JP2015168128A - 包装用多層フィルム、及び包装体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一態様において、複数の第1樹脂層と複数の第2樹脂層とを含み、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが交互に積層されてなる積層体を含む多層フィルムであって、前記第1樹脂層は、熱可塑性樹脂を含み、前記第2樹脂層は、接着性樹脂を含み、前記積層体を構成する前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の合計層数は、8層以上であり、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが交互に積層されてなる積層体の厚みが、10μm以上である、スキンパック包装用多層フィルムに関する。
【選択図】図1
Description
本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、成形性向上の観点から、熱機械分析における200℃での伸張率が7%以下であることが好ましい。また、本開示の多層フィルムは、一又は複数の実施形態において、熱機械分析における200℃での伸張率が、1%以上、又は2%以上である。
本開示の多層フィルムを構成する積層体は、一又は複数の実施形態において、複数の第1樹脂層及び複数の第2樹脂層を含み、第1樹脂層と第2樹脂層とが交互に積層されたものである。
第1樹脂層は、熱可塑性樹脂を含む熱可塑性樹脂層である。
第2樹脂層は、接着性樹脂を含む接着性樹脂層である。
外層を形成する材料としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂及びエチレン−ビニルアルコール共重合体(以下、「EVOH樹脂」という。)等が挙げられる。
シール層は、耐内容物性の機能と、シールする相手材とのシール適性の機能とを有している。本開示において耐内容物性とは、内容物が薬品や油分を多く含む食品等の場合、この薬品や油分によってシール層が相手材とのシール適性に係る機能を失わない性質のことを指す。
接着層を形成する材料としては、公知の接着性樹脂を用いることができ、一又は複数の実施形態において、接着性ポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。具体的には、エチレン−メタクリレート−グリシジルアクリレート三元共重合体;各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたもの;等が挙げられる。一塩基性不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。二塩基性不飽和脂肪酸としては、一又は複数の実施形態において、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。各種ポリオレフィンに一塩基性不飽和脂肪酸、二塩基性不飽和脂肪酸、もしくはこれらの無水物をグラフトさせたものとしては、一又は複数の実施形態において、マレイン酸グラフト化エチレン−酢酸ビニル共重合体、マレイン酸グラフト化エチレン−α−オレフィン共重合体等が挙げられる。
コア層を構成する材料としては、特に限定されないが、一又は複数の実施形態において、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、熱可塑性エラストマー等の熱可塑性樹脂;ポリオレフィン系樹脂等の接着性樹脂;等が挙げられる。
[1] 複数の第1樹脂層と複数の第2樹脂層とを含み、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが交互に積層されてなる積層体を含む多層フィルムであって、前記第1樹脂層は、熱可塑性樹脂を含み、前記第2樹脂層は、接着性樹脂を含み、前記積層体を構成する前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の合計層数は、8層以上であり、前記積層体の厚みが、10μm以上である、スキンパック包装用多層フィルム。
[2] 熱機械分析における200℃での前記多層フィルムの伸張率が、7%以下である、[1]に記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[3] 前記積層体を構成する前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の合計層数は、50層以下である、[1]又は[2]に記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[4] 前記第1樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含む、[1]から[3]のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[5] 前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、[1]から[4]のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[6] 前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系共重合体及びポリプロピレン系共重合体からなる群から選択される少なくとも1つである、[1]から[5]のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[7] 外層と、シール層とをさらに含み、前記外層と前記シール層との間に、前記積層体が配置される、[1]から[6]のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[8] コア層をさらに含む、[1]から[7]のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[9] 前記積層体を少なくとも2つ含み、前記コア層は、2つの積層体の間に配置される、[8]に記載のスキンパック包装用多層フィルム。
[10] [1]から[9]のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルムで構成された、スキンパック包装体。
図1に示す多層フィルム100を得るために、外層1、接着層2、積層体3、コア層4、積層体5、接着層6、及びシール層7の各々を形成する樹脂材料として、表1に示す通り準備した。使用した樹脂材料の原料は以下の通りである。
外層1:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
接着層2:接着性樹脂、LLDPE−g−MAH(商品名“NF536”、三井化学社製)
積層体3の熱可塑性樹脂層(第1樹脂層)31:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
積層体3の接着性樹脂層(第2樹脂層)32:接着性樹脂、LLDPE−g−MAH(商品名“NF536”、三井化学社製)
コア層4:接着性樹脂、LLDPE−g−MAH(商品名“NF536”、三井化学社製)
積層体5の熱可塑性樹脂層(第1樹脂層)51:ポリアミド系樹脂、6−Ny(商品名“1022B”、宇部興産社製)
積層体5の接着性樹脂層(第2樹脂層)52:接着性樹脂、LLDPE−g−MAH(商品名“NF536”、三井化学社製)
接着層6:接着性樹脂、LLDPE−g−MAH(商品名“NF536”、三井化学社製)
シール層7:ポリエチレン樹脂、LLDPE(商品名“2022L”、プライムポリマー社製)
積層体3を構成する熱可塑性樹脂層31の層数を9層に変更し、接着性樹脂層32の層数を8層に変更したこと、及び、積層体5を構成する熱可塑性樹脂層51の層数を9層に変更し、接着性樹脂層52の層数を8層に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2の多層フィルム(合計層数:39層、厚さ:150μm)を作製した。
積層体3及び積層体5の厚さを20μmに変更したこと、及び、シール層7の厚さを51μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例3の多層フィルム(合計層数:23層、厚さ:150μm)を作製した。
外層1の厚さを15μmに変更したこと、接着層2の厚さを6μmに変更したこと、積層体3及び積層体5の厚さを21μmに変更したこと、コア層4の厚さを7μmに変更したこと、接着層6の厚さを6μmに変更したこと、及び、シール層7の厚さを24μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例4の多層フィルム(合計層数:23層、厚さ:100μm)を作製した。
外層1の厚さを9μmに変更したこと、接着層2の厚さを4μmに変更したこと、積層体3及び積層体5の厚さを13μmに変更したこと、コア層4の厚さを4μmに変更したこと、接着層6の厚さを4μmに変更したこと、及び、シール層7の厚さを13μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例5の多層フィルム(合計層数:23層、厚さ:60μm)を作製した。
外層1の厚さを23μmに変更したこと、接着層2の厚さを44μmに変更したこと、積層体3に代えて単層の熱可塑性樹脂層31(厚さ:16μm)を用いたこと、及び、積層体5に代えて単層の熱可塑性樹脂層51(厚さ:16μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、比較例1の多層フィルム(外層/接着層/熱可塑性樹脂層/コア層/熱可塑性樹脂層/接着層/シール層、合計層数:7層、厚さ:150μm)を作製した。
外層1の厚さを15μmに変更したこと、接着層2の厚さを31μmに変更したこと、熱可塑性樹脂層31及び51の厚さを10μmに変更したこと、コア層4の厚さを6μmに変更したこと、接着層6の厚さを10μmに変更したこと、及び、シール層7の厚さを18μmに変更したこと以外、比較例1と同様にして、比較例2の多層フィルム(外層/接着層/熱可塑性樹脂層/コア層/熱可塑性樹脂層/接着層/シール層、合計層数:7層、厚さ:100μm)を作製した。
外層1の厚さを9μmに変更したこと、接着層2の厚さを18μmに変更したこと、熱可塑性樹脂層31及び51の厚さを6μmに変更したこと、コア層4の厚さを4μmに変更したこと、接着層6の厚さを6μmに変更したこと、及び、シール層7の厚さを11μmに変更したこと以外、比較例1と同様にして、比較例3の多層フィルム(外層/接着層/熱可塑性樹脂層/コア層/熱可塑性樹脂層/接着層/シール層、合計層数:7層、厚さ:60μm)を作製した。
積層体3及び積層体5の厚みを7μmに変更したこと、及び、シール層7の厚みを77μmに変更したこと以外は、実施例1と同様にして、比較例4の多層フィルム(外層/接着層/積層体/コア層/積層体/接着層/シール層、合計層数:23層、厚さ:150μm)を作製した。
多層フィルムを、幅100mm、長さ100mmにカットしたサンプルを作製した。この作製したサンプルを落錘衝撃試験機(インストロン製)にセットした。そして、直径:10mmのストライカーを落下速度2.7m/秒で多層フィルムの外層1(表面)側及びシール層7(裏面)側に衝突させた。この試験を20個のサンプルについてそれぞれ行い、フィルム貫通に必要なエネルギー量を算出した。算出には、日本工業規格(JIS)K7124−2に準ずる方法で実施した。
ASTMF392に準拠して、ゲルボフレックステスター(理学工業株式会社製)により、多層フィルムの耐屈曲性に関わる測定を行った。具体的には、多層フィルムのサンプルを、ゲルボフレックステスターの対向する直径8.8cmの2つの円板に巻き付けて固定し、円筒状になった多層フィルムにひねりを加えることで、屈曲処理を行った。この屈曲処理を温度23℃の条件で2000回行った。この試験を10枚のサンプルについて行い、各サンプルの発生したピンホールの個数を数えた。そして、サンプル1枚あたりのピンホールの平均発生数を算出した。
熱機械分析装置(SII製)により、多層フィルムの室温での伸張率を0%とし、多層フィルムの200℃での伸びの測定を行って伸張率(%)を算出した。なお、測定は昇温速度5℃/min、荷重9.8mNの条件で実施した。
真空成形機を用いて、熱盤でフィルムを加熱・溶融させた際のドローダウンの状況を以下の基準で判定した。なお、フィルムは32×32cmの面積であった。前記加熱は、約200〜250℃、約5秒間の条件で行った。
A:ドローダウンが軽微、またはほとんど発生しない。
B:ドローダウンが大きく、成形が困難。
2 接着層
3 積層体
31 第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)
32 第2樹脂層(接着性樹脂層)
4 コア層
5 積層体
51 第1樹脂層(熱可塑性樹脂層)
52 第2樹脂層(接着性樹脂層)
6 接着層
7 シール層
100 スキンパック包装用多層フィルム
Claims (10)
- 複数の第1樹脂層と複数の第2樹脂層とを含み、前記第1樹脂層と前記第2樹脂層とが交互に積層されてなる積層体を含む多層フィルムであって、
前記第1樹脂層は、熱可塑性樹脂を含み、
前記第2樹脂層は、接着性樹脂を含み、
前記積層体を構成する前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の合計層数は、8層以上であり、
前記積層体の厚みが、10μm以上である、スキンパック包装用多層フィルム。 - 熱機械分析における200℃での前記多層フィルムの伸張率が、7%以下である、請求項1に記載のスキンパック包装用多層フィルム。
- 前記積層体を構成する前記第1樹脂層及び前記第2樹脂層の合計層数は、50層以下である、請求項1又は2に記載のスキンパック包装用多層フィルム。
- 前記第1樹脂層は、ポリアミド系樹脂を含む、請求項1から3のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
- 前記第2樹脂層は、ポリオレフィン系樹脂を含む、請求項1から4のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
- 前記ポリオレフィン系樹脂は、ポリエチレン系共重合体及びポリプロピレン系共重合体からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項5に記載のスキンパック包装用多層フィルム。
- 外層と、シール層とをさらに含み、
前記外層と前記シール層との間に、前記積層体が配置される、請求項1から6のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。 - コア層をさらに含む、請求項1から7のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルム。
- 前記積層体を少なくとも2つ含み、
前記コア層は、2つの積層体の間に配置される、請求項8に記載のスキンパック包装用多層フィルム。 - 請求項1から9のいずれかに記載のスキンパック包装用多層フィルムで構成された、包装体。
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