JP5378186B2 - 切削実習用模型歯の作製方法 - Google Patents

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Description

本発明は、切削実習用模型歯の作製方法に関する。さらに詳述すると、本発明は、歯科学を専攻する学生の歯科実習に好適に用いることのできる切削実習用模型歯の作製方法に関する。
歯科学を専攻する学生の歯科実習に用いられる切削実習用模型歯としては、メラミン樹脂で作製されたものが一般に普及している。最近では、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感に近づけるべく、いくつか研究が進められている。例えば、特許文献1では、切削実習用模型歯の組成をアルミナ系、ジルコニア系、石膏系、シリカ系の物質からなるものとして、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感に近づけることが提案されている。
また、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感により近づけるべく、天然歯と同様に象牙質の内層とエナメル質の表層からなる二層構造の切削実習用模型歯も提案されている。例えば、特許文献2では、平均粒子径1〜8μmのアルミナ粉末をバインダーと混練して射出成形することにより象牙質部を作製した後に、平均粒子径1〜8μmのアルミナ粉末をバインダーと混練して射出成形してエナメル質部を作製する多層成形方法により二層構造の切削実習用模型歯を作製する方法が提案されている。
特開2006−163330号公報 特開2007−312840号公報
切削実習用模型歯を切削実習に供すると、切削実習用模型歯を構成する材料の粉末が飛散し、切削実習者がこの粉末を吸い込んでしまう可能性がある。したがって、切削実習用模型歯を構成する材料としては、人体に入り込んでも健康を害する危険性のない安全なものを使用することが望ましいと言える。
ところが、現在一般に普及している切削実習用模型歯に使用されている材料は、発癌性が指摘されているメラミン樹脂である。したがって、この切削実習用模型歯を切削実習に供すると、切削実習者の健康を害する危険性がある。
また、特許文献1や特許文献2において提案されている切削実習用模型歯に使用されている材料もまた、その粉塵が塵肺の原因となり得るアルミナ系、ジルコニア系、石膏系、シリカ系の鉱物系材料である。したがって、この切削実習用模型歯を切削実習に供する場合についても、切削実習者の健康を害する危険性を完全には否定できない。
そこで、人体に入り込んでも健康を害する危険性のない安全な材料を使用しながらも、天然歯に近い切削感が得られる切削実習用模型歯が望まれる。
また、特許文献2において提案されている切削実習用模型歯は、象牙質部を射出成形した後の表層のエナメル質部の射出成形のタイミングが遅れると、成形体の変性が起こって内部応力が緩和されなくなり、時間が経過するにつれて剥がれやチッピングが発生しやすくなって、歩留まりが悪くなる問題がある(特許文献2の段落[0029]参照)。そこで、より簡易に且つ歩留まりよく、天然歯に近い切削感が得られる二層構造の切削実習用模型歯を作製することが望まれる。
本発明は、かかる問題に鑑みてなされたものであって、切削実習を行う学生等が切削により飛散する粉末を吸い込んでも健康を害することの無い安全な材料を使用しながらも、天然歯に近い切削感が得られる切削実習用模型歯を作製する方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、切削実習を行う学生等が吸い込んでも健康を害することの無い安全な材料を使用しながらも、天然歯により近い切削感が得られる二層構造の切削実習用模型歯を簡易且つ歩留まりよく作製する方法を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するため、本願発明者等が鋭意検討を行い、人体に無害な牛乳由来のタンパク質であるカゼインを使用することによって、切削実習を行う学生等が吸い込んでも健康を害すること無く、安全性を確保できると考えた。
そこで、本願発明者等は種々検討を行った結果、含水カゼイン粉末を加熱及び加圧した成形体を架橋処理した後、乾燥処理することで、切削実習を行う学生等が切削により飛散する粉末を吸い込んでも健康を害すること無く、しかも天然歯に近い切削感が得られる切削実習用模型歯を作製できることを知見するに至り、さらに種々検討を重ねて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の切削実習用模型歯の作製方法は、以下の工程A1〜A4を有するものとしている。
工程A1:カゼイン粉末と水を主成分とする混合物を調製する工程、
工程A2:歯型に混合物を詰めて加熱及び加圧し成形体を得る工程、
工程A3:成形体を架橋処理する工程、及び
工程A4:架橋処理後の成形体を乾燥処理する工程
ここで、本発明の切削実習用模型歯の作製方法において、混合物はカゼイン粉末と水のみから調製することが好ましい。
また、本発明の切削実習用模型歯の作製方法において、カゼイン粉末の最大粒度を355μmとすることが好ましい。この場合には、切削実習用模型歯の硬度を天然歯のエナメル質の硬度に近づけることができ、あるいは一致させることができ、天然歯のエナメル質の切削感が得られ易くなる。
さらに、本発明の切削実習用模型歯の作製方法において、カゼイン粉末の最小粒度を600μm超とすることが好ましい。この場合には、切削実習用模型歯の硬度を天然歯の象牙質の硬度に近づけることができ、あるいは一致させることができ、天然歯の象牙質の切削感が得られ易くなる。
また、本発明の切削実習用模型歯の作製方法において、工程A1において、カゼイン粉末に白色系顔料を添加することが好ましい。白色系顔料を添加することで、切削実習用模型歯の色を天然歯の色に近づけて、外観を天然歯と近似させたリアルな切削実習模型歯を得ることができる。
さらに、本発明の切削実習用模型歯の作製方法において、白色系顔料としては酸化チタン(TiO)を用いることが好ましい。酸化チタンは人体への毒性が無く、その粉末を吸い込んでも健康を害することがない。したがって、切削実習用模型歯の色を天然歯の色に近づけて、外観をも天然歯と近似させたリアルなものとしながらも、切削実習用模型歯の人体への安全性を十分に確保することができる。
また、本発明の切削実習用模型歯の作製方法において、白色系顔料の添加量を0.1〜0.5重量%とすることが好ましい。白色系顔料をこの範囲で添加することで、白色系顔料を入れずに作製した場合の切削実習用模型歯の象牙色と相俟って、天然歯に極めて近い色合いとして、外観を天然歯とより近似させた極めてリアルなものとすることができる。
次に、本願発明者等は、二層構造の切削実習用模型歯の作製について検討した。その結果、粉末の粒度を第一カゼイン粉末>第二カゼイン粉末とし、歯型に含水第二カゼイン粉末と含水第一カゼイン粉末を順に詰めて加熱及び加圧した成形体を架橋処理した後、乾燥処理することで、天然歯と同様に表層の硬度が内層の硬度よりも高い二層構造を形成でき、天然歯により近い切削感が得られることを知見するに至った。しかも、二層構造がカゼインのみで形成されていることから、人体に対する安全性も確保でき、さらには、1回の加熱加圧処理のみで二層構造の成形体を形成できることから、従来よりも極めて簡易且つ歩留まりよく二層構造の切削実習用模型歯を作製できることを見出した。そこで、本願発明者等は、さらなる種々の検討を重ねて、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法は、以下の工程B1〜B5を有するものとしている。
工程B1:第一カゼイン粉末と水を主成分とする第一混合物を調製する工程、
工程B2:第一カゼイン粉末よりも粒度の小さな第二カゼイン粉末と水を主成分とする第二混合物を調製する工程、
工程B3:歯型に第二混合物と第一混合物を順に詰めて加熱及び加圧し成形体を得る工程、
工程B4:成形体を架橋処理する工程、及び
工程B5:架橋処理後の成形体を乾燥処理する工程
ここで、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法において、第一混合物は第一カゼイン粉末と水のみから調製することが好ましい。
また、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法において、第二混合物は第二カゼイン粉末と水のみから調製することが好ましい。
さらに、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法において、第一カゼイン粉末の最小粒度を600μm超とすることが好ましく、第二カゼイン粉末の最大粒度を355μmとすることが好ましい。この場合には、表層の硬度を天然歯のエナメル質の硬度に近づけることができ、あるいは一致させることができ、さらには内層の硬度を天然歯の象牙質の硬度に近づけることができ、あるいは一致させることができる。したがって、二層構造の切削実習用模型歯の切削感を、天然歯の切削感に非常に近いものとでき、天然歯のようなリアルな切削感を味わうことができる。
また、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法において、工程B2において、カゼイン粉末に白色系顔料を添加することが好ましい。白色系顔料を添加することで、二層構造の切削実習用模型歯の表層の色を天然歯の色に近づけて、外観を天然歯と近似させたリアルな切削実習模型歯を得ることができる。
さらに、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法において、白色系顔料としては酸化チタン(TiO)を用いることが好ましい。酸化チタンは人体への毒性が無く、その粉末を吸い込んでも健康を害することがない。したがって、二層構造の切削実習用模型歯の表層の色を天然歯の色に近づけて、外観をも天然歯と近似させたリアルなものとしながらも、切削実習用模型歯の人体への安全性を十分に確保することができる。
さらに、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法において、白色系顔料の添加量を0.1〜0.5重量%とすることが好ましい。白色系顔料をこの範囲で添加することで、白色系顔料を入れずに作製した場合の切削実習用模型歯の象牙色と相俟って、天然歯に極めて近い色合いとして、外観を天然歯とより近似させた極めてリアルなものとすることができる。
本発明の切削実習用模型歯の作製方法によれば、切削実習を行う学生等が切削により飛散する粉末を吸い込んでも健康を害することの無い安全な材料であるカゼインを使用して、天然歯に近い切削感が得られる切削実習用模型歯を作製することができる。
また、本発明の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法によれば、切削実習を行う学生等が切削により飛散する粉末を吸い込んでも健康を害することの無い安全な材料であるカゼインを使用しながらも、天然歯により近い切削感が得られる二層構造の切削実習用模型歯を簡易且つ歩留まりよく作製することができる。
カゼイン粉末の粒度と切削実習用模型歯の硬度の関係を示す図である。 酸化チタンの添加による切削実習用模型歯の硬度への影響を示す図である。 本発明の作製方法により得られた切削実習用模型歯の写真である。 本発明の作製方法により得られた二層構造の切削実習用模型歯の写真(断面)である。
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて詳細に説明する。
<一層構造の切削実習用模型歯の作製方法>
一層構造の切削実習用模型歯は、以下の工程A1〜A4により作製することができる。
工程A1:カゼイン粉末と水を主成分とする混合物を調製する工程、
工程A2:歯型に混合物を詰めて加熱及び加圧し成形体を得る工程、
工程A3:成形体を架橋処理する工程、及び
工程A4:架橋処理後の成形体を乾燥処理する工程
工程A1では、カゼイン粉末と水を主成分とする混合物を調製する。
カゼイン粉末を原料とすることで、切削実習用模型歯の硬度を天然歯に近いものとして、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感に近いものとすることができる。しかも、カゼインは、牛乳由来のタンパク質の一種であり、人体に無害な物質であることから、切削により飛散した粉末による健康被害の虞がなく、極めて安全である。
ここで、切削実習用模型歯の硬度を天然歯の硬度により近づけて、あるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感により近づける上では、使用するカゼイン粉末の粒度を、50μm〜1000μmとすることが好適であり、70μm〜800μmとすることがより好適であり、100μm〜600μmとすることがさらに好適である。尚、カゼイン粉末の粒度を大きくすれば、切削実習用模型歯の硬度が低下する。逆にカゼイン粉末の粒度を小さくすれば、切削実習用模型歯の硬度が高まる。
また、切削実習用模型歯の硬度を天然歯の表層であるエナメル質の硬度に近づけてあるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の表層の切削感に近づける上では、使用するカゼイン粉末の粒度を、最大355μm、好適には80μm〜355μm、より好適には最大100μm、さらに好適には80μm〜100μmとすればよい。
また、切削実習用模型歯の硬度を天然歯の内層である象牙質の硬度に近づけてあるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の内層の切削感に近づける上では、使用するカゼイン粉末の最小粒度を、355μm超とすることが好適であり、600μmとすることがより好適であり、600μm超とすることがさらに好適である。最大粒度については、1000μmとすることが好適であり、800μmとすることがより好適である。
カゼイン粉末に添加する水の量については、多すぎるとヒケの影響により成形後に寸法が変化し易くなる。また、少なすぎると固まり難くなって成形体が得られ難くなる。したがって、例えば、カゼイン粉末の含水率が17.5重量%〜32.5重量%、好適には25重量%となるように水を添加すればよい。
ここで、カゼイン粉末には、白色及び乳白色等の白色系顔料を添加することが好ましい。カゼイン粉末を原料とした切削実習用模型歯の色は象牙色であることから、白色系顔料を添加することによって、切削実習用模型歯の色を天然歯に近い極めてリアルな色合いに調整することができる。
白色系顔料としては、公知ないしは新規の種々の物質を用いることができるが、人体に無害な物質を用いることが好ましい。例えば、工業用の白色系顔料を用いることができ、特に酸化チタン(TiO)を好適に用いることができる。
カゼイン粉末に添加する白色系顔料の量は、多すぎると切削実習用模型歯の色が白くなりすぎて天然歯の色から遠ざかると共に切削実習用模型歯の硬度が低下して天然歯の切削感から遠ざかってしまう場合がある。また、少なすぎると、切削実習用模型歯の色が天然歯ほど白くならない場合がある。したがって、カゼイン粉末への白色顔料の添加量は、例えば、0.1〜1.0重量%、好適には0.1〜0.5重量%とすればよい。
特に、白色系顔料を酸化チタン(TiO)とし、カゼイン粉末への白色顔料の添加量を0.1〜0.5重量%とすることで、最大粒度355μmのカゼイン粉末から切削実習用模型歯を作製する場合に、硬度を高めて天然歯のエナメル質の硬度に一致させ易くする効果が得られる。
尚、工程A1において調整される混合物は、本質的にはカゼイン粉末と水、あるいはカゼイン粉末と水と白色系顔料からなることが好ましい。即ち、カゼイン粉末と水のみ、あるいはカゼイン粉末と水と白色系顔料のみからなることが好ましいが、意図しない不純物等の混入は許容される。また、作製された切削実習用模型歯の安全性を損なうことの無い範囲で他の物質を意図的に混入するようにしても構わない。例えば、カゼイン粉末以外の他の物質(例えばカゼイン樹脂以外の樹脂等)の粉末を意図的に混入して硬度を調整したり、着色したりするようにしてもよい。
次に、工程A2では、歯型に工程A1で得られた混合物を詰めて加熱及び加圧し成形体を作製する。
歯型としては、型内に充填された混合物を加圧可能な形状のものを適宜用いることができ、例えば、歯冠部に該当しない箇所からの加圧が可能な形状のものを用いることができる。また、材質としては、充填された混合物を型を介して加熱可能な熱伝導性材料、例えばプリハードン鋼(NAK55)製のものを用いることができる。また、分割型の型を用いても良い。この場合、離型が容易となる。
型内に充填された混合物の加熱は、型を所望の加熱温度に温めてから混合物を型内に充填することによって行ってもよいし、混合物を型内に充填してから型を加熱して所望の加熱温度で加熱するようにしてもよい。
型内に充填された混合物の加熱温度は、100℃を超えるとカゼイン自体が分解してしまうことから、100℃以下とすることが好ましい。また、加熱温度が低すぎると固まらなくなって成形体の形成が困難になる。したがって、例えば、型の温度を50℃〜100℃、好適には75℃として加熱すればよい。
加熱時間については、加熱温度により変化するが、例えば、概ね3分程度とすればよい。
型内に充填された混合物の加圧力は、低すぎると成形体に空気孔が残留して硬度が低下しやすくなる。加圧力が高すぎる場合には、成形体自体には特に影響は無いものの、加圧のために使用するエネルギーが無駄となる。したがって、例えば、200kg/cm〜400kg/cm、好適には300kg/cmとすればよい。
尚、型内に充填された混合物の加熱は、加圧前に行ってもよいし、加圧中に行ってもよいし、加圧後に行ってもよいが、成形体の作製に必要な時間を短縮する上では、加圧中に加熱することが好適であり、加圧前に加熱することがより好適である。また、型を予め加熱してから混合物を型内に詰めた後に加圧を行うことで、成形体の作製に必要な時間をさらに短縮し易くなり好適である。
加熱と加圧が完了した後、成形体を脱型して次工程A3に供する。
工程A3では、工程A2で得られた成形体を架橋処理する。
架橋処理は、成形体を架橋液に浸漬して行う。架橋液としては、カゼインを架橋することのできる公知ないしは新規のものを適宜用いることができ、例えばホルマリン溶液を使用することができ、5〜7体積%のホルマリン溶液を好適に使用できる。
架橋処理に必要な時間は、架橋液の架橋処理能により決定される。例えば、5〜7体積%のホルマリン溶液を用いた場合、カゼインの架橋反応が1日当たりおよそ1mm進行するので、一般的な大きさの切削実習用模型歯の場合、およそ1週間で架橋処理が完了することになる。尚、架橋液を加熱することで、架橋反応を促進させて架橋処理に必要な時間を短縮できる場合がある。
次に、工程A4では、架橋処理後の成形体を乾燥処理する。
乾燥処理に必要な時間は、乾燥温度及び架橋液の揮発性により決定される。例えば、5〜7体積%のホルマリン溶液を架橋液とした場合には、室温環境下では、架橋処理に要した時間とほぼ同等の時間で水分並びにホルマリン成分が十分に抜ける。
以上の工程により、一層構造の切削実習用模型歯を作製することができる。
<二層構造の切削実習用模型歯の作製方法>
二層構造の切削実習用模型歯は、以下の工程B1〜B5により作製することができる。
工程B1:第一カゼイン粉末と水を主成分とする第一混合物を調製する工程、
工程B2:第一カゼイン粉末よりも粒度の小さな第二カゼイン粉末と水を主成分とする第二混合物を調製する工程、
工程B3:歯型に第二混合物と第一混合物を順に詰めて加熱及び加圧し成形体を得る工程、
工程B4:成形体を架橋処理する工程、及び
工程B5:架橋処理後の成形体を乾燥処理する工程
工程B1では、第一カゼイン粉末と水を主成分とする第一混合物を調製する。また、工程B2では、第一カゼイン粉末よりも粒度の小さな第二カゼイン粉末と水を主成分とする第二混合物を調製する。
カゼイン粉末を原料とすることで、切削実習用模型歯の硬度を天然歯に近いものとして、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感に近いものとすることができる。しかも、カゼインは、牛乳由来のタンパク質の一種であり、人体に無害な物質であることから、切削により飛散した粉末による健康被害の虞がなく、極めて安全である。
また、第二カゼイン粉末の粒度を第一カゼイン粉末の粒度よりも小さなものとすることで、二層構造の切削実習用模型歯の内層よりも表層の硬度を高めて、天然歯の二層構造を疑似したものとして、天然歯により近い切削感が得られる。
ここで、切削実習用模型歯の硬度を天然歯の硬度により近づけてあるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感により近づける上では、使用する第一カゼイン粉末並びに第二カゼイン粉末ともに、その粒度を、好適には50μm〜1000μm、より好適には70μm〜800μm、さらに好適には100μm〜600μmとして、この範囲内で第二カゼイン粉末の粒度を第一カゼイン粉末の粒度よりも小さなものとすることが好適である。
また、切削実習用模型歯の硬度を天然歯の内層である象牙質の硬度に近づけてあるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の内層の切削感に近づける上では、使用する第一カゼイン粉末の粒度を、355μm超とすることが好適であり、600μmとすることがより好適であり、600μm超とすることがさらに好適である。最大粒度については、1000μmとすることが好適であり、800μmとすることがより好適である。
ここで、切削実習用模型歯の表層の硬度を天然歯の表層であるエナメル質の硬度に近づけてあるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の表層に近づける上では、使用する第二カゼイン粉末の粒度を、最大355μm、好適には80μm〜355μm、より好適には最大100μm、さらに好適には80μm〜100μmとすればよい。
第一カゼイン粉末に添加する水の量、及び第二カゼイン粉末に添加する水の量については、一層構造の切削実習用模型歯の作製方法における工程A1と同様であり、説明は省略する。
ここで、第二カゼイン粉末には、白色系顔料を添加することが好ましい。カゼイン粉末を原料とした切削実習用模型歯の色は象牙色であることから、白色系顔料を添加することによって、切削実習用模型歯の表層の色を天然歯に近い極めてリアルな色合いに調整することができる。尚、白色系顔料は、切削実習用模型歯の外観に主に寄与する第二カゼイン粉末のみに添加すれば十分であるが、第一カゼイン粉末に白色系顔料を添加しても構わない。
白色系顔料の種類及び添加量等については、一層構造の切削実習用模型歯の作製方法における工程A1と同様であり、説明は省略する。
尚、工程B1において調製される第一混合物は、本質的には第一カゼイン粉末と水、あるいは第一カゼイン粉末と水と白色系顔料からなることが好ましい。即ち、カゼイン粉末と水のみ、あるいはカゼイン粉末と水と白色系顔料のみからなることが好ましいが、意図しない不純物等の混入は許容される。また、作製された切削実習用模型歯の安全性を損なうことの無い範囲で他の物質を意図的に混入するようにしても構わない。例えば、カゼイン粉末以外の他の物質(例えばカゼイン樹脂以外の樹脂等)の粉末を意図的に混入して硬度を調整したり、着色したりするようにしてもよい。このことは、工程B2において調製される第二混合物についても同様である。
次に、工程B3では、歯型に工程B1で得られた第一混合物と工程B2で得られた第二混合物とを詰めて加熱及び加圧し成形体を作製する。
歯型については、一層構造の切削実習用模型歯の作製方法における工程A2と同様のものを用いることができる。また、加熱方法、加熱温度、加熱時間、加圧力及び加熱タイミングについても、一層構造の切削実習用模型歯の作製方法における工程A2と同様であり、説明は省略する。
尚、工程B3では、第一混合物と第二混合物を詰める順序が重要である。即ち、歯型に第二混合物を詰め、次に第一混合物を詰めることにより、表層が第二混合物で構成され、内層が第一混合物により構成される。これにより、表層の硬度が内層の硬度よりも高まり、天然歯を疑似した二層構造とすることができる。さらには第一カゼイン粉末の粒度と第二カゼイン粉末の粒度を上記の通り調整することによって、切削実習用模型歯の内層の硬度と表層の硬度をそれぞれ天然歯の内層の象牙質の硬度と表層のエナメル質の硬度に近づけて、あるいは一致させて、切削実習用模型歯の切削感を天然歯の切削感に極めて近いものとすることができる。
また、工程B3では、第一混合物と第二混合物を一体成形することができる。つまり、一度の加熱と加圧によって、二層構造を簡単に形成することができる。しかも、表層と内層の密着性も極めて良好であり、表層と内層の剥離することがない。したがって、切削実習用模型歯を簡易かつ歩留まりよく作製することができる。
工程B3で得られた成形体は、工程B4で架橋処理される。尚、工程B4における架橋処理は、一層構造の切削実習用模型歯の作製方法における工程A3と同様であり、説明は省略する。
次に、工程A4では、架橋処理後の成形体を乾燥処理する。尚、工程B5における架橋処理は、一層構造の切削実習用模型歯の作製方法における工程A4と同様であり、説明は省略する。
以上の工程により、二層構造の切削実習用模型歯を作製することができる。尚、本発明により作製される二層構造の切削実習用模型歯は、表層と内層との接合部分に空洞等は一切見られず、良好な接合状態を示すことが本願発明者等の実験により確認されている。したがって、切削実習を行ったときに、エナメル質から象牙質への移行の感触をリアルに体験することができる。
本発明の作製方法により得られた一層構造の切削実習用模型歯及び二層構造の切削実習様模型歯は、その底部を穿孔等して、例えばE−サート(登録商標、別名ヘリサート)等を挿入して固定用のめねじを作製しておき、使用時にはねじ止めして固定し、切削実習に供する。
上述の形態は本発明の好適な形態の一例ではあるがこれに限定されるものではなく本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形実施可能である。例えば、上述の実施形態ではE−サート用の孔を切削実習用模型歯作製後に形成したが、成形体の段階でE−サート用の孔を形成するようにしてもよい。この場合、架橋処理工程において、この孔からも架橋反応が進行するので、架橋処理時間を短縮できる。
また、上述の実施形態では、充填された混合物を型を介して加熱可能な熱伝導性材料からなる歯型を用いて、混合物を均一に加熱するようにしていたが、充填された混合物と接触する歯型の一部を、歯型を構成する熱伝導性材料よりも熱伝導性の低い材料、あるいは熱伝導性を有しない材料で構成し、この部分の加熱を敢えて不十分なものとして硬度を低下させるようにしてもよい。この場合、この部分を疑似齲蝕部とすることができ、疑似虫歯様の切削実習用模型歯を作製することができる。また、この疑似齲蝕部を例えば黒色顔料で着色することにより、外観のよりリアルな疑似虫歯様の切削実習用模型歯を作製することができる。
さらに、上述の実施形態では、カゼイン粉末の粒度を調整して切削実習用模型歯の硬度を天然歯に近づけるようにしていたが、硬度は必ずしも天然歯に近づけなくてもよい。例えば、前歯のようにエナメル質が薄い歯を模擬した切削実習用模型歯での切削実習においては、エナメル質から象牙質への移行の感触を得られ難い場合がある。そこで、このような場合においても、切削時におけるエナメル質と象牙質の切削感の違いやエナメル質から象牙質への移行感を実習者に意識的に認識させるために、敢えてエナメル質の硬度を通常のエナメル質の硬度よりも高めて象牙質の硬度との差を大きくした切削実習用模型歯を作製してもよい。
また、上述の実施形態で作製した切削実習用模型歯の一部あるいは全体にさらに別の層をコーティングするようにしてもよい。例えば、上述した一層構造の切削実習用模型歯にさらに別の層をコーティングして二層構造を簡易に形成してもよいし、上述した二層構造の切削実習用模型歯にさらに別の層をコーティングして三層構造としてもよい。また、上記のように敢えてエナメル質の硬度を通常のエナメル質の硬度よりも高めて切削実習用模型歯を作製する場合に、硬度の高い物質を切削実習用模型歯の一部あるいは全体にコーティングするようにしてもよい。また、切削実習用模型歯には白色系顔料による着色を行わずに、表面を着色剤等でコーティングして天然歯の色合いに近づけてもよい。コーティング方法としては、例えば、コーティングしたい物質(例えば樹脂等)を液状として切削実習用模型歯の表面に塗布したり、吹き付けたり、浸したりする方法が挙げられる。また、予めフィルム状に加工された物質を切削実習用模型歯に貼り付けるようにしてもよい。
尚、本発明においては、本質的には切削実習を行う学生等が吸い込んでも健康を害することの無い安全な材料のみを使用することが好ましいが、カゼインを主成分とする範囲内でメラミン樹脂を使用してもよい。この場合、切削実習用模型歯にメラミン樹脂が含まれることになるとはいえ、従来の切削実習用模型歯と比較すれば切削時のメラミン樹脂粉末の飛散量を圧倒的に低減することができる。したがって、切削実習を行う学生等の健康を害する虞を従来よりも大幅に低減することができる。例えば、上記工程A1または工程B1においてメラミン樹脂粉末を添加することにより、切削実習用模型歯の硬度を調整してもよいし、メラミン樹脂の色(白色)を利用して切削実習用模型歯の色を天然歯に近づけるようにしてもよい。また、メラミン樹脂で表面の一部あるいは全部をコーティングして、上記のように二層構造を簡易に形成したり、メラミン樹脂で表面の一部あるいは全部をコーティングすることにより切削実習用模型歯の表面に敢えて硬度の高い層を形成したり、メラミン樹脂で表面をコーティングして切削実習用模型歯の色合いを天然歯に近づけるようにしてもよい。
以下に本発明の実施例を説明するが、本発明はこれら実施例に限られるものではない。
(実施例1)
各種粒度に製粉したカゼイン粉末からペレットを作製し、カゼイン粉末の粒度とペレットのショア硬度との関係について検討した。
まず、以下の3種類の粒度のカゼイン粉末を調製した。
・最小粒度600μm超
・最大粒度355μm
・最大粒度100μm
最小粒度600μm超のカゼイン粉末は、カゼイン(日成共益(株)製、レンネットカゼインALAREN786)を乳鉢ですり潰し、これを径600μmの篩にかけ、この篩を通過しなかったものを使用した。
最大粒度355μmのカゼイン粉末は、カゼイン(日成共益(株)製、型番レンネットカゼイン ALAREN786)を乳鉢ですり潰し、これを径355μmの篩にかけ、この篩を通過したものを使用した。
最大粒度100μmのカゼイン粉末は、カゼイン(日成共益(株)製、型番レンネットカゼイン ALAREN786)を乳鉢ですり潰し、これを径100μmの篩にかけ、この篩を通過したものを使用した。
ペレットは以下の手順で作製した。
各カゼイン粉末に、顔料として酸化チタン(TiO)を0.5重量%添加し、さらにカゼインの含水率が25重量%となる量の水を添加して5分間混合し、混合物を得た。
得られた混合物を75℃に温められた自社製のペレット作製用のプリハードン鋼(NAK55)製型(直径19mm、厚さ15mm)に詰め、型に詰められた混合物を300kg/cmの加圧力で加圧した後、脱型した。この一連の処理には7分間を要した。
次に、型から固まった混合物を取り出し、これをホルマリン溶液(5〜7体積%)に1週間浸漬して架橋処理した。
架橋処理後の混合物をホルマリン溶液から取り出し、1週間乾燥させてペレットを得た。
得られたペレットのショア硬度をショア硬度計(スケール:D形)により測定した。測定は各ペレットにつき10回実施した。
結果を図1及び表1に示す。
ここで、天然歯のショア硬度Dは、象牙質では55〜73(モース硬度:5〜6)であり、エナメル質では74〜86(モース硬度:6〜7)である。図1及び表1からも明らかなように、実験を行ったカゼイン粉末の粒度の範囲では、ペレットのショア硬度が61〜84となり、天然歯の象牙質あるいはエナメル質の硬度を模擬できることが明らかとなった。
特に、最小粒度600μm超のときには、平均硬度70(ばらつき61〜77)となり、天然歯の象牙質の硬度を模擬しやすいことが明らかとなった。
また、最大粒度355μmのときには、平均硬度78(ばらつき73〜81)となり、天然歯のエナメル質の硬度を模擬しやすく、さらに最大粒度100μmのときには、平均硬度82(ばらつき80〜84)となり、天然歯のエナメル質の硬度をさらに模擬しやすいことが明らかとなった。尚、粒度が小さくなればなるほど、ばらつきが低下する傾向が見られた。
以上より、カゼイン粉末を用いることによって、天然歯の硬度に近く、天然歯に近い切削感を得ることのできる切削実習用模型歯を作製できることが明らかとなった。また、カゼイン粉末の粒度を調整することで、天然歯の硬度を模擬して、天然歯とほぼ同様のリアルな切削感を得ることのできる切削実習用模型歯を作製できることが明らかとなった。
(実施例2)
白色系顔料の添加による切削実習用模型歯の硬度への影響について検討した。
実施例1で作製した最大粒度355μmのカゼイン粉末を用い、白色系顔料として酸化チタンを用い、カゼイン粉末に酸化チタンを0重量%、0.1重量%、0.5重量%、1.6重量%または4.5重量%添加して、実施例1と同様の手順によりペレットを作製した。このペレットについて、ショア硬度計(スケール:D形)によりショア硬度を測定し、白色系顔料の添加量とショア硬度の関係を確認した。結果を図2及び表2に示す。
酸化チタンの添加量を0.1重量%、0.5重量%とすると、酸化チタンを添加しない場合よりも硬度が高まる傾向が見られた。一方で、酸化チタンの添加量を1.6重量%、4.5重量%とした場合には、酸化チタンを添加しない場合よりも硬度が低下する傾向が見られた。
また、作製されたペレットの外観観察を行った結果、酸化チタンの添加量を1.6重量%、4.5重量%とした場合には、ペレットの色が白くなりすぎて、歯の色としては不自然であることが明らかとなった。これに対し、酸化チタンの添加量を0.1重量%、0.5重量%とした場合には、酸化チタンを添加しない場合の象牙色と相俟って、天然歯に極めて近い色合いを出せることが明らかとなった。
以上の結果から、カゼイン粉末への白色系顔料の添加量は、0.1〜1.0重量%、好適には0.1〜0.5重量%であることが明らかとなった。
また、カゼイン粉末への白色系顔料の添加量を0.1〜0.5重量%とすることで、最大粒度355μmのカゼイン粉末から切削実習用模型歯を作製する場合に、硬度を高めて天然歯のエナメル質の硬度に近づけ易くする効果が得られることも確認された。
(実施例3)
一層構造の切削実習用模型歯を作製した。
具体的には、ペレット形成用の型では無く、歯型を用いた以外は、実施例1のペレット作製手順と同様の手順で作製した。
得られた一層構造の切削実習用模型歯を図3に示す。歯型通りに歯冠部の構造がくっきりと再現できることが確認できた。また、外観も天然歯と極めて近いものであることが確認できた。
(実施例4)
二層構造の切削実習用模型歯を作製した。
具体的には、混合物を二種類(第一混合物と第二混合物)を用い、第二混合物を歯型に詰めてから第一混合物を詰めたこと以外は、実施例3と同様の方法で作製した。
第一混合物は、実施例1で作製した最小600μm超のカゼイン粉末を第一カゼイン粉末とし、第一カゼイン粉末の含水率が25重量%となるように水を添加して調製した。
第二混合物は、実施例1で作製した最大355μmのカゼイン粉末を第二カゼイン粉末とし、第二カゼイン粉末の含水率が25重量%となるように水を添加し、さらに酸化チタンを0.5重量%添加して調製した。
得られた二層構造の切削実習用模型歯を図4に示す。この場合にも、歯型通りに歯冠部の構造がくっきりと再現できることが確認できた。また、外観も天然歯と極めて近いものであることが確認できた。
さらに、表層と内層の接合部分についても、空洞等は一切見られず、良好な接合状態を示すことが明らかとなった。したがって、切削実習を行ったときに、エナメル質から象牙質への移行の感触をリアルに体験できることが明らかとなった。

Claims (14)

  1. 以下の工程A1〜A4を有することを特徴とする切削実習用模型歯の作製方法。
    工程A1:カゼイン粉末と水を主成分とする混合物を調製する工程、
    工程A2:歯型に前記混合物を詰めて加熱及び加圧し成形体を得る工程、
    工程A3:前記成形体を架橋処理する工程、及び
    工程A4:前記架橋処理後の前記成形体を乾燥処理する工程
  2. 前記混合物を前記カゼイン粉末と前記水のみから調製する請求項1に記載の切削実習用模型歯の作製方法。
  3. 前記カゼイン粉末の最大粒度を355μmとする請求項1または2に記載の切削実習用模型歯の作製方法。
  4. 前記カゼイン粉末の最小粒度を600μm超とする請求項1または2に記載の切削実習用模型歯の作製方法。
  5. 前記工程A1において、前記カゼイン粉末に白色系顔料を添加する請求項1〜4のいずれか1つに記載の切削実習用模型歯の作製方法。
  6. 前記白色系顔料が酸化チタン(TiO)である請求項5に記載の切削実習用模型歯の作製方法。
  7. 前記白色系顔料の添加量を0.1〜0.5重量%とする請求項5または6に記載の切削実習用模型歯の作製方法。
  8. 以下の工程B1〜B5を有することを特徴とする二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
    工程B1:第一カゼイン粉末と水を主成分とする第一混合物を調製する工程、
    工程B2:前記第一カゼイン粉末よりも粒度の小さな第二カゼイン粉末と水を主成分とする第二混合物を調製する工程、
    工程B3:歯型に前記第二混合物と前記第一混合物を順に詰めて加熱及び加圧し成形体を得る工程、
    工程B4:前記成形体を架橋処理する工程、及び
    工程B5:前記架橋処理後の前記成形体を乾燥処理する工程
  9. 前記第一混合物を前記第一カゼイン粉末と前記水のみから調製する請求項8に記載の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
  10. 前記第二混合物を前記第二カゼイン粉末と前記水のみから調製する請求項8または9に記載の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
  11. 前記第一カゼイン粉末の最小粒度を600μm超とし、前記第二カゼイン粉末の最大粒度を355μmとする請求項8〜10のいずれか1つに記載の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
  12. 前記工程B2において、前記第二カゼイン粉末に白色系顔料を添加する請求項8〜11のいずれか1つに記載の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
  13. 前記白色系顔料が酸化チタン(TiO)である請求項12に記載の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
  14. 前記白色系顔料の添加量を0.1〜0.5重量%とする請求項12または13に記載の二層構造の切削実習用模型歯の作製方法。
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