JP2004361626A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置において転写部材を均一に冷却して温度分布の発生を抑制し、転写ムラや色ムラ等のない高品質な画像を形成することを目的とする。
【解決手段】用紙Pを担持して搬送するとともに、トナー像を担持する中間転写ベルト15から用紙Pにトナー像を転写する二次転写搬送ベルト21に、二次転写搬送ベルト21を冷却する冷却装置100を設けた。
【選択図】 図1
【解決手段】用紙Pを担持して搬送するとともに、トナー像を担持する中間転写ベルト15から用紙Pにトナー像を転写する二次転写搬送ベルト21に、二次転写搬送ベルト21を冷却する冷却装置100を設けた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機等の画像形成装置に係り、より詳しくは、電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機等の画像形成装置では、例えばフルカラーのタンデム機等の各種カラー画像形成装置が提案されている。例えばこのタンデム機では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成されるY、M、C、Kの各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に一旦、多重に転写(一次転写)し、この中間転写ベルトと記録紙を搬送する二次転写搬送ベルトとの間に転写電界を作用させて記録紙上に一括して転写(二次転写)する。そして、この記録紙上に形成されたトナー像を定着器により加熱および加圧することで記録紙上に定着し、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成している。
【0003】
このような従来の画像形成装置においては、定着器内にトナーを溶融して記録紙に固着させるための加熱部材が配設されている。そのため、定着器が熱源となって装置内に配設された各種構成要素の温度を上昇させ、種々の弊害が生じる場合がある。例えば、定着器からの熱が感光体ドラムに伝わり、感光体ドラムの温度が高くなり過ぎることによって、感光体ドラムの表面上に熱で軟化したトナーの薄い膜が形成され、感光体ドラム上に形成されるトナー像の画質低下を招く場合がある。また、定着器の近傍に配置された転写搬送ユニットのベルト駆動ローラの温度が上昇してベルト駆動ローラが膨張し、転写搬送ベルトの搬送スピードが変化して、転写ズレが発生するという場合もある。そこで、従来より、画像形成装置に吸排気装置を設け、画像形成装置内の温まった空気を機外に排気したり、機外から冷気を吸入するように構成している。
【0004】
ここで、従来技術として、画像形成装置本体内に外部の空気を導入する吸引ファンを設け、この吸引ファンにより導入された空気が放電装置の内部およびその周辺を通って像担持体表面に供給するとともに、像担持体の内部にも空気を供給する吸引ダクトを設け、像担持体を冷却する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、トナー像が転写される記録材を保持して搬送する搬送ベルトを駆動する駆動ローラにおいて、駆動ローラの一方の軸端部近傍にこの軸端部に向かう気流を発生させるファンを配設し、中空構造の駆動ローラの内部において一方の軸端部から他方の軸端部に向かう気流を発生させて、駆動ローラを冷却する技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−47551号公報(第4−5頁、図2)
【特許文献2】
特許第3368155号公報(第4−5頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の画像形成装置においては、両面プリント機構を備えた機種も開発されている。そのような機種では、両面プリント時には、1面目の画像形成が行われ、第1面にトナー像を保持した記録紙を定着器に通過させてトナー像を定着させた後、一旦中間トレイに保持する。そして、2面目の画像形成時には、中間トレイから記録紙を給紙し、第2面にトナー像を転写した後に定着器で定着して、両面プリントを完成させている。
しかしながら、中間トレイに搬送された記録紙は、定着器を通過しているので、定着器からの熱を受けて温度が高くなった状態にある。そのため、この記録紙を再度給紙してトナー像を第2面に転写させる際に、転写部に記録紙を担持搬送すると共に記録紙にトナー像を転写する二次転写搬送ベルト等の転写部材に高温の記録紙が接触することから、これらの転写部材に記録紙からの熱が伝わり、転写部材の記録紙と接触する部分の温度が上昇するという現象が生じる。
【0007】
特に、例えば小サイズ紙での両面プリントを連続して行った後に大サイズ紙のプリントを行う場合には、二次転写搬送ベルト等の転写部材において、記録紙への転写領域内に、記録紙と接触して温度が高くなった部分と、記録紙との接触がなく温度が低いままの部分とが生じることとなる。転写部材の温度が高い部分では体積抵抗率が低下するため、転写部材の中で温度が高い部分と低い部分とで体積抵抗率に差が発生する。そのために、転写部に印加される転写電界が不均一となり、転写画像面内において転写ムラや色ムラが生じてしまうという問題があった。
【0008】
なお、上記した特許文献1に記載された技術は、像担持体の周囲や内部に空気を通過させて像担持体を冷却するものであるが、像担持体を冷却することのみによっては、転写部材に生じる温度分布を抑制して、二次転写時に転写電界が不均一となることによる画像の転写ムラや色ムラを防止することはできない。また、特許文献2に記載された技術は、搬送ベルトを支持して駆動する駆動ローラを冷却するものであるが、駆動ローラを冷却するだけでは転写部材の温度分布を均一化するには不充分である。
【0009】
そこで本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、転写部材を均一に冷却して温度分布の発生を抑制し、転写ムラや色ムラ等のない高品質な画像を形成することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、記録媒体を担持して搬送するとともに、トナー像を担持するトナー像担持手段から記録媒体にトナー像を転写する転写搬送手段に、転写搬送手段を冷却する冷却手段を設けたことを特徴としている。ここで、冷却手段は、転写搬送手段に空気を吹きつけることで転写搬送手段を冷却することを特徴とすることもできる。また、冷却手段は、転写搬送手段の記録媒体を担持する基準となる位置を基準とした所定の領域を冷却することを特徴とすることもできる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、記録媒体を担持して搬送するとともに、トナー像を担持するトナー像担持体から記録媒体にトナー像を転写する転写搬送部材に、この転写搬送部材の近傍に空気流路形成部材を配設して空気流路を形成し、空気流路形成部材の空気流路に空気流生成部材によって空気流を生成することを特徴としている。ここで、空気流生成部材は、空気流路形成部材に空気を供給する空気供給部材と、空気流路形成部材から空気を排出させる空気排出部材とを有することを特徴とすることもできる。また、外部環境の温度を検知する温度検知部材と湿度を検知する湿度検知部材のいずれか一方または双方をさらに備え、温度検知部材と湿度検知部材のいずれか一方または双方の検知結果に基づいて空気供給部材の動作を制御することもできる。さらに、空気流路形成部材は、空気流路の開口の位置と面積のいずれか一方または双方が可変に構成することもできる。さらにまた、トナー像担持体に空気流を供給してトナー像担持体を冷却するトナー像担持体冷却部材をさらに備えることもできる。
【0012】
また本発明の画像形成装置は、記録媒体の両面に画像を形成することが可能な画像形成装置であって、一方の面にトナー像が定着された記録媒体を担持して搬送するとともに、トナー像を担持するトナー像担持体から記録媒体の他方の面にトナー像を転写する転写搬送部材に、この転写搬送部材の近傍に空気流路形成部材を配設して空気流路を形成し、空気流路形成部材の空気流路に空気流生成部材によって空気流を生成するとともに、この空気流生成部材では生成する空気流量が制御可能に構成されていることを特徴としている。ここで、空気流生成部材は、両面画像形成の際には生成する空気流量を増加させることもできる。また、空気流生成部材は、両面画像形成の直後には生成する空気流量を増加させることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明について詳細に説明する。[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型、所謂中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させるトナー像担持手段の一例としての中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録紙である用紙Pに一括転写(二次転写)させる転写搬送手段の一例としての二次転写搬送ベルト21、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器60、二次転写搬送ベルト21を冷却する冷却手段の一例としての冷却装置100を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0014】
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11が帯電される帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像が書込まれるレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
【0015】
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
【0016】
各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0017】
中間転写ベルト15は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写搬送ベルト21と二次転写部20において当接するように構成されている。また、中間転写ベルト15の裏面側にはバックアップロール25が配置されている。ここでバックアップロール25は、導電性の金属ロールに半導電性の弾性体を巻き付けて構成したものであり、例えばその体積抵抗率は106〜108Ωcmに調整されている。そして、トナーの帯電極性と同極性の電圧(正規の転写バイアス)が印加されて二次転写搬送ベルト21との間に転写電界を形成する。
【0018】
一方、二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22とアイドルロール23とによって張架された、例えば体積抵抗率が106〜1010Ωcmの半導電性の無端ベルトである。この二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22によって、所定の速度で搬送され、アイドルロール23によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール22は、導電性の金属ロールで構成され、接地されている。そして、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに二次転写を行う二次転写ロールとして機能している。なお、ここでの「圧接」の文言は、直接接触する場合以外に、直接は接触せずに、介在する部材を押圧する状態に置かれている場合をも含む意味で用いている。
【0019】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が設けられている。さらに、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置され、また、黒の画像形成ユニット10Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。
【0020】
さらに、用紙搬送系として、用紙Pを収容する3つの用紙トレイ50a、50b、50c、この用紙トレイ50a、50b、50cのいずれかに集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着器60へと搬送する搬送ベルト55を備えている。
【0021】
また、両面搬送系として、定着器60で第1面にトナー像が定着された用紙Pを一旦保持する中間トレイ80、定着器60の用紙P搬送方向の下流側に配置され、用紙Pを直接排紙載置部70に搬送する搬送路Kと中間トレイ80に搬送する搬送路Lとに選択的に振り分けるフラッパ62、フラッパ62から導かれた用紙Pを中間トレイ80へ排出する排出ロール63、中間トレイ80に用紙Pを搬送する搬送ロール56、中間トレイ80に保持された用紙Pを所定のタイミングで取り出して二次転写部20へ向けて搬送するピックアップロール57を備えている。
【0022】
一方、定着器60は、定着ロール60aと加圧ロール60bとが互いに圧接されながら図示しない支持機構により回転自在に支持され、図示しない駆動装置によって図中の矢印方向に所定の速度で回転する。また、定着ロール60aと加圧ロール60bとは、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属で形成された円筒状の芯金上に、弾性材料で構成される弾性体層と、耐熱性に優れた弾性材料で構成される表面層とを積層して構成されたロールである。さらに、定着ロール60aの内部には、加熱源としてのハロゲンヒータが配設されている。
そして、定着ロール60aの表面には、定着ロール60aの表面温度を計測する図示しない温度センサが配設され、この温度センサの計測信号により、制御部40でハロゲンヒータが制御されて、定着ロール60aの表面温度が所定の温度(例えば160℃)に維持される。
【0023】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、画像読取装置(IIT)90や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0024】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
【0025】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、中間転写ベルト15を介して各感光体ドラム11に対向配置された一次転写ロール16により、中間転写ベルト15の基材に対してトナーの帯電極性と逆極性の電圧が付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。
【0026】
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、複数配設された用紙トレイ50a、50b、50cの中から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、上述したようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。なお、用紙Pとは、プリント可能な記録媒体を代表して表現したものであり、紙のほか、OHPシートや布材等も含んでいる。
【0027】
二次転写部20では、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。そして、バックアップロール25にトナーの帯電極性と同極性の電圧(転写バイアス)が印加されると、二次転写搬送ベルト21を対向電極として転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、用紙Pに二次転写される。
【0028】
その後、トナー像が転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55まで搬送される。搬送ベルト55では、定着器60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着器60まで搬送する。定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、フラッパ62により搬送路Kに導かれ、排出ロール61により複数の排紙トレイ70a、70bが設置された排紙載置部70に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【0029】
また、両面プリント時には、上述した過程によって用紙Pの第1面上に定着画像が形成された用紙Pは、定着器60から排出された後、フラッパ62により搬送路Lに導かれ、排出ロール63および搬送ロール56により中間トレイ80に搬送される。そして、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによる第2面の画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール57が回転し、中間トレイ80から用紙Pが給紙される。ピックアップロール57により給紙された用紙Pは、第1面の場合と同様にしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされ、トナー像が用紙Pの第2面に二次転写される。
ここで、用紙Pの搬送方向について、第1面側に画像形成する場合の先端が、もう一方の第2面側に画像形成する場合には後端となってしまう。そこで、第2面側に画像形成する場合には、感光体ドラム11上にはトナー像の上下方向を第1面側に画像形成する場合に対して反転させるように形成して、両面共に上下方向の揃った画像を得ることができる。
【0030】
そして、トナー像が転写された用紙Pは、第1面の場合と同様に定着され、排紙載置部70に搬送される。すなわち、用紙Pは二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離され、二次転写搬送ベルト21および搬送ベルト55によって定着器60まで搬送される。定着器60に搬送された用紙Pの第2面上の未定着トナー像は、定着器60によって定着される。そして両面に定着画像が形成された用紙Pは、フラッパ62により搬送路Kに導かれ、排出ロール61により排紙載置部70に搬送される。
【0031】
次に、本発明の特徴である二次転写搬送ベルト21を冷却する冷却装置100について説明する。図1に示したように、冷却装置100は、二次転写搬送ベルト21の周囲を覆い、二次転写搬送ベルト21周囲に空気流路を形成する空気流路形成部材110、空気流路形成部材110に外気を供給する空気供給部材の一つとしての吸気ダクト120、空気流路形成部材110から空気を排出する空気排出部材の一つとしての排気ダクト130で構成されている。そして、吸気ダクト120と排気ダクト130とにより空気流生成部材を構成している。
【0032】
冷却装置100の構成について、図2および図3を用いて述べる。ここで、図2は冷却装置100を給紙側から見た正面図であり、図3は冷却装置100を装置手前側から見た側面図である。
図2および図3に示すように、空気流路形成部材110には、吸気ダクト120が連結された空気吸入口111と、排気ダクト130が連結された空気排出口112とが設けられて構成されている。また空気流路形成部材110には、空気吸入口111と空気排出口112のほか、二次転写部20と、用紙Pが二次転写部20に供給される用紙入口部113、用紙Pが搬送ベルト55に排出される用紙排出部114に開口を備えているが、用紙入口部113および用紙排出部114の下側には、空気の流出入を制限するために、それぞれシール板115、シール板116が配設されている。
【0033】
吸気ダクト120には、空気吸入口111に空気を送る吸気ファン121、吸気ファン121の上流側に配設され、外気からの粉塵を取り除く粉塵フィルタ122、外気を取り込む吸入口123を備えている。また、排気ダクト130には、空気排出口112から空気を吸入する排気ファン131、排気ファン131の上流側に配設され、帯電器12から放出されて機内の空気中に混入したオゾンを取り除くオゾンフィルタ132、空気を機外に排出するための排出口133を備えている。
【0034】
吸気ダクト120では、図示しない駆動モータによって駆動された吸気ファン121は、吸入口123から外気を取り込み、粉塵フィルタ122によって外気中の粉塵が除去された空気を空気吸入口111から空気流路形成部材110に供給する(図2中矢印F)。空気流路形成部材110では、空気吸入口111を二次転写搬送ベルト21の幅方向中央部よりも吸気ダクト120側に寄った位置に配置し、空気吸入口111は、供給された空気が二次転写搬送ベルト21の幅方向中央部を中心とした所定幅の領域に吹き付けられ、吹き付けられた空気が空気排出口112へ向けて流れるように形成されている。そして、二次転写搬送ベルト21の中央部領域に吹き付けられた空気は、一部が用紙入口部113から漏出するが、用紙入口部113に設けられたシール板115によりその殆どが二次転写搬送ベルト21の表面に向かい、二次転写搬送ベルト21の表面に沿って空気排出口112に向かって移動しながら(図2中矢印G)、二次転写搬送ベルト21から熱を奪い二次転写搬送ベルト21を冷却する。
ここで、空気流を二次転写搬送ベルト21の表面に沿ってスムーズに空気排出口112まで移動させるために、空気流路形成部材110の空気吸入口111が配設された側壁の内面に、二次転写搬送ベルト21の幅方向に向けて、整流板としての複数のリブ117を設けている。
【0035】
そして、二次転写搬送ベルト21を冷却する際に温まった空気は、図示しない駆動モータによって駆動された排気ファン131により、空気流路形成部材110の空気排出口112から排気ダクト130に吸引され、オゾンフィルタ132によって空気中のオゾンが除去された後、排出口133から機外に排出される(図2中矢印H)。ここで、排気ダクト130では排気ファン131の駆動により空気排出口112における気圧を負圧とすることで、二次転写搬送ベルト21の中央部領域に吹き付けられた空気は、空気排出口112に向かうように設定されている。
【0036】
ところで、例えば、用紙PとしてA4サイズ紙での両面プリントを連続して行った場合には、第1面目のプリントで定着器60によって高温に温められた用紙Pが、第2面目のプリント時に二次転写搬送ベルト21と接触することから、二次転写搬送ベルト21における用紙Pとの接触領域の温度がプリントを重ねる毎に高くなる。したがって、A4サイズ紙での両面プリントを連続して行った直後に、A3サイズ紙でのプリントを行う場合には、二次転写搬送ベルト21のA3サイズ紙の転写領域内において、A4サイズの用紙Pと接触して温度が高くなった部分と、A4サイズの用紙Pとの接触がなく温度が低いままの部分とが生じることとなる。二次転写搬送ベルト21は体積抵抗率が106〜1010Ωcmの半導電性に構成されているが、このように二次転写搬送ベルト21の温度が高くなると体積抵抗率が低下し、二次転写時に充分な転写電界を形成することができなくなる。その結果、二次転写搬送ベルト21の中で温度が高い部分と低い部分とで転写電界が不均一となり、画像面内において転写ムラや色ムラが生じてしまうこととなる。
【0037】
これに対し、本実施の形態の画像形成装置では、上述したように、外部から取り込んだ空気を二次転写搬送ベルト21の中央部領域に吹き付けて、二次転写搬送ベルト21の中央部領域を冷却するように構成することで、二次転写搬送ベルト21の幅方向の全域に亘って二次転写搬送ベルト21の温度を略均一に保つことができる。そのため、A4サイズ紙のような小サイズ紙での両面プリントを連続して行った直後に、A3サイズ紙のような大サイズ紙でのプリントを行う場合にも、二次転写搬送ベルト21の幅方向の温度を略均一に維持することができる。その結果、二次転写搬送ベルト21の中で温度が高い部分と低い部分とが生じて転写電界が不均一となることを抑制することができ、画像面内において転写ムラや色ムラがない高品質の画像を形成することが可能となる。
【0038】
なお、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21の中央部領域を冷却するように空気を吹き付けたが、これは用紙Pの搬送として中央基準方式を採用した構成を前提としたからである。したがって、用紙Pの搬送として片側基準方式を採用した構成においては、二次転写搬送ベルト21の搬送基準側領域を冷却するように空気を吹き付けるような構成が採られる。
また、二次転写搬送ベルト21への空気の吹き付けは、二次転写搬送ベルト21の内側にダクトを配設し、二次転写搬送ベルト21の内面から行うことも可能である。
【0039】
さらに、図4に示したように、空気吸入口111を、空気吸入口111の幅方向の一辺が転写搬送ベルト21の幅方向中央部に位置し、他方の一辺が頻繁に使用する用紙P(例えば、A4サイズ紙)の用紙幅の端面部に位置するように形成し、さらにその開口部に開口量を調整するためのスライド自在に構成されたスライド板118を備えた構成としてもよい。
かかる構成において、両面プリント時に使用される用紙Pのサイズに対応させてスライド板118の位置を移動させることによって、空気吸入口111から空気を吹き付ける領域を調整することができる。例えば、A4サイズ紙の両面プリントを行う場合には、空気吸入口111の開口が最大となるようにスライド板118の位置を移動させ、A4サイズ幅の全域に直接空気を吹き付けるように設定する。一方、B5サイズ紙の両面プリントを行う場合には、B5サイズ紙の端面部までスライド板118の位置を移動させ、B5サイズ幅の全域に重点的に空気を吹き付けるように設定することができる。
このように構成することによって、両面プリント時に使用される用紙Pのサイズに合わせて、二次転写搬送ベルト21の昇温した領域を効率的に冷却することが可能となる。
なお、空気吸入口111の開口量の調整は、空気吸入口111に分割した複数のシャッタを設けておき、そのシャッタを選択的に開閉させるように構成して実現することもできる。
【0040】
次に、制御部40が行う冷却装置100の駆動制御について述べる。図5は、制御部40が行う冷却装置100の駆動制御に関する処理の流れを示すフローチャートの一例である。図5に示すように、画像形成装置がプリント動作を開始すると、まずそのプリント動作が装置を起動させた後の最初のプリント動作か否かを判断する(S101)。そして、装置を起動させた後の最初のプリント動作である場合には、今回のプリント動作が両面プリントモードか片面プリントモードかを判断する(S102)。両面プリントモードの場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる(S103)。両面プリントモードでは、上述したように二次転写搬送ベルト21における用紙Pとの接触領域の温度が高くなるため、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させて、二次転写搬送ベルト21を冷却するために充分な空気流量を二次転写搬送ベルト21に供給するためである。一方、片面プリントモードの場合には、排気ダクト130の排気ファン131のみを駆動させる(S104)。片面プリントモードでは、二次転写搬送ベルト21が搬送する用紙Pは室温であるため、二次転写搬送ベルト21の温度は用紙Pとの接触で上がることはなく、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる必要はないが、定着器60からの熱による影響を徐々に受け、大量のプリントの際には二次転写搬送ベルト21全体の温度が僅かながら上昇することもある。そのため、排気ダクト130の排気ファン131のみを駆動させて、二次転写搬送ベルト21の温度上昇の発生を抑制する。
【0041】
ステップS101において、プリント動作が装置を起動させた後の最初のプリント動作でないと判断された場合、すなわち装置がスタンバイ状態であって今回のプリント動作以前にプリント動作履歴が存在する場合には、前回のプリント動作が両面プリントモードであったか片面プリントモードであったかを判断する(S105)。そして、両面プリントモードであった場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる(S106)。前回のプリント動作が両面プリントモードであると、二次転写搬送ベルト21の用紙Pとの接触領域の温度が高い状態のままの場合があるからである。
ステップS105において、片面プリントモードであったと判断された場合には、今回のプリント動作が両面プリントモードか片面プリントモードかを判断する(S107)。そして、今回のプリント動作が両面プリントモードである場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる(S108)。一方、今回のプリント動作が片面プリントモードである場合には、排気ダクト130の排気ファン131のみを駆動させる(S109)。前回のプリント動作および今回のプリント動作ともに片面プリントモードであるので、二次転写搬送ベルト21の用紙Pとの接触領域の温度は、両面プリントモードの場合ほど高くならないからである。
【0042】
さらに、冬季の朝など装置の設置環境の温度が低い状態において、ストーブやヒータ等により急激に周囲の温度や湿度が上昇した場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121を駆動させて暖かく湿った外気を吸入すると、冷えた状態の感光体ドラム11に結露が生じる場合がある。感光体ドラム11に結露が生じた状態でプリント動作を行うと、画像品質は著しく劣化したものとなる。そこで、装置の外部環境の温度を検出する温度センサおよび湿度を検出する湿度センサを配設し、温度センサおよび湿度センサからの検出値が所定の温度および所定の湿度の範囲を超えて急激に変動した場合には、両面プリントモードが選択されている場合でも吸気ダクト120の吸気ファン121の駆動を行わないように設定することも可能である。
【0043】
このように、本実施の形態の画像形成装置では、外部から取り込んだ空気を二次転写搬送ベルト21に吹き付けて、二次転写搬送ベルト21の温度が高くなった領域を冷却する冷却装置100を設けることで、二次転写搬送ベルト21の幅方向の全域に亘って二次転写搬送ベルト21の温度を略均一に保つことができる。そのため、小サイズ紙での両面プリントを連続して行った直後に、大サイズ紙でのプリントを行う場合にも、二次転写搬送ベルト21の幅方向の温度を略均一に維持することができるので、二次転写搬送ベルト21の中で温度が高い部分と低い部分とが生じて転写電界が不均一となることを抑制することができ、画像面内において転写ムラや色ムラがない高品質の画像を形成することが可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態の画像形成装置では、二次転写搬送ベルト21に冷却装置100を設けたが、中間転写ベルト15は二次転写搬送ベルト21に接触して構成されているため、二次転写搬送ベルト21からの熱を受け易い。そのため、中間転写ベルト15においても二次転写搬送ベルト21の温度が高くなった領域に当接する部分では、二次転写搬送ベルト21からの熱が伝わり温度が高くなる場合もある。中間転写ベルト15の体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されているが、二次転写搬送ベルト21と同様に温度が上がると体積抵抗率が低下し、一次転写および二次転写において充分な転写電界を形成することができなり、転写不良を発生させる原因となる。そこで、中間転写ベルト15を冷却するべく、冷却装置100を中間転写ベルト15に適用することも可能である。
【0045】
[実施の形態2]
実施の形態1では、一旦トナー像を中間転写体に担持する所謂中間転写方式により記録紙にカラー画像を形成する画像形成装置を例に挙げて説明した。しかしながら、かかる内容は、中間転写方式による画像形成装置の代わりに、感光体ドラムから直接トナー像を記録紙に転写して画像形成する画像形成装置にも適用することが可能である。この実施の形態2では、かかる感光体ドラムから直接トナー像を記録紙に転写する場合について説明する。尚、実施の形態1と同様の構成については、同様の符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0046】
図6は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図6に示す画像形成装置は、電子写真方式にて黒色のトナー像が形成される画像形成ユニット10、画像形成ユニット10上に形成されたトナー画像を記録紙である用紙Pに転写させる転写搬送ベルト210、転写された画像を用紙P上に定着させる定着器60、転写搬送ベルト210を冷却する冷却装置100を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0047】
転写搬送ベルト210は、駆動ロール212とアイドルロール213とによって張架された、例えば体積抵抗率が106〜1010Ωcmの半導電性の無端ベルトである。この転写搬送ベルト210は、駆動ロール212によって、所定の速度で搬送され、アイドルロール213によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール212は、導電性の金属ロールに半導電性の弾性体を巻き付けて構成したものであり、例えばその体積抵抗率は106〜108Ωcmに調整されている。そして、転写搬送ベルト210を挟んで感光体ドラム11に圧接配置される。
駆動ロール212にはトナーの帯電極性と反対極性の電圧(転写バイアス)が印加され、転写搬送ベルト210と、トナー像担持体の一例としての感光体ドラム11との間に転写電界を形成する。そして、転写搬送ベルト210に給紙される用紙P上にトナー像を転写する。
【0048】
本実施の形態の画像形成装置では、図7に示すように、冷却装置100は転写搬送ベルト210を冷却するとともに、感光体ドラム11の一端面に配設された吸気口141の位置に対応して吸気ダクト120の分岐路124を位置させ、感光体ドラム11の他端面に配設された排気口142に対応させて排気ダクト130を位置させて、感光体ドラム11内に空気を流通させるように構成し、感光体ドラム11の冷却も同時に行うことができる。
【0049】
具体的には、感光体ドラム11の両端面に感光体ドラム11の回転軸を中心として所定の円周上に、吸気口141および排気口142としての複数の円形孔がそれぞれ形成されている(図6も併せて参照)。そして、感光体ドラム11の両端面の所定の円周に対応して、吸気ダクト120の分岐路124と排気ダクト130とを位置させて配置している。
吸気ダクト120から吸気された外気は、転写搬送ベルト210に供給される空気流(図7中矢印F1)の一部が、吸気ダクト120の分岐路124から感光体ドラム11の吸気口141が配設された端面に向けて供給される(図7中矢印F2)。回転する感光体ドラム11の端面の吸気口141が分岐路124の位置に到達した際に、分岐路124から感光体ドラム11の内部に空気が供給されるが、吸気口141は感光体ドラム11の端面に間断なく形成されているので、略連続的に感光体ドラム11の内部に空気が供給される。そして、感光体ドラム11に供給された空気は、感光体ドラム11内を通過し、主として排気ダクト130によって負圧となっている排出口142に向かって移動しながら(図7中矢印J)、感光体ドラム11から熱を奪い感光体ドラム11を冷却する。
【0050】
そして、感光体ドラム11を冷却する際に温まった空気は、回転する感光体ドラム11のもう一方の端面に配設された排気口142が排気ダクト130の位置に到達した際に、排気ダクト130によって負圧となっている排気口142に吸引され(図7中矢印H2)、転写搬送ベルト210から排出される空気流(図7中矢印H1)とともに排出口133から機外に排出される。ここで、排気口142も感光体ドラム11の端面に間断なく形成されているので、略連続的に感光体ドラム11の内部から空気が排出される。なおここでは、吸気ダクト120および排気ダクト130がトナー像担持体冷却部材を構成している。
【0051】
ところで、転写搬送ベルト210は、実施の形態1において説明したのと同様に、両面プリントを連続して行った場合には、第1面目のプリントで定着器60によって高温に温められた用紙Pが、第2面目のプリント時に転写搬送ベルト210と接触することから、転写搬送ベルト210における用紙Pとの接触領域の温度がプリントを重ねる毎に高くなることから冷却している。
一方、本実施の形態の画像形成装置では、転写搬送ベルト210は感光体ドラム11に接触して構成されているため、転写搬送ベルト210からの熱を受け易い。そのため、感光体ドラム11においても転写搬送ベルト210の温度が高くなった領域に当接する部分では、転写搬送ベルト210からの熱が伝わって温度が高くなる場合もある。感光体ドラム11の温度が高くなると、感光体ドラム11の感光層における電荷モビリティが高くなり、充分な帯電電位が得られないという現象が生じる。そこで、感光体ドラム11も同時に冷却することで、感光体ドラム11の全域に亘り充分な帯電電位を確保し、コントラストの高い高品質の画像を得ることができる。また、感光体ドラム11を冷却することで、転写搬送ベルト210の冷却も効果的に行われるという利点もある。
【0052】
なお、排気ダクト130においては、感光体ドラム11を帯電する帯電器12からの空気を吸引する空気流通路を排気ダクト130に連結し、帯電器12から発生するオゾンを同時に吸引することができるように構成することにより、帯電器12のオゾン除去を同時に行うこともでき、装置の排気系の構成を簡略化することもできる。
【0053】
このように、本実施の形態の画像形成装置によれば、冷却装置100により転写搬送ベルト210を冷却するとともに、感光体ドラム11の冷却も同時に行うことにより、転写搬送ベルト210および感光体ドラム11の幅方向の全域に亘って温度を略均一に保つことができる。そのため、両面プリントを行う場合にも、転写搬送ベルト210の中で温度が高い部分と低い部分とが生じて転写電界が不均一となることを抑制することができ、画像面内において転写ムラや色ムラがない高品質の画像を形成することが可能となるとともに、感光体ドラム11の帯電電位も充分に確保することができるため、幅方向の全域に亘ってコントラストの高い鮮明な画像を形成することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写部材を均一に冷却して温度分布の発生を抑制し、転写ムラや色ムラ等のない高品質な画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置を示した図である。
【図2】冷却装置の正面図である。
【図3】冷却装置の側面図である。
【図4】開口量の調整が可能な冷却装置の正面図である。
【図5】冷却装置の駆動制御に関する処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【図6】本発明の他の画像形成装置を示した図である。
【図7】冷却装置の正面図である。
【符号の説明】
10Y,10M,10C,10K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、22,212…駆動ロール、23,213…アイドルロール、25…バックアップロール、40…制御部、60…定着器、61,63…排出ロール、62…フラッパ、70…排紙載置部、80…中間トレイ、100…冷却装置、110…空気流路形成部材、111…空気吸入口、112…空気排出口、113…用紙入口部、114…用紙排出部、115,116…シール板、117…リブ、120…吸気ダクト、121…吸気ファン、122…粉塵フィルタ、123…吸入口、124…分岐路、130…排気ダクト、131…排気ファン、132…オゾンフィルタ、133…排出口、141…吸気口、142…排気口、210…転写搬送ベルト
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機等の画像形成装置に係り、より詳しくは、電子写真方式を用いた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プリンタや複写機等の画像形成装置では、例えばフルカラーのタンデム機等の各種カラー画像形成装置が提案されている。例えばこのタンデム機では、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の4つの画像形成ユニットを互いに並列的に配置し、これらの各画像形成ユニットにて順次形成されるY、M、C、Kの各色のトナー像を、中間転写体である中間転写ベルト上に一旦、多重に転写(一次転写)し、この中間転写ベルトと記録紙を搬送する二次転写搬送ベルトとの間に転写電界を作用させて記録紙上に一括して転写(二次転写)する。そして、この記録紙上に形成されたトナー像を定着器により加熱および加圧することで記録紙上に定着し、フルカラーや白黒(モノクロ)の画像を形成している。
【0003】
このような従来の画像形成装置においては、定着器内にトナーを溶融して記録紙に固着させるための加熱部材が配設されている。そのため、定着器が熱源となって装置内に配設された各種構成要素の温度を上昇させ、種々の弊害が生じる場合がある。例えば、定着器からの熱が感光体ドラムに伝わり、感光体ドラムの温度が高くなり過ぎることによって、感光体ドラムの表面上に熱で軟化したトナーの薄い膜が形成され、感光体ドラム上に形成されるトナー像の画質低下を招く場合がある。また、定着器の近傍に配置された転写搬送ユニットのベルト駆動ローラの温度が上昇してベルト駆動ローラが膨張し、転写搬送ベルトの搬送スピードが変化して、転写ズレが発生するという場合もある。そこで、従来より、画像形成装置に吸排気装置を設け、画像形成装置内の温まった空気を機外に排気したり、機外から冷気を吸入するように構成している。
【0004】
ここで、従来技術として、画像形成装置本体内に外部の空気を導入する吸引ファンを設け、この吸引ファンにより導入された空気が放電装置の内部およびその周辺を通って像担持体表面に供給するとともに、像担持体の内部にも空気を供給する吸引ダクトを設け、像担持体を冷却する技術が存在する(例えば、特許文献1参照)。また、トナー像が転写される記録材を保持して搬送する搬送ベルトを駆動する駆動ローラにおいて、駆動ローラの一方の軸端部近傍にこの軸端部に向かう気流を発生させるファンを配設し、中空構造の駆動ローラの内部において一方の軸端部から他方の軸端部に向かう気流を発生させて、駆動ローラを冷却する技術が存在する(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−47551号公報(第4−5頁、図2)
【特許文献2】
特許第3368155号公報(第4−5頁、図2)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来の画像形成装置においては、両面プリント機構を備えた機種も開発されている。そのような機種では、両面プリント時には、1面目の画像形成が行われ、第1面にトナー像を保持した記録紙を定着器に通過させてトナー像を定着させた後、一旦中間トレイに保持する。そして、2面目の画像形成時には、中間トレイから記録紙を給紙し、第2面にトナー像を転写した後に定着器で定着して、両面プリントを完成させている。
しかしながら、中間トレイに搬送された記録紙は、定着器を通過しているので、定着器からの熱を受けて温度が高くなった状態にある。そのため、この記録紙を再度給紙してトナー像を第2面に転写させる際に、転写部に記録紙を担持搬送すると共に記録紙にトナー像を転写する二次転写搬送ベルト等の転写部材に高温の記録紙が接触することから、これらの転写部材に記録紙からの熱が伝わり、転写部材の記録紙と接触する部分の温度が上昇するという現象が生じる。
【0007】
特に、例えば小サイズ紙での両面プリントを連続して行った後に大サイズ紙のプリントを行う場合には、二次転写搬送ベルト等の転写部材において、記録紙への転写領域内に、記録紙と接触して温度が高くなった部分と、記録紙との接触がなく温度が低いままの部分とが生じることとなる。転写部材の温度が高い部分では体積抵抗率が低下するため、転写部材の中で温度が高い部分と低い部分とで体積抵抗率に差が発生する。そのために、転写部に印加される転写電界が不均一となり、転写画像面内において転写ムラや色ムラが生じてしまうという問題があった。
【0008】
なお、上記した特許文献1に記載された技術は、像担持体の周囲や内部に空気を通過させて像担持体を冷却するものであるが、像担持体を冷却することのみによっては、転写部材に生じる温度分布を抑制して、二次転写時に転写電界が不均一となることによる画像の転写ムラや色ムラを防止することはできない。また、特許文献2に記載された技術は、搬送ベルトを支持して駆動する駆動ローラを冷却するものであるが、駆動ローラを冷却するだけでは転写部材の温度分布を均一化するには不充分である。
【0009】
そこで本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、転写部材を均一に冷却して温度分布の発生を抑制し、転写ムラや色ムラ等のない高品質な画像を形成することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
かかる目的のもと、本発明の画像形成装置は、記録媒体を担持して搬送するとともに、トナー像を担持するトナー像担持手段から記録媒体にトナー像を転写する転写搬送手段に、転写搬送手段を冷却する冷却手段を設けたことを特徴としている。ここで、冷却手段は、転写搬送手段に空気を吹きつけることで転写搬送手段を冷却することを特徴とすることもできる。また、冷却手段は、転写搬送手段の記録媒体を担持する基準となる位置を基準とした所定の領域を冷却することを特徴とすることもできる。
【0011】
また、本発明の画像形成装置は、記録媒体を担持して搬送するとともに、トナー像を担持するトナー像担持体から記録媒体にトナー像を転写する転写搬送部材に、この転写搬送部材の近傍に空気流路形成部材を配設して空気流路を形成し、空気流路形成部材の空気流路に空気流生成部材によって空気流を生成することを特徴としている。ここで、空気流生成部材は、空気流路形成部材に空気を供給する空気供給部材と、空気流路形成部材から空気を排出させる空気排出部材とを有することを特徴とすることもできる。また、外部環境の温度を検知する温度検知部材と湿度を検知する湿度検知部材のいずれか一方または双方をさらに備え、温度検知部材と湿度検知部材のいずれか一方または双方の検知結果に基づいて空気供給部材の動作を制御することもできる。さらに、空気流路形成部材は、空気流路の開口の位置と面積のいずれか一方または双方が可変に構成することもできる。さらにまた、トナー像担持体に空気流を供給してトナー像担持体を冷却するトナー像担持体冷却部材をさらに備えることもできる。
【0012】
また本発明の画像形成装置は、記録媒体の両面に画像を形成することが可能な画像形成装置であって、一方の面にトナー像が定着された記録媒体を担持して搬送するとともに、トナー像を担持するトナー像担持体から記録媒体の他方の面にトナー像を転写する転写搬送部材に、この転写搬送部材の近傍に空気流路形成部材を配設して空気流路を形成し、空気流路形成部材の空気流路に空気流生成部材によって空気流を生成するとともに、この空気流生成部材では生成する空気流量が制御可能に構成されていることを特徴としている。ここで、空気流生成部材は、両面画像形成の際には生成する空気流量を増加させることもできる。また、空気流生成部材は、両面画像形成の直後には生成する空気流量を増加させることもできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明について詳細に説明する。[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図1に示す画像形成装置は、所謂タンデム型、所謂中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式にて各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)、各画像形成ユニット10にて形成された各色成分トナー像を順次転写(一次転写)して保持させるトナー像担持手段の一例としての中間転写ベルト15、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録紙である用紙Pに一括転写(二次転写)させる転写搬送手段の一例としての二次転写搬送ベルト21、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着器60、二次転写搬送ベルト21を冷却する冷却手段の一例としての冷却装置100を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0014】
本実施の形態において、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、これらの感光体ドラム11が帯電される帯電器12、感光体ドラム11上に静電潜像が書込まれるレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17、などの電子写真用デバイスが順次配設されている。これらの画像形成ユニット10は、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)の順に、略直線状に配置されている。
【0015】
中間転写体である中間転写ベルト15は、ポリイミドあるいはポリアミド等の樹脂にカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたものが用いられ、その体積抵抗率が106〜1014Ωcmとなるように形成されており、その厚みは例えば0.1mm程度のフィルム状の無端ベルトで構成されている。中間転写ベルト15は、各種ロールによって図に示すB方向に所定の速度で循環駆動(回動)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を循環駆動させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して一定の張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を防止する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有している。
【0016】
各感光体ドラム11に対向し、略直線状に延びる中間転写ベルト15の内側に設けられる各一次転写ロール16には、トナーの帯電極性と逆極性の電圧が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
【0017】
中間転写ベルト15は、中間転写ベルト15のトナー像担持面側に配置される二次転写搬送ベルト21と二次転写部20において当接するように構成されている。また、中間転写ベルト15の裏面側にはバックアップロール25が配置されている。ここでバックアップロール25は、導電性の金属ロールに半導電性の弾性体を巻き付けて構成したものであり、例えばその体積抵抗率は106〜108Ωcmに調整されている。そして、トナーの帯電極性と同極性の電圧(正規の転写バイアス)が印加されて二次転写搬送ベルト21との間に転写電界を形成する。
【0018】
一方、二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22とアイドルロール23とによって張架された、例えば体積抵抗率が106〜1010Ωcmの半導電性の無端ベルトである。この二次転写搬送ベルト21は、駆動ロール22によって、所定の速度で搬送され、アイドルロール23によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール22は、導電性の金属ロールで構成され、接地されている。そして、二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、二次転写搬送ベルト21上に搬送される用紙Pに二次転写を行う二次転写ロールとして機能している。なお、ここでの「圧接」の文言は、直接接触する場合以外に、直接は接触せずに、介在する部材を押圧する状態に置かれている場合をも含む意味で用いている。
【0019】
また、中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が設けられている。さらに、イエローの画像形成ユニット10Yの上流側には、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)における画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配置され、また、黒の画像形成ユニット10Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設されている。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット10(10Y,10M,10C,10K)は画像形成を開始するように構成されている。
【0020】
さらに、用紙搬送系として、用紙Pを収容する3つの用紙トレイ50a、50b、50c、この用紙トレイ50a、50b、50cのいずれかに集積された用紙Pを所定のタイミングで取り出して搬送するピックアップロール51、ピックアップロール51にて繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送シュート53、二次転写搬送ベルト21によって二次転写された後に搬送される用紙Pを定着器60へと搬送する搬送ベルト55を備えている。
【0021】
また、両面搬送系として、定着器60で第1面にトナー像が定着された用紙Pを一旦保持する中間トレイ80、定着器60の用紙P搬送方向の下流側に配置され、用紙Pを直接排紙載置部70に搬送する搬送路Kと中間トレイ80に搬送する搬送路Lとに選択的に振り分けるフラッパ62、フラッパ62から導かれた用紙Pを中間トレイ80へ排出する排出ロール63、中間トレイ80に用紙Pを搬送する搬送ロール56、中間トレイ80に保持された用紙Pを所定のタイミングで取り出して二次転写部20へ向けて搬送するピックアップロール57を備えている。
【0022】
一方、定着器60は、定着ロール60aと加圧ロール60bとが互いに圧接されながら図示しない支持機構により回転自在に支持され、図示しない駆動装置によって図中の矢印方向に所定の速度で回転する。また、定着ロール60aと加圧ロール60bとは、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属で形成された円筒状の芯金上に、弾性材料で構成される弾性体層と、耐熱性に優れた弾性材料で構成される表面層とを積層して構成されたロールである。さらに、定着ロール60aの内部には、加熱源としてのハロゲンヒータが配設されている。
そして、定着ロール60aの表面には、定着ロール60aの表面温度を計測する図示しない温度センサが配設され、この温度センサの計測信号により、制御部40でハロゲンヒータが制御されて、定着ロール60aの表面温度が所定の温度(例えば160℃)に維持される。
【0023】
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。図1に示すような画像形成装置では、画像読取装置(IIT)90や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置(IPS)にて所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット10等によって作像作業が実行される。IPSでは、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0024】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各々の感光体ドラム11に照射している。画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kにて、Y、M、C、Kの各色のトナー像として現像される。
【0025】
画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが当接する一次転写部において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、中間転写ベルト15を介して各感光体ドラム11に対向配置された一次転写ロール16により、中間転写ベルト15の基材に対してトナーの帯電極性と逆極性の電圧が付加され、未定着トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせられて一次転写が行われる。このようにして一次転写された未定着トナー像は、中間転写ベルト15の回転に伴って二次転写部20に搬送される。
【0026】
一方、用紙搬送系では、画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール51が回転し、複数配設された用紙トレイ50a、50b、50cの中から所定サイズの用紙Pが供給される。ピックアップロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送シュート53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、上述したようにしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。なお、用紙Pとは、プリント可能な記録媒体を代表して表現したものであり、紙のほか、OHPシートや布材等も含んでいる。
【0027】
二次転写部20では、半導電性の二次転写搬送ベルト21および中間転写ベルト15を介して、駆動ロール22がバックアップロール25に押圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写搬送ベルト21との間に挟み込まれる。そして、バックアップロール25にトナーの帯電極性と同極性の電圧(転写バイアス)が印加されると、二次転写搬送ベルト21を対向電極として転写電界が形成され、中間転写ベルト15上に担持された未定着トナー像は、用紙Pに二次転写される。
【0028】
その後、トナー像が転写された用紙Pは、二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離され、二次転写搬送ベルト21の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55まで搬送される。搬送ベルト55では、定着器60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着器60まで搬送する。定着器60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着器60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、フラッパ62により搬送路Kに導かれ、排出ロール61により複数の排紙トレイ70a、70bが設置された排紙載置部70に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回動に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
【0029】
また、両面プリント時には、上述した過程によって用紙Pの第1面上に定着画像が形成された用紙Pは、定着器60から排出された後、フラッパ62により搬送路Lに導かれ、排出ロール63および搬送ロール56により中間トレイ80に搬送される。そして、画像形成ユニット10Y,10M,10C,10Kによる第2面の画像形成のタイミングに合わせてピックアップロール57が回転し、中間トレイ80から用紙Pが給紙される。ピックアップロール57により給紙された用紙Pは、第1面の場合と同様にしてトナー像が担持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされ、トナー像が用紙Pの第2面に二次転写される。
ここで、用紙Pの搬送方向について、第1面側に画像形成する場合の先端が、もう一方の第2面側に画像形成する場合には後端となってしまう。そこで、第2面側に画像形成する場合には、感光体ドラム11上にはトナー像の上下方向を第1面側に画像形成する場合に対して反転させるように形成して、両面共に上下方向の揃った画像を得ることができる。
【0030】
そして、トナー像が転写された用紙Pは、第1面の場合と同様に定着され、排紙載置部70に搬送される。すなわち、用紙Pは二次転写搬送ベルト21によって中間転写ベルト15から剥離され、二次転写搬送ベルト21および搬送ベルト55によって定着器60まで搬送される。定着器60に搬送された用紙Pの第2面上の未定着トナー像は、定着器60によって定着される。そして両面に定着画像が形成された用紙Pは、フラッパ62により搬送路Kに導かれ、排出ロール61により排紙載置部70に搬送される。
【0031】
次に、本発明の特徴である二次転写搬送ベルト21を冷却する冷却装置100について説明する。図1に示したように、冷却装置100は、二次転写搬送ベルト21の周囲を覆い、二次転写搬送ベルト21周囲に空気流路を形成する空気流路形成部材110、空気流路形成部材110に外気を供給する空気供給部材の一つとしての吸気ダクト120、空気流路形成部材110から空気を排出する空気排出部材の一つとしての排気ダクト130で構成されている。そして、吸気ダクト120と排気ダクト130とにより空気流生成部材を構成している。
【0032】
冷却装置100の構成について、図2および図3を用いて述べる。ここで、図2は冷却装置100を給紙側から見た正面図であり、図3は冷却装置100を装置手前側から見た側面図である。
図2および図3に示すように、空気流路形成部材110には、吸気ダクト120が連結された空気吸入口111と、排気ダクト130が連結された空気排出口112とが設けられて構成されている。また空気流路形成部材110には、空気吸入口111と空気排出口112のほか、二次転写部20と、用紙Pが二次転写部20に供給される用紙入口部113、用紙Pが搬送ベルト55に排出される用紙排出部114に開口を備えているが、用紙入口部113および用紙排出部114の下側には、空気の流出入を制限するために、それぞれシール板115、シール板116が配設されている。
【0033】
吸気ダクト120には、空気吸入口111に空気を送る吸気ファン121、吸気ファン121の上流側に配設され、外気からの粉塵を取り除く粉塵フィルタ122、外気を取り込む吸入口123を備えている。また、排気ダクト130には、空気排出口112から空気を吸入する排気ファン131、排気ファン131の上流側に配設され、帯電器12から放出されて機内の空気中に混入したオゾンを取り除くオゾンフィルタ132、空気を機外に排出するための排出口133を備えている。
【0034】
吸気ダクト120では、図示しない駆動モータによって駆動された吸気ファン121は、吸入口123から外気を取り込み、粉塵フィルタ122によって外気中の粉塵が除去された空気を空気吸入口111から空気流路形成部材110に供給する(図2中矢印F)。空気流路形成部材110では、空気吸入口111を二次転写搬送ベルト21の幅方向中央部よりも吸気ダクト120側に寄った位置に配置し、空気吸入口111は、供給された空気が二次転写搬送ベルト21の幅方向中央部を中心とした所定幅の領域に吹き付けられ、吹き付けられた空気が空気排出口112へ向けて流れるように形成されている。そして、二次転写搬送ベルト21の中央部領域に吹き付けられた空気は、一部が用紙入口部113から漏出するが、用紙入口部113に設けられたシール板115によりその殆どが二次転写搬送ベルト21の表面に向かい、二次転写搬送ベルト21の表面に沿って空気排出口112に向かって移動しながら(図2中矢印G)、二次転写搬送ベルト21から熱を奪い二次転写搬送ベルト21を冷却する。
ここで、空気流を二次転写搬送ベルト21の表面に沿ってスムーズに空気排出口112まで移動させるために、空気流路形成部材110の空気吸入口111が配設された側壁の内面に、二次転写搬送ベルト21の幅方向に向けて、整流板としての複数のリブ117を設けている。
【0035】
そして、二次転写搬送ベルト21を冷却する際に温まった空気は、図示しない駆動モータによって駆動された排気ファン131により、空気流路形成部材110の空気排出口112から排気ダクト130に吸引され、オゾンフィルタ132によって空気中のオゾンが除去された後、排出口133から機外に排出される(図2中矢印H)。ここで、排気ダクト130では排気ファン131の駆動により空気排出口112における気圧を負圧とすることで、二次転写搬送ベルト21の中央部領域に吹き付けられた空気は、空気排出口112に向かうように設定されている。
【0036】
ところで、例えば、用紙PとしてA4サイズ紙での両面プリントを連続して行った場合には、第1面目のプリントで定着器60によって高温に温められた用紙Pが、第2面目のプリント時に二次転写搬送ベルト21と接触することから、二次転写搬送ベルト21における用紙Pとの接触領域の温度がプリントを重ねる毎に高くなる。したがって、A4サイズ紙での両面プリントを連続して行った直後に、A3サイズ紙でのプリントを行う場合には、二次転写搬送ベルト21のA3サイズ紙の転写領域内において、A4サイズの用紙Pと接触して温度が高くなった部分と、A4サイズの用紙Pとの接触がなく温度が低いままの部分とが生じることとなる。二次転写搬送ベルト21は体積抵抗率が106〜1010Ωcmの半導電性に構成されているが、このように二次転写搬送ベルト21の温度が高くなると体積抵抗率が低下し、二次転写時に充分な転写電界を形成することができなくなる。その結果、二次転写搬送ベルト21の中で温度が高い部分と低い部分とで転写電界が不均一となり、画像面内において転写ムラや色ムラが生じてしまうこととなる。
【0037】
これに対し、本実施の形態の画像形成装置では、上述したように、外部から取り込んだ空気を二次転写搬送ベルト21の中央部領域に吹き付けて、二次転写搬送ベルト21の中央部領域を冷却するように構成することで、二次転写搬送ベルト21の幅方向の全域に亘って二次転写搬送ベルト21の温度を略均一に保つことができる。そのため、A4サイズ紙のような小サイズ紙での両面プリントを連続して行った直後に、A3サイズ紙のような大サイズ紙でのプリントを行う場合にも、二次転写搬送ベルト21の幅方向の温度を略均一に維持することができる。その結果、二次転写搬送ベルト21の中で温度が高い部分と低い部分とが生じて転写電界が不均一となることを抑制することができ、画像面内において転写ムラや色ムラがない高品質の画像を形成することが可能となる。
【0038】
なお、本実施の形態では、二次転写搬送ベルト21の中央部領域を冷却するように空気を吹き付けたが、これは用紙Pの搬送として中央基準方式を採用した構成を前提としたからである。したがって、用紙Pの搬送として片側基準方式を採用した構成においては、二次転写搬送ベルト21の搬送基準側領域を冷却するように空気を吹き付けるような構成が採られる。
また、二次転写搬送ベルト21への空気の吹き付けは、二次転写搬送ベルト21の内側にダクトを配設し、二次転写搬送ベルト21の内面から行うことも可能である。
【0039】
さらに、図4に示したように、空気吸入口111を、空気吸入口111の幅方向の一辺が転写搬送ベルト21の幅方向中央部に位置し、他方の一辺が頻繁に使用する用紙P(例えば、A4サイズ紙)の用紙幅の端面部に位置するように形成し、さらにその開口部に開口量を調整するためのスライド自在に構成されたスライド板118を備えた構成としてもよい。
かかる構成において、両面プリント時に使用される用紙Pのサイズに対応させてスライド板118の位置を移動させることによって、空気吸入口111から空気を吹き付ける領域を調整することができる。例えば、A4サイズ紙の両面プリントを行う場合には、空気吸入口111の開口が最大となるようにスライド板118の位置を移動させ、A4サイズ幅の全域に直接空気を吹き付けるように設定する。一方、B5サイズ紙の両面プリントを行う場合には、B5サイズ紙の端面部までスライド板118の位置を移動させ、B5サイズ幅の全域に重点的に空気を吹き付けるように設定することができる。
このように構成することによって、両面プリント時に使用される用紙Pのサイズに合わせて、二次転写搬送ベルト21の昇温した領域を効率的に冷却することが可能となる。
なお、空気吸入口111の開口量の調整は、空気吸入口111に分割した複数のシャッタを設けておき、そのシャッタを選択的に開閉させるように構成して実現することもできる。
【0040】
次に、制御部40が行う冷却装置100の駆動制御について述べる。図5は、制御部40が行う冷却装置100の駆動制御に関する処理の流れを示すフローチャートの一例である。図5に示すように、画像形成装置がプリント動作を開始すると、まずそのプリント動作が装置を起動させた後の最初のプリント動作か否かを判断する(S101)。そして、装置を起動させた後の最初のプリント動作である場合には、今回のプリント動作が両面プリントモードか片面プリントモードかを判断する(S102)。両面プリントモードの場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる(S103)。両面プリントモードでは、上述したように二次転写搬送ベルト21における用紙Pとの接触領域の温度が高くなるため、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させて、二次転写搬送ベルト21を冷却するために充分な空気流量を二次転写搬送ベルト21に供給するためである。一方、片面プリントモードの場合には、排気ダクト130の排気ファン131のみを駆動させる(S104)。片面プリントモードでは、二次転写搬送ベルト21が搬送する用紙Pは室温であるため、二次転写搬送ベルト21の温度は用紙Pとの接触で上がることはなく、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる必要はないが、定着器60からの熱による影響を徐々に受け、大量のプリントの際には二次転写搬送ベルト21全体の温度が僅かながら上昇することもある。そのため、排気ダクト130の排気ファン131のみを駆動させて、二次転写搬送ベルト21の温度上昇の発生を抑制する。
【0041】
ステップS101において、プリント動作が装置を起動させた後の最初のプリント動作でないと判断された場合、すなわち装置がスタンバイ状態であって今回のプリント動作以前にプリント動作履歴が存在する場合には、前回のプリント動作が両面プリントモードであったか片面プリントモードであったかを判断する(S105)。そして、両面プリントモードであった場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる(S106)。前回のプリント動作が両面プリントモードであると、二次転写搬送ベルト21の用紙Pとの接触領域の温度が高い状態のままの場合があるからである。
ステップS105において、片面プリントモードであったと判断された場合には、今回のプリント動作が両面プリントモードか片面プリントモードかを判断する(S107)。そして、今回のプリント動作が両面プリントモードである場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121と、排気ダクト130の排気ファン131との双方を駆動させる(S108)。一方、今回のプリント動作が片面プリントモードである場合には、排気ダクト130の排気ファン131のみを駆動させる(S109)。前回のプリント動作および今回のプリント動作ともに片面プリントモードであるので、二次転写搬送ベルト21の用紙Pとの接触領域の温度は、両面プリントモードの場合ほど高くならないからである。
【0042】
さらに、冬季の朝など装置の設置環境の温度が低い状態において、ストーブやヒータ等により急激に周囲の温度や湿度が上昇した場合には、吸気ダクト120の吸気ファン121を駆動させて暖かく湿った外気を吸入すると、冷えた状態の感光体ドラム11に結露が生じる場合がある。感光体ドラム11に結露が生じた状態でプリント動作を行うと、画像品質は著しく劣化したものとなる。そこで、装置の外部環境の温度を検出する温度センサおよび湿度を検出する湿度センサを配設し、温度センサおよび湿度センサからの検出値が所定の温度および所定の湿度の範囲を超えて急激に変動した場合には、両面プリントモードが選択されている場合でも吸気ダクト120の吸気ファン121の駆動を行わないように設定することも可能である。
【0043】
このように、本実施の形態の画像形成装置では、外部から取り込んだ空気を二次転写搬送ベルト21に吹き付けて、二次転写搬送ベルト21の温度が高くなった領域を冷却する冷却装置100を設けることで、二次転写搬送ベルト21の幅方向の全域に亘って二次転写搬送ベルト21の温度を略均一に保つことができる。そのため、小サイズ紙での両面プリントを連続して行った直後に、大サイズ紙でのプリントを行う場合にも、二次転写搬送ベルト21の幅方向の温度を略均一に維持することができるので、二次転写搬送ベルト21の中で温度が高い部分と低い部分とが生じて転写電界が不均一となることを抑制することができ、画像面内において転写ムラや色ムラがない高品質の画像を形成することが可能となる。
【0044】
なお、本実施の形態の画像形成装置では、二次転写搬送ベルト21に冷却装置100を設けたが、中間転写ベルト15は二次転写搬送ベルト21に接触して構成されているため、二次転写搬送ベルト21からの熱を受け易い。そのため、中間転写ベルト15においても二次転写搬送ベルト21の温度が高くなった領域に当接する部分では、二次転写搬送ベルト21からの熱が伝わり温度が高くなる場合もある。中間転写ベルト15の体積抵抗率は106〜1014Ωcmとなるように形成されているが、二次転写搬送ベルト21と同様に温度が上がると体積抵抗率が低下し、一次転写および二次転写において充分な転写電界を形成することができなり、転写不良を発生させる原因となる。そこで、中間転写ベルト15を冷却するべく、冷却装置100を中間転写ベルト15に適用することも可能である。
【0045】
[実施の形態2]
実施の形態1では、一旦トナー像を中間転写体に担持する所謂中間転写方式により記録紙にカラー画像を形成する画像形成装置を例に挙げて説明した。しかしながら、かかる内容は、中間転写方式による画像形成装置の代わりに、感光体ドラムから直接トナー像を記録紙に転写して画像形成する画像形成装置にも適用することが可能である。この実施の形態2では、かかる感光体ドラムから直接トナー像を記録紙に転写する場合について説明する。尚、実施の形態1と同様の構成については、同様の符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0046】
図6は本実施の形態が適用される画像形成装置を示した図である。図6に示す画像形成装置は、電子写真方式にて黒色のトナー像が形成される画像形成ユニット10、画像形成ユニット10上に形成されたトナー画像を記録紙である用紙Pに転写させる転写搬送ベルト210、転写された画像を用紙P上に定着させる定着器60、転写搬送ベルト210を冷却する冷却装置100を備えている。また、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を有している。
【0047】
転写搬送ベルト210は、駆動ロール212とアイドルロール213とによって張架された、例えば体積抵抗率が106〜1010Ωcmの半導電性の無端ベルトである。この転写搬送ベルト210は、駆動ロール212によって、所定の速度で搬送され、アイドルロール213によって所定のテンションが与えられている。駆動ロール212は、導電性の金属ロールに半導電性の弾性体を巻き付けて構成したものであり、例えばその体積抵抗率は106〜108Ωcmに調整されている。そして、転写搬送ベルト210を挟んで感光体ドラム11に圧接配置される。
駆動ロール212にはトナーの帯電極性と反対極性の電圧(転写バイアス)が印加され、転写搬送ベルト210と、トナー像担持体の一例としての感光体ドラム11との間に転写電界を形成する。そして、転写搬送ベルト210に給紙される用紙P上にトナー像を転写する。
【0048】
本実施の形態の画像形成装置では、図7に示すように、冷却装置100は転写搬送ベルト210を冷却するとともに、感光体ドラム11の一端面に配設された吸気口141の位置に対応して吸気ダクト120の分岐路124を位置させ、感光体ドラム11の他端面に配設された排気口142に対応させて排気ダクト130を位置させて、感光体ドラム11内に空気を流通させるように構成し、感光体ドラム11の冷却も同時に行うことができる。
【0049】
具体的には、感光体ドラム11の両端面に感光体ドラム11の回転軸を中心として所定の円周上に、吸気口141および排気口142としての複数の円形孔がそれぞれ形成されている(図6も併せて参照)。そして、感光体ドラム11の両端面の所定の円周に対応して、吸気ダクト120の分岐路124と排気ダクト130とを位置させて配置している。
吸気ダクト120から吸気された外気は、転写搬送ベルト210に供給される空気流(図7中矢印F1)の一部が、吸気ダクト120の分岐路124から感光体ドラム11の吸気口141が配設された端面に向けて供給される(図7中矢印F2)。回転する感光体ドラム11の端面の吸気口141が分岐路124の位置に到達した際に、分岐路124から感光体ドラム11の内部に空気が供給されるが、吸気口141は感光体ドラム11の端面に間断なく形成されているので、略連続的に感光体ドラム11の内部に空気が供給される。そして、感光体ドラム11に供給された空気は、感光体ドラム11内を通過し、主として排気ダクト130によって負圧となっている排出口142に向かって移動しながら(図7中矢印J)、感光体ドラム11から熱を奪い感光体ドラム11を冷却する。
【0050】
そして、感光体ドラム11を冷却する際に温まった空気は、回転する感光体ドラム11のもう一方の端面に配設された排気口142が排気ダクト130の位置に到達した際に、排気ダクト130によって負圧となっている排気口142に吸引され(図7中矢印H2)、転写搬送ベルト210から排出される空気流(図7中矢印H1)とともに排出口133から機外に排出される。ここで、排気口142も感光体ドラム11の端面に間断なく形成されているので、略連続的に感光体ドラム11の内部から空気が排出される。なおここでは、吸気ダクト120および排気ダクト130がトナー像担持体冷却部材を構成している。
【0051】
ところで、転写搬送ベルト210は、実施の形態1において説明したのと同様に、両面プリントを連続して行った場合には、第1面目のプリントで定着器60によって高温に温められた用紙Pが、第2面目のプリント時に転写搬送ベルト210と接触することから、転写搬送ベルト210における用紙Pとの接触領域の温度がプリントを重ねる毎に高くなることから冷却している。
一方、本実施の形態の画像形成装置では、転写搬送ベルト210は感光体ドラム11に接触して構成されているため、転写搬送ベルト210からの熱を受け易い。そのため、感光体ドラム11においても転写搬送ベルト210の温度が高くなった領域に当接する部分では、転写搬送ベルト210からの熱が伝わって温度が高くなる場合もある。感光体ドラム11の温度が高くなると、感光体ドラム11の感光層における電荷モビリティが高くなり、充分な帯電電位が得られないという現象が生じる。そこで、感光体ドラム11も同時に冷却することで、感光体ドラム11の全域に亘り充分な帯電電位を確保し、コントラストの高い高品質の画像を得ることができる。また、感光体ドラム11を冷却することで、転写搬送ベルト210の冷却も効果的に行われるという利点もある。
【0052】
なお、排気ダクト130においては、感光体ドラム11を帯電する帯電器12からの空気を吸引する空気流通路を排気ダクト130に連結し、帯電器12から発生するオゾンを同時に吸引することができるように構成することにより、帯電器12のオゾン除去を同時に行うこともでき、装置の排気系の構成を簡略化することもできる。
【0053】
このように、本実施の形態の画像形成装置によれば、冷却装置100により転写搬送ベルト210を冷却するとともに、感光体ドラム11の冷却も同時に行うことにより、転写搬送ベルト210および感光体ドラム11の幅方向の全域に亘って温度を略均一に保つことができる。そのため、両面プリントを行う場合にも、転写搬送ベルト210の中で温度が高い部分と低い部分とが生じて転写電界が不均一となることを抑制することができ、画像面内において転写ムラや色ムラがない高品質の画像を形成することが可能となるとともに、感光体ドラム11の帯電電位も充分に確保することができるため、幅方向の全域に亘ってコントラストの高い鮮明な画像を形成することができる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、転写部材を均一に冷却して温度分布の発生を抑制し、転写ムラや色ムラ等のない高品質な画像を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置を示した図である。
【図2】冷却装置の正面図である。
【図3】冷却装置の側面図である。
【図4】開口量の調整が可能な冷却装置の正面図である。
【図5】冷却装置の駆動制御に関する処理の流れを示すフローチャートの一例である。
【図6】本発明の他の画像形成装置を示した図である。
【図7】冷却装置の正面図である。
【符号の説明】
10Y,10M,10C,10K…画像形成ユニット、11…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像器、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17…ドラムクリーナ、20…二次転写部、21…二次転写搬送ベルト、22,212…駆動ロール、23,213…アイドルロール、25…バックアップロール、40…制御部、60…定着器、61,63…排出ロール、62…フラッパ、70…排紙載置部、80…中間トレイ、100…冷却装置、110…空気流路形成部材、111…空気吸入口、112…空気排出口、113…用紙入口部、114…用紙排出部、115,116…シール板、117…リブ、120…吸気ダクト、121…吸気ファン、122…粉塵フィルタ、123…吸入口、124…分岐路、130…排気ダクト、131…排気ファン、132…オゾンフィルタ、133…排出口、141…吸気口、142…排気口、210…転写搬送ベルト
Claims (11)
- トナー像を担持するトナー像担持手段と、
記録媒体を担持して搬送するとともに、前記トナー像担持手段から当該記録媒体にトナー像を転写する転写搬送手段と、
前記転写搬送手段を冷却する冷却手段と
を有することを特徴とする画像形成装置。 - 前記冷却手段は、前記転写搬送手段に空気を吹きつけることを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- 前記冷却手段は、前記転写搬送手段の前記記録媒体を担持する基準となる位置を基準とした所定の領域を冷却することを特徴とする請求項1記載の画像形成装置。
- トナー像を担持するトナー像担持体と、
記録媒体を担持して搬送するとともに、前記トナー像担持体から当該記録媒体にトナー像を転写する転写搬送部材と、
前記転写搬送部材の近傍に空気流路を形成する空気流路形成部材と、
前記空気流路形成部材の前記空気流路に空気流を生成する空気流生成部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記空気流生成部材は、前記空気流路形成部材に空気を供給する空気供給部材と、当該空気流路形成部材から空気を排出させる空気排出部材とを有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 外部環境の温度を検知する温度検知部材と湿度を検知する湿度検知部材のいずれか一方または双方をさらに備え、当該温度検知部材と当該湿度検知部材のいずれか一方または双方の検知結果に基づいて前記空気供給部材の動作を制御することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 前記空気流路形成部材は、前記空気流路の開口の位置と面積のいずれか一方または双方が可変に構成されたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 前記トナー像担持体に空気流を供給して当該トナー像担持体を冷却するトナー像担持体冷却部材をさらに備えたことを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
- 記録媒体の両面に画像を形成することが可能な画像形成装置であって、
トナー像を担持するトナー像担持体と、
一方の面にトナー像が定着された記録媒体を担持して搬送するとともに、前記トナー像担持体から当該記録媒体の他方の面にトナー像を転写する転写搬送部材と、
前記転写搬送部材の近傍に空気流路を形成する空気流路形成部材と、
前記空気流路形成部材の前記空気流路に空気流を生成するとともに、生成する空気流量が制御可能に構成された空気流生成部材と
を備えたことを特徴とする画像形成装置。 - 前記空気流生成部材は、両面画像形成の際には生成する空気流量を増加させることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
- 前記空気流生成部材は、両面画像形成の直後には生成する空気流量を増加させることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
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- 2003-06-04 JP JP2003159475A patent/JP2004361626A/ja active Pending
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