JP5232718B2 - 新規な金属錯体を含む重合触媒成分およびそれを用いたα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法 - Google Patents

新規な金属錯体を含む重合触媒成分およびそれを用いたα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法 Download PDF

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本発明は、新規な金属錯体を含む重合触媒成分、およびそれを用いたα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法に関し、さらに詳しくは、分岐が少なく結晶性を有するα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造に適した新規な触媒成分、およびそれを用いたα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法に関する。
エチレンと極性基含有ビニルモノマーである酢酸ビニルや(メタ)アクリル酸エステルとを高温高圧のラジカル重合で共重合する方法はよく知られている。しかしながら、この方法では、多数の分岐生成により結晶性の低い共重合体となるため、得られた共重合体の強度が低いという欠点がある。
また、Brookhartらは、α−ジイミン配位子を用いたパラジウム錯体を触媒として、エチレンとアクリル酸エステルの共重合体が製造できることを報告している。しかしながら、得られた共重合体は分岐構造に富むものであり、分岐は、メチル基、エチル基をはじめ、種々の炭素数であって、かつ、分岐の数も非常に多く、結果として、得られた共重合体は結晶性の低いものであった(例えば、非特許文献1参照)。
リンと酸素を配位原子として有するリガンドを用いたニッケル触媒で、いわゆるSHOP系触媒と呼ばれる触媒を用いると、極性溶媒中でエチレン重合が可能であり、分岐の少ない直鎖状重合体が得られることが知られている。SHOP系触媒のこうした極性基耐性に期待し、SHOP系触媒を用いたエチレンと極性モノマーの共重合が試みられている。
しかしながら、エチレンとの共重合が進行するのは、極性モノマー中の極性基がオレフィンから離れている場合に限られることが報告されており、極性基がオレフィンに直接結合している(メタ)アクリル酸エステルとα−オレフィンとの共重合例は報告されていない(例えば、非特許文献2および特許文献1参照)。なお、例外的に、GibsonらはSHOP系のニッケル錯体を用いてエチレンとメタクリル酸メチルの共重合を行っているが(例えば、非特許文献8参照)、触媒構成成分として、ビスシクロオクタジエンニッケル(Ni(COD))がフォスフィンスカベンジャーとして必要であり、かつ、メタクリル酸メチルは重合体の末端のみに存在し、末端以外の主鎖中には取り込まれていない。
一方、同様のSHOP系のニッケル(0価)キレート錯体とアルミノキサンの組み合わせからなる触媒で、エチレンと不飽和カルボン酸エステルの共重合を行う方法が開示されている(例えば、特許文献2参照)。ただ、本特許文献の実施例においては、エチレンとアクリル酸メチルの共重合例が記載されているが、非晶性重合体が副生するため、該非晶性重合体をアセトン抽出にて除去する必要があった。また、得られた共重合体については、アクリル酸メチル含量に関する記載があるのみで、その他、構造に関する記載はない。
Pughら(例えば、非特許文献5参照)、野崎ら(例えば、非特許文献6参照)、Goodallら(例えば、特許文献3参照)は、フォスフィノスルホン酸配位子を有するパラジウム錯体を触媒として用いることにより、エチレンとアクリル酸メチルの共重合体が得られることを報告している。しかしながら、これらの公知文献で用いられている触媒は、希少な資源であり、かつ、高価なパラジウムを用いているため、工業的な応用には問題が大きい。
米国特許第4,698,403号明細書 特開昭64−14217号公報 米国特許出願公開第2007/0049712号明細書
S.Mecking et al.,J.Am.Chem.Soc.,1998,120,888. S.D.Ittel et al.,Chem.Rev.,2000,100,1169. P.Braunstein et al.,J.Organomet.Chem.,1989,367,117. S.E.Bauaoud et al.,Inorg.Chem.,1986,25,3765. E.Drent et al.,Chem.Commun.,2002,744. T.Kochi et al.,DaltonTrans.,2006,25. U.Klabunde et al.,J.Polym.Sci.:Part A:Polym.Chem.,1987,25,1989. V.C.Gibson,Chem.Commun.,2001,1964.
かかる状況において、上述のように、オレフィンとアクリル酸エステルを共重合する有用な遷移金属触媒技術の開発が求められているが、活性、分子量、およびコモノマー含量レベルは充分ではない。このため、その活性、オレフィン重合体やオレフィン・アクリル酸エステル共重合体の分子量およびコモノマー含量を向上させる技術についても開発が求められている。
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、分岐が少なく結晶性を有するα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造に適した新規な触媒成分、およびそれを用いたα−オレフィン重合体またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アリール基を母核とする特定の構造を有するリガンドを用いた新規な遷移金属錯体を調製し、その遷移金属錯体とルイス塩基とを含むオレフィン重合触媒成分を用いて、α−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に行うと、(共)重合活性が向上し、分子量やコモノマー含量が向上した(共)重合体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、下記一般式(D)で表される金属錯体およびルイス塩基を含むことを特徴とするオレフィン重合触媒成分が提供される。
Figure 0005232718
[式中、Mは、ニッケルまたはパラジウムを表す。Rは、水素または炭素数1ないし20のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。LはMに配位したリガンドを表す。また、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。Xは酸素または硫黄を表す。Eはリン、砒素またはアンチモンを表す。Rは、それぞれ独立に、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有する炭化水素基である。R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、CO 、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SO 、PO PO またはエポキシ含有基を表す。ここで、Rは水素または炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。また、Rは炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。 は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはフォスフォニウムを表し、 ’は、アルカリ土類金属を表し、xは0から3までの整数、yは0から2までの整数を表す。なお、R、R10、R11、R12、R13から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、または酸素、窒素若しくは硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。このとき、環員数は5〜8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。]
また、本発明の第の発明によれば、第1の発明において、前記一般式(D)で表される金属錯体は、下記一般式(A)および/または(B)で表される化合物と、ニッケルまたはパラジウムを含む遷移金属錯体(C)を接触させることにより得られることを特徴とするオレフィン重合触媒成分が提供される。
Figure 0005232718
[式中、Zは、水素、または脱離基である。mはZの価数を表す。X、E、R、R10、R11、R12、R13は前記した通りである。]
本発明のオレフィン重合触媒成分によれば、重合活性が向上し、工業的に容易に入手可能な(メタ)アクリル酸エステルとα−オレフィンとの共重合体が製造可能となり、かつ、得られた共重合体の分子量やコモノマー含量が向上した。また、共重合体だけでなく、α−オレフィン重合体においても分子量が向上した。一般にポリマーの物性において分子量は支配的要因の一つであり、分子量を上げることによって、ポリマー鎖間の相互作用が強まるため、本発明で得られた重合体や共重合体は、機械的・熱的物性に優れ、有用な成形体として応用可能である。さらに、本発明においては、希少かつ高価なパラジウムの代わりに、ニッケルを金属中心とした触媒を使用することができる。このように、本発明は、かかるα−オレフィン重合体やα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の新規な製造法を提供するものであるので、工業的にきわめて有用である。
本発明は、アリール基を母核とする特定の構造を有するリガンドを用いた新規な遷移金属錯体およびルイス塩基を含むオレフィン重合触媒成分、およびその触媒成分の存在下に行うα−オレフィン重合体の製造方法またはα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の製造方法である。以下、重合体の構成モノマー、触媒成分、金属錯体の製造方法、重合反応等について詳細に説明する。
なお、以下の説明において、「重合」という用語は、1種類のモノマーの単独重合と複数種のモノマーの共重合を総称するものであり、特に両者を区別する必要がない場合には、総称して単に「重合」と記載する。
1.重合体の構成モノマー
(a)α−オレフィン
本発明におけるα−オレフィン(以下、(a)成分と略称することもある。)は、一般式CH=CHRで表される。ここで、Rは水素または炭素数1〜20の炭化水素基であり、分岐、環、および/または不飽和結合を有していてもよい。Rの炭素数が20より大きいと十分な重合活性が発現しない傾向がある。このため、なかでも、好ましい(a)成分としては、Rが水素または炭素数1〜10の炭化水素基であるα−オレフィンが挙げられる。
さらに好ましい(a)成分としては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、ビニルシクロヘキセン、スチレンが挙げられる。なお、単独の(a)成分を使用してもよいし、複数の(a)成分を併用してもよい。
(b)(メタ)アクリル酸エステル
本発明における(メタ)アクリル酸エステル(以下、(b)成分と略称することもある。)は、一般式CH=C(R)CO(R)で表される。ここで、Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基であり、分岐、環、および/または不飽和結合を有していてもよい。Rは炭素数1〜30の炭化水素基であり、分岐、環、および/または不飽和結合を有していてもよい。さらに、R内の任意の位置にヘテロ原子を含有していてもよい。
の炭素数が11以上であると、十分な重合活性が発現しない傾向がある。したがって、Rは水素または炭素数1〜10の炭化水素基であるが、好ましい(b)成分としては、Rが水素または炭素数1〜5の炭化水素基である(メタ)アクリル酸エステルが挙げられる。より好ましい(b)成分としては、Rがメチル基であるメタクリル酸エステルまたはRが水素であるアクリル酸エステルが挙げられる。同様に、Rの炭素数が30を超えると重合活性が低下する傾向がある。よって、Rの炭素数は1〜30であるが、Rは、好ましくは炭素数1〜12であり、さらに好ましくは炭素数1〜8である。
また、R内に含まれていても良いヘテロ原子としては、酸素、硫黄、セレン、リン、窒素、ケイ素、フッ素、ホウ素等が挙げられる。これらのヘテロ原子のうち、酸素、ケイ素、フッ素が好ましく、酸素が更に好ましい。また、Rはヘテロ原子を含まないものも好ましい。
さらに好ましい(b)成分としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸−2−アミノエチル、(メタ)アクリル酸−2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−メトキシプロピル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチル、(メタ)アクリル酸−2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジメチルアミド、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル等が挙げられる。なお、単独の(b)成分を使用してもよいし、複数の(b)成分を併用してもよい。
2.金属錯体
本発明の重合触媒成分を構成する遷移金属錯体は、下記一般式(D)で表される。
Figure 0005232718
ここで、Mは周期律表の9族、10族または11族に属する遷移金属を表す。Rは、水素または炭素数1ないし20のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。LはMに配位したリガンドを表す。また、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。Xは酸素または硫黄を表す。Eはリン、砒素またはアンチモンを表す。Rは、それぞれ独立に、水素または炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基である。R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、COM´、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SOM´、POM´、P(O)(ORM´またはエポキシ含有基を表す。ここで、Rは水素または炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。また、Rは炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。M´は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはフォスフォニウムを表し、xは0から3までの整数、yは0から2までの整数を表す。なお、R、R10、R11、R12、R13から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、または酸素、窒素、硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。このとき、環員数は5〜8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。
本発明において、Mは周期律表の9族、10族または11族に属する遷移金属であるが、好ましくは、10族のニッケル、パラジウムまたは白金、9族のコバルトまたはロジウム、および11族の銅であり、さらに好ましくは、10族のニッケル、パラジウムまたは白金であり、最も好ましくは10族のニッケルまたはパラジウムである。
Mの価数については2価が好ましい。ここでMの価数とは、有機金属化学で用いられる形式酸化数(formal oxidation number)を意味する。すなわち、ある元素が関与する結合中の電子対を電気陰性度の大きい元素に割り当てたとき、その元素の原子上に残る電荷の数を指す。
例えば、本発明の一般式(D)において、Eがリン、Xが酸素、Mがニッケル、Rがフェニル基、Lがピリジンであり、ニッケルがリン、酸素、フェニル基の炭素、ピリジンの窒素と結合を形成している場合、ニッケルの形式酸化数、すなわちニッケルの価数は2価となる。なぜならば、上述の定義に基づき、これらの結合において、電子対はニッケルよりも電気陰性度の大きいリン、酸素、炭素、窒素に割り当てられ、電荷はリンが0、酸素が−1、フェニル基が−1、ピリジンが0で、錯体は全体として電気的に中性であるため、ニッケル上に残る電荷は+2となるからである。
2価の遷移金属としては、例えばニッケル(II)、パラジウム(II)、白金(II)またはコバルト(II)が好ましく、2価以外では、銅(I)またはロジウム(III)も好ましい。
本発明において、Rは、水素または炭素数1ないし20のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。本発明における重合または共重合反応は、MとRとの結合に本発明における(a)成分または(b)成分が挿入することによって開始されると考えられる。したがって、Rの炭素数が過度に多いと、この開始反応が阻害される傾向にある。このため、好ましいRとしては、炭素数1〜16、さらに好ましくは炭素数1〜10である。
の具体的な例としては、ヒドリド基、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、n−デシル基、n−ドデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、p−メチルフェニル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリフェニルシリル基等を挙げることができる。
本発明において、LはMに配位したリガンドを表す。本発明におけるリガンドLは、配位結合可能な原子として、酸素、窒素、硫黄を有する炭素数1〜20の炭化水素化合物である。また、Lとして、遷移金属に配位可能な炭素−炭素不飽和結合を有する炭化水素化合物(ヘテロ原子を含有していてもよい)も使用することができる。好ましくは、Lの炭素数は1〜16であり、さらに好ましくは1〜10である。また一般式(D)中のMと配位結合するLとしては、電荷を持たない化合物が好ましい。
はMと配位結合を形成するが、本発明においては、(a)成分の重合や(a)成分と(b)成分の共重合を進行させるために、LをMから取り除く化合物(スカベンジャー)を使用する必要がない。
なお、いわゆるSHOP系金属錯体においては、本発明におけるLの代わりに、フォスフィン、たとえば、トリメチルフォスフィンやトリフェニルフォスフィンを用いても、本発明と類似の錯体を合成することができる。しかしながら、こうしたリガンドを用いた場合には、該リガンドをMから取り除くスカベンジャーを併用することが、オレフィンの重合能発現のために必須であることが知られている(非特許文献7)。このような目的のために用いられるスカベンジャーとしては、Ni(COD)(COD:シクロオクタジエン)、B(C、アルミノキサン類、ロジウム錯体などが知られている。
本発明における好ましいLとしては、ピリジン類、ピペリジン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル誘導体、アリールニトリル誘導体、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、アミン類、環状不飽和炭化水素類などを挙げることができる。さらに好ましいLとしては、ピリジン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、環状オレフィン類が挙げられ、特に好ましいLとして、ピリジン、ルチジン(ジメチルピリジン)、ピコリン(メチルピリジン)、RCO(RおよびRの定義は前記の通り)を挙げることができる。
なお、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。そのような例として、シクロオクタ−1−エニル基を挙げることができ、これも本発明における好ましい様態である。
本発明において、Xは酸素または硫黄を表す。これらのうち、酸素が好ましい。また、本発明において、Eはリン、砒素またはアンチモンを表す。これらのうち、リンが好ましい。
本発明において、Rは、それぞれ独立に、水素または炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基である。Rは金属Mの近傍にあって、立体的および/または電子的にMに相互作用を及ぼす。こうした効果を及ぼすためには、Rはかさ高い方が好ましい。Rの好ましい炭素数は3〜30、さらに好ましくは6〜30である。
において、へテロ原子非含有基中はアルキル基、アリール基が挙げられる。また、Rにおいて、ヘテロ原子含有基中に含まれるヘテロ原子としては、酸素、窒素、リン、硫黄、セレン、ケイ素、フッ素、ホウ素が挙げられる。これらのヘテロ原子のうち、酸素、ケイ素、フッ素が好ましい。また、これらのヘテロ原子を含むヘテロ原子含有基としては、酸素含有基として、アルコキシ基、アリーロキシ基、アシル基、アロイル基、カルボキシレート基が挙げられ、窒素含有基としては、アミノ基、アミド基が挙げられ、硫黄含有基としては、チオアルコキシ基やチオアリーロキシが挙げられ、リン含有置換基としては、フォスフィノ基が挙げられ、セレン含有基としては、セレニル基が挙げられ、ケイ素含有基としては、トリアルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基が挙げられ、フッ素含有基としては、フルオロアルキル基、フルオロアリール基が挙げられ、ホウ素含有基としては、アルキルホウ素基、アリールホウ素基が挙げられる。これらのうち、もっとも好ましいのは、アルキル基、アルコキシ基またはアリーロキシ基である。
前記したヘテロ原子非含有基に含まれる炭化水素基としては、適度な嵩高さがある基が好ましい。こうした適度な嵩高さを有する炭化水素基の例としては以下のようなものが挙げられる。すなわち、アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基であり、アリール基としては、フェニル基などが挙げられる。
前記したヘテロ原子含有基に含まれるヘテロ原子としては、遷移金属に配位可能なものが好ましい。こうした遷移金属可能なヘテロ原子を含むヘテロ原子含有基の具体的な例としては以下のようなものが挙げられる。すなわち、酸素含有基として、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、t−ブトキシ基、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、p−メトキシフェノキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、アセトキシ基、エチルカルボキシレート基、t−ブチルカルボキシレート基、フェニルカルボキシレート基などを挙げることができる。窒素含有基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ−n−プロピルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基などを挙げることができる。硫黄含有基としては、チオメトキシ基、チオエトキシ基、チオ−n−プロポキシ基、チオイソプロポキシ基、チオ−n−ブトキシ基、チオ−t−ブトキシ基、チオフェノキシ基、p−メチルチオフェノキシ基、p−メトキシチオフェノキシ基などを挙げることができる。リン含有置換基としては、ジメチルフォスフィノ基、ジエチルフォスフィノ基、ジ−n−プロピルフォスフィノ基、シクロヘキシルフォスフィノ基などを挙げることができる。セレン含有基としては、メチルセレニル基、エチルセレニル基、n−プロピルセレニル基、n−ブチルセレニル基、t−ブチルセレニル基、フェニルセレニル基などを挙げることができる。
本発明において、Rは、それぞれ独立に、水素または炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基であるが、より具体的には、水素またはヘテロ原子を含有していてもよい直鎖状炭化水素基、ヘテロ原子を含有していてもよい分岐鎖状炭化水素基、ヘテロ原子を含有していてもよい脂肪環式炭化水素基、ヘテロ原子を含有していてもよいアリール基が挙げられる。前記したように、Rはかさ高い方が好ましい。したがって、これらのうち、ヘテロ原子を含有していてもよい脂環式炭化水素基、または、ヘテロ原子を含有していてもよいアリール基が好ましく、ヘテロ原子を含有していてもよいアリール基がもっとも好ましい。こうしたアリール基としては、フェニル基、ナフチル基、アンスラセニル基などを挙げることができる。
本発明のRにおいて、これらアリール基の芳香族骨格に前記したヘテロ原子含有基が結合する場合、結合様式としては、ヘテロ原子含有基が芳香族骨格に直接結合してもよいし、メチレン基のようなスペーサーを介して芳香族骨格に結合してもよい。なお、メチレン基を介してヘテロ原子含有基が芳香族骨格に結合する場合、メチレン基の数は1個が好ましい。また、置換位置としては、R中の芳香族骨格のうち、Eに結合した炭素に対してオルト位が好ましい。このようにすることによって、R中の置換基がMと相互作用を持つように空間的配置をとることができる。
好ましいRの具体的な例示として以下のものが挙げられる。
・Eに結合した炭素に対して1つのオルト位に炭化水素置換基を有するR
2−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、4−t−ブチル−2−メチルフェニル基、1−メチル−2−ナフチル基、3−メチル−2−ナフチル基、2−エチルフェニル基、2−エチル−4−メチルフェニル基、4−t−ブチル−2−エチルフェニル基、1−エチル−2−ナフチル基、3−エチル−2−ナフチル基、2−イソプロピルフェニル基、2−イソプロピル−4−メチルフェニル基、4−t−ブチル−2−イソプロピルフェニル基、1−イソプロピル−2−ナフチル基、3−イソプロピル−2−ナフチル基、2−n−ブチルフェニル基、2−n−ブチル−4−メチルフェニル基、2−n−ブチル−4−t−ブチルフェニル基、1−n−ブチル−2−ナフチル基、3−n−ブチル−2−ナフチル基などを挙げることができる。
・Eに結合した炭素に対して2つのオルト位に炭化水素置換基を有するR
2,6−ジメチルフェニル基、2,4,6−トリメチルフェニル基、4−t−ブチル−2,4−ジメチルフェニル基、1,3−ジメチル−2−ナフチル基、2,6−ジエチルフェニル基、2,6−ジエチル−4−メチルフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジエチルフェニル基、1,3−ジエチル−2−ナフチル基、2,6−ジイソプロピルフェニル基、2,6−ジイソプロピル−4−メチルフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジイソプロピルフェニル基、1,3−ジイソプロピル−2−ナフチル基、2,6−ジ−n−ブチルフェニル基、2、6−ジ−n−ブチル−4−メチルフェニル基、2,6−ジ−n−ブチル−4−t−ブチルフェニル基、1,3−ジ−n−ブチル−2−ナフチル基などを挙げることができる。
・Eに結合した炭素に対して1つのオルト位にヘテロ原子含有置換基を有するR
2−メトキシフェニル基、2,4−ジメトキシフェニル基、4−メチル−2−メトキシフェニル基、4−t−ブチル−2−メトキシフェニル基、1−メトキシ−2−ナフチル基、3−メトキシ−2−ナフチル基、2−エトキシフェニル基、2,4−ジエトキシフェニル基、4−メチル−2−エトキシフェニル基、4−t−ブチル−2−エトキシフェニル基、1−エトキシ−2−ナフチル基、3−エトキシ−2−ナフチル基、2−フェノキシフェニル基、2,4−ジフェノキシフェニル基、4−メチル−2−フェノキシフェニル基、4−t−ブチル−2−フェノキシフェニル基、1−フェノキシ−2−ナフチル基、3−フェノキシ−2−ナフチル基、2−メトキシメチルフェニル基、2,4−ジ(メトキシメチル)フェニル基、4−メチル−2−(メトキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2−(メトキシメチル)フェニル基、1−(メトキシメチル)−2−ナフチル基、3−(メトキシメチル)−2−ナフチル基、2−(フェノキシメチル)フェニル基、2,4−ジ(フェノキシメチル)フェニル基、4−メチル−2−(フェノキシメチル)フェニル基、4−t−ブチル−2−(フェノキシメチル)フェニル基、1−(フェノキシメチル)−2−ナフチル基、3−(ジフェノキシメチル)−2−ナフチル基、2−(2−メトキシエチル)フェニル基、2,4−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、4−メチル−2−(2−メトキシエチル)フェニル基、4−t−ブチル−2−(2−メトキシエチル)フェニル基、1−(2−メトキエチル)−2−ナフチル基、3−(2−メトキエチル)−2−ナフチル基、2−(2−フェノキシエチル)フェニル基、2,4−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、4−メチル−2−(2−フェノキシエチル)フェニル基、4−t−ブチル−2−(2−フェノキシエチル)フェニル基、1−(2−フェノキシエチル)−2−ナフチル基、3−(2−フェノキシエチル)−2−ナフチル基などを挙げることができる。
・Eに結合した炭素に対して2つのオルト位にヘテロ原子含有置換基を有するR
2,6−ジメトキシフェニル基、2,4,6−トリメトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジメトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジメトキシフェニル基、1,3−ジメトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジエトキシフェニル基、2,4,6−トリエトキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジエトキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジエトキシフェニル基、1,3−ジエトキシ−2−ナフチル基、2,6−ジフェノキシフェニル基、2,4,6−トリフェノキシフェニル基、4−メチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジフェノキシフェニル基、1,3−ジフェノキシ−2−ナフチル基、2,6−ジメトキシメチルフェニル基、2,4,6−トリメトキシメチルフェニル基、4−メチル−2,6−ジメトキシメチルフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジメトキシメチルフェニル基、1,3−ジメトキシメチル−2−ナフチル基、2,6−ジフェノキシメチルフェニル基、2,4,6−トリフェノキシメチルフェニル基、4−メチル−2,6−ジフェノキシメチルフェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジフェノキシメチルフェニル基、1,3−ジフェノキシメチル−2−ナフチル基、2,6−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、2,4,6−トリ(2−メトキシエチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(2−メトキシエチル)フェニル基、1,3−ジ(2−メトキエチル)−2−ナフチル基、2,6−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、2,4,6−トリ(2−フェノキシエチル)フェニル基、4−メチル−2,6−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、4−t−ブチル−2,6−ジ(2−フェノキシエチル)フェニル基、1,3−ジ(2−フェノキシエチル)−2−ナフチル基などを挙げることができる。
10、R11、R12、R13については前記した通りであるが、これらのうち、R 13 については、かさ高い方が、高分子量の重合体を与える傾向にあり、好ましい。R 13 の炭素数は1〜30であるが、炭素数3〜30であることが好ましい。R 13 の例を具体的に挙げると、炭化水素基として、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスラセニル基、2−アンスラセニル基、9−アンスラセニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基、9−フルオレニル基、シクロヘキシル基などを、ヘテロ原子含有炭化水素基として、トリフルオロメチル基、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−プロピルシリル基、トリフェニルシリル基、2,6−ジフルオロフェニル基、2,4,6−トリフルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、シクロヘキシルアミノ基などを挙げることができる。
これらのうち、特に好ましいR 13 として、t−ブチル基、トリメチルシリル基、フェニル基、9−アンスラセニル基、4−t−ブチルフェニル基、2,4−ジ−t−ブチルフェニル基が挙げられる。
以下、本発明の金属錯体(D)を下記に例示するが、下記例示に限定されるものではない。なお、下記例示において、Meはメチル基を、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、tBuはターシャリーブチル基を、Cyはシクロヘキシル基を示す。
Figure 0005232718
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なお、リガンドの構造や錯体形成条件によっては、一般式(D)で示した錯体の立体異性体が形成されることもある。さらに、Mが4以外の配位数をとることもありうる。これも一種の異性体である。本発明の錯体は、こうした異性体であってもよく、また、こうした異性体の混合物であってもよい。
以下、Mが配位数5をとる場合について、一例を示した。
Figure 0005232718
3.ルイス塩基
本発明の重合触媒成分における好ましい添加剤として、ルイス塩基が挙げられる。適切なルイス塩基を選択することにより、活性、分子量、アクリル酸エステルの共重合性を改良することができる。ルイス塩基の量としては、重合系内に存在する触媒成分中の遷移金属Mに対して、0.0001当量ないし1000当量、好ましくは0.1当量ないし100当量、さらに好ましくは、0.3当量ないし30当量である。ルイス塩基を重合系に添加する方法については特に制限はなく、任意の手法を用いることができる。例えば、本発明の触媒成分と混合して添加してもよいし、モノマーと混合して添加してもよいし、触媒成分やモノマーとは独立に重合系に添加してもよい。また、複数のルイス塩基を併用してもよい。また、本発明のLと同じルイス塩基を用いてもよいし、異なっていてもよい。
ルイス塩基としては、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、アルキルエーテル類、アリールエーテル類、アルキルアリールエーテル類、環状エーテル類、アルキルニトリル類、アリールニトリル類、アルコール類、アミド類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類、フォスフェート類、フォスファイト類、チオフェン類、チアンスレン類、チアゾール類、オキサゾール類、モルフォリン類、環状不飽和炭化水素類などを挙げることができる。これらのうち、特に好ましいルイス塩基は、芳香族アミン類、脂肪族アミン類、環状エーテル類、脂肪族エステル類、芳香族エステル類であり、なかでも好ましいルイス塩基は、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピペリジン誘導体、イミダゾール誘導体、アニリン誘導体、ピペリジン誘導体、トリアジン誘導体、ピロール誘導体、フラン誘導体である。
具体的なルイス塩基化合物としては、ピリジン、ペンタフルオロピリジン、2,6−ルチジン、2,4−ルチジン、3,5−ルチジン、ピリミジン、N,N−ジメチルアミノピリジン、N−メチルイミダゾール、2,2´−ビピリジン、アニリン、ピペリジン、1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリフルオロメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(2−ピリジル)−s−トリアジン、キノリン、8−メチルキノリン、フェナジン、1,10−フェナンスロリン、N−メチルピロール、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−ウンデカ−7−エン、1,4−ジアザビシクロ−[2,2,2]−オクタン、トリエチルアミン、ベンゾニトリル、ピコリン、トリフェニルアミン、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチル−2−ピペリドン、4−メチルモルフォリン、ベンズオキサゾール、ベンゾチアゾール、フラン、2,5−ジメチルフラン、ジベンゾフラン、テトラヒドロフラン、キサンテン、1,4−ジオキサン、1,3,5−トリオキサン、ジベンゾチオフェン、チアンスレン、トリフェニルフォスフォニウムシクロペンタジエニド、トリフェニルフォスファイト、トリフェニルフォスフェート、トリピロリジノフォスフィン、トリス(ピロリジノ)ボランなどを挙げることができる。
4.金属錯体の製造方法
本発明の金属錯体は、下記一般式(A)および/または(B)で表される化合物と、9族、10族または11族の遷移金属を含む遷移金属錯体(C)を接触させることにより得ることができる。
Figure 0005232718
一般式(A)および(B)において、Zは、水素、または脱離基である。mはZの価数を表す。X、E、R、R10、R11、R12、R13は前記した通りである。
Zは水素、または脱離基であるが、具体的には、水素、RSO基(ここでRは前記したとおりである)、CFSO基などを挙げることができる。
一般式(B)はアニオンの形で表されているが、そのカウンターカチオンは、本発明の遷移金属錯体(C)との反応を阻害しない限りにおいて、任意のものを用いることができる。カウンターカチオンとしては、具体的には、アンモニウム、4級アンモニウムまたはフォスフォニウム、周期律表1族〜14族の金属イオンを挙げることができる。これらのうち好ましくは、NH 、R (ここでRは前記したとおりであり、4つのRは同じでも異なっていてもよい)、R (ここでRは前記したとおりであり、4つのRは同じでも異なっていてもよい)、Li、Na、K、Mg2+、Ca2+、Al3+であり、さらに好ましくは、R (ここでRは前記したとおりであり、4つのRは同じでも異なっていてもよい)、Li、Na、Kである。
一般式(A)〜(C)で示される物質については、公知の合成法に基づいて合成することができる。金属錯体(D)は、前記(A)または(B)で表される化合物と、本発明の金属Mを含む遷移金属錯体成分(C)との反応生成物に含まれる。
本発明で用いられる遷移金属錯体成分(C)については、一般式(A)または(B)で示される化合物と反応して重合能を有する錯体を形成可能なものが使用される。これらは、プリカーサー(前駆体)とも呼ばれることがある。たとえば、ニッケルを含む遷移金属錯体(C)としては、ビス−1,5−シクロオクタジエンニッケル(0)、一般式(CHCRCHNiで表される錯体(ここでRは前記した通りである。)、ビスシクロペンタジエニルニッケル(2)、一般式Ni(CHSiR で表される錯体(ここでR、Lは本明細書に記載した通りである。)、一般式NiR で表される錯体(ここでR、Lは本明細書に記載した通りである。)等を使用することができる。
また、9族または10族または11族の遷移金属を含む遷移金属錯体(C)については、一般式MR10 (ここで、Mは9族または10族または11族の遷移金属、R10およびLは本明細書に記載した通りであり、pおよびqはMの価数を満たす0以上の整数である。)を使用することができる。
これらの遷移金属のうち、好ましく用いられるものは、ビス−1,5−シクロオクタジエンニッケル(0)、一般式(CHCRCHNiで表される錯体(ここでRは本明細書に記載した通りである)、一般式Ni(CHSiR で表される錯体(ここでR、Lは本明細書に記載した通りである)、一般式NiR で表される錯体(ここでR、Lは本明細書に記載した通りである)、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(dba)(ここで、dbaはジベンジリデンアセトンを表す。)、Pd(OCOCHである。
特に好ましくは、ビス−1,5−シクロオクタジエンニッケル(0)、(CHCHCHNi、(CHCMeCHNi、Ni(CHSiMe(Py)(以下Pyはピリジンを表す。)、Ni(CHSiMe(Lut)(以下Lutは2,6−ルチジンを表す。)、NiPh(Py)、Ni(Ph)(Lut)、Pd(dba)、Pd(dba)、Pd(dba)(ここで、dbaはジベンジリデンアセトンを表す)、Pd(OCOCHである。
本発明の反応生成物は、前述の一般式(A)または(B)で表される化合物と前述の遷移金属錯体(C)とを、例えば(A)+(B):(C)=1:99〜99:1(モル比)を0〜100℃のトルエン等の有機溶媒中で減圧〜加圧下で1〜86400秒間接触させることにより得ることができる。(C)としてNi(COD)のトルエン溶液を用いる場合には、溶液の色が黄色から例えば赤色に変化することにより反応生成物の生成が確認できる。
本反応後、(C)を構成している成分であって、(C)の遷移金属以外の成分は(A)成分のZを除いた部分や(B)成分によって置換されて本発明の錯体(D)が生成する。この置換反応は定量的に進行するほうが好ましいが、場合によっては完全に進行しなくてもよい。反応終了後、錯体(D)以外に、(A)、(B)、(C)由来の他の成分が共存するが、本発明の重合反応または共重合反応を行う際に、これらの他の成分は除去してもよいし、除去しなくてもよい。一般的には、これらの他の成分は除去したほうが高活性が得られるので好ましい。
なお、反応を行う際に、本発明のLを共存させてもよい。本発明のMとしてニッケルやパラジウムを用いた場合には、ルイス塩基性のLを系内に共存させることによって、精製した錯体(D)の安定性が増す場合があり、このような場合には、Lが本発明の重合反応または共重合反応を阻害しない限りにおいて、Lを共存させることが好ましい。
本発明において、反応をα−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器とは別の容器であらかじめ行ったうえで、得られた錯体(D)をα−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に供してもよいし、反応をこれらのモノマーの存在下に行ってもよい。また、反応を、α−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器の中で行ってもよい。この際に、これらのモノマーは存在していてもよいし、存在していなくてもよい。また、一般式(A)〜(C)で示される成分については、それぞれ単独の成分を用いてもよいし、それぞれ複数種の成分を併用してもよい。特に、分子量分布やコモノマー含量分布を広げる目的には、こうした複数種の併用が有用である。
以下、本発明で使用可能な(A)を例示するが、下記例示に限定されるものではない。なお、下記例示において、Etはエチル基を、iPrはイソプロピル基を、Phはフェニル基を、Cyはシクロヘキシル基を、tBuはターシャリーブチル基を示す。
Figure 0005232718
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Figure 0005232718
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5.重合反応
本発明において、一般式(D)で表される金属錯体を、重合または共重合の触媒成分として使用することができる。前記したように、一般式(D)で表される金属錯体は、一般式(A)または(B)と遷移金属錯体成分(C)との反応によって形成させることができる。一般式(D)で表される金属錯体を触媒成分に用いる場合、単離したものを用いてもよいし、担体に担持したものを用いてもよい。こうした担持をα−オレフィンの重合やα−オレフィンと(メタ)アクリル酸エステルとの共重合に使用する反応器中で、これらのモノマーの存在下または非存在下で行ってもよいし、該反応器とは別の容器中で行ってもよい。
使用可能な担体としては、本発明の主旨をそこなわない限りにおいて、任意の担体を用いることができる。一般に、無機酸化物やポリマー担体が好適に使用できる。具体的には、SiO、Al、MgO、ZrO、TiO、B、CaO、ZnO、BaO、ThO等またはこれらの混合物が挙げられ、SiO−Al、SiO−V、SiO−TiO、SiO−MgO、SiO−Cr等の混合酸化物も使用することができ、無機ケイ酸塩、ポリエチレン担体、ポリプロピレン担体、ポリスチレン担体、ポリアクリル酸担体、ポリメタクリル酸担体、ポリアクリル酸エステル担体、ポリエステル担体、ポリアミド担体、ポリイミド担体などが使用可能である。これらの担体については、粒径、粒径分布、細孔容積、比表面積などに特に制限はなく、任意のものが使用可能である。
無機ケイ酸塩としては、粘土、粘土鉱物、ゼオライト、珪藻土等が使用可能である。これらは、合成品を用いてもよいし、天然に産出する鉱物を用いてもよい。粘土、粘土鉱物の具体例としては、アロフェン等のアロフェン族、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロイサイト、ハロイサイト等のハロイサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、アタパルジャイト、セピオライト、パイゴルスカイト、ベントナイト、木節粘土、ガイロメ粘土、ヒシンゲル石、パイロフィライト、リョクデイ石群等が挙げられる。これらは混合層を形成していてもよい。人工合成物としては、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライト等が挙げられる。これら具体例のうち好ましくは、ディッカイト、ナクライト、カオリナイト、アノーキサイト等のカオリン族、メタハロサイト、ハロサイト等のハロサイト族、クリソタイル、リザルダイト、アンチゴライト等の蛇紋石族、モンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、イライト、セリサイト、海緑石等の雲母鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられ、特に好ましくはモンモリロナイト、ザウコナイト、バイデライト、ノントロナイト、サポナイト、ヘクトライト等のスメクタイト、バーミキュライト等のバーミキュライト鉱物、合成雲母、合成ヘクトライト、合成サポナイト、合成テニオライトが挙げられる。
これらの担体は、そのまま用いてもよいが、塩酸、硝酸、硫酸等による酸処理および/または、LiCl、NaCl、KCl、CaCl、MgCl、LiSO、MgSO、ZnSO、Ti(SO、Zr(SO、Al(SO等の塩類処理を行ってもよい。該処理において、対応する酸と塩基を混合して反応系内で塩を生成させて処理を行ってもよい。また粉砕や造粒等の形状制御や乾燥処理を行ってもよい。
本発明における重合反応は、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の炭化水素溶媒や液化α−オレフィン等の液体、また、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、酢酸エチル、安息香酸メチル、アセトン、メチルエチルケトン、ホルミアミド、アセトニトリル、メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等のような極性溶媒の存在下あるいは非存在下に行われる。また、ここで記載した液体化合物の混合物を溶媒として使用してもよい。さらに、イオン液体も溶媒として使用可能である。なお、高い重合活や高い分子量を得るうえでは、上述の炭化水素溶媒やイオン液体がより好ましい。
本発明では、公知の添加剤の存在下または非存在下で重合反応を行うことができる。添加剤としては、(b)成分のラジカル重合を禁止する重合禁止剤や、生成共重合体を安定化する作用を有する添加剤が好ましい。例えば、キノン誘導体やヒンダードフェノール誘導体などが好ましい添加剤の例として挙げられる。具体的には、モノメチルエーテルハイドロキノンや、2,6−ジ−t−ブチル4−メチルフェノール(BHT)、トリメチルアルミニウムとBHTとの反応生成物、4価チタンのアルコキサイドとBHTとの反応生成物などが使用可能である。また、添加剤として、無機およびまたは有機フィラーを使用し、これらのフィラーの存在下で重合を行っても良い。さらに、本発明のLやイオン液体を添加剤として用いてもよい。
本発明において、重合形式に特に制限はない。媒体中で少なくとも一部の生成重合体がスラリーとなるスラリー重合、液化したモノマー自身を媒体とするバルク重合、気化したモノマー中で行う気相重合、または、高温高圧で液化したモノマーに生成重合体の少なくとも一部が溶解する高圧イオン重合などが好ましく用いられる。また、バッチ重合、セミバッチ重合、連続重合のいずれの形式でもよい。また、リビング重合であってもよいし、連鎖移動を併発しながら重合を行ってもよい。さらに、いわゆるchain transfer agent (CSA)を併用し、chain shuttlingや、coordinative chain transfer polymerization (CCTP)を行ってもよい。
未反応モノマーや媒体は、生成共重合体から分離し、リサイクルして使用してもよい。リサイクルの際、これらのモノマーや媒体は、精製して再使用してもよいし、精製せずに再使用してもよい。生成共重合体と未反応モノマーおよび媒体との分離には、従来公知の方法が使用できる。例えば、濾過、遠心分離、溶媒抽出、貧溶媒を使用した再沈などの方法が使用できる。
重合温度、重合圧力および重合時間に特に制限はないが、通常は、以下の範囲から生産性やプロセスの能力を考慮して、最適な設定を行うことができる。すなわち、重合温度は通常−20℃から290℃、好ましくは0℃から250℃、共重合圧力は、0.1MPaから100MPa、好ましくは、0.3MPaから90MPa、重合時間は、0.1分から10時間、好ましくは、0.5分から7時間、さらに好ましくは1分から6時間の範囲から選ぶことができる。
本発明において、重合は一般に不活性ガス雰囲気下で行われる。例えば、窒素、アルゴン、二酸化炭素雰囲気が使用でき、窒素雰囲気が好ましく使用される。なお、少量の酸素や空気の混入があってもよい。
重合反応器への触媒とモノマーの供給に関しても特に制限はなく、目的に応じてさまざまな供給法をとることができる。たとえばバッチ重合の場合、あらかじめ所定量のモノマーを重合反応器に供給しておき、そこに触媒を供給する手法をとることが可能である。この場合、追加のモノマーや追加の触媒を重合反応器に供給してもよい。また、連続重合の場合、所定量のモノマーと触媒を重合反応器に連続的に、または間歇的に供給し、重合反応を連続的に行う手法をとることができる。
共重合体の組成の制御に関しては、複数のモノマーを反応器に供給し、その供給比率を変えることによって制御する方法を一般に用いることができる。その他、触媒の構造の違いによるモノマー反応性比の違いを利用して共重合組成を制御する方法や、モノマー反応性比の重合温度依存性を利用して共重合組成を制御する方法が挙げられる。
重合体の分子量制御には、従来公知の方法を使用することができる。すなわち、重合温度を制御して分子量を制御する方法、モノマー濃度を制御して分子量を制御する方法、連鎖移動剤を使用して分子量を制御する方法、遷移金属錯体中のリガンド構造の制御により分子量を制御する等が挙げられる。連鎖移動剤を使用する場合には、従来公知の連鎖移動剤を用いることができる。例えば、水素、メタルアルキルなどを使用することができる。
また、(b)成分自身が一種の連鎖移動剤となる場合には、(b)成分の(a)成分に対する比率や、(b)成分の濃度を制御することによっても分子量調節が可能である。遷移金属錯体中のリガンド構造を制御して分子量調節を行う場合には、前記したR中の置換基の種類、 数、配置を制御したり、金属Mのまわりにかさだかい置換基を配置したり、前記したR10〜R13中にヘテロ原子を導入したりすることによって、一般に分子量が向上する傾向を利用することができる。
本発明の共重合体は、共重合体の極性基にもとづく効果により、良好な塗装性、印刷性、帯電防止性、無機フィラー分散性、他樹脂との接着性、他樹脂との相溶化能などが発現する。こうした性質を利用して、本発明の共重合体は、さまざまな用途に使用することができる。例えば、フィルム、シート、接着性樹脂、バインダー、相溶化剤、ワックスなどとして使用可能である。
以下の実施例および比較例において本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、これら実施例に制約されるものではない。以下の合成例では、特に断りのない限り、操作は精製窒素雰囲気下で行い、溶媒は脱水・脱酸素したものを用いた。
なお、本実施例において用いた測定方法、評価法およびリガンド、錯体は以下のとおりである。
1. 測定方法、評価法
(1)Tm、Tc: 以下のDSC測定により求めた。
PerkinElmer社製PYRIS Diamond DSC示差走査熱量測定装置を使用して、試料(約5mg)を210℃で5分間融解後、10℃/minの速度で−20℃まで降温し、−20℃で5分保持した後に、10℃/minの速度で210℃まで昇温することにより融解曲線を得た。降温段階における主発熱ピークのピークトップ温度を結晶化温度Tcとした。また、融解曲線を得るために行った最後の昇温段階における主吸熱ピークのピークトップ温度を融点Tmとした。
(2)重量平均分子量M、数平均分子量Mおよび分子量分布M/M: 以下のGPC測定により求めた。
はじめに、試料(約20mg)をポリマーラボラトリー社製高温GPC用前処理装置PL−SP 260VS用のバイアル瓶に採取し、安定剤としてBHTを含有するo−ジクロロベンゼン(BHT濃度=0.5g/L)を加え、ポリマー濃度が0.1(重量%)になるように調整した。ポリマーを上記高温GPC用前処理装置PL−SP 260VS中で135℃に加熱して溶解させ、グラスフィルターにて濾過して試料を調製した。なお、本発明におけるGPC測定において、グラスフィルターに捕捉されたポリマーはなかった。次に、カラムとして、東ソー社製TSKgel GMH−HT(30cm×4本)およびRI検出器を装着したウォーターズ社製GPCV 2000を使用してGPC測定を行った。測定条件としては、試料溶液注入量:約520μl、カラム温度:135℃、溶媒:o−ジクロロベンゼン、流量:1.0ml/minを採用した。分子量の算出は以下のように行った。すなわち、標準試料として市販の単分散のポリスチレンを使用し、該ポリスチレン標準試料およびエチレン系重合体の粘度式から、保持時間と分子量に関する校正曲線を作成し、該校正曲線に基づいて分子量の算出を行った。なお、粘度式としては、[η]=K×Mαを使用し、ポリスチレンに対しては、K=1.38E−4、α=0.70を使用し、エチレン系重合体に対しては、K=4.77E−4、α=0.70を使用した。
2. リガンド、錯体
(合成例1): リガンドB−14の合成
以下のスキームにしたがってリガンドB−14を合成した。
Figure 0005232718
(1)中間体2の合成
無水THF(500ml)に50g(0.36mol)の2,6−ジメトキシベンゼン1を溶解させた。ここに、窒素雰囲気下でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(166ml,0.42mol)を0℃で徐々に加えた。ここで得られた溶液に、無水THF(200ml)に溶解させたヨウ素(96.5g,0.38mol)の溶液を0℃で40分間かけて滴下した。得られた溶液を室温で終夜攪拌した。終了後、80mlのメタノールを滴下し、得られた混合物を減圧下に濃縮し、水(200ml)を加えた後、酢酸エチル(250ml)で3回抽出した。有機層を集め、Naおよび食塩水で該有機層を洗浄した後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥した。乾燥後、無機塩を濾別し、減圧下に濃縮を行い、残渣をメタノール(50ml)で4回洗浄して乾燥させたところ、中間体2が黄色の固体として得られた。収量:63g(収率:66%)。
(2)中間体4の合成
中間体2(5g,18.9mmol)を無水THFに溶解させ、イソプロピルマグネシムクロライド(9.5ml、濃度:2M、溶媒:無水THF)を−50℃で徐々に添加し、得られた混合物を室温で1時間攪拌した。次に、該混合物を−78℃に冷却し、三塩化リン(1.3g,9.5mmol)をゆっくり添加した。その後、室温で終夜攪拌し、得られた中間体4を含む反応生成物は、さらに精製することなく次の反応に使用した。
(3)中間体8の合成
上記スキームで示した化合物5(1.84g、9.5mmol)を無水THF(20ml)に溶解させ、窒素雰囲気下でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(4.2ml、10.5mol)を0℃で徐々に加えた。同温度で30分間攪拌した後、徐々に昇温し、室温で1.5時間攪拌した。次いで、該溶液に、上記で得られた中間体4のTHF溶液を−78℃で滴下し、得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。終了後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出を行い、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥した。無機塩を濾別して有機層を減圧下に濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムで精製したところ、目的とする中間体8(2.5g)が得られた。この合成をスケールアップして同様の反応を行い、最終的に中間体8を12g得た。
(4)B−14の合成
中間体8(12g)をジエチルエーテル(50ml)に溶解させ、100mlの塩化水素で飽和させたジエチルエーテル溶液を−40℃で添加した。同温度で1時間攪拌した後、室温まで徐々に昇温させ、室温でさらに1時間攪拌した。反応混合物を減圧下に濃縮し、B−14塩酸塩を灰色がかった白色固体として得た。
ここで得られた塩酸塩をジクロロメタン(100ml)に溶解させ、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(250ml)をゆっくり加えた。室温で30分間攪拌した後、ジクロロメタン(150ml)で3回抽出を行った。有機層を集めて硫酸ナトリウムで乾燥した。乾燥後、無機塩を濾別し、減圧下に濃縮し、残渣を石油エーテル(50ml)で2回洗浄し、目的とするリガンドB−14を灰色がかった白色固体として得た。収量:6g。
H NMR(CDCl、δppm):7.30−6.39(m、9H)、3.46(s、12H)、1.31(s、9H);31P NMR(CDCl、δppm):−62.9(s).
(合成例2): リガンドB−7の合成
(1)中間体B−7_5の合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、中間体B−7_5を合成した。ここで、MOMはメトキシメチル基を表す(以下同様)。
2,4−ジ−t−ブチルフェノール(10g、48.5mmol)をTHF(100ml)に溶解させた。この溶液を、別途調整した水素化ナトリウム(2.91g、1.5eq、ミネラルオイル中に60%濃度で分散したもの)のTHF(200ml)溶液に0℃で攪拌しながら滴下した。室温まで徐々に昇温し、室温で2時間反応させた。次いで、クロロメトキシメタン(7.76g)を0℃で滴下し、室温に昇温した後、室温で3時間反応させた。曇った白色溶液に対し、水および酢酸エチルを用いて抽出操作を行った。有機層をKOH水溶液(1M、150ml)、次いで水(150ml)で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。無機塩を濾別した後、減圧下に濃縮し、淡黄色のオイルを得た。得られたオイルを、石油エーテル/酢酸エチル(40/1)を溶媒としてカラムで精製し、目的とする中間体B−7_5を10.5g得た。
(2)中間体B−7_6の合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、中間体B−7_6を合成した。
0.75g(3.0mmol)の中間体B−7_5をTHF(30ml)に溶解し、ここに、n−ブチルリチウム(2.5M、1.2ml、3.0mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で滴下した。室温まで徐々に昇温し、室温で3時間反応を行った。次いで、この反応混合物に、ビス(2−メトキシフェニル)クロロフォスフィン(700mg、2.50mmol)を15mlのTHFに溶解させた溶液を0℃で滴下した。徐々に室温まで昇温し、室温で終夜攪拌を行った。攪拌終了後、脱気した飽和塩化アンモニウム水溶液(10ml)を加え、有機層を分離した後ジエチルエーテルで抽出し、食塩水(10ml)で洗浄した後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、中間体B−7_6を得た。
同様の操作を繰り返し、最終的に中間体B−7_6を8g得た。
(3)中間体B−7_HClの合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、中間体B−7_HClを合成した。
合成例5(2)で得られた中間体B−7_6(8g)をジエチルエーテル(500ml)に溶解させ、−78℃で塩化水素ガスを25分間バブリングさせた。その後、室温まで昇温し、室温で終夜攪拌を行った。攪拌終了後、溶媒を留去し、B−7_HClを得た。
(4)リガンドB−7の合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、リガンドB−7を合成した。
合成例(3)で得られた中間体B−7_HClのうち、7.3gをジエチルエーテル(500ml)に溶解し、−78℃でアンモニアガスを30分間バブリングさせた。次いで室温まで徐々に昇温し、室温で終夜攪拌を行った。攪拌終了後、溶媒を留去し、粗B−7を得た。ここで得られた粗B−7をジエチルエーテル(10ml)に分散させた後、、100mlのn−ヘキサンを加えて懸濁洗浄を行った。固体成分を除去した後、溶媒を減圧下に除去し、目的とするリガンドB−7を得た。収量:5.2g。
H NMR(MeOD、δppm):7.38−6.69(m、10H)、3.70(s、6H)、1.43(s、9H)、1.10(s、9H);31P NMR(MeOD、δppm):−48.2(s).
(合成例3): リガンドB−8の合成
(1)中間体B−8_2の合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、中間体B−8_2を合成した。
ナトリウム(12.65g、0.55mol)をメタノール(275ml)で溶かすことで合成したMeONa溶液を、2−ブロモベンジルブロミド(115g、0.46mol)のメタノール(150ml)溶液に添加した後、3時間還流を行った。反応溶液を留去した粗生成物に水と酢酸エチルとを加え、有機層を飽和食塩水で洗浄した後、硫酸ナトリウムで脱水、溶媒除去により中間体B−8_2を得た。収量:84g。
(2)中間体B−8_6の合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、中間体B−8_6を合成した。
マグネシウム(0.432g、18mmol)に脱水THFを入れた後、1,2−ジブロモエタン(3滴)滴下した後、5分間攪拌を行った。その懸濁液に(1)で合成した中間体B−8_2(3.0g、15mmol)を滴下した後、室温で終夜攪拌を行った。濾過した濾液を、三塩化リン(0.66ml、7.5mmol)のTHF(25ml)溶液に−78℃、15分間で滴下した。その混合物を徐々に室温まで昇温し、終夜攪拌を行った。
2.01g(8.0mmol)の中間体B−7_5をTHF(30ml)で溶解させ、ここに、n−ブチルリチウム(2.5M、3.2ml、8.0mmol)をアルゴン雰囲気下、0℃で滴下した。室温まで徐々に昇温し、室温で2時間反応を行った。次いで、この反応混合物に、粗中間体B−8−3のTHF溶液を15分間かけて0℃で滴下した。徐々に室温まで昇温し、室温で終夜攪拌を行った。攪拌終了後、脱気した飽和塩化アンモニウム水溶液(10ml)を加え、有機層を分離した後酢酸エチルで抽出した後、硫酸ナトリウム上で乾燥し、中間体B−8_6を得た。収量:1.1g。
同様の操作を繰り返し、最終的に中間体B−8_6を7.2g得た。
(3)中間体B−8_HClの合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、中間体B−8_HClを合成した。
(2)で得られた中間体B−8_6(7.2g)をジエチルエーテル(200ml)に溶解させ、−78℃で塩化水素ガスを10分間バブリングさせた。その後、室温まで昇温し、室温で3時間攪拌を行った。攪拌終了後、溶媒を留去し、粗中間体B−8_HClを得た。
(4)リガンドB−8の合成
Figure 0005232718
上記のスキームにしたがって、リガンドB−8を合成した。
(3)で得られた粗中間体B−8_HClをジエチルエーテル(200ml)に溶解し、−78℃でアンモニアガスを30分間バブリングさせた。次いで室温まで徐々に昇温し、室温で終夜攪拌を行った。攪拌終了後、溶媒を留去し、粗B−8を得た。ここで得られた粗B−8をジエチルエーテル(10ml)に分散させた後、、100mlのn−ヘキサンを加えて懸濁洗浄を行った。固体成分を除去した後、溶媒を減圧下に除去し、目的とするリガンドB−8を得た。収量:5.5g。
H NMR(MeOD、δppm):7.50−6.65(m、10H)、4.61(d、2H)、4.51(d、2H)、3.18(s、6H)、1.41(s、9H)、1.09(s、9H);31P NMR(MeOD、δppm):−47.6(s).
(合成例4): リガンドB−27DMの合成
(1)中間体B−27DM_3の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−27DM_3を合成した。
Figure 0005232718
2,6−ジメトキシヨードベンゼン(10g、37.9mmol)を乾燥THFに溶かした溶液を、イソプロピルマグネシウムクロライド(18.9mmol、2MのTHF溶液)に、−50℃で滴下した。得られた混合物を攪拌しながら室温まで昇温し、室温で1時間攪拌を行った。次いで−78℃に冷却し、三塩化リン(1.6ml、18.9mmol)をゆっくり添加した。得られた混合物を攪拌しながら室温まで昇温し、室温で1時間攪拌した。減圧下に溶媒を除去し、B−27DM_3の固体を得た。150mlのTHFを加えて再溶解させ、B−27DM_3のTHF溶液を得た。
(2)中間体B−27DM_5の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−27DM_5を合成した。
Figure 0005232718
メトキシメチルフェノール4(2.87g、20.8mmol)を乾燥THF(20ml)に溶解させ、n−ブチルリチウム(8.3ml、20.8ml)のn−ヘキサン溶液に、0℃で滴下した。得られた混合物を0℃で30分攪拌した後、室温まで昇温し、室温で2時間攪拌した。この反応溶液に、合成例4(1)で得られたB−27DM_3のTHF溶液を0℃で添加し、さらに室温で終夜攪拌を行った。反応液を水でクエンチし、減圧下にTHFを除去した。得られた混合物からジクロロメタンで抽出操作を行い、有機層を食塩水で洗浄した。さらに、有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥し、硫酸ナトリウムを濾別した後、減圧下に溶媒を除去して濃縮した。得られた粗生成物を、ジクロロメタンを展開液としてシリカゲルカラムで精製し、ジクロロメタンを除去してB−27DM_5の白色固体を得た。
(3)中間体B−27DM_6の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−27DM_6を合成した。
Figure 0005232718
合成例4(2)で得られたB−27DM_5(3.2g、7.2mmol)を50mlの乾燥THFに溶解させた。この溶液に、n−ブチルリチウム(2.9ml、7.2mmol)を0℃で滴下した。得られた反応溶液を攪拌しながら昇温し、室温で2時間攪拌した。次いで溶液を−78℃に冷却し、ヘキサフルオロベンゼン(4ml、36mmol)をゆっくり加えた。溶液を攪拌しながら室温まで昇温し、室温で終夜攪拌を行った。水を加えて反応をクエンチし、減圧下に溶媒を除去した。固体残渣に対してジクロロメタンで抽出操作を行い、有機層を食塩水で洗浄した。次いで有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、硫酸ナトリウムを濾別した後、減圧下に溶媒を除去して濃縮した。粗生成物を、石油エーテル7対酢酸エチル1の混合溶媒(v/v)を展開液として、シリカゲルカラムで精製した。精製後、溶媒を除去して、1.2gのB−27DM_6を得た。
(4)B−27DM_HClの合成
合成例4(1)〜(3)の操作を同様に行い、6.7gのB−27DM_6を得た。次いで、下記のスキームにしたがって、中間体B−27DM_HClを合成した。
Figure 0005232718
B−27DM_6(5.5g)を、濃度=4Mの塩化水素(酢酸エチル溶液、100ml)に0℃で加えた。得られた混合物を徐々に室温まで昇温し、引き続き室温で1.5時間攪拌を行った。減圧下に酢酸エチルを除去したところ、B−27DM_HClが白色固体として得られた。
(5)リガンドB−27DMの合成
下記のスキームにしたがって、リガンドB−27DMを合成した。
Figure 0005232718
B−27DM_HCl(5.0g)、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200ml)および酢酸エチル(100ml)の混合物を室温、アルゴン雰囲気下で2時間攪拌した。得られた反応混合物より、酢酸エチルで目的化合物を抽出し、有機層を食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥した後、硫酸ナトリウムを濾別し、減圧下に溶媒を除去した。粗生成物を石油エーテルと酢酸エチルの混合溶媒で洗浄し、目的とするB−27DMを白色固体として得た。収量:2.8g。
H NMR(CDCl、δppm):7.70−7.76(m、1H)、7.29(s、broad、1H)、7.26−7.20(m、2H)、7.10(d、1H)、6.88(t、1H)、6.50(m、4H)、3.55(s、12H);31P NMR(CDCl、δppm):−60.4(s).
(合成例5): リガンドB−30の合成
(1)中間体B−30_3の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−30_3を合成した。
Figure 0005232718
2,6−ジメトキシヨードベンゼン(5.2g、20mmol)を乾燥THFに溶解させ、イソプロピルマグネシウムクロライド(10ml、2M、THF溶液)を−50℃で滴下した。得られた反応混合物を攪拌しながら昇温し、室温で1時間攪拌した。−78℃に冷却し、三塩化リン(1.37g、10mmol)をゆっくり添加した。攪拌しながら徐々に室温まで昇温し、B−30_3のTHF溶液を得た。得られたB−30_3のTHF溶液は、精製することなく次の反応に用いた。
(2)中間体B−30_8の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−30_8を合成した。
Figure 0005232718
化合物6(3.14g、10mmol)を乾燥THF(100ml)に溶解させ、得られた溶液に、n−ブチルリチウム(4ml、10mmol)の溶液を0℃で滴下した。0℃で1時間攪拌した後、攪拌しながら室温まで昇温し、室温でさらに1時間攪拌した。−30℃に冷却し、合成例5(1)で得られたB−30_3のTHF溶液を、同温度で滴下した。攪拌しながら徐々に昇温し、室温で終夜攪拌を行った。反応を水でクエンチし、減圧下にTHFを除去した。酢酸エチルで抽出操作を行い、有機層を食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させた後、硫酸ナトリウムを濾別し、減圧下に溶媒を留去して濃縮した。得られた粗生成物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1、v/v)を展開液としてシリカゲルカラムで精製し、1.34gのB−30_8を得た。
(3)リガンドB−30の合成
下記のスキームにしたがって、リガンドB−30を合成した。
Figure 0005232718
酢酸エチル(50ml)を−78℃に冷却し、同温度で塩化水素ガスを吹き込んだ。次いで、合成例5(2)で得られたB−30_8(1.34g)を加えた。得られた混合物を攪拌しながら徐々に室温まで昇温し、室温で1.5時間攪拌した。減圧下に酢酸エチルを除去し、得られた粗生成物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液で中和した。B−30の黄色固体が得られた。収量:0.9g。
H NMR(CDCl、δppm):8.37(s、1H)、7.92(d、2H)、7.59(m、3H)、7.33(m、2H)、7.17(m、2H)、7.12(t、2H)、7.10(d、1H)、6.89(t、1H)、6.39(m、4H)、6.35(s、1H)、3.52(s、12H);31P NMR(CDCl、δppm):−60.1(s).
(合成例6): リガンドB−56DMの合成
(1)中間体B−56DM_3の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−56DM_3を合成した。
Figure 0005232718
2,6−ジメトキシヨードベンゼン(10g、37.9mmol)を乾燥THFに溶解させ、イソプロピルマグネシウムクロライド(18.9ml、2M、THF溶液)を−50℃で滴下した。得られた反応混合物を攪拌しながら昇温し、室温で1時間攪拌した。−78℃に冷却し、三塩化リン(1.6ml、18.9mmol)をゆっくり添加した。攪拌しながら徐々に室温まで昇温し、室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧下に除去し、B−56DM_3の固体を得た。次いで、THF(150ml)を加え、B−56DM_3のTHF溶液を得た。
(2)中間体B−56DM_6の合成
下記のスキームにしたがって、中間体B−56DM_6を合成した。
Figure 0005232718
化合物4(3.16g、22.7mmol)を乾燥THF(50ml)に溶解させ、0℃に冷却した。0℃でn−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(9.1ml、22.7mmol)を滴下し、0℃で30分攪拌した。攪拌しながら室温まで昇温し、室温でさらに2時間攪拌した。0℃に冷却し、トリメチルシリルクロライド(2.90ml、22.7mmol)を加えた後、室温で1時間攪拌した。再び0℃に冷却し、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液(9.1ml、22.7mmol)を0℃で滴下した。攪拌しながら室温まで昇温し、室温で2時間攪拌した。再度0℃に冷却し、合成例6(1)で合成したB−56DM_3のTHF溶液を0℃で加え、得られた反応混合物を室温で終夜攪拌した。10%水酸化ナトリウム水溶液で反応をクエンチし、減圧下にTHFを除去した。酢酸エチルを用いて抽出操作を行い、有機層を食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥し、硫酸ナトリウムを濾別した後、減圧下に溶媒を留去して濃縮した。粗生成物を、石油エーテル/酢酸エチル(10/1、v/v)を展開液としてシリカゲルカラムにて精製し、B−56DM_6の白色固体(3.6g)を得た。
(3)中間体B−56DM_HClの合成
合成例6(1)、(2)の操作を同様に行い、7.4gのB−56DM_6を得た。次いで、下記のスキームにしたがって、中間体B−56DM_HClを合成した。
Figure 0005232718
塩化水素の酢酸エチル溶液(濃度=2M)を調製した。この塩化水素溶液に、B−56DM_6(7.4g)を0℃で添加した。得られた混合物を徐々に室温まで昇温し、室温で1.5時間攪拌した。減圧下に酢酸エチルを除去し、B−56DM_HClの白色固体を得た。
(4)リガンドB−56DMの合成
下記のスキームにしたがって、リガンドB−56DMを合成した。
Figure 0005232718
B−56DM_HCl(7.2g)、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200ml)、および酢酸エチル(150ml)の混合物をアルゴン雰囲気下で2時間攪拌した。酢酸エチルを用いて抽出操作を行い、有機層を食塩水で洗浄した。硫酸ナトリウム上で乾燥させ、硫酸ナトリウムを濾別した後、減圧下に溶媒を除去して濃縮した。得られた粗生成物を、さらに減圧下、3時間乾燥させ、目的とするB−56DMを得た。収量:6.3g。
H NMR(CDCl、δppm):7.58(m、1H)、7.29(m、1H)、7.22(m、2H)、6.99(s、broad、1H)、6.79(t、1H)、6.50(m、4H)、3.56(s、12H)、0.27(s、9H);31P NMR(CDCl、δppm):−61.6(s).
[実施例1〜23、比較例1〜2]
(合成例1で得られたリガンドB−14を用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
(1)錯体の形成
以下の操作は、すべて高純度アルゴン雰囲気下で行った。以下、ビス−1,5−シクロオクタジエンニッケル(0)をNi(COD)と称する。
初めに4mlのスクリューキャップ付きバイアル瓶に、合成例1で得られたB−14(10.8mg)を秤り取った。次に、Ni(COD)(20mg)を8mlのバイアル瓶に秤り取り、トルエン(7.22ml)に溶解させ、10mMのNi(COD)トルエン溶液を調製した。得られた溶液は、黄色透明であった。ここで得られたNi(COD)トルエン溶液(2.36ml)をB−14を有するバイアル瓶に加え、スクリューキャップで密閉した後、30秒間振って攪拌し、溶液を得た。その後、溶液の色が次第に暗黄色から赤色に変化し、沈殿は見られなかった。室温で3時間静置した後、得られた溶液0.5mlを2mlのバイアル瓶に分取し、トルエン(1.5ml)で希釈し、B−14とNi(COD)の反応生成物の2.5mM溶液を得た。ここで、反応生成物の濃度は、B−14とNi(COD)が1対1で反応してニッケル錯体を形成しているとして計算した。
(2)エチレン・アクリル酸tブチルの共重合
内容積約10mlの攪拌翼ならびに内筒付きオートクレーブに、乾燥トルエン(4.2ml)および所定量のアクリル酸エステルおよび所定量のルイス塩基を仕込んだ。なお、攪拌しながらオートクレーブを所定温度に昇温した後、エチレンをオートクレーブに供給し、温度と圧力が所定の条件になるように調整した。調整終了後、上記(1)で得られた反応生成物を所定量供給し、共重合を開始させた。所定時間重合させた後、一酸化炭素を吹き込んだ。未反応ガスを除去した後、内筒を取り出し、減圧下に溶媒および未反応コモノマーを除去し、恒量になるまで乾燥を行った。
共重合に用いたコモノマーの量については、表1に記載した。なお、コモノマーは、Aldrich社製のAldrich Inhibitor Removerを充填したカラムを用いて、高純度アルゴン雰囲気下、室温で精製した後に使用した。また、重合に用いたトルエン量、重合温度、重合中のオートクレーブ内圧についても、表1に記載した。表1において、tBAはアクリル酸tブチルを示す。また、活性Vpは、重合に用いた錯体1molあたり、重合時間1時間あたりの共重合体収量(kg)を表す。なお、Vpは、B−14とNi(COD)が1対1で反応してニッケル錯体を形成しているとして計算した。得られた重合体に関するGPC、DSC、ならびにコモノマー含量の測定結果についても表1に記載した。
Figure 0005232718
[実施例24、比較例3]
(合成例1で得られたリガンドB−14を用いるエチレンのホモ重合)
アクリル酸エステルを仕込まず、温度を100℃にし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1の実施例および比較例と同様に行った。結果は表2に示す。
Figure 0005232718
[実施例25〜46および比較例4]
(合成例1で得られたリガンドB−14を用いるエチレンのホモ重合)
アクリル酸エステルを仕込まず、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1の実施例および比較例と同様に行った。結果は表3に示す。
Figure 0005232718
[実施例47〜51および比較例5〜7]
(合成例1で得られたリガンドB−14を用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
用いる溶媒をトルエンではなく、ヘプタンに変更し、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1と同様に行った。結果は表4に示す。
Figure 0005232718
[実施例52〜53および比較例8〜9]
(合成例1で得られたリガンドB−14を用いるエチレン・アクリル酸メチルの共重合)
用いるアクリル酸エステルをアクリル酸メチルにし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1と同様に行った。結果は表5に示す。
Figure 0005232718
[実施例54〜56および比較例10〜12]
(合成例1で得られたリガンドB−14を用いるエチレン・アクリル酸エチルの共重合)
用いるアクリル酸エステルをアクリル酸エチルにし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1と同様に行った。結果は表6に示す。
Figure 0005232718
[実施例57〜60および比較例13]
(合成例2で得られたリガンドB−7を用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
用いる錯体をB−7にし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1の実施例および比較例と同様に行った。結果は表7に示す。
Figure 0005232718
[実施例61および比較例14]
(合成例3で得られたリガンドB−8を用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
用いる錯体をB−8にし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1の実施例および比較例と同様に行った。結果は表8に示す。
Figure 0005232718
[実施例62〜64および比較例15]
(合成例5で得られたリガンドB−30を用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
用いる錯体をB−30にした以外は表1の実施例および比較例と同様に行った。
結果は表9に示す。
Figure 0005232718
[実施例65〜67および比較例16]
(合成例4で得られたリガンドB−27DMを用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
用いる錯体をB−27DMにし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1の実施例および比較例と同様に行った。結果は表10に示す。
Figure 0005232718
[実施例68および比較例17]
(合成例4で得られたリガンドB−27DMを用いるエチレンのホモ重合)
用いる錯体をB−27DMにし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表3の実施例および比較例と同様に行った。結果は表11に示す。
Figure 0005232718
[実施例69〜95および比較例18]
(合成例6で得られたリガンドB−56DMを用いるエチレン・アクリル酸tブチルの共重合)
用いる錯体をB−56DMにし、その他の所定量は表に記した量を用いて、表1の実施例および比較例と同様に行った。結果は表12に示す。
Figure 0005232718
なお、前記表1〜12中でルイス塩基として用いられた化合物は以下の通りである。
Figure 0005232718
[実施例96]
(合成例1で得られたリガンドB−14とNi(COD)との反応によって得られる錯体の単離とX線結晶構造解析)
はじめに、実施例1〜23に記載の(1)錯体の形成と同様にして、B−14とNi(COD)を反応させ、B−14のニッケル錯体のトルエン溶液を得た。溶媒を減圧下に留去した後、室温でトルエン/n−ペンタン1/1(v/v)からなる混合溶媒を用いて錯体を再溶解させた。溶液を濾過した後、濾液をシュレンクチューブに移して−20℃に冷却し、溶液の上層にn−ペンタンを静かに注ぎ2層を形成させた。フリーザー内にて−20℃で3日間放置したところ、上層のn−ペンタンが徐々に拡散し、最終的に均一溶液が得られた。得られた均一溶液内にB−14/ニッケル錯体の単結晶の成長が見られた。
得られた単結晶の中から、約0.5×0.4×0.35mmの寸法を有するものを選び、ガラスのキャピラリー内にセットし、該キャピラリーを3軸ゴニオメーターの台座、および、1K CCD検出器を有するBruker社製SMART 100 CCD回折計に−170℃で装着した。単結晶は、回折計から50mmの距離にセットした。グラファイトで単色化したMo−Kα線を用いて回折強度測定を行った。はじめに格子定数を決定し、プログラムSAINTを用いて1800フレームの反射データを得た。得られたデータについては、Lorentz補正、吸収補正、および試料崩壊補正を行った。
得られた単結晶の単位格子は三斜晶系(triclinic)であり、空間群はP−1であった。プログラムSHELX97を用いて直接法で構造決定し、SHELX97によって観測された反射のFに対して、フルマトリクス最小2乗法により精密化を行った。なお、水素以外のすべての原子について、異方性温度因子により構造精密化を行い、水素原子の位置は計算により定め、等方性温度因子により構造精密化を行った。R(I>2σ(I))=0.1727で収束した。
X線結晶構造解析の結果、得られた錯体は、化学式C3443PNiであり、下記のORTEP図に示すやや歪んだ平面4配位構造を有していることが明らかになった。なお、4個のメトキシ基のうち、Niとリガンドが作る平面に対してaxial位に位置する酸素とニッケルとの距離は2.95Åであった。
Figure 0005232718
[実施例と比較例の結果の考察]
本発明の要件を満たす実施例1〜95では、触媒活性、得られるポリマーの分子量、およびコモノマー含量レベル等の点で十分に満足の行く結果を示した。一方、比較例1〜18では、上記に較べて、活性、分子量、およびコモノマー含量レベルのいずれかの点で劣った結果を示した。
以上の各実施例のデータ、及び各実施例と各比較例の対照結果より、本発明の重合触媒成分及びそれを用いた重合方法は、従来のものより、活性や性能において非常に優れており、本発明の構成の要件の合理性と有意性が実証され、従来技術への卓越性も明らかにされている。
以上説明したように、本発明によれば、工業的に容易に入手可能な(メタ)アクリル酸エステルとα−オレフィンとの共重合体が製造可能となり、かつ、得られた共重合体の分子量も高い。また、共重合体だけでなく、α−オレフィン重合体においても高い分子量が得られる。一般にポリマーの物性において分子量は支配的要因の一つであり、分子量を上げることによって、ポリマー鎖間の相互作用が強まるため、本発明で得られた重合体や共重合体は、機械的・熱的物性に優れ、有用な成形体として応用可能である。さらに、本発明においては、希少かつ高価なパラジウムの代わりに、ニッケルを金属中心とした触媒を使用することができる。このように、本発明は、かかるα−オレフィン重合体やα−オレフィン・(メタ)アクリル酸エステル共重合体の新規な製造法を提供するものであるので、その産業上の有用性は非常に高い。

Claims (2)

  1. 下記一般式(D)で表される金属錯体およびルイス塩基を含むことを特徴とするオレフィン重合触媒成分。
    Figure 0005232718
    [式中、Mは、ニッケルまたはパラジウムを表す。Rは、水素または炭素数1ないし20のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基を表す。LはMに配位したリガンドを表す。また、RとLが互いに結合して環を形成してもよい。Xは酸素または硫黄を表す。Eはリン、砒素またはアンチモンを表す。Rは、それぞれ独立に、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有する炭化水素基である。R10、R11、R12、R13は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、炭素数1ないし30のヘテロ原子を含有していてもよい炭化水素基、OR、CO、CO 、C(O)N(R、C(O)R、SR、SO、SOR、OSO、P(O)(OR2−y(R、CN、NHR、N(R、Si(OR3−x(R、OSi(OR3−x(R、NO、SO 、PO PO またはエポキシ含有基を表す。ここで、Rは水素または炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。また、Rは炭素数1ないし20の炭化水素基を表す。 は、アルカリ金属、アンモニウム、4級アンモニウムまたはフォスフォニウムを表し、 ’は、アルカリ土類金属を表し、xは0から3までの整数、yは0から2までの整数を表す。なお、R、R10、R11、R12、R13から適宜選択された複数の基が互いに連結し、脂環式環、芳香族環、または酸素、窒素若しくは硫黄から選ばれるヘテロ原子を含有する複素環を形成してもよい。このとき、環員数は5〜8であり、該環上に置換基を有していても、有していなくてもよい。]
  2. 前記一般式(D)で表される金属錯体は、下記一般式(A)および/または(B)で表される化合物と、ニッケルまたはパラジウムを含む遷移金属錯体(C)を接触させることにより得られることを特徴とする請求項1に記載のオレフィン重合触媒成分。
    Figure 0005232718
    [式中、Zは、水素、または脱離基である。mはZの価数を表す。X、E、R、R10、R11、R12、R13は前記した通りである。]
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