JP2015164091A - 電子顕微鏡 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明では、電子線を試料に照射し、試料より発生する二次粒子を検出することで試料の画像を得る装置において、検出器の受光素子への入射光を増大させ、高感度な電子顕微鏡を提供することを目的とする。また、検出を高速化可能な電子顕微鏡を提供することを目的とする。【解決手段】電子線を発生させる電子源と、電子線光学系と、試料ステージと、真空排気系と、電子線検出器により構成された電子顕微鏡において、前記電子線検出器には、入射電子線を光に変換するシンチレータと、その光を電気信号に変換する受光素子と、前記シンチレータよりの光を前記受光素子に導くライトガイドを有し、前記ライトガイドは、370nmの波長の光の透過率が50%以上とすることにより上記課題を解決する。【選択図】 図2
Description
本発明は、電子顕微鏡に関する。電子線を試料に照射し、試料から発生する二次粒子を検出することで試料の画像を得る装置に関する。
電子線を試料上に照射し、それに伴って試料より発生する二次電子、または反射電子を検出し、検出された強度から照射位置に関する情報を得る電子顕微鏡において、前記電子の検出には、主な場合、電子の入射により発光するシンチレータと呼ばれる物質を用いる。電子の入射による発光を導くライトガイドを介し、光電管などの受光素子で電気信号に変換し、画像情報として表示する。
近年、検査における高精細化、低ノイズ化、スループット向上などの要求が大きく、それらに対応するためには検出時間を短く、検出面積を小さくすることになり、検出感度増が必須となっている。また、シンチレータの応答速度を早くすることが必要である。
検出感度を向上させるための手段として、受光素子への入射光を多くする方法がある。電子線の入射、シンチレータ発光、及び受光素子までの経路を検討し受光素子に到達する光を増大させる手法は多く提示されている。
特開昭58−219472号公報、特開平3−283249号公報、及び特開平3−295141号公報では、検出器に特定の構造を持たせることで、発光量もしくは受光素子への入射光を増大させて感度を向上させる手段が提示されている。しかし、これらの構造は一般的ではなく、汎用的に適用できるものではない。また、装置構成や、装置の性能に制限が加わる。これらによりあまり多く用いられているものではない。
また、国際公開2002−061458号公報では、半導体検出器とライトガイドを一体化させた構造で出力を増加させる手段が提示されている。しかし、このような検出器は特殊な用途に用いられるものであり、一般的ではない。また、半導体検出器の出力はシンチレータに比較し弱く、感度向上となるものではない。
また、特表2002−501207号公報、及び特開2009−210415号公報では、シンチレータ表面に反射防止膜を形成する手段が提示されている。しかし、この方法では、出力増加は限定的であり、十分な出力増とはならない。また、このような手段が有効なシンチレータは特殊なものであり、用途も限定され、一般的な電子顕微鏡には用いられることは少ない。
以上の通り、従来の電子顕微鏡の検出系は検出感度が十分であるとはいえなかった。
本発明では、電子線を試料に照射し、試料より発生する二次粒子を検出することで試料の画像を得る装置において、検出感度を向上させることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の電子顕微鏡の検出器は、二次粒子を光に変換するシンチレータと、その光を電気信号に変換する受光素子と、シンチレータで発生した光を受光素子に導くライトガイドとを有し、前記ライトガイドは、370nmの波長の光の透過率が50%以上である材質であることを特徴とする。
また、前記ライトガイドは、370nm〜410nmの波長の光の透過率が50%以上としても効果的である。
また、前記ライトガイドは、370nmの波長の光の透過率が50%以上であり、かつ、前記シンチレータの発光のうち、700nmの波長の光が前記受光素子に入射する光量を50%以下としても効果的である。
また、前記ライトガイドは、370nmの波長の光の透過率が50%以上であり、かつ、前記シンチレータの発光のうち、650nm〜750nmの波長の光が前記受光素子に入射する光量を50%以下としても効果的である。
また、上記のライトガイドは、環状炭化水素樹脂や、紫外線吸収剤が含まれている量が0.15重量%以下であるアクリル樹脂などを用いることで作製できる。
また、上記構成は、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を主成分としたシンチレータ、(Y1-xCex)2SiO5(但し0<x<1)で表される組成を主成分としたシンチレータ、Ga1-x-yAlxInyN(但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータ等を用いた場合にさらに効果的である。また、(Y1-xCex)AlO4で表される組成のシンチレータにおいては、組成を0.005≦x≦0.15とすることで特に高い発光出力を得ることができる。
また、前記受光素子のうち少なくとも一つが、分光感度が最大値となる波長が、300nm〜400nmの範囲に存在する光電子増倍管である構成とすることで、さらに効果的となる。
かかる構成によれば、シンチレータよりの発光を、損失を少なく受光素子に入射でき、高感度な電子顕微鏡を提供できる。
本発明は、電子線を試料に照射し、試料から発生する二次電子や反射電子等の二次粒子を検出することで試料の画像を得る装置に関する。以下、電子顕微鏡、特に走査電子顕微鏡の例について説明するが、本発明はこれに限られることなく、例えば電子線の代わりにイオンビームを用いた走査イオン顕微鏡などの装置においても適用可能である。また、走査電子顕微鏡を用いた半導体パターンの計測装置、検査装置、観察装置等にも適用可能である。
本明細書でのシンチレータとは、電子を入射して発光する素子全般を指すものとする。本発明は、蛍光体粉体などの無機粉体を用いたもの、粉体を焼結したセラミック、融液成長による単結晶、電子の入射で発光する半導体素子などのシンチレータにおいて、発光原理や形態によらず適用可能である。本明細書におけるシンチレータは、それらの様々な素子全てを含むものとする。
図1は、本発明の電子顕微鏡の基本となる構成である。電子源9よりの一次電子線1が試料8に照射され、二次電子や反射電子等の二次粒子7が放出される。この二次粒子7を引き込み、シンチレータ2に入射させる。シンチレータ2に二次粒子7が入射するとシンチレータ2で発光が起こる。シンチレータ2の発光は、ライトガイド3により導光され、受光素子4で電気信号に変換する。以下、シンチレータ2、ライトガイド3、受光素子4を合わせて検出系と呼ぶこともある。
受光素子4で得られた信号を電子線照射位置と対応付けて画像に変換し表示する。一次電子線1を試料に集束して照射するための電子光学系、すなわち偏向器やレンズ、絞り、対物レンズ等は図示を省略している。電子光学系は電子光学鏡筒5に設置されている。また、試料8は試料ステージに載置されることで移動可能な状態となっており、試料8と試料ステージは試料室6に配置される。試料室6は、一般的には電子線照射の時には真空状態に保たれている。また、電子顕微鏡には図示しないが全体および各部品の動作を制御する制御部や、画像を表示する表示部、ユーザが電子顕微鏡の動作指示を入力する入力部等が接続されている。
この電子顕微鏡は構成の一つの例であり、シンチレータ、ライトガイド、受光素子を備えた電子顕微鏡であれば、本発明は他の構成でも適用が可能である。また、二次粒子7には、透過電子、走査透過電子等も含まれる。また、簡単のため、検出器は一つのみ示しているが、反射電子検出用検出器と二次電子検出用検出器を別々に設けてもよいし、方位角または仰角を弁別して検出するために複数の検出器を備えていてもよい。
本発明の特徴の一つは、ライトガイド3の370nmの波長の光の透過率が50%以上としていることである。また、370nm〜410nmの波長の光の透過率を50%以上とすると、さらに望ましい。これにより、シンチレータの発光のうち、短波長の発光がライトガイドを導光する際の減衰が大きく減少し、受光素子へ入射する短波長の光が大幅に増加する。特に、受光素子として光電子増倍管を用いている場合、一般的に短波長での分光感度特性が高いため信号出力の増加が大きい。例えば、光電子増倍管の分光感度は最大値が300nm〜450nmになるように設計されているものがある。
図2に本発明のライトガイドの一例と、従来例のライトガイドの透過スペクトルの比較を示す。図2から分かるように、本発明のライトガイドは従来のライトガイドに比べて短波長域での透過率が非常に大きい。
この効果は、短波長で発光するシンチレータを用いるときに有効である。例として、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータでは、発光波長が370nm前後を中心とした発光スペクトルとなる。図3に(Y1-xCex)AlO4シンチレータの電子線励起での発光スペクトル(CL(Cathode Luminescence)スペクトル)を示す。この発光スペクトルでは、図2に示す従来例のライトガイドでは発光の強い波長がほとんど導光せず、きわめて弱い出力となる。それに対し、本発明のライトガイドでは、発光の多くが導光し、十分な出力となる。
特に、(Y1-xCex)AlO4シンチレータは、一般的に用いられているシンチレータに比較して、応答が高速である。本発明では、(Y1-xCex)AlO4などの応答が高速なシンチレータを使用することが可能である。このため、一次電子線の早いスキャンに対応でき、その結果、高速な測定が可能であり、生産のスループット向上などが可能となる。
なお、シンチレータ材料は、特性を向上させるために、主成分に加えて、他の元素を加えている場合が多い。本明細に記したシンチレータ組成は、主成分の組成であり、他の元素が加わっていても良い。また、その場合多少発光スペクトルなどの特性が変化している場合があるが、そのような材料を用いても良い。
以下では、本発明の代表的な実施例について図を用いて説明する。
以下では、本発明の代表的な実施例について図を用いて説明する。
本発明の第一の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質にアクリル樹脂(poly methyl methacrylate(略称PMMA))を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。
アクリル樹脂は、紫外線吸収剤を加えて紫外光の透過を抑えることで劣化を低減する使用方法が一般的である。しかし、電子顕微鏡のライトガイドとして用いる場合、透過する光が比較的微弱であるため、紫外線吸収剤を含まなくても劣化はあまり影響しない。本発明では、紫外線吸収剤は含まれないほうが望ましいが、本実施例では、紫外線吸収剤の濃度を変えて、370nm前後の透過率を変化させて、特性を評価した。
なお、紫外線吸収剤は、ベンゾトリアゾール系、ベンゾフェノン系、トリアジン系、アクリロニトリル系などの紫外線吸収剤を用いる。これらは市販されているものを用いることができる。ここに挙げた以外の紫外線吸収剤も使用可能である。
図7に、紫外線吸収剤のアクリル樹脂への混合量(重量%)による、370nmの波長の光の透過率を示す。透過率が50%以下となるのは、紫外線吸収剤の量が0.15重量%以下の範囲である。本発明では、紫外線吸収剤の含有量は、0.15重量%以下であることが必要である。本実施例では、上記の紫外線吸収剤の含有割合であれば、紫外線の吸収を少なくした市販のアクリル樹脂一般を使用することができる。
また、ライトガイドの形状は、長さが5cm〜20cmの範囲で、直径が10φ及び20φの円筒状のものを用いる。但し、上記の形状、及び寸法は一例であり、上記に限らずどのような形状ものでも本発明において効果がある。
ここで用いたシンチレータは、370nmの波長の光の透過率が50%以上である基板上に、シンチレータの材料が存在している構造を持つ。具体的には、(Y1-xCex)AlO4の組成を持つ材料の粉体を、材質が、370nmの透過率が50%以上のアクリル樹脂、環状炭化水素樹脂、及び石英ガラスの基板上に塗布した構造である。ここでは、粉体は水沈降法により基板上に膜形状となるように塗布した構造である。基板は10φ及び20φの円盤状であり、粉体膜の厚さは10μm〜40μmの範囲で作製した。さらに、この粉体膜上に、Alの薄膜を40nm〜80nmの厚さの範囲で蒸着により形成し、電子入射時の帯電防止とした。但し、上記の作製方法、形状、及び寸法は一例であり、シンチレータの作製方法、形状、及び寸法は、上記に限らずどのようなものでも本発明において効果がある。
また、シンチレータ材料の単結晶を用いたシンチレータ、焼結セラミックを用いたシンチレータも試作し評価した。その結果は、上記粉体を用いたシンチレータと同様に良好な特性が得られた。
図1にあてはめて構成を説明する。前記シンチレータ2を前記ライトガイド3の一端に取り付け、さらに逆の一端を受光素子4である光電子増倍管の入射窓に取り付ける。ライトガイドの周囲は金属製の筒で覆っている。また、シンチレータのAl蒸着膜に金属部品を接触させ、帯電を逃がせるように導線で導き接地する。シンチレータ2は真空に排気している試料室6の中に置かれ、ライトガイド3はOリングによるシールを用いて真空を保つような構造としており、試料室6から、試料室6外に置かれた受光素子4にシンチレータの発光を導光する。
ここで使用した電子顕微鏡は、1kV〜40kVで加速した電子線をプローブとする走査電子顕微鏡を用いている。但し、本発明の効果は、電子顕微鏡全般で有効であり、上記した仕様の電子顕微鏡に限るものではない。
図8に、アクリル樹脂からなるライトガイドの透過率の変化に対応する、受光素子の信号出力の変化を示す。ライトガイドの透過率が50%前後より大きくなるところで、急峻に出力が大きくなっていることがわかる。透過率と信号出力の関係の例を下記する。
370nm透過率(T%) 信号出力(従来例を1とする)
従来例 0% 1
本発明 50% 6.3
本発明 90% 8.9
370nm透過率(T%) 信号出力(従来例を1とする)
従来例 0% 1
本発明 50% 6.3
本発明 90% 8.9
以上より、本発明370nmの透過率が50%以上のライトガイドを用いることで、(Y1-xCex)AlO4シンチレータを用いた場合の信号出力は、6.3倍〜8.9倍に増加することが示された。これより、本実施例を適用することで、信号出力が高く感度の良い電子顕微鏡が得られる。
また、(Y1-xCex)AlO4は応答が速いシンチレータである。従来一般的に用いられているシンチレータは(Y1-xCex)2SiO5(但し0<x<1)である。この従来のシンチレータの応答特性と比較し、本実施例において(Y1-xCex)AlO4を用いた場合、速い応答速度が得られた。応答特性比較を以下に説明する。
シンチレータの応答特性は、一般的に、電子線照射を停止した後に、発光強度が減衰して所定割合となるまでの時間によって表される。説明のため以下、所定割合を1/10とし、この時間を以下「τ1/10」と記す。電子顕微鏡ではスループットを向上させるため、信号検出を高速化することが望まれる。特に、走査電子顕微鏡では電子線を偏向させて試料上で電子線を走査することによって電子線照射位置に対応した信号を検出して一画素としている。したがって、前の画素に対応する領域での電子線照射による発光が十分減衰する前に、次の画素に対応する領域に電子線が照射されると、前の画素に対応する領域の電子線照射による発光と信号が重なってしまい、区別ができなくなる。そのため、この時間(τ1/10)が短いほど、電子線スキャンを速くすることができる。
下記にそれぞれのシンチレータのτ1/10を比較する。
(Y1-xCex)AlO4:τ1/10=50ns
(Y1-xCex)2SiO5:τ1/10=70ns
これより、本発明において(Y1-xCex)AlO4を用いた場合、速い応答特性を持つので、応答が高速なシンチレータによる検出が可能な電子顕微鏡を提供できる。
(Y1-xCex)AlO4:τ1/10=50ns
(Y1-xCex)2SiO5:τ1/10=70ns
これより、本発明において(Y1-xCex)AlO4を用いた場合、速い応答特性を持つので、応答が高速なシンチレータによる検出が可能な電子顕微鏡を提供できる。
本発明の第二の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1と同様の構成については説明を省略する。
環状炭化水素樹脂は、不飽和結合を持たず、近紫外光の吸収が少ない。また、結晶になりにくいため、濁りが無く透明性の高い樹脂を形成することができる。このような環状炭化水素樹脂は市販されている。本発明には、紫外線領域で透明性の高い樹脂を使用することができる。
本実施例の結果、第一の実施例と同様の良好な結果が得られた。これにより、出力が大きくて感度がよく、速い応答特性を持つ電子顕微鏡を供給することができる。
本発明の第三の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nm〜410nmの範囲で、光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1、2と同様の構成については説明を省略する。
一般的に、シンチレータの発光波長はある程度の幅があり、スペクトルとして広がっている。(Y1-xCex)AlO4においても、図3に示されるように、長波側は410nm前後まで広がっている。そのため、ライトガイドの透過特性も、370nm〜410nmの範囲で透過率が高い場合、受光素子に入射するシンチレータの発光の損失が少なくなる。
本実施例において、370nm〜410nmの範囲で、光の透過率を50%以上とした場合、出力が増大した。これにより、さらに感度が高い電子顕微鏡を提供することができる。
本発明の第四の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いた。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いた。また、受光素子として、光電子増倍管を用いた。さらに、ライトガイドと受光素子の間に、700nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるような光学フィルタを設置した。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とした。実施例1〜3と同様の構成については説明を省略する。
図4に、(Y1-xCex)AlO4を用いたシンチレータの応答特性を示す。電子線照射時の発光強度を1としている。横軸は電子線照射を停止してからの時間である。電子線照射を停止して、発光が高速で減衰している様子がわかる。発光の減衰は指数関数的な変化であるため、図4のように両対数でプロットすると、ほぼ直線的に発光強度が低下する。減衰初期は非常に早い発光強度低下となっており垂直に近い急角度の直線で近似できる。これが早い応答特性を示している。しかし、発光強度が0.1前後、すなわち発光強度が1/10となる程度から、遅い減衰が現れていることがわかる。これは、速い応答とは別な、遅い応答特性を持つものが含まれていることを示している。発光強度全体にはこの遅い応答特性の発光成分が重なり、このため、図4より、1/10強度となる時間τ1/10は速い応答特性での減衰時間にたいして、2倍程度の減衰時間となっていることがわかる。
上述したように、電子顕微鏡の検出系では高速な応答性が求められるので、このうち遅い応答成分を除去して速い応答成分のみを検出するのが望ましい。図4に示した例では、強度が1/10以上の発光成分のみを検出することで速い応答成分を分離して検出することができる。すなわち、強度が1/10以上とは電子線入射時の発光強度に比べて1/10まで発光強度が減衰するまでの時間だけ検出する構成とすればよい。
上述したように、電子顕微鏡の検出系では高速な応答性が求められるので、このうち遅い応答成分を除去して速い応答成分のみを検出するのが望ましい。図4に示した例では、強度が1/10以上の発光成分のみを検出することで速い応答成分を分離して検出することができる。すなわち、強度が1/10以上とは電子線入射時の発光強度に比べて1/10まで発光強度が減衰するまでの時間だけ検出する構成とすればよい。
また、(Y1-xCex)AlO4は、電子線励起による発光評価で、図5に記載する発光スペクトルを示す。これより、650nm〜750nmの範囲での発光があることがわかった。さらに検討を重ねた結果、この範囲の発光が、遅い応答特性の一因となっていることがわかった。
このため、この範囲の波長の発光を受光素子に入射しないようにすれば、検出系の応答特性が速くなる。そのためには、700nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下とすれば、良好な効果が得られることがわかった。
本実施例では、ライトガイドと受光素子の間に、700nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるような光学フィルタを設置し、遅い応答特性の発光波長の検出量を低減した。その結果による応答特性を下記する。
下記に光学フィルタ有無でのシンチレータのτ1/10を比較する。
(Y1-xCex)AlO4光学フィルタ無:τ1/10=50ns
(Y1-xCex)AlO4光学フィルタ有:τ1/10=30ns
この結果より、本実施例によれば、より速い応答特性となることが示された。本実施例によれば、速い応答特性を持つ電子顕微鏡を供給できる。
(Y1-xCex)AlO4光学フィルタ無:τ1/10=50ns
(Y1-xCex)AlO4光学フィルタ有:τ1/10=30ns
この結果より、本実施例によれば、より速い応答特性となることが示された。本実施例によれば、速い応答特性を持つ電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第五の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。さらに、ライトガイドと受光素子の間に、650nm〜750nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるような光学フィルタを設置する。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜4と同様の構成については説明を省略する。
図5より、実施例4で示した遅い応答の発光は、650nm〜750nmの範囲で存在することがわかる。そのため、650nm〜750nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下とすることがさらに効果的である。
本実施例において、第四の実施例と同様に、より速い応答特性となる良好な結果が示された。これによれば、速い応答特性を持つ電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第六の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータを用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。さらに、ライトガイドと受光素子の間に、700nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるように、ライトガイドに赤外線吸収剤を添加する。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜5と同様の構成については説明を省略する。
ライトガイドに、赤外線を吸収する材料を添加し、700nmの波長の光を減衰させ、受光素子への入射量を50%以下に低下させた。このような添加剤は、ポリオキシアルキレン化合物、ペリレン系色素、アミノ系化合物、フタロシアニン系化合物、金属粒子などが挙げられる。
また、このような特性は、ライトガイド端面に金属箔膜を形成することによっても実現できる。本発明には、上記のような添加剤に限らず、様々な方法により、700nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるようにしたライトガイドを使用することができる。
本実施例において、第四の実施例と同様に、より速い応答特性となる良好な結果が示された。これによれば、速い応答特性を持つ電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第七の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。さらに、ライトガイドと受光素子の間に、650nm〜750nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるように、ライトガイドに赤外線吸収剤を添加する。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜6と同様の構成については説明を省略する。
ライトガイドに、赤外線を吸収する材料を添加し、650nm〜750nmの波長の光を減衰させ、受光素子への入射量を50%以下に低下させた。図6にそのような特性を持つライトガイドの透過スペクトルの一例を示す。このような添加剤は、ポリオキシアルキレン化合物、ペリレン系色素、アミノ系化合物、フタロシアニン系化合物、金属粒子などが挙げられる。
また、このような特性は、ライトガイド端面に金属箔膜を形成することによっても実現できる。本発明には、上記のような添加剤に限らず、様々な方法により、650nm〜750nmの波長の光が受光素子に入射する光量を50%以下になるようにしたライトガイドを使用することができる。
本実施例において、第四の実施例と同様に、より速い応答特性となる良好な結果が示された。これによれば、速い応答特性を持つ電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第八の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)AlO4で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜7と同様の構成については説明を省略する。本実施例では、さらに、(Y1-xCex)AlO4組成におけるxを変化させ、シンチレータの特性の変化を評価した。
図9に、(Y1-xCex)AlO4組成におけるxを変化させた場合の、電子線励起での発光強度の変化を示す。0.005≦x≦0.15の範囲において、特に発光強度が高いことが示されている。
xで表される組成の成分は、Ce元素である。シンチレータ材料が吸収した電子線のエネルギは、Ce元素において、電子を一旦より高いエネルギを持つ準位に励起し、その電子が元のエネルギ状態に戻る際に、余分なエネルギを電磁波として放出することで発光となる。そのため、Ce元素の材料中での濃度は発光に大きな影響を与える。濃度が少なすぎると吸収したエネルギが光に変換される量が少なく、弱い発光強度となる。また、濃度が多すぎると、Ce元素同士で互いに距離が近すぎるものが増加し、エネルギの交換などによる非発光でのエネルギ消費が生じ、発光強度が低下することになる。この現象を濃度消光という。
今回の検討により、Ce組成が0.005≦x≦0.15で表される範囲が、エネルギを十分に変換でき、濃度消光も少ない濃度であることがわかった。
本実施例において、Ce組成が0.005≦x≦0.15で表される範囲の(Y1-xCex)AlO4で表される材料を用いることによって、より発光強度が強くなり、感度が高くなる良好な結果が示された。本実施例によれば、感度が高い電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第九の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nm〜410nmの範囲の光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex)2SiO5(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜8と同様の構成については説明を省略する。
(Y1-xCex)2SiO5(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料は、従来よく用いられている材料である。この材料の電子線励起での発光スペクトルの例を図10に示す。図10より、この材料の発光スペクトルは、ピーク位置は420nm前後であるが、その波長より短波長側にも大きく広がっており、360nm程度まで発光がある。
図2より、従来例のライトガイドでは、400nmより短波長の透過率は急峻に低下している。このため、(Y1-xCex)2SiO5の組成を持つシンチレータ材料の400nm前後より短波長の発光も、ライトガイドにより大幅に減衰している。下記に、従来例のライトガイドと、本発明のライトガイドを用いた場合との、信号出力を比較する。
ライトガイド 信号出力(従来例を1とする)
従来例 1
本発明 1.4
ライトガイド 信号出力(従来例を1とする)
従来例 1
本発明 1.4
上記のように、本実施例によれば、40%程度信号出力が増大することがわかる。これより、(Y1-xCex)2SiO5の組成を持つ、従来用いられているシンチレータ材料を使用する場合においても、本発明は有効であり、信号出力が強くなり、感度が高くなる良好な結果が示された。これにより、感度が高い電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第十の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nm〜410nmの範囲の光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、Ga1-x-yAlxInyN(但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータを使用する。また、受光素子として、光電子増倍管を用いる。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜9と同様の構成については説明を省略する。
Ga1-x-yAlxInyN(但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータは、非常に応答が速いシンチレータであり、τ1/10は10ns以下となる。この材料の電子線励起での発光スペクトルの例を図11に示す。図11より、この材料の発光スペクトルは、ピーク位置は400nm前後にある。図2より、従来例のライトガイドでは、400nmより短波長の透過率は急峻に低下している。このため、Ga1-x-yAlxInyN(但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータ材料の400nm前後の発光も、ライトガイドにより大幅に減衰している。下記に、従来例のライトガイドと、本発明のライトガイドを用いた場合との、信号出力を比較する。
ライトガイド 信号出力(従来例を1とする)
従来例 1
本発明 1.8
ライトガイド 信号出力(従来例を1とする)
従来例 1
本発明 1.8
上記のように、本発明により、80%程度信号出力が増大することがわかる。これより、Ga1-x-yAlxInyN(但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いるシンチレータを使用する場合においても、本発明は有効であり、信号出力が強くなり、感度が高くなる良好な結果が示された。また、上記シンチレータの信号出力を増大することで、非常に高速なこのシンチレータを使用することが可能となる。これにより、感度が高く、かつ応答特性が非常に速い電子顕微鏡を供給できる。
本発明の第十一の実施例では、図1に示した構成の電子顕微鏡において、ライトガイドの材質に、370nmの光の透過率が50%以上の環状炭化水素樹脂またはアクリル樹脂を用いる。また、(Y1-xCex))AlO4(但し0<x<1)で表される組成を持つシンチレータ材料を用いる。また、受光素子として、分光感度が最大値となる波長が、300nm〜400nmの範囲に存在する光電子増倍管を用いる。その他、形状等は、実施例1とほぼ同様とする。実施例1〜10と同様の構成については説明を省略する。
図12に、光電子増倍管の分光感度曲線の比較例を示す。従来例として示しているものが、従来一般的に用いられている光電子増倍管の分光感度曲線である。分光感度が最大となる波長は410nm前後である。
また、図12で、本発明に用いる例として挙げている光電子増倍管の分光感度曲線では、分光感度が最大となる波長は350nm前後である。また、従来例として挙げているものに比較して、全体的に感度が大幅に高いことが示されている。このような光電子増倍管の例としては、いわゆるウルトラバイアルカリやスーパーバイアルカリと呼ばれる光電面を用いた光電子増倍管がある。
図3に示す、本発明で用いるシンチレータ(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)の発光スペクトルでは、発光ピークが370nm前後であり、上記の本発明に用いる例とした光電子増倍管の分光感度曲線によく適合する。このため、上記の本発明に用いる例とした光電子増倍管と組み合わせた場合、非常に高い感度を示す。下記に、従来例の光電子増倍管と、本発明に用いる例とした光電子増倍管を用いた場合との、信号出力を比較する。
光電子増倍管 信号出力(従来例を1とする)
従来例 1
本発明 2.6
光電子増倍管 信号出力(従来例を1とする)
従来例 1
本発明 2.6
上記によれば、信号出力2.6倍に増大することがわかる。本実施例によれば、信号出力が強くなり、感度が高くなる良好な結果が示された。また、上記の本発明に用いる例とした光電子増倍管と組み合わせることで、応答が高速な(Y1-xCex)AlO4の組成を持つシンチレータ材料を高感度で使用することができる。本実施例によれば、感度が高く、かつ応答特性が速い電子顕微鏡を供給できる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 一次電子線
2 シンチレータ
3 ライトガイド
4 受光素子
5 電子光学鏡筒
6 試料室
7 二次粒子
8 試料
9 電子源
2 シンチレータ
3 ライトガイド
4 受光素子
5 電子光学鏡筒
6 試料室
7 二次粒子
8 試料
9 電子源
Claims (15)
- 電子線を発生させる電子源と、前記電子線を集束して試料に照射する電子光学系と、前記試料を載置する試料ステージと、前記電子線の照射により前記試料から得られる二次粒子を検出する検出器とを有し、
前記検出器には、前記二次粒子を光に変換するシンチレータと、その光を電気信号に変換する受光素子と、前記シンチレータで発生した光を前記受光素子に導くライトガイドとを有し、前記ライトガイドは、370nmの波長の光の透過率が50%以上である材質であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記ライトガイドは、370nm〜410nmの波長の光の透過率が50%以上であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記ライトガイドは、さらに、前記シンチレータの発光のうち、700nmの波長の光が前記受光素子に入射する光量を50%以下であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項3に記載の電子顕微鏡において、
前記ライトガイドは、前記シンチレータの発光のうち、650nm〜750nmの波長の光が前記受光素子に入射する光量を50%以下であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記ライトガイドの材質として環状炭化水素樹脂を用いたことを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記ライトガイドの材質として、アクリル樹脂を用いたことを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項6に記載の電子顕微鏡において、
前記ライトガイドの材質として、紫外線吸収剤が含まれている量が0.15重量%以下であるアクリル樹脂を用いたことを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記シンチレータが(Y1-xCex)AlO4(但し0<x<1)で表される組成を主成分としていることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項8に記載の電子顕微鏡において、
前記シンチレータが(Y1-xCex)AlO4(但し0.005≦x≦0.15)で表される組成を主成分としていることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記シンチレータが(Y1-xCex)2SiO5(但し0<x<1)で表される組成を主成分としていることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記シンチレータがGa1-x-yAlxInyN(但し0≦x<1、0≦y<1)で表される組成よりの発光を用いることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記受光素子のうち少なくとも一つが、分光感度が最大値となる波長が、300nm〜400nmの範囲に存在する光電子増倍管であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項1に記載の電子顕微鏡において、
前記シンチレータが、370nmの波長の光の透過率が50%以上である基板上に、シンチレータの材料が存在している構造を持つことを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項13に記載の電子顕微鏡において、さらに、
前記シンチレータ材料が、粉体、または焼結セラミック、または単結晶のうち、少なくとも一つの形態であることを特徴とする電子顕微鏡。 - 請求項13に記載の電子顕微鏡において、さらに、
前記基板の材質が、アクリル樹脂、または環状炭化水素樹脂、または石英ガラスのうち、少なくとも一種類により形成されていることを特徴とする電子顕微鏡。
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