JP7076021B1 - ライトガイド、電子線検出器、及び荷電粒子装置 - Google Patents

ライトガイド、電子線検出器、及び荷電粒子装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検出線の入射によって発生する光の導光効率を向上できるライトガイド、電子線検出器、及び荷電粒子装置を提供する。【解決手段】電子線検出器1Aは、一の方向に延びる導光体2と、導光体2の一端側に配置され、被検出線Eの入射によって1次蛍光L1を発生させる第1蛍光体層3と、導光体2の一端側から他端側に向かって延在し、1次蛍光L1の入射によって2次蛍光L2を発生させる第2蛍光体層4と、導光体2の他端側に配置され、導光体2と光学的に結合された検出部5と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、ライトガイド、電子線検出器、及び荷電粒子装置に関する。
従来、例えば走査型電子顕微鏡などに組み込まれる電子線検出器として、特許文献1,2に記載の検出器がある。特許文献1に記載の検出器は、シンチレータで発生した光を受光素子に導くライトガイドにおいて、シンチレータの入射面と反対の面に対向する第1の面と、シンチレータの入射面と反対の面とは異なる面に対向する第2の面から形成されるシンチレータ収容部とが設けられている。この特許文献1の検出器では、第2の面から入射する光をライトガイド内部に向かって反射する傾斜面が設けられている。
特許文献2に記載の検出器は、セラミック蛍光体からなる薄板状のシンチレータと、薄板状のシンチレータの端部に配設された光電子増倍管とを含んで構成されている。シンチレータの表面には、光電子増倍管が配設される部分を除いて光反射層が形成されている。
特開2017-183126号公報 特開2013-243055号公報
上述したようなライトガイド或いは電子線検出器では、被検出線の検出精度の向上の観点から、被検出線の入射によって発生する光を検出部に導光する際の導光効率の向上が要求されている。特許文献1の検出器では、傾斜面の形成によって蛍光体の両脇から出射した光もライトガイドに入射するように構成されているが、導光効率の向上効果は限定的であり、ライトガイドの形状にも制約がある。特許文献2の検出器では、セラミック蛍光体の透明性が確保しにくいという問題がある。
本開示は、上記課題の解決のためになされたものであり、被検出線の入射によって発生する光の導光効率を向上できるライトガイド、電子線検出器、及び荷電粒子装置を提供することを目的とする。
本開示の一側面に係るライトガイドは、一の方向に延びる導光体と、導光体の一端側に配置され、被検出線の入射によって1次蛍光を発生させる第1蛍光体層と、導光体の一端側から他端側に向かって延在し、1次蛍光の入射によって2次蛍光を発生させる第2蛍光体層と、を備える。
このライトガイドでは、第1蛍光体層で発生した1次蛍光の入射によって2次蛍光を発生させる第2蛍光体層が導光体の一端側から他端側に向かって延在している。このライトガイドでは、第1蛍光体層で発生した1次蛍光が導光体によって導光されるほか、1次蛍光の入射によって第2蛍光体層で発生した2次蛍光が導光体或いは第2蛍光体層によって導光される。したがって、被検出線の入射によって発生する光の導光効率を向上できる。
第2蛍光体層は、第1蛍光体層よりも導光体の他端側に延びていてもよい。この場合、第2蛍光体層への1次蛍光の入射効率を高められる。
第2蛍光体層は、導光体の一端側から他端側まで延びていてもよい。この場合、第2蛍光体層への1次蛍光の入射効率を高められるほか、第2蛍光体層によって2次蛍光を効率良く導光できる。
導光体の一端側から他端側に向かって延在し、2次蛍光の入射によって3次蛍光を発生させる第3蛍光体層を更に備えていてもよい。この場合、2次蛍光の入射によって第3蛍光体層で発生した3次蛍光が導光体或いは第3蛍光体層によって導光される。したがって、被検出線の入射によって発生する光の導光効率を一層向上できる。
第1蛍光体層は、酸硫化ガドリニウム、ケイ酸イットリウム、YAG、YAP、InGaN/GaNの量子井戸構造層を有する蛍光体、ZnOのいずれかによって構成されていてもよい。このような第1蛍光体層の採用により、被検出線に対する高速応答を実現できる。また、第1蛍光体層で発生する1次蛍光が外部に漏れてしまうことを抑制できる。
導光体は、透明ガラス、透明樹脂、空気、又は真空によって構成されていてもよい。この場合、導光体による光の導光効率を簡単な構成で確保できる。
導光体は、第1面及び第1面の反対側に位置する第2面を有し、第1蛍光体層は、第1面側に設けられ、第2蛍光体層は、少なくとも第2面側に設けられ、第2面には、導光体の一端側において、一端側に向かうにつれて第1面に近づくように傾斜する傾斜面が設けられていてもよい。かかる傾斜面の形成により、第2蛍光体層への1次蛍光の入射効率を高められる。また、ライトガイドを備えた電子線検出器を走査型電子顕微鏡などに組み込む際の省スペース化が図られる。
ライトガイドは、第2蛍光体層における導光体の一端側の縁を覆う反射膜を更に備えていてもよい。これにより、第2蛍光体層への1次蛍光の入射効率を高められる。
導光体の一端側には、導光体、第1蛍光体層、及び第2蛍光体層を貫通する貫通孔が設けられていてもよい。この貫通孔は、例えばライトガイドを備えた電子線検出器を走査型電子顕微鏡に組み込む際に、試料に向けて電子線を通過させる孔として用いることができる。
ライトガイドは、貫通孔の内壁を覆う金属膜を更に備えていてもよい。この場合、金属膜に電位を付与することで、貫通孔内を通過する電子線の軌道を安定化させることができる。
本開示の一側面に係る電子線検出器は、上記ライトガイドと、ライトガイドにおける導光体の他端側に配置され、導光体と光学的に結合された検出部と、を備える。
この電子線検出器では、第1蛍光体層で発生した1次蛍光の入射によって2次蛍光を発生させる第2蛍光体層が導光体の一端側から他端側に向かって延在している。この電子線検出器では、第1蛍光体層で発生した1次蛍光が導光体によって検出部に導光されるほか、1次蛍光の入射によって第2蛍光体層で発生した2次蛍光が導光体或いは第2蛍光体層によって検出部に導光される。したがって、被検出線の入射によって発生する光の導光効率を向上できる。
本開示の一側面に係る荷電粒子装置は、電子線を試料に向けて放出する電子源と、電子線の照射によって試料で発生する荷電粒子を検出する検出器と、を備え、検出器は、上記電子線検出器によって構成されている。
この荷電粒子装置に適用される電子線検出器では、第1蛍光体層で発生した1次蛍光の入射によって2次蛍光を発生させる第2蛍光体層が導光体の一端側から他端側に向かって延在している。この電子線検出器では、第1蛍光体層で発生した1次蛍光が導光体によって検出部に導光されるほか、1次蛍光の入射によって第2蛍光体層で発生した2次蛍光が導光体或いは第2蛍光体層によって検出部に導光される。したがって、被検出線の入射によって発生する光の導光効率を向上できる。
本開示によれば、蛍光体で発生した光の導光効率を向上できる。
第1実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は断面図である。 (a)は、第2実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図であり、(b)はその変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 (a)は、第3実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図であり、(b)はその変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 第4実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 (a)及び(b)は、第4実施形態の変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 (a)及び(b)は、第4実施形態の他の変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 第1の効果確認試験の測定系を示す模式的な図である。 (a)及び(b)は、第1の効果確認試験の試験結果を示す図である。 第2の効果確認試験の測定系を示す模式的な図である。 第2の効果確認試験の試験結果を示す図である。 (a)及び(b)は、他の変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。 本開示の電子線検出器を適用してなる荷電粒子装置の構成を示す模式的な図である。
以下、図面を参照しながら、本開示の一側面に係るライトガイド、電子線検出器、及び荷電粒子装置の好適な実施形態について詳細に説明する。
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な図である。図1(a)は平面図、図1(b)は底面図、図1(c)は断面図である。この電子線検出器1は、電子線やX線などの被検出線Eを検出するデバイスであり、ライトガイドGを備えて構成されている。電子線検出器1は、例えば汎用或いは半導体検査用の走査型電子顕微鏡、蛍光顕微鏡、電子線検出器、放射線検出器等の荷電粒子装置に組み込まれて使用される。第1実施形態に係る電子線検出器1Aは、図1(a)~図1(c)に示すように、ライトガイドG1と、検出部5とを備えて構成されている。ライトガイドG1は、導光体2と、第1蛍光体層3と、第2蛍光体層4とを備えている。
導光体2は、被検出線Eの入射によって第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4で発生する蛍光を検出部5に向けて導光する部分である。導光体2は、例えば石英ガラスやホウケイ酸ガラスといった透明ガラス、アクリル等の透明樹脂など、第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4で発生する蛍光に対する透明性を有する材料によって形成されている。導光体2は、一の方向に延在し、延在方向に一端部2a及び他端部2bを有している。図1の例では、導光体2は、薄板状をなしており、延在方向に直交する一の軸を法線方向とする第1面2c、及び当該第1面2cの反対側に位置する第2面2dを有している。
第1面2cは、導光体2の一端側から他端側にかけて平坦面となっている。第2面2dは、導光体2の一端側において、当該一端側向かうにつれて第1面2cに近づくように傾斜する傾斜面Kを有している。第1面2cに対する傾斜面Kの傾斜角度は、例えば10°~60°程度となっている。第2面2dのうち、傾斜面Kを除いた他端側の部分は、第1面2cと平行な平坦面となっている。導光体2の一端部2aには、第1面2cと第2面2dの傾斜面Kとを導光体2の厚さ方向に結ぶように、例えば断面円形の孔部が設けられている。
第1蛍光体層3は、被検出線の入射によって1次蛍光L1を発生させる層である。第1蛍光体層3は、例えば酸硫化ガドリニウム、ケイ酸イットリウム、YAG(イットリウムアルミニウムガーネット)、YAP(イットリウムアルミニウムペロブスカイト)、InGaN/GaNの量子井戸構造層を有する蛍光体、ZnOのいずれかによって構成されている。第1蛍光体層3は、第1面2c側に密着して設けられており、導光体2の一端側から他端側に向かって一定の範囲で延びている。図1(b)の例では、第1蛍光体層3は、第1面2cの平面視において円形状をなし、導光体2の孔部と同心に配置されている。第1蛍光体層3の直径は、導光体2の幅と同程度となっている。第1蛍光体層3の中心には、導光体2の孔部の位置に対応して、当該孔部と連通する断面円形の孔部が設けられている。
第2蛍光体層4は、1次蛍光L1の入射によって2次蛍光L2を発生させる層である。第2蛍光体層4は、例えば紫色域の波長の光を2次蛍光L2として発生させるバイオレット蛍光体層であり、例えば蛍光アクリル或いは蛍光ガラスなどによって形成されている。第2蛍光体層4は、少なくとも導光体2の第2面2d側に密着して設けられ、導光体2の一端側から他端側に向かって延在している。ここでは、第2蛍光体層4は、第1蛍光体層3よりも導光体2の他端側に延びており、さらに、導光体2の他端側の縁まで延びている。図1(a)~図1(c)の例では、第2蛍光体層4は、全体として導光体2を覆うように設けられている。すなわち、第2蛍光体層4は、導光体2の第1面2cのうち第1蛍光体層3を除く部分、導光体2の第2面2d、及び導光体2の幅方向の側面2e,2eにおいて、第1蛍光体層3と同程度の厚さで設けられている。
導光体2の一端側において、傾斜面Kを覆う第2蛍光体層4には、導光体2の孔部に位置に対応して、当該孔部と連通する断面円形の孔部が設けられている。これらの孔部により、導光体2の一端側には、導光体2、第1蛍光体層3、及び第2蛍光体層4を導光体2の厚さ方向に貫通する貫通孔6が設けられている。貫通孔6の内壁には、当該内壁を覆う金属膜7が設けられている。金属膜7は、例えば電子線検出器1Aを走査型電子顕微鏡に適用するにあたり、電位を付与することで貫通孔6内を通過する電子線の軌道を安定化させる機能を奏する膜である。金属膜7の構成材料としては、例えばアルミニウムや銀などが挙げられる。
検出部5は、第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4で発生した光を検出する部分である。検出部5は、導光体2の他端側に配置され、導光体2と光学的に結合されている。図1(a)~図1(c)の例では、検出部5は、例えば光電子増倍管によって構成されており、導光体2の他端側において、導光体2及び第2蛍光体層4の双方に対して光学的に結合されている。検出部5は、検出した光の強度に応じた出力信号を外部装置(不図示)に対して出力する。
以上のような構成を有する電子線検出器1Aでは、導光体2が第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4で発生した蛍光のセンターライトガイドとして機能し、第2蛍光体層4が第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4で発生した蛍光のサイドライトガイドとして機能する。具体的には、電子線検出器1Aでは、図1(c)に示すように、被検出線Eが第1蛍光体層3に入射すると、第1蛍光体層3において被検出線Eの入射量に応じた1次蛍光L1が発生する。第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1の大部分は、導光体2に入射し、導光体2内で反射を繰り返しながら検出部5に入射する。
第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1のうち、傾斜面Kを含む第2面2dから導光体2の外側に抜けた成分は、導光体2を挟んで第1蛍光体層3と反対側に位置する第2蛍光体層4に入射する。1次蛍光L1が第2蛍光体層4に入射すると、第2蛍光体層4において1次蛍光L1の入射量に応じた2次蛍光L2が発生する。第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2の多くの部分は、第2蛍光体層4内で反射を繰り返しながら検出部5に入射する。本実施形態では、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1のうち、導光体2内で反射を繰り返す途中で第1面2c及び第2面2dの外側に抜けた成分も第2蛍光体層4に入射する。この成分によって第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2も、第2蛍光体層4内で反射を繰り返しながら検出部5に入射することとなる。
以上説明したように、電子線検出器1Aでは、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1の入射によって2次蛍光L2を発生させる第2蛍光体層4が導光体2の一端側から他端側に向かって延在している。この電子線検出器1Aでは、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1が導光体2によって検出部5に導光されるほか、1次蛍光L1の入射によって第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2が導光体2或いは第2蛍光体層4によって検出部5に導光される。したがって、被検出線Eの入射によって発生する光の導光効率を向上できる。
本実施形態では、第2蛍光体層4が第1蛍光体層3よりも導光体2の他端側に延びており、導光体2の一端側から他端側まで延びている。これにより、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を高められるほか、第2蛍光体層4によって2次蛍光L2を効率良く検出部5に導光できる。
本実施形態では、第1蛍光体層3が酸硫化ガドリニウム、ケイ酸イットリウム、YAG、YAP、InGaN/GaNの量子井戸構造層を有する蛍光体、ZnOのいずれかによって構成されている。これにより、被検出線Eに対する高速応答を実現できる。また、第1蛍光体層3で発生する1次蛍光L1が外部に漏れてしまうことを抑制できる。
本実施形態では、導光体2が石英ガラスやホウケイ酸ガラスといった透明ガラス、アクリル等の透明樹脂によって構成されている。これにより、導光体2による光の導光効率を簡単な構成で確保できる。なお、本実施形態のように、第2蛍光体層4が導光体2を覆うように設けられる構成を採る場合には、導光体2が空気或いは真空によって形成されていてもよい。この場合、電子線検出器1Aが第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4による中空構造となるため、構成の更なる簡単化及び軽量化が図られる。
本実施形態では、第1蛍光体層3が導光体2の第1面2c側に設けられ、第2蛍光体層4が導光体2の第2面2d側に設けられている。そして、第2面2dには、導光体2の一端側において、当該一端側に向かうにつれて第1面2cに近づくように傾斜する傾斜面Kが設けられている。かかる傾斜面Kの形成により、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を高められる。また、電子線検出器1Aを走査型電子顕微鏡などに組み込む際の省スペース化が図られる。
本実施形態では、導光体2の一端側において、導光体2、第1蛍光体層3、及び第2蛍光体層4を貫通する貫通孔6が設けられている。この貫通孔6は、例えば電子線検出器1Aを走査型電子顕微鏡に組み込む際に、試料に向けて電子線を通過させる孔として用いることができる。また、本実施形態では、貫通孔6の内壁を覆う金属膜7が設けられている。この場合、金属膜7に電位を付与することで、貫通孔6内を通過する電子線の軌道を安定化させることができる。
[第2実施形態]
図2(a)は、第2実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。また、図2(b)は、その変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。これらの図では、説明の簡単化のために貫通孔6の図示を省略しているが、貫通孔6が設けられている点は、第1実施形態と同様である。一方、同図に示す電子線検出器1B,1Cは、第2蛍光体層4が導光体2の他端側の縁まで延びていない点で第1実施形態と異なっている。
図2(a)に示す電子線検出器1Bは、ライトガイドG2を有している。ライトガイドG2では、導光体2の第1面2c側及び第2面2d側の第2蛍光体層4の延在長さがいずれも第1蛍光体層3の延在長さの半分以下となっている。図2(a)の例では、導光体2の延在方向について、第1面2c側の第2蛍光体層4における他端部2b側の縁は、第2面2d側の第2蛍光体層4における他端部2b側の縁よりも他端部2b側に位置している。第1面2c側の第2蛍光体層4と検出部5との間、及び第2面2d側の第2蛍光体層4と検出部5との間には、いずれも導光体2が位置している。
また、ライトガイドG2では、第2蛍光体層4における導光体2の一端側の縁を覆う反射膜10が設けられている。図2(a)の例では、導光体2の傾斜面K(貫通孔6を除く)を覆うように反射膜10が設けられている。反射膜10は、例えばAlなどの金属によって形成され、導光体2の一端側に向かう1次蛍光及び2次蛍光L2を他端側に反射する。
図2(b)に示す電子線検出器1Cは、導光体2の第1面2c側の第2蛍光体層4が省略されている点で電子線検出器1Bと更に異なっている。電子線検出器1Cは、ライトガイドG3を有している。ライトガイドG3では、第1面2c側の第1蛍光体層3は、第1面2c上に設けられている一方、第2面2d側の第2蛍光体層4は、第2面2dと面一になるように設けられている。
これらの電子線検出器1B,1Cにおいても、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1が導光体2によって検出部5に導光されるほか、1次蛍光L1の入射によって第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2が導光体2によって検出部5に導光される。したがって、被検出線Eの入射によって発生する光の導光効率を向上できる。また、電子線検出器1B,1Cでは、第2蛍光体層4における導光体2の一端側の縁を覆う反射膜10により、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を高められる。本実施形態では、反射膜10が導光体2の傾斜面Kの全面を覆っているため、第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2の導光効率も向上できる。なお、この反射膜10は、第1実施形態のライトガイドG1に適用してもよい。
[第3実施形態]
図3(a)は、第3実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。また、図3(b)は、その変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。図2と同様、説明の簡単化のために貫通孔6の図示を省略している。同図に示す電子線検出器1D,1Eは、導光体2の第2面2dに傾斜面Kが設けられていない点で第1実施形態と異なっている。すなわち、電子線検出器1D,1Eでは、導光体2が一の方向に延在する直方体形状となっている。
図3(a)に示す電子線検出器1Dは、ライトガイドG4を有している。ライトガイドG4では、第1実施形態と同様、全体として導光体2を覆うように第2蛍光体層4が設けられている。すなわち、導光体2の第1面2cのうち第1蛍光体層3を除く部分、導光体2の第2面2d、及び導光体2の幅方向の側面(不図示)に第2蛍光体層4が形成されている。導光体2の一端側の端面2fには、反射膜10が設けられている。図3(a)の例では、反射膜10は、導光体2の一端側の端面2fを覆うと共に、第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4における導光体2の一端側の縁を覆うように設けられている。
図3(b)に示す電子線検出器1Eは、第2蛍光体層4の構成が電子線検出器1Dと更に異なっている。電子線検出器1Eは、ライトガイドG5を有している。ライトガイドG5では、導光体2の第1面2c側に第2蛍光体層4が設けられておらず、導光体2の第2面2d側の第2蛍光体層4の延在長さは、第1蛍光体層3の延在長さと同程度となっている。導光体2の延在方向について、第1面2c側の第2蛍光体層4における他端部2b側の縁は、第2面2d側の第2蛍光体層4における他端部2b側の縁と同じ位置となっている。ライトガイドG5では、第1面2c側の第1蛍光体層3は、第1面2c上に設けられている一方、第2面2d側の第2蛍光体層4は、第2面2dと面一になるように設けられている。
これらの電子線検出器1D,1Eにおいても、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1が導光体2によって検出部5に導光されるほか、1次蛍光L1の入射によって第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2が導光体2或いは第2蛍光体層4によって検出部5に導光される。したがって、被検出線Eの入射によって発生する光の導光効率を向上できる。また、電子線検出器1D,1Eでは、第2蛍光体層4における導光体2の一端側の縁を覆う反射膜10により、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を高められる。本実施形態では、反射膜10が導光体2における一端側の端面1f及び第1蛍光体層3における導光体2の一端側の縁を覆っているため、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を更に高められるほか、第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2の導光効率も向上できる。
[第4実施形態]
図4は、第4実施形態に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。また、図5及び図6は、その変形例に係る電子線検出器の構成を示す模式的な断面図である。同図に示す電子線検出器1F~1Jは、導光体2の第2面2dに傾斜面Kが設けられていない点で第1実施形態と異なっている。また、電子線検出器1F~1Jでは、導光体2が一の方向に延在する円柱形状となっている。
図4に示すように、電子線検出器1Fは、ライトガイドG6を有している。ライトガイドG6では、導光体2の一端側の端面2fの全面に第1蛍光体層3が設けられている。第2蛍光体層4は、導光体2の周面の全体及び第1蛍光体層3の周面の全体を覆うように設けられている。
図5(a)に示す電子線検出器1Gは、電子線検出器1Fの構成に反射膜10が追加されている点で電子線検出器1Fと相違している。電子線検出器1Gは、ライトガイドG7を有している。ライトガイドG7では、反射膜10は、導光体2の一端側において、第1蛍光体層3、第2蛍光体層4における導光体2の一端側の縁を覆うように設けられている。反射膜10の一部は、第2蛍光体層4の周面にも張り出している。反射膜10の張出部分10aにおける他端部2bの縁は、第1蛍光体層3における他端部2b側の縁よりも他端部2b側に位置している。
図5(b)に示す電子線検出器1Hは、第2蛍光体層4が導光体2の他端側の縁まで延びていない点で電子線検出器1Fと相違している。電子線検出器1Hは、ライトガイドG8を有している。ライトガイドG8では、第2蛍光体層4における他端部2b側の縁は、第1蛍光体層3における他端部2b側の縁よりも他端部2b側に位置している。反射膜10の張出部分10aにおける他端部2bの縁は、第1蛍光体層3における他端部2b側の縁よりも他端部2b側に位置している。また、反射膜10の張出部分10aにおける他端部2b側の縁は、第2蛍光体層4における他端部2b側の縁よりも他端部2b側に位置している。すなわち、反射膜10の張出部分10aは、第2蛍光体層4の周面の全体を覆った状態となっている。
図6(a)に示す電子線検出器1Iは、第2蛍光体層4における一端部2a側の縁が傾斜面Kaとなっている点で電子線検出器1Fと相違している。電子線検出器1Iは、ライトガイドG9を有している。ライトガイドG9では、傾斜面Kaの形成部分において、第2蛍光体層4の厚さが導光体2の一端側に向かうにつれて徐々に小さくなっている。反射膜10は、傾斜面Kaを含め、第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4を覆うように設けられている。ライトガイドG8と同様、反射膜10の張出部分10aは、第2蛍光体層4の周面の全体を覆った状態となっている。
図6(b)に示す電子線検出器1Jは、電子線検出器1Iと同様に、第2蛍光体層4における一端部2a側の縁が傾斜面Kaとなっている点で電子線検出器1Fと相違している。電子線検出器1Jは、ライトガイドG10を有している。電子線検出器1Jにおいても、傾斜面Kaの形成部分において、第2蛍光体層4の厚さが導光体2の一端側に向かうにつれて徐々に小さくなっている。一方、第2蛍光体層4は、導光体2の周面の全体及び第1蛍光体層3の周面の全体を覆うように設けられている。反射膜10は、傾斜面Kaを含め、第1蛍光体層3の全体と第2蛍光体層4の一部(第1蛍光体層3側の部分)とを覆うように設けられている。
これらの電子線検出器1F~1Jにおいても、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1が導光体2によって検出部5に導光されるほか、1次蛍光L1の入射によって第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2が導光体2或いは第2蛍光体層4によって検出部5に導光される。したがって、被検出線Eの入射によって発生する光の導光効率を向上できる。また、電子線検出器1G~1Jでは、第2蛍光体層4における導光体2の一端側の縁を覆う反射膜10により、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を高められる。本実施形態では、反射膜10が第1蛍光体層3を覆うと共に、反射膜10の張出部分10aが第2蛍光体層4の周面の全体を覆っている。これにより、第2蛍光体層4への1次蛍光L1の入射効率を更に高められるほか、第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2の導光効率も向上できる。
[効果確認試験]
続いて、本開示に係るライトガイド及び電子線検出器の効果確認試験について説明する。
図7は、第1の効果確認試験の測定系を示す模式的な図である。第1の効果確認試験は、本開示のライトガイド及び電子線検出器に関する知見を得るに際し、導光体の材料と光の導光効率との関係を調べた試験である。図7に示すように、第1の効果確認試験の測定系101Aは、一の方向に延在する導光体102と、導光体102の一端側において当該導光体102の第1面側に密着して設けられた蛍光体層103と、導光体の他端側に設けられた検出部105とを備えている。
試験例1では導光体102をアクリル蛍光板で構成し、試験例2では導光体102を石英で構成した。アクリル蛍光板は、緑色域の波長の光を2次蛍光として発生させるグリーン蛍光板、及び紫色域の波長の光を2次蛍光として発生させるバイオレット蛍光板の2種類とした。蛍光体層103は、GaNで構成された高速蛍光体とし、検出部105は、光電子増倍管で構成した。導光体102、蛍光体層103、及び検出部105は、被検出線Eの入射位置を除いて遮光治具106で覆い、被検出線Eに入射に応じて検出部105から出力される信号の電流値を試験例1,2のそれぞれについて測定した。
図8(a)及び図8(b)は、第1の効果確認試験の測定結果を示す図である。同図では、横軸に被検出線の加速電圧を示し、縦軸に検出部の電流値を示している。同図に示す結果から、導光体102をグリーン蛍光板とした場合及び導光体102をバイオレット蛍光場とした場合のいずれにおいても、試験例1に比べて試験例2のほうが同一強度に対する被検出線Eに対する検出部105の電流値が高くなっていることが分かる。この結果から、蛍光体層で発生した1次蛍光を直接的に(石英などで構成された導光体を介さずに)蛍光板に入射させても、光の導光効率を増加できないという知見が得られた。
第1の効果確認試験において、導光体102が石英の場合とアクリル蛍光板の場合とで検出結果に差が生じた理由は、導光体102に入射する被検出線Eの拡散に起因するものと考えられる。具体的には、この測定系101Aでは、被検出線Eの入射によって蛍光体層103で発生した1次蛍光は、拡散光であり、発生位置から180°近くの拡がりをもって導光体2に入射する。導光体102がアクリル蛍光板である場合、蛍光体層103から入射した1次蛍光がアクリル蛍光板内で再発光し、2次蛍光となる。しかしながら、2次蛍光による光の拡がりは、導光体102が石英の場合に蛍光体層103から導光体102に入射する1次蛍光の拡がりとほぼ同じである。そのため、アクリル蛍光板の透過率が石英の透過率よりも低いことに起因し、検出部105に導光される光の総量が減少するものと推察される。
図9は、第2の効果確認試験の測定系を示す模式的な図である。同図に示すように、第2の効果確認試験の測定系101Bは、導光体102の第1面側及び第2面側にそれぞれサイド導光体104を設けた点で、第1の効果確認試験の測定系101Aと相違している。第1面側のサイド導光体104は、蛍光体層103に隣接して導光体102の他端側の縁まで延在し、第2面のサイド導光体104は、導光体102の一端側の縁から他端側の縁まで延在している。実施例及び比較例のいずれについても、導光体102を石英で構成した。一方、実施例では、サイド導光体104を蛍光アクリル板で構成し、比較例では、サイド導光体104を石英で構成した。
図10は、第2の効果確認試験の試験結果を示す図である。同図では、図8(a)及び図8(b)と同様、横軸に被検出線の加速電圧を示し、縦軸に検出部の電流値を示している。図10に示す結果から、実施例では、比較例に比べて、同一強度に対する被検出線Eに対する検出部105の電流値が平均で40%程度高くなっていることが分かる。この結果から、蛍光体層103で発生した1次蛍光を石英などで構成した導光体102で導光することに加え、1次蛍光によって発生した2次蛍光を導光体102とは別のサイド導光体104で導光することで、光の導光効率を増加できるという知見が得られた。
この測定系101Bにおいても、被検出線Eの入射によって蛍光体層103で発生した1次蛍光は、拡散光であり、発生位置から180°近くの拡がりをもって導光体102に入射する。比較例では、導光体102及びサイド導光体104がいずれも石英で構成されている。そのため、蛍光体層103で発生した1次蛍光のうち一定の角度(臨界角)以下の成分が導光体102及び蛍光体層103の反対側のサイド導光体104を透過して外部に出射し、検出部105に導光される光の総量が1次蛍光の一部に留まるものと考えられる。
これに対し、実施例では、蛍光体層103で発生した1次蛍光のうち一定の角度(臨界角)以下の成分が蛍光体層103の反対側のサイド導光体104に入射することで2次蛍光が発生する。この2次蛍光がサイド導光体104によって導光されることで、検出部105に導光される光の総量が増加するものと考えられる。また、実施例では、2次蛍光の一部が導光体102で導光されることに加え、導光体102によって導光される1次蛍光の一部が蛍光体層103側のサイド導光体104に入射して2次蛍光を発生させ得る。これにより、検出部105に導光される光の総量が一層増加するものと考えられる。
[変形例]
本開示は、上記実施形態に限られるものではない。例えば上記各実施形態では、ライトガイドGが第1蛍光体層3及び第2蛍光体層4を備えているが、ライトガイドGは、これらの蛍光体層に加え、下記図11(a)及び図11(b)に示すように、2次蛍光の入射によって3次蛍光を発生させる第3蛍光体層11を更に備えていてもよい。この場合、第3蛍光体層11を導光体2の一端側から他端側に向かって延在させることで、第3蛍光体層11で発生した3次蛍光が導光体2或いは第3蛍光体層11によって検出部5に導光される。したがって、被検出線Eの入射によって発生する光の導光効率を一層向上できる。
ライトガイドGは、第3蛍光体層11に加え、3次蛍光の入射によって4次蛍光を発生させる第4蛍光体層12を更に備えていてもよい。図11(a)に示すように、電子線検出器1Kを構成するライトガイドG11では、第1実施形態に係るライトガイドG1の構成に加え、第2蛍光体層4の外面側を覆うように第3蛍光体層11が設けられ、第3蛍光体層11の外面側を覆うように第4蛍光体層12が設けられている。図11(b)に示すように、電子線検出器1Lを構成するライトガイドG12では、第4実施形態に係るライトガイドG6の構成に加え、第2蛍光体層4の外面側を覆うように第3蛍光体層11が設けられ、第3蛍光体層11の外面側を覆うように第4蛍光体層12が設けられている。
高次の蛍光体層を設ける場合、n次(nは整数)の蛍光体層で発生するn次蛍光の波長が(n+1)次の蛍光体層の励起中心波長に近いことが好ましい。第2蛍光体層4が例えば紫色域の波長の光を2次蛍光として発生させるバイオレット蛍光体層である場合、第3蛍光体層11は、例えば緑色域の波長の光を3次蛍光として発生させるグリーン蛍光体層であることが好適であり、第4蛍光体層12は、例えば赤色域の波長の光を4次蛍光として発生させるレッド蛍光体層であることが好適である。
図12は、本開示の電子線検出器を適用してなる荷電粒子装置の構成を示す模式的な図である。同図に示す荷電粒子装置21は、走査型電子顕微鏡として構成されている。荷電粒子装置21は、電子線e1を試料Sに向けて放出する電子源22と、電子線e1の照射によって試料Sで発生する荷電粒子を検出する検出器23とを含んで構成されている。検出器23は、試料Sからの反射電子e2を検出する検出器23Aと、試料Sからの二次電子e3を検出する検出器23Bとによって構成されている。
検出器23Aは、例えば上述した電子線検出器1Aによって構成されており、検出器23Bは、例えば上述した電子線検出器1Fによって構成されている。電子線検出器1Fは、電子線検出器1Aよりも試料S側において筒状部材24内に配置されている。電子源22から出射した電子線e1は、走査コイル25によって偏向し、電子線e1による試料Sの走査が実施される。走査コイル25を通過した電子線e1は、磁路及び励起コイルで構成される対物レンズ26を通過した後、電子線検出器1Aの貫通孔6を通って試料Sに照射される。
電子線e1の照射により、試料Sでは、反射電子e2と二次電子e3とが発生する。反射電子e2は、電子線検出器1Aに入射し、第1蛍光体層3を発光させる。第1蛍光体層3で生じた1次蛍光L1及び第2蛍光体層4で生じた2次蛍光L2は、検出部5によって検出され、検出した光の強度に応じた出力信号に変換される。二次電子e3は、電子線検出器1Fに入射し、電子線検出器1Aと同様に、第1蛍光体層3を発光させる。第1蛍光体層3で生じた1次蛍光L1及び第2蛍光体層4で生じた2次蛍光L2は、検出部5によって検出され、検出した光の強度に応じた出力信号に変換される。
この荷電粒子装置21では、検出器23A,23Bを構成する電子線検出器1A,1Fにおいて、第1蛍光体層3で発生した1次蛍光L1が導光体2によって検出部5に導光されるほか、1次蛍光L1の入射によって第2蛍光体層4で発生した2次蛍光L2が導光体2或いは第2蛍光体層4によって検出部5に導光される。したがって、被検出線である反射電子e2及び二次電子e3の入射によって発生する光の導光効率を向上できる。
1(1A~1L)…電子線検出器、G(G1~G12)…ライトガイド、2…導光体、2c…第1面、2d…第2面、3…第1蛍光体層、4…第2蛍光体層、5…検出部、6…貫通孔、7…金属膜、10…反射膜、11…第3蛍光体層、12…第4蛍光体層、21…荷電粒子装置、22…電子源、23…検出器、E…被検出線、K…傾斜面、L1…1次蛍光、L2…2次蛍光、e1…電子線、e2…反射電子、e3…二次電子、S…試料。

Claims (12)

  1. 一の方向に延びる導光体と、
    前記導光体の一端側に配置され、被検出線の入射によって1次蛍光を発生させる第1蛍光体層と、
    前記導光体の前記一端側から他端側に向かって延在し、前記1次蛍光の入射によって2次蛍光を発生させる第2蛍光体層と、を備えるライトガイド。
  2. 前記第2蛍光体層は、前記第1蛍光体層よりも前記導光体の前記他端側に延びている請求項1記載のライトガイド。
  3. 前記第2蛍光体層は、前記導光体の前記一端側から前記他端側まで延びている請求項1又は2記載のライトガイド。
  4. 前記導光体の前記一端側から前記他端側に向かって延在し、前記2次蛍光の入射によって3次蛍光を発生させる第3蛍光体層を更に備える請求項1~3のいずれか一項記載のライトガイド。
  5. 前記第1蛍光体層は、酸硫化ガドリニウム、ケイ酸イットリウム、YAG、YAP、InGaN/GaNの量子井戸構造層を有する蛍光体、ZnOのいずれかによって構成されている請求項1~4のいずれか一項記載のライトガイド。
  6. 前記導光体は、透明ガラス、透明樹脂、空気、又は真空によって構成されている請求項1~5のいずれか一項記載のライトガイド。
  7. 前記導光体は、第1面及び前記第1面の反対側に位置する第2面を有し、
    前記第1蛍光体層は、前記第1面側に設けられ、
    前記第2蛍光体層は、少なくとも前記第2面側に設けられ、
    前記第2面には、前記導光体の一端側において、前記一端側に向かうにつれて前記第1面に近づくように傾斜する傾斜面が設けられている請求項1~6のいずれか一項記載のライトガイド。
  8. 前記第2蛍光体層における前記導光体の前記一端側の縁を覆う反射膜を更に備える請求項1~7のいずれか一項記載のライトガイド。
  9. 前記導光体の一端側には、前記導光体、前記第1蛍光体層、及び前記第2蛍光体層を貫通する貫通孔が設けられている請求項1~8のいずれか一項記載のライトガイド。
  10. 前記貫通孔の内壁を覆う金属膜を更に備える請求項9記載のライトガイド。
  11. 請求項1~10のいずれか一項記載のライトガイドと、
    前記ライトガイドにおける前記導光体の前記他端側に配置され、前記導光体と光学的に結合された検出部と、を備える電子線検出器。
  12. 電子線を試料に向けて放出する電子源と、
    前記電子線の照射によって前記試料で発生する荷電粒子を検出する検出器と、を備え、
    前記検出器は、請求項11に記載の電子線検出器によって構成されている荷電粒子装置。
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