JP2015164148A - 集積型半導体光素子、及び集積型半導体光素子の製造方法 - Google Patents
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また、前述のシリコン・化合物半導体ハイブリッドレーザは、化合物半導体光素子をシリコン基板上に接合した後に複雑なプロセスを経て製造されるため、製造コストが過剰に高くなる問題もあった。
なお、n型不純物添加クラッド層21中において、基板10との接合部で発生する応力による転位の伝搬を抑制するために、InGaAsやInGaAsPからなる超格子構造を形成しても良い。
また、図3(c)に示すように、導波路30の上面と下面との間に存在し、これらの上面及び下面に平行であり活性層22まで伸びる仮想面P2が、活性層22の出射端の辺C−Dで交わる構成としても良い。さらに、活性層22の上面と下面との間に存在し、これらの上面及び下面に平行であり導波路30まで伸びる仮想面P1が、導波路30の先端の辺A−Bで交わり、かつ導波路30の上面と下面との間に存在し、これらの上面及び下面に平行であり活性層22まで伸びる仮想面P2が、活性層22の出射端の辺C−Dで交わる構成としても良い。
なお、本実施形態において、メサ構造とは、n型不純物添加クラッド層21に形成される略平坦な部分である平坦部21aよりも上方の領域のことを意味している。また、平坦部21aには、パッシベーション層16に形成された開口部16bを介してn側電極26(図2参照、図1では図示を省略)がオーミック接触している。n側電極26は例えばAuGeNiからなる。
まず、SOI構造を有するシリコン基板上に、フォトリソグラフィを用いてシリコン導波路パターンを描画する。具体的には、例えばHBrガスを用いてSi層11cをエッチングし、リブ導波路構造を得る。そして、再度、フォトリソグラフィ及びエッチングを行い、テーパ部31及び直線部32を有するチャネル導波路構造を有する導波路30を形成する。ここで、エッチングにより生じた導波路30の側面粗さを低減する目的で、水蒸気を用いない熱酸化を行っても良い。
こうして、図5に示すように、導波路30が形成されるとともに、半導体光素子20が配設される領域である凹部12が形成された基板10(シリコンフォトニクスプラットフォーム)が得られる。ここで、凹部12の深さを調節することによって、後述する活性層22の高さ位置を調節することができる。
次に、基板10の凹部12に配設する半導体積層構造40(図6参照)を作製するための化合物半導体エピウェハを作製する。
まず、MOCVD法にて、InP基板上に、InGaAsからなるp型不純物添加コンタクト層24、InPからなるp型不純物添加クラッド層23の順に積層し、分離閉じ込め層(SCH)を含む活性層22(発光層)をさらに積層する。次いで、n型不純物添加クラッド層21、回折格子層27を積層する。続いて、リソグラフィにより回折格子パターンを描画し、エッチングにより回折格子を形成する。その後、再度MOCVD法にて、n型不純物添加クラッド層21を形成する。このn型不純物添加クラッド層21上面が接合界面になるため、必要に応じてInGaAsやInGaAsPなどからなる表面保護層を設けても良い。なお、この表面保護層を設けた場合には、接合プロセスの直前でエッチングにより除去すれば良い。
次に、基板10の凹部12(SiO2層11bが除去された領域)に、前述の表面保護層をエッチングにより除去した側の面(n型不純物添加クラッド層21の表面)を接合する。接合方法は、プラズマ活性化接合、接着接合、共晶接合、金属接合などのCMOS互換プロセスの方法が望ましい。そして、接合後に、半導体積層構造40のInP基板を除去するプロセスを行う。
こうして、図6に示す、半導体積層構造40が基板10の凹部12に配設される。この段階において、半導体積層構造40は、上から、p型不純物添加コンタクト層24、p型不純物添加クラッド層23、分離閉じ込め層(SCH)を含む活性層22、n型不純物添加クラッド層21、回折格子層27、n型不純物添加クラッド層21の順に積層されている。
次に、スパッタリング堆積法、プラズマ化学堆積法などを用いて、SiNからなるクラッド層15を構成するためのとなる積層膜を形成する。クラッド層15は、フォトリソグラフィにて、所定の幅のストライプパターンを導波路30及び半導体積層構造40に連続的に形成し、例えばCF4ガスによりエッチングを行い、図7に示すように、半導体積層構造40及び基板10上に形成される。
次に,半導体積層構造40上に形成されたクラッド層15をマスクとし、半導体積層構造40のエッチングを行う。エッチングはドライエッチング、ウェットエッチングのいずれかの方法で行えば良く、n型不純物添加クラッド層21が露出した状態になるまで行う。具体的には、クラッド層15をマスクとして半導体積層構造40をエッチングすると、図8に示すように、エッチングされた半導体積層構造40がメサ構造として形成される。また、平坦部21aも同時に形成される。このとき、エッチングにおいてサイドエッチングが生じると、メサ構造の幅がマスクの幅よりも狭くなるため、クラッド層15と半導体積層構造40との接合部分において、クラッド層15の断面が、半導体光素子20のメサ構造の断面を含むようにエッチングされることになる。本実施形態においては、図2に示すように、活性層22がメサ構造内に含まれるハイメサ構造である順メサ構造となるまでエッチングを行っている。
また、活性層22の上面と下面との間に存在し、これらの上面及び下面に平行であり導波路30まで伸びる仮想面P3が、導波路30において導波路30の上面と下面との間に位置する構成とする場合においても、活性層22からの光を導波路30へ効率的に導波することができる。さらに、活性層22の上面と下面との間に存在し、これらの上面及び下面に平行であり導波路30まで伸びる仮想面P1が、導波路30の先端の辺A−Bで交わり、かつ導波路30の上面と下面との間に存在し、これらの上面及び下面に平行であり活性層22まで伸びる仮想面P2が、活性層22の出射端の辺C−Dで交わる構成とする場合には、活性層22からの光を導波路30へより効率的に導波することができる。
上記のような構成により、仮想面P1〜3は、活性層22と導波路30の内部に存在することになるので、少なくとも仮想面P1〜3を通る光に関しては、活性層22と導波路30との間で光結合させることができる。これにより、クラッド層15と半導体光素子20との最低限の光結合を確保することができる。
また、半導体光素子20は、図10に示すように、両側壁のエッチング面が垂直に形成された半導体光素子220であっても良い。なお、メサ構造をエッチングによって形成する場合、サイドエッチングの量が比較的少ないドライエッチングを用いると、エッチング条件を制御することによって、メサ構造のエッチング面をほぼ垂直にすることができる。ただし、このときメサ構造のエッチング面が垂直になるエッチング条件の場合にも、サイドエッチングが発生し、そのエッチング面の垂直形状が維持されたままメサ構造の幅が狭くなる場合がある(図10に破線で示す)。ただし、このような場合においても、メサ構造の幅は半導体光素子220上に形成されたクラッド層15の幅よりも狭くなるので、クラッド層15と半導体光素子220とが光結合している接合断面において、半導体光素子220のメサ構造の断面がクラッド層15の断面内に含まれる接合構造となる。
例えば、活性層22がAlInGaAs、クラッド層15がInPからなる場合、ハイメサ構造の形成時にウェットエッチングを行うと、エッチング液の種類によっては、活性層22の方がクラッド層15よりもサイドエッチング量が大きくなる。このように、エッチングの際にサイドエッチングを生じさせることにより、図11に示す半導体光素子320を形成することができる。
この場合、半導体光素子520から出力されるレーザ光は、SiO2層11bよりも高い位置から出力されることになり、クラッド層15とSiO2層11bとの屈折率差を感じにくくなるので、基板10のSiO2層11によって散乱されて光損失することなく、導波路30へと伝搬することができる。これにより、半導体光素子520から導波路30への光結合効率が向上する。
使用する半導体光増幅素子は、導波路130が存在する側とは反対側に反射膜等の反射手段を形成する。このような半導体光増幅素子を用いた場合、半導体光増幅素子の反射手段と導波路130に設けられた回折格子133が反射鏡の作用を示すので、反射手段と回折格子133とで共振器が構成される。
まず、基板の凹部に配設する半導体積層構造を作製するための化合物半導体エピウェハを作製する際には、上記の実施形態の場合と同様に、InP基板上に、InGaAsからなるp型不純物添加コンタクト層、InPからなるp型不純物添加クラッド層の順に積層し、さらに、分離閉じ込め層(SCH)を含む活性層(発光層)を積層する。続いて、InPからなるn型不純物添加クラッド層や回折格子層を形成する。このとき、必要に応じてInGaAsやInGaAsPからなる表面保護層を設けてもよい。
ここで、n側コンタクト金属の厚さを調節することによって、後に接合される半導体積層構造の活性層の高さ位置を調節することができる。
続いて、基板上のn側コンタクト金属と、半導体積層構造のn側コンタクト金属との間で、金属接合または共晶接合を行う。これによって、基板と半導体積層構造とが接合される。n側コンタクト金属としては、AuGeNi、TiAu等の材料を用いることができる。また、n型不純物添加クラッド層の表面に蒸着するn側コンタクト金属と基板側に蒸着するn側コンタクト金属とは同じ材料でも互いに異なる材料でもよい。接合後、InP基板を除去するプロセスを行う。よって、この時点での積層構造は上から、p型不純物添加コンタクト層、p型不純物添加クラッド層、分離閉じ込め層(SCH)を含む活性層、n型不純物添加クラッド層、回折格子層、n型不純物添加クラッド層、n側コンタクト金属、基板である。
10 基板
11a、11c Si層
11b SiO2層
12 凹部
15 クラッド層
16 パッシベーション層
15a、16a、16b 開口部
20、120、220、320、420、520 半導体光素子
21 n型不純物添加クラッド層
21a 平坦部
22 活性層
23 p型不純物添加クラッド層
24 p型不純物添加コンタクト層
25 p側電極
26 n側電極
27 回折格子層
30、130 導波路
31、131 テーパ部
32、132 直線部
40 半導体積層構造
133 回折格子
Claims (20)
- 活性層を有する半導体光素子と、該半導体光素子に光結合し入力された光を導波する導波路とが基板上に形成された集積型半導体光素子であって、
前記導波路の先端が、前記半導体光素子側に形成されかつ前記半導体光素子側とは反対側に向けて漸次幅が増加するテーパ部を少なくとも有し、
前記導波路の表面を覆うように形成されるとともに前記半導体光素子に向けて延伸し該半導体光素子に接合する、前記半導体光素子及び前記導波路よりも屈折率が低いクラッド層を備え、
前記半導体光素子がメサ構造を有し、
前記クラッド層と前記半導体光素子とが光結合している接合断面において、前記半導体光素子のメサ構造の断面が前記クラッド層の断面内に含まれる接合構造を有することを特徴とする集積型半導体光素子。 - 前記活性層の上面と下面との間に存在し、該上面及び下面に平行であり前記導波路まで伸びる仮想面が、前記導波路の先端と交わるか、
前記導波路の上面と下面との間に存在し、該上面及び下面に平行であり前記活性層まで伸びる仮想面が、前記活性層の出射端と交わるか、
の少なくともいずれか一方を満たすことを特徴とする請求項1に記載の集積型半導体光素子。 - 前記活性層の上面と下面との間に存在し、該上面及び下面に平行であり前記導波路まで伸びる仮想面が、前記導波路において該導波路の上面と下面との間に位置することを特徴とする請求項1に記載の集積型半導体光素子。
- 前記活性層の高さの中心位置は、前記導波路の高さの中心位置よりも上方にあることを特徴とする請求項1に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子は、前記基板に形成された凹部の底面に設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子のメサ構造は、前記活性層を含む半導体積層構造がエッチングされて形成されたハイメサ構造であることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子のメサ構造は、順メサ構造または逆メサ構造とされていることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子のメサ構造の幅は、前記活性層の位置において最も狭くされていることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子のメサ構造は、前記クラッド層で覆われていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記メサ構造を覆うクラッド層の幅は、前記メサ構造の幅以上であることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子は光共振器を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子は、前記活性層に沿って形成された回折格子を有していることを特徴とする請求項11に記載の集積型半導体光素子。
- 前記半導体光素子は、前記導波路とは反対側に設けられた反射手段を有し、
前記導波路は、回折格子を有することを特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。 - 前記基板はシリコンを含み、前記導波路は前記基板を加工して形成されたシリコン導波路であることを特徴とする請求項1から13のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子。
- 活性層を有する半導体光素子と、該半導体光素子に光結合し入力された光を導波する導波路とが基板上に形成された集積型半導体光素子の製造方法であって、
導波路先端が前記半導体光素子側に形成されかつ前記半導体光素子側とは反対側に向けて漸次幅が増加するテーパ部を少なくとも有する前記導波路を前記基板に形成する導波路形成工程と、
活性層を有する半導体積層構造を前記基板上に配設する半導体積層構造配設工程と、
前記導波路の表面を覆いかつ前記半導体積層構造に向けて延伸し該半導体積層構造の一方の面を覆うように、前記半導体光素子及び前記導波路よりも屈折率が低くかつ前記半導体積層構造の幅よりも幅狭なクラッド層を形成するクラッド層形成工程と、
前記半導体積層構造の一方の面に形成したクラッド層をマスクとして、前記半導体積層構造をエッチングして、メサ構造を有する前記半導体光素子を形成する半導体光素子形成工程と、を備えることを特徴とする集積型半導体光素子の製造方法。 - 前記半導体積層構造配設工程において、前記基板に形成された凹部の底面に、前記半導体積層構造を配設するとともに、
前記活性層の上面と下面との間に存在し、該上面及び下面に平行であり前記導波路まで伸びる仮想面が、前記導波路の先端と交わるか、前記導波路の上面と下面との間に存在し、該上面及び下面に平行であり前記活性層まで伸びる仮想面が、前記活性層の出射端と交わるか、の少なくともいずれか一方を満たすように、予め、前記半導体積層構造における前記活性層の位置を調節する、前記凹部の深さを調節する、または/および前記凹部と前記半導体積層構造との間に設けられるコンタクト金属の厚さを調節することを特徴とする請求項15に記載の集積型半導体光素子の製造方法。 - 前記半導体積層構造配設工程において、前記基板に形成された凹部の底面に、前記半導体積層構造を配設するとともに、
前記活性層の上面と下面との間に存在し、該上面及び下面に平行であり前記導波路まで伸びる仮想面が、前記導波路において該導波路の上面と下面との間に位置するように、予め、前記半導体積層構造における前記活性層の位置を調節する、前記凹部の深さを調節する、または/および前記凹部と前記半導体積層構造との間に設けられるコンタクト金属の厚さを調節することを特徴とする請求項15に記載の集積型半導体光素子の製造方法。 - 前記半導体積層構造配設工程において、前記基板に形成された凹部の底面に、前記半導体積層構造を配設するとともに、
前記活性層の高さの中心位置が、前記導波路の高さの中心位置よりも上方となるように、予め、前記半導体積層構造における前記活性層の位置を調節する、前記凹部の深さを調節する、または/および前記凹部と前記半導体積層構造との間に設けられるコンタクト金属の厚さを調節することを特徴とする請求項15に記載の集積型半導体光素子の製造方法。 - 前記半導体光素子形成工程では、前記活性層の位置において前記エッチングをする際にサイドエッチングを生じさせることにより、前記半導体光素子のメサ構造の幅を最も狭くすることを特徴とする請求項15から18のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子の製造方法。
- 前記半導体光素子形成工程において、前記エッチングをする際にサイドエッチングを生じさせることにより、前記半導体積層構造を覆うクラッド層の幅が、前記メサ構造の幅以上となるように前記半導体積層構造をエッチングすることを特徴とする請求項15から19のいずれか一項に記載の集積型半導体光素子の製造方法。
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