1.構成>
図9は、本実施形態2の電源装置200の電源回路ユニット3´を示す斜視図である。図10は、本実施形態2の電源装置200の側面図であり、図11は、図9のBB間の矢示断面図である。図12は、図11のDD間の部分断面図である。尚、本実施形態2の電源装置200の外観は実施形態1と同様であるため外観図は省略する。
図9に示すように、本実施形態の電源回路ユニット3´の第1基板31a´のアルミ電解コンデンサ35が配置されている部分には、第1基板31a´の表面31as´と裏面31ab´を貫通する貫通部31ap´が形成されている。そして、この貫通部31ap´にアルミ電解コンデンサ35が嵌められている。第1基板31a´のトランス34及びアルミ電解コンデンサ35等が配置されている面を表面31as´とし、その反対側の面を裏面31ab´とする。図11及び図12に示すように、アルミ電解コンデンサ35は、その側面35aの一部が、裏面31ab´から突出している。
本実施形態2では、アルミ電解コンデンサ35の左側面13側に放熱ゲルシート4が配置されておらず、図11のC部拡大図及び図12に示すように、右側面12側に放熱ゲルシート4が配置されている。
詳細には、アルミ電解コンデンサ35の側面35aのうち第1基板31a´の裏面31ab´から突出している部分と接触して、放熱ゲルシート4が配置されている。放熱ゲルシート4は、図12に示すように、第1面4aにおいて、側面35aと接触し、第1面4aと対向する第2面4bにおいて、スライドシート5を介して右側面12の内表面12iと接触している。スライドシート5は、放熱ゲルシート4と右側面12の間に、それぞれに接触して配置されている。ここで、放熱ゲルシート4は弾性を有しているため、側面35aの形状に合わせて変形し、第1基板31a´の裏面31ab´にも当接することになる。また、スライドシート5は、実施形態1と同様に、放熱ゲルシート4を電源回路ユニット3に配置した状態でケース本体10に挿入させるために用いられる。
以上のように、アルミ電解コンデンサ35、放熱ゲルシート4、スライドシート5、右側面12、及び放熱板2aの順に接触して配置されているため、アルミ電解コンデンサ35の熱は、放熱板2aに伝達され、放熱板2aの面方向に広がり、電源装置200の外部へと放出される。
(実施形態3)
次に、本発明にかかる実施形態3の電源装置300について説明する。
本実施形態3の電源装置300は、実施形態1の電源装置200と比較して、アルミ電解コンデンサ35の放熱ではなく、アルミ電解コンデンサ37の放熱を行っており、その放熱を放熱板2aから行う点が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、実施形態1と同様の構成については同一の符号を付している。
<1.構成>
図13は、アルミ電解コンデンサ37の熱を放熱する構成を備えた電源装置300を示す左側面図である。図13は、図14のFF間の矢示断面図である。
図13及び図14に示すように、電源装置300では、放熱ゲルシート4が、第1基板31aの裏面31abに直接接触して配置されている。そして、放熱ゲルシート4と右側面12の内表面12iの間には、スライドシート5が設けられている。
アルミ電解コンデンサ37は、リード線37dが設けられた端面37bを有しており、その端面37bが第1基板31aの表面31asに対向して配置されている。そして、リード線37dは、第1基板31aの裏面31bsから突出している。3つのアルミ電解コンデンサ37のリード線37dに、放熱ゲルシート4が接触して配置されている。すなわち、放熱ゲルシート4は、その第1面4aにおいて、第1基板31aの裏面31ab及びリード線37dと接触し、第2面4bにおいてスライドシート5と接触している。
これにより、アルミ電解コンデンサ37の熱は、そのリード線37dから放熱ゲルシート4、スライドシート5、及び右側面12を介して放熱板2aへと伝達され、放熱板2aにおいて面方向に広がって外部へと放出される。
<2.変形例>
尚、電源装置300においても、実施形態1と同様に、放熱板2bからアルミ電解コンデンサ35の放熱を行なっても良いし、実施形態2と同様に第1基板31aに貫通部を形成して放熱板2aからアルミ電解コンデンサ35の放熱を行っても良い。
更に、本実施形態3のような第1基板31aの裏面31abと放熱板2aの間の空間であって、アルミ電解コンデンサ35のリード線35dに接触するように、放熱ゲルシート4を配置してもよい。
(実施形態4)
次に、本発明に係る実施形態4の電源装置400について説明する。本実施形態4の電源装置400は、実施形態1の電源装置100と比較して、スライドシート5が設けられておらず、ケース本体が2つの部材が接合されて形成されている点が異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、他の実施形態と同様の構成については同一の符号が付されている。
<1.構成>
図15は、本実施形態4の電源装置400の斜視図であり、図16は、図15の電源装置400の内部構成を示す左側面図である。図17は、図16のGG間の矢示断面図である。図18は、電源装置400の分解図である。
この電源装置400は、実施形態1の電源装置100からスライドシート5を取り除いた点が異なる。
図17に示すように、電源装置400では、アルミ電解コンデンサ35の側面35aに放熱ゲルシート4の第1面4aが接触し、放熱ゲルシート4の第2面4bが左側面13の内表面13iに直接接触している。放熱ゲルシート4は、左側面13を挟んで、放熱板2bに対向している。アルミ電解コンデンサ35の熱は、放熱ゲルシート4、左側面13を介して放熱板2bへと伝達され、放熱板2bでその面方向に広がって外部へ放出される。
ここで、放熱ゲルシート4は粘着性を有しているため、電源回路ユニット3に貼り付けた状態で、電源回路ユニット3を図8で説明したようにスライドさせて挿入しようとすると、放熱ゲルシート4が左側面13の内表面13iに密着するため、挿入し難い。
そのため、電源装置400では、図15及び図18に示すように、そのケース401のケース本体410は、2つの第1部材410a及び第2部材410bが接合されて形成されている。第2部材410bは、右側面12を含んでいる。また、第1部材410aは、左側面13を含んでいる。いいかえると、図15に示すケース本体410は、実施形態1のケース本体10(図4参照)を2つに分割したものともいえる。
ケース本体410は、左側面13及び右側面12と平行な平面で切断されている。この平面は、図15、図17及び図18に示すように、左側面13側の通気孔141bと、六角形状の複数の通気孔141aの間を通る平面である。その切断面同士を接合した接合部Sが、図15及び図17に示されている。
図17に示すように、放熱ゲルシート4をアルミ電解コンデンサ35上に配置した状態で電源回路ユニット3を、第2部材410b内に収納した後に、接着剤などによって第1部材410aを第2部材410bに接合することによって、放熱ゲルシート4を貼り付けた状態で電源回路ユニット3をケース本体410に収納し易くなる。
上記第1部材410aと第2部材410bの接合は、接着剤に限らず、ビス等で行ってもよいし、互いに嵌合する構成としてもよい。
<2.変形例>
上記実施形態4の電源装置400は、実施形態1の電源装置100からスライドシート5を除いた構成であるが、実施形態2及び3においても、スライドシート5が設けられていなくてもよい。
(A)
図19は、実施形態2の電源装置200からスライドシート5を除いた構成の電源装置の部分断面図である。図19は、図12と同じ位置の断面図である。図19に示す電源装置では、放熱ゲルシート4は、第1面4aにおいて、アルミ電解コンデンサ35の側面35aと接触し、第1面4aと対向する第2面4bにおいて、右側面12の内表面12iと接触している。
これにより、トランス34等の発熱部品によって発生する熱を受けたアルミ電解コンデンサ35から放熱ゲルシート4及び右側面12を介して放熱板2aへと熱が伝達され、放熱板2aの面方向に広がって外部へと放出される。
(B)
図20は、実施形態3の電源装置300からスライドシート5を除いた構成の電源装置の部分断面図である。図20は、図14と同じ位置の断面図である。図20に示す電源装置では、放熱ゲルシート4は、第1面4aにおいて、第1基板31aの裏面31ab及びリード線37dと接触し、第2面4bにおいて、右側面12の内表面12iと接触している。
これにより、発熱部品によって発生する熱を受けたアルミ電解コンデンサ37から放熱板2aを介して外部へと熱を放出できる。
(C)
尚、上記実施形態2では、電源回路ユニット3をケース本体410に収納するために、ケース本体410を2つの部材(第1部材410aと第2部材410b)に分割していたが、実施形態1のように箱形状のケース本体10が用いられてもよい。ただし、この場合、放熱ゲルシート4の粘着性によって電源回路ユニット3、3´をケース本体10に挿入し難くなるため、製造の際に若干手間がかかることなる。また、このように箱形状のケース本体10を用いる場合、放熱ゲルシート4としては粘着性が弱いものを用いるほうが好ましい。
(実施形態5)
次に、本発明に係る実施形態5の電源装置500について説明する。本実施形態5の電源装置500は、実施形態1の電源装置100と基本的な構成は同じであるが、放熱ゲルシート4が放熱板2bに直接接触している点が実施形態1と異なる。そのため、本相違点を中心に説明する。
<1.構成>
図21は、本実施形態5の電源装置500の斜視図であり、放熱板2bを取外した状態を示している。図21の電源装置500は、電源装置100と比較して、スライドシート5が設けられていない点と、ケース501の左側面513に開口部13hが形成されている点が異なる。
図22は、図21に示す電源装置500の正断面図であり、前面110に対して平行であってトランス34及びアルミ電解コンデンサ35を通る切断面である。図23は、電源装置500の分解図である。
図21〜図23に示すように、電源装置500のケース501では、ケース本体510の左側面513に、アルミ電解コンデンサ35に対向する開口部13hが形成されている。この開口部13hは、左側面513の外表面13sと内表面13iを貫通している。
図22に示すように、電源装置500では、アルミ電解コンデンサ35の側面35aに放熱ゲルシート4の第1面4aが直接接触し、放熱ゲルシート4は開口部13hを介して、その第2面4bが放熱板2bに直接接触している。
尚、電源装置500を組み立てる際には、放熱ゲルシート4を配置しない状態で、まず電源回路ユニット3がケース本体510に挿入される。その後、図23に示すように開口部13hを介して、放熱ゲルシート4が、アルミ電解コンデンサ35に配置される(矢印T1参照)。その後、ケース前部11がケース本体510に取り付けられ、放熱板2a、2bが右側面12及び左側面513に両面テープによって貼り付けられる。
<2.変形例>
上記実施形態5の電源装置500は、実施形態1の電源装置100の左側面13に開口部を形成し放熱ゲルシート4と放熱板2bを直接接触させた構成であるが、実施形態2の電源装置200及び実施形態3の電源装置300においても、同様に右側面12に開口部を形成し放熱ゲルシート4と放熱板2aを直接接触させてもよい。
(A)
図24は、実施形態2の電源装置200の変形例を示す電源装置の部分断面図であり、図12と同様の位置の断面図である。図24に示す電源装置では、右側面12に、その外表面12sと内表面12iを貫通する開口部12hが形成されており、開口部12hを介して放熱ゲルシート4と放熱板2aが直接接触されている。放熱ゲルシート4は、その第1面4aにおいて、アルミ電解コンデンサ35の側面35aと接触し、第1面4aと対向する第2面4bにおいて、右側面12の内表面12iと接触している。
これにより、トランス34等の発熱部品によって発生する熱を受けたアルミ電解コンデンサ35から放熱ゲルシート4を介して放熱板2aへと熱が伝達され、放熱板2aの面方向に広がって外部へと放出される。
(B)
図25は、実施形態3の電源装置300の変形例を示す電源装置の部分断面図であり、図14と同様の位置の断面図である。図25に示す電源装置では、右側面12に、その外表面12sと内表面12iを貫通する開口部12kが形成されており、開口部12kを介して放熱ゲルシート4と放熱板2aが直接接触されている。放熱ゲルシート4は、その第1面4aにおいて、アルミ電解コンデンサ37のリード線37d及び裏面31abと接触し、第1面4aと対向する第2面4bにおいて、右側面12の内表面12iと接触している。
これにより、発熱部品によって発生する熱を受けたアルミ電解コンデンサ37から放熱板2aを介して外部へと熱を放出できる。
(実施形態6)
次に、本発明にかかる実施形態6の電源装置600について説明する。本実施形態6の電源装置600は、実施形態1の電源装置100と基本的な構成は同じであるが、放熱板2a、2bが設けられていない点が実施形態1と異なっている。そのため、本相違点を中心に説明する。尚、他の実施形態と同様の構成については同一の符号が付されている。
<1.構成>
図26は、本実施形態6の電源装置600の斜視図である。本実施形態6の電源装置600は、放熱板2a、2bが設けられていないケース601を備えている。ケース601は、放熱板2a、2bが設けられていない点以外は実施形態1のケース1と同様の構成であり、ケース本体10とケース前部11とを有している。
図27は、図26の電源装置600の正断面図であり、図6のAA間と同じ位置の断面図である。本実施形態6の電源装置600では、放熱板2a、2bが設けられていないが、図27に示すようにアルミ電解コンデンサ35の熱が、放熱ゲルシート4及びスライドシート5を介して左側面13へと伝わり、その外表面13sから放出される。
<2.変形例>
(A)
上記実施形態6では、ケース601は樹脂によって形成されているが、金属によって形成されていてもよい。金属製のケースを用いた場合、樹脂よりも熱伝導率が高いため、その面方向に熱が伝達されやすく放熱効率が向上する。
(B)
上記実施形態6の電源装置600は、実施形態1の電源装置100から放熱板2a、2bを取り除いた構成であるが、実施形態2の電源装置200、実施形態3の電源装置300及び実施形態4の電源装置400においても、同様に放熱板2a,2bが設けられていなくてもよい。例えば、実施形態2、3の場合、アルミ電解コンデンサ35、37の熱が右側面12の外表面12sから外部に放出されることになる。
(他の変形例)
(A)
上記実施形態1〜3では、例えば、図8に示すように、放熱ゲルシート4を少なくとも覆う大きさのスライドシート5が用いられていたが、放熱ゲルシート4だけでなく他の電源回路ユニット3の部分も覆うようなスライドシートが用いられても良い。図28(a)はそのようなスライドシート700を示す斜視図である。図28(b)は、電源回路ユニット3を模式的に示した斜視図である。図28(c)は、スライドシート700によって電源回路ユニット3を覆った状態を示す図である。
図28(a)に示すスライドシート700は、前面部701、右側面部702、左側面部703、及び背面部704を有している。右側面部702は、電源回路ユニット3の右側面12に配置される側の全体を覆うように形成されている。他の前面部701、左側面部703及び背面部704は、電源回路ユニット3の前面110側、左側面13側、背面16側の一部を覆っている。また、スライドシート700の背面部704には、図28(a)に示すように前面部701側に向かって形成された差込爪704aが形成されており、図28(b)に示すヒートシンク33a´に形成されている差込孔33a1´に差し込まれる。このように差し込み爪704aを差込穴33a1´に差し込むことによって、電源回路ユニット3をスライドシート700で覆った状態を保持しやすくなる。このようにスライドシート700で覆われた状態で電源回路ユニット3は、図8に示すケース本体10にスライドしながら挿入される。尚、図28(a)のような形状に限らず、例えば、電源回路ユニット3の左側面13側の全体が覆われていても良い。
(B)
上記実施形態1〜6では、アルミ電解コンデンサ35、37に熱を与える発熱部品の一例としてトランス34が挙げられたが、これらに限られるものではない、例えば、スイッチング素子32、整流ダイオード30、コイル38等であってもよい。
(C)
上記実施形態1〜5では、放熱板2a、2bは、アルミニウムによって形成されていたが、他の金属であってもよいし、金属に限らなくてもよい。要するに、ケース本体10、410、510)を形成する樹脂よりも熱伝導率の高い放熱板が用いられれば良い。
(D)
上記実施形態1〜5では、放熱板2a、2bは、右側面12及び左側面13に接着によって取り付けられていたが、嵌合や締結によって取り付けられていても良い。
(E)
上記実施形態1〜6では、電子機器の一例としての電源装置について説明したが、電源装置に限られるものではなく、アルミ電解コンデンサを有している電子機器に対して上記説明した構造を適用することが出来る。
本発明の電子機器によれば、アルミ電解コンデンサの熱を効率良く外部へと放出することが可能となり、例えば、スイッチング電源装置等として有用である。
1 ケース(筐体の一例)
2a 放熱板(金属板の一例)
2b 放熱板(金属板の一例)
3 電源回路ユニット
4 放熱ゲルシート(伝熱部材の一例)
4a 第1面
4b 第2面
5 スライドシート(シート状部材の一例)
9 支持レール
9a 上端部分
9b 下端部分
10 ケース本体(本体部の一例、箱状部材の一例)
11 ケース前部(蓋状部材の一例)
11a、11b、11c、11d、11e、11f 爪部
11g、11i 突出部
11j 右側面側の縁
11k 左側面側の縁
11m 上面側の縁
11n 底面側の縁
11o、11p、11q、11r 貫通孔
12 右側面(第2対向面の一例、第2面の一例)
12a、12b 嵌合孔
12f 前端
12h 開口部(貫通孔の一例)
12i 内表面
12k 開口部(貫通孔の一例)
12s 外表面
13 左側面(第1対向面の一例、第1面の一例)
13a、13b 嵌合孔
13f 前端
13h 開口部
13i 内表面
13s 外表面(外面の一例)
14 上面
14a 嵌合孔
14c 右端
14d 左端
14e 後端
14f 前端
14m 支持部
15 底面
15a 嵌合孔
15c 右端
15d 左端
15e 後端
15f 前端
15m 支持部
16 背面
16a 上端側の面
16b 略中央の面
16c 下端側の面
16d 係止部
16e 凹部
16f 係止部
16g 傾斜面
17 開口(開口面の一例)
21、22 切り欠き
30 整流ダイオード
31a、31a´ 第1基板(基板の一例)
31ab、31ab´ 裏面
31ap´ 貫通部(貫通部の一例)
31as、31as´ 表面
31b 第2基板
32 スイッチング素子
33a、33b ヒートシンク
33as、33bs 表面
34 トランス(発熱部品の一例)
34a 表面
35 アルミ電解コンデンサ
35a 側面
35b、35c 端面
35d リード線
36 ブリッジダイオード
36a 表面
37 アルミ電解コンデンサ
37a 側面
37b、37c 端面
37d リード線
38 コイル
39a 第1の配線接続部
39b 第2の配線接続部
100 電源装置
110 前面
111c、111e 傾斜面
112 右面
113 左面
114 上面
115 下面
141、141a、141b 通気孔
151、151a、151b 通気孔
160 取付け部
200 電源装置
300 電源装置
390 ネジ
391 配線挿入部
400 電源装置
401 ケース
410 ケース本体
410a 第1部材
410b 第2部材
500 電源装置
501 ケース
510 ケース本体
513 左側面
600 電源装置
601 ケース

Claims (5)

  1. アルミ電解コンデンサと、
    前記アルミ電解コンデンサよりも発熱量が大きい発熱部品と、
    前記アルミ電解コンデンサ及び前記発熱部品が内部に配置された筐体と、
    前記筐体と前記アルミ電解コンデンサの間に配置され、前記アルミ電解コンデンサと直接接触し、前記筐体と直接又は間接的に接触する伝熱部材と、
    記アルミ電解コンデンサが取り付けられ、前記筐体内に配置された基板と、
    を備え、
    前記アルミ電解コンデンサは、筒形状部分を含み、
    前記筐体は、前記基板の前記アルミ電解コンデンサが配置されている表面に対向する第1対向面と、前記基板の裏面と対向する第2対向面と、を有し、
    前記基板は、前記アルミ電解コンデンサが取り付けられている表面と、その反対側の裏面と、前記表面と前記裏面を貫通する貫通部とを有し、
    前記アルミ電解コンデンサは、前記筒形状部分の少なくとも一部が前記貫通部を介して前記裏面から突出するように配置されており、
    記伝熱部材は、前記アルミ電解コンデンサの前記裏面から突出した側面の部分と前記第2対向面との間に配置されており、
    記発熱部品は、前記基板の前記表面側に配置されており、
    前記伝熱部材と前記筐体の間には、それぞれに接触してシート状部材が配置されており、
    前記シート状部材は、前記筐体の内面に対する摺動性が、前記伝熱部材よりも高い、
    電子機器。
  2. 前記アルミ電解コンデンサは、前記筒形状部分が前記基板に沿うように配置されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  3. 前記筐体は、樹脂又は金属によって形成されている、
    請求項1に記載の電子機器。
  4. 前記筐体は、樹脂で形成された箱形状の本体部と、前記本体部の外面に接触して配置された金属板と、を有し、
    記伝熱部材は、前記アルミ電解コンデンサと前記本体部に接触して配置されており、
    前記金属板は、前記本体部を挟んで、少なくとも、前記伝熱部材と前記アルミ電解コンデンサの接触面を覆う形状である、
    請求項1に記載の電子機器。
  5. 前記筐体は、前記第1対向面及び前記第2対向面とは異なる位置に外部に向かって開口した開口面を有する箱状部材と、前記開口面を塞ぐように配置された蓋状部材とを有し、
    前記シート状部材は、前記第1対向面及び前記第2対向面の少なくとも一方に配置される、
    請求項に記載の電子機器。
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