JP2015164929A - カゼイネートを含む歯科用充填剤、方法、および組成物 - Google Patents

カゼイネートを含む歯科用充填剤、方法、および組成物 Download PDF

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ファルサフィ,アフシン
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Abstract

【課題】カゼイネートを含む処理された表面を含む、歯科用充填剤、ならびに歯科用充填剤の製造方法および使用方法の提供。
【解決手段】口腔環境にイオン(たとえばカルシウムとリン、及び他のイオン)を送達するのに有用であり、カゼイネートと、硬化性樹脂又は水中分散可能な、ポリマー膜形成材とを含む歯科用組成物、並びに歯科用組成物の使用方法。歯科用充填剤の表面をカゼイネートを用いて処理し、前記充填剤が表面が非晶質又は一部が結晶質であり、多孔質粒子、粒子の多孔質アグロメレート及びその組み合せからなる歯科用充填剤。
【選択図】なし

Description

歯牙組織の脱灰があると、齲歯、齲蝕された象牙質、セメント質および/またはエナメ
ル質、たとえば歯科用修復材を用いた典型的には治療を必要とする状態になる、というこ
とはよく知られている。そのような状態は、通常は、歯科用修復材を用いて充分に治療す
ることが可能であるが、修復された歯牙組織は多くの場合、その修復をした箇所の周囲で
さらなる齲蝕を受けやすい。
イオン(たとえば、カルシウム、および好ましくはカルシウムとリン)を口腔環境の中
に放出させると、歯牙組織の自然な再石灰化能力が向上されることは知られている。再石
灰化の向上は、従来からの歯科用修復材法に対する有用な補助手段または代替え手段とな
ると考えられる。しかしながら、カルシウムおよびリンを口腔環境の中に放出する公知の
組成物(たとえば、カルシウムホスフェート含有組成物)は、たとえば除放性能なども含
めて、望ましい性質に欠けることが多い。
したがって、イオン(たとえば、リンおよび他のイオン)を口腔環境の中に放出するこ
とが可能な新規な組成物が求められている。
一つの態様においては、本発明は、処理された表面を含む歯科用充填剤、ならびにその
ような処理された表面を含む歯科用充填剤の製造方法および使用方法を提供する。その処
理された表面にはカゼイネートを含むが、それは、カルシウム、ホスフェート、フルオリ
ド、またはそれらの組合せの塩を含んでいるのが好ましい。そのような歯科用充填剤を含
む歯科用組成物、およびそのような歯科用組成物の使用方法もまた提供される。
また別な態様においては、本発明は、硬化性樹脂および/または水中分散可能な、ポリ
マー膜形成材、およびカゼイネートを含む歯科用組成物を提供するが、ここで、そのカゼ
イネートは、硬化性樹脂および/または水中分散可能な、ポリマー膜形成材の中に、少な
くとも部分的には、溶解、懸濁、または分散される。カゼイネートが、カルシウム、ホス
フェート、フルオリド、またはそれらの組合せの塩を含んでいるのが好ましい。そのよう
な歯科用組成物の使用方法もまた提供される。
本明細書において開示されるような歯科用充填剤および組成物は、好ましいことには、
歯牙組織の再石灰化を促進させ、それによって、たとえば潜在的な利点を与えることが可
能であり、そのようなこととしては、たとえば、エナメル質および/または象牙質の病変
部を再石灰化させる;知覚過敏(sensitivity)の原因となる、露出された象
牙質および/またはセメント質の細管を埋める;摩耗および/または腐蝕されたエナメル
質表面を修復する;界面における微少漏洩領域を再シールする;酸の攻撃に接触されるか
近傍の歯牙構造の抵抗性を増大させる、などの性能が挙げられる。
定義
本明細書で使用するとき、「接着剤」または「歯科用接着剤」という用語は、「歯科材
料」(たとえば、「修復材」、歯科矯正装置(たとえば、ブラケット)、または「歯科矯
正用接着剤」)を歯牙組織に接着させるための、歯牙組織(たとえば、歯牙)の上に前処
理として使用する組成物を指す。「歯科矯正用接着剤」という用語は、歯科矯正装置を歯
牙組織(たとえば、歯牙)の表面に接着させるのに使用される、高度に(一般に40重量
%以上)充填された組成物を指す(「歯科用接着剤」というよりは、「修復材料」に近い
)。一般に、歯牙組織の表面は、たとえば、エッチング、プライマー処理、および/また
は接着剤を塗布することによって前処理して、「歯科矯正用接着剤」の歯牙組織の表面へ
の接着性を向上させる。
本明細書で使用するとき、「非水性」組成物(たとえば、接着剤)という用語は、成分
としてはその中に水を添加していない組成物を指す。しかしながら、組成物の他の成分中
に偶発的な水分が存在している可能性もあるが、水の総量が、その非水性組成物の安定性
(たとえば、貯蔵寿命)に悪影響を与えることはない。非水性組成物は、その非水性組成
物の全重量を基準にして、好ましくは1重量%未満、より好ましくは0.5重量%未満、
最も好ましくは0.1重量%未満の水しか含まない。
本明細書で使用するとき、「自己エッチング性」組成物という用語は、歯牙組織表面を
エッチング剤を用いて予め処理しなくても、その歯牙組織表面に接合する組成物をさす。
自己エッチング性組成物は、独立したエッチング剤またはプライマーを使用しない場合に
は、自己プライマーとして機能することも可能であるのが好ましい。
本明細書で使用するとき、「自己接着性」組成物という用語は、プライマーまたはボン
ディング剤を用いて歯牙組織表面を予め処理しなくても、その歯牙組織表面に接合するこ
とが可能な組成物を指す。自己接着性組成物は、独立したエッチング剤を使用しなくても
、自己エッチング性組成物でもあるのが好ましい。
本明細書で使用するとき、組成物を「固化(hardening)」または「硬化(c
uring)」させるという用語は、同義的に使用され、重合反応および/または架橋反
応、たとえば、硬化または架橋をすることが可能な一種または複数の化合物を含む光重合
反応および化学重合技術(たとえば、エチレン性不飽和化合物を重合させるのに有効なラ
ジカルを形成させるイオン反応または化学反応)などを指す。
本明細書で使用するとき、「歯牙組織表面」という用語は、歯牙組織(たとえば、エナ
メル質、象牙質、およびセメント質)および骨を指す。
本明細書で使用するとき、「歯科材料」という用語は、歯牙組織表面に接合させること
が可能な材料を指し、それにはたとえば、歯科用修復材、歯科矯正装置、および/または
歯科矯正用接着剤などが含まれる。
本明細書で使用するとき、「(メタ)アクリル」というのは、「アクリル」および/ま
たは「メタクリル」の略称である。たとえば、「(メタ)アクリルオキシ」基は、アクリ
ルオキシ基(すなわち、CH2=CHC(O)O−)および/またはメタクリルオキシ基
(すなわち、CH2=C(CH3)C(O)O−)の両方を指す、略称である。
本明細書で使用するとき、「非晶質」物質は、検出できるようなX線粉末回折パターン
をもたらさないものである。「少なくとも部分的に結晶質の」物質は、検出できるような
X線粉末回折パターンをもたらすものである。
本明細書で使用するとき、周期律表の「族」とは、無機化学IUPAC命名法(199
0年、推奨)に定義される、第1〜18族を指し、それらを含む。
本明細書で使用するとき、単数形(「a」および「an」)は、特に断らない限り、「
少なくとも一つ」または「一つまたは複数」を意味する。
本発明は、カゼイネートを含む歯科用充填剤および/または組成物を提供する。いくつ
かの実施態様においては、カゼイネートを含む処理された表面を含む歯科用充填剤が提供
される。いくつかの実施態様においては、そのような歯科用充填剤を含む歯科用組成物が
提供される。いくつかの実施態様においては、カゼイネートならびに硬化性樹脂および/
または水中分散可能な、ポリマー膜形成材を含む歯科用組成物が提供される。そのような
歯科用充填剤および/または組成物の製造方法および使用方法もまた提供される。
カゼイネート
カゼインは、ミルクおよびチーズの中に存在する、近縁のリンタンパク質の混合物であ
る。本明細書で使用するとき、「カゼイン」とは、電気泳動法によって区別することが可
能であって、pH7における易動性の低下する順に、一般にα−、β−、γ−、κ−カゼ
インと呼ばれている、主たるカゼイン成分の一つまたは複数を含むことを意味している。
ウシβ−カゼインのアミノ酸シーケンスは完全に解読されていて、209残基を含み、お
およその分子量が23,600である。たとえば、リバデアウデュマス(Ribadea
udumas)ら、ヨーロピアン・ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Eur.J
.Biochem.)、25:505(1972)、およびマケンジー(McKenzi
e)、アドバンシズ・イン・プロテイン・ケミストリー(Advan.Protein
Chem.)、22:75〜135(1967)を参照されたい。
カゼインは両性化合物であって、酸、塩基のいずれとも塩を形成する。化学種(たとえ
ば、カルシウムホスフェート)のカチオンとアニオンの両方がカゼインと塩を形成すると
、その生成物は典型的には錯体(たとえば、カゼインのカルシウムホスフェート錯体)と
呼ばれる。本明細書で使用するとき、「カゼイネート」という用語は、カゼインの塩およ
び/または錯体を指すのに用いられる。
典型的なカゼイネートとしては、たとえば、1価の金属(たとえば、ナトリウムおよび
カリウム)の塩、2価の金属(たとえば、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、
ニッケル、銅、および亜鉛)の塩、3価の金属(たとえば、アルミニウム)の塩、アンモ
ニウム塩、ホスフェート塩(たとえば、ホスフェートおよびフルオロホスフェート)、な
らびにそれらの組合せなどを挙げることができる。典型的なカゼイネート錯体としては、
たとえば、カルシウムホスフェート錯体(オーストラリア国ホーンズビー(Hornsb
y,Australia)のエヌ・エス・アイ・デンタル・プロプリエタリー・リミテッ
ド(NSI Dental Pty.Ltd.)から、商品名ホスカル(PHOSCAL
)として入手可能)、カルシウムフルオロホスフェート錯体、カルシウムフルオリド錯体
、およびそれらの組合せなどが挙げられる。
カゼイネートは、典型的には、乾燥粉末として入手可能である。カゼイネートは水性流
体に可溶性であっても、不溶性であってもよい。
歯科用充填剤の表面処理
歯科用充填剤は、たとえば米国特許第5,332,429号明細書(ミトラ(Mitr
a)ら)の中に記載されているのと同様の方法により表面処理されるのが好ましい。簡単
に言えば、本明細書に記載の歯科用充填剤は、その充填剤を、本明細書に記載されるよう
なカゼイネートをその中に溶解、分散または懸濁させた液体と組み合わせることにより、
表面処理することができる。場合によっては、その液体または追加の液体に、追加の表面
処理剤(たとえば、フルオリドイオン前駆体、シラン、チタネートなど)が含まれていて
もよい。場合によっては、その液体には水が含まれ、そして、水性液体を使用する場合に
は、それが酸性であっても塩基性であってもよい。処理した後では、その液体の少なくと
も一部は、各種都合のよい方法(たとえば、噴霧乾燥、オーブン乾燥、ギャップ乾燥、凍
結乾燥、およびそれらの組合せ)を用いて、その表面処理された歯科用充填剤から除去す
ることができる。ギャップ乾燥の記述に関しては、たとえば米国特許第5,980,69
7号明細書(コルブ(Kolb)ら)を参照されたい。一つの実施態様においては、処理
された充填剤を、典型的には乾燥温度約30℃〜約100℃で、たとえば一夜かけて、オ
ーブン乾燥させることができる。その表面処理された充填剤は、所望により、さらに加熱
することも可能である。次いで、その処理され、乾燥された歯科用充填剤を篩にかけるか
、または軽く粉砕してアグロメレートを破壊することもできる。そのようにして得られた
表面処理された歯科用充填剤は、歯科用ペーストの中に組み込むことができる。
表面処理するのに好適な歯科用充填剤は、歯科的用途に使用される組成物の中に組み込
むのに適した、広い範囲の各種の材料の一種または複数から選択することができ、たとえ
ばそのような充填剤は、現在歯科用修復材組成物などに使用されているようなものである
。歯科用充填剤には、多孔質粒子および/または粒子の多孔質アグロメレートが含まれて
いるのが好ましい。好適な歯科用充填剤としては、ナノ粒子および/またはナノ粒子のア
グロメレートが挙げられる。好適なタイプの充填剤としては、金属酸化物、金属フルオリ
ド、金属オキシフルオリド、およびそれらの組合せが挙げられるが、ここでその金属は重
金属であっても、非重金属であってもよい。
好ましい実施態様においては、その歯科用充填剤は、第2〜5族元素、第12〜15族
元素、ランタニド元素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素のオキシド
、フルオリド、またはオキシフルオリドである。より好ましくは、その元素は、以下のも
のからなる群より選択される:Ca、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、
Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Ta、Z
n、B、Al、Si、Sn、P、およびそれらの組合せ。歯科用充填剤が、ガラス、非晶
質物質、または結晶質物質であってもよい。場合によっては、歯科用充填剤にフルオリド
イオン源を含んでいてもよい。そのような歯科用充填剤には、たとえば、フルオロアルミ
ノシリケートガラスを含む。
充填剤は微細に粉砕されているのが好ましい。充填剤の粒径分布は、単峰形であっても
あるいは多峰形(たとえば、二峰形)であってもよい。充填剤の最大粒径(粒子の最大寸
法、典型的には直径)は、好ましくは20マイクロメートル未満、より好ましくは10マ
イクロメートル未満、最も好ましくは5マイクロメートル未満である。充填剤の平均粒径
は、好ましくは2マイクロメートル未満、より好ましくは0.1マイクロメートル未満、
最も好ましくは0.075マイクロメートル未満である。
充填剤は無機物質であってもよい。それは、樹脂系に溶解しない架橋有機物質であって
もよく、また場合によっては、無機充填剤を用いて充填されていてもよい。充填剤は、い
かなる場合においても毒性が無く、口の中で使用するのに適したものでなければならない
。その充填剤は放射線不透過性であっても、あるいは放射線透過性であってもよい。充填
剤は、典型的には、実質的に水に溶解しない。
好適な無機充填剤の例としては、天然由来または合成の物質で:石英;窒化物(たとえ
ば、窒化ケイ素);たとえば、Zr、Sr、Ce、Sb、Sn、Ba、ZnおよびAlか
ら誘導されるガラス;長石;ボロシリケートガラス;カオリン;タルク;チタニア;低モ
ース硬度の充填剤でたとえば米国特許第4,695,251号明細書(ランドクレフ(R
andklev))に記載されているようなもの;およびサブミクロンサイズのシリカ粒
子(たとえば、熱分解法シリカ、たとえばオハイオ州アクロン(Akron,OH)のデ
グッサ・コーポレーション(Degussa Corp.)からの商品名アエロジル(A
EROSIL)、たとえば「OX50」、「130」、「150」および「200」シリ
カ、ならびに、イリノイ州タスコーラ(Tuscola,IL))のキャボット・コーポ
レーション(Cabot Corp.)からのキャブ・オ・シル(CAB−O−SIL)
M5シリカなど)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。好適な有機充填剤粒
子の例としては、充填または非充填の微粉砕ポリカーボネート、ポリエポキシドなどが挙
げられる。
酸非反応性の充填剤粒子としては、石英、サブミクロンシリカ、および米国特許第4,
503,169号明細書(ランドクレフ(Randklev))に記載されているような
、非ガラス質のミクロ粒子が適している。これらの酸非反応性の充填剤の混合物もまた考
慮に入るし、さらには有機および無機材料から製造した組合せ充填剤もまた考えられる。
ある種の実施態様においては、シラン処理したジルコニア−シリカ(Zr−Si)充填剤
が特に好ましい。
充填剤が酸反応性充填剤であってもよい。好適な酸反応性充填剤としては、金属酸化物
、ガラス、および金属塩を挙げることができる。典型的な金属酸化物としては、酸化バリ
ウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛が挙げられる。典型的なガラス
としては、ホウ酸ガラス、リン酸ガラスおよびフルオロアルミノシリケート(「FAS」
)ガラスが挙げられる。FASガラスが特に好ましい。FASガラスには典型的には、溶
出可能なカチオンを充分に含んでいて、それにより、そのガラスを硬化性の組成物の成分
と混合したときに、硬化された歯科用組成物が形成されるようにする。さらにこのガラス
には典型的には、溶出可能なフルオリドイオンを充分に含んでいて、それにより、その硬
化させた組成物が抗齲蝕性を有するようにする。そのガラスは、フルオリド、アルミナ、
およびその他のガラス形成成分を含む溶融物から、FASガラス製造業界では公知の技術
を用いて、製造することができる。FASガラスは典型的には、充分に細かく粉砕して、
それにより、他のセメント成分とうまく混合することができ、得られた混合物を口腔内で
使用したときに性能を充分に発揮できるようにする。
一般的には、FASガラスの平均粒径(典型的には、直径)は、たとえば沈降法測定器
を用いて測定して、12マイクロメートル以下、典型的には10マイクロメートル以下、
より典型的には5マイクロメートル以下である。好適なFASガラスは、当業者には周知
であり、広い範囲の供給業者から入手することができるが、ガラスアイオノマーセメント
として現在入手可能なものが多く、たとえば、商品名ビトレマー(VITREMER)、
ビトレボンド(VITREBOND)、リライ・X・ルーティング・セメント(RELY
X LUTING CEMENT)、リライ・X・ルーティング・プラス・セメント(
RELY X LUTING PLUS CEMENT)、フォタック−フィル・クイッ
ク(PHOTAC−FIL QUICK)、ケタック−モラー(KETAC−MOLAR
、およびケタック−フィル・プラス(KETAC−FIL PLUS)(ミネソタ州セン
トポール(St.Paul,MN)の3M・ESPE・デンタル・プロダクツ(3M E
SPE Dental Products))、フジ・II・LC(FUJI II L
C)およびフジIX(FUJI IX)(日本国東京の、G−C・デンタル・インダスト
リアル・コーポレーション(G−C Dental Industrial Corp.
))、およびケムフィル・スペリオル(CHEMFIL Superior)(ペンシル
バニア州ヨーク(York,PA)のデンツプライ・インターナショナル(Dentsp
ly International))などが商品として入手できる。所望により、充填
剤の混合物を使用することもできる。
その他の好適な充填剤は、たとえば以下の特許に開示されている:米国特許第6,30
6,926号明細書(ブレッチャー(Bretscher)ら)、6,387,981号
明細書(チャン(Zhang)ら)、6,572,693号明細書(ウー(Wu)ら)、
および6,730,156号明細書(ウィンディッシュ(Windisch)ら)、なら
びに国際公開第01/30307号パンフレット(チャン(Zhang)ら)および国際
公開第03/063804号パンフレット(ウー(Wu)ら)。それらの引用文献に記載
されている充填剤成分には、ナノサイズのシリカ粒子、ナノサイズの金属酸化物粒子、お
よびそれらの組合せが含まれている。ナノ充填剤はまた、米国特許出願第10/847,
781号明細書;米国特許出願第10/847,782号明細書;および米国特許出願第
10/847,803号明細書にも記載されているが、この3件はすべて2004年5月
17日に出願されたものである。
その表面処理された歯科用充填剤には、歯科用充填剤の全乾燥重量を基準にして(すな
わち、処理に用いた液状物を除外して)、好ましくは少なくとも0.01%、より好まし
くは少なくとも0.05%、最も好ましくは少なくとも0.1重量%のカゼイネートが含
まれる。その表面処理された歯科用充填剤には、歯科用充填剤の全乾燥重量を基準にして
(すなわち、処理に用いた液状物を除外して)、好ましくは最大で50%、より好ましく
は最大で30%、最も好ましくは最大で20重量%のカゼイネートが含まれる。
表面処理された歯科用充填剤(たとえば、歯科用接着剤組成物)を含む本発明のいくつ
かの実施態様では、その組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくと
も1重量%、より好ましくは少なくとも2重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%の
表面処理された歯科用充填剤が含まれる。そのような実施態様では、本発明の組成物には
、組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で40重量%、より好ましくは最大で2
0重量%、最も好ましくは最大で15重量%の表面処理された歯科用充填剤を含む。
(たとえば、その組成物が歯科用修復材または歯科矯正用接着剤であるような)その他
の実施態様においては、本発明の組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは
少なくとも40重量%、より好ましくは少なくとも45重量%、最も好ましくは少なくと
も50重量%の表面処理された歯科用充填剤を含む。そのような実施態様では、本発明の
組成物には、組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で90重量%、より好ましく
は最大で80重量%、さらにより好ましくは最大で70重量%、最も好ましくは最大で5
0重量%の表面処理された歯科用充填剤を含む。
場合によっては、その歯科用充填剤の処理された表面には、シラン(たとえば、米国特
許第5,332,429号明細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されているようなも
の)、抗菌薬(たとえば、クロルヘキシジン;第四級アンモニウム塩;金属含有化合物た
とえば、Ag、SnまたはZn含有化合物;およびそれらの組合せ)、および/またはフ
ルオリドイオン源(たとえば、フルオリド塩、フルオリド含有ガラス、フルオリド含有化
合物、およびそれらの組合せ)などがさらに含まれていてもよい。
カゼイネートを含む歯科用組成物
いくつかの実施態様においては、本発明は、カゼイネートならびに硬化性樹脂および/
または水中分散可能な、ポリマー膜形成材を含む歯科用組成物を提供する。そのような歯
科用組成物は、直接的(たとえば、カゼイネートを硬化性樹脂または水中分散可能な、ポ
リマー膜形成材と組み合わせることによる)または間接的(たとえば、硬化性樹脂または
水中分散可能な、ポリマー膜形成材の中で、カゼイネートをインサイチュで発生させるこ
とによる)、のいずれによっても調製することができる。カゼイネートを発生させる好適
なインサイチュ法としては、たとえば、中和反応法、錯体化反応法、および/またはイオ
ン交換法などが挙げられる。
硬化性樹脂中にカゼイネートを含む歯科用組成物としては、たとえば、歯科用接着剤、
歯科用修復材、および歯科矯正用接着剤などが挙げられる。水中分散可能な、ポリマー膜
形成材の中にカゼイネートを含む歯科用組成物としては、たとえば、コーティング、ワニ
ス、シーラント、プライマー、および脱感作薬などが挙げられる。本明細書において先に
も記述していくつかの実施態様においては、カゼイネートは表面処理された充填剤の中に
存在する。別な実施態様においては、カゼイネートは表面処理された充填剤の中には存在
しない。
歯科用組成物が硬化性樹脂の中にカゼイネートを含み、表面処理された充填剤の中には
カゼイネートが存在しない実施態様においては、その歯科用組成物には、歯科用組成物の
全重量を基準にして、好ましくは少なくとも0.01%、より好ましくは少なくとも0.
1%、最も好ましくは少なくとも1重量%のカゼイネートを含む。そのような実施態様に
おいては、その歯科用組成物には、歯科用組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大
で70%、より好ましくは最大で50%、最も好ましくは最大で25重量%のカゼイネー
トを含む。
歯科用組成物が水中分散可能な、ポリマー膜形成材の中にカゼイネートを含み、表面処
理された充填剤の中にはカゼイネートが存在しない実施態様においては、その歯科用組成
物には、歯科用組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なくとも0.01%、より好
ましくは少なくとも0.1%、最も好ましくは少なくとも1重量%のカゼイネートを含む
。そのような実施態様においては、その歯科用組成物には、歯科用組成物の全重量を基準
にして、好ましくは最大で70%、より好ましくは最大で50%、最も好ましくは最大で
25重量%のカゼイネートを含む。
本発明の歯科用組成物には、以下に記載するような任意成分の添加剤がさらに含まれて
いてもよい。
本明細書に記述するように、歯科用組成物は、歯科用プライマー、歯科用接着剤、窩洞
裏装材、窩洞清浄化剤、セメント、コーティング、ワニス、歯科矯正用接着剤、修復材、
シーラント、脱感作薬、およびそれらの組合せとして有用とすることができる。
硬化性樹脂を含む歯科用組成物
本発明の歯科用組成物は、硬表面、好ましくは、象牙質、エナメル質、および骨のよう
な硬組織を処理するのに有用である。そのような歯科用組成物は、水性であっても、非水
性であってもよい。いくつかの実施態様においては、歯科材料に適用する前に、組成物を
固化させることができる(たとえば、従来からの光重合および/または化学重合技術によ
って重合させる)。別な実施態様においては、歯科材料に適用した後に、組成物を固化さ
せることができる(たとえば、従来からの光重合および/または化学重合技術によって重
合させる)。
本発明の方法において歯科材料および歯科用接着剤組成物として使用可能な、好適な光
重合性組成物としては、(カチオン活性なエポキシ基を含む)エポキシ樹脂、(カチオン
活性なビニルエーテル基を含む)ビニルエーテル樹脂、(フリーラジカル活性な不飽和基
、たとえば、アクリレートおよびメタクリレートを含む)エチレン性不飽和化合物、およ
びそれらの組合せ、などが挙げられる。単一の化合物の中にカチオン活性な官能基とフリ
ーラジカル活性な官能基との両方を含む重合性物質もまた適している。その例としては、
エポキシ官能性(メタ)アクリレートが挙げられる。
酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物
本明細書で使用するとき、「酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物」という用語は
、エチレン性不飽和ならびに、酸および/または酸前駆体官能基を有するモノマー、オリ
ゴマー、およびポリマーを意味する。酸前駆体官能基には、たとえば、酸無水物、酸ハラ
イド、およびピロホスフェートなどが含まれる。
酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物としては、たとえばα,β−不飽和酸性化合
物、たとえば、グリセロールホスフェートモノ(メタ)アクリレート、グリセロールホス
フェートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(たとえば、
HEMA)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシエチル)ホスフェート、((メ
タ)アクリルオキシプロピル)ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシプロピル)
ホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ)プロピルオキシホスフェート、(メタ)
アクリルオキシヘキシルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシヘキシル)ホスフ
ェート、(メタ)アクリルオキシオクチルホスフェート、ビス((メタ)アクリルオキシ
オクチル)ホスフェート、(メタ)アクリルオキシデシルホスフェート、ビス((メタ)
アクリルオキシデシル)ホスフェート、カプロラクトンメタクリレートホスフェート、ク
エン酸ジ−またはトリ−メタクリレート、ポリ(メタ)アクリレート化オリゴマレイン酸
、ポリ(メタ)アクリレート化ポリマレイン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリ(メタ
)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリカルボキシル−ポリホスホン酸、ポリ(
メタ)アクリレート化ポリクロロリン酸、ポリ(メタ)アクリレート化ポリスルホネート
、ポリ(メタ)アクリレート化ポリホウ酸などを、硬化性樹脂系における成分として使用
することができる。不飽和炭素酸のモノマー、オリゴマー、およびポリマー、たとえば(
メタ)アクリル酸、芳香族(メタ)アクリレート化酸(たとえば、メタクリレート化トリ
メリット酸)、およびそれらの無水物もまた、使用することができる。ある種の好適な本
発明の組成物としては、少なくとも1個のP−OH残基を有する、酸官能基を有するエチ
レン性不飽和化合物が挙げられる。
これらの化合物の内のある種のものは、イソシアナトアルキル(メタ)アクリレートと
カルボン酸との間の反応生成物として得られる。酸官能基とエチレン性不飽和成分の両方
を有するこのタイプの化合物については、さらに、米国特許第4,872,936号明細
書(エンゲルブレヘト(Engelbrecht))および米国特許第5,130,34
7号明細書(ミトラ(Mitra))にも記載がある。エチレン性不飽和と酸残基の両方
を含む、広い範囲のそのような化合物を使用することができる。所望により、そのような
化合物の混合物を使用することもできる。
酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物の例をさらに挙げれば、たとえば、たとえば
、米国仮特許出願第60/437,106号明細書(出願日2002年12月30日)に
開示されているような重合性ビスホスホン酸;AA:ITA:IEM(ペンダントメタク
リレートを有するアクリル酸:イタコン酸のコポリマーで、たとえば、米国特許第5,1
30,347号明細書(ミトラ(Mitra))の実施例11に記載されているようにし
て、AA:ITAコポリマーを充分な量の2−イソシアナトエチルメタクリレートと反応
させて、そのコポリマーの酸基の一部をペンダントメタクリレートに転化させて製造した
もの);および、米国特許第4,259,075号明細書(ヤマウチ(Yamauchi
)ら)、米国特許第4,499,251号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許
第4,537,940号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第4,539,3
82号明細書(オムラ(Omura)ら)、米国特許第5,530,038号明細書(ヤ
マモト(Yamamoto)ら)、米国特許第6,458,868号明細書(オカダ(O
kada)ら)、および欧州特許出願公開第712,622号明細書(株式会社トクヤマ
(Tokuyama Corp.)および欧州特許出願公開第1,051,961号明細
書(株式会社クラレ(Kuraray Co.,Ltd.)に記載されているものがある
本発明の組成物には、エチレン性不飽和化合物と、たとえば、米国仮特許出願第60/
600,658号(出願日:2004年8月11日)に記載されているような酸官能基と
の組合せをさらに含んでいてもよい。
本発明の組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なく
とも1重量%、より好ましくは少なくとも3重量%、最も好ましくは少なくとも5重量%
の、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物を含む。本発明の組成物には、充填物無添
加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で80重量%、より好ましくは最大で
70重量%、最も好ましくは最大で60重量%の、酸官能基を有するエチレン性不飽和化
合物を含む。
酸官能基を有しないエチレン性不飽和化合物
本発明の組成物にはさらに、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物に加えて、一種
または複数の重合性成分も含み、それによって固化可能な組成物を形成させてもよい。そ
れらの重合性成分は、モノマー、オリゴマー、またはポリマーのいずれであってもよい。
ある種の実施態様においては、その組成物が光重合性である、すなわち、その組成物に
光重合性成分と光重合開始剤(すなわち、光重合開始剤系)を含み、化学線照射を行うこ
とによって、組成物の重合(または硬化)を開始させる。そのような光重合性組成物は、
フリーラジカル的に重合できるものでもよい。
ある種の実施態様においては、その組成物が化学重合性である、すなわち、その組成物
に化学重合性成分と化学重合開始剤(すなわち、重合開始剤系)を含み、化学線照射の照
射に依存することなく、その組成物を重合、架橋、硬化させることができる。そのような
化学重合性組成物は、「自己硬化性」組成物と呼ばれることがあり、それには、ガラスア
イオノマーセメント、樹脂変性ガラスアイオノマーセメント、レドックス硬化系、および
それらの組合せが含まれる。
本発明の組成物には、充填物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは少なく
とも5重量%、より好ましくは少なくとも10重量%、最も好ましくは少なくとも15重
量%の、酸官能基を有しないエチレン性不飽和化合物を含む。本発明の組成物には、充填
物無添加の組成物の全重量を基準にして、好ましくは最大で95重量%、より好ましくは
最大で90重量%、最も好ましくは最大で80重量%の、酸官能基を有しないエチレン性
不飽和化合物を含む。
光重合性組成物
好適な光重合性組成物には、エチレン性不飽和化合物(フリーラジカル活性を有する不
飽和基を含む)を含む光重合性成分(たとえば、化合物)が含まれていてもよい。有用な
エチレン性不飽和化合物の例としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ヒ
ドロキシ官能性アクリル酸エステル、ヒドロキシ官能性メタクリル酸エステル、およびそ
れらの組合せが挙げられる。
光重合性組成物としては、フリーラジカル的に活性な官能基を有する化合物が挙げられ
、それには、1個または複数のエチレン性不飽和基を有する、モノマー、オリゴマー、お
よびポリマーが含まれる。好適な化合物には少なくとも一つのエチレン性不飽和結合を含
み、付加重合することができる。そのようなフリーラジカル重合性化合物としては以下の
ようなものが挙げられる:モノ−、ジ−またはポリ−(メタ)アクリレート(すなわち、
アクリレートおよびメタクリレート)たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチルア
クリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアク
リレート、アリルアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジ
アクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタク
リレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
トリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロ
ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、
ソルビトールヘキサアクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ビス
[1−(2−アクリルオキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(
3−アクリルオキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、エ
トキシル化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、およびトリスヒドロキシエチル−
イソシアヌレートトリメタクリレート;(メタ)アクリルアミド(すなわち、アクリルア
ミドおよびメタクリルアミド)たとえば、(メタ)アクリルアミド、メチレンビス−(メ
タ)アクリルアミド、およびジアセトン(メタ)アクリルアミド;ウレタン(メタ)アク
リレート;ポリエチレングリコール(好ましくは、分子量200〜500)のビス−(メ
タ)アクリレート、米国特許第4,652,274号明細書(ベッチャー(Boettc
her)ら)に記載されているようなアクリレート化モノマーの共重合性混合物、米国特
許第4,642,126号明細書(ゼーダー(Zador)ら)に記載されているような
アクリレート化オリゴマー、および米国特許第4,648,843号明細書(ミトラ(M
itra))に記載されているようなポリ(エチレン性不飽和)カルバモイルイソシアヌ
レート;ならびにビニル化合物たとえば、スチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスク
シネート、ジビニルアジペート、およびジビニルフタレート。その他の好適なフリーラジ
カル重合性化合物としては、たとえば国際公開第00/38619号パンフレット(グッ
ゲンベルガー(Guggenberger)ら)、国際公開第01/92271号パンフ
レット(バインマン(Weinmann)ら)、国際公開第01/07444号パンフレ
ット(グッゲンベルガー(Guggenberger)ら)、国際公開第00/4209
2号パンフレット(グッゲンベルガー(Guggenberger)ら)などに開示され
ている、シロキサン官能性(メタ)アクリレート、ならびに、たとえば米国特許第5,0
76,844号明細書(フォック(Fock)ら)、米国特許第4,356,296号明
細書(グリフィス(Griffith)ら)、欧州特許第0373 384号明細書(ワ
ーゲンクネヒト(Wagenknecht)ら)、欧州特許第0201 031号明細書
(ライナース(Reiners)ら)、および欧州特許第0201 778号明細書(ラ
イナース(Reiners)ら)などに開示されている、フルオロポリマー官能性(メタ
)アクリレートなどが挙げられる。所望により、フリーラジカル重合が可能な2種以上の
化合物を使用することもできる。
重合性成分には、単一の分子の中に、ヒドロキシル基とフリーラジカル的に活性な官能
基とを含んでいてもよい。そのような物質の例としては、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート、たとえば2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ヒドロキシ
プロピル(メタ)アクリレート;グリセロールモノ−またはジ−(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパンモノ−またはジ−(メタ)アクリレート;ペンタエリスリトール
モノ−、ジ−、およびトリ−(メタ)アクリレート;ソルビトールモノ−、ジ−、トリ−
、テトラ−、またはペンタ−(メタ)アクリレート;および2,2−ビス[4−(2−ヒ
ドロキシ−3−メタクリルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビスGMA)などが
挙げられる。好適なエチレン性不飽和化合物はさらに、広い範囲の商業的入手源、たとえ
ばセントルイス(St.Louis)のシグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldri
ch)からも入手することができる。所望により、エチレン性不飽和化合物の混合物を使
用することもできる。
ある種の実施態様においては、光重合性成分としては、PEGDMA(ポリエチレング
リコールジメタクリレート、分子量約400)、ビスGMA、UDMA(ウレタンジメタ
クリレート)、GDMA(グリセロールジメタクリレート)、TEGDMA(トリエチレ
ングリコールジメタクリレート)、米国特許第6,030,606号明細書(ホルメス(
Holmes))に記載されているようなビスEMA6、およびNPGDMA(ネオペン
チルグリコールジメタクリレート)などを挙げることができる。所望により、重合性成分
を各種組み合わせて使用することができる。
フリーラジカル的に光重合性組成物を重合させるための、好適な光重合開始剤(すなわ
ち、一種または複数の化合物を含む光重合開始剤系)としては、2成分系および3成分系
が挙げられる。典型的な3成分系光重合開始剤には、米国特許第5,545,676号明
細書(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されているような、ヨードニウム
塩、光増感剤、および電子供与性化合物が含まれる。好適なヨードニウム塩は、ジアリー
ルヨードニウム塩、たとえば、ジフェニルヨードニウムクロリド、ジフェニルヨードニウ
ムヘキサフルオロホスフェート、ジフェニルヨードニウムテトラフルオロボレート、およ
びトリルクミルヨードニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートである。好
適な光増感剤は、400nm〜520nm(好ましくは、450nm〜500nm)の範
囲内で光を吸収する、モノケトンおよびジケトンである。より好ましい化合物は、400
nm〜520nm(さらにより好ましくは、450〜500nm)の範囲で光を吸収する
、アルファジケトンである。好適な化合物は、ショウノウキノン、ベンジル、フリル、3
,3,6,6−テトラメチルシクロヘキサンジオン、フェナントラキノン、1−フェニル
−1,2−プロパンジオン、およびその他の1−アリール−2−アルキル−1,2−エタ
ンジオン、および環状アルファジケトンである。最も好ましいのは、ショウノウキノンで
ある。好適な電子供与性化合物としては、置換アミン、たとえば、ジメチルアミノ安息香
酸エチルが挙げられる。カチオン重合性樹脂を光重合させるのに有用なその他の好適な第
三級光重合開始剤系が、たとえば、米国特許出願公開第2003/0166737号明細
書(デデ(Dede)ら)に記載されている。
フリーラジカル的光重合性組成物を重合させるための、その他好適な光重合開始剤とし
ては、典型的には380nm〜1200nmに官能波長を有するホスフィンオキシドのタ
イプが挙げられる。380nm〜450nmに官能性波長領域を有する、好適なホスフィ
ンオキシドフリーラジカル重合開始剤は、アシルおよびビスアシルホスフィンオキシドで
あって、それらは、たとえば米国特許第4,298,738号明細書(レヒトケン(Le
chtken)ら)、米国特許第4,324,744号明細書(レヒトケン(Lecht
ken)ら)、米国特許第4,385,109号明細書(レヒトケン(Lechtken
)ら)、米国特許第4,710,523号明細書(レヒトケン(Lechtken)ら)
、および米国特許第4,737,593号明細書(エルリッヒ(Ellrich)ら)、
米国特許第6,251,963号明細書(コーラー(Kohler)ら);ならびに欧州
特許出願公開第0 173 567A2号明細書(イン(Ying))などに記載されて
いる。
380nm〜450nmよりも高い波長範囲の照射を受けて、フリーラジカル重合開始
をさせることが可能なホスフィンオキシド光重合開始剤で、市販されているものとしては
、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(イルガキュ
ア(IRGACURE)819、ニューヨーク州タリータウン(Tarrytown,N
Y)のチバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemi
cals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−(2,4,4−トリメチルペン
チル)ホスフィンオキシド(CGI403、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Cib
a Specialty Chemicals))、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイ
ル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチ
ル−1−フェニルプロパン−1−オンとの重量で25:75の混合物(イルガキュア(I
RGACURE)1700、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(Ciba Speci
alty Chemicals))、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニ
ルホスフィンオキシドと2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
との重量で1:1の混合物(ダロキュア(DAROCUR)4265、チバ・スペシャル
ティ・ケミカルズ(Ciba Specialty Chemicals))、および、
2,4,6−トリメチルベンジルフェニルホスフィン酸エチル(ルシリン(LUCIRI
N)LR8893X、ノースカロライナ州シャーロット(Charlotte,NC)の
BASF・コーポレーション(BASF Corp.))などが挙げられる。
典型的には、ホスフィンオキシド重合開始剤は光重合性組成物中に、触媒量として有効
な量、たとえば、組成物の全重量を基準にして0.1重量パーセント〜5.0重量パーセ
ントの量で存在させる。
アシルホスフィンオキシドと組み合わせて、第三級アミン還元剤を使用することも可能
である。本発明において有用な第三級アミンの例としては、4−(N,N−ジメチルアミ
ノ)安息香酸エチル、およびメタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチルなどが挙げられ
る。アミン還元剤を存在させる場合には、その量は、光重合性組成物の中に、組成物の全
重量を基準にして0.1重量パーセント〜5.0重量パーセントの量である。その他の重
合開始剤の有用な使用量は、当業者には周知である。
化学重合性組成物
化学重合性組成物としては、重合性成分(たとえば、エチレン性不飽和重合性成分)お
よび、酸化剤と還元剤とを含むレドックス反応剤を含む、レドックス硬化系を挙げること
ができる。本発明において有用な、好適な重合性成分、レドックス剤、任意成分の酸官能
性成分および任意成分の充填剤は、米国特許出願公開第2003/0166740号明細
書(ミトラ(Mitra)ら)および米国特許出願公開第2003/0195273号明
細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている。
これらの還元剤および酸化剤は、互いに反応するか、そうでなければ相互に作用して、
樹脂系(たとえば、エチレン性不飽和成分)の重合を開始させることが可能なフリーラジ
カルを発生するものでなければならない。このタイプの硬化反応は、暗反応であって、す
なわち、光の存在には依存せず、光が無い状態でも進行する。この還元剤および酸化剤は
、充分な貯蔵安定性を有していて、望ましくない着色が無く、典型的な歯科条件下で貯蔵
・使用が可能であるのが好ましい。それらは、樹脂系との間に充分な混和性を有し(かつ
、好ましくは水溶性であって)、重合性組成物の他の成分の中に容易に溶解するような(
そして、それから分離しない)ものであるべきである。
有用な還元剤の例を挙げれば、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、および米国特
許第5,501,727号明細書(ワン(Wang)ら)に記載がある金属錯体化アスコ
ルビン酸化合物;アミン、特に第三級アミン、たとえば4−tert−ブチルジメチルア
ニリン;芳香族スルフィン酸塩、たとえばp−トルエンスルフィン酸塩およびベンゼンス
ルフィン酸塩;チオ尿素、たとえば1−エチル−2−チオ尿素、テトラエチルチオ尿素、
テトラメチルチオ尿素、1,1−ジブチルチオ尿素、および1,3−ジブチルチオ尿素;
ならびにそれらの混合物などがある。その他の二次的な還元剤としては、塩化コバルト(
II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依
存)、亜ジチオン酸または亜硫酸アニオンの塩、およびそれらの混合物などが挙げられる
。還元剤がアミンであるのが好ましい。
好適な酸化剤もまた当業者には馴染みのあるもので、過硫酸およびそれらの塩、たとえ
ば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、セシウム、およびアルキルアンモニウム塩な
どが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。さらなる酸化剤を挙げれば、ペルオ
キシドたとえばベンゾイルペルオキシド、ヒドロペルオキシドたとえばクミルヒドロペル
オキシド、t−ブチルヒドロペルオキシドおよびアミルヒドロペルオキシド、さらには遷
移金属の塩、たとえば塩化コバルト(III)および塩化第二鉄、硫酸セリウム(IV)
、過ホウ酸およびそれらの塩、過マンガン酸およびそれらの塩、過リン酸およびそれらの
塩、ならびにそれらの混合物などがある。
2種以上の酸化剤または2種以上の還元剤を使用するのが望ましい。少量の遷移金属化
合物を添加して、レドックス硬化速度を加速させてやることも可能である。いくつかの実
施態様においては、米国特許出願公開第2003/0195273(ミトラ(Mitra
)ら)に記載があるように、重合性組成物の安定性を向上させる目的で、第二級イオン性
塩を含むのが好ましい。
還元剤および酸化剤は、充分なフリーラジカル反応速度を与えるような量で存在させる
。このことは、任意成分の充填剤を除いて、重合性組成物の成分を全部組み合わせて、硬
化物が得られるかどうかを観察することによって、評価することができる。
還元剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは少なく
とも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.1重量%の量で存在させる。還元剤
は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは10重量%以下
、より好ましくは5重量%以下の量で存在させる。
酸化剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは少なく
とも0.01重量%、より好ましくは少なくとも0.10重量%の量で存在させる。酸化
剤は、重合性組成物の成分の全重量(水を含む)を基準にして、好ましくは10重量%以
下、より好ましくは5重量%以下の量で存在させる。
それらの還元剤または酸化剤は、米国特許第5,154,762号明細書(ミトラ(M
itra)ら)に記載されているように、マイクロカプセル化しておいてもよい。こうす
ると、一般的には重合性組成物の貯蔵安定性が向上し、必要に応じて、還元剤と酸化剤を
一緒に包装することも可能となる。たとえば、カプセル化材料に適切なものを選択するこ
とによって、酸化剤と還元剤を、酸官能性成分と任意成分の充填剤と組み合わせることが
可能となり、貯蔵するのに安定な状態で保存することができる。同様にして、水溶性のカ
プセル化材料を適切に選択することによって、還元剤と酸化剤をFASガラスおよび水と
組み合わせることが可能となり、貯蔵安定性のある状態で保存することができる。
米国特許第5,154,762号明細書(ミトラ(Mitra)ら)に記載されている
ように、レドックス硬化系を、他の硬化系たとえば光重合性組成物と組み合わせることも
可能である。
いくつかの実施態様においては、硬化性樹脂を含む本発明の歯科用組成物を硬化させて
、歯冠、充填物、ミルブランク、歯科矯正器具、および義歯からなる群より選択される歯
科用物品を製作することができる。
水中分散可能なポリマー膜形成材
いくつかの実施態様においては、本明細書に記載される水中分散可能なポリマー膜形成
材には、本明細書において以下に示すような、極性基または極性化が可能な基を含む繰り
返し単位が含まれる。ある種の実施態様においては、水中分散可能なポリマー膜形成材に
はさらに、本明細書において以下に示すような、フルオリド放出基を含む繰り返し単位、
疎水性炭化水素基を含む繰り返し単位、グラフトポリシロキサン鎖を含む繰り返し単位、
疎水性フッ素含有基を含む繰り返し単位、変性基を含む繰り返し単位、またはそれらの組
合せを含む。いくつかの実施態様においては、場合によっては、そのポリマーに、反応性
基(たとえば、エチレン性不飽和基、エポキシ基、または縮合反応に与ることが可能なシ
ラン残基)が含まれる。水中分散可能なポリマー膜形成材の例は、たとえば下記の特許に
開示されている:米国特許第5,468,477号明細書(クマール(Kumar)ら)
、米国特許第5,525,648号明細書(アアセン(Aasen)ら)、米国特許第5
,607,663号明細書(ロッジ(Rozzi)ら)、米国特許第5,662,887
号明細書(ロッジ(Rozzi)ら)、米国特許第5,725,882号明細書(クマー
ル(Kumar)ら)、米国特許第5,866,630号明細書(ミトラ(Mitra)
ら)、米国特許第5,876,208号明細書(ミトラ(Mitra)ら)、米国特許第
5,888,491号明細書(ミトラ(Mitra)ら)、および米国特許第6,312
,668号明細書(ミトラ(Mitra)ら)。
極性基または極性化が可能な基を含む繰り返し単位は、ビニル性モノマーたとえば、ア
クリレート、メタクリレート、クロトネート、イタコネートなどから誘導される。それら
の極性基は、酸、塩基、塩のいずれであってもよい。それらの基はさらに、イオン性であ
っても、中性であってもよい。
極性基または極性化が可能な基の例としては、中性な基たとえば、ヒドロキシ、チオ、
置換および非置換のアミド、環状エーテル(たとえば、オキサン、オキセタン、フラン、
およびピラン)、塩基性基(たとえば、ホスフィンおよび第一級、第二級、第三級アミン
を含めたアミン)、酸性基(たとえば、C、S、P、Bのオキシ酸、およびチオオキシ酸
)、イオン性基(たとえば第四級アンモニウム、カルボキシレート塩、スルホン酸塩など
)、ならびに、それらの基の前駆体および保護された形などが挙げられる。さらには、極
性基または極性化が可能な基がマクロモノマーであってもよい。そのような基のさらなる
具体例を以下に示す。
極性基または極性化が可能な基は、次の一般式によって表される分子を含む単官能また
は多官能カルボキシル基から誘導することができる:
CH2=CR2G−(COOH)d
ここで、R2はH、メチル、エチル、シアノ、カルボキシまたはカルボキシメチルであり
、dは1〜5であり、そしてGは単結合であるかまたは、原子価がd+1であり、場合に
よっては置換または非置換ヘテロ原子(たとえばO、S、NおよびP)で置換されるか、
それらにより中断されていてもよい、1〜12個の炭素原子を含むヒドロカルビルラジカ
ル結合基である。場合によっては、この単位が塩の形で与えられていてもよい。このタイ
プの好適なモノマーは、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、およびN−アクリロイ
ルグリシンである。
極性基または極性化が可能な基は、たとえば、次の一般式によって表される分子を含む
単官能または多官能ヒドロキシ基から誘導することができる:
CH2=CR2−CO−L−R3−(OH)d
ここで、R2はH、メチル、エチル、シアノ、カルボキシまたはカルボキシアルキル、L
はO,NHであり、dは1〜5であり、R3は、1〜12個の炭素原子を含む、原子価d
+1のヒドロカルビルラジカルである。このタイプの好適なモノマーは、ヒドロキシエチ
ル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル
(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、トリス(ヒドロキシメ
チル)エタンモノアクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、N−
ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、
およびヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドである。
極性基または極性化が可能な基は、それらに代えて、次の一般式の分子を含む単官能ま
たは多官能アミノ基から誘導することができる:
CH2=CR2−CO−L−R3−(NR45d
ここで、R2、L、R3、およびdは上で定義されたものであり、R4およびR5はHもしく
は1〜12個の炭素原子のアルキル基であるか、またはそれらが合体して、炭素環または
複素環基を形成している。このタイプの好適なモノマーは、アミノエチル(メタ)アクリ
レート、アミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)
アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル
アミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピルアミノプロピル(メタ)アク
リルアミド、および4−メチル−1−アクリロイル−ピペラジンである。
極性基または極性化が可能な基はさらに、アルコキシ置換された(メタ)アクリレート
もしくは(メタ)アクリルアミド、たとえばメトキシエチル(メタ)アクリレート、2−
(2−エトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(
メタ)アクリレートまたはポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートから誘導
してもよい。
極性基または極性化が可能な基単位は、下記の一般式の置換または非置換アンモニウム
モノマーから誘導してもよい:
Figure 2015164929
ここで、R2、R3、R4、R5、Lおよびdは上で定義されたものであり、R6はHまたは
1〜12個の炭素原子のアルキルであり、Q-は有機または無機アニオンである。そのよ
うなモノマーの好適な例としては、2−N,N,N−トリメチルアンモニウムエチル(メ
タ)アクリレート、2−N,N,N−トリエチルアンモニウムエチル(メタ)アクリレー
ト、3−N,N,N−トリメチルアンモニウムプロピル(メタ)アクリレート、N(2−
N’,N’,N’−トリメチルアンモニウム)エチル(メタ)アクリルアミド、N−(ジ
メチルヒドロキシエチルアンモニウム)プロピル(メタ)アクリルアミド、またはそれら
の組合せであるが、ここでその対イオンとしてはフルオリド、クロリド、ブロミド、アセ
テート、プロピオネート、ラウレート、パルミテート、ステアレート、またはそれらの組
合せが挙げられる。さらに、そのモノマーが、有機または無機対イオンのN,N−ジメチ
ルジアリルアンモニウム塩であってもよい。
アンモニウム基含有ポリマーは、極性基であるかまたは極性化が可能な基として、上述
のアミノ基含有モノマーのいずれかを用い、有機または無機酸を用いてそうして得られた
ポリマーを酸性化して、ペンダントされたアミノ基を実質的にプロトン化するようなpH
とすることにより、調製することもできる。全面的に置換されたアンモニウム基含有ポリ
マーは、アルキル化基を用いて上述のアミノポリマーをアルキル化することにより得るこ
とができるが、その方法はメンシュトキン(Menschutkin)反応として当業者
には一般的に知られている。
極性基または極性化が可能な基は、スルホン酸基含有モノマー、たとえばビニルスルホ
ン酸、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリ
ルオキシベンゼンスルホン酸などから誘導することも可能である。別な方法として、極性
基であるかまたは極性化が可能な基を、亜リン酸またはホウ酸基含有モノマーから誘導し
てもよい。それらのモノマーは、モノマーとしてはプロトン化された酸の形で使用し、有
機または無機塩基を用いて得られた対応ポリマーを中和して、塩の形のポリマーを得ても
よい。
極性基であるかまたは極性化が可能な基の好適な繰り返し単位としては、アクリル酸、
イタコン酸、N−イソプロピルアクリルアミド、またはそれらの組合せが挙げられる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、フルオリド放出基を含む繰り返し単位をさらに含む。好適なフルオリド放出基
は、テトラフルオロボレートアニオンであって、たとえば米国特許第4,871,786
号明細書(アアセン(Aasen)ら)に開示されている。フッ化物放出基の好適な繰り
返し単位には、トリメチルアンモニウムメチルメタクリレートが含まれる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、疎水性炭化水素基を含む繰り返し単位をさらに含む。疎水性炭化水素基の一例
は、160より高い重量平均分子量を有する、エチレン性不飽和予備形成(prefor
med)炭化水素残基から誘導される。その炭化水素残基が少なくとも160の分子量を
有しているのが好ましい。その炭化水素残基は、好ましくは最大で100,000、より
好ましくは最大で20,000の分子量を有している。その炭化水素残基は、本質的に芳
香族であっても非芳香族であってもよく、場合によっては部分的または全面的に飽和され
た環を含んでいてもよい。好適な疎水性炭化水素残基は、ドデシルおよびオクタデシルア
クリレートおよびメタクリレートである。その他の好適な疎水性炭化水素残基としては、
重合性炭化水素、たとえばエチレン、スチレン、アルファ−メチルスチレン、ビニルトル
エン、およびメチルメタクリレートから調製した、所望の分子量を有するマクロモノマー
が挙げられる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、疎水性フッ素含有基を含む繰り返し単位をさらに含む。疎水性フッ素含有基の
繰り返し単位の例としては、以下のものが挙げられる:1,1−ジヒドロペルフルオロア
ルカノールおよび同族体のアクリル酸もしくはメタクリル酸エステル:CF3(CF2x
CH2OHおよびCF3(CF2x(CH2yOH(ここで、xは0〜20であり、yは少
なくとも1から最高10までである);ω−ヒドロフルオロアルカノール(HCF2(C
2x(CH2yOH)(ここでxは0〜20であり、yは少なくとも1から最高10ま
でである);フルオロアルキルスルホンアミドアルコール;環状フルオロアルキルアルコ
ール;およびCF3(CF2CF2O)q(CF2O)x(CH2yOH(ここで、qは2〜2
0でxよりも大きく、xは0〜20であり、そしてyは少なくとも1から最高10までで
ある)。
疎水性フッ素含有基の好ましい繰り返し単位としては、2−(メチル(ノナフルオロブ
チル)スルホニル)アミノ)エチルアクリレート、2−(メチル(ノナフルオロブチル)
スルホニル)アミノ)エチルメタクリレート、またはそれらの組合せが挙げられる。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、グラフトポリシロキサン鎖を含む繰り返し単位をさらに含む。そのグラフトポ
リシロキサン鎖は、エチレン性不飽和予備形成オルガノシロキサン鎖から誘導される。そ
の単位の分子量は通常、500より大である。グラフトポリシロキサン鎖の好適な繰り返
し単位には、シリコーンマクロマーが含まれる。
本発明のグラフトポリシロキサン鎖を得るために使用されるモノマーは、単一の官能基
(ビニル、エチレン性不飽和、アクリロイル、またはメタクリロイル基)を有する末端官
能性ポリマーであり、時にマクロモノマーまたは「マクロマー」と呼ばれることもある。
そのようなモノマーは公知であって、たとえば米国特許第3,786,116号明細書(
ミルコビッチ(Milkovich)ら)および米国特許第3,842,059号明細書
(ミルコビッチ(Milkovich)ら)に開示されている方法によって、調製するこ
とができる。ポリジメチルシロキサンマクロモノマーの調製と、それに続くビニルモノマ
ーとの共重合については、Y.ヤマシタ(Y.Yamashita)らによるいくつかの
報文に記載されている[ポリマー・ジャーナル(Polymer J.)、14、913
(1982);エイ・シー・エス・ポリマー・プレプリンツ(ACS Polymer
Preprints)、25(1)、245(1984);マクロモレキュラー・ヘミー
(Makromol.Chem.)、185、9(1984)]。
ある種の実施態様においては、本明細書において開示される水中分散可能なポリマー膜
形成材は、変性基を含む繰り返し単位をさらに含む。変性基はたとえば、アクリレートま
たはメタクリレートまたはその他のビニル重合性出発モノマーから誘導され、場合によっ
ては、ガラス転移温度、キャリヤ媒体中への溶解性、親水性−疎水性バランスなどのよう
な性質を変性させるための官能基を含む。
変性基の例としては、1〜12個の炭素の直鎖状、分岐状または環状アルコールの、低
級または中級のメタクリル酸エステルが挙げられる。変性基のその他の例を挙げれば、ス
チレン、ビニルエステル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロイルモノマーなどがあ
る。
好適な膜形成材は、アクリレート系のコポリマーおよびウレタンポリマー、たとえばア
バルア(AVALURE)シリーズの化合物(たとえば、AC−315およびUR−45
0)、ならびにカルボマー系のポリマー、たとえばカルボポール(CARBOPOL)シ
リーズのポリマー(たとえば、940NF)であるが、それらはすべて、オハイオ州クリ
ーブランド(Cleveland,OH)のノベオン・インコーポレーテッド(Nove
on Inc.)から入手可能である。
任意成分の添加剤
場合によっては、本発明の組成物には溶媒を含んでいてもよく、その溶媒としてはたと
えば、アルコール(たとえば、プロパノール、エタノール)、ケトン(たとえば、アセト
ン、メチルエチルケトン)、エステル(たとえば、酢酸エチル)、その他の非水溶媒(た
とえば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、1−メ
チル−2−ピロリジノン))、および水などが挙げられる。
所望により、本発明の組成物には、指示薬、染料、顔料、禁止剤、加硫促進剤、粘度変
性剤、濡れ剤、酒石酸、キレート剤、緩衝液、安定剤、およびその他当業者には自明の同
様の成分などの、添加剤を含んでいてもよい。それらに加えて、場合によっては医薬品ま
たは治療用薬剤をその歯科用組成物に加えることもできる。そのような例としては、歯科
用組成物において頻用されるタイプの、フルオリド源、白化剤、齲蝕予防薬(たとえば、
キシリトール)、カルシウム源、リン源、再石灰化薬(たとえば、リン酸カルシウム化合
物)、酵素、口臭防止薬(breath freshener)、麻酔薬、凝結薬、酸中
和剤、化学療法薬、免疫応答変性薬、チキソ剤、ポリオール、抗炎症薬、抗菌薬、抗真菌
薬、口内乾燥症治療薬、脱感作薬などが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
上記の添加剤はどのように組み合わせて使用してもよい。そのような添加剤のどれを選択
して、どれだけの量で使用するかは、当業者ならば選択することが可能で、余分な実験を
しなくても、目的の結果を達成することができる。
使用方法
本発明の組成物を使用する方法の例は、実施例に示す。本発明のいくつかの実施態様に
おいては、歯牙構造を処置するために、本発明の歯科用組成物を歯牙構造に接触させるこ
とができる。いくつかの実施態様においては、本発明による歯科用組成物を口腔環境の中
に置くことによって、再石灰化、知覚過敏の抑制、および/または歯牙構造の保護の効果
を得ることができる。好ましい実施態様においては、本発明による歯科用組成物を口腔環
境の中に置くことによって、口腔環境へイオン(たとえば、カルシウム、リン、および/
またはフッ素含有イオン)を送達する。
本発明の目的と利点を以下の実施例によりさらに説明するが、これらの実施例で用いる
具体的な物質やその量、さらにはその他の条件および詳細が本発明を限定する、と考える
のは不当である。特に断らない限り、すべての部とパーセントは重量基準であり、水はす
べて脱イオン水であり、分子量はすべて重量平均分子量である。
試験方法
視覚的乳白度(visual opacity)(マクベス値(MacBeth Val
ue))試験方法
円板形状(厚み1mm×直径15mm)のペーストサンプルを、円板の両面から6mm
の距離で、ビジルックス(VISILUX)2硬化用光源(スリー・エム・カンパニー(
3M Company)、ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN))からの照
明に60秒間露光させることにより、硬化させた。硬化させたサンプルについて、円板の
厚みを通過する光の透過率を測定することによって、直接光透過率を測定したが、それに
は、マクベス(MacBeth)(マクベス(MacBeth)、ニューヨーク州ニュー
バーグ(Newburgh,NY))から入手可能の、可視光フィルター付きのマクベス
(MacBeth)透過デンシトメーターモデルTD−903を使用した。マクベス値(
MacBeth Value)が低いほど、視覚的乳白度が低く、物質の半透明度性が高
いことを示す。報告する値は、3個の測定の平均値である。
圧縮強さ(CS)試験方法
試験サンプルの圧縮強さは、ANSI/ASA規格No.27(1993)に従って測
定した。サンプルを4mm(内径)ガラスチューブの中に充填し;シリコーンゴムのプラ
グを用いてそのチューブに栓をし;次いでそのチューブを軸方向に、約0.28MPaで
5分間圧縮した。次いでそのサンプルの両側の面に配したビジルックス(VISILUX
)モデル2500ブルー・ライト・ガン(スリー・エム・カンパニー(3M Co.)、
ミネソタ州セントポール(St.Paul,MN))に90秒間露光させて光硬化させ、
次いでデンタカラー(Dentacolor)XSユニット(独国、クルツアー・インコ
ーポレーテッド(Kulzer Inc.)の中で、180秒間照射させた。ダイヤモン
ドソーを用いて硬化させたサンプルを切断して、圧縮強さを測定するための、長さ8mm
の円筒状プラグを作成した。そのプラグを、試験の前24時間、37℃の蒸留水中に保存
しておいた。測定は、インストロン(Instron)試験機(インストロン(Inst
ron)4505、インストロン・コーポレーション(Instron Corp.)、
マサチューセッツ州カントン(Canton,MA))で、10キロニュートン(kN)
ロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm/分で実施した。硬化させたサンプルの5本
の円筒を調製して測定し、その5個の測定の平均値として、結果をMPaの単位で報告し
た。
直径引張強さ(DTS)試験方法
試験サンプルの直径引張強さは、ANSI/ASA規格No.27(1993)に従っ
て測定した。サンプルはCS試験方法における記載と同様にして調製したが、ただし、D
TS測定のためには、硬化させたサンプルを次いで厚み2.2mmの円板に切断した。上
述と同様にしてその円板を水中に保存しておき、インストロン(Instron)試験機
(インストロン(Instron)4505、インストロン・コーポレーション(Ins
tron Corp.))で、10(kN)ロードセルを用い、クロスヘッド速度1mm
/分で測定した。硬化させたサンプルの5枚の円板を調製して測定し、その5個の測定の
平均値として、結果をMPaの単位で報告した。
作業時間(WT)試験方法
混合したセメントを固化させるための作業時間は、以下の手順に従って測定した。器具
およびペーストは、使用前に定温定湿度(22℃、50%RH)の室内に保存しておき、
測定手順も同じ室内で実施した。スパチュラを用いパッドの上で、AおよびBベースを定
められた量で25秒間混合し、得られた混合組成物サンプルを、8cm×10cmのプラ
スチックブロックの半円筒形のトラフ断面(長さ8cm、幅1cm、深さ3mm)に移し
替えた。1:00分の時点では、30秒ごとにボールペン(直径1mm)の溝付け具を用
いて、トラフを横切る方向で垂直な溝を作り;2:00分の時点では、15秒ごとに溝を
作り;そして作業時間の終点に近づいたら、10秒ごとに溝を作った。作業時間の終点は
、セメントサンプルの塊状物が溝付け具と共に移動するようになった時点とした。作業時
間は、2〜3回の測定の平均値として報告した。
スペクトル的乳白度(Spectral Opacity)(SO)試験方法
ASTM−D2805−95に修正を加えて、厚み約1.0mmの歯科材料のスペクト
ル的乳白度を測定した。円板状の、厚み1mm×直径20mmのサンプルを、円板の両側
から6mmの距離で、スリー・エム・ビジルックス(3M Visilux)−2歯科用
硬化光源からの照明に60秒間露光させることにより、硬化させた。それらの円板のY−
三刺激値を、3/8インチ開口部を有するウルトラスキャン・XE・カラリメーター(U
ltrascan XE Colorimeter)(ハンター・アソシエーツ・ラボズ
(Hunter Associates Labs)、バージニア州レストン(Rest
on,VA))により、白色および黒色背景で別々に測定した。すべての測定において、
D65光源をフィルターなしで使用した。視角10度を用いた。白色および黒色基材に対
するY−三刺激値はそれぞれ、85.28および5.35であった。スペクトル的乳白度
は、黒色基材における物質の反射率の、白色基材における同一の物質の反射率に対する比
として計算される。反射率は、Y−三刺激値に等しいと定義される。したがって、スペク
トル的乳白度=RB/RWであり、ここでRB=黒色基材上での円板の反射率、RW=白色基
材上での同一の円板の反射率、である。スペクトル的乳白度は無単位数である。スペクト
ル的乳白度が低いほど、視覚的乳白度が低く、物質の半透明度性が高いことを示す。
象牙質に対する接着性(AD)およびエナメル質に対する接着性(AE)の試験方法
象牙質に対する接着性およびエナメル質に対する接着性は、米国特許第6,613,8
12号明細書(ビュイ(Bui)ら)に記載の手順に従って測定したが、ただし、光硬化
の露光時間を20秒とし、またスリー・エム・Z100・レストラティブ(3M Z10
0 Restorative)に代えて、スリー・エム・イー・エス・ピー・イー・フィ
ルテック(3M ESPE Filtek)Z250コンポジットを使用した。
プライマー組成物については、ADおよびAEは上述のようにして測定したが、ただし
、プライマー組成物は、湿らせたウシ歯牙表面の上に塗布して20秒間置き、5〜10秒
間穏やかに空気乾燥させ、次いで10秒間光硬化させ;また、フィルテック(Filte
k)Z250コンポジットに代えて、ビトレマー・コア・レストラティブ(Vitrem
er Core Restorative)を使用した。
X線回折(XRD)試験方法
試験サンプルを炭化ホウ素乳鉢中でムーリングし、エタノールスラリーとして、ゼロバ
ックグラウンドサンプルホルダー(石英挿入アルミニウムホルダー)に塗布した。反射の
幾何学的データは、フィリップス(Philips)垂直回折計、銅Kα線源、散乱放射
線比例検出器レジストリーを用いた検査スキャンの形で集積した。存在している結晶相に
ついての微結晶粒径(D)は、ピアソン(Pearson)VIIピーク形状モデルを使
用し、最大値の半分のところでの全幅として機器による広がりを補正した後に観察される
ピーク幅から計算したが、これはα1/α2分離に相当する。
カルシウムおよびリンイオン放出(CIR)試験方法
円板状の、厚み1mm×直径20mmのサンプルを、円板の両側から6mmの距離で、
スリー・エム・XL・3000(3M XL3000)歯科用硬化光源からの照明に60
秒間露光させることにより、硬化させた。円板を37℃のHEPES−緩衝溶液中に保存
し、その溶液を定期的に交換し、そのイオン含量をパーキン・エルマー・3300DV・
オプティマ・ICP(Perkin−Elmer 3300DV Optima ICP
)ユニットでの誘導結合プラズマ分光光度法(ICP)によるか、またはカルシウム選択
電極により、測定した。その緩衝溶液の組成は、1000gの脱イオン水、3.38gの
NaCl、および15.61gのHEPES(N−2−ヒドロキシエチルピペラジン−N
’−2−エタンスルホン酸)であった。イオン放出速度(マイクログラム(イオン)/g
(円板)/日)は、溶液の全イオン含量(濃度×溶液容積)を、初期円板重量と、緩衝溶
液を最後に交換してからの経過時間(日)とで割り算することにより計算した。
エナメル質の再石灰化の試験方法
この方法は、「サーフェス・モジュレーション・オブ・デンタル・ハード・ティッシュ
ーズ(Surface Modulation of Dental Hard Tis
sues)」(D.タントビロン(D.Tantbirojn)、博士論文、ミネソタ大
学(University of Minnesota)、1998)の記載に従って実
施したが、以下の変更を加えた。その脱灰溶液は、NaFからの0.1ppmのF-、C
aCl2からの1.5mMのCa2+、KH2PO4からの0.9mMのPO4 3-、50mMの
酢酸を含み、1MのKOHを用いてpHを5.0に調節したが、その鉱物質含量は、マイ
クロラジオグラフの定量的画像解析により測定した。
象牙質の再石灰化の試験方法
この方法は、「サーフェス・モジュレーション・オブ・デンタル・ハード・ティッシュ
ーズ(Surface Modulation of Dental Hard Tis
sues)」(D.タントビロン(D.Tantbirojn)、博士論文、ミネソタ大
学(University of Minnesota)、1998)の記載に従って実
施したが、以下の変更を加えた。エナメル質に代えて象牙質を使用し、その脱灰溶液は、
NaFからの0.1ppmのF-、CaCl2からの1.5mMのCa2+、KH2PO4から
の0.9mMのPO4 3-、50mMの酢酸を含み、1MのKOHを用いてpHを5.0に
調節したが、その鉱物質含量は、マイクロラジオグラフの定量的画像解析により測定した
象牙質における脱灰抵抗性の試験方法
この方法は、「サーフェス・モジュレーション・オブ・デンタル・ハード・ティッシュ
ーズ(Surface Modulation of Dental Hard Tis
sues)」(D.タントビロン(D.Tantbirojn)、博士論文、ミネソタ大
学(University of Minnesota)、1998)の記載に従って実
施したが、以下の変更を加えた。エナメル質に代えて象牙質を使用し、その脱灰溶液は、
NaFからの0.1ppmのF-、CaCl2からの1.5mMのCa2+、KH2PO4から
の0.9mMのPO4 3-、50mMの酢酸を含み、1MのKOHを用いてpHを5.0に
調節したが、そのサンプルに近接する酸腐蝕の程度を、マイクロラジオグラフから定量的
に分類した。
Figure 2015164929
Figure 2015164929
Figure 2015164929
Figure 2015164929
出発物質の調製
6−メタクリロイルオキシヘキシルホスフェート(MHP)
6−ヒドロキシヘキシルメタクリレートの合成:1,6−ヘキサンジオール(1000
.00g、8.46mol、シグマ−アルドリッチ(Sigma−Aldrich))を
、機械的撹拌器とそのフラスコに乾燥空気を吹き込むための細いチューブとを取り付けた
1リットルの三口フラスコの中に入れた。固形のジオールを加熱して90℃とすると、そ
の温度ではすべての固形物が溶融した。撹拌を続けながら、p−トルエンスルホン酸結晶
(18.95g、0.11mol)に続けて、BHT(2.42g、0.011mol)
およびメタクリル酸(728.49.02g、8.46mol)を添加した。撹拌を続け
ながら90℃で5時間加熱したが、その間、反応時間が30分経過する毎に5〜10分ず
つ、水道水のアスピレーターで減圧にした。加熱を止めて、反応混合物を冷却して室温と
した。得られた粘稠な液体を、10%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて2回(2×240
mL)洗浄し、次いで水を用いて(2×240mL)洗浄し、最後に飽和NaCl水溶液
100mLを用いて洗浄した。得られた油状物を、無水のNa2SO4を用いて乾燥させて
から、真空濾過により単離すると1067g(67.70%)の6−ヒドロキシヘキシル
メタクリレートが黄色油状物として得られた。この目的の反応生成物には、15〜18%
の1,6−ビス(メタクリロイルオキシヘキサン)が同伴していた。化学的な同定はNM
R分析により行った。
6−メタクリロイルオキシヘキシルホスフェート(MHP)の合成:機械的撹拌器を取
り付けた1リットルのフラスコの中で、N2雰囲気下で、P410(178.66g、0.
63mol)と塩化メチレン(500mL)を混合することにより、スラリーを形成させ
た。フラスコを氷浴(0〜5℃)中で15分間冷却させた。撹拌を続けながら、6−ヒド
ロキシヘキシルメタクリレート(962.82g(3.78molのモノ−メタクリレー
トと、上述のような副生物としてのそのジメタクリレートを含む)をフラスコの中に、2
時間かけて徐々に添加した。添加が完了してから、その混合物を氷浴の中で1時間、次い
で室温で2時間撹拌した。BHT(500mg)を加えてから、温度を上げて45分間還
流(40〜41℃)させた。加熱を止めて、その混合物を放冷して室温とした。溶媒を真
空下で除去すると、1085g(95.5%)の6−メタクリロイルオキシヘキシルホス
フェート(MHP)が黄色の油状物として得られた。化学的な同定はNMR分析により行
った。
樹脂A、B、C、D、およびE
表1に示した成分を組み合わせることによって、樹脂A、B、C、D、およびEを調製
した。
Figure 2015164929
実施例1Aおよび1B
カゼイネート物質を用いて処理したジルコニア−シリカナノクラスター充填剤
実施例1A:充填剤B(ナノクラスタージルコニア−シリカ)(149.3g)を10
重量%のナトリウムカゼイネート溶液(213.4g)の中で撹拌して、滑らかなクリー
ム状のスラリーを形成させた。このスラリーに、脱イオン水中10重量%Na2HPO4
液(35.4g);追加の脱イオン水(57g);脱イオン水中3.9重量%NaOH溶
液(57g)(pHを約6.5から約9.0に調節);および脱イオン水中46.4重量
%CaCl2・2H2O溶液(35.4g)の順に添加すると、ゲル化や沈殿を起こすこと
なく均一な分散体が得られた。この分散体をギャップドライヤー上で乾燥させると、幅約
2〜10mmの薄いフレーク状物が得られたが、それは極端にもろく、容易に粉砕して微
粉末とすることができた(実施例1と名付ける)。最終的な粉末の組成を計算すると、2
0%のカルシウム−ホスフェート−カゼイネートと80%の充填剤Bであった。粉末X線
回折(XRD)からは、その粉末はほとんど非晶質であって、NaCl(微結晶粒径:>
1500Å、相対ピークサイズ100)と単斜晶系のジルコニア(微結晶粒径:30Å、
相対ピークサイズ36)とのピークを有していた。比較のために、入手したままのナトリ
ウムカゼイネートのXRDパターンを見ると、ブロードな非晶質ピークの形に顕著な違い
がある。ナトリウムカゼイネートでは、d=4.3778Åにメインのブロードなピーク
、そしてd=9.4020Åにおまけのブロードなピークが認められるが、これはおそら
く無秩序結晶構造を示しているのであろう。それとは対称的に、実施例1Aはd=3.8
415Åにメインのブロードなピークを有し(ナトリウムカゼイネートに比較すると大き
くシフトしている)、それより高いd間隔にはピークが存在しないが、このパターンは、
非晶質物質であることを示すものである。
実施例1B:充填剤B(45.1g)を脱イオン水(59.4g)およびホスカル(P
HOSCAL)(5.2g)と混合して、低粘度で、滑らかな均質なスラリーを形成させ
た。その日の内に、そのスラリーがギャップ乾燥させると、薄くもろいフレーク状物が得
られたが、それは圧壊により容易に粉末となった。最終的な粉末(実施例1Bと名付ける
)には、10%のホスカル(PHOSCAL)と90%の充填剤Bとが含まれていた。
実施例2A〜2C
カゼイネート物質を用いて処理したシリカナノクラスター充填剤
実施例2A:ナルコ(Nalco)2329コロイダルシリカゾル(89.6g)を1
0重量%ナトリウムカゼイネート(213.4g)の中で撹拌すると、低粘度で濁りのあ
るゾルが形成された。このゾルに、脱イオン水中10重量%Na2HPO4溶液(28.0
g);脱イオン水中3.9重量%NaOH溶液(9.7g)(pHを約7.4から約9.
5に調節);および脱イオン水中46.4重量%CaCl2・2H2O溶液(7.2g)を
この順で添加した。短時間のうちに、いくぶんかの白色のゼラチン状の球状物(glob
s)が生成した。このゾルを冷蔵庫に一夜入れておき、翌日ギャップドライヤーで乾燥さ
せると、薄いフレーク状物が得られたが、それは、極端にもろく、圧壊により容易に微粉
末となった(実施例2Aと名付ける)。その白色の沈殿物は、ギャップドライヤーではす
こし難があった。
実施例2B:ナルコ(Nalco)2329コロイダルシリカゾル(154g)を10
重量%ナトリウムカゼイネート(213.4g)の中で撹拌すると、低粘度で濁りのある
ゾルが形成された。そのゾルに、脱イオン水中10重量%Na2HPO4溶液(9.8g)
;脱イオン水中3.9重量%NaOH溶液(7.0g)(pHを約7.4から約9.5に
調節);および脱イオン水中46.4重量%CaCl2・2H2O溶液(2.5g)をこの
順で添加すると、沈殿、分離あるはゲル化することなく、均質なゾルが得られた。このゾ
ルを冷蔵庫に一夜入れておき、翌日ギャップドライヤーで乾燥させると、大きな薄いフレ
ーク状物が得られたが、それは、極端にもろく、圧壊により容易に微粉末となった(実施
例2Bと名付ける)。XRDからは、この粉末はほとんど非晶質であって、NaCl(微
結晶粒径:1305Å)のピークがあるだけであることが判った。d≒4.0Åに単一の
メインのブロードなピークがあるだけで、それより高いd−間隔にはピークは存在しなか
ったが、このXRDパターンは、実施例1Aの場合のXRDパターンに類似していた。実
施例2Bの走査型電子顕微鏡(SEM)および透過型電子顕微鏡(TEM)画像からは、
球状のコロイダルシリカ粒子がカゼイネートによって共に結合されてクラスターを形成し
ていることが判った。
実施例2C:ホスカル(PHOSCAL)(6.0g)をナルコ(Nalco)232
6コロイダルシリカ(92.2g)の中に溶解させて、低粘度で均質は、やや濁ったゾル
を形成させた。そのゾルを、その日の内にギャップ乾燥させると、粗くもろい粒子が得ら
れたが、その正味の組成は、30%のホスカル(PHOSCAL)と70%のシリカであ
った。その粒子はもろく、圧壊により容易に微粉末となった(実施例2Cと名付ける)。
ホスカル(PHOSCAL)の粉末XRDは、ナトリウムカゼイネートの場合(実施例1
A参照)のXRDパターンと同様に、(約d≒4.3Åおよびd≒9.6Åに)ブロード
なピーク構造を示すと共に、NaClからのd=2.8Å、およびカルシウムホスフェー
ト相であると思われるd=3.4Åのナノ結晶性ピークをさらに示した。実施例2Cは、
それらとは対称的に、d≒3.9Åのブロードなピークと、d≒9.8Åに極めて小さな
ピーク(ホスカル(PHOSCAL)のパターンにおけるよりもかなり小さい)とを有し
ていた。d=2.8Åにおけるブロードなピーク(NaCl)は、実施例2Cのパターン
の方がホスカル(PHOSCAL)のパターンよりは、はるかに小さく、約d=3.4Å
にはピークは認められなかった。
実施例3
オーブン乾燥させたカゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))
脱イオン水中の12%ホスカル(PHOSCAL)溶液を、ガラストレイの中で、10
0℃で3時間かけて乾燥させた。また別な実験においては、ホスカル(PHOSCAL)
溶液を上述のようにして乾燥させてから、さらに140℃で15時間加熱した。入手した
まま、乾燥、および乾燥/加熱したホスカル(PHOSCAL)粉末物質のXRDパター
ンは、同じブロードなピーク構造(約d≒4.3Åとd≒9.6Åにピーク)を有してい
た。さらに、乾燥させた物質のXRDパターンには、d=3.4Å(θ≒28度)にナノ
結晶性ピークが存在しないが、このピークは、より高い温度でより長時間加熱した乾燥/
加熱物質におけるXRDパターン中には存在する。したがって、従来からのオーブン乾燥
法では、d≒9.6Åにブロードなピークを有さない、本発明の物質(たとえば実施例1
Aおよび2C)に見られるユニークな構造を、付与することは無かった。これらの実験か
ら、本発明のプロセスはカゼイネート物質に対してユニークな構造を付与することが可能
であることが実証される。
ホスカル(PHOSCAL)−一般的な溶解性
ホスカル(PHOSCAL)は水中に最高16重量%までは容易に溶解して、曇りのあ
る安定な溶液を形成したが、16%のところでは、高粘度の液状物が形成され、20%の
ところでは、ソフトゲルが形成された。
ホスカル(PHOSCAL)は、エタノール中またはある種のメタクリレート樹脂(た
とえば、HEMA、フィルテック・Z250(FILTEK Z250)樹脂、およびホ
スホリル化成分を含むある種の樹脂)の中には、分散はするものの、溶解はしなかった。
ホスカル(PHOSCAL)をエタノール中に、0.1%、1.0%、2.0%、およ
び8.0%で混合したが、実質的に溶解性はまったく観察されなかった。周囲条件下で7
ヶ月エージングさせた後では、ホスカル(PHOSCAL)は、撹拌によりエタノール中
に容易に分散された。メタクリレート樹脂(フィルテック・Z250(FILTEK Z
250)樹脂)中0.1%〜4.0%、およびHEMA中2.0%のホスカル(PHOS
CAL)でも同様の結果が観察された。
ホスカル(PHOSCAL)を、80/20のエタノール/脱イオン水(DIW)溶液
の中に6.2%でブレンドすると、白色ゼラチン状の塊状物が生成した。しかしながら、
DIW(0.8g)中ホスカル(PHOSCAL)8%溶液を、エタノール(1.0g)
とブレンドすると、曇った安定な溶液が形成された。このように、同じケースであっても
、添加順序が溶解性の結果に影響を及ぼした。
実施例4A〜4F
カゼイネート物質を用いて処理したガラス充填剤
エタノールを用いて、ビトレボンド・パウダー(Vitrebond Powder)
(ガラス充填剤)をスラリー化させ、それに続けてカゼイネート物質を添加し、得られた
混合物を完全にブレンドすると、クリーム状で、均質なスラリーが生成した。そのスラリ
ーを、ギャップ乾燥させるか、またはパイレックス(登録商標)(PYREX(登録商標
))トレイに入れて対流式オーブン中80℃で4時間かけるかのいずれかで乾燥させた。
調製された組成物および乾燥させた物質の観察結果を表2に示す。
Figure 2015164929
実施例5A〜5Bおよび比較例(CE)1〜3
カゼイネート物質(ホスカル(PHOSCAL))を用いて処理したシリカナノ粒子の安
定性
VBP、コロイダルシリカ(ナルコ(Nalco)1042)、およびホスカル(PH
OSCAL)を含む組成物(実施例5A−5B)の安定性を、コロイダルシリカまたはホ
スカル(PHOSCAL)のいずれかを含まない類似の組成物(比較例1〜3)と比較し
た。ホスカル(PHOSCAL)を存在させる場合には、最初にそれを水に溶解させてか
ら、最終的な組成物の中にブレンドした。すべての組成物を、ガラスバイアル中、周囲条
件下でエージングさせた。それらの組成(数値は重量%)および7ヶ月のエージング後の
観察を表3に示す。コロイダルシリカナノ粒子とホスカル(PHOSCAL)との両方を
含んでいる組成物だけが、7ヶ月後でも安定であることが判った。
別な実験において、ナトリウムモノフルオロホスフェート(Na2FPO3)は、ナルコ
(Nalco)1042をゲル化させる原因となることが判った。したがって、カゼイネ
ート物質のホスカル(PHOSCAL)を存在させることによって、ナトリウムモノフル
オロホスフェートの存在下でもナルコ(Nalco)1042を安定化させたようである
また別な実験においては、ホスカル(PHOSCAL)のレベルを変化(0.1、1、
2、および4%)させて、50%VBP、40%EtOH、10%ナルコ(Nalco)
1042の溶液に混合すると、曇りのある溶液が生成した。それらの溶液はすべて、周囲
条件下で7ヶ月おいても、均質で曇りがある安定な状態を維持した。
Figure 2015164929
実施例6〜13および比較例4〜5
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含有するRMGI組成物
カゼイネート物質ホスカル(PHOSCAL)(粉末2の中に含まれる)をビトレボン
ド・パウダー(Vitrebond Powder)(粉末1または粉末2の成分)と混
合してから、各種の液状樹脂と混合して、実施例6〜13と名付けた均質なRMGIペー
ストを得た。それらのペーストについて、本明細書に記載の試験方法に従って、圧縮強さ
(CS)、直径引張強さ(DTS)、作業時間、スペクトル的乳白度、および象牙質に対
する接着性(AD)の評価を行い、それらの結果を、市販のビトレボンド・ライト・キュ
ア・グラス・アイオノマー・ライナー/ベース(VITREBOND(VB) Ligh
t Cure Glass Ionomer Liner/Base)製品(比較例(C
E)4および5)からの結果と比較した。(それらの物質のAD試験では、以下の工程を
追加した:歯科用接着剤(スリー・エム・イー・エス・ピー・イー・シングルボンド・プ
ラス(3M ESPE Singlebond Plus)歯科用接着剤)を硬化させた
物質の上にブラシ塗布し、次いで10秒間光硬化させてから、コンポジットを適用する工
程)。それらのペースト組成を表4Aに示し、評価結果を表4Bに示す。
Figure 2015164929
Figure 2015164929
実施例14〜16
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む酸性樹脂組成物
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む酸性樹脂組成物(実施例14〜1
6)を、表5に示す成分を組み合わせることにより調製した。得られたペースト組成物に
ついて、本明細書に記載の試験方法に従って、圧縮強さ(CS)、直径引張強さ(DTS
)、スペクトル的乳白度、ならびに象牙質およびエナメル質に対する剪断接着性を評価し
たが、それらの結果を表5に示す。
Figure 2015164929
実施例17〜19
カゼイネート物質を含む酸性樹脂組成物
カゼイネート物質を含む酸性樹脂組成物を、以下にリストアップする成分を組み合わせ
ることにより調製した。得られたペースト組成物について、カルシウムおよびリンイオン
放出性の評価を行った。
実施例17:実施例1A(55%)、ビトレマー・レジン(Vitremer Res
in)(45%)
実施例18:実施例1A(55%)、樹脂C(45%)
実施例19:実施例2B(55%)、ビトレマー・レジン(Vitremer Res
in)(45%)
実施例20〜22
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む樹脂組成物
ホスカル(PHOSCAL)は、樹脂B中に少なくとも16重量%までは可溶性で、安
定であった。得られる樹脂の曇りと粘度は、濃度と共に上昇した。4%未満では、粘度の
上昇は最小限であるが、8%では樹脂がかなり粘稠となり、16%では樹脂がゼラチン状
となった。樹脂B中のホスカル(PHOSCAL)の量が1%、4%および8%であるも
のを、それぞれ実施例20〜22と名付けた。ホスカル(PHOSCAL)は、ビトレマ
ー・レジン(Vitremer Resin)における場合と同様の挙動を示した。得ら
れた樹脂はすべて、周囲条件下では少なくとも7ヶ月は安定なままであったので、それら
はRMGI物質、接着剤、プライマー、およびコーティングなど、各種の用途に好適であ
ろう。
実施例23〜25および比較例6〜7
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含有するRMGI組成物
ホスカル(PHOSCAL)を含む液状樹脂(樹脂B)組成物(実施例20〜22)を
ビトレボンド・パウダー(Vitrebond Powder)と、粉体/液体(P/L
)比1.2/1でスパチュラ混合すると、均質なRMGIペーストが得られたので、それ
らをそれぞれ実施例23〜25と名付けた。それらのペーストについて、本明細書に記載
の試験方法に従って、圧縮強さ(CS)、直径引張強さ(DTS)、作業時間、スペクト
ル的乳白度、および象牙質に対する接着性(AD)の評価を行い、それらの結果を、市販
のビトレボンド・ライト・キュア・グラス・アイオノマー・ライナー/ベース(VITR
EBOND Light Cure Glass Ionomer Liner/Bas
e)製品(比較例(CE)6および7)からの結果と比較した。(これらの物質のAD試
験では、次の工程を追加した:歯科用接着剤(スリー・エム・イー・エス・ピー・イー・
シングルボンド・プラス(3M ESPE Singlebond Plus)歯科用接
着剤)を硬化させた物質の上にブラシ塗布し、次いで10秒間光硬化させてから、コンポ
ジットを適用する工程)。それらのデータを表6に示したが、これから、ホスカル(PH
OSCAL)(1%)含有RMGI組成物の物理的性質は一般に、市販されているビトレ
ボンド(VITREBOND)製品のそれと同等であるが、それに対してホスカル(PH
OSCAL)(4%および8%)含有RMGI組成物は顕著に低い強度値を示す、という
ことがわかる。
Figure 2015164929
実施例26〜29および比較例8
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む水性樹脂組成物
(プライマー組成物)
表7に、ホスカル(PHOSCAL)を含む水性重合性樹脂組成物(実施例26〜29
)の組成(成分の重量%)を示す。それらの組成物を、本明細書に記載の試験方法により
、ビトレマー・コア・ビルドアップ/レストラティブ(VITREMER Core B
uild−Up/Restorative)のためのプライマーとして評価し、それらの
結果(象牙質およびエナメル質に対する接着性)を、市販のビトレマー・プライマー(V
itremer Primer)製品(比較例8)からのものと比較した。(それらの物
質のAEおよびAD試験の場合には、プライマーを歯牙表面上に20秒間ブラシ塗布し、
10秒間穏やかに空気乾燥させ、次いで10秒間かけて光硬化させた)。それらのデータ
を表8に示したが、これから、ホスカル(PHOSCAL)を含む組成物は、ビトレマー
・プライマー(Vitremer Primer)とほぼ同等の接着力値を有していたこ
とが判る。
Figure 2015164929
Figure 2015164929
実施例30〜32および比較例9
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む接着剤組成物
実施例21(樹脂B+4%ホスカル(PHOSCAL))および実施例28〜29を、
アドパー・プロンプト・エル−ポップ・セルフ・エッチ・アドヘーシブ(ADPER P
ROMPT L−POP Self−Etch Adhesive)製品(スリー・エム
・カンパニー(3M Company))における液状B成分として使用し、本明細書に
記載の試験方法により、得られた組成物のエナメル質への接着性(AE)を評価して、そ
の結果を、市販されているアドパー・アドヘーシブ(ADPER Adhesive)製
品(比較例(CE)9)と比較した。(それらの物質のAE試験の場合には、液状成分A
とBとを充分に混合し、その接着剤を歯牙表面上に20秒間ブラシ塗布し、10秒間穏や
かに空気乾燥させ、次いで10秒間かけて光硬化させた)。データを表9に示す。
Figure 2015164929
実施例33〜37
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む歯牙コーティング組成物
ホスカル(PHOSCAL)を、1%、2%、4%、および8重量%の割合で、50%
VBP、40%エタノール、10%DIWの溶液の中に混合した。周囲条件下で7ヶ月経
過後には、1%、2%、および4%のサンプルでは、沈降および分離が認められたが、そ
れに対して8%組成物(実施例33と名付ける)は、均質、ゼラチン状で安定な状態のま
まであった。
ホスカル(PHOSCAL)を、各種の膜形成性ポリマーを含む溶液の中に、各種の濃
度で混合した。各種の組成物およびそれらの外観を表10に示す。それらの組成物はすべ
て、ガラススライド上で乾燥させると、硬い、半透明から曇り状態のコーティングを形成
した。
Figure 2015164929
実施例38〜44
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含むメタクリレート樹脂組成物
ホスカル(PHOSCAL)を含むメタクリレートの光硬化可能な樹脂組成物(実施例
38〜44)を、表11に示した成分を組み合わせることにより調製した。それらのペー
スト組成物について、本明細書に記載の試験方法に従って、圧縮強さ、直径引張強さ、ス
ペクトル的乳白度、ならびに象牙質に対する接着性(AD)およびエナメル質に対する接
着性(AE)を評価したが、それらの結果を表11に示す。(それらの物質のADおよび
AE試験では、それらの物質の薄い膜を塗布し、30秒間経過してから、30秒の光硬化
をさせた)。
Figure 2015164929
実施例45および比較例10
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含む自己接着性組成物
ホスカル(PHOSCAL)(5重量%;0.03625g)を、マキシキャップ(M
AXICAP)カプセル(スリー・エム・カンパニー(3M Company))中のリ
ライエックス・ユニセム・セメント(RelyX Unicem Cement)の粉末
成分に混合し、次いでそれをロトミックス(ROTOMIX)ミキサーの中で10秒間混
合すると、ペーストが得られたので、それを実施例45と名付けた。実施例45について
、本明細書に記載の試験方法に従って圧縮強さと直径引張強さを測定し、その結果を、市
販されているリライエックス・ユニセム・マキシキャップ・セルフアドヘーシブ・ユニバ
ーサル・レジン・セメント(RelyX Unicem MAXICAP Self−A
dhesive Universal Resin Cement)製品(比較例(CE
)10)の場合と比較した。それらのデータを表12に示したが、これから、ホスカル(
PHOSCAL)含有セメント組成物の物理的性質は、市販されているリライエックス・
ユニセム・セメント(RelyX Unicem Cement)と基本的には同等であ
ったことが判る。
Figure 2015164929
実施例46および比較例11
カゼイネート(ホスカル(PHOSCAL))を含むペースト−ペーストRMGI系
ホスカル(PHOSCAL)を、ペーストA/ペーストBのRMGI系のペーストB成
分に添加して、ホスカル(PHOSCAL)を添加していない対応するRMGI系と比較
した。ペーストAの組成と、2種のペーストB成分の組成を、表13Aおよび13Bに示
す。
Figure 2015164929
Figure 2015164929
ペーストAをペーストB1と組み合わせ(比較例11)、またペーストAをペーストB
2(実施例46;ホスカル(PHOSCAL)使用)と組み合わせた。それら2種のブレ
ンドしたペーストについて、本明細書に記載の試験方法に従って、視覚的乳白度(マクベ
ス値(MacBeth Value))ならびに象牙質およびエナメル質に対する接着性
(プライマー不使用)の評価を行ったが、その結果を表13Cに示す。
Figure 2015164929
カルシウムおよびリンイオン放出性の評価
実施例6、9〜12、17〜19、23〜25、および40について、本明細書に記載
の試験方法により、経時的なカルシウムおよびリン放出性を評価した。結果は、ICP法
(誘導結合プラズマ分光光度法によるカルシウムおよびリンイオン)およびカルシウム選
択電極(Ca−E)法(カルシウムイオンのみ)について報告し、表14に示す。
Figure 2015164929
象牙質の再石灰化の評価
実施例4(5%ホスカル(PHOSCAL)を用いて処理したビトレボンド・パウダー
(Vitrebond Powder))と、実施例24とについて、本明細書に記載の
試験方法により、象牙質の再石灰化の評価を実施したが、3週間後には、露出した病変部
の領域において、塗布物質の近傍および下に再石灰化が認められた。
エナメル質の再石灰化の評価
実施例41について、本明細書に記載の試験方法により、エナメル質の再石灰化の評価
を実施した。人工唾液の溶液の中に3週間浸漬させておいた後に、サンプルをスライスし
て、光学顕微鏡で観察した。いくつかの画像において、病変部の内部のその物質の下に、
新しく形成された鉱物質が白く輝く領域として観察された。人工唾液に暴露されている領
域においては、新規な鉱物質の形成は認められなかった。
象牙質における脱灰抵抗性の評価
実施例4A(1%ホスカル(PHOSCAL)を用いて処理したビトレボンド・パウダ
ー(Vitrebond Powder))、実施例10(ホスカル(PHOSCAL)
含有RMGI組成物)ならびに比較例1および5(それぞれ、ビトレボンド・ライト・キ
ュア・グラス・アイオノマー・ライナー/ベース(VITREBOND Light C
ure Glass Ionomer Liner/Base)、およびフィルテック・
Z250・ユニバーサル・レストラティブ・システム(FILTEK Z250 Uni
versal Restorative System))について、本明細書に記載の
試験方法により、象牙質における脱灰抵抗性の評価を実施した。得られたマイクロラジオ
グラフおよび関連のデータ(表15)から、ビトレボンド(VITREBOND)製品が
フィルテック・Z250(FILTEK Z250)よりも酸アタックに対する抵抗性が
向上していること、および、実施例4Aと10がこの抵抗性を劇的に向上させていること
が判った。
Figure 2015164929
本発明の範囲と趣旨から逸脱することなく、本発明についての各種の修正や変更か可能
なことは、当業者には明らかであろう。説明に用いた実施態様および本明細書で言及した
実施例によって不当に限定されることは、本発明が意図するものではなく、また、そのよ
うな実施例および実施態様はあくまで例を示すために提供されたものであって、本発明の
範囲は、本明細書で冒頭に記載の特許請求の範囲によってのみ限定されるものである、と
いうことは理解されたい。

Claims (85)

  1. 処理された表面を含む歯科用充填剤であって、前記処理された表面がカゼイネートを含
    む、歯科用充填剤。
  2. 前記カゼイネートが、カルシウム、ホスフェート、フルオリド、またはそれらの組合せ
    の塩を含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  3. 前記処理された表面が非晶質である、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  4. 前記処理された表面が少なくとも部分的に結晶質である、請求項1に記載の歯科用充填
    剤。
  5. 前記歯科用充填剤が多孔質である、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  6. 前記多孔質歯科用充填剤が、多孔質粒子、粒子の多孔質アグロメレート、およびそれら
    の組合せからなる群より選択される、請求項5に記載の歯科用充填剤。
  7. 前記歯科用充填剤が、ナノ粒子、ナノ粒子のアグロメレート、またはそれらの組合せを
    含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  8. 前記歯科用充填剤が、金属酸化物、金属フルオリド、金属オキシフルオリド、またはそ
    れらの組合せを含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  9. 前記金属が、重金属、非重金属、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請
    求項8に記載の歯科用充填剤。
  10. 前記歯科用充填剤が、第2〜5族元素、第12〜15族元素、ランタニド元素、および
    それらの組合せからなる群より選択される元素のオキシド、フルオリド、またはオキシフ
    ルオリドである、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  11. 前記元素がCa、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd
    、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Ta、Zn、B、Al、S
    i、Sn、P、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項10に記載の歯
    科用充填剤。
  12. 前記歯科用充填剤が、ガラス、非晶質物質、または結晶質物質を含む、請求項1に記載
    の歯科用充填剤。
  13. 前記歯科用充填剤が、フルオリドイオン源を含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  14. 前記歯科用充填剤が、フルオロアルミノシリケートガラスを含む、請求項13に記載の
    歯科用充填剤。
  15. 前記処理された表面がシランをさらに含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  16. 前記処理された表面がフルオリドイオン源をさらに含む、請求項1に記載の歯科用充填
    剤。
  17. 前記処理された表面が抗菌薬をさらに含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  18. 前記処理された表面が、Sr、Mg、Zn、Sn、Ag、またはそれらの組合せをさら
    に含む、請求項1に記載の歯科用充填剤。
  19. 処理された表面を含む歯科用充填剤を製造する方法であって、前記方法が、歯科用充填
    剤の表面をカゼイネートを用いて処理することを含む、方法。
  20. 前記カゼイネートが、カルシウム、ホスフェート、フルオリド、またはそれらの組合せ
    の塩を含む、請求項19に記載の方法。
  21. 処理が、コーティング、浸潤、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求
    項19に記載の方法。
  22. 処理が:
    前記カゼイネートを液体の中に溶解、分散、または懸濁させる工程;
    前記液体を歯科用充填剤と組み合わせる工程;および
    前記液体の少なくとも一部を除去して、前記処理された表面を得る工程;
    を含む、請求項19に記載の方法。
  23. 前記液体が非水性である、請求項22に記載の方法。
  24. 前記液体が水を含む、請求項22に記載の方法。
  25. 前記歯科用充填剤が多孔質である、請求項19に記載の方法。
  26. 前記多孔質歯科用充填剤が、多孔質粒子、粒子の多孔質アグロメレート、およびそれら
    の組合せからなる群より選択される、請求項25に記載の方法。
  27. 前記歯科用充填剤が、ナノ粒子、ナノ粒子のアグロメレート、またはそれらの組合せを
    含む、請求項19に記載の方法。
  28. 前記歯科用充填剤が、金属酸化物、金属フルオリド、金属オキシフルオリド、またはそ
    れらの組合せを含む、請求項19に記載の方法。
  29. 前記金属が、重金属、非重金属、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請
    求項28に記載の方法。
  30. 前記歯科用充填剤が、第2〜5族元素、第12〜15族元素、ランタニド元素、および
    それらの組合せからなる群より選択される元素のオキシド、フルオリド、またはオキシフ
    ルオリドである、請求項19に記載の方法。
  31. 前記元素がCa、Sr、Ba、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd
    、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Lu、Ti、Zr、Ta、Zn、B、Al、S
    i、Sn、P、およびそれらの組合せからなる群より選択される、請求項30に記載の方
    法。
  32. 前記歯科用充填剤が、ガラス、非晶質物質、または結晶質物質を含む、請求項19に記
    載の方法。
  33. 前記歯科用充填剤が、フルオリドイオン源を含む、請求項19に記載の方法。
  34. 前記歯科用充填剤が、フルオロアルミノシリケートガラスを含む、請求項33に記載の
    方法。
  35. 前記処理された表面がシランをさらに含む、請求項19に記載の方法。
  36. 前記処理された表面がフルオリドイオン源をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  37. 前記処理された表面が抗菌薬をさらに含む、請求項19に記載の方法。
  38. 前記処理された表面が、Sr、Mg、Zn、Sn、Ag、またはそれらの組合せをさら
    に含む、請求項19に記載の方法。
  39. 請求項1に記載の歯科用充填剤を含む、歯科用組成物。
  40. 前記カゼイネートが、カルシウム、ホスフェート、フルオリド、またはそれらの組合せ
    の塩を含む、請求項39に記載の歯科用組成物。
  41. 追加の充填剤をさらに含む、請求項39に記載の歯科用組成物。
  42. 水をさらに含む、請求項39に記載の歯科用組成物。
  43. 水中分散可能な、ポリマー膜形成材をさらに含む、請求項39に記載の歯科用組成物。
  44. 硬化性樹脂をさらに含む、請求項39に記載の歯科用組成物。
  45. 前記硬化性樹脂が酸官能基を含む、請求項44に記載の歯科用組成物。
  46. 前記酸官能基が、カルボン酸官能基、リン酸官能基、ホスホン酸官能基、スルホン酸官
    能基、またはそれらの組合せを含む、請求項45に記載の歯科用組成物。
  47. 重合開始剤系をさらに含む、請求項44に記載の歯科用組成物。
  48. 前記硬化性樹脂がエチレン性不飽和化合物を含む、請求項44に記載の歯科用組成物。
  49. 前記エチレン性不飽和化合物が、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能基
    を有さないエチレン性不飽和化合物、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    請求項48に記載の歯科用組成物。
  50. 前記組成物が、歯科用プライマー、歯科用接着剤、窩洞裏装材、窩洞清浄化剤、セメン
    ト、コーティング、ワニス、歯科矯正用接着剤、修復材、シーラント、脱感作薬、および
    それらの組合せからなる群より選択される、請求項39に記載の歯科用組成物。
  51. 歯牙構造を処置する方法であって、前記歯牙構造を、請求項39に記載の歯科用組成物
    と接触させることを含む、方法。
  52. 口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造を再
    石灰化させる方法。
  53. 口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造の知
    覚過敏を抑制する方法。
  54. 口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造を保
    護する方法。
  55. 口腔環境にイオンを送達する方法であって:
    口腔環境の中に、請求項40に記載の歯科用組成物を配することを含み、ここで前記イ
    オンがカルシウム、リン、フッ素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素
    を含む、方法。
  56. 歯科用物品を調製する方法であって:
    請求項1に記載の歯科用充填剤と硬化性樹脂とを組み合わせて、歯科用組成物を形成す
    る工程;および
    前記組成物を硬化させて、歯冠、充填物、ミルブランク、歯科矯正器具、および義歯か
    らなる群より選択される歯科用物品を製作する工程、を含む方法。
  57. 歯科用組成物であって:
    硬化性樹脂;および
    カゼイネート;
    を含み、ここで、前記カゼイネートが、前記硬化性樹脂の中に少なくとも部分的に溶解、
    懸濁、または分散されている、歯科用組成物。
  58. 前記カゼイネートが、カルシウム、ホスフェート、フルオリド、またはそれらの組合せ
    の塩を含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  59. 前記硬化性樹脂が酸官能基を含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  60. 前記酸官能基が、カルボン酸官能基、リン酸官能基、ホスホン酸官能基、スルホン酸官
    能基、またはそれらの組合せを含む、請求項59に記載の歯科用組成物。
  61. 重合開始剤系をさらに含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  62. 追加の充填剤をさらに含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  63. 前記硬化性樹脂がエチレン性不飽和化合物を含む、請求項57に記載の歯科用組成物。
  64. 前記エチレン性不飽和化合物が、酸官能基を有するエチレン性不飽和化合物、酸官能基
    を有さないエチレン性不飽和化合物、およびそれらの組合せからなる群より選択される、
    請求項63に記載の歯科用組成物。
  65. 前記組成物が、歯科用プライマー、歯科用接着剤、窩洞裏装材、窩洞清浄化剤、セメン
    ト、コーティング、ワニス、歯科矯正用接着剤、修復材、シーラント、脱感作薬、および
    それらの組合せからなる群より選択される、請求項57に記載の歯科用組成物。
  66. 歯牙構造を処置する方法であって、前記歯牙構造を、請求項57に記載の歯科用組成物
    と接触させることを含む、方法。
  67. 口腔環境の中に、請求項58に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造を再
    石灰化させる方法。
  68. 口腔環境の中に、請求項58に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造の知
    覚過敏を抑制する方法。
  69. 口腔環境の中に、請求項58に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造を保
    護する方法。
  70. 口腔環境にイオンを送達する方法であって:
    口腔環境の中に、請求項58に記載の歯科用組成物を配することを含み、ここで前記イ
    オンがカルシウム、リン、フッ素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素
    を含む、方法。
  71. 歯科用物品を調製する方法であって:
    カゼイネートと硬化性樹脂とを組み合わせて、歯科用組成物を形成させる工程;および
    前記組成物を硬化させて、歯冠、充填物、ミルブランク、歯科矯正器具、および義歯か
    らなる群より選択される歯科用物品を製作する工程、を含む方法。
  72. 前記カゼイネートが、カルシウム、ホスフェート、フルオリド、またはそれらの組合せ
    の塩を含む、請求項71に記載の方法。
  73. 歯科用組成物であって:
    水中分散可能な、ポリマー膜形成材;および
    カゼイネートを含み、
    ここで、前記カゼイネートが、前記膜形成材の中に少なくとも部分的に溶解、懸濁、また
    は分散されている、歯科用組成物。
  74. 前記カゼイネートが、カルシウム、ホスフェート、フルオリド、またはそれらの組合せ
    の塩を含む、請求項73に記載の歯科用組成物。
  75. 歯牙構造を処置する方法であって、前記歯牙構造を、請求項73に記載の歯科用組成物
    と接触させることを含む、方法。
  76. 口腔環境の中に、請求項74に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造を再
    石灰化させる方法。
  77. 口腔環境の中に、請求項74に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造の知
    覚過敏を抑制する方法。
  78. 口腔環境の中に、請求項74に記載の歯科用組成物を配することを含む、歯牙構造を保
    護する方法。
  79. 口腔環境にイオンを送達する方法であって:
    口腔環境の中に、請求項74に記載の歯科用組成物を配することを含み、ここで前記イ
    オンがカルシウム、リン、フッ素、およびそれらの組合せからなる群より選択される元素
    を含む、方法。
  80. 歯科用組成物であって:
    請求項1に記載の歯科用充填剤;
    硬化性樹脂;および
    水中分散可能な、ポリマー膜形成材;
    を含む歯科用組成物。
  81. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能な、ポリマー膜形成材とが同一である、請求項80
    に記載の歯科用組成物。
  82. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能な、ポリマー膜形成材とが異なっている、請求項8
    0に記載の歯科用組成物。
  83. 歯科用組成物であって:
    硬化性樹脂;
    水中分散可能な、ポリマー膜形成材;および
    カゼイネートを含み、
    ここで、前記カゼイネートが、前記硬化性樹脂および前記水中分散可能な、ポリマー膜形
    成材の一つまたは複数の中に少なくとも部分的に、溶解、懸濁、または分散されている、
    歯科用組成物。
  84. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能な、ポリマー膜形成材とが同一である、請求項83
    に記載の歯科用組成物。
  85. 前記硬化性樹脂と前記水中分散可能な、ポリマー膜形成材とが異なっている、請求項8
    3に記載の歯科用組成物。
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