JP2015163691A - エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法及びその共重合体 - Google Patents

エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法及びその共重合体 Download PDF

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Abstract

【課題】 機械的および熱的物性に優れたエチレン/酸不飽和カルボン酸共重合体の効率的な製造方法の提供。【解決手段】 エチレンと不飽和カルボン酸エステルとから、後期遷移金属錯体触媒を用いて、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する工程および、前記エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を、エステルをカルボン酸に変換可能な温度で加熱し、前記エチレン/不飽和カルボン酸共重合体に変換する工程を含む、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法等。【選択図】なし

Description

本発明は、新規なエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の新規な製造方法及びその共重合体に関する。
エチレンと極性基含有ビニルモノマーとを高温高圧のラジカル重合で共重合する方法はよく知られている。極性基含有ビニルモノマーとしては、例えば、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルなどの不飽和カルボン酸または不飽和カルボン酸エステルが挙げられる。しかしながら、ラジカル重合による製造方法は、高温高圧のため非常にエネルギーを必要とし、また、製造される共重合体は多数の分岐生成により結晶性が低いため、その力学的・熱的物性に劣るという欠点がある(例えば、非特許文献1)。
一方、メタロセン触媒等の触媒を用いたポリエチレンの重合方法においては直鎖状の分子構造を有するポリエチレンが得られることが知られているが、一般のメタロセン触媒等で、コモノマー種として極性基含有ビニルモノマーを用いると、これらコモノマーが触媒毒となるため重合活性が極めて低下し、所望の共重合体を得ることができないとされていた。
また、クロム触媒を用いたエチレンと極性基含有ビニルモノマーであるアクリル酸エステルとの共重合は、分岐数の少ない直鎖状共重合体であることが報告されている(特許文献1)。このためエチレン/アクリル酸エステル共重合体を加水分解して得られるエチレン/アクリル酸共重合体も分岐数の少ない直鎖状なものとなる。しかしながら、クロム触媒を用いたエチレン/アクリル酸エステル共重合体の製造方法は、その製造工程で、アクリル酸エステルと当量以上の塩化アルミニウムを必要とし、共重合終了後アルミニウム化合物由来の物質を除去する工程が必要であるため、工業的に非効率である。
近年、本出願人等により提案された新規のトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン系の触媒によれば、過剰なアルミニウム化合物を用いることなく、エチレンとアクリル酸アルキルエステル等の極性基含有コモノマーを共重合した直鎖状のエチレン共重合体が得られることが見出されている(特許文献2)。また、本出願人等によって、同様の触媒を用いて、エチレンとノルボルネン系酸無水物コモノマー等を共重合した接着性に優れた直鎖状のエチレン共重合体も提案されている(特許文献3)。
さらに、同様に過剰なアルミニウム化合物を用いない方法として、最近、ホスフィンスルホン酸−パラジウム触媒を用いて製造されたエチレンとアクリル酸との共重合が報告されている(例えば、非特許文献2)。また、同様な触媒を用いて、エチレンとt−ブチルアクリル酸エステルとの共重合体をトリメチルシリルヨージドで40℃程度の温度下で加水分解処理することで、エチレンとアクリル酸との共重合体に変換した重合体も報告されている(例えば、非特許文献3)。
特開昭63−75014号公報 特開2010−150246号公報 特開2013−227521号公報 特公平06−060220号公報
Bamford, C. H. In Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, 2nd ed.; Mark, H. F., Bikales, N. M., Overberger, C. G., Menges, G., Eds.; Wiley: New York, 1986; Vol.13, p. 708. T. Ruenzi, D. Froehlich, S. Mecking J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, p. 17690−17691. V. A. Kryuchkov, J.-C. Daigle, K. M. Skupov, J. P. Claverie, F. M. Winnk J. Am. Chem. Soc. 2010, 132, p. 15573−15579. Skupov, K. M.; Piche, L.; Claverie, J. P. Macromolecules 2008, 41, p. 2309−2310.
しかしながら、上記特許文献2では、エチレンとアクリル酸アルキルエステルとの共重合体の製造に用いるコモノマー種として、実際に具体的合成例として示されているのはアクリル酸アルキルエステル等のみである。また、上記特許文献3でも、コモノマー種として具体的実施例で用いているのはノルボルネン系酸無水物系等の安定的な構造を有するもののみであり、(メタ)アクリル酸などの不飽和カルボン酸をコモノマー種として用いた具体的な活性については、開示されていない。通常、触媒にはコモノマー種により触媒活性に差があり、特許文献2及び3に開示されるトリアリールホスフィン又はトリアリールアルシン系触媒を用いて、直接、エチレンとアクリル酸モノマーとを共重合した場合、反応活性が低く、十分な分子量を有し、ランダムかつ直鎖状に共重合してなるエチレン/不飽和カルボン酸共重合体を得るのは難しいと考えられていた。
また、上記非特許文献2に記載のホスフィンスルホン酸−パラジウム触媒を用いて製造されたエチレンとアクリル酸との共重合は、その分子量がNMR分析で1万以下であるため、力学的強度が不十分である。また、上記非特許文献3に記載の共重合体は、その分子量が1万前後であるため、力学的強度は不充分である。また、上記非特許文献3に記載のトリメチルシリルヨージドによるエステルの加水分解は24時間も必要であるため、合成的観点からも非効率であると考えられる。
なお、上記特許文献1に記載されるエチレンとアクリル酸またはアクリル酸エステルとの共重合は、ランダム共重合体と記載されているが、後述するコモノマー含量と融点との関係(特許文献4、非特許文献4)から、均質なランダム共重合体ではないと考えられ、力学的性質が十分に高く発現しないと考えられる。
本発明の目的は、上記した従来技術の問題点に鑑み、機械的および熱的物性に優れた、均質なエチレン/不飽和カルボン酸ランダム共重合体、特にエチレン/(メタ)アクリル酸ランダム共重合体の効率的な製造方法及びその共重合体を提供することにある。
本発明者らは、鋭意研究した結果、エチレンと不飽和カルボン酸とから、特定の後期遷移金属錯体触媒を用いることで製造したエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を加熱することにより、エチレン/アクリル酸共重合体を製造できる新規で効率的な方法を見出し、更に、本製造方法によって得られたエチレン/アクリル酸共重合体は力学的及び熱的物性も優れていることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位が、ランダムかつ直線状に共重合してなるエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法であって、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとから、後期遷移金属錯体触媒を用いて、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する工程および、前記エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を、エステル基をカルボン酸基に変換可能な温度で加熱し、前記エチレン/不飽和カルボン酸共重合体に変換する工程を含む、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、本発明の第1の発明において、前記不飽和カルボン酸エステルが(メタ)アクリル酸エステルであり、前記不飽和カルボン酸が(メタ)アクリル酸である、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、本発明の第1又は2の発明において、前記加熱の温度が、150〜350℃である、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、本発明の第1〜3のいずれかの発明において、前記後期遷移金属錯体触媒が、下記式(2)で示される後期遷移金属錯体を含む触媒である、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法が提供される。
(Ligand)MRL・・・(2)
[式(2)中、Mは9〜11族の遷移金属を示す。Ligandは酸素原子、窒素原子、リン原子、ヒ素原子、硫黄原子及び炭素原子よりなる群から選ばれるいずれかの原子で中心金属であるMにキレート配位する配位子を示す。Rは、Mとσ結合を形成する配位子を示す。Lは、Mに配位したリガンドを示す。]
また、本発明の第5の発明によれば、本発明の第1〜4のいずれかの発明において、前記後期遷移金属錯体が、ホスフィン−フェノラート錯体、または、ホスフィン−スルホナート錯体である、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、本発明の第1〜5のいずれかの発明において、前記不飽和カルボン酸エステルが(メタ)アクリル酸エステルであり、前記(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部分が3級アルコールである、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体を製造方法が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、本発明の第1〜6のいずれかの発明に係るエチレン/不飽和カルボン酸共重合体製造方法によって製造される、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、本発明の第1〜6のいずれかの発明に係るエチレン/不飽和カルボン酸共重合体製造方法によって製造される、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、エチレン単位を99.9〜80.0mol%及び(メタ)アクリル酸単位を0.1〜20.0mol%含み、下記の(a)〜(c)の特性を有するエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が提供される。
(a)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)が20,000以上かつ1,000,000未満である。
(b)GPCで測定した重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.7以上20以下である。
(c)DSC(示差走査型熱量計)を用いた測定により観測される前記共重合体の融点(Tm、℃)と前記共重合体中に含まれる(メタ)アクリル酸単位(AA、mol%)とが下記の式(I)を満たす。
−3.74×AA+113.5<Tm<−3.74×AA+130・・・(I)
また、本発明の第10の発明によれば、本発明の第9の発明において、融点(Tm)が80〜128℃である、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体が提供される。
本発明の製造方法は、新規なエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法であり、後期遷移金属錯体触媒によって均質なエチレン/不飽和カルボン酸エステルランダム共重合体を製造した後、その共重合体を加熱することにより、過剰なアルミニウム化合物を使用することなく、直鎖状のエチレン/不飽和カルボン酸ランダム共重合体の製造を可能としたものである。本発明の製造方法によれば、短時間で効率的にエチレン/不飽和カルボン酸共重合体を製造することができる。また、本発明のエチレン/不飽和カルボン酸共重合体、特にエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、均質なランダム共重合体であり、分子量及び融点も比較的高く且つその機械的および熱的物性に優れているので、非常に有用である。
図1は、非特許文献4(ラジカル重合)、特許文献4(クロム含有触媒)及び本実施例におけるエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の融点(Tm)とその共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA)との関係を示す図である。 図2は、本実施例及び比較例におけるエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の融点(Tm)とその共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA)との関係を示す図である。
以下、実施形態の製造方法により得られるエチレン/不飽和カルボン酸共重合体であるエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体およびその製造方法等について説明する。
1.エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体
(1)構成単位
本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、エチレン単位及び(メタ)アクリル酸単位の合計100mol%に対して、エチレン単位を99.9mol%以下80mol%以上、(メタ)アクリル酸単位を0.1mol%以上20mol%以下含み、好まくはエチレン単位を99.7mol%以下85mol%以上、(メタ)アクリル酸単位を0.3mol%以上15mol%以下、より好ましくはエチレン単位を99.5mol%以下90mol%以上、(メタ)アクリル酸単位を0.5mol%以上10mol%以下含む。なお、(メタ)アクリル酸単位として、アクリル酸単位またはメタクリル酸単位を単独で含んでもよく、両者を組み合わせて含んでもよい。
エチレン単位が99.9mol%を超えると極性モノマー共重合としての効果が発現し難くなり、一方、80mol%未満では製造が困難となる。また、(メタ)アクリル酸単位が0.1mol%未満では極性モノマー共重合としての効果が発現し難くなり、一方、20mol%を超えると製造が困難になる。エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を構成するエチレン単位と(メタ)アクリル酸単位のmol%は、例えば、当該共重合体の製造時に原料として使用されるそれぞれの単量体の量比を増減することで制御できる。なお、エチレン単位と(メタ)アクリル酸単位の含有量は、IR分析を用いて測定される値である。
なお、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、上記構成モノマー以外のα−オレフィンなどの構成モノマーを含むことができる。例えば、α−オレフィンの場合、共重合全体に対して、0.01〜5mol%含むことができる。α−オレフィンの具体例としては、後述するエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体の構成モノマーと同様のものが挙げられる。
(2)重量平均分子量(Mw)
実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の分子量としては、GPCで測定される重量平均分子量(Mw)が20,000以上1,000,000未満であり、好ましくは25,000以上900,000未満であり、さらに好ましくは30,000以上かつ800,000未満であり、特に好ましいのは40,000以上700,000未満である。重量平均分子量が20,000未満では機械的強度が低下し、1,000,000を超える場合には加工性などに難点を有するおそれがある。
(3)重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)
本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量:Mw/Mn)は、好ましくは1.7以上であり、より好ましくは1.7以上20以下、より好ましくは1.8以上15以下、さらに好ましくは1.9以上10以下である。分子量分布が1.7未満では成型加工性などに難を有するおそれがあり、20を超える場合には低分子量成分による物性の低下などを引き起こす場合がある。
また、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体のMw、Mnは、後述するエチレン/(メタ)アクリル酸エステル共重合体のMw、Mnを調製することで制御できる。エステル共重合体のMw、Mnは、後述するように、従来公知の方法により制御でき、例えば、重合温度やモノマー濃度の調整等により制御できる。なお、Mw、Mw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される値であり、測定条件は後述の実施例に記載のとおりである。
(4)融点(Tm)と(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA)との関係
図1は、従来の製造方法及び本実施形態におけるエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の融点(Tm、℃)とその共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA、mol%)の関係を示す図である。以下、図1を参照して、融点(Tm)と(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA)との関係について説明する。
従来の高温高圧のラジカル重合法で製造されたエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体はランダム共重合体であり、図1の黒塗りのひし形のプロットに示されるように、その融点(Tm、℃)と該共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA、mol%)との関係が下記の式(II)の関係をほぼ満たすことが知られている(非特許文献4)。
Tm=−3.74×AA+111・・・式(II)
また、従来のクロム触媒で製造されたエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、図1の黒塗りの三角のプロットに示されるように、融点(Tm、℃)とその共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA、mol%)との関係が以下の式(III)の関係をほぼ満たす(特許文献4の実施例)。
Tm=−1.70×AA+132.6・・・式(III)
クロム触媒で製造されたエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、均質なランダム共重合体ではないと考えられ、上記式(III)の直線の傾き(−1.70)は、上記式(II)に示されるラジカル重合法で製造された共重合体の傾き(−3.74)よりも小さくなる。これは、この共重合体のブロック共重合性が高く、その共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含量が増加しても、エチレン連鎖が長いため、ポリマーの物性としてはポリエチレンのホモポリマーに類似する挙動を示すためと考えられる。このため、クロム触媒で製造された重合体は、透明性が不良となる可能性や、フッイシュアイ等の輝点が多くなる可能性があり、物性上の問題がある。
これに対して、本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の融点(Tm、℃)とその共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA、mol%)とは、図1の黒塗りの正方形のプロットに示すように、以下の式(I)の関係が成り立つ。
−3.74×AA+113.5<Tm<−3.74×AA+130・・・式(I)
また、以下の式(I’)の関係が成り立つことが好ましい。
−3.74×AA+113.7<Tm<−3.74×AA+128・・・式(I’)
また、以下の式(I’’)の関係が成り立つことがさらに好ましい。
−3.74×AA+117.375≦Tm≦−3.74×AA+118.125・・・式(I’’)
上記式(I)〜(I’’)の左辺及び右辺における直線の傾き(−3.74)は、上記式(II)に示されるラジカル重合法で製造されたランダム共重合体の傾きと等しい。これは、本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、後期遷移金属触媒を用いて製造されるランダム共重合体であるため、従来のラジカル重合法で製造されたランダム共重合体と同様な直線の傾きをとるためと考えられる。なお、この傾きをとる理由はこれに限定されない。
また、図1に示されるように、本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体(黒塗りの正方形のプロット)は、従来のラジカル重合法で製造された共重合体(黒塗りのひし形のプロット)と比較した場合、アクリル酸含量の増加に伴い融点が低下する割合の傾向はほぼ同じであるが、同量のアクリル酸含量において、より高いTmを示し、耐熱性に優れる。
一般にポリエチレン鎖の分岐数と融点とは負の比例関係にあり、分岐数が多ければ融点が下がり、かつ、その分岐基にはよらないことが知られている(非特許文献4)。つまり、共重合体中に(メタ)アクリル酸単位やメチル分岐などが多く含まれているほど共重合体の融点が低下し、耐熱性が悪くなる。また、(メタ)アクリル酸の含量が同じである場合は、極性基による機能性は同じレベルに発現すると考えられ、メチル分岐が少ないほど融点が高く、耐熱性の高い共重合体となると考えられる。本実施形態の後期遷移金属触媒を用いて製造されるエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、直鎖状に共重合し、メチル分岐が少ないため、ラジカル重合法により製造された共重合体よりも高融点となると考えられる。なお、高融点となるメカニズムは、これに限定されない。
図2は、本実施例及び比較例におけるエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体の融点(Tm)とその共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA)との関係を示す図である。図2に示されるように、上記式(I’’)における直線の二つの切片の値(117.375及び118.125)は、この直線の傾きを上記式(I)と同様の値(−3.74)としたときの本願の実施例1及び2で示された融点(Tm)及び該共重合体中の(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA)を元に求められる値である。
本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体のTmは、上記式(I)の関係を満たせは特に限定されないが、耐熱性の観点から、好ましくは80℃以上128℃以下であり、より好ましくは90℃以上122℃以下である。Tmは、コモノマー濃度を調製することにより、上記範囲に制御することができる。なお、コモノマー濃度の調製方法については、後述する「エチレン/(メタ)アクリル酸エステルの重合反応」の項で説明する。なお、Tmは、示差走査型熱量計(DSC)を用いて測定される値であり、測定条件は後述の実施例に記載のとおりである。
また、本実施形態のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、ランダム性が高く、(メタ)アクリル酸単位がポリマー中に孤立して配置されるため、エチレン連鎖が短くなり非晶の部分が増加する。これにより、ポリマー構造が均質となり、透明性が向上する。
2.エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法
上記エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体を含むエチレン/不飽和カルボン酸共重合体(以下、「本実施形態の重合体」ともいう。)は、本発明の新規な製造方法により製造することができる。
すなわち、本実施形態の重合体の製造方法は、(1)エチレンと不飽和カルボン酸エステルとから、後期遷移金属錯体触媒を用いて、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する工程、および、(2)前記エチレン/不飽和カルボン酸エステルエステル共重合体を、エステル基をカルボン酸基に変換可能な温度で加熱し、前記エチレン/不飽和カルボン酸共重合体に変換する工程を含むことができる。
上記製造工程は2つの工程からなっているが、これらの工程は、連続して行っても、別々に行っても良い。以下、各工程について説明する。
(1)エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体の製造工程
本実施形態の製造方法では、工程(1)として、後期遷移金属錯体触媒を用いて、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとからエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する工程を含む。
(I)エチレン/不飽和カルボン酸エステルの構成モノマー
工程(1)により得られるエチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体は、構成モノマーとして、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとを含む。
不飽和カルボン酸エステルとしては、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルなどが挙げられ、これらの中でもアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル(以下、これらを併せて(メタ)アクリル酸エステルともいう)が好ましい。なお、不飽和カルボン酸エステルは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
なお、本発明の目的を損なわない範囲で、上記構成モノマー以外に、α−オレフィンなどを、共重合体全体に対して、0.01〜5mol%含むことができる。α−オレフィンは、一般式:CH=CHRで表されるα−オレフィンである。ここで、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基であり、分岐、環、および/または不飽和結合を有してもよい。Rの炭素数が20より大きいと、十分な重合活性が発現しない傾向がある。このため、なかでも、好ましいα−オレフィンとしては、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキセン、スチレンがあげられ、より好ましくは、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、スチレンである。
構成モノマーである不飽和カルボン酸エステルとしては、たとえば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、マレイン酸エステル、フマル酸エステル、イタコン酸エステル等の不飽和カルボン酸エステルが挙げられ、特にアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルが好ましい。
構成モノマーである(メタ)アクリル酸エステルとしては、下記一般式(1)で表される化合物を用いる。
CH=C(R)CO(R)・・・式(1)
[式(1)中、Rは、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基を表し、分岐、環、および/または不飽和結合を有していてもよい。Rは、炭素数1〜30の炭化水素基を表し、分岐、環、および/または不飽和結合を有していてもよい。さらに、R内の任意の位置にヘテロ原子を含有していてもよい。]
一般式(1)中、Rは、水素原子または炭素数1〜10の炭化水素基であり、Rの炭素数が11以上であると、十分な重合活性が発現しない傾向がある。好ましいRとしては、水素原子または炭素数1〜5の炭化水素基である。より好ましくはRがメチル基であるメタクリル酸エステルまたはRが水素原子であるアクリル酸エステルが挙げられる。
一般式(1)中、Rは、炭素数1〜30の炭化水素基であり、Rの炭素数が30を超えると、重合活性が低下する傾向がある。好ましいRとしては、炭素数1〜13の炭化水素基であり、より好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基である。また、Rの構造としては特に限定されないが、分岐状の方がより好ましく、さらに3級構造が好ましい。
一般式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸1,3−ジメチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルペンチル、(メタ)アクリル酸1,1,2,2−テトラメチルプロピル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−ペンチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ノルボルニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ビシクロ[2,2,1]ペンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸デカヒドロ−2−ナフタレニル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−5−イル等が挙げられる。
これらの中でも、好ましいものとしては、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸1,3−ジメチルブチル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルペンチル、(メタ)アクリル酸1,1,2,2−テトラメチルプロピル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチルシクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸4−t−ペンチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−ノルボルニル、(メタ)アクリル酸1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸ビシクロ[2,2,1]ペンタン−1−イル、(メタ)アクリル酸デカヒドロ−2−ナフタレニル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン−5−イルが挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸エステルとしては、単独の成分を使用してもよいし、複数の成分を併用してもよい。
特に本実施形態の製造方法に用いる好ましい(メタ)アクリル酸エステルとしては、後述の加熱分解の効率性の点から、(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部分が3級アルコールである(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。その中でも、モノマーの入手しやすさ等の点で、特に(メタ)アクリル酸t−ブチルが好ましい。
(II)後期遷移金属錯体触媒
上記エチレン/不飽和カルボン酸エステルの製造方法としては、特に限定されず、従来公知の方法を用いることができるが、下記の後期遷移金属錯体触媒を用いて製造することが好ましい。用いる後期遷移金属錯体触媒としては、本実施形態の重合体の特定の構造を満足する重合体が得られれば、特に限定されないが、下記一般式(2)で表される後期遷移金属錯体を用いて製造する方法がより好ましい。
(Ligand)MRL・・・(2)
[式(2)中、Mは、9〜11族の遷移金属を示す。Ligandは、酸素原子、窒素原子、リン原子、ヒ素原子、硫黄原子及び炭素原子よりなる群から選ばれる何れかの原子で、中心金属であるMにキレート配位する配位子である。Rは、Mとσ結合を形成する配位子を示す。Lは、Mに配位したリガンドを示す。]
一般式(2)中、Mは、9〜11族の遷移金属であり、好ましくは10族であり、さらに好ましくはニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)である。このM原子の価数は、0価、1価または2価であり、好ましくは0価または2価である。
一般式(2)中、Ligandは、酸素原子、窒素原子、リン原子、ヒ素原子、硫黄原子及び炭素原子よりなる群から選ばれる何れかの原子で、中心金属であるMにキレート配位する配位子である。この配位子Ligandは、好ましくは二座配位子である。
Mに配位する原子としては、窒素、酸素、リン、ヒ素、硫黄、炭素が挙げられるが、窒素、酸素、リン、硫黄が好ましく、更に窒素、酸素、リンが特に好ましい。
二座配位子のMに配位する原子の組合せは、特に限定されるものではなく、上記原子のうち任意の2元素であればよい。例えば、配位子がMと窒素で配位する1種と、酸素で配位する1種の組み合わせを「窒素―酸素」と表わすとすると、配位する原子の組み合わせは、窒素−窒素、窒素−酸素、酸素−リン、リン−リン、リン−硫黄が好ましい。
配位子の中心金属原子(M)への結合様式は、特に限定されるものではなく、例えば、孤立電子対による配位(以下これを「σ配位」ということがある)、π配位、σ結合(結合軸方向を向いた原子軌道同士による結合)等が挙げられる。それらの中で、σ配位、σ結合が好ましい。
また、二座配位子のMへの結合様式も、特に限定されるものではなく、上記の結合様式のうち任意の2種類の結合様式が挙げられる。例えば、二座配位子が、Mと、σ配位とσ結合の1つずつで配位する組み合わせを「σ配位−σ結合」と表わすとすると、σ配位−σ配位、σ配位−σ結合が好ましい。
なお、原子の組合せと配位様式の組合せは一通りしか記さなかったが、組合せ方は複数を意味する。すなわち、窒素−酸素とσ配位−σ結合の組合せを選んだ場合は、窒素(σ配位)−酸素(σ結合)、窒素(σ結合)−酸素(σ配位)の両方を意味する。
一般式(2)中、Rは、Mとσ結合を形成する配位子である。配位子Rとしては、Mとσ結合を形成し得るものであれば特に限定されないが、例えば、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、ハロゲン化炭化水素基、ケイ素含有炭化水素基、酸素含有炭化水素基、アミノ基、置換アミノ基または窒素含有炭化水素基等が挙がられる。
一般式(2)中、Lは、Mに配位したリガンドを表し、Lは配位結合可能な原子として、酸素、窒素、硫黄を有する炭素数1〜20の炭化水素化合物である。また、Lとして、遷移金属に配位可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素化合物(ヘテロ原子を含有していてもよい)も使用することができる。
(i−1)ホスフィン−フェノラート錯体(A)
さらに、上記一般式(2)で表される後期遷移金属錯体の中でも、以下の一般式(A)で表されるホスフィン−フェノラート錯体(A)がより好ましい。
なお、以下の各一般式の説明中、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表す。
[式(A)中、Mは、ニッケルまたはパラジウムを表す。Rは、水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。Lは、Mに配位したリガンドを表す。また、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。Pはリンを表す。Oは酸素を表す。R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表し、互いに結合して環を形成しても良い。R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、POM’、POM’’、P(O)(ORM’またはエポキシ含有基を表す(ここで、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウムを表し、M’’はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。)。]
一般式(A)中、Mは、ニッケルまたはパラジウムを表すが、Mの価数については2価が好ましい。
ここでMの価数とは、有機金属化学で用いられる形式酸化数(formal oxidation number)を意味する。すなわち、ある元素が関与する結合中の電子対を電気陰性度の大きい元素に割り当てた時、その元素の原子上に残る電荷の数を指す。
例えば、一般式(A)において、Mがニッケル、Rがフェニル基、Lがピリジンであり、ニッケル(M)が隣接するリン、酸素、フェニル基(R)の炭素およびピリジン(L)の窒素と結合を形成している場合、ニッケルの形式酸化数、すなわちニッケルの価数は2価となる。なぜならば、上述の定義に基づき、これらの結合において、電子対は、ニッケルよりも電気陰性度の大きいリン、酸素、炭素、窒素に割り当てられ、電荷は、リンが0、酸素が−1、フェニル基が−1、ピリジンが0で、錯体は、全体として電気的に中性であるため、ニッケル上に残る電荷は+2となるからである。
2価のMとしては、例えば、ニッケル(II)、パラジウム(II)が挙げられる。
一般式(A)中、Rは、水素原子または炭素数1〜20のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。重合または共重合反応は、MとRの結合にモノマー成分が挿入することによって開始されると考えられる。したがって、Rの炭素数が過度に多いと、取り扱いが困難になる傾向にある。このため、好ましいRとしては、炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜10である。
の具体的な例としては、ヒドリド基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基、フェニル基、p−メチルフェニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
一般式(A)中、Lは、Mに配位したリガンドを表す。リガンドLは、配位結合可能な原子として、酸素、窒素、硫黄を有する炭素数1〜20の炭化水素化合物である。また、Lとして、遷移金属に配位可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素化合物(ヘテロ原子を含有していてもよい)が使用されることができる。好ましくは、Lの炭素数は、1〜16であり、さらに好ましくは1〜10である。また一般式(A)中のMと配位結合するLとしては、電荷を持たない化合物が好ましい。好ましいLとしては、ピリジン類、ピペリジン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル誘導体、アリールニトリル誘導体、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、アミン類、環状不飽和炭化水素類などが挙げられる。さらに好ましいLとしては、ピリジン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、環状オレフィン類が挙げられ、特に好ましいLとして、ピリジン、ルチジン(ジメチルピリジン)、ピコリン(メチルピリジン)、RCO(RおよびRは、前記したとおりである。)が挙げられる。
なお、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。そのような例として、シクロオクタ−1−エニル基が挙げられ、これも本実施形態における好ましい様態である。
一般式(A)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表し、互いに結合して環を形成しても良い。R及びRは、金属Mの近傍にあって、立体的および/または電子的にMに相互作用を及ぼす。こうした効果を及ぼすためには、R及びRは、かさ高い方が好ましい。R及びRの好ましい炭素数は3〜30、さらに好ましくは6〜30である。
及びRにおいて、ヘテロ原子含有基中に含まれるヘテロ原子としては、酸素、窒素、リン、硫黄、セレン、ケイ素、フッ素、ホウ素が挙げられる。これらのヘテロ原子のうち、酸素、ケイ素、フッ素が好ましい。また、これらのヘテロ原子を含むヘテロ原子含有基としては、酸素含有基として、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アリロイル基、カルボキシレート基が挙げられ、窒素含有基としては、アミノ基、アミド基が挙げられ、硫黄含有基としては、チオアルコキシ基やチオアリーロキシが挙げられ、リン含有置換基としては、フォスフィノ基が挙げられ、セレン含有基としては、セレニル基が挙げられ、ケイ素含有基としては、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基が挙げられ、フッ素含有基としては、フルオロアルキル基、フルオロアリール基が挙げられ、ホウ素含有基としては、アルキルホウ素基、アリールホウ素基が挙げられる。これらのヘテロ原子含有基のうち、もっとも好ましいのは、アルコキシ基またはアリーロキシ基である。
前記したヘテロ原子含有基に含まれるヘテロ原子としては、遷移金属に配位可能なものが好ましい。こうした遷移金属可能なヘテロ原子を含むヘテロ原子含有基の具体的な例としては、以下のようなものが挙げられる。
すなわち、酸素含有基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基などのアリーロキシ基、アセチル基などのアシル基、ベンゾイル基などのアリロイル基、アセトキシ基、エチルカルボキシレート基、t−ブチルカルボキシレート基、フェニルカルボキシレート基などのカルボキシレート基などが挙げられる。窒素含有基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などのジアルキルアミノ基などが挙げられる。硫黄含有基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオ−n−プロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チオ−n−ブトキシ基、チオ−t−ブトキシ基、チオフェノキシ基などのチオアルコキシ基、p−メチルチオフェノキシ基、p−メトキシチオフェノキシ基などのチオアリーロキシ基などが挙げられる。リン含有置換基としては、ジメチルフォスフィノ基、ジエチルフォスフィノ基、ジ−n−プロピルフォスフィノ基、シクロヘキシルフォスフィノ基などのジアルキルフォスフィノ基などが挙げられる。セレン含有基としては、メチルセレニル基、エチルセレニル基、n−プロピルセレニル基、n−ブチルセレニル基、t−ブチルセレニル基、フェニルセレニル基などのセレニル基が挙げられる。
一般式(A)中、R及びRは、それぞれ独立に、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基であるが、より具体的には、水素またはヘテロ原子を含有していてもよい直鎖状炭化水素基、ヘテロ原子を含有していてもよい分岐鎖状炭化水素基、ヘテロ原子を含有していてもよい脂肪環式炭化水素基、ヘテロ原子を含有していてもよいアリール基が挙げられる。前記したように、R及びRは、かさ高い方が好ましい。したがって、これらのうち、ヘテロ原子を含有していてもよい脂環式炭化水素基、または、ヘテロ原子を含有していてもよいアリール基が好ましく、ヘテロ原子を含有していてもよいアリール基がもっとも好ましい。こうしたアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスラセニル基などが挙げられる。
及びRにおいて、これらアリール基の芳香族骨格に前記したヘテロ原子含有基が結合する場合、結合様式としては、ヘテロ原子含有基が芳香族骨格に直接結合してもよいし、メチレン基のようなスペーサーを介して芳香族骨格に結合してもよい。なお、メチレン基を介してヘテロ原子含有基が芳香族骨格に結合する場合、メチレン基の数は1個が好ましい。また、置換位置としては、R及びR中の芳香族骨格のうち、リンに結合した炭素に対してオルト位が好ましい。このようにすることによって、R及びR中のヘテロ原子がMと相互作用を持つように空間的配置をとることができる。
好ましいR及びRの具体例としては、2,6−ジメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジメトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジメトキシフェニル基、1,3−ジメトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジエトキシフェニル基、2,4,6−トリエトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジエトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジエトキシフェニル基、1,3−ジエトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジフェノキシフェニル基、2,4,6−トリフェノキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、2−メトキシ−6−フェノキシフェニル基、2−メトキシ−4−t−ブチル−6−フェノキシフェニル基、2,4,6−トリ(メトキシメチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(メトキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(メトキシメチル)フェニル基、1,3−ジ(メトキシメチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、2,4,6−トリ(フェノキシメチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、1,3−ジ(フェノキシメチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、2,4,6−トリ(2−メトキシエチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、1,3−ジ(2−メトキシエチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、2,4,6−トリ(2−フェノキシエチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、1,3−ジ(2−フェノキシエチル)−2−ナフチル基などが挙げられる。
これらのうち、好ましいものとしては、2,6−ジメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジメトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジメトキシフェニル基、1,3−ジメトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジエトキシフェニル基、2,4,6−トリエトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジエトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジエトキシフェニル基、1,3−ジエトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジフェノキシフェニル基、2,4,6−トリフェノキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、2−メトキシ−6−フェノキシフェニル基、2−メトキシ−4−t−ブチル−6−フェノキシフェニル基が挙げられる。
一般式(A)中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、POM’、POM’’、P(O)(ORM’またはエポキシ含有基を表す(ここで、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウムを表し、M’’はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。)。
〜Rのうち、好ましいものとしては、水素原子、フッ素原子、クロロ原子、ブロモ原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、トリメチルシリル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、ニトリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリメチルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基、スルフォン酸ナトリウム、スルフォン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどが挙げられ、特に好ましいものとしては、水素原子、フッ素原子、メチル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、ニトリル基、トリメチルシリル基、メトキシ基、フェノキシ基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリメチルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基、スルフォン酸ナトリウム、リン酸ナトリウムなどが挙げられる。
また、Rは、かさ高い方が好ましく、炭素数3〜30であることが好ましい。その例を具体的に挙げると、炭化水素基として、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスラセニル基、2−アンスラセニル基、9−アンスラセニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、9−フルオレニル基、シクロヘキシル基など、ヘテロ原子含有炭化水素基として、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリn−プロピルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基などの3置換シリル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などのハロゲン化アリール基などが挙げられる。
これらの中でより好ましいものとしては、t−ブチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスラセニル基、2−アンスラセニル基、9−アンスラセニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、9−フルオレニル基、シクロヘキシル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
さらに好ましいものとしては、t−ブチル基、フェニル基、1−アンスラセニル基、2−アンスラセニル基、9−アンスラセニル基、9−フルオレニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、ペンタフルオロフェニル基などが挙げられる。
(i−2)ホスフィン−フェノラート錯体(A)の合成方法
本実施形態に好適に用いられるホスフィン−フェノラート錯体(A)(以下、単に「錯体(A)」ともいう。)は、下記式(B)および/または(C)で示される化合物と、後述する遷移金属Mを含有する遷移金属錯体成分(D)との反応により得ることができる。
[式(B)又は(C)中、Zは、水素原子または脱離基を表し、mは、Zの価数を表す。R、R、R、R、R及びRは、上記一般式(A)の説明と同様である。]
一般式(B)中、Zは、水素原子、または脱離基であるが、具体的には、水素原子、RSO基(ここでRは、前記したとおりである。)、CFSO基などを挙げることができる。
一般式(C)は、アニオンの形で表されているが、そのカウンターカチオンは、遷移金属錯体成分(D)との反応を阻害しない限りにおいて、任意のものを用いることができる。カウンターカチオンとしては、具体的には、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウム、周期律表1族〜14族の金属イオンが挙げられる。
これらのうち好ましくは、NH 、R +(ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい)、R +(ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい)、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Al3+であり、さらに好ましくは、R (ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい)、Li、Na、Kである。
一般式(B)および(C)で示される物質については、公知の合成法に基づいて合成することができる。
遷移金属錯体成分(D)としては、一般式(B)または(C)で示される化合物と反応して、重合能を有する錯体を形成可能なものが使用され、これらは、プリカーサー(前駆体)とも呼ばれることがある。
例えば、ニッケルを含む遷移金属錯体成分(D)としては、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、一般式:(CHCR’CHNiで表される錯体(以下、R’は、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、POM’、POM’’、P(O)(ORM’またはエポキシ含有基を表す。ただし、R、R、M’、M’’は、前記したとおりであり、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。)、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル(2)、一般式:Ni(CHSiR’ で表される錯体、一般式:NiR’ で表される錯体等(ここでLは、前記一般式(A)の説明と同様である。)を使用することができる。
また、9族、10族または11族の遷移金属を含む遷移金属錯体成分(D)については、下記一般式(3)を使用することができる。
MR’ ・・・(3)
(ここで、Mは、9族、10族または11族の遷移金属であり、R’、Lは、前記した通りであり、pおよびqは、Mの価数を満たす0以上の整数である。)
これらの遷移金属錯体成分(D)のうち、好ましく用いられるものは、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、一般式:(CHCR’CHNiで表される錯体、一般式:Ni(CHSiR’ で表される錯体、一般式:NiR’ で表される錯体、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(dba)(ここで、dbaは、ジベンジリデンアセトンを表す。)、Pd(OCOCHである。
特に好ましくは、ビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)、(CHCHCHNi、(CHCMeCHNi、Ni(CHSiMe(Py)(以下Pyは、ピリジンを表す。)、Ni(CHSiMe(Lut)(以下Lutは、2,6−ルチジンを表す。)、NiPh(Py)、Ni(Ph)(Lut)2,Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(OCOCHである。
一般式(A)で表される錯体(A)は、一般式(B)または(C)で表される化合物と、錯体(A)中の遷移金属Mを含む遷移金属錯体成分(D)との反応生成物に含まれる。
上記反応生成物は、一般式(B)または(C)で表される化合物と遷移金属錯体成分(D)とを、例えば[(B)+(C)]:(D)=1:99〜99:1(モル比)の割合で、0〜100℃のトルエンやベンゼン等の有機溶媒中、減圧〜加圧下で、約1秒間〜24時間、接触させることにより得ることができる。
なお、遷移金属錯体成分(D)としてビス(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)のトルエンやベンゼン溶液を用いる場合には、溶液の色が黄色から例えば赤色に変化することにより、反応生成物の生成が確認できる。
一般式(B)または(C)で表される化合物と遷移金属錯体成分(D)との反応後、遷移金属錯体成分(D)の遷移金属M以外の部分は、一般式(B)のZを除いた部分や一般式(C)によって置換されて、一般式(A)で表される金属錯体が生成する。この置換反応は、定量的に進行するほうが好ましいが、場合によっては完全に進行しなくてもよい。
反応終了後、錯体(A)以外に、一般式(B)、(C)、(D)で表される化合物由来の他の成分が共存するが、重合反応または共重合反応を行う際に、これらの他の成分は除去してもよいし、除去しなくてもよい。一般的には、これらの他の成分は除去した方が、高活性が得られるので好ましい。
なお、反応を行う際に、Lを共存させてもよい。例えば、Mとして、ニッケルやパラジウムを用いた場合には、ルイス塩基性のLを系内に共存させることによって、精製した錯体(A)の安定性が増す場合があり、このような場合には、Lが重合反応または共重合反応を阻害しない限りにおいて、Lを共存させることが好ましい。
本実施形態において、反応をα−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器とは別の容器で、予め行ったうえで、得られた錯体(A)をα−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に供してもよいし、反応をこれらのモノマーの存在下に行ってもよい。
また、反応を、α−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器の中で行ってもよい。この際に、これらのモノマーは存在していてもよいし、存在していなくてもよい。また、一般式(B)および(C)で示される成分については、それぞれ単独の成分を用いてもよいし、それぞれ複数種の成分を併用してもよい。特に、分子量分布やコモノマー含量分布を広げる目的には、こうした複数種の併用が有用である。
(ii−1)ホスフィン−スルホナート錯体(E)
また、式(2)で表される後期遷移金属錯体の中でも、以下の一般式(E)で表されるホスフィン−スルホナート錯体(E)も、上記錯体(A)と同様に、好ましい。
[式(E)中、Mは、ニッケルまたはパラジウムを表す。Pはリンであり、Sは硫黄であり、Oは酸素である。R11は、水素原子、ハロゲン原子、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基またはヘテロ原子を含有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を表す。Lは、Mに配位したリガンドを表す。R12及びR13は、それぞれ独立に、ヘテロ原子を含有してもよい炭素数1〜30の炭化水素基を表し、互いに結合して環を形成してもよい。R14〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、POM’、POM’’、P(O)(ORM’またはエポキシ含有基を表す(ここで、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウムを表し、M’’はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。)]。
一般式(E)中、Mは、前記一般式(A)の説明と同様である。
一般式(E)中、R11は、水素原子、ハロゲン原子、ヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基またはヘテロ原子を含有していてもよい炭素数6〜30のアリール基を表す。ここで、ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、ケイ素原子、ハロゲン原子が好ましく、更に好ましくは酸素原子である。
11がヘテロ原子を含有していてもよい炭素数1〜30のアルキル基である場合、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、好ましい具体例として、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基、アシル基、アセトキシ基が挙げられる。
また、R11が好ましいヘテロ原子を含有していてもよい炭素数6〜30のアリール基である場合は、好ましくは炭素数6〜13のアリール基であり、好ましい具体例として、フェニル基、トリル基、キシリル基、フェナンスリル基、ペンタフルオロフェニル基が挙げられる。
これらの中でもR11の特に好ましい具体例としては、水素原子、メチル基およびフェニル基が挙げられる。
一般式(E)中、Lは、Mに配位したリガンドを表す。リガンドLは、Mに配位結合可能な原子として、酸素、窒素、硫黄を有する炭素数1〜20の炭化水素化合物であることが好ましい。また、Lとして、遷移金属に配位可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素化合物(ヘテロ原子を含有していてもよい)も使用することができる。
の炭素数は、好ましくは、1〜16であり、さらに好ましくは1〜10である。
また一般式(A)中のMと配位結合するLとしては、電荷を持たない化合物が好ましい。
好ましいLとしては、ピリジン類、ピペリジン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル誘導体、アリールニトリル誘導体、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、アミン類、環状不飽和炭化水素類などが挙げられる。
さらに好ましいLとしては、ピリジン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、環状オレフィン類が挙げられ、特に好ましいLとして、ピリジン、ルチジン(ジメチルピリジン)、ピコリン(メチルピリジン)、RCOが挙げられる。
なお、R11とLが一つになり、下記一般式(E−1)で示されるπ−アリル結合様式を形成してもよい(下記式(E−1)は、一般式(E)中、MおよびR11とLが一つになりπ−アリル結合を形成した部分のみを示す。)。
[式(E−1)中、R10は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、POM’、POM’’、P(O)(ORM’またはエポキシ含有基を表す(ここで、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウムを表し、M’’はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。)。]
一般式(E−1)中、R10としては、水素、メチル基、エチル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、フェニル基が好ましい。
一般式(E)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有してもよい炭化水素基を表し、互いに結合して環を形成しても良い。R12及びR13は、金属Mの近傍にあって、立体的および/または電子的にMに相互作用を及ぼす。こうした効果を及ぼすためには、R12及びR13は、かさ高い方が好ましい。R12及びR13の好ましい炭素数は3〜30、さらに好ましくは6〜30である。
また、R12及びR13は、芳香族骨格を有することが好ましく、ヘテロ原子を含有してもよいアリール基が好ましい。
12及びR13において、これらアリール基の芳香族骨格に前記したヘテロ原子を含有しても良い炭化水素基の置換位置としては、R12及びR13中の芳香族骨格のうち、リンに結合した炭素に対してオルト位が好ましい。このようにすることによって、R12及びR13中のヘテロ原子がMと相互作用を持つように空間的配置をとることができる。
ヘテロ原子を含有しても良い炭化水素基は、炭素数1〜10の炭化水素基、酸素を有する炭素数1〜10のアルコキシ基またはアリーロキシ基である。
炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基があげられ、その中で、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、シクロヘキシル基が好ましく、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基がさらに好ましい。
酸素を有する炭素数1〜10のアルコキシ基やアリーロキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基が好ましく、メトキシ基、フェノキシ基が好ましい。
好ましいR12及びR13の具体的な例示として、2−メチルフェニル基、2,6−ジメチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2,6−ジエチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2,6−ジ(イソプロピル)フェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2,6−ジ(シクロヘキシル)フェニル基、2−メトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、2,6−ジフェノキシ基などが挙げられる。
これらのうち、好ましいものとしては、2−メチルフェニル基、2−エチルフェニル基、2−イソプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、2,6−ジフェノキシ基が挙げられる。
特に好ましいものとしては、2−イソプロピルフェニル基、2−シクロヘキシルフェニル基、2−メトキシフェニル基、2,6−ジメトキシフェニル基、2−フェノキシフェニル基、2,6−ジフェノキシ基が挙げられる。
一般式(E)中、R14〜R17は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM’、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM’、POM’、POM’’、P(O)(ORM’またはエポキシ含有基を表す(ここで、Rは、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、Rは、水素原子または炭素数1〜20の炭化水素基を表し、M’は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウムを表し、M’’はアルカリ土類金属を表し、xは0〜3の整数を表し、yは0〜2の整数を表す。)。
これらのうち、好ましいものとしては、水素原子、フッ素原子、クロロ原子、ブロモ原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、ニトリル基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリメチルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基、スルフォン酸ナトリウム、スルフォン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウムなどが挙げられ、特に好ましいものとしては、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基、フェニル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロフェニル基、トリメチルシリル基、ジメチルフェニルシリル基、メチルジフェニルシリル基、トリフェニルシリル基、メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、2−メチルフェノキシ基、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリメチルシロキシ基、トリメトキシシロキシ基などが挙げられる。
錯体(E)の合成方法
本実施形態の製造方法に好適に用いられるホスフィン−スルホナート錯体(E)(以下、「錯体(E)」ともいう。)は、下記一般式(F)及び/または(G)で示される化合物と後述する遷移金属錯体成分(H)との反応によって、得ることができる。
[式(F)又は(G)中、Zは、水素原子または脱離基を表し、mは、Zの価数を表す。R12、R13、R14、R15、R16及びR17は、上記一般式(E)の説明と同様である。]
一般式(F)中、Zは、水素原子、または脱離基であるが、具体的には、水素原子、RSO基(ここでRは、前記したとおりである。)、CFSO基などを挙げることができる。
一般式(G)は、アニオンの形で表されているが、そのカウンターカチオンは、遷移金属錯体(H)との反応を阻害しない限りにおいて、任意のものを用いることができる。カウンターカチオンとしては、具体的には、アンモニウム、4級アンモニウムまたはホスフォニウム、周期律表1族〜14族の金属イオンが挙げられる。これらのうち好ましくは、NH 、R +(ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい)、R +(ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい)、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Al3+であり、さらに好ましくは、R (ここでRは、前記したとおりであり、4つのRは、同じでも異なっていてもよい)、Li、Na、Kである。
一般式(F)及び(G)で示される物質については、公知の合成法に基づいて合成することができる。錯体(E)は、前記一般式(F)または(G)で表される化合物と、金属Mを含む遷移金属錯体成分(H)との反応生成物に含まれる。
本実施形態の製造方法で用いられる遷移金属錯体成分(H)については、一般式(F)または(G)で示される化合物と反応して、重合能を有する錯体を形成可能なものが使用される。これらは、プリカーサー(前駆体)とも呼ばれることがある。
遷移金属錯体成分(H)は、例えば、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、硫酸パラジウム、酢酸パラジウム、ビス(アリルパラジウムクロライド)、塩化パラジウム、臭化パラジウム、(シクロオクタジエン)パラジウム(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ビス(シクロオクタジエン)ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル(メチル)クロライド、ジメチル(テトラメチルエチレンジアミン)ニッケル、(シクロオクタジエン)ニッケル(メチル)クロライドなどを使用して合成する。
錯形成反応は、α−オレフィンとの共重合に使用する反応器中で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。錯形成後に、金属錯体を単離抽出して触媒に用いてもよいし、単離せずに触媒に用いてもよい。更に、後述する多孔質担体の存在下実施することも可能である。
本実施形態の製造方法に用いられる触媒組成物は、一種類を単独で用いてもよいし、複数種の触媒組成物を併用してもよい。特に、分子量分布やコモノマー含量分布を広げる目的には、こうした複数種の触媒組成物の併用が有用である。
(III)重合反応
本実施形態の製造方法では、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとから、後期遷移金属錯体触媒を用いて、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する工程を含む。
後期遷移金属錯体触媒としては、錯体(A)や錯体(E)を、重合または共重合の触媒成分として好適に使用することができる。前記したように、錯体(A)は、一般式(B)または(C)で示される化合物と遷移金属錯体成分(D)との反応によって、形成させることができる。また、錯体(E)は、一般式(F)または(G)で示される化合物と遷移金属錯体成分(H)との反応によって、形成させることができる。
錯体(A)や錯体(E)を触媒成分に用いる場合、単離したものを用いてもよいし、担体に担持したものを用いてもよい。こうした担持α−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器中で、これらのモノマーの存在下または非存在下で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。
使用可能な担体としては、本発明の主旨をそこなわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。一般に、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。
具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−MgO、SiO−Cr等の混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。
これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
担体と用いられる無機ケイ酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土等が使用可能である。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。
粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。
合成品としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。これら具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロサイト、ハロサイト等のハロサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられる。
これらの担体は、そのまま用いてもよいが、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理および/または、LiCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、LiSO、MgSO、ZnSO、Ti(SO、Zr(SO、Al(SO等の塩類処理を行ってもよい。該処理において、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。また粉砕や造粒等の形状制御や乾燥処理を行ってもよい。
重合反応は、例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶媒や液化α−オレフィン等の液体、また、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルミアミド、アセトニトリル、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のような極性溶媒の存在下あるいは非存在下に行うことができる。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。さらに、イオン液体も溶媒として使用可能である。なお、高い重合活性や高い分子量を得るうえでは、上述の炭化水素溶媒やイオン液体がより好ましい。
重合反応は、公知の添加剤の存在下または非存在下で行うことができる。添加剤としては、ラジカル重合を禁止する重合禁止剤や、生成共重合体を安定化する作用を有する添加剤が好ましい。例えば、キノン誘導体やヒンダードフェノール誘導体などが好ましい添加剤の例として挙げられる。具体的には、モノメチルエーテルハイドロキノンや、2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノール(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。
また、添加剤として、無機およびまたは有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で重合を行っても良い。さらに、Lやイオン液体を添加剤として用いてもよい。
また、好ましい添加剤として、ルイス塩基が挙げられる。適切なルイス塩基を選択することにより、活性、分子量、アクリル酸エステルの共重合性を改良することができる。ルイス塩基の量としては、重合系内に存在する触媒成分中の遷移金属Mに対して、0.0001当量〜1000当量、好ましくは0.1当量〜100当量、さらに好ましくは、0.3当量〜30当量である。ルイス塩基を重合系に添加する方法については、特に制限はなく、任意の手法を用いることができる。例えば、上記の触媒成分と混合して添加してもよいし、モノマーと混合して添加してもよいし、触媒成分やモノマーとは独立に重合系に添加してもよい。また、複数のルイス塩基を併用してもよい。また、本発明に係るL1と同じルイス塩基を用いてもよいし、異なっていてもよい。
ルイス塩基としては、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル類、アリールニトリル類、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、フォスフェート類、フォスファイト類、チオフェン類、チアンスレン類、チアゾール類、オキサゾール類、モルフォリン類、環状不飽和炭化水素類などが挙げられる。これらのうち、特に好ましいルイス塩基は、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類であり、なかでも好ましいルイス塩基は、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピペリジン誘導体、イミダゾール誘導体、アニリン誘導体、ピペリジン誘導体、トリアジン誘導体、ピロール誘導体、フラン誘導体である。
具体的なルイス塩基化合物としては、ピリジン、ペンタフルオロピリジン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、3,5−ルチジン、ピリミジン、N、N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、2,2′−ビピリジン、アニリン、ピペリジン、1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−s−トリアジン、キノリン、8−メチルキノリン、フェナジン、1,10−フェナンスロリン、N−メチルピロール、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]−オクタン、トリエチルアミン、ベンゾニトリル、ピコリン、トリフェニルアミン、N−メチル−2−ピロリドン、4−メチルモルフォリン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、フラン、2,5−ジメチルフラン、ジベンゾフラン、キサンテン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、ジベンゾチオフェン、チアンスレン、トリフェニルフォスフォニウムシクロペンタジエニド、トリフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスフェート、トリピロリジノフォスフィン、トリス(ピロリジノ)ボランなどが挙げられる。
本実施形態において、重合形式は特に限定されない。例えば、媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、または、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などを用いることができる。また、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの形式でもよい。また、リビング重合であってもよいし、連鎖移動を併発しながら重合を行ってもよい。さらに、いわゆるchain transfer agent(CSA)を併用し、chain shuttlingや、coordinative chain transfer polymerization(CCTP)を行ってもよい。
未反応モノマーや媒体は、生成共重合体から分離し、リサイクルして使用してもよい。リサイクルの際、これらのモノマーや媒体は、精製して再使用してもよいし、精製せずに再使用してもよい。生成共重合体と未反応モノマーおよび媒体との分離には、従来公知の方法が使用できる。例えば、濾過、遠心分離、溶媒抽出、貧溶媒を使用した再沈などの方法が使用できる。
重合温度、重合圧力および重合時間は、特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行うことができる。すなわち、重合温度は、通常−20℃〜290℃、好ましくは0℃〜250℃、共重合圧力は、0.1MPa〜300MPa、好ましくは、0.3MPa〜250MPa、重合時間は、0.1分〜10時間、好ましくは、0.5分〜7時間、さらに好ましくは1分〜6時間の範囲から選ぶことができる。
重合反応は、一般な不活性ガス雰囲気下で行うことができる。例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
重合反応器への触媒とモノマーの供給に関しても特に制限はなく、目的に応じてさまざまな供給法をとることができる。たとえばバッチ重合の場合、あらかじめ所定量のモノマーを重合反応器に供給しておき、そこに触媒を供給する手法をとることが可能である。この場合、追加のモノマーや追加の触媒を重合反応器に供給してもよい。また、連続重合の場合、所定量のモノマーと触媒を重合反応器に連続的に、または間歇的に供給し、重合反応を連続的に行う手法をとることができる。
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して共重合組成を制御する方法が挙げられる。
重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。すなわち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中のリガンド構造の制御により分子量を制御する等が挙げられる。連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。
また、(メタ)アクリル酸エステル成分自身が一種の連鎖移動剤となる場合には、(メタ)アクリル酸エステル成分のエチレン成分に対する比率や、(メタ)アクリル酸エステル成分の濃度を制御することによっても、分子量調節が可能である。遷移金属錯体中のリガンド構造を制御して、分子量調節を行う場合には、前記したR、RやR12、R13中のヘテロ原子含有基の種類、数、配置を制御したり、金属Mのまわりに嵩高い置換基を配置したりすることによって、一般に分子量が向上する傾向を利用することができる。なお、金属Mに対して、アリール基やヘテロ原子含有置換基などの電子供与性基が相互作用可能となるように電子供与性基を配置することが好ましい。こうした電子供与性基が金属Mと相互作用可能であるかどうかは、一般に、分子模型や分子軌道計算で電子供与性基と金属Mとの距離を測定することによって判断できる。
(2)エチレン/不飽和カルボン酸エステルの加熱工程
本実施形態の製造方法は、工程(2)として、前記工程によりエチレン/不飽和カルボン酸エステルを製造した後、得られたエチレン/不飽和カルボン酸エステルを加熱することにより、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体に変換する工程を含む。
エチレン/不飽和カルボン酸エステルを加熱処理する温度は、エステル基がカルボン酸基に変換可能な反応温度であれば、特に限定されない。反応温度が低すぎる場合はエステル基がカルボン酸基に変換されず、高すぎる場合には脱カルボニル化や共重合体の分解が進むので好ましくない。例えば、反応温度は、好ましくは150℃以上350℃以下の範囲、より好ましくは180℃以上300℃以下の範囲、さらに好ましくは190℃以上270℃以下の範囲である。
反応時間は反応温度やエステル部分の反応性等により変わるが、通常1分〜10時間であり、より好ましくは2分〜5時間であり、更に好ましくは2分〜3時間である。反応方法に用いる反応器としては、特に制限は無いが、共重合体を実質的に均一に攪拌できる方法であれば何ら限定されず、攪拌器を装備したガラス容器やACを用いても良いし、ブラベンダープラストグラフ、一軸あるいは二軸押出機、強力スクリュー型混練機、バンバリーミキサー、ニーダー、ロール等の従来知られているいかなる混練機も使用することができる。
反応雰囲気は特に制限はないが、一般に不活性ガス気流下で行われるほうが好ましい。不活性ガスの例としては、窒素、アルゴン、二酸化炭素雰囲気が使用でき、なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
工程(2)により得られたエチレン/不飽和カルボン酸共重合体は、構成モノマーとして、エチレンと不飽和カルボン酸とを少なくとも含む。ここで、不飽和カルボン酸としては、上記したエチレン/不飽和カルボン酸エステルの構成モノマーである不飽和カルボン酸エステルのエステル基をカルボン酸基に置換したものが挙げられる。不飽和カルボン酸としては、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。
さらに、本発明の目的から逸脱しない範囲において、上記エチレン/不飽和カルボン酸エステルまたは上記エチレン/不飽和カルボン酸共重合体は、酸化防止剤、耐光安定剤、紫外線吸収剤、金属石鹸、塩酸吸収剤などの安定剤、造核剤、滑剤、帯電防止剤、アンチブロッキング剤などの添加剤を含有してもよい。添加剤としては、具体的には、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(BHT)、テトラキス(メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート)メタン(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1010」)やn−オクタデシル−3−(4‘−ヒドロキシ−3,5’−ジ−t−ブチルフェニル)プロピオナート(BASF社製商品名「IRGANOX 1076」)で代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスルトールジホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤、高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルで代表される滑剤、炭素原子数8〜22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどの帯電防止剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表されるブロッキング剤などが挙げられる。
以下の実施例および比較例において本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
以下の合成例で、とくに断りのない限り、操作は精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水・脱酸素したものを用いた。
1.溶媒、モノマー、及び窒素の調整
・精製窒素は、窒素雰囲気下で焼成したモレキュラーシーブ4A(MS4A)を使用して脱水したものを用いた。エチレンやトルエンは、窒素雰囲気下で焼成したMS4Aを使用して脱水したものを用いた。
・アクリル酸t−ブチル(tBA)(Wako純薬株式会社製)は、Inhibitor Remover(Aldrich社製)で処理したものを用いた。
2.各分析方法
(1)GPC分析(Mw/Mn):
測定条件(高温SEC)
装置:GPCV2000(Waters社製)
検出器:RI(示差屈折計)
移動相:ODCB(135℃)
流量:1.0mL/分
注入量:0.05wt%×524.5μL
カラム:東ソーTSKgel GMH−HT(30cm×4)
試料は、高温GPC用前処理装置PL−SP260VS中でBHT添加(0.5g/L)したODCBに溶解(溶解温度135℃)し、グラスフィルターにてろ過後測定した。
較正法(135℃,ODCB中のPEの換算分子量):
PEとしての較正曲線は、標準PSTの保持時間から汎用校正曲線法により算出した。
用いた数値は、KPST=1.38E−4、αPST=0.70、KPE=4.77E−4、αPE=0.70である。
較正曲線の近似式は3次式を用いた。
(2)DSC分析(Tm):
HP社製DSC(示差走査熱量測定装置)を用いて測定した。測定は窒素雰囲気下、以下の表1に示す温度パターンで行った。
(3)IR分析:
熱プレスによってシートにしたサンプルをIR測定することでコモノマー含量を求めた。
その際、1)EtBAの場合は1,740cm−1/730−720cm−1の面積比を、2)EAAの場合は1,710cm−1/730−720cm−1の面積比を、以下の式を用いて換算した値である。
[RA]=1.3503(面積比)−0.2208
3.各評価方法
(1)MFR:
JIS K7210に準拠し、190℃、2.16kgで測定した。
(2)引張降伏応力:
JIS K71612に準拠して測定した値であり、試験片をJIS K6922−2(1997)表2の条件で作成した厚さ4mmで圧縮成形シートから1B多目的試験片形状に切出し、23℃の測定環境で、引張速度50mm/minで測定した値である。
(3)引張破断応力:
JIS K7162に準拠して測定した値である。
(4)引張破断伸び:
JIS K7162に準拠して測定した値である。
4.配位子及び触媒調整方法:
触媒(A)及び触媒(B)は国際公開第2010/050256号に従って調整した。以下に具体的な調製を説明する。
触媒(A):ビス−(1,5−シクロオクタジエン)ニッケル(0)(Ni(COD)、関東化学株式会社製)(40.0mg,145μmol)をトルエン(14.5mL)に溶解させ、その溶液(10μmol/mL,10mL)を2−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル−6−(ペンタフルオロフェニル)フェノール(56.4mg,99.9μmol)に添加した後、40℃で90分間攪拌することにより調製した。
触媒(B):2−ビス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスファニル−6−t−ブチルフェノール(1.394g,3.07mmol)をトルエン(24.5mL)で溶解した。その溶液(24.0mL,3.00mmol)をNi(COD)(0.8248g,3.00mmol)のトルエン(24.0mL)に添加し、45℃で1時間攪拌した。減圧下の溶媒除去後、得られた残渣をトルエン(38.3mL)で溶解させることで、触媒(B)のトルエン溶液を調整した(78.3μmol/mL)。
(実施例1)
[エチレン/アクリル酸t−ブチル共重合体(EtBA)(1)の製造方法]
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブ内に、トルエン(1,000mL)、アクリル酸t−ブチル(tBA)(6.0mL,41mmol)を入れ、65℃位まで昇温した時に、上記触媒(A)トルエン溶液(20μmol/mL,4.0mL,80μmol)を導入し、70℃で3.0MPaに保つようにエチレンを追加しながら1時間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応エチレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放して、濾過及び洗浄後、18gの共重合体が得られた。得られた共重合体を分析した結果、Mw=170k、Mw/Mn=2.0、tBA単位の含有量:[tBA]=1.1mol%であった。
[エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)(1)の製造]
上記で製造したEtBA(1)(10g)をフラスコに入れ、フラスコ内を精製CE窒素で置換し後、260℃のオイルバスで2時間加熱した。室温まで冷却し、共重合体を沸騰キシレンで膨潤させた後、フラスコから取り出した。膨潤した共重合体を乾燥することで、エチレン/アクリル酸共重合体(EAA)(10g)を得た。
アクリル酸単位の含有量:[AA]=1.1mol%、
−3.74×[AA]+113.5=109.4<融点(Tm)=114℃<−3.74X[AA]+130=125.9であり、式(I)を満たすものであった。得られた共重合体を分析した結果、Mw=170k、Mw/Mn=2.0であった。
得られた共重合体の各分析結果を表2に示す。
(実施例2)
[共重合体 EtBA(2)の製造方法]
内容積2Lの誘導攪拌式オートクレーブ内に、トルエン(1,000mL)、tBA(8.0 mL,54.9mmol)を入れ、65℃位まで昇温した時に、上記触媒(B)トルエン溶液(5.0mL,392μmol)を導入し、70℃で2.0MPaに保つようにエチレンを追加しながら1時間攪拌を継続した。攪拌終了後、未反応エチレンをパージして重合を停止した。オートクレーブを開放して、濾過及び洗浄後、16.4 gの共重合体が得られた。得られた共重合体を分析した結果、Mw=97k、Mw/Mn=1.9、[tBA]=2.5mol%であった。
[EAA(2)の製造]
上記で製造したEtBA(2)(10g)をフラスコに入れ、フラスコ内を精製CE窒素で置換し後、260℃のオイルバスで2時間加熱した。室温まで冷却し、共重合体を沸騰キシレンで膨潤させた後、フラスコから取り出した。膨潤した共重合体を乾燥することで、EAA(10g)を得た。
[AA]=2.5mol%、
−3.74×[AA]+113.5=104.2<融点(Tm)=108℃<−3.74×[AA]+130=120.7であり、式(I)を満たすものであった。得られた共重合体を分析した結果、
Mw=97k、Mw/Mn=1.9であった。
得られた共重合体の各分析結果、評価結果を表2、3に示す。
(比較例1)
エチレン−アクリル酸共重合体として、高圧ラジカル重合法により製造されたエチレン−アクリル酸共重合体である、ダウ社製PRIMACOR(登録商標)1321を用いて、評価した。
[AA]=2.6mol%、
−3.74×[AA]+113.5=103.8>融点(Tm)=103℃であり、式(I)を満たさないものであった。
各分析結果、評価結果を表2、3に示す。
(評価結果)
表2、3に示されるように、本発明の製造方法により製造されたエチレン/アクリル酸共重合体(実施例1、2)は、従来のラジカル重合法により製造されたエチレン/アクリル酸共重合体(比較例1)よりも高い耐熱性及び優れた機械的強度を有する。
本発明の製造方法により得られるエチレン/不飽和カルボン酸共重合体、特にエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、この共重合体の極性基にもとづく効果により、良好な塗装性、印刷性、帯電防止性、無機フィラー分散性、他樹脂との接着性、他樹脂との相溶化能などが発現する。こうした性質を利用して、本発明のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体は、さまざまな用途に使用することができ、例えば、フィルム、シート、接着性樹脂、バインダー、相溶化剤、ワックスなどとして好適に使用することができる。

Claims (10)

  1. エチレンに由来する構造単位と、不飽和カルボン酸に由来する構造単位が、ランダムかつ直線状に共重合してなるエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法であって、エチレンと不飽和カルボン酸エステルとから、後期遷移金属錯体触媒を用いて、エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を製造する工程および、前記エチレン/不飽和カルボン酸エステル共重合体を、エステル基をカルボン酸基に変換可能な温度で加熱し、前記エチレン/不飽和カルボン酸共重合体に変換する工程を含む、エチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法。
  2. 前記不飽和カルボン酸エステルが(メタ)アクリル酸エステルであり、前記不飽和カルボン酸が(メタ)アクリル酸であることを特徴とする請求項1記載のエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法。
  3. 前記加熱の温度が、150〜350℃であることを特徴とする請求項1又は2記載のエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法。
  4. 前記後期遷移金属錯体触媒が、下記式(2)で示される後期遷移金属錯体を含む触媒であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法。
    (Ligand)MRL・・・(2)
    [式(2)中、Mは、9〜11族の遷移金属を示す。Ligandは、酸素原子、窒素原子、リン原子、ヒ素原子、硫黄原子及び炭素原子よりなる群から選ばれる何れかの原子で中心金属であるMにキレート配位する配位子を示す。Rは、Mとσ結合を形成する配位子を示す。Lは、Mに配位したリガンドを示す。]
  5. 前記後期遷移金属錯体が、ホスフィン−フェノラート錯体、または、ホスフィン−スルホナート錯体であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法。
  6. 前記不飽和カルボン酸エステルが(メタ)アクリル酸エステルであり、前記(メタ)アクリル酸エステルのアルコール部分が3級アルコールであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のエチレン/不飽和カルボン酸共重合体の製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするエチレン/不飽和カルボン酸共重合体。
  8. 請求項1〜6のいずれかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体。
  9. エチレン単位を99.9〜80.0mol%および(メタ)アクリル酸単位を0.1〜20.0mol%含み、下記の(a)〜(c)の特徴を有するエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体。
    (a)GPCで測定した重量平均分子量(Mw)が20,000以上かつ1,000,000未満である。
    (b)GPCで測定した重量平均分子量/数平均分子量(Mw/Mn)が1.7以上20以下である。
    (c)DSC(示差走査型熱量計)を用いた測定により観測される前記共重合体の融点(Tm、℃)と前記共重合体中に含まれる(メタ)アクリル酸単位の含有量(AA、mol%)とが下記の式(I)を満たす。
    −3.74×AA+113.5<Tm<−3.74×AA+130・・・(I)
  10. 前記融点(Tm)が80〜128℃であることを特徴とする請求項9に記載のエチレン/(メタ)アクリル酸共重合体。
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