JP2015161757A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷却ファンの送風量変更による予測温度と実温度の差を抑制することで、印刷物間の品位の差の抑制と生産性の維持を両立すること。
【解決手段】像担持体と、前記像担持体に形成される静電潜像に対してトナーを供給する現像装置と、前記現像装置の周囲の温度を計測する第一温度検知部と、装置本体の雰囲気温度を計測する第二温度検知部と、送風することで装置内部を冷却する冷却部と、前記第一温度検知部及び前記第二温度検知部の検出温度に基づいて、前記冷却部の動作を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、前記制御部は、前記第二温度検知部による検知結果が同一温度の場合において、非画像形成動作時には、前記第一温度検知部の検知結果が第一温度以上である場合に前記冷却部の送風量を第一速度から第二速度に増加し、画像形成動作中には、前記第一温度検知部の検知結果が前記第一温度よりも高い第二温度以上である場合に、前記冷却部の送風量を前記第一速度から前記第二速度に増加させるように制御することを特徴とする。
【選択図】図8

Description

本発明は、電子写真方式によって画像形成を行う複写機やプリンタ等の画像形成装置に係り、特に装置内の温度上昇を防ぐための冷却部を有する画像形成装置に関する。
画像形成装置を連続で稼働すると装置機内の部品が昇温する。昇温する部品として、トナー撹拌により摩擦熱が発生しやすい現像装置や、トナーをシートに定着する定着装置、電源、モーター部などがある。
今日、一般に使用されるトナーは、熱定着性のトナーである。熱定着式のトナーを扱う場合の温度は、定着前の画像形成を最適に行うために適当とされる温度であり、その許容される温度範囲は一般的に狭い。このため、トナー自身の摩擦熱や装置機内の部品の昇温の影響を受けてトナーの温度が上昇すると、トナーの帯電量が低下し、画像濃度が落ちるなど、印刷物の品位が低下する場合があった。
この種の熱対策のため、装置内にトナー温度検知センサを設置し、検知したトナー温度の上昇に応じて、トナーの帯電量を調整し、画像濃度等の画像形成を制御するものがあった(特許文献1)。
しかし、近年、画像形成装置の小型化・低コスト化が進み、トナー温度検知センサでトナーの温度を直接検知することは、スペース上およびコスト上困難になっている。このため、近年は、温度検知センサをトナーの温度が間接的に伝熱する場所に配置し、その場所の温度からトナーの温度を予測式を使って予測する手法がとられている(特許文献2)。
特開2012−247503 特開2007−322539
しかしながら、特許文献2のようにトナーから離れた場所にトナー温度検知センサを配置すると、トナーの熱がセンサに到達するまでに、熱が伝熱するための時間差が発生する。この結果、実際のトナーの温度変化に対し、センサで検知した温度変化は時間的に遅れて追従することとなる。
例えば、長時間連続印刷されるなどで、画像形成装置内部のトナーの温度が高くなり、内部と外気との温度差ができた場合に、トナーを冷却するため冷却ファンの送風量を上昇させると、相対的に温度の低い外気の機内への流入が増加する。すると、トナーの温度変化は緩やかになる。この時、トナー温度検知センサは、前記の伝熱の時間差により、実際のトナーの温度変化に対して遅れて追従する。これにより、センサの検知結果から予測した予測温度と実温度の間に誤差が生じてしまう。
前記の誤差が発生すると、特許文献1のような画像温度に応じて適切に制御をすることが困難になる。例えば、同一原稿の複製印刷物でありながら、冷却ファンの送風量変化の前後で濃度変化が大きくなるなどの問題が発生する場合がある。これによって、同時に印刷した印刷物の中で品位の差が生じたり、前記品位の差を防止するために画像調整が頻発し、印刷物の生産性が低下したりすることがある。このように、従来の技術では、品位と生産性の両立が困難であるという課題があった。
この品位の差が、印刷物ごとの差異が比較されやすい同一原稿の複製印刷中に発生すると、印刷物間で比較しやすいために、僅かな差異でもユーザーには認識されやすい。だからといって、これを回避するために大きな安全率を見込んであらかじめ送風量を大きく設定すると、運転騒音や電力消費が大きくなるし、そもそも温度検知センサを配置して送風量を切り替える意味が無い。
本発明の目的は、冷却ファンの送風量変更による予測温度と実温度の差を抑制することで、印刷物間の品位の差の抑制と生産性の維持を両立することである。
上記目的を達成するための本発明の代表的な構成は、
像担持体と、
前記像担持体に形成される静電潜像に対してトナーを供給する現像装置と、
前記現像装置の周囲の温度を計測する第一温度検知部と、
装置本体の雰囲気温度を計測する第二温度検知部と、
送風することで装置内部を冷却する冷却部と、
前記第一温度検知部及び前記第二温度検知部の検出温度に基づいて、前記冷却部の動作を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、
前記制御部は、前記第二温度検知部による検知結果が同一温度の場合において、
非画像形成動作時には、前記第一温度検知部の検知結果が第一温度以上である場合に前記冷却部の送風量を第一速度から第二速度に増加し、
画像形成動作中には、前記第一温度検知部の検知結果が前記第一温度よりも高い第二温度以上である場合に、前記冷却部の送風量を前記第一速度から前記第二速度に増加させるように制御することを特徴とする。
上記構成によれば、冷却ファンの送風量変更による予測温度と実温度の差を抑制することで、印刷物間の品位の差の抑制と生産性の維持を両立することができる。
フルカラーレーザー画像形成装置本体の断面図。 プロセスカートリッジの冷却方法の概略図。 機内センサを有するプロセスカートリッジの接点部の詳細図。 制御部の説明図。 冷却ファンの送風量を変更しない場合の画像形成装時のトナー温度の推移を示すグラフ。 冷却ファンの送風量を変更した場合の画像形成時のトナーの実温度と予測温度の差を示すグラフ。 第1実施形態の冷却ファン制御を行った場合のトナーの実温度と予測温度の差を示すグラフ。 第1実施形態の冷却ファンの送風量制御を示すフローチャート。 第2実施形態の冷却ファン制御を行った場合のトナーの実温度と予測温度の差を示すグラフ。 第2実施形態の冷却ファンの送風量制御を示すフローチャート。
以下、図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、以下の実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対配置などは、本発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものである。従って、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
<画像形成装置>
本発明の画像形成装置の一実施形態について、図1を参照して説明する。図1はフルカラーレーザー画像形成装置本体の断面図である。画像形成装置500本体(装置本体)は、トナー画像を形成する画像形成部1を有する。
画像形成部1は、4ドラムフルカラー方式であり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)及びブラック(K)の4色のトナー画像を形成するプロセスカートリッジ10(10Y、10M、10C、10K)を有する。各色のトナー画像を形成する構成は同様であるため、以下の説明では、必要な場合を除き、Y、M、C、Kの添え字を省略して説明する。
画像形成装置500本体は、その他、シートSを画像形成部1へと給送する給送装置2、定着部を構成する定着装置3、定着後のシートを搬送・排出する排出部4、排出されたシートを積載するシート積載部5、原稿を読み取る原稿読取装置7で構成される。
次に、各部の詳細構成を画像形成部1から説明する。画像形成部1には、各プロセスカートリッジ10(現像装置)に対応するように、4色のフレッシュトナーを貯蔵するフレッシュトナー貯蔵部FT(FTY、FTM、FTC、FTK)が配置される。
プロセスカートリッジ10は、それぞれ感光体ドラム11(像担持体)を有するとともに、感光体ドラム11に作用する次のプロセス手段を有する。プロセス手段としては、感光体ドラム11に所定の電圧を印加して帯電させる不図示の帯電部と、感光体ドラム11上に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像するための不図示の現像部とがある。また、感光体ドラム11上で転写されきらなかったトナーをクリーニングする不図示のクリーニング部がある。
プロセスカートリッジ10の下部には、レーザスキャナ12が配置される。レーザスキャナ12は、感光体ドラム11上に静電潜像を描く。また、プロセスカートリッジ10の上方には中間転写ユニット13が配設される。中間転写ユニット13は、中間転写ベルト13a、駆動ローラ13b、テンションローラ13c、感光体ドラム11に中間転写ベルト13aを接触させる4つの一次転写ローラ13d、アイドラローラ13e、アイドラローラ13fにて懸架される。
中間転写ベルト13aは、フィルム状部材で構成され、駆動ローラ13bの駆動力により矢印方向に回転する。一次転写ローラ13dによって所定の転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム11上の各色のトナー画像を順次、中間転写ベルト13aに多重転写する。これにより、中間転写ベルト13a上にフルカラートナー画像を形成する。
一方、このトナー画像形成動作に並行して、給送装置2より、シートSが給送され、シートSはシート搬送路20に搬送される。シートSは、シート搬送路20に備えられた不図示のレジストローラによって斜行補正をされると共に、中間転写ベルト13a上のトナー画像と位置合わせをされる。
位置合わせ後、シートSは二次転写外ローラ21と駆動ローラ13bのニップによって構成される二次転写部に送り込まれる。二次転写部において、二次転写外ローラ21に印加した二次転写バイアスによって、トナー画像が中間転写ベルト13aからシートSに転写される。
その後、シートSは駆動ローラ13bの駆動力によって搬送され、定着装置3へ送られる。定着装置3に送られたシートSは、定着装置3によって、熱と圧力を加えられ、各色のトナーが溶融し、シートSにフルカラーの可視画像が定着される。
定着装置3の上部には排出部4が配置されている。排出部4には、排出路40、排出ローラ対41、両面反転路42、反転ローラ対43を備える。排出部4より排出されたシートはシート積載部5に画像面を下にして積載される。
画像形成装置500本体の正面には、画像形成装置500本体の雰囲気温度を計測する第二センサ101(第二温度検知部)が配設される。第二センサ101で検知された設置環境温度のデータは、送風により装置内部を冷却する冷却ファン80(冷却部)の送風量制御や、トナー濃度等の画像形成制御に使用される。
画像形成装置500の画像形成動作について説明する。まず、原稿読取装置7で読み取られた画像データは、制御装置300に送信され、画像情報として保存される。
画像形成部1では、感光体ドラムの表面を不図示の帯電部によって、所定の極性・電位に一様に帯電させる。その後、レーザスキャナ12から制御装置300に保存された画像情報に基づいて、レーザー光を射出する。射出されたレーザー光は、感光体ドラム11上を走査される。これにより、感光体ドラム11上には静電潜像が形成される。
この後、フレッシュトナー貯蔵部FTよりフレッシュトナーを供給された現像部から、静電潜像に対してトナーが供給される。これにより静電潜像は現像され、トナー画像化する。静電潜像の現像は、現像位置、つまり感光体ドラム11と現像スリーブとが対向して形成される現像ニップにおいて行われる。
プロセスカートリッジ10内の現像部には、トナーとキャリアが所定比率で混合される現像剤が収納される。トナートキャリアは撹拌スクリューで摩擦帯電され、現像スリーブに供給される。現像ブレードにコートする現像剤を所定厚みにするため、現像部は不図示の規制ブレードを有する。これにより、現像スリーブには所定厚みのトナーとキャリアが混合された現像剤がコートされる。
現像スリーブによって感光体ドラム11上に担持されたトナー画像は、感光体ドラム11の回転に伴って、中間転写ベルト13aとの接点部の一次転写部に搬送される。一次転写ローラ13dには一次転写バイアスが印加される。このため、一次転写部において、トナー画像が中間転写ベルト13aに転写される。前記動作が4個のプロセスカートリッジ10で順次行われる。そして、中間転写ベルト13aにトナー画像を多重転写することで、フルカラートナー画像が形成される。転写されずに残ったトナーは、画像形成部の不図示のクリーニング部によって感光体ドラム表面からかき取られる。
画像形成部1の温度が上がる要因として、感光体ドラム11と感光体ドラム11を支持する軸受けの摩擦熱、また、感光体ドラム11とクリーニング部の摺擦による摩擦熱がある。その他の要因として、現像スリーブと現像剤を帯電させスリーブにトナーを供給するスクリューを支持する軸受けの摩擦熱や、現像スリーブとにより発生する摩擦熱がある。
従って、画像形成部1は感光体ドラム11、クリーニング部、現像スリーブ、現像スクリューとそれらを支持する軸受け、現像部でトナーを収納する現像容器を含んだ構成について述べる。
<プロセスカートリッジの冷却について>
本実施形態の特徴的な構成を有する温度検知部の配置と、プロセスカートリッジ10の冷却方法を図を用いて説明する。図2はプロセスカートリッジの冷却方法の概略図である。図3は機内センサを有するプロセスカートリッジの接点部の詳細図である。
図2に示すように、冷却ファン80は機内に外気を取り込む吸気ファンである。冷却ファン80によって取り込まれた外気は、ダクト81に流入する。ダクト81は、矢印82に示すように、各プロセスカートリッジ10の下面に外気を案内するように構成される。このように、外気を冷却ファン80にて吸入して空気の流れを形成し、それをプロセスカートリッジ10の下面に導入することで、間接的にプロセスカートリッジ10内のトナーを冷却している。
図2において、プロセスカートリッジ10の背面に搭載された不図示のメモリタグにして、画像形成装置側の接点部90が接触する。接点部90は、図3に示すように、接点基板91(91Y、91M、91C、91K)を有する。前記メモリタグは使用枚数等の各プロセスカートリッジ10の固有情報を記録する。そして、画像形成装置500は、それぞれの接点基板91と前記メモリタグを経由して、前記メモリタグから各プロセスカートリッジ10の固有情報を受け取る。
図3に示すように、ブラック接点基板91K上には、プロセスカートリッジ10の周囲の温度を計測する第一センサ100(第一温度検知部)が配置される。第一センサ100は、プロセスカートリッジ10に隣接して、その外部に配置される。このため、プロセスカートリッジ10内のトナーに接触することはなく、トナー温度を直接検知するわけではない。このため、第一センサ100による検出温度に基づき、後述するトナー温度予測方法によって、プロセスカートリッジ10内のトナー温度を予測する。
<冷却ファンと画像形成制御>
図を用いて冷却ファンの制御を説明する。図4は制御部の説明図である。画像形成装置500は、トナー温度予測制御の結果に基づき、画像形成部1の画像濃度等の画像形成制御、および冷却ファン80の送風量の制御を行っている。
図4に示すように、CPU301およびメモリー302からなる制御装置300が、画像形成装置500本体の画像形成動作の指示を出すとともに、冷却ファン80を制御する。制御装置300には、入力信号として、第一センサ100と第二センサ101からの検出温度信号、および外部のPC200からの印刷ジョブが入る。
メモリー302の内部には、第一センサ100と第二センサ101の検出温度からなる温度予測式が格納される。温度予測式は、第一センサ100の検出温度Tsと第二センサ101の検出温度Teを用いて、後述するプロセスカートリッジ内のトナーの予測温度Tを演算するために用いられる。
CPU301は、メモリー302に格納された予測式を用いて予測温度Tの演算後、所定の閾値に基づいて、冷却ファン80の回転数(送風量)の指令値および、画像濃度等の画像形成制御の指示を出す。
本実施形態では、冷却ファン80はパルス変調幅を変化させることができるPWM制御を用いて、仮想的に入力電圧を制御している。画像形成動作時における、冷却ファン80の送風量設定は、低風量側から、M0(送風量ゼロ)、M1(ファンの最大送風量の半分)、M2(ファンの最大送風量)の3段階で構成される。
後述する予測式によって予測したトナー温度があらかじめ規定した閾値以下の場合は、冷却ファン80の送風量をゼロにして、ファンの稼働音を抑制し静音化を行う。逆に、トナー温度が高くなり、一定の温度閾値を超えると、冷却ファン80の送風量を上昇させ、トナーの温度上昇を抑制する。合わせて、画像形成制御はトナー温度予測の結果に基づき、常時可変的にトナーの帯電量調整を行っている。
<トナー温度予測>
本実施形態のトナー温度の予測式を説明する。図5は冷却ファンの送風量を変更しない場合の画像形成時のトナー温度の推移を示すグラフである。図5では、冷却ファン80の送風量を変更せずに、画像形成装置500の印刷時の状態を示している。具体的には、第二センサ101の検出温度Teの推移(L1)、第一センサ100の検出温度Tsの推移(L2)、プロセスカートリッジ内部のトナーの実温度の推移(L3)、トナーの予測温度Tの推移(L4)を示す。なお、トナーの予測温度Tとは、各温度センサの値からトナーの実温度を予測した値である。縦軸はトナー温度であり、横軸は印刷時間である。
図5において、第二センサ101での検出温度Te(検知結果)は、ほぼ同一温度である。この場合、本実施形態におけるプロセスカートリッジ10内のトナーの予測温度Tを以下の予測式(式 1)、
T=α(Ts−Te)+Te+t …(式 1)
を用いて予測する。なお、tは任意のオフセット温度、αは任意の温度係数である。tとαは画像形成装置の構成によって任意に決定され、本実施形態ではt=2℃、α=2を用いている。ただし、本予測式は本実施形態の構成に基づいて作成されたものであり、本発明の範囲を限定する趣旨のものではない。
第二センサ101は、図1に示すように、プロセスカートリッジ10内部のトナーから離れた箇所に配置される。このため、プロセスカートリッジ10内部のトナーの実温度に対して同じ印刷時間での温度上昇量が少ない。この場合、プロセスカートリッジ10内部のトナー温度を、前記の予測式(式 1)を用いて予測している。
<冷却ファンの送風量制御による検知誤差の発生メカニズム>
次に冷却ファン80の送風量を変化させた場合の画像形成装置の温度推移を、図を用いて説明する。図6は冷却ファンの送風量を変更した場合の画像形成時のトナーの実温度と予測温度の差を示すグラフである。図6において、第二センサ101の検出温度Teの推移(L1a)、第一センサ100の検出温度Tsの推移(L2a)、プロセスカートリッジ内部のトナーの実温度の推移(L3a)、トナーの予測温度Tの推移(L4a)を示す。
冷却ファンの送風量を変更した場合の画像形成装置500の動作を説明する。画像形成装置500の制御装置300は、外部PC200より印刷ジョブを受け取り、画像形成動作を開始する。
なお、以下の説明で、画像形成動作の開始は、印刷ジョブを受信してから、ジョブ一枚目の画像の先端が現像ニップに到達するまでの間のいずれかの時間に設定される。本実施形態では、印刷ジョブに応じてCPUが画像形成動作の開始を判断している。また、画像形成動作の終了は、印刷ジョブ信号を受信してから、ジョブの最後の画像が現像ニップを通過してから後回転が終了する間のいずれかの時間に設定される。本実施形態では、後回転終了の信号に応じてCPUが画像形成動作の終了を判断している。
図6に示す時間S1までの間はトナーの予測温度が低い。このため、冷却ファン80を停止させ、低温用の画像形成制御を行う。その後、印刷中にトナーの予測温度が閾値温度T1(第一温度)になった時間S1において、プロセスカートリッジ10内のトナーの昇温が進んだと制御装置300が判断する。ここで、制御装置300は、冷却ファン80の送風量を上昇させ、最大送風量の半分で稼働させる。このように、トナー温度上昇の抑制が始まる。これを、中高温用の画像形成制御と呼ぶ。その後、時間S3において外部PC200より受け取った印刷ジョブの画像形成動作を終了する。
図6に示すように、冷却ファン80の送風量を上昇させた時間S1から時間S2(Δsとした時間)において、実温度の推移(L3a)と予測温度の推移(L4a)の間に誤差が生まれている。これは、前述のようにトナーとセンサが離れて配置されているために、トナーの温度が機内センサに伝熱するまでの時間差が生じて、送風量変化に対して機内センサの検出温度の変化が遅れて追従しているためである。
前記のような実温度と予測温度との誤差が発生すると、前述の画像形成制御に影響を及ぼす。その結果、例えば、同一の内容の印刷物でありながら、冷却ファン80の送風量上昇の前後で、印刷物の濃度や品位の差が変化してしまう。
この誤差は、特に冷却ファン80の動作を停止状態から送風量を上昇させる場合に、より顕著に表れる。それは、画像形成動作により機内の温度が上昇することにより、外気との温度差が顕著となったところで、冷却ファン80動作の開始によって、機外の相対的に冷たい空気が急速に流入するためである。冷たい空気が急速に流入することにより、トナーが急速に冷えることで第一センサ100の温度と第二センサ101の差分がより広がってしまうためである。
<冷却ファンの送風量制御>
〔第1実施形態〕
次に本実施形態の特徴となる冷却ファン80の送風量制御の一形態を図を用いて説明する。図7は第1実施形態の冷却ファン制御を行った場合のトナーの実温度と予測温度の差を示すグラフである。図7において、第二センサ101の検出温度の推移(L1b)、第一センサ100の検出温度の推移(L2b)、プロセスカートリッジ内部のトナーの実温度の推移(L3b)、トナーの実温度を予測した予測温度Tの推移(L4b)を示す。
図8は第1実施形態の冷却ファンの送風量制御を示すフローチャートである。図8に示すように、画像形成装置500を稼働すると(F101)、外部PC200から印刷ジョブを受け取った制御装置300は、第一センサ100の検出温度Tsと第二センサ101の検出温度Teの検出温度信号を受け取る。そして、制御装置300は、メモリー302に格納された前述の予測式を用いて、CPU301がトナーの予測温度Tを算出する(F102)。
算出したトナーの予測温度Tに基づき、制御装置300は、以下に説明する手順に従って冷却ファン80の稼働を開始する。なお、制御装置300には、冷却ファン80の送風量設定を切り替える基準となる閾値温度T1があらかじめ設定されている。
ここで、予測温度TがT<T1であれば(F103)、トナー温度はまだ上昇していないと認識し、冷却ファン80の送風量設定をM0(送風量ゼロ)とする(F104)。これにより、冷却ファン80の稼働を最小に抑え、稼働音を抑制することができる。
一方、予測温度TがT≧T1であれば(F105)、送風量設定をM1(ファンの最大送風量の半分)として、冷却ファン80を最大送風量の半分で稼働させる(F106)。これにより、画像形成装置500の適切な冷却をすることができる。以上のように、本実施形態では、後述するように、送風量設定をM2にしない。このように、冷却ファン80の送風量に上限を設けることで、冷却ファン80の稼働音を抑制している。
画像形成動作が始まっても、画像形成装置500の動作は、予測温度Tが閾値温度T1になるまで(時間S1まで)、図6の時の動作と同じである。制御装置300は、予測温度Tと、予め設定されている閾値温度T2と比較し、冷却ファン80の送風量を制御する。閾値温度T2は予め設定してもよいし、画像形成装置の使用に応じて変更される設定であってもよい。
図8のフローチャートに示すように、画像形成処理が開始後(F107)、再びトナーの予測温度Tを算出し(F108)、もしT<T2であれば(F109)、冷却ファン80の設定値を維持する。これにより、画像形成中の冷却ファン制御が抑制され、トナーの実温度と予測温度の間の差分の発生を抑制することができる。一方、T<T2でなければ、冷却ファン80の送風量設定をM1とする。これらの結果、印刷物の中での品位の差が生じにくく、かつ送風量を抑制することができる。
その後、画像形成処理を終了した場合(F111)、再びトナーの予測温度Tを算出する(F112)。トナーの予測温度Tが閾値温度T1未満だった場合は、送風量設定をM0にする(F114)。一方、トナーの予測温度Tが、T1≦Tだった場合(F115)、送風量設定をM1にする(F116)。
その後、待機状態に入り(F117)、ファン稼働を維持したまま次の印刷ジョブを一定時間待ってから(F118)、画像形成装置の動作を停止する(F119)。待機中に再度印刷ジョブが開始された場合は、フローチャートの先頭に戻り、画像形成処理の開始前に閾値温度T1を超えていれば、冷却ファン80の送風量は最大送風量の半分のまま印刷を再開する。それは、画像形成処理の開始前にあらかじめ送風量を上昇させておくことで、印刷中のファンの送風量変化を回避するためである。
閾値温度T1や閾値温度T2の温度設定は、適宜、状況に応じて設定可能である。例えば、閾値温度T2の設定方法としては、想定される一日の印刷枚数から一度の画像形成動作での最大印刷枚数を仮定し、その印刷枚数での温度上昇量分を閾値温度T1に加えた温度設定にするなどの設定としてもよい。
第1実施形態においては、画像形成動作の前の非画像形成動作時は、閾値温度T1である第一温度以上である場合に冷却ファン80の駆動を開始した。一方、画像形成動作中は、第一温度よりも高い第二温度以上(閾値温度T2以上)である場合に冷却ファン80の駆動を開始した。
〔第2実施形態〕
第2実施形態の冷却ファン80の送風量制御を図を用いて説明する。図9は第2実施形態の冷却ファン制御を行った場合のトナーの実温度と予測温度の差を示すグラフである。図9においては、第二センサ101の検出温度(L1c)、第一センサ100の検出温度(L2c)、プロセスカートリッジ内のトナーの実温度(L3c)、各温度センサの値からトナーの実温度を予測した予測温度T(L4c)、の温度推移を示す。
図9の温度を参照しつつ、図10を用いて冷却ファン80の送風量制御について説明する。図10は第2実施形態の冷却ファンの送風量制御を示すフローチャートである。第2実施形態では、第1実施形態に対して送風量設定M2が追加され、送風量設定が3段階になっている。加えて、閾値温度T3及び、閾値温度T4の2つが追加設定されている。
図10に示すように、画像形成装置の稼働が開始すると(F201)、外部PC200から印刷ジョブを受け取った制御装置300は、第一センサ100の検出温度Tsと第二センサ101の検出温度Teの検出温度信号を受け取る。
制御装置300のCPU301は、前記検出温度信号に基づいてトナーの予測温度Tを算出する(F202)。トナーの予測温度Tの算出は、前記検出温度信号に基づいてメモリー302に格納された前述の予測式を用いて行う。算出したトナーの予測温度に基づき、制御装置300は、以下のように冷却ファン80の稼働を制御する。
予測温度TがT<T1である場合(F203)、制御装置300は、トナー温度はまだ上昇していないと認識する。この場合、冷却ファン80の送風量設定をM0(送風量ゼロ)とする(F204)。これにより、冷却ファン80の稼働を最小に抑え、稼働音を抑制する。
予測温度TがT1≦T<T3であれば(F205)、送風量設定をM1として(F206)、冷却ファン80を最大送風量の半分で稼働させる。これにより、画像形成装置の冷却が開始する。また、予測温度TがT3<Tの場合(F220)には、送風量設定をM2として、冷却ファン80を最大送風量で稼働させる(F221)。この場合のみが、画像形成装置の冷却能力が最大になるように設定される。
その後、画像形成動作が始まってからの画像形成装置500の動作は、予測温度Tが閾値温度T1になるまで(時間S1まで)、図6の時の動作と同じである。具体的には、図10のフローチャートに示すように、画像形成処理の開始後(F207)、制御装置300は、予測温度Tと、予め設定されている閾値温度T4とを比較し、冷却ファン80の送風量を制御する。なお、閾値温度の関係はT1<T3<T4である。
そして、画像形成中は、閾値温度T4になるまで上述の冷却ファン80の送風量を維持する(F208、F209、F211)。これにより、画像形成中の冷却ファン80の稼働が抑制される。また、冷却ファン80の稼働を抑制することで、第一センサ100の検出温度が急激に低下することがなくなる。このため、トナーの実温度と予測温度の間の差分の発生を抑制することができる。この結果、印刷物の中での品位の差を生じにくくすることができる。
画像形成処理中に、予測温度Tが閾値温度T4を超えた場合(F209)は、印刷中であっても冷却ファン80の送風量設定を上昇させる。この時の送風量設定は、直前の送風量設定にかかわらず、送風量設定を一律、M2に設定する(F210)。このように、閾値温度T4を超えた場合は、冷却ファン80の最大送風量で機内を冷却していく。なお、直前の送風量設定がM0の場合は、M1、M2と段階的に切り替える制御でもよい。この場合は、非画像形成時よりも切替温度の閾値温度が高く設定されていればよい。
閾値温度T4は、少なくとも、温度上昇によるトナーの凝集塊が増加する温度より低い温度に設定される。これは、閾値温度T4以上の温度になる場合は、印刷物の品位の維持より、トナーが高温になることで発生する凝集塊によるプロセスカートリッジの破損防止を優先するためである。
画像形成処理中は、予測温度Tが閾値温度T4未満のときは、トナー画像の品位維持のため、画像形成前の送風量を維持する。このように、本実施形態においても、画像形成処理中の送風量変化を極力抑制している。
次に、画像処理が一旦終了した時点(F211)で、制御装置300は、閾値温度をT1及び閾値温度T3に戻す。このため、図9に示す時間S3(第1実施形態に対応)を超えて時間S4において、画像処理が終了した場合、トナーの予測温度Tを算出すると(F212)、T3≦Tとなる。この場合、送風量設定をM2とし(F223)、冷却ファン80を最大送風量で稼働させる。
図9に示す時間S5の時点では予測温度Tが閾値温度T3を下回る。この場合、本実施形態での予測温度Tが、T1≦T≦T3となるため(F215)、送風量設定をM1に変更し(F216)、冷却ファン80の送風量を最大送風量の半分で稼働させることになる。
その後、待機状態に入り(F217)、ファン稼働を維持したまま次の印刷ジョブを一定時間待ってから(F218)、画像形成装置の動作を停止する(F219)。
待機中に再度印刷ジョブが開始された場合は、フローチャートの先頭に戻る。そして、例えば、トナーの予測温度T(F202)が、画像形成処理開始前に閾値温度T1を超えていれば(F205)、冷却ファン80の送風量を最大送風量の半分に設定する(F206)。あるいは、トナーの予測温度(F202)が、閾値温度T3を超えていれば、最大送風量のM2に設定し、印刷を再開する(F207)。
以上のように、本実施形態においても、画像形成開始前にあらかじめ冷却ファン80の送風量を上昇させておくことで、印刷中のファンの送風量変化を回避する。また、上述の実施形態では、稼働中の送風量変化を極力抑制することで、予測温度と誤差を抑制し、印刷物間の品位の差の抑制と生産性の維持を図ると同時に稼働音の低減を実現する。
第2実施形態においては、画像形成動作の前の非画像形成動作時は、閾値温度T1及び閾値温度T3である第一温度以上である場合に、冷却ファン80の駆動を開始し又は第一速度であるM1よりも高い第二速度であるM2に増加させた。一方、画像形成動作中は、第一温度よりも高い第二温度以上(閾値温度T4以上)である場合に冷却ファン80の駆動を開始した。
〔他の実施形態〕
上述の実施形態においては、冷却ファン80の送風量設定を、M0(送風量ゼロ)、M1(ファンの最大送風量の半分)、M2(ファンの最大送風量)の2段階、または3段階で構成したが、段階的に複数存在すればよく、これに限るものではない。各段階の送風量、および設定段階の数は任意であり、最低でも2段階の送風量設定があれば実施可能である。送風量を変更させる方式もパルス幅変調に限定されるものではない。
また、上述の実施形態においては、画像形成処理が開始した時点において新たな閾値を設けたが、これに限るものではない。すなわち、いかなる送風量設定において新たな閾値を設けるかは任意である。例えば、複数ある送風量設定の閾値のうちの一つだけに新たな閾値を設けるのでもよいし、新たに設定する閾値が、送風量設定ごとに異なるものであってもよい。
また、上述の実施形態では、複数の温度センサの検知結果に基づいて、風量を制御する例を説明したが、温度センサが1つの場合であっても本発明を適用することはできる。その場合は、画像形成中の方が非画像形成時よりも風量を増加する閾値温度が高く設定すればよい。
T…予測温度
1…画像形成部
10…プロセスカートリッジ
11…感光体ドラム
80…冷却ファン
100…第一センサ
101…第二センサ
300…制御装置
301…CPU
302…メモリー
500…画像形成装置

Claims (5)

  1. 像担持体と、
    前記像担持体に形成される静電潜像に対してトナーを供給する現像装置と、
    前記現像装置の周囲の温度を計測する第一温度検知部と、
    装置本体の雰囲気温度を計測する第二温度検知部と、
    送風することで装置内部を冷却する冷却部と、
    前記第一温度検知部及び前記第二温度検知部の検出温度に基づいて、前記冷却部の動作を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、
    前記制御部は、前記第二温度検知部による検知結果が同一温度の場合において、
    非画像形成動作時には、前記第一温度検知部の検知結果が第一温度以上である場合に前記冷却部の送風量を第一速度から第二速度に増加し、
    画像形成動作中には、前記第一温度検知部の検知結果が前記第一温度よりも高い第二温度以上である場合に、前記冷却部の送風量を前記第一速度から前記第二速度に増加させるように制御することを特徴とする画像形成装置。
  2. 像担持体と、
    前記像担持体に形成される静電潜像に対してトナーを供給する現像装置と、
    前記現像装置の周囲の温度を計測する第一温度検知部と、
    装置本体の雰囲気温度を計測する第二温度検知部と、
    送風することで装置内部を冷却する冷却部と、
    前記第一温度検知部及び前記第二温度検知部の検出温度に基づいて、前記冷却部の動作を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、
    前記制御部は、前記第二温度検知部による検知結果が同一温度の場合において、
    非画像形成動作時には、前記第一温度検知部の検知結果が第一温度以上である場合に前記冷却部の駆動を開始し、
    画像形成動作中には、前記第一温度検知部の検知結果が前記第一温度よりも高い第二温度以上である場合に、前記冷却部の駆動を開始するように制御することを特徴とする画像形成装置。
  3. 像担持体と、
    前記像担持体に形成される静電潜像に対してトナーを供給する現像装置と、
    装置本体の雰囲気温度を計測する温度検知部と、
    送風することで装置内部を冷却する冷却部と、
    前記温度検知部の検出温度に基づいて、前記冷却部の動作を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、
    前記制御部は、
    非画像形成動作時には、前記温度検知部の検知結果が第一温度以上である場合に前記冷却部の送風量を第一速度から第二速度に増加し、
    画像形成動作中には、前記温度検知部の検知結果が前記第一温度よりも高い第二温度以上である場合に、前記冷却部の送風量を前記第一速度から前記第二速度に増加するように制御することを特徴とする画像形成装置。
  4. 像担持体と、
    前記像担持体に形成される静電潜像に対してトナーを供給する現像装置と、
    装置本体の雰囲気温度を計測する温度検知部と、
    送風することで装置内部を冷却する冷却部と、
    前記温度検知部の検出温度に基づいて、前記冷却部の動作を制御する制御部と、を有する画像形成装置において、
    前記制御部は、
    非画像形成動作時には、前記温度検知部の検知結果が第一温度以上である場合に前記冷却部の駆動を開始し、
    画像形成動作中には、前記温度検知部の検知結果が前記第一温度よりも高い第二温度以上である場合に、前記冷却部の駆動を開始するように制御することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記第二温度は、前記現像装置の内部のトナーの凝集塊が増加する温度より低い温度に設定されることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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