JP2015168805A - インク組成物及び記録装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の一態様は、色材と水とポリマー粒子とを含むインク組成物であって、ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、コアポリマーのガラス転移温度は60℃未満であり、シェルポリマーのガラス転移温度は60℃以上であり、ポリマー粒子の酸価は50mgKOH/g以上であり、シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含む、インク組成物である。
【選択図】図1
Description
また、シェルポリマーのガラス転移温度は60℃以上であることにより、高温環境下でインク組成物が吐出される場合に、コアシェル型の構造を崩壊させずにポリマー粒子を記録ヘッドから吐出することが可能となり、ノズル内におけるポリマー粒子の付着をより抑制できるため、ノズルの目詰まりを防止でき、間欠印刷の安定性により優れる傾向にある。記録媒体上に成膜する場合には、シェルポリマーのガラス転位温度よりも高い温度に被記録媒体上のインク組成物を加熱することにより、軟化したシェルポリマーからコアポリマーが流出し、コアポリマー及びシェルポリマーによる被膜が記録媒体上に形成される。このとき、軟化状態のコアポリマーが被記録媒体上に広がりつつ密着することにより、定着性に優れた被膜が形成される。
また、ポリマー粒子の酸価が50mgKOH/g以上であることにより、水に対する再分散性を向上できることから、目詰まり回復性に優れ、長期のノズル目詰まり防止を図ることができる。
さらに、シェルポリマーが構成単位として芳香族モノマーを含むことにより、詳細な作用機序は不明なものの、吐出曲がりが防止される。特に、小ドットのときにインク液滴が曲がりやすいことから、本発明の一態様によればこの吐出曲がりが抑制される。比較的固い芳香族モノマーを含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。
本実施形態に係るインク組成物は、色材と水とポリマー粒子とを含むインク組成物であって、ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、コアポリマーのガラス転移温度は60℃未満であり、シェルポリマーのガラス転移温度は60℃以上であり、記ポリマー粒子の酸価は50mgKOH/g以上であり、シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含む、インク組成物である。
上記色材は、顔料及び染料から選択される。
本実施形態において、色材として顔料を用いることにより、インクの耐光性を向上させることができる。顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用することができる。
本実施形態のインク組成物は、水を含む。水としては、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加などによって滅菌した水を用いると、顔料分散液及びこれを用いたインクを長期保存する場合にカビやバクテリアの発生を防止することができる。
上記ポリマー粒子は、上述したように、ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、コアポリマーのガラス転移温度は60℃未満であり、シェルポリマーのガラス転移温度は60℃以上であり、ポリマー粒子の酸価は50mgKOH/g以上であり、シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含む。
コアポリマーのガラス転移温度は60℃未満であり、好ましくは、0℃以上60℃未満である。コアポリマーのガラス転移温度が60℃未満であることにより、シェルポリマーが軟化した後、容易にコアポリマーが流出できるため、密着性に優れる。また、コアポリマーのガラス転移温度が0℃以上であることにより、インク組成物の保存安定性に優れる。
ここで Wn ;各単量体の質量分率
Tgn;各単量体のホモポリマーのTg(単位:K)
Tg ;共重合体のTg(単位:K)
シェルポリマーのガラス転移温度は60℃以上であり、好ましくは、60℃以上150度以下である。シェルポリマーのガラス転移温度は60℃以上であることにより、高温の環境下でインク組成物を吐出する場合に、コアシェル型の構造を崩壊させずにポリマー粒子を記録ヘッドから吐出することが可能となり、ノズル内におけるポリマー粒子の付着をより抑制できるため、ノズルの目詰まりを防止でき、間欠印刷の安定性により優れる傾向にある。記録媒体上に成膜する場合には、シェルポリマーのガラス転位温度よりも高い温度に被記録媒体上のインク組成物を加熱することにより、軟化したシェルポリマーからコアポリマーが流出し、コアポリマー及びシェルポリマーによる被膜が記録媒体上に形成される。このとき、軟化状態のコアポリマーが被記録媒体上に広がりつつ密着することにより、定着性に優れた被膜が形成される。また、シェルポリマーのガラス転移温度が150℃以下であることにより、被記録媒体上でシェルポリマーが軟化しやすいため、密着性により優れる傾向にある。一方、シェルポリマーのガラス転移温度が150℃を越えると、エマルジョン型樹脂の熱変形性が悪くなり、系の増粘等の悪影響を及ぼすおそれがある。
好ましくは、ポリマー粒子は、コアポリマー及びシェルポリマーを合わせて、構成単位として芳香族モノマーを10質量%以上80質量%以下(ポリマー粒子全体の質量を基準)含む。比較的固い芳香族モノマーを10質量%以上80質量%以下含むことにより、被記録媒体上に形成された被膜の耐水摩擦性(湿摩擦性)を向上できる。
上述したポリマー粒子の製造方法に限定はないが、好ましくは、ポリマー粒子は乳化剤を実質的に用いないソープフリー重合により形成される。ソープフリー重合とは、乳化剤を実質的に用いずにコア−シェルポリマーを製造する重合方法をいう。ここでいう「乳化剤」とは、合成で使用される界面活性剤という意味である。また、ソープフリー重合としては、例えば、溶液中における乳化剤の含有量が1質量%以下の存在下でポリマー粒子を重合すること、が挙げられる。従来、このような乳化剤を用いて合成したポリマー粒子を含むインク組成物は、泡立ちやすく、画像の光沢が出にくく、異物が発生しやすいという問題があった。本発明の一態様によれば、このような問題の発生を抑制したインク組成物が得られる。ソープフリー重合では、例えば、(メタ)アクリル酸を構成単位に含むシェルポリマーを形成し、そのシェルポリマーの中にコアを形成する。また、ソープフリー重合を用いてポリマー粒子を製造した場合、平均粒子径が非常に小さくなり、インク組成物の吐出安定性や光沢性が向上する。
本実施形態のインク組成物は、70℃以上110℃未満の融点を有するワックス粒子を含む。記録用ヘッドが加熱された場合、水分の蒸発に伴いポリマー粒子が凝集固着し、記録用ヘッドのノズル目詰まりをひきおこして、安定した吐出が妨げられる可能性がある。これに対して上述した融点のワックス粒子を併用すると、水分蒸発の際のポリマー粒子の凝集が抑制される。これにより、記録用ヘッドのノズルへのポリマー粒子の固着による、吐出不良、目詰まりを抑制することができ、ひいては記録安定性に優れるインク組成物となる。また、高温記録時において、ワックス粒子はポリマー粒子による皮膜が脆くなりすぎることを抑制する。そのため、高温記録したとしても耐擦性が劣化しにくいインク組成物となる。
本実施形態のインク組成物は、各種の有機溶剤を含んでいてもよい。本実施形態のインク組成物は、好ましくは、標準沸点160℃以上260℃以下であり、ハンセン法に基づくSP値が10(cal/cm3)1/2以上15(cal/cm3)1/2のアルキルポリオールを含む。標準沸点160℃〜260℃の有機溶剤は、インク非吸収性又は低吸収性の被記録媒体上で加熱により蒸発して、被記録媒体にインクを定着させることができる。
本実施形態のインク組成物は、環状窒素化合物及び非プロトン性極性溶媒の少なくともいずれかをさらに含んでいてもよい。インク組成物は環状窒素化合物又は非プロトン性極性溶媒を含むことにより、ポリマー粒子の見かけのガラス転位温度を低温側に移行させることができ、本来よりもコアポリマー及びシェルポリマーを低い温度で軟化させることができることから、被記録媒体へのインク組成物の定着性を向上させることができる。これにより、特に、被記録媒体がポリ塩化ビニルからなる場合に、被記録媒体へのインク組成物の定着性を向上させることができる。
本実施形態におけるインクは、上記以外のその他の溶剤をさらに含んでもよい。上記以外のその他の溶剤としては、特に限定されないが、具体的には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブタノール、2−ブタノール、tert−ブタノール、iso−ブタノール、n−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、及びtert−ペンタノール等のアルコール類又はグリコール類が挙げられる。その他の溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のインク組成物は、好ましくは、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールを実質的に含有しない。ここで、「実質的に含まない」とは、所定の成分を添加する意義を十分に達成する量を超えて添加しない程度の意味である。インク組成物における標準沸点280℃以上のアルキルポリオールの含有量は、インク組成物の全質量に対して、0質量%以上1.0質量%未満が好ましく、0質量%以上0.5質量%未満がより好ましく、0質量%以上0.1質量%未満がさらに好ましく、0質量%以上0.05質量%未満がよりさらに好ましく、0質量%以上0.01質量%未満がさらにより好ましく、0質量%以上0.001質量%未満が最も好ましい。含有量が上記範囲であることにより、インク組成物を用いた記録物の耐擦性が、標準沸点280℃以上のアルキルポリオールにより低下することが抑制され、より耐擦性に優れた記録物を得ることができる。
本実施形態で用いるインク組成物は、界面活性剤を含むことが好ましい。界面活性剤としては、特に限定されないが、例えば、アセチレングリコール系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。インク組成物がこれらの界面活性剤を含むことにより、記録媒体に付着したインク組成物の乾燥性が一層良好となり、かつ、高速印刷が可能となる。
本実施形態のインクは、pH調整剤を含んでもよい。pH調整剤として、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機アルカリ、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、モルホリン、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム及びエチレンジアミン四酢酸ナトリウムが挙げられる。
本実施形態のインクは、上記の成分に加えて、溶解助剤、粘度調整剤、酸化防止剤、防腐剤、防黴剤、消泡剤、腐食防止剤などの、種々の添加剤を適宜添加することもできる。
本実施形態のインクは、上述の成分(材料)を任意の順序で混合し、必要に応じて濾過などを行い、不純物を除去することにより得ることができる。ここで、顔料は、あらかじめ溶媒中に均一に分散させた状態に調製してから混合することが、取り扱いが簡便になるため好ましい。
被記録媒体は、吸収性、低吸収性被記録媒体又は非吸収性被記録媒体である。被記録媒体としては、低吸収性被記録媒体又は非吸収性被記録媒体が好ましく、より好ましくは非吸収性被記録媒体である。被記録媒体としては加熱されているものを用いると好ましい。本実施形態のインク組成物を用いて、加熱された、被記録媒体上に付着させて記録を行うことにより、インク組成物が被記録媒体に付着した際にシェルポリマーが軟化し、耐擦性に優れる皮膜を形成することができる。また、被記録媒体が加熱されていればよいため、インク組成物の粘度を低下させるために必要以上にノズルを加熱しなくてもよい。これにより、インク組成物中の樹脂などの成分がノズル内壁に溶着することを抑制でき、目詰まり回復性に優れる。加熱の際の被記録媒体の表面温度は30〜60℃が好ましく、より好ましくは40〜60℃である。
本実施形態の記録方法は、被記録媒体を加熱する加熱工程と、ノズルから、上記インク組成物を吐出して、被記録媒体上に付着させる吐出工程と、を有する。
加熱工程は、非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体を加熱する工程である。加熱工程は、IRヒーター又はプラテンヒーターにより行なうことができる。非吸収性被記録媒体又は低吸収性被記録媒体を加熱することにより、被記録媒体に付着したポリマー粒子のシェルポリマーが軟化しやすく、耐擦性に優れる記録物を得ることができる。被記録媒体の表面温度は65℃以上が好ましく、さらに好ましくは70℃以上であり、より好ましくは70℃以上110℃以下である。
吐出工程は、ノズルから、上記インク組成物を吐出して、被記録媒体上に付着させる工程である。インク組成物の吐出手段(記録用ヘッド)としては、従来公知の方式を使用でき、圧電素子の振動を利用して液滴を吐出するもの、即ち電歪素子の機械的変形によりインク滴を形成するものが挙げられる。
本実施形態の記録方法は、インク組成物を乾燥させる乾燥工程を有してもよい。乾燥手段としては、特に限定されないが、例えば、ヒーター、温風機構及び恒温槽(不図示)などの手段が挙げられる。乾燥手段が、画像が記録された被記録媒体を加熱することにより、インク組成物中に含まれる水分などがより速やかに蒸発飛散して、インク組成物中に含まれるポリマー粒子によって被膜が形成される。このようにして、被記録媒体上においてインク乾燥物が強固に定着(接着)して、耐擦性に優れた高画質な画像を短時間で得ることができる。
本実施形態に係る記録装置は、上記インク組成物を、被記録媒体に対し吐出する記録用ヘッドと、被記録媒体を加熱する加熱手段と、前記被記録媒体に付着した前記インクジェット用インク組成物を乾燥する乾燥手段と、を有する。この記録装置は、上述のインクジェット用インク組成物を更に有していてもよい。
反応容器に滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備え、イオン交換水100部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気70℃で、重合開始剤の過硫酸アンモニウムを0.2部添加しておき、スチレン42部、メチルメタクリレート21部およびアクリル酸7部を入れたモノマー溶液を、反応容器に滴下して反応させてシェルポリマーを重合し作製した。その後、過硫酸カリウム0.2部、スチレン22部およびn−ブチルアクリレート8部混合液を滴下して70℃で攪拌しながら重合反応させた後、水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5に調整して0.3μmのフィルターでろ過することによりコアシェル型ポリマー粒子分散液(ポリマー粒子A)を作製した。
また、上記で得られたコアシェル型ポリマー粒子をマイクロトラックUPA(日機装株式会社)により測定して、コアシェル型ポリマー粒子の粒子径φ(nm)を求めた。
さらに、ポリマー粒子について、京都電子工業社(Kyoto Electronics Manufacturing Co.,Ltd.)製のAT610を用いて測定を行い、以下の数(1)式に数値をあてはめて酸価を算出した。
上記の数式中、EP1は滴定量(mL)、BL1はブランク値(0.0mL)、FA1は滴定液のファクター(1.00)、C1は濃度換算値(5.611mg/mL)(0.1mo1/L KOH 1mLの水酸化カリウム相当量)、K1は係数(1)、SIZEは試料採取量(g)をそれぞれ表す。
各材料を下記の表3に示す組成(質量%)で混合し、十分に撹拌し、実施例1〜8及び比較例1〜3のインク組成物を得た。
(1)短期目詰まり性
インクジェットプリンター(商品名PX−H8000、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、キャップ開放状態にて5分放置した。なお、この評価は50℃条件下の実験室で行った。その後、ノズルチェックを行い、何本のノズルが抜けているかを判定した。なお、評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に併せて示す。
A:ノズル抜けなし
B:ノズル抜け1〜5本
C:ノズル抜け6〜20本
D:ノズル抜け21本以上
インクジェットプリンター(商品名PX−H8000、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、キャップ開放の状態にて1か月放置した。その後、クリーニングを3回行い、何本のノズルが抜けているかを判定した。なお、評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に併せて示す。
A:ノズル抜けなし
B:ノズル抜け1〜5本
C:ノズル抜け6〜20本
D:ノズル抜け21本以上
インクジェットプリンター(商品名PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、被記録媒体(クリアプルーフフィルム、セイコーエプソン株式会社製)に記録した。具体的には、横720dpi、縦720dpiの解像度で、100%のdutyで記録できる塗り潰しパターンを作製しこれを用いた。この際、被記録媒体の表面温度は50℃とした。なお、この評価は室温(25℃)条件下の実験室で行った。その後、室温(25℃)条件下の実験室にて1時間放置した記録物の記録面を学振型摩擦堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業株式会社製)を用いて、荷重200g下、綿布にて20回擦ったときの記録面の剥がれ状態や綿布へのインク移り状態を確認することにより、耐擦性を評価した。なお、評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に併せて示す。
A:20回擦ってもインク剥がれ及び綿布へのインク移りが認められなかった。
B:11〜15回擦った後インク剥がれ又は綿布へのインク移りが認められた。
C: 6〜10回擦った後インク剥がれ又は綿布へのインク移りが認められた。
D: 1〜 5回擦った後インク剥がれ又は綿布へのインク移りが認められた。
インクジェットプリンター(商品名PX−G930、セイコーエプソン株式会社製)にインク組成物を充填して、被記録媒体(クリアプルーフフィルム、セイコーエプソン株式会社製)に記録した。具体的には、横720dpi、縦720dpiの解像度で、100%のdutyで記録できる塗り潰しパターンを作製しこれを用いた。この際、被記録媒体の表面温度は50℃とした。なお、この評価は室温(25℃)条件下の実験室で行った。その後、室温(25℃)条件下の実験室にて1時間放置した記録物の記録面を学振型摩擦堅牢度試験機AB−301(商品名、テスター産業株式会社製)を用いて、荷重200g下、水に5秒間浸した綿布にて20回擦ったときの記録面の剥がれ状態や綿布へのインク移り状態を確認することにより、湿摩擦性を評価した。なお、評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に併せて示す。
A:20回擦ってもインク剥がれ及び綿布へのインク移りが認められなかった。
B:11〜15回擦った後インク剥がれ又は綿布へのインク移りが認められた。
C: 6〜10回擦った後インク剥がれ又は綿布へのインク移りが認められた。
D: 1〜 5回擦った後インク剥がれ又は綿布へのインク移りが認められた。
凝集ムラの評価には、上記耐擦性試験で用いたものと同様の記録物を用いた。記録物のベタパターン内のインクの凝集ムラを目視で観察し、下記評価基準で評価した。なお、この評価は室温(25℃)条件下の実験室で行った。なお、評価基準は以下の通りである。評価結果を表3に併せて示す。
A: ベタパターン内に凝集ムラが認められなかった。
B: ベタパターン内に凝集ムラが若干認められた。
C: ベタパターン内に凝集ムラが全体的にかなり認められた。
Claims (11)
- 色材と水とポリマー粒子とを含むインク組成物であって、
前記ポリマー粒子はコアポリマーとシェルポリマーとを有するコア−シェル構造を有し、
前記コアポリマーのガラス転移温度は60未満であり、前記シェルポリマーのガラス転移温度は60以上であり、
前記ポリマー粒子の酸価は50mgKOH/g以上であり、
前記シェルポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含む、
インク組成物。 - 加熱された記録媒体に記録される、
請求項1記載のインク組成物。 - 前記コアポリマーは構成単位として芳香族モノマーを含み、前記コアポリマーは酸価を有しない、
請求項1又は2に記載のインク組成物。 - 前記ポリマー粒子は、乳化剤を実質的に用いずに合成されたものである、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 前記ポリマー粒子は構成単位として芳香族モノマーを10質量%以上80質量%以下含む、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 70℃以上110℃以下の融点を含むワックス粒子を含む、
請求項1〜5のいずれかに記載のインク組成物。 - 標準沸点160℃以上260℃以下であり、ハンセンSP値10(cal/cm3)1/2以上15(cal/cm3)1/2のアルキルポリオールを含む、
請求項1〜6のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 前記ポリマー粒子の平均粒子径が10nm以上100nm以下である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 前記シェルポリマーは、構成単位としてカルボン酸モノマーをさらに含み、前記カルボン酸モノマーに対する芳香族モノマーの比率(芳香族モノマー/カルボン酸モノマー)は、0.15以上である、
請求項1〜8のいずれか一項に記載のインク組成物。 - 請求項1〜9のいずれかに一項に記載のインク組成物と、前記インク組成物を吐出する吐出ヘッドと、を備えた記録装置。
- 前記吐出ヘッドは、インク組成物を吐出するノズルを備え、一つの前記ノズルから前記インク組成物のドットをマルチサイズに吐出出来るものである、請求項10に記載の記録装置。
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